説明

インクおよび塗料における櫛形ポリエーテルアルカノールアミン

本明細書においては、従来分散が困難であった顔料を分散させることができ、同時に許容すべきレベルの粘度を維持し得る新規分散剤を含むインクまたは塗料として有用な組成物が記載されている。顔料を高い充填量で含み且つ従来の有用な粘度範囲内に存在する多様な種類のインクおよび塗料の製造を可能にする該分散剤の使用も記載されている。

【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2005年3月10日出願の国際特許出願PCT/US05/008126号の一部継続出願であり、これは2004年5月13日出願の米国暫定特許願第60/570,600号の優先権を請求する。
【技術分野】
【0002】
本発明は、顔料の分散剤がポリエーテルアルカノールアミン櫛形ポリマー(comb polymer)である顔料を含んだ非水性および水性のインクおよび塗料(coating)、およびその製造法に関する。また本発明はインクジェット・プリンターに使用できる顔料を含んだ水性インク、および顔料を含んだ塗料に関する。
【背景技術】
【0003】
顔料を着色剤として使用する場合、顔料、水、分散剤等を含む濃縮された顔料分散物を水、樹脂、水溶性の有機媒質、および他の成分と混合することによってインク組成物がつくられる。特許文献1には、(a)実質的に顔料、分散剤、ポリシロキサン表面活性剤、および/またはアルカンジオール、多価アルコールおよび水から成る混合物をつくり、(b)この混合物を分散させ顔料分散物をつくる段階を含んで成る顔料分散物の製造法が記載されている。この特許にはまた上記顔料分散物からつくられたインク組成物が請求されている。
【0004】
一般に顔料を含んだインク組成物では、顔料の粒子が凝集し担体から沈降するのを防ぐ役目をする分散剤によって顔料分散物を安定化させる。特許文献2には、顔料、水性媒質、および安定剤としてアクリル酸/アクリレート・ブロック共重合体を含んで成るインク組成物が記載されている。特許文献3では、親水性のポリアクリル酸の骨格と疎水性部分の側鎖を含んで成るグラフト重合体を水性インク組成物中で使用している。特許文献4には、水性インク分散物の中にイオン性の親水性区画および芳香族の疎水性区画を有する重合体が顔料の表面に接着された状態で含まれているインクジェット・プリンター用の水性インク分散物が記載されている。
【0005】
特許文献5は、スチレン/マレイン酸無水物(SAM)共重合体とアルコールとの反応生成物から成る分散剤を顔料分散剤として含む平判印刷用のインクに関する。特許文献6では、短い炭素鎖をもたないヒドロキシ末端の枝分れした重合体をインクジェット用のインクに使用している。
【0006】
従来法の顔料を含んだインク組成物は顔料分散物に対して許容し得る安定性を示しているが、インクの粘度をさらに低下させ、良好な印刷密度を賦与し、顔料の充填量を増加させ、老化後の剪断によるシンニング(thinning)を低下させるためには、顔料を含んだインクに対する改善された分散剤がなお必要とされている。従って本発明の目的は、顔料を含んだ改善されたインク組成物を提供することである。
【0007】
これに加えて、顔料は顔料分散物と摩砕樹脂(grind resin)を混合することにより顔料を含んだ塗料組成物の中に混入することができる。塗料組成物はさらに交叉結合剤、溶媒、他の重合体樹脂、流動および外観制御剤、充填剤のような添加物を含んでいることができる。
【0008】
一般に塗料組成物は、金属、合金、複合体、プラスティックス、コンクリート、鋳鉄、木材、セラミックス、紙、フィルム、箔、ビニル材、織物、ガラス、レザー、および同様
な材料の上に美観を与える保護層をつくるのに使用することができる。特に本明細書に記載された塗料組成物は自動車、自動車の部品、甲板、柵、家屋、および同様物の表面に被覆することができる。
【0009】
特許文献7には、溶媒を含んだ塗料組成物に使用される顔料分散物が記載されている。さらに該特許文献には、溶媒を含んだ塗料組成物に対する顔料分散物の中に顔料を混入するために、摩砕樹脂として顔料分散剤を使用することが記載されている。特許文献7はそれが本発明の記述と矛盾しない程度において引用により本発明に包含される。
【0010】
従来の顔料を含んだ塗料組成物は顔料に対し許容できる安定性を示すが、被覆粘度をさらに低下させ、良好な印刷密度を与え、顔料の充填量を増加させることができ、且つ老化後の剪断のシンニングの程度が低いさらに改善された顔料分散物がなお必要とされている。従って本発明の目的は顔料を含む改善された塗料組成物を提供することである。
【0011】
このように本発明は、本明細書に定義された分散剤材料を含んで成るインク組成物および顔料を含んだ塗料組成物を含むインク、塗料、および同様物を調合するのに有用な、新規にして発明性をもった種類の分散剤材料を規定している。
【特許文献1】米国特許第6,818,053号明細書。
【特許文献2】米国特許第5,085,698号明細書。
【特許文献3】米国特許第5,589,522号明細書。
【特許文献4】米国特許第4,597,794号明細書。
【特許文献5】米国特許第5,948,843号明細書。
【特許文献6】米国特許第5,302,197号明細書。
【特許文献7】米国特許第7,005,473号明細書。
【本発明の開示】
【0012】
本発明の概要
定義
本明細書において使用される「反応」または「反応する」と言う言葉は、2種以上の反応物を組み合わせるか、または反応開始剤および/または触媒の存在下において1種またはそれ以上の反応物を組み合わせることを意味する。
【0013】
本明細書において使用される「分散剤」という言葉は櫛形ポリマーを意味する。適当な櫛形ポリマーおよびこれをつくる方法は下記に説明されている。
【0014】
本明細書において使用される「顔料を加えた分散物」および「顔料分散物」という言葉は分散剤と適当な顔料との混合物を意味する。適当な顔料は下記に記載されている。
【0015】
本明細書において使用される「ヒドロカルビル」と言う言葉は、置換基または原子団に対して参照される場合、その普通の意味で使用される。特定的に述べれば、これは分子の残りの部分に直接結合し、主として炭化水素特性をもった炭素原子を意味する。ヒドロカルビル置換基または原子団の例には次のものが含まれる:(1)炭化水素(例えばアルキル、アルケニル、アルキニルを含む)置換基、および芳香族、脂肪族および脂環式の置換基が置換した芳香族置換基、並びに分子の他の部分によって環が完成している環式の置換基(例えば2個の置換基が一緒になって脂環式の基をつくっているもの);(2)置換基をもった炭化水素置換基、即ち非炭化水素基を含む炭化水素置換基。本発明の文脈においてこれらの置換基は主たる炭化水素置換基の特性を変化させないものである(例えばハロ(特にクロロおよびフルオロ)、ヒドロキシ、アルコキシ、メルカプト、アルキルメルカプト、ニトロ、ニトロソ、およびスルフォキシ);(3)ヘテロ置換基、即ち本発明の文脈においては、主として炭化水素特性をもっているが環または他の原子から構成される他
の炭素鎖の中に炭素以外の原子を含んでいるもの。へテロ原子には硫黄、酸素、窒素が含まれ、またピリジル、フリル、チエニルおよびイミダゾリルのような置換基が含まれる。一般に非炭化水素置換基は、ヒドロカルビル基の炭素原子10個当たり3個以上、好ましくは2個以上は存在しない。典型的にはヒドロカルビル基の中には非炭化水素置換基は全く存在しない。
【0016】
本明細書の目的に対しては、重量平均分子量は次式で与えられる。
【0017】
【数1】

【0018】
ここでnは分子量がMの分子の数の割合である。
【0019】
数平均分子量は次式で与えられる。
【0020】
【数2】

【0021】
ここでnは分子量がMの分子の数の割合である。MおよびMは典型的にはMacromolecules誌、34巻、19号、6812頁(2001年)に記載されたゲル透過クロマトグラフ法により決定される。
【0022】
本発明およびそれに対する特許請求の範囲の目的に対しては、粘度はBrookfield粘度計を用いて測定される。色合いの強さ(tint strength)(Sherwin Williams社のSuperpaint Flat Interior Latex、Extra White対分散物、それぞれ50部対0.50部)の測定−Hauschild混合機で1800rpmにおいて1分間混合する。標準に対する色合い混合物のドローダウン(drawdowns)は、#20の針金を巻き付けた棒を用い、Leneta 3NT−4の正規のボンド・ストック(regular bond stock)の上につくった。色、透明度、光沢はLenta 3NT−3のフィルムおよび箔上において360P 113アニロクス(anilox)を用いてつくったプリントを試験して決定した。さらに特記しない限り、或いは文脈によって示されない限り、すべての割合は重量により、すべての分子量はMである。
【0023】
本発明によれば、
(a)顔料成分;および
(b)該顔料を分散させるのに効果的な量の、式
【0024】
【化1】

【0025】
の構造を有する分散剤を含んで成るインクまたは塗料の組成物が提供される。上記式中RはC〜C100のヒドロカルビル基であることができ;Rは構造
【0026】
【化2】

【0027】
によって定義されるアルコキシル化されたヒドロカルビル基であることができる。ここでRは水素およびC〜約C24のヒドロカルビル基から成る群から選ばれ;X、X、X、X、X、およびXはそれぞれそれが存在する場合独立に水素、メチル、およびエチルから成る群から選ばれるが、但し同じアルコキシ単位に結合した2個のX基の少なくとも一つは水素であり、p、q、およびrは互いに独立に0〜約100の間の0を含む整数であることができるが、但しこの場合p、q、およびrの少なくとも一つは0ではない。またnは1〜約50の任意の整数であり;sは0または1である。
【0028】
本発明の他の具体化例は次の各項に関する。
【0029】
(1) (a)顔料成分;および
(b)該顔料を分散させるのに効果的な量の、式
【0030】
【化3】

