説明

インクジェットプリントヘッド、インクジェットヘッド用ウェーハレベルパッケージ、及びインクジェットプリントヘッドの製造方法

【課題】本発明は、インクジェットプリントヘッド、インクジェットヘッド用ウェーハレベルパッケージ、及びインクジェットプリントヘッドの製造方法に関する。
【解決手段】本発明によるインクジェットプリントヘッドは、一面に装着される圧電アクチュエータの駆動により内部のインクを外部に吐出するためのノズルを備えるインクヘッドと、前記インクヘッドの側面に、前記ノズルの高さより低い高さに切断されて形成される切断部を備えるチッピング防止部と、を含むことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェットプリントヘッド、インクジェットヘッド用ウェーハレベルパッケージ、及びインクジェットプリントヘッドの製造方法に関し、より詳しくは、ウェーハ単位のヘッドを容易に切断することができるインクジェットプリントヘッド、インクジェットヘッド用ウェーハレベルパッケージ、及びインクジェットプリントヘッドの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的にインクジェットプリントヘッドは、電気信号を物理的な力に変換し、小さなノズルを介してインクが液滴の形態で吐出されるようにする構造体である。
【0003】
最近、圧電方式のインクジェットプリントヘッドは産業用インクジェットプリンタにおいても使用されている。例えば、印刷回路基板(PCB)上に金、銀等の金属を溶かして作ったインクを噴射して回路パターンを直接形成させるか、または、産業グラフィックや液晶ディスプレイ(LCD)、有機発光ダイオード(OLED)の製造、太陽電池等に使用される。
【0004】
このようなインクジェットプリントヘッドは、カートリッジにおいてインクを流入するための流入口及び上記インクを流出するための流出口、流入されるインクを貯蔵するリザーバ、並びに上記リザーバ内のインクをノズルに移動させるためにアクチュエータの駆動力を伝達するチャンバ等の構造で形成されることができる。
【0005】
従来のインクジェットプリントヘッドは、複数のチップに区分できるウェーハ状態で製造され、上記ウェーハを複数のヘッドに分離するために別途でダイシング工程を行うようになる。
【0006】
しかし、このようなウェーハ状態において上記ダイシング工程を行う場合には、上記ウェーハにおいてダイシングされる面が不要に外側に突出するチッピング(chipping)が発生することがある。
【0007】
上記チッピングにより、分離されたインクジェットプリントヘッドのノズル面を拭き取ったりアダプタに装着する時は、ノズル部が汚染されたりノズル部の形状が変形するという深刻な問題が発生する虞がある。よって、このような問題点を解決するための技術が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上述した従来技術の問題を解決するためになされたもので、その目的は、ウェーハからそれぞれのヘッドをダイシングすることが容易なインクジェットプリントヘッド、及びインクジェットプリントヘッドの製造方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によるインクジェットプリントヘッドは、一面に装着される圧電アクチュエータの駆動により内部のインクを外部に吐出するためのノズルを備えるインクヘッドと、上記インクヘッドの側面に、上記ノズルの高さより低い高さに切断されて形成される切断部を備えるチッピング防止部と、を含むことができる。
【0010】
また、本発明によるインクジェットプリントヘッドの上記チッピング防止部は、上記切断部が、上記ノズルが形成されたプレートの両側面にテーパー状に形成されることを特徴とすることができる。
【0011】
また、本発明によるインクジェットプリントヘッドの上記チッピング防止部は、上記ノズルが形成されたプレートと上記圧電アクチュエータが装着されたプレートとにそれぞれ形成されることを特徴とすることができる。
【0012】
また、本発明によるインクジェットプリントヘッドは、上記インクヘッドにインクを供給するためのインク貯蔵部と、上記インク貯蔵部と上記インクヘッドとの間に介在され、上記インク貯蔵部と上記インクヘッドとを互いに連結させるアダプタ部と、をさらに含むことを特徴とすることができる。