【0031】
但し上記式中RはC〜C100の脂肪族ヒドロカルビル基であることができ;
は構造
【0032】
【化4】

【0033】
によって定義されるアルコキシル化されたヒドロカルビル基であることができ、ここでR
は水素およびC〜約C24のヒドロカルビル基から成る群から選ばれ;X、X、X、X、X、およびXはそれぞれそれが存在する場合独立に水素、メチル、およびエチルから成る群から選ばれるが、但し同じアルコキシ単位に結合した2個のX基の少なくとも一つは水素であり、p、q、およびrは互いに独立に0〜約100の間の0を含む整数であることができるが、但しこの場合p、q、およびrの少なくとも一つは0ではなく;またnは1〜約50の任意の整数であり;sは0または1であることができるものとする、
の構造を有する分散剤
を含んで成る組成物。
【0034】
(2)顔料成分は、フタロシアニン、カーボンブラック、二酸化チタン、クロム酸塩、硫化物、酸化鉄、アゾレーキ、不溶性のアゾ顔料、縮合したアゾ顔料、キレートアゾ顔料、モノジアリーリド、B−ナフトール、ナフトールAS、ベンズイミダゾロン、金属で沈澱させたアゾ化合物、ジアゾ顔料、ジアリーリド、ジアゾ縮合物、ジアゾピラゾイオン、ビスアセトアセトアリーリド、フタロシアニン顔料、ペリレン類、ペリレン、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料、塩基性染料のレーキ、酸性染料のレーキ、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、黒色のアニリン昼間色蛍光染料、グラファイト炭素、イソインドリン、イソインドリノン、インジゴイド、ジケトピロロピロール、トリアルキルカルボニウム、金属錯体、真珠、液晶顔料、蛍光体、および上記の顔料の官能性誘導体から成る群から選ばれる上記(1)項記載の組成物。
【0035】
(3)さらに溶媒を含んで成る上記(1)または(2)項記載の組成物。
【0036】
(4)該溶媒は、多価アルコール;グリコール;ジオール;グリコールエステル;グリコールエーテル;ポリアルキルグリコール;多価アルコールの低級アルキルエーテル;1分子当たりの炭素数が約8以下のアルコール;ケトン;エーテル;エステルおよびラクタムから成る群から選ばれる1種またはそれ以上の有機溶媒である上記(3)項記載の組成物。
【0037】
(5)溶媒が水である上記(3)項記載の組成物。
【0038】
(6)該溶媒は、水;ヘキサン;ミネラルスピリット;トルエン;大豆油;ひまし油;トール油脂肪酸;多価アルコール;グリコール;ジオール;グリコールエステル;グリコールエーテル;ポリアルキルグリコール;多価アルコールの低級アルキルエーテル;1分子当たりの炭素数が約8以下のアルコール;ケトン;エーテル;エステル;ラクタム、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール;ペンタンジオール;グリセリン;プロピレングリコールラウレート;ポリエチレングリコール;エチレングリコールモノメチルエーテル;エチレングリコールモノエチルエーテル;エチレングリコールモノブチルエーテル;1分子当たりの炭素数約8以下のアルコール、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソ−プロパノール;アセトン;ジオキサン;酢酸エチル;酢酸プロピル;酢酸t−ブチル、および2−ピロリドンから成る群から選ばれる上記(3)項記載の組成物。
【0039】
(7)存在する該溶媒成分の量は該組成物の全重量に関して約10〜99重量%の範囲の任意の量である上記(3)〜(6)項記載の組成物。
【0040】
(8)存在する該溶媒成分の量は該組成物の全重量に関して約50〜99重量%の範囲の任意の量である上記(3)〜(7)項記載の組成物。
【0041】
(9)該組成物は該組成物の全重量に関し約1〜約80重量%の顔料を含んで成る上記(1)〜(8)項記載の組成物。
【0042】
(10)該組成物は該組成物の全重量に関し約1〜約40重量%の顔料を含んで成る上記(1)〜(9)項記載の組成物。
【0043】
(11)該組成物は該組成物の全重量に関し約2〜約10重量%の顔料を含んで成る上記(1)〜(10)項記載の組成物。
【0044】
(12)インク組成物または塗料組成物における上記(1)〜(12)項記載の分散剤の使用。
【0045】
(13)顔料、水、および上記(1)項記載の分散剤を含んで成る分散物。
【0046】
(14)上記任意の項に記載された有機溶媒、顔料、および上記(1)項記載の分散剤を含んで成る分散物。
【0047】
(15)該顔料は上記任意の項記載の任意の顔料を含んで成る上記(1)〜(14)項記載の組成物。
【0048】
(16)上記(1)〜(15)項記載の組成物の分散剤成分に対して規定された限度範囲内における分散剤の使用において、セルロース、任意のオレフィン重合体、ガラス、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリウレタン、金属複合体等から成る群から選ばれる材料を含んで成る基質に被覆されるか被覆することを意図されたインクまたは塗料における使用。
【0049】
(17)上記(1)〜(16)項に規定された組成物の分散剤の定義の範囲内に入る材料を含んで成る液体インク組成物。
【0050】
(18)インクまたは塗料を含んで成る製品であって、該製品は
(a)顔料成分;および
(b)該顔料を分散させるのに効果的な量の、式
【0051】
【化5】

【0052】
但し上記式中RはC〜C100の脂肪族ヒドロカルビル基であることができ;
は構造
【0053】
【化6】

【0054】
によって定義されるアルコキシル化されたヒドロカルビル基であることができ、ここでRは水素およびC〜約C24のヒドロカルビル基から成る群から選ばれ;X、X、X、X、X、およびXはそれぞれそれが存在する場合独立に水素、メチル、およびエチルから成る群から選ばれるが、但し同じアルコキシ単位に結合した2個のX基の少なくとも一つは水素であり、p、q、およびrは互いに独立に0〜約100の間の0を含む整数であることができるが、但しこの場合p、q、およびrの少なくとも一つは0ではなく;またnは1〜約50の任意の整数であり;sは0または1であることができるものとする、
の構造を有する水溶性の分散剤
を含んで成る製品。
【0055】
(19)該製品は金属、合金、複合体、プラスティックス、コンクリート、鋳鉄、木材、セラミックス、紙、フィルム、箔、ビニル材、織物、ガラス、およびレザーから成る群から選ばれる材料からつくられている上記(18)記載の製品。
【0056】
(20)(a)一官能性のアミン末端ポリエーテルとポリオールのグリシジルエーテルとを反応させて分散剤をつくり、
(b)該分散剤と顔料を接触させて顔料分散物をつくることから成るインクまたは塗料の組成物を製造する方法。
【0057】
(21)該ポリオールのグリシジルエーテルは芳香族のエポキシド基を含んで成り、該ポリオールのグリシジルエーテルの芳香族の基の20〜90%を一官能性のアミン末端ポリエーテルと反応させる上記(20)項記載の方法。
【0058】
(22)該ポリオールのグリシジルエーテルは脂肪族のエポキシド基を含んで成り、該ポリオールのグリシジルエーテルの脂肪族の基の20〜100%を一官能性のアミン末端ポリエーテルと反応させる上記(20)項記載の方法。
【0059】
(23)一官能性のアミン末端ポリエーテルはポリエーテルアミンである上記(20)または(22)項記載の方法。
【0060】
(24)該一官能性のアミン末端ポリエーテルおよびポリオールのグリシジルエーテルを減圧下において約50〜約150℃の温度で反応させる上記(20)〜(23)項記載の方法。
【0061】
(25)(a)顔料成分;および
(c)該顔料を分散させるのに効果的な量の、式
【0062】
【化7】

【0063】
但し上記式中RはC〜C100のヒドロカルビル基であることができ;
は構造
【0064】
【化8】

【0065】
によって定義されるアルコキシル化されたヒドロカルビル基であることができ、ここでRは水素およびC〜約C24のヒドロカルビル基から成る群から選ばれ;X、X、X、X、X、およびXはそれぞれそれが存在する場合独立に水素、メチル、およびエチルから成る群から選ばれるが、但し同じアルコキシ単位に結合した2個のX基の少なくとも一つは水素であり、p、q、およびrは互いに独立に0〜約100の間の0を含む整数であることができるが、但しこの場合p、q、およびrの少なくとも一つは0ではなく;またnは1〜約20の任意の整数であり;sは0または1であることができるものとする、
の構造を有する分散剤
を含んで成る組成物。
【0066】
(26)顔料成分は、フタロシアニン、カーボンブラック、二酸化チタン、クロム酸塩、硫化物、酸化鉄、アゾレーキ、不溶性のアゾ顔料、縮合したアゾ顔料、キレートアゾ顔料、モノジアリーリド、B−ナフトール、ナフトールAS、ベンズイミダゾロン、金属で沈澱させたアゾ化合物、ジアゾ顔料、ジアリーリド、ジアゾ縮合物、ジアゾピラゾイオン、ビスアセトアセトアリーリド、フタロシアニン顔料、ペリレン類、ペリレン、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料、塩基性染料のレーキ、酸性染料のレーキ、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、黒色のアニリン昼間色蛍光染料、グラファイト炭素、イソインドリン、イソインドリノン、インジゴイド、ジケトピロロピロール、トリアルキルカルボニウム、金属錯体、真珠、液晶顔料、蛍光体、および上記の顔料の官能性誘導体から成る群から選ばれる上記(25)項記載の組成物。
【0067】
(27)さらに溶媒を含んで成る上記(25)または(26)項記載の組成物。
【0068】
(28)該溶媒は、多価アルコール;グリコール;ジオール;グリコールエステル;グリコールエーテル;ポリアルキルグリコール;多価アルコールの低級アルキルエーテル;1分子当たりの炭素数が約8以下のアルコール;ケトン;エーテル;エステルおよびラクタムから成る群から選ばれる1種またはそれ以上の有機溶媒である上記(27)項記載の組成物。
【0069】
(29)溶媒は水を含んで成る上記(27)項記載の組成物。
【0070】
(30)該溶媒は、水;ヘキサン;ミネラルスピリット;トルエン;大豆油;ひまし油;トール油脂肪酸;多価アルコール;グリコール;ジオール;グリコールエステル;グリコールエーテル;ポリアルキルグリコール;多価アルコールの低級アルキルエーテル;1分子当たりの炭素数が約8以下のアルコール;ケトン;エーテル;エステル;ラクタム、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール;ペンタンジオール;グリセリン;プロピレングリコールラウレート;ポリエチレングリコール;エチレングリコールモノメチルエーテル;エチレングリコールモノエチルエーテル;エチレングリコールモノブチルエーテル;1分子当たりの炭素数約8以下のアルコール、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソ−プロパノール;アセトン;ジオキサン;酢酸エチル;酢酸プロピル;酢酸t−ブチル、および2−ピロリドンから成る群から選ばれる上記(27)項記載の組成物。
【0071】
(31)存在する該溶媒成分の量は該組成物の全重量に関して約10〜99重量%の範囲の任意の量である上記(27)〜(30)項記載の組成物。
【0072】
(32)存在する該溶媒成分の量は該組成物の全重量に関して約50〜99重量%の範囲の任意の量である上記(27)〜(31)項記載の組成物。
【0073】
(33)該組成物は該組成物の全重量に関し約1〜約80重量%の顔料を含んで成る上記(25)〜(32)項記載の組成物。
【0074】
(34)該組成物は該組成物の全重量に関し約1〜約40重量%の顔料を含んで成る上記(25)〜(33)項記載の組成物。
(35)該組成物は該組成物の全重量に関し約2〜約10重量%の顔料を含んで成る上記(25)〜(34)項記載の組成物。
【0075】
(36)インク組成物または塗料組成物における上記(25)〜(35)項記載の分散剤の使用。
【0076】
(37)水、顔料、および上記(25)項記載の分散剤を含んで成る分散物。
【0077】
(38)上記任意の項に記載された有機溶媒、顔料、および上記(25)項記載の分散剤を含んで成る分散物。
【0078】
(39)該顔料は上記任意の項記載の任意の顔料を含んで成る上記(25)〜(38)項記載の組成物。
【0079】
(40)上記(25)〜(39)項記載の組成物の分散剤成分に対して規定された限度範囲内における分散剤の使用において、セルロース、任意のオレフィン重合体、ガラス、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリウレタン、金属複合体等から成る群から選ばれる材料を含んで成る基質に被覆されるか被覆することを意図されたインクにおける使用。
【0080】
(41)上記(25)〜(40)項に規定された組成物の分散剤の定義の範囲内に入る材料を含んで成る液体インク組成物。
【0081】
(42)インクまたは塗料を含んで成る製品において、インクはさらに
(a)顔料成分;および
(b)該顔料を分散させるのに効果的な量の、式
【0082】
【化9】