【0013】
また、本発明によるインクジェットプリントヘッドの上記アダプタ部は、上記インクヘッドの一面に装着される装着面と、上記装着面から折り曲げられ、上記切断部に沿って形成される側面部と、を含むことができる。
【0014】
また、本発明によるインクジェットプリントヘッドは、上記アダプタ部と上記切断部との間に装着されるシーリング部をさらに含むことを特徴とすることができる。
【0015】
また、本発明によるインクジェットプリントヘッドの製造方法は、複数のインクヘッドが一体に形成されるウェーハを提供するステップと、それぞれの上記インクヘッドの単位に区分するために上記ウェーハ上にフォトレジスト層を形成するステップと、エッチング工程で上記ウェーハをエッチングして切断部を形成するステップと、上記切断部に沿って切断し、上記ウェーハからそれぞれの上記インクヘッドを製造するステップと、を含むことができる。
【0016】
また、本発明によるインクジェットプリントヘッドの製造方法において上記切断部を形成するステップは、上記ウェーハの両側面に形成することを特徴とすることができる。
【0017】
また、本発明によるインクジェットプリントヘッドの製造方法において上記エッチング工程は、上記ウェーハの結晶面に沿って異方性エッチングを行うことを特徴とすることができる。
【0018】
また、本発明によるインクジェットプリントヘッド用ウェーハレベルパッケージにおいて、本発明によるプリントヘッドの製造方法は、複数のインクチャンバと上記インクチャンバにそれぞれ連結される複数のノズルとを備える胴体部と、上記インクチャンバと上記ノズルとがインクヘッドの単位に切断されるよう、上記胴体部に切断部が形成されるチッピング防止部と、を含み、上記切断部は、上記ノズルが形成される面より低い高さに形成されることを特徴とすることができる。
【0019】
また、本発明によるインクジェットプリントヘッド用ウェーハレベルパッケージにおいて上記胴体部は、インクが貯蔵される複数のインクチャンバを備える流路ウェーハと、上記流路ウェーハと接着され、上記インクチャンバに連結されて外部に上記インクを吐出させるためのノズルを備えるノズルウェーハと、を含むことを特徴とすることができる。
【0020】
また、本発明によるインクジェットプリントヘッド用ウェーハレベルパッケージは、上記流路ウェーハと上記ノズルウェーハとの間に配置され、上記インクチャンバと上記ノズルを連結するためのダンパを備える中間ウェーハをさらに含むことを特徴とすることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によるインクジェットプリントヘッド、インクジェットプリントヘッド用ウェーハレベルパッケージ、及びインクジェットプリントヘッドの製造方法は、上記インクヘッドの切断部が、ノズルが形成される面より低い高さに形成されるチッピング防止部を含むため、切断時に発生し得るチッピングが外側に突出せず、ノズルを汚染させたり、その形状を変化させることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施例によるインクジェットプリントヘッドを説明するための概略的な分解斜視図である。
【図2】図1のインクジェットプリントヘッドを説明するための断面図である。
【図3】図2のインクジェットプリントヘッドを製造するためのウェーハレベルパッケージを説明するための斜視図である。
【図4】本発明の他の実施例によるインクジェットプリントヘッドを説明するための概略的な断面図である。
【図5】本発明のさらに他の実施例によるインクジェットプリントヘッドを説明するための概略的な断面図である。
【図6】本発明のさらに他の実施例によるインクジェットプリントヘッドにおいてアダプタ部を説明するための斜視図である。
【図7】本発明のさらに他の実施例によるインクジェットプリントヘッドにおいてアダプタ部を説明するための断面図である。
【図8】本発明の一実施例によるインクジェットプリントヘッドの製造方法を説明するための断面図である。
【図9】本発明の一実施例によるインクジェットプリントヘッドの製造方法を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明によるインクジェットプリントヘッド、インクジェットプリントヘッド用ウェーハレベルパッケージ、及びインクジェットプリントヘッドの製造方法に関して、図1から図9を参照しさらに具体的に説明する。以下では図面を参照し本発明の具体的な実施例を詳細に説明する。