【0083】
但し上記式中RはC〜C100のヒドロカルビル基であることができ;
は構造
【0084】
【化10】

【0085】
によって定義されるアルコキシル化されたヒドロカルビル基であることができ、ここでRは水素およびC〜約C24のヒドロカルビル基から成る群から選ばれ;X、X、X、X、X、およびXはそれぞれそれが存在する場合独立に水素、メチル、およびエチルから成る群から選ばれるが、但し同じアルコキシ単位に結合した2個のX基の少なくとも一つは水素であり、p、q、およびrは互いに独立に0〜約100の間の0を含む整数であることができるが、但しこの場合p、q、およびrの少なくとも一つは0ではなく;またnは1〜約20の任意の整数であり;sは0または1であることができるものとする、
の構造を有する分散剤
を含んで成る製品。
【0086】
(43)該製品は金属、合金、複合体、プラスティックス、コンクリート、鋳鉄、木材、セラミックス、紙、フィルム、箔、ビニル材、織物、ガラス、およびレザーから成る群から選ばれる材料からつくられている上記(42)項記載の製品。
【0087】
(44)(a)一官能性のアミン末端ポリエーテルとポリオールのグリシジルエーテルとを反応させて分散剤をつくり、
(b)該分散剤と顔料を接触させて顔料分散物をつくることから成るインクまたは塗料の組成物を製造する方法。
【0088】
(45)該ポリオールのグリシジルエーテルは芳香族のエポキシド基を含んで成り、該ポリオールのグリシジルエーテルの芳香族の基の20〜90%を一官能性のアミン末端ポリエーテルと反応させる上記(44)項記載の方法。
【0089】
(46)該ポリオールのグリシジルエーテルは脂肪族のエポキシド基を含んで成り、該ポリオールのグリシジルエーテルの脂肪族の基の20〜100%を一官能性のアミン末端ポリエーテルと反応させる上記(44)項記載の方法。
【0090】
(47)一官能性のアミン末端ポリエーテルはポリエーテルアミンである上記(44)または(46)項記載の方法。
【0091】
(48)該一官能性のアミン末端ポリエーテルおよびポリオールのグリシジルエーテルを減圧下において約50〜約150℃の温度で反応させる上記(44)〜(47)項記載の方法。
【0092】
(49)(a)顔料成分;および
(b)該顔料を分散させるのに効果的な量の、式
【0093】
【化11】

【0094】
但し上記式中RはC〜C100のヒドロカルビル基であることができ;
は構造
【0095】
【化12】

【0096】
によって定義されるアルコキシル化されたヒドロカルビル基であることができ、ここでRは水素およびC〜約C24のヒドロカルビル基から成る群から選ばれ;X、X、X、X、X、およびXはそれぞれそれが存在する場合独立に水素、メチル、およびエチルから成る群から選ばれるが、但し同じアルコキシ単位に結合した2個のX基の少なくとも一つは水素であり、p、q、およびrは互いに独立に0〜約100の間の0を含む整数であることができるが、但しこの場合p、q、およびrの少なくとも一つは0ではなく;またnは1〜約50の任意の整数であり;sは0または1であることができるものとする、
の構造を有する顔料を分散させるのに効果的な量の分散剤、および
(c)摩砕樹脂
を含んで成る組成物。
【0097】
(50)摩砕樹脂および分散剤が同じものである上記(49)項記載の組成物。
【0098】
(51)摩砕樹脂は
(a)スチレン、置換スチレン単量体、またはこれらの組み合わせ、および
(b)置換基をもちまたはもたないアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、マレイン酸の半エステル、シトリコン酸(cytriconic acid)、イタコン酸およびこれらの組み合わせから成る群から選ばれるカルボキシル化された単量体を含んで成っている上記(49)または(50)項記載の組成物。
【0099】
(52)摩砕樹脂はスチレンアクリレートである上記(49)〜(51)記載の組成物。
【0100】
(53)組成物の粘度はすべての剪断速度に対し分散剤の粘度に等しいかそれより小さく、且つ組成物の粘度はすべての剪断速度に対し摩砕樹脂の粘度に等しいかそれより小さ上記(49)〜(52)項記載の組成物。
【0101】
(54)組成物は顔料の重量に関し約0.1〜約40重量%の摩砕樹脂を含んで成る上記(49)〜(53)項記載の組成物。
【0102】
(55)顔料成分は、フタロシアニン、カーボンブラック、二酸化チタン、クロム酸塩、硫化物、酸化鉄、アゾレーキ、不溶性のアゾ顔料、縮合したアゾ顔料、キレートアゾ顔料、モノアゾ顔料、モノアリーリド、B−ナフトール、ナフトールAS、ベンズイミダゾロン、金属で沈澱させたアゾ化合物、ジアゾ顔料、ジアリーリド、ジアゾ縮合物、ジアゾピラゾイオン、ビスアセトアセトアリーリド、フタロシアニン顔料、ペリレン類、ペリレン、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料、塩基性染料のレーキ、酸性染料のレーキ、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、黒色のアニリン昼間色蛍光顔料、グラファイト炭素、イソインドリン、イソインドリノン、インジゴイド、ジケトピロロピロール、トリアリールカルボニウム、金属錯体、真珠、液晶顔料、蛍光体、および上記の顔料の官能性誘導体から成る群から選ばれる上記(49)〜(54)項記載の組成物。
【0103】
(56)該組成物は該組成物の全重量に関し約1〜約80重量%の顔料を含んで成る上記(49)〜(55)記載の組成物。
【0104】
(57)該組成物は該組成物の全重量に関し約1〜約40重量%の顔料を含んで成る上記(49)〜(56)記載の組成物。
【0105】
(58)該組成物は該組成物の全重量に関し約2〜約10重量%の顔料を含んで成る上記(49)〜(57)記載の組成物。
【0106】
(59)さらに溶媒を含んで成る上記(49)〜(58)項記載の組成物。
【0107】
(60)該溶媒は、水;ヘキサン;ミネラルスピリット;トルエン;大豆油;ひまし油;トール油脂肪酸;多価アルコール;グリコール;ジオール;グリコールエステル;グリコールエーテル;ポリアルキルグリコール;多価アルコールの低級アルキルエーテル;1分子当たりの炭素数が約8以下のアルコール;ケトン;エーテル;エステル;ラクタム、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール;ペンタンジオール;グリセリン;プロピレングリコールラウレート;ポリエチレングリコール;エチレングリコールモノメチルエーテル;エチレングリコールモノエチルエーテル;エチレングリコールモノブチルエーテル;1分子当たりの炭素数約8以下のアルコール、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソ−プロパノール;アセトン;ジオキサン;酢酸エチル;酢酸プロピル;酢酸t−ブチル、および2−ピロリドンから成る群から選ばれる上記(59)項記載の組成物。
【0108】
(61)存在する溶媒成分は該組成物の全重量に関し約10〜99重量%の間の任意の量である上記(59)または(60)項記載の組成物。
【0109】
(62)存在する溶媒成分は該組成物の全重量に関し約50〜99重量%の間の任意の量である上記(49)〜(61)項記載の組成物。
【0110】
(63)塗料組成物における上記(49)〜(62)項記載の分散剤の使用。
【0111】
(64)塗料を含んでなり、該塗料はさらに
(a)顔料成分;
(b)顔料を分散させるのに効果的な量の、式
【0112】
【化13】

【0113】
但し上記式中RはC〜C100のヒドロカルビル基であることができ;
は構造
【0114】
【化14】

【0115】
によって定義されるアルコキシル化されたヒドロカルビル基であることができ、ここでRは水素およびC〜約C24のヒドロカルビル基から成る群から選ばれ;X、X、X、X、X、およびXはそれぞれそれが存在する場合独立に水素、メチル、およびエチルから成る群から選ばれるが、但し同じアルコキシ単位に結合した2個のX基の少なくとも一つは水素であり、p、q、およびrは互いに独立に0〜約100の間の0を含む整数であることができるが、但しこの場合p、q、およびrの少なくとも一つは0ではなく;またnは1〜約50の任意の整数であり;sは0または1であることができるものとする、
の構造を有する分散剤、および
(c)摩砕樹脂
を含んで成る製品。
【0116】
(65)該製品は金属、合金、複合体、プラスティックス、コンクリート、鋳鉄、木材、セラミックス、紙、フィルム、箔、ビニル材、織物、ガラス、およびレザーから成る群から選ばれる材料からつくられている上記(64)項記載の製品。
【0117】
(66)(a)一官能性のアミン末端ポリエーテルとポリオールのグリシジルエーテルとを反応させて分散剤をつくり、
(b)該分散剤と顔料を接触させて顔料分散物をつくり、
(c)顔料の分散物と摩砕樹脂とを混合することから成る塗料組成物を製造する方法。
【0118】
(67)該ポリオールのグリシジルエーテルは芳香族のエポキシド基を含んで成り、該ポリオールのグリシジルエーテルの芳香族の基の20〜90%を一官能性のアミン末端ポリエーテルと反応させる上記(66)項記載の方法。
【0119】
(68)該ポリオールのグリシジルエーテルは脂肪族のエポキシド基を含んで成り、該ポリオールのグリシジルエーテルの脂肪族の基の20〜100%を一官能性のアミン末端ポリエーテルと反応させる上記(66)項記載の方法。
【0120】
(69)一官能性のアミン末端ポリエーテルはポリエーテルアミンである上記(66)〜(68)項記載の方法。
【0121】
(70)該一官能性のアミン末端ポリエーテルおよびポリオールのグリシジルエーテルを減圧下において約50〜約150℃の温度で反応させる上記(66)〜(68)項記載の方法。
【0122】
(71)(a)顔料成分;
(b)顔料を分散させるのに効果的な量の、式
【0123】
【化15】