【0024】
但し、本発明の思想は提示される実施例に制限されず、本発明の思想を理解する当業者は同一の思想の範囲内において他の構成要素を追加、変更、削除等を通じ、退歩的な他の発明や本発明の思想の範囲内に含まれる他の実施例を容易に提案することができるが、これも本願発明の思想の範囲内に含まれる。
【0025】
また、各実施例の図面に示す同一の思想の範囲内で機能が同一の構成要素は同一の参照符号を用いて説明する。
【0026】
図1は、本発明の一実施例によるインクジェットプリントヘッドを説明するための概略的な分解斜視図であり、図2は、図1のインクジェットプリントヘッドを説明するための断面図であり、図3は、図2のインクジェットプリントヘッドを製造するためのウェーハレベルパッケージを説明するための斜視図である。
【0027】
図1から図3を参照すると、インクジェットプリントヘッド100は、インクヘッド110と、チッピング防止部120とを含むことができる。
【0028】
インクヘッド110は、一面に装着される圧電アクチュエータ52の駆動により内部のインクを外部に吐出する。
【0029】
インクヘッド110は、1つの胴体を成すことができ、アダプタ部130とインク貯蔵部140と連結されることができる。この際、インクヘッド110には、インクを外部に吐出するためのノズル54と、ノズル54にそれぞれ連結されるインクチャンバ42とを備えることができる。
【0030】
チッピング防止部120は上記インクヘッド110の切断部122を含み、上記切断部122はノズル54のインクヘッド110の一面側の高さより低い高さに形成されることができる。本実施例において、上記切断部122は、上記ノズル54を備えるノズルプレート30の両側面にテーパー状に形成されることができる。
【0031】
ここで、切断部122をテーパー状に形成する方法はエッチング工程により行われることができ、チッピング防止部120は、ウェーハの結晶面に沿って異方性エッチングを行うことで自然にテーパー状に形成されるようになる。
【0032】
一般的に、チッピング防止部120が無いウェーハをチップサイズに切断する時は、インクヘッド110の切断部分が不要に外側に突出するチッピングが発生することがある。このようなチッピングにより、分離されたインクジェットプリントヘッドのノズル面を拭き取ったりアダプタに装着する時に、ノズル54が汚染されたりノズル54の形状が変形するという問題点が発生する虞がある。
【0033】
しかし、本実施例によるインクジェットプリントヘッド100は、チッピング防止部120、即ちノズル54の高さより低い高さに形成される切断部122を含むため、切断時に発生し得るチッピングが外側に突出せず、ノズル54を汚染させたり、その形状が変化することを防止することができる。
【0034】
図3を参照すると、インクジェットプリントヘッド用ウェーハレベルパッケージは、胴体部210とチッピング防止部220とを含むことができる。
【0035】
胴体部210は、円形のウェーハ状に形成され、複数のインクチャンバと、上記インクチャンバにそれぞれ連結される複数のノズルと、を備えるようになる。これにより、胴体部210を切断し、1つのインクジェットプリントヘッド単位に製造することが可能となる。
【0036】
上記胴体部210は、インクが貯蔵される複数のインクチャンバを備える流路ウェーハと、上記流路ウェーハと接着され、上記インクチャンバに連結されて外部に上記インクを吐出させるためのノズル54を備えるノズルウェーハと、を含むことができる。
【0037】
また、上記流路ウェーハと上記ノズルウェーハとの間に配置され、上記インクチャンバと上記ノズル54を連結するためのダンパ46を備える中間ウェーハをさらに含むことができる。
【0038】
また、チッピング防止部220は、インクチャンバと上記ノズルとがインクジェットプリントヘッド単位に切断されるよう、上記胴体部210に切断部が形成され、上記切断部は、上記ノズルの高さより低い高さに形成されることができる。
【0039】
以下では、図1及び図2に示した構成について詳しく説明する。
【0040】
インクヘッド110は、流路プレート10と、中間プレート20と、ノズルプレート30とを含むことができる。
【0041】
流路プレート10には、複数のインクチャンバ42が形成され、インクが流入されるための少なくとも1つのインクインレット50が設けられることができる。この際、インクインレット50は、リザーバ44と連結されるように提供され、リザーバ44は、レストリクタ48を通じてインクをインクチャンバ42に供給する役割をする。
【0042】
また、インクチャンバ42は、圧電アクチュエータ52が装着される位置の下部に設けられる。この際、流路プレート10のうち、インクチャンバ42の天井を成す部分は振動板の役割をする。
【0043】
従って、インクを吐出するために圧電アクチュエータ52に駆動信号を印加すると、圧電アクチュエータ52と共にその下の振動板が変形しながらインクチャンバ42の内部体積が変化するようになる。
【0044】
これにより、インクチャンバ42内の圧力が増加し、インクチャンバ42内のインクはダンパ46とノズル54を介して外部に吐出される。
【0045】
そして、圧電アクチュエータ52には、上面及び下面に電気的に連結される電極が形成されることができ、圧電物質であるPZT(Lead Zirconate Titanate)セラミック材料からなることができる。しかし、アクチュエータはこれに限定されず、熱によって変形するアクチュエータのように多様な種類のアクチュエータに置換することも可能である。
【0046】
中間プレート20は、長さ方向に長く形成されるリザーバ44と、ノズル54とインクチャンバ42を連結するダンパ46と、を含むことができる。
【0047】
リザーバ44は、インクインレット50からインクの供給を受け、インクチャンバ42にインクを供給するが、リザーバ44及びインクチャンバ42はレストリクタ48により互いに連結される。
【0048】
そして、ダンパ46は、インクチャンバ42から圧電アクチュエータ52により吐出されるインクの伝達を受け、ノズル54を介して外部に吐出させる。
【0049】
さらに、ダンパ46は、多段状に形成されることができ、このような構造によってインクチャンバ42から受け入れるインクの量と、ノズル54に進行するインクの量とを調節することができるようになる。
【0050】
また、インク貯蔵部140は、インクヘッド110にインクを供給するために、内部にインクを貯蔵する空間を形成する。よって、インク貯蔵部140からアダプタ部130を介してインクがインクヘッド110に流動されるようにする。
【0051】
そして、アダプタ部130は、インク貯蔵部140と対応するサイズに形成されて、上記インクをインクヘッド110に伝達する役割をし、構造的に1つのモジュールになるようにする。よって、アダプタ部130は、上記インク貯蔵部140と上記インクヘッド110との間に介在されることができる。
【0052】
図4は、本発明の他の実施例によるインクジェットプリントヘッドを説明するための概略的な断面図である。
【0053】
図4を参照すると、インクヘッド310は、その構成が前述した実施例と実質的に同様であるため、具体的な説明は省略することができる。
【0054】
ここで、チッピング防止部320は、インクチャンバ42と上記ノズル54がインクジェットプリントヘッド単位に切断されるよう、上記インクヘッド310に切断部322が形成され、上記切断部322は、上記ノズル54の高さより低い高さに形成されることができる。
【0055】
この際、切断部322はインクチャンバ42が形成される流路プレート10の両側面に位置するように形成されることができ、上記切断部322は上記ノズル54を備えるノズルプレート30の両側面に位置するように形成されることができる。よって、切断部322は、インクヘッド310のノズル54が形成されるノズルプレート30と、アクチュエータ52が装着される流路プレート10の両端にそれぞれ形成されることができるものである。
【0056】
従って、上述した構造により、本実施例では切断時に発生し得るチッピングが発生しないという効果がある。
【0057】
図5は、本発明のさらに他の実施例によるインクジェットプリントヘッドを説明するための概略的な断面図である。
【0058】
図5を参照すると、インクヘッド410は、その構成が前述した実施例と実質的に同様であるため、具体的な説明は省略することができる。
【0059】
ここで、チッピング防止部420は、インクチャンバ410の両端に形成されることができるが、切断部422は、一部がペーパ状になっており、その端部はインクチャンバ410の一面に水平に形成されることができる。よって、チッピング防止部420は階段状に形成されることができる。