【0124】
但し上記式中RはC〜C100のヒドロカルビル基であることができ;
は構造
【0125】
【化16】

【0126】
によって定義されるアルコキシル化されたヒドロカルビル基であることができ、ここでRは水素およびC〜約C24のヒドロカルビル基から成る群から選ばれ;X、X、X、X、X、およびXはそれぞれそれが存在する場合独立に水素、メチル、およびエチルから成る群から選ばれるが、但し同じアルコキシ単位に結合した2個のX基の少なくとも一つは水素であり、p、q、およびrは互いに独立に0〜約100の間の0を含む整数であることができるが、但しこの場合p、q、およびrの少なくとも一つは0ではなく;またnは1〜約20の任意の整数であり;sは0または1であることができるものとする、
の構造を有する分散剤;および
(c)摩砕樹脂
を含んで成る組成物。
【0127】
(72)摩砕樹脂および分散剤が同じものである上記(71)項記載の組成物
(73)摩砕樹脂は
(a)スチレン、置換スチレン単量体、またはこれらの組み合わせ、および
(b)置換基をもちまたはもたないアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、マレイン酸の半エステル、シトリコン酸、イタコン酸およびこれらの組み合わせから成る群から選ばれるカルボキシル化された単量体を含んで成る上記(71)または(72)項記載の組成物。
【0128】
(74)摩砕樹脂はスチレンアクリレートである上記(71)〜(73)項記載の組成物。
【0129】
(75)組成物の粘度はすべての剪断速度に対し分散剤の粘度に等しいかそれより小さく、且つ組成物の粘度はすべての剪断速度に対し摩砕樹脂の粘度に等しいかそれより小さい上記(71)〜(74)項記載の組成物。
【0130】
(76)組成物は顔料の重量に関し約0.1〜約40重量%の摩砕樹脂を含んで成る上記(71)〜(75)項記載の組成物。
【0131】
(77)顔料成分は、フタロシアニン、カーボンブラック、二酸化チタン、クロム酸塩、硫化物、酸化鉄、アゾレーキ、不溶性のアゾ顔料、縮合したアゾ顔料、キレートアゾ顔料、モノアゾ顔料、モノアリーリド、B−ナフトール、ナフトールAS、ベンズイミダゾロン、金属で沈澱させたアゾ化合物、ジアゾ顔料、ジアリーリド、ジアゾ縮合物、ジアゾピラゾイオン、ビスアセトアセトアリーリド、フタロシアニン顔料、ペリレン類、ペリレン、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料、塩基性染料のレーキ、酸性染料のレーキ、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、黒色のアニリン昼間色蛍光顔料、グラファイト炭素、イソインドリン、イソインドリノン、インジゴイド、ジケトピロロピロール、トリアリールカルボニウム、金属錯体、真珠、液晶顔料、蛍光体、および上記の顔料の官能性誘導体から成る群から選ばれる上記(71)〜(76)項記載の組成物。
【0132】
(78)該組成物は該組成物の全重量に関し約1〜約80重量%の顔料を含んで成る上記(71)〜(77)項記載の組成物。
【0133】
(79)該組成物は該組成物の全重量に関し約1〜約40重量%の顔料を含んで成る上記(71)〜(78)項記載の組成物。
【0134】
(80)該組成物は該組成物の全重量に関し約2〜約10重量%の顔料を含んで成る上記(71)〜(79)項記載の組成物。
【0135】
(81)さらに溶媒を含んで成る上記(71)〜(80)項記載の組成物。
【0136】
(82)該溶媒は、水;ヘキサン;ミネラルスピリット;トルエン;大豆油;ひまし油;トール油脂肪酸;多価アルコール;グリコール;ジオール;グリコールエステル;グリコールエーテル;ポリアルキルグリコール;多価アルコールの低級アルキルエーテル;1分子当たりの炭素数が約8以下のアルコール;ケトン;エーテル;エステル;ラクタム、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール;ペンタンジオール;グリセリン;プロピレングリコールラウレート;ポリエチレングリコール;エチレングリコールモノメチルエーテル;エチレングリコールモノエチルエーテル;エチレングリコールモノブチルエーテル;1分子当たりの炭素数約8以下のアルコール、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソ−プロパノール;アセトン;ジオキサン;酢酸エチル;酢酸プロピル;酢酸t−ブチル、および2−ピロリドンから成る群から選ばれる上記(81)項記載の組成物。
【0137】
(83)存在する溶媒成分は該組成物の全重量に関し約10〜99重量%の間の任意の量である上記(81)または(82)項記載の組成物。
【0138】
(84)存在する溶媒成分は該組成物の全重量に関し約50〜99重量%の間の任意の
量である上記(81)〜(83)項記載の組成物。
【0139】
(85)塗料組成物における上記(71)〜(84)項記載の分散剤の使用。
【0140】
(86)塗料を含んで成り、該塗料はさらに
(a)顔料成分;
(b)該顔料を分散させるのに効果的な量の、式
【0141】
【化17】

【0142】
但し上記式中RはC〜C100のヒドロカルビル基であることができ;
は構造
【0143】
【化18】

【0144】
によって定義されるアルコキシル化されたヒドロカルビル基であることができ、ここでRは水素およびC〜約C24のヒドロカルビル基から成る群から選ばれ;X、X、X、X、X、およびXはそれぞれそれが存在する場合独立に水素、メチル、およびエチルから成る群から選ばれるが、但し同じアルコキシ単位に結合した2個のX基の少なくとも一つは水素であり、p、q、およびrは互いに独立に0〜約100の間の0を含む整数であることができるが、但しこの場合p、q、およびrの少なくとも一つは0ではなく;またnは1〜約20の任意の整数であり;sは0または1であることができるものとする、
の構造を有する分散剤;および
(c)摩砕樹脂
を含んで成る製品。
【0145】
(87)該製品は金属、合金、複合体、プラスティックス、コンクリート、鋳鉄、木材、セラミックス、紙、フィルム、箔、ビニル材、織物、ガラス、およびレザーから成る群から選ばれる材料からつくられている上記(86)項記載の製品。
【0146】
(88)(a)一官能性のアミン末端ポリエーテルとポリオールのグリシジルエーテルとを反応させて分散剤をつくり、
(b)該分散剤と顔料を接触させて顔料分散物をつくり、
(c)顔料の分散物と摩砕樹脂とを混合することから成る塗料組成物を製造する方法。
【0147】
(89)該ポリオールのグリシジルエーテルは芳香族のエポキシド基を含んで成り、該
ポリオールのグリシジルエーテルの芳香族の基の20〜90%を一官能性のアミン末端ポリエーテルと反応させる上記(88)項記載の方法。
【0148】
(90)該ポリオールのグリシジルエーテルは脂肪族のエポキシド基を含んで成り、該ポリオールのグリシジルエーテルの脂肪族の基の20〜100%を一官能性のアミン末端ポリエーテルと反応させる上記(88)項記載の方法。
【0149】
(91)一官能性のアミン末端ポリエーテルはポリエーテルアミンである上記(88)〜(90)項記載の方法。
【0150】
(92)該一官能性のアミン末端ポリエーテルおよびポリオールのグリシジルエーテルを減圧下において約50〜約150℃の温度で反応させる上記(88)〜(90)項記載の方法。
【0151】
詳細な説明
本発明による仕上げられた液体インク組成物または顔料を含んだ塗料組成物の成分は本発明によってつくられた櫛形ポリマーであり、これは組成物中において凝集を起こすことに対して顔料を安定化させる役目をしている。
【0152】
本発明の一具体化例に従えば、インク組成物または顔料を含んだ塗料組成物に使用するのに適した櫛形ポリマーは、一官能性のアミン末端ポリエーテルをポリオールのグリシジルエーテルと反応させることによって製造される。このような方法で得られる生成物は便宜上ポリエーテルアルカノールアミンと呼ぶことができる。本発明の一好適具体化例に従えば、アミン末端ポリエーテル(ATP)反応物は、アミンの窒素原子上に存在する反応性水素原子の総数が、存在するすべてのポリオールエーテル中に存在するエポキシド基の量に少なくとも化学量論的に等しくなるのを保証するのに十分な量で存在している。
【0153】
一具体化例においては、本発明によれば一官能性のアミン末端ポリエーテル(「ATP」)をポリオールのグリシジルエーテルと反応させることを含んで成る方法が提供される。本発明の一具体化例による方法は、1種またはそれ以上のエポキシ樹脂(制限なく、ビスフェノールAおよびその誘導体並びに類似体(analogs)を含む)を、親水性の骨格(例えばポリエチレンオキシド(PEO)骨格)をもったATPと高温において反応させ、多数の親水性の枝分れをもった熱可塑性ポリエタノールアミンを得ることを特徴とする方法である。このような生成物の重合体分子量および物理的性質は、原料の選択、および2種の原料の割合によって制御することができる。
【0154】
本発明のポリエタノールアミン組成物は、ビスフェノールA(またはビスフェノールF)のジグリシジルエーテルをMが約100〜約12,000、或いは約400〜約10,000、或いはまた約1,000〜7,000の一官能性のポリエーテルアミンと反応させることにより製造することができる。ポリエーテル(ポリオキシアルキレンとしても知られている)の重合鎖はエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、またはこれらの材料の任意の組み合わせの重合体をベースにしている。この反応は約50〜約150℃、或いは約80〜約140℃、或いはまた約100〜約130℃の範囲の任意の温度において起こることができる。反応時間は独立に変化し、約2〜約10時間の間の任意の時間であることができる。
【0155】
一具体化例においては、本発明による櫛形ポリマーを製造する一般的な反応図式は次の通りである:
【0156】
【化19】

【0157】
この場合少なくとも2個のエポキシ官能末端基を含むエポキシ樹脂を1級アミンと反応させる。上記反応においてRはC〜C100のヒドロカルビル基、或いはC10〜C30のヒドロカルビル基、或いはまた芳香族のヒドロカルビル基であり、従ってエポキシ反応物は官能基性が少なくとも2のエポキシ樹脂であることができ、本明細書の下記のグリシジルエーテルの項に列記された材料を何の制限もなく含んでいる。
【0158】
上記式中、nは約1〜約50、或いは1〜約40、或いはまた約2〜約30の整数であり;Rは分子構造の一部として互いに連結された少なくとも2個のアルコキシ基を含むヒドロカルビル基であることができる。即ち基Rは基
【0159】
【化20】

【0160】
であることができる。ここでRはC〜約C24のヒドロカルビル基であり;X、X、X、X、X、およびXはそれぞれそれが存在する場合独立に水素、メチル、およびエチルから成る群から選ばれるが、但し同じアルコキシ単位に結合した2個のX基の少なくとも一つは水素であり、p、q、およびrは互いに独立に0〜約100の間の0を含む整数であることができるが、但しこの場合p、q、およびrの少なくとも一つは0ではない。
【0161】
アミン成分
上記のような基Rは、構造
【0162】
【化21】