【0060】
この際、このようなチッピング防止部420の製造は、ウェーハの結晶面、即ちシリコンの場合、[100]方向に沿って自然にエッチングすることにより、上記の形状に形成するものである。
【0061】
図6及び図7は、本発明のさらに他の実施例によるインクジェットプリントヘッドにおいてアダプタ部を説明するための斜視図及び断面図である。
【0062】
図6及び図7を参照すると、アダプタ部130は、インク貯蔵部と同じサイズに形成され、上記インクをインクヘッド110に伝達する役割をし、構造的に1つのモジュールになるようにする。
【0063】
この際、アダプタ部130は、インクヘッド110を構造的に固定するための固定部132を含むことができる。
【0064】
ここで、固定部132は、アダプタ部130の胴体と一体に形成され、上記胴体の一面に突出した形状に形成される。この際、インクヘッド110のチッピング防止部120と対応するよう、固定部132の内側面は、インクヘッドの一面に装着される装着面134と、上記装着面134から折り曲げられ、テーパー状に形成される側面部136とを含むことができる。上記構造のような固定部132によって、アダプタ部130は上記インクヘッド110を安定して収容することができる。
【0065】
そして、インクジェットプリントヘッドは、上記アダプタ部130と上記インクヘッド110との間に装着されるシーリング部150をさらに含むことができる。この際、シーリング部150は、ゴム材質で形成され、インクジェットプリントヘッドの振動時にその振動力を吸収するように設計されることができる。しかし、本実施例においてシーリング部150は、設計者の意図によって省略して設計されることができ、その材質もより多様にすることができる。
【0066】
図8は、本発明の一実施例によるインクジェットプリントヘッドの製造方法を説明するための断面図である。
【0067】
先ず、図8(a)を参照すると、インクジェットプリントヘッドの製造方法は、複数のインクヘッドが形成されるウェーハ1を提供するステップを含むことができる。
【0068】
この際、ウェーハ1は、複数のインクチャンバと、上記インクチャンバにそれぞれ連結される複数のノズルと、を備える胴体部を含む。
【0069】
また、図8(b)を参照すると、それぞれの上記インクヘッドの単位に区分するために、上記ウェーハ1上にフォトレジスト層2を形成することができる。この際、フォトレジスト層2は、チッピング防止部3が形成される切断位置に形成される。
【0070】
次に、図8(c)を参照すると、エッチング工程で上記ウェーハ1をエッチングして切断部3aを形成するようになる。
【0071】
この際、切断部3aは、ウェーハ1の結晶面に沿ってエッチングされるため、一側面がV字状に窪んで形成される。
【0072】
そして、図8(d)を参照すると、切断部3aが形成されたウェーハ1からフォトレジスト層2を除去する。
【0073】
最後に、図8(e)に示したように、切断部3aに沿って切断することによって、上記ウェーハ1からそれぞれのインクヘッドを製造することができる。
【0074】
図9は、本発明の一実施例によるインクジェットプリントヘッドの製造方法を説明するための断面図である。
【0075】
先ず、図9(a)を参照すると、インクジェットプリントヘッドの製造方法は、複数のインクヘッドが形成されるウェーハ1'を提供するステップを含むことができる。
【0076】
この際、ウェーハ1'は、複数のインクチャンバと、上記インクチャンバにそれぞれ連結される複数のノズルとを備えるようになる胴体部を含む。
【0077】
また、図9(b)を参照すると、それぞれの上記インクヘッドの単位に区分するために、上記ウェーハ1'の両側面にフォトレジスト層2'を形成することができる。この際、フォトレジスト層2'は、チッピング防止部3'が形成される切断位置に形成される。
【0078】
次に、図9(c)を参照すると、エッチング工程で上記ウェーハ1'をエッチングして切断部3a'を形成するようになる。
【0079】
この際、切断部3a'は、ウェーハ1'の結晶面に沿ってエッチングされるため、両側面がV字状のテーパー構造に形成されるようになる。
【0080】