【0163】
を有するアミンを、前記のような少なくとも二官能基性のエポキシ基と反応させることによって本発明の重合体分散剤の中に導入することができる。上記の構造式で種々の変数は前記定義のとおりである。即ち上記の構造は、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、およびブチレンオキシドのランダム重合体およびブロック重合体の両方、並びに共重合体を含む基Rを含んでいる。本発明の一つの好適な形に従えば、アミン反応物のMは約100〜12,000,或いは約400〜約10,000、或いはまた約1,000〜約
7,000の間の値である。このようなアミンの混合物を用いて本発明で提供される重合体を製造する場合、好適な分子量は存在するすべてのアミンの平均分子量であり、アルコキシル化されたアミンの製造では恐らくアミンの混合物が得られる。
【0164】
従って本発明に使用されるモノアミン官能基をもったアミン末端ポリエーテルはMが約100〜12,000、或いは約400〜約10,000、或いはまた約1,000〜約7,000の間のモノアミンを含み、これは米国テキサス州、HoustoneのHuntsman LLCからJEFFAMINE(R)およびSURFONAMINE(R)の商品名で市販されている化合物、並びにポリオキシアルキレン化された1級アミンを含んで成る他社から提供される同様な化合物を含んでいる。好適なアミン末端ポリエーテルは約1,000〜約7,000のMをもっている。これらの特定の材料はメトキシ末端であるが、本発明を実施するのに使用されるアミン末端ポリエーテルはメトキシ基のメチル基が水素または高級炭化水素、例えば炭素数が最高18の置換基を含んで成るエチル、プロピル、ブチル等で置き換えられた他の基でキャッピングされていることができる。一具体化例においてはアミン末端基が1級アミン基であることが特に好適である。即ち、本発明の一具体化例に有用な一官能性のアミン末端ポリエーテルは一般的な構造
【0165】
【化22】

【0166】
をもっている。ここでRおよびRはそれぞれ独立に水素およびC〜C−ヒドロカルビル基から成る群から選ばれ;Rは独立に水素、メチル、メトキシ、エトキシ、およびヒドロキシから成る群から選ばれ;nは約4〜100、或いは約5〜約90、或いはまた約10〜約70の範囲の整数であり、またこの構造にはその異性体が含まれるものとする。このような材料は米国、テキサス州、HoustonのHuntsman International LLCから市販されている。
【0167】
グリシジルエーテル成分
本発明の組成物をつくるのに用いられるグリシジルエーテルは一般に「エポキシ樹脂」として知られており、通常の市販のエポキシ樹脂を含む種々のエポキシ樹脂を含んでいる。これに加えて、2種またはそれ以上のエポキシ樹脂を含む混合物を互いに任意の割合で組み合わせて使用し、これを本明細書に記載されたアミンと反応させることができる。一般に、エポキシ樹脂はグリシド化された(glycidated)樹脂、脂環式樹脂、エポキシ化された油等であることができる。グリシド化された樹脂はしばしばエピクロロヒドリンのようなグリシジルエーテルとビスフェノールAのようなビスフェノール化合物との反応生成物としてつくられる。これらの例にはC〜C28、或いは約C〜約C22、或いはまた約C〜約C20のアルキルグリシジルエステル;C〜C28、或いは約C〜約C22、或いはまた約C〜約C20のアルキルおよびアルケニルグリシジルエステル、或いはまたC〜C28、或いは約C〜約C22、或いはまた約C〜約C20のアルキル−、モノ−およびポリ−フェノールグリシジルエーテル;ピロカテコール、レゾルシン、ヒドロキノン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン(またはビスフェノールF)、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルジメチルメタン(またはビスフェノールA)、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルプロパン、4、4’−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、およびトリス(4−ヒドロキシフェニルメタン)のポリグリシジルエーテル;NOVOLAC(R)樹脂のポリグリシジルエーテル;芳香族ヒドロカルボン酸(hydrocarboxylic acid)の塩をジハロアルカンまたはジハロゲンジアル
キルエーテルでエステル化して得られたジフェノールのエーテルをエステル化することによって得られるジフェノールのポリグリシジルエーテル;フェノールと少なくとも2個のハロゲン原子を含む長鎖ハロゲンパラフィンを縮合させて得られるポリフェノールのポリグリシジルエーテル;N,N’−ジグリシジルアニリン;N,N’−ジメチル−N,N’−ジグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン;N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4、4’−ジアミノジフェニルメタン;N,N’−ジグリシジル−4−アミノフェニルグリシジルエーテル;およびこれらの組合せがある。本発明を実施するのに使用し得る市販のエポキシ樹脂には、これだけには限定されないが、ARALDITE(R)GY6010樹脂(Huntsman Advanced Materials LLC)、ARALDITE(R)6010樹脂(Huntsman Advanced Materials LLC)、EPON(R)828樹脂(Resolution Polymers)、およびDER(R)331樹脂(the Dow Chemical Co.)が含まれる。即ち一具体化例においては、本発明による分散剤のR基は上記の基から誘導されるヒドロカルビル残基であることができる。
【0168】
一具体化例においては、アミン末端ポリエーテルおよびポリオールのグリシジルエーテルは、グリシジルエーテルのすべてのエポキシド官能基性と反応することによりポリエーテルのアミン基が消費され得るような量で存在している。従って、反応中一具体化例においては、アミン末端ポリエーテルの量は化学量論的にポリオールのグリシジルエーテル中のエポキシドの量に等しいかそれよりも多い。得られる生成物では、反応後において未反応のエポキシド官能基性はもしあったとしても殆ど存在しない。一具体化例においては、原料の約85〜約100%が反応する。別の具体化例においては、原料のエポキシド基の少なくとも90%が反応する。さらに他の具体化例においては、原料のエポキシド基の少なくとも95%が反応する。
【0169】
1級アミンの最初に使用される量に依存して、最終生成物の中に2級または3級アミンのいずれかが生成することが可能である。従ってATPが2個のエポキシド基と反応して3級アミンを生じる場合におけるような反復単位を含んだ生成物が生じる可能性がある。この結果は下記の代表的な式で記述することができる。
RNHCHCHOHCH−[−O−A−O−CHCHOHCHNRCHCHOHCH−O−]−A−O−CHCHOHCH−NRH
ここでRはATPのキャッピングされたポリエーテルの部分であり、Aはヒドロカルビル基、例えばビスフェノールAの炭化水素部分を表し;xは0(3級アミンが存在しない場合)から約100の間、或いは1〜約80の間、或いはまた約2〜約50の間で変動することができる。このような生成物を生じる反応は好ましくは周囲圧力において約80〜約150℃の範囲で行われる。典型的には周囲圧力においてこの反応は約50〜約150℃、或いは約80〜約140℃、或いはまた約100〜約130℃の範囲の任意の温度で起こることができる。
【0170】
本発明によるインク組成物または顔料を含んだ塗料組成物の櫛形ポリマー成分は、典型的には該インク組成物または顔料を含んだ塗料組成物の中に存在するすべての顔料固体分の全重量に関し約0.5〜約25重量%の量をなしている。他の具体化例に従えば、本発明によるインク組成物または顔料を含んだ塗料組成物の櫛形ポリマー成分は、典型的には該インク組成物または顔料を含んだ塗料組成物の中に存在するすべての顔料固体分の全重量に関し約1〜約10重量%の量をなしている。
【0171】
顔料
本発明の顔料成分は典型的には不溶性の着色材料、例えばフタロシアニンである。しかし本発明によるインク組成物または顔料を含んだ塗料組成物の中に多様な種類の有機および/または無機顔料が存在することができる。無機顔料の代表的な例は、カーボンブラッ
ク、二酸化チタン、クロム酸塩、硫化物、および酸化鉄である。有機顔料の代表的な例はアゾ顔料(例えばアゾレーキ、不溶性のアゾ顔料、縮合したアゾ顔料、キレートアゾ顔料、モノアリーリドを含むモノアゾ顔料、B−ナフトール、ナフトールAS、ベンズイミダゾロン、および金属で沈澱させたアゾ化合物、並びにジアリーリド、ジアゾ縮合物、ジアゾピラゾイオン、およびビスアセトアセトアリーリドを含むジアゾ顔料)、多環式顔料、(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン類、ペリレン、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、およびキノフタロン顔料)、レーキ顔料(例えば塩基性染料のレーキ、および酸性染料のレーキ)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、および黒色のアニリン昼間色蛍光染料である。他の顔料には、イソインドリン、イソインドリノン、インジゴイド、ジケトピロロピロール、トリアリールカルボニウム、金属錯体、真珠、液晶顔料、蛍光体、および上記の顔料の官能性誘導体が含まれる。これに加えて、適当な顔料には水性相に分散するもの、或いは表面が表面活性剤または重合体の分散剤で処理されたもの(例えばグラファイト炭素)が含まれる。
【0172】
本発明のインク組成物または顔料を含んだ塗料組成物の中に存在する顔料の量は、構造に依存して変化することができ、これらの顔料はインク組成物または顔料を含んだ塗料組成物の全重量に関して約1〜約50%、或いは約1〜約40%、また他の具体化例においては約2〜約10重量%の量で存在することができる。
【0173】
担体媒質(溶媒)成分
本発明によるインク組成物または顔料を含んだ塗料組成物は溶媒を含んでおり、これはしばしば担体媒質と呼ばれる。担体媒質は水性または非水性であることができる。水性の場合、担体媒質は水であるか、または水および水にかなり溶解する少なくとも1種の有機溶媒の混合物を含んで成っていることができる。一つの好適な水溶性の有機溶媒は1種またはそれ以上の多価アルコールを含んで成っている。一具体化例においては、多価アルコールにはエチレングリコール、プロピレングリコール、およびジオール、例えばブタンジオール、ペンタンジオールが含まれる。グリコールおよびグリコールエステルも有用であり、これらには例えばグリセリン、プロピレングリコールラウレート;ポリアルキルグリコール、例えばポリエチレングリコール;および多価アルコールの低級アルキルエーテル、例えばエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、およびエチレングリコールモノブチルエーテルも含まれる。
【0174】
他の適切な水溶性の有機溶媒には1分子当たり約8個より少ない炭素原子をもつ低級アルコールおよびそれらのすべての異性体、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール;ケトン、例えばアセトン;エーテル、例えばジオキサン;エステル、例えば酢酸エチル、酢酸プロピル、およびラクタム、例えば2−ピロリドンが含まれる。
【0175】
さらに他の適当な溶媒には、脂肪族化合物、例えばヘキサンおよびミネラルスピリット;芳香族化合物、例えばトルエン;トリグリセリド、例えば大豆油およびひまし油;および脂肪酸、例えばトール油脂肪酸が含まれる。
【0176】
本発明によるインク組成物または顔料を含んだ塗料組成物の中に存在する溶媒の量は、インク組成物または顔料を含んだ塗料組成物の全重量に関し約10〜約99%、或いは約50〜約99%、或はまた約70〜約99.8%の範囲内の任意の量である。或る与えられた最終用途の組成物に適した特定のインク組成物または顔料を含んだ塗料組成物の選択は、当業界の専門家に一般的に認識され或いは価値が認められているように、特定の用途の要求、例えば所望の表面張力および粘度、選ばれた顔料、顔料を加えたインクジェット用のインクの乾燥時間、およびインクを印刷する紙の種類、および最終的な塗料フィルム
を生成する性質、例えば光沢、色の強度、および透明度に依存する。
【0177】
摩砕樹脂
顔料は、顔料分散物および摩砕樹脂を混合することにより顔料を含んだ塗料組成物の中に混入することができる。適当な摩砕樹脂は典型的にはスチレンおよび/または置換スチレン単量体、およびカルボキシル化された単量体の重合残基を含んで成っている。一具体化例においては、カルボキシル化された単量体は置換基をもちまたはもたないアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、マレイン酸の半エステル、シトリコン酸、イタコン酸、およびこれらの組み合わせから成る群から選ばれる。適当な摩砕樹脂の一例は米国、ウィスコンシン州のJohnson Polymer Sturtevantから入手できるJONCRYL(R)63である。JONCRYL(R)63の分子量は約13,000である。他の具体化例においては、摩砕樹脂と顔料分散物とは同じものである。この具体化例においては、余分な量の顔料分散物が摩砕樹脂としての役目をする。
【0178】
顔料分散物および摩砕樹脂はボールミル、グラインドミル、連続ミルのような摩砕機を用いるか、または顔料分散物を効果的に摩砕樹脂の中に統合する(integrate)他の方法により混合することができる。一般に顔料を加えた分散物と摩砕樹脂は、顔料の粒径が所望の値になり、顔料が摩砕樹脂で適切に湿潤され摩砕樹脂全体に亙って均一に分散する場合に効果的に統合される。
【0179】
一具体化例においては、摩砕樹脂は顔料の重量に関して約0.1〜約40重量%の量で存在している。別の具体化例においては、摩砕樹脂は顔料の重量に関して約1〜約30重量%の量で存在している。さらに別の具体化例においては、摩砕樹脂は顔料の重量に関して約2〜約20重量%の量で存在している。一具体化例においては、顔料の大きさは、摩砕した後Dispersion Technologies Company製のDT−1200を用いる超音波技術法で測定して約1μ以下である。
【0180】
理論により拘束されることを望むものではないが、本出願人は本発明の櫛形ポリマーと摩砕樹脂との間に相乗効果が存在していると考えている。摩砕樹脂がスチレンアクリレートの場合は特にそうである。この相乗効果の具体例を図2を参照して例示する。この場合、配合された組成物の粘度は摩砕樹脂の粘度および櫛形ポリマーの粘度の両方の値に等しいかそれよりも小さい。
【0181】
他の添加物
本発明によるインクまたは塗料の顔料を含む濃縮物は、種々の成分を組み合わせ、配合機の中で混合して均質化し、これをビーズミルの中で摩砕することにより適切に製造することができる。一具体化例においては配合機は通常の料理用配合機であることができる。顔料を湿らせ、インクの表面張力を変化させ、紙の中へのインクの浸透を制御するために、随時表面活性剤を加えることができる。適当な表面活性剤の例には非イオン性、両性、陰イオン性、双性イオン性、および陽イオン性の表面活性剤が含まれ、当業界の通常の専門家はこの分野で使用される表面活性剤についての知識をもっているであろう。他の添加物、例えば接合剤(樹脂)、殺生物剤、加湿剤、キレート化剤、粘度調節剤、および泡消し剤も本発明によるインク組成物の中に存在することができる。随時、アクリルおよび非アクリル性の重合体を加え、耐水性および滲み耐性のような性質を改善することができる。これらは溶媒をベースにしたもの、乳化物、水溶性の重合体、凝縮助剤、沈降防止剤、チキソトロピー剤、または可塑剤であることができる。
【0182】
下記実施例は本発明の例示的な実施例として提供されたものであり、いかなる方法においても本発明の範囲を限定するものではない。
【0183】
櫛形ポリマーの製造
【製造例1】
【0184】
が2000でPO/EO比が約2/42の熔融したSURFONAMINE(R)L−200アミン(0.2モル当量)200gを、機械的撹拌機および温度計を取り付けた1リットルのフラスコに装入した。次に当量188(0.2モル当量)のビスフェノールAのジグリシジルエーテル、ARALDITE(R)GY6010を37.6g加えた。フラスコを120℃に7時間加熱した後、液体の温度を1時間70℃に低下させ、その後生成物を取出した。得られた水溶性のポリエーテルアルカノールアミンは25℃で固体であった。その数平均分子量は約4609であり、重量平均分子量は約6155であった。その表面張力は100ppmにおいて51dyne/cmであった。
【製造例2】
【0185】
小さい広口ガラス瓶にMが1000でPO/EO比が3/19のSURFONAMINE(R)L−100アミン(100g,0.2モル当量).およびEPON(R)L−828エポキシ樹脂(30g,0.16モル当量)を加えた。この混合物をゆっくりとかき回して灰色がかった白色の均一な溶液にし、これを100℃のオーブンの中に5時間入れた。生成物は25℃において軟らかい蝋状の半固体であった。この生成物は水溶性であり、数平均分子量は3413、重量平均分子量は約4973であった。この生成物の表面張力は100ppmにおいて約48dyne/cmであった。
【製造例3】
【0186】
が3000でPO/EO比が約8/58の熔融したSURFONAMINE(R)L−300アミン(0.2モル当量)300gを、機械的撹拌機および温度計を取り付けた1リットルのフラスコに入れた。次にARALDITE(R)GY6010(ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、当量188)を37.6g、0.2モル当量加えた。フラスコを120℃に7時間加熱した後、液体の温度を約1時間70℃に低下させ、その後生成物を取出した。得られたポリエーテルアルカノールアミンは室温で固体であり、水溶性であった。その数平均分子量は約4876であり、重量平均分子量は約6713であった。
【製造例4】
【0187】
が2000でPO/EO比が約10/31の熔融したSURFONAMINE(R)L−207アミン(0.3モル当量)300gを、機械的撹拌機および温度計を取り付けた1リットルのフラスコに入れた。次にARALDITE(R)GY6010(ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、当量188)56.4g、0.3モル当量を加えた。フラスコを120℃に6時間加熱した後、液体の温度を約1時間70℃に低下させ、その後生成物を取出した。得られたポリエーテルアルカノールアミンは水溶性であった。その数平均分子量は約3719であり、重量平均分子量は約4657であった。その表面張力は100ppmにおいて約47dyne/cmであった。
【製造例5】
【0188】
小さい広口ガラス瓶にMが1000でPO/EO比が3/19のSURFONAMINE(R)L−100アミン(102.2g,0.2モル当量)、分子量が1000でPOが12.5のSURFONAMINE(R)B−100アミン(61.3g,0.12モル当量)、およびARALDITE(R)GY6010樹脂(61.5g,0.33モル当量)を加えた。この混合物をゆっくりとかき回して灰色がかった白色の均一な溶液にし、これを120℃のオーブンの中に8時間入れた。この生成物は水溶性であり、数平均分子量は3915、重量平均分子量は約5996であった。
【製造例6】
【0189】
が1000でPO/EO比が約3/19のSURFONAMINE(R)L−100アミン(0.6モル当量)300gを、機械的撹拌機および温度計を取り付けた1リットルのフラスコに入れた。次にMが2000でPO/EO比が29/6のSURFONAMINE(R)B−200(0.2モル当量)を加えた。フラスコを75℃に加熱し、ARALDITE(R)GY6010(ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、当量188)150.4g、0.8モル当量を加えた。フラスコを120℃に6時間加熱した後、液体の温度を1時間70℃に低下させ、その後生成物を取出した。得られたポリエーテルアルカノールアミンは水溶性であった。その数平均分子量は約3115であり、重量平均分子量は約6128であった。
【製造例7】
【0190】
小さい広口ガラス瓶にMが1000でPO/EO比が3/19のSURFONAMINE(R)L−100アミン(100g、0.2モル当量)およびEPON(R)862(ビスフェノールF樹脂、34.3g,0.2モル当量)を加えた。この混合物をゆっくりとかき回して灰色がかった白色の均一な溶液にし、これを120℃のオーブンの中に10時間入れた。最終重合体は室温において固体であり、水溶性であった。
【製造例8】
【0191】
小さい広口ガラス瓶にMが1000でPO/EO比が3/19のSURFONAMINE(R)L−100アミン(100g、0.2モル当量)およびEPONEX(R)1510樹脂(水素化されたビスフェノールA樹脂、45g,0.2モル当量)を加えた。この混合物をゆっくりとかき回して灰色がかった白色の均一な溶液にし、これを120℃のオーブンの中に7時間入れた。最終重合体は室温において固体であり、水溶性であった。
【対照実施例】
【0192】
これらの材料はインクまたは同様物の組成物として最近市販され、多少とも種々の最終用途に適している材料である。
【0193】
実施例1: スチレン−メタクリレート共重合体(M約12,000,スチレン30重量%、メタクリル酸70重量%)。この種の共重合体は米国特許第4,597,794号明細書に記載されている;
実施例2: スチレン−メタクリレート共重合体(M約12,000,スチレン30重量%、メタクリル酸50重量%)。この種の共重合体は米国特許第4,597,794号明細書に記載されている;
実施例3: メタクリル酸/マレイン酸無水物/SURFONAMINE(R)B−30アミンの櫛形ポリマー;
実施例4: SURFYNOL(R)CT−136 SURFACTANT、顔料摩砕用表面活性剤、Air Products Company製;
実施例5: DISPERBYK−190分散剤、顔料分散剤、BYK−Chemie,Inc製;
実施例6: SURFONAMINE(R)L−100アミン、米国、テキサス州のHuntsman International LLC製;
実施例7: SURFONAMINE(R)L−200アミン、米国、テキサス州のHuntsman International LLC製;
実施例8: SURFONAMINE(R)L−300アミン、米国、テキサス州のHuntsman International LLC製;
実施例9: SURFONAMINE(R)L−207アミン、米国、テキサス州のHuntsman International LLC製;
実施例10: SURFYNOL(R)CT−324、表面活性剤、顔料摩砕用の表面活性剤、Air Products Company製。
【0194】
予備混合物(顔料濃縮物)組成物
下記の予備混合物組成物の製造法には、JONCRYL(R)63(結合剤)、水、分散剤をビーカーの中に秤量し、均一になるまでSilverson model L4RT−A混合機を使用して低剪断において混合する過程を含んでいる。次いで顔料(カーボンブラック)を3回に分けて加え、添加の間十分混合して粒子を湿潤させる。顔料を完全に混入した後、この組成物(予備混合物と名付ける)を高剪断下で10分間混合し、顔料濃縮物の湿潤とデアグロメレーション(de−agglomeration)を開始させた。
【0195】
【表1】

【0196】
【表2】

【0197】
予備混合物の粘度はBohlin Instruments,model CVO 120レオメーターおよびBrookfield粘度計を用いて測定した。
【0198】
顔料濃縮物(分散物)の調製
Eiger Mini 100水平式媒質摩砕機を用い、上記の予備混合物を20分間摩砕して分散物を得た。
【0199】
試験法:
(1)色合いの強さ(Sherwin Williams社のSuperpaint Flat Interior Latex、Extra White対分散物、それぞれ50部対0.50部)の測定−Hauschild混合機で1800rpmにおいて1分間混合する。標準に対する色合い混合物のドローダウン(drawdowns)は、#20の針金を巻き付けた棒を用い、Leneta 3NT−4の正規のボンド・ストック(regular bond stock)の上につくった。
【0200】
(2)粘度はBrookfield粘度計を用いて測定した。
【0201】
(3)仕上げられたインクの試験−色、透明度、光沢(これらはすべてLenta 3NT−3のフィルムおよび箔上において360P 113アニロクスを用いてつくったプリントに関して測定)、粘度。インクは30部のレットダウン・ベヒクル(vehicle)と20部の分散物を用いてつくった。ベヒクルは65%のECO(R)2177アクリル乳化物(S.C.Johnson製)、25%のJONCRYL(R)60(JONCRYL(R)678スチレン・アクリル樹脂の34%溶液)、および10%の水を含んでいる。ベヒクルと分散物をMax 60のHauschild混合機の中に秤り込み、1分間1800rpmで混合した。
【0202】
予備混合物の粘度の比較
図1は、調合物1、調合物2、調合物3、調合物4(本発明による)から得た分散剤を使用した予備混合物組成物の粘度、および実施例1、実施例2および実施例5の粘度を示す。
【0203】
水の接触角試験
水の接触角試験は、予備混合物組成物1を被覆したスライドガラスの上で行なった。被覆したスライドは、接触角を測定する前に室温において乾燥した。低い接触角は、分散剤が顔料(カーボンブラック)を湿潤し、従って分散度が増加していることを示している。
【0204】
【表3】

【0205】
粘度の測定
分散剤を含む組成物2の分散物の粘度をBrookfield粘度計で測定し、下記に示す。
【0206】
【表4】

【0207】
種々の時間におけるインクの粘度
下記の表には24時間後における組成物2を用いた顔料濃縮物の粘度を示す。
【0208】
【表5】

【0209】
分散物の色合いの強さの観察
下記の表では、組成物2の多数の評価における同等量の分散剤を用いて種々の分散剤の色合いの強さを比較する。
【0210】
【表6】

【0211】
下記の表では、組成物1を使用して種々の分散剤を含むカーボンブラックのインクの角度60°での光沢を比較する。
【0212】
【表7】

【0213】
実施例11: 室温においてオーバーヘッド混合機を用い30分間混合することにより、15%のポリエーテルアルカノールアミン櫛形ポリマー(上記製造例7参照)、11.25%の水、11.25%のポリエチレングリコール(M400)、および62.5%のJONCRYL(R)63を含む配合物をつくった。この配合物(「配合物1」)を先ず水および泡消し剤と混合し、次いで下記の組成に従って最終的にカーボンブラックを徐々に加えた。
【0214】
【表8】

【0215】
この実施例において、配合物1は顔料についての活性15%で使用した。SpeedMixerTMを用い予備混合物を3000rpmで3分間混合し、次いで3000rpmで3分間摩砕した。顔料濃縮物の粘度はBohlinレオメーターを用いて測定した。
【0216】
実施例12: この実施例においては、BYK Chemie製のDisperbyk
190分散剤(固体分40%)を顔料についての活性20%で使用した。
【0217】
【表9】

【0218】
SpeedMixerTMを用い予備混合物を3000rpmで3分間混合し、次いで3000rpmで3分間摩砕した。顔料濃縮物の粘度はBohlinレオメーターを用いて測定した。
【0219】
実施例13:
【0220】
【表10】

【0221】
SpeedMixerTMを用い予備混合物を3000rpmで3分間混合し、次いで3000rpmで3分間摩砕した。顔料濃縮物の粘度はBohlinレオメーターを用いて測定した。
【0222】
この実施例において配合物1の投与量は顔料についての活性が25%になる量であった。
【0223】
実施例14:
【0224】
【表11】

【0225】
SpeedMixerTMを用い予備混合物を3000rpmで3分間混合し、次いで3000rpmで3分間摩砕した。顔料濃縮物の粘度はBohlinレオメーターを用いて測定した。
【0226】
この実施例においてJONCRYL(R)63は顔料についての活性25%で使用した。
【0227】
実施例15:
【0228】
【表12】

【0229】
SpeedMixerTMを用い予備混合物を3000rpmで3分間混合し、次いで3000rpmで3分間摩砕した。顔料濃縮物の粘度はBohlinレオメーターを用いて測定した。
【0230】
この実施例においてJONCRYL(R)63は顔料についての活性25%で使用した。
【0231】
実施例16:
【0232】
【表13】

【0233】
SpeedMixerTMを用い予備混合物を3000rpmで3分間混合し、次いで3000rpmで3分間摩砕した。顔料濃縮物の粘度はBohlinレオメーターを用いて測定した。
【0234】
この実施例において上記調合物7は顔料についての活性20%で使用した。
【0235】
実施例17:
【0236】
【表14】

【0237】
実施例17においては、24%の上記調合物7、18%の水、18%のポリエチレングリコール(M400)、および40%のJohnson Polymer製JONCRYL(R)HPD 96を一緒に配合して配合物2をつくった。配合物2の使用量は顔料についての活性が20%になる量であった。配合物2はオーバーヘッド混合機を30分間用い室温においてつくった。SpeedMixerTMを用い予備混合物を3000rpmで3分間混合し、次いで3000rpmで3分間摩砕した。顔料濃縮物の粘度はBohlinレオメーターを用いて測定した。
【0238】
図1および2では、カーボンブラックの中の種々の分散剤の粘度を比較する。
【0239】
本発明は或る種の好適具体化例に関連して説明され開示されているが、本明細書および添付特許請求の範囲を読んで理解すれば、その明らかに同等な変更および改変は当業界の専門家にとっては明白であるという事実を考慮しなければならない。本発明の説明は添付された種々の請求項の任意の一つと残りの一つまたはそれ以上の請求項との任意の組み合わせによって定義される主題を含むものであり、この中には任意の従属請求項の特徴および/または限定が単独で或いは他の任意の一つまたはそれ以上の従属請求項の特徴および/または限定と組み合わされ、また任意の一つまたはそれ以上の独立請求項の特徴および/または限定と組み合わされて導入され、この場合残りの従属請求項は元の文章で読まれてこのように変更された独立請求項に適用されることが含まれる。このことはまた、一つまたはそれ以上の独立請求項の特徴および/または限定が他の独立請求項の特徴および/または限定と組み合わされて変更された独立請求項が得られ、この場合残りの従属請求項は元の文章で読まれてこのように変更された独立請求項に適用されることを含んでいる。従ってここに開示された本発明はこのような変更および改変のすべてを含むことを意図するものであり、本明細書の上記のおよび他の内容の観点から添付特許請求の範囲によってだけ限定を受けるものである。
【図面の簡単な説明】
【0240】
【図1】本発明の分散剤を使用したインク予備混合物または塗料予備混合物の種々の組成物の粘度を剪断速度に対して示した図。
【図2】分散剤が顔料に関して25%のカーボンブラックを含んで成るカーボンブラック濃縮物の粘度を剪断速度に対して示した図。
【図3】分散剤が顔料に関して20%以下のカーボンブラックを含んで成るカーボンブラック濃縮物の粘度を剪断速度に対して示した図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)顔料成分;
(b)該顔料を分散させるのに効果的な量の、式
【化1】

但し上記式中RはC〜C100のヒドロカルビル基であることができ;
は構造
【化2】

によって定義されるアルコキシル化されたヒドロカルビル基であることができ、ここでRは水素およびC〜約C24のヒドロカルビル基から成る群から選ばれ;X、X、X、X、X、およびXはそれぞれそれが存在する場合独立に水素、メチル、およびエチルから成る群から選ばれるが、但し同じアルコキシ単位に結合した2個のX基の少なくとも一つは水素であり、p、q、およびrは互いに独立に0〜約100の間の0を含む整数であることができるが、但しこの場合p、qおよびrの少なくとも一つは0ではなく;またnは1〜約50の任意の整数であり、sは0または1であることができるものとする、
の構造を有する分散剤、および
(c)摩砕樹脂
を含んで成ることを特徴とする組成物。
【請求項2】
該摩砕樹脂と分散剤とは同じでものあることを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項3】
摩砕樹脂は
(a)スチレン、置換スチレン単量体、またはこれらの組み合わせ、および
(b)置換基をもちまたはもたないアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、マレイン酸の半エステル、シトリコン酸、イタコン酸およびこれらの組み合わせから成る群から選ばれるカルボキシル化された単量体を含んで成ることを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項4】
摩砕樹脂はスチレンアクリレートであることを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項5】
組成物の粘度はすべての剪断速度に対し分散剤の粘度に等しいかそれより小さく、また組成物の粘度はすべての剪断速度に対し摩砕樹脂の粘度に等しいかそれより小さいことを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項6】
組成物は顔料の重量に関し約0.1〜約40重量%の摩砕樹脂を含んで成ることを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項7】
顔料成分は、フタロシアニン、カーボンブラック、二酸化チタン、クロム酸塩、硫化物
、酸化鉄、アゾレーキ、不溶性のアゾ顔料、縮合したアゾ顔料、キレートアゾ顔料、モノアゾ顔料、モノアリーリド、B−ナフトール、ナフトールAS、ベンズイミダゾロン、金属で沈澱させたアゾ化合物、ジアゾ顔料、ジアリーリド、ジアゾ縮合物、ジアゾピラゾイオン、ビスアセトアセトアリーリド、フタロシアニン顔料、ペリレン類、ペリレン、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料、塩基性染料のレーキ、酸性染料のレーキ、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、黒色のアニリン昼間色蛍光顔料、グラファイト炭素、イソインドリン、イソインドリノン、インジゴイド、ジケトピロロピロール、トリアリールカルボニウム、金属錯体、真珠、液晶顔料、蛍光体、および上記の顔料の官能性誘導体から成る群から選ばれることを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項8】
組成物は該組成物の全重量に関し約1〜約80重量%の顔料を含んで成ることを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項9】
組成物は該組成物の全重量に関し約1〜約40重量%の顔料を含んで成ることを特徴とする請求項8記載の組成物。
【請求項10】
組成物は該組成物の全重量に関し約2〜約10重量%の顔料を含んで成ることを特徴とする請求項9記載の組成物。
【請求項11】
さらに溶媒を含んで成ることを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項12】
該溶媒は、水;ヘキサン;ミネラルスピリット;トルエン;大豆油;ひまし油;トール油脂肪酸;多価アルコール;グリコール;ジオール;グリコールエステル;グリコールエーテル;ポリアルキルアルコール;多価アルコールの低級アルキルエステル;1分子当たりの炭素数が約8以下のアルコール;ケトン;エーテル;エステル;ラクタム、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール;ペンタンジオール;グリセリン;プロピレングリコールラウレート;ポリエチレングリコール;エチレングリコールモノメチルエーテル;エチレングリコールモノエチルエーテル;エチレングリコールモノブチルエーテル;1分子当たりの炭素数が約8以下のアルコール、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソ−プロパノール;アセトン;ジオキサン;酢酸エチル;酢酸プロピル;酢酸t−ブチル、および2−ピロリドンから成る群から選ばれることを特徴とする請求項11記載の組成物。
【請求項13】
存在する該溶媒成分の量は該組成物の全重量に関して約10〜99重量%の範囲の任意の量であることを特徴とする請求項12記載の組成物。
【請求項14】
存在する該溶媒成分の量は該組成物の全重量に関して約50〜99重量%の範囲の任意の量であることを特徴とする請求項13記載の組成物。
【請求項15】
塗料組成物における請求項1記載の分散剤の使用。
【請求項16】
塗料を含んで成り、該塗料はさらに
(a)顔料成分;
(b)該顔料を分散させるのに効果的な量の、式
【化3】

但し上記式中RはC〜C100のヒドロカルビル基であることができ;
は構造
【化4】

によって定義されるアルコキシル化されたヒドロカルビル基であることができ、ここでRは水素およびC〜約C24のヒドロカルビル基から成る群から選ばれ;X、X、X、X、X、およびXはそれぞれそれが存在する場合独立に水素、メチル、およびエチルから成る群から選ばれるが、但し同じアルコキシ単位に結合した2個のX基の少なくとも一つは水素であり、p、q、およびrは互いに独立に0〜約100の間の0を含む整数であることができるが、但しこの場合p、q、およびrの少なくとも一つは0ではなく;またnは1〜約50の任意の整数であり、sは0または1であることができるものとする、
の構造を有する分散剤、および
(c)摩砕樹脂
を含んで成ることを特徴とする製品。
【請求項17】
該製品は金属、合金、複合体、プラスティックス、コンクリート、鋳鉄、木材、セラミックス、紙、フィルム、箔、ビニル材、織物、ガラス、およびレザーから成る群から選ばれる材料からつくられていることを特徴とする請求項16記載の製品。
【請求項18】
(a)一官能性のアミン末端ポリエーテルとポリオールのグリシジルエーテルとを反応させて分散剤をつくり、
(b)該分散剤と顔料を接触させて顔料分散物をつくり、
(c)該顔料分散物と摩砕樹脂とを混合することから成ることを特徴とする塗料組成物を製造する方法。
【請求項19】
該ポリオールのグリシジルエーテルは芳香族のエポキシド基を含んで成り、該ポリオールのグリシジルエーテルの芳香族の基の20〜90%を一官能性のアミン末端ポリエーテルと反応させることを特徴とする請求項18記載の方法。
【請求項20】
該ポリオールのグリシジルエーテルは脂肪族のエポキシド基を含んで成り、該ポリオールのグリシジルエーテルの脂肪族の基の20〜100%を一官能性のアミン末端ポリエーテルと反応させる請求項18記載の方法。
【請求項21】
一官能性のアミン末端ポリエーテルはポリエーテルアミンであることを特徴とする請求項18〜20記載の方法。
【請求項22】
該一官能性のアミン末端ポリエーテルおよびポリオールのグリシジルエーテルを減圧下において約50〜約150℃の温度で反応させることを特徴とする請求項18〜20記載
の方法。
【請求項23】
(a)顔料成分;
(b)該顔料を分散させるのに効果的な量の、式
【化5】

但し上記式中RはC〜C100のヒドロカルビル基であることができ;
は構造
【化6】

によって定義されるアルコキシル化されたヒドロカルビル基であることができ、ここでRは水素およびC〜約C24のヒドロカルビル基から成る群から選ばれ;X、X、X、X、X、およびXはそれぞれそれが存在する場合独立に水素、メチル、およびエチルから成る群から選ばれるが、但し同じアルコキシ単位に結合した2個のX基の少なくとも一つは水素であり、p、q、およびrは互いに独立に0〜約100の間の0を含む整数であることができるが、但しこの場合p、q、およびrの少なくとも一つは0ではなく;またnは1〜約50の任意の整数であり;sは0または1であることができるものとする、
の構造を有する分散剤;および
(c)摩砕樹脂
を含んで成ることを特徴とする組成物。
【請求項24】
該摩砕樹脂と分散剤とは同じであることを特徴とする請求項23記載の組成物。
【請求項25】
摩砕樹脂は
(a)スチレン、置換スチレン単量体、またはこれらの組み合わせ、および
(b)置換基をもちまたはもたないアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、マレイン酸の半エステル、シトリコン酸、イタコン酸、およびこれらの組み合わせから成る群から選ばれるカルボキシル化された単量体を含んで成ることを特徴とする請求項23記載の組成物。
【請求項26】
摩砕樹脂はスチレンアクリレートであることを特徴とする請求項23記載の組成物。
【請求項27】
組成物の粘度はすべての剪断速度に対し分散剤の粘度に等しいかそれより小さく、また組成物の粘度はすべての剪断速度に対し摩砕樹脂の粘度に等しいかそれより小さいことを特徴とする請求項23記載の組成物。
【請求項28】
組成物は顔料の重量に関し約0.1〜約40重量%の摩砕樹脂を含んで成ることを特徴とする請求項23記載の組成物。
【請求項29】
顔料成分は、フタロシアニン、カーボンブラック、二酸化チタン、クロム酸塩、硫化物、酸化鉄、アゾレーキ、不溶性のアゾ顔料、縮合したアゾ顔料、キレートアゾ顔料、モノアゾ顔料、モノアリーリド、B−ナフトール、ナフトールAS、ベンズイミダゾロン、金属で沈澱させたアゾ化合物、ジアゾ顔料、ジアリーリド、ジアゾ縮合物、ジアゾピラゾイオン、ビスアセトアセトアリーリド、フタロシアニン顔料、ペリレン類、ペリレン、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料、塩基性染料のレーキ、酸性染料のレーキ、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、黒色のアニリン昼間色蛍光顔料、グラファイト炭素、イソインドリン、イソインドリノン、インジゴイド、ジケトピロロピロール、トリアリールカルボニウム、金属錯体、真珠、液晶顔料、蛍光体、および上記の顔料の官能性誘導体から成る群から選ばれることを特徴とする請求項23記載の組成物。
【請求項30】
組成物は該組成物の全重量に関し約1〜約80重量%の顔料を含んで成ることを特徴とする請求項23記載の組成物。
【請求項31】
組成物は該組成物の全重量に関し約1〜約40重量%の顔料を含んで成ることを特徴とする請求項30記載の組成物。
【請求項32】
組成物は該組成物の全重量に関し約2〜約10重量%の顔料を含んで成ることを特徴とする請求項31記載の組成物。
【請求項33】
さらに溶媒を含んで成ることを特徴とする請求項23記載の組成物。
【請求項34】
該溶媒は、水;ヘキサン;ミネラルスピリット;トルエン;大豆油;ひまし油;トール油脂肪酸;多価アルコール;グリコール;ジオール;グリコールエステル;グリコールエーテル;ポリアルキルグリコール;多価アルコールの低級アルキルエステル;1分子当たりの炭素数が約8以下のアルコール;ケトン;エーテル;エステル;ラクタム、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール;ペンタンジオール;グリセリン;プロピレングリコールラウレート;ポリエチレングリコール;エチレングリコールモノメチルエーテル;エチレングリコールモノエチルエーテル;エチレングリコールモノブチルエーテル;1分子当たりの炭素数が約8以下のアルコール、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール;アセトン;ジオキサン;酢酸エチル;酢酸プロピル;酢酸t−ブチル、および2−ピロリドンから成る群から選ばれることを特徴とする請求項33記載の組成物。
【請求項35】
存在する該溶媒成分の量は該組成物の全重量に関して約10〜99重量%の範囲の任意の量であることを特徴とする請求項33または34記載の組成物。
【請求項36】
存在する該溶媒成分の量は該組成物の全重量に関して約50〜99重量%の範囲の任意の量であることを特徴とする請求項35記載の組成物。
【請求項37】
塗料組成物における請求項23記載の分散剤の使用。
【請求項38】
塗料を含んで成り、該塗料はさらに
(a)顔料成分;
(b)該顔料を分散させるのに効果的な量の、式
【化7】

但し上記式中RはC〜C100のヒドロカルビル基であることができ;
は構造
【化8】

によって定義されるアルコキシル化されたヒドロカルビル基であることができ、ここでRは水素およびC〜約C24のヒドロカルビル基から成る群から選ばれ;X、X、X、X、X、およびXはそれぞれそれが存在する場合独立に水素、メチル、およびエチルから成る群から選ばれるが、但し同じアルコキシ単位に結合した2個のX基の少なくとも一つは水素であり、p、q、およびrは互いに独立に0〜約100の間の0を含む整数であることができるが、但しこの場合p、q、およびrの少なくとも一つは0ではなく;またnは1〜約50の任意の整数であり;sは0または1であることができるものとする、
の構造を有する分散剤;および
(c)摩砕樹脂
を含んで成ることを特徴とする製品。
【請求項39】
該製品は金属、合金、複合体、プラスティックス、コンクリート、鋳鉄、木材、セラミックス、紙、フィルム、箔、ビニル材、織物、ガラス、およびレザーから成る群から選ばれる材料からつくられていることを特徴とする請求項38記載の製品。
【請求項40】
(a)一官能性のアミン末端ポリエーテルとポリオールのグリシジルエーテルとを反応させて分散剤をつくり、
(b)該分散剤と顔料を接触させて顔料分散物をつくり、
(c)該顔料分散物と摩砕樹脂とを混合することから成ることを特徴とする塗料組成物を製造する方法。
【請求項41】
該ポリオールのグリシジルエーテルは芳香族のエポキシド基を含んで成り、該ポリオールのグリシジルエーテルの芳香族の基の20〜90%を一官能性のアミン末端ポリエーテルと反応させることを特徴とする請求項40記載の方法。
【請求項42】
該ポリオールのグリシジルエーテルは脂肪族のエポキシド基を含んで成り、該ポリオールのグリシジルエーテルの脂肪族の基の20〜100%を一官能性のアミン末端ポリエーテルと反応させる請求項40記載の方法。
【請求項43】
一官能性のアミン末端ポリエーテルはポリエーテルアミンであることを特徴とする請求項40〜42記載の方法。
【請求項44】
該一官能性のアミン末端ポリエーテルおよびポリオールのグリシジルエーテルを減圧下において約50〜約150℃の温度で反応させる請求項40〜42記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2010−500443(P2010−500443A)
【公表日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−523749(P2009−523749)
【出願日】平成18年8月9日(2006.8.9)
【国際出願番号】PCT/US2006/031141
【国際公開番号】WO2008/018873
【国際公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願人】(505318547)ハンツマン ペトロケミカル コーポレイション (17)
【Fターム(参考)】