そして、図9(d)を参照すると、切断部3a'が形成されたウェーハ1'からフォトレジスト層2'を除去するようになる。
【0081】
最後に、図9(e)に示したように、切断部3a'に沿って切断することによって、上記ウェーハ1'からそれぞれのインクヘッドを製造することができる。
【0082】
従って、本実施例によるインクジェットプリントヘッドの製造方法は、上記ウェーハ1、1'の切断部3a、3a'が、ノズルが形成されるノズルプレート30とアクチュエータが装着される流路プレート10のうち少なくとも1つに形成され、上記ノズルの高さより低い高さに形成されるチッピング防止部3、3'を含むため、切断時に発生し得るチッピングが外側に突出しないという効果がある。
【符号の説明】
【0083】
10 流路プレート
20 中間プレート
30 ノズルプレート
42 インクチャンバ
44 リザーバ
46 ダンパ
48 レストリクタ
50 インクインレット
52 圧電アクチュエータ
54 ノズル
110 インクヘッド
120、220 チッピング防止部
122 切断部
130 アダプタ部
140 インク貯蔵部
150 シーリング部
210 胴体部
1 ウェーハ
2 フォトレジスト層
3 チッピング防止部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一面に装着される圧電アクチュエータの駆動により内部のインクを外部に吐出するためのノズルを備えるインクヘッドと、
前記インクヘッドの側面に、前記ノズルの前記一面側の高さより低い高さにおいて切断されて形成される切断部を備えるチッピング防止部と、
を含むインクジェットプリントヘッド。
【請求項2】
前記チッピング防止部は、
前記切断部が、前記ノズルが形成されたプレートの両側面にテーパー状に形成されることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリントヘッド。
【請求項3】
前記チッピング防止部は、
前記ノズルが形成されたプレートと前記圧電アクチュエータが装着されたプレートとにそれぞれ形成されることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェットプリントヘッド。
【請求項4】
前記インクヘッドにインクを供給するためのインク貯蔵部と、
前記インク貯蔵部と前記インクヘッドとの間に介在され、前記インク貯蔵部と前記インクヘッドとを互いに連結させるアダプタ部と、をさらに含むことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載のインクジェットプリントヘッド。
【請求項5】
前記アダプタ部は、
前記インクヘッドの一面に装着される装着面と、前記装着面から折り曲げられ、前記切断部に沿って形成される側面部と、を含むことを特徴とする請求項4に記載のインクジェットプリントヘッド。
【請求項6】
前記アダプタ部と前記切断部との間に装着されるシーリング部をさらに含むことを特徴とする請求項4または5に記載のインクジェットプリントヘッド。
【請求項7】
複数のインクヘッドが一体に形成されるウェーハを提供するステップと、
それぞれの前記インクヘッドの単位に区分するために前記ウェーハ上にフォトレジスト層を形成するステップと、
エッチング工程で前記ウェーハをエッチングして切断部を形成するステップと、
前記切断部に沿って切断し、前記ウェーハからそれぞれの前記インクヘッドを製造するステップと、
を含むインクジェットプリントヘッドの製造方法。
【請求項8】
前記切断部を形成するステップは、
前記ウェーハの両側面に形成することを特徴とする請求項7に記載のインクジェットプリントヘッドの製造方法。
【請求項9】
前記エッチング工程は、
前記ウェーハの結晶面に沿って異方性エッチングを行うことを特徴とする請求項7または8に記載のプリントヘッドの製造方法。
【請求項10】
複数のインクチャンバと前記インクチャンバにそれぞれ連結される複数のノズルとを備えるウェーハ状の胴体部と、
前記インクチャンバと前記ノズルとがインクヘッドの単位に切断されるように前記胴体部に形成される切断部を備えるチッピング防止部と、を含み、
前記切断部は、前記ノズルが形成される面より低い高さに形成されることを特徴とするインクジェットプリントヘッド用ウェーハレベルパッケージ。
【請求項11】
前記胴体部は、
インクが貯蔵される複数のインクチャンバを備える流路ウェーハと、
前記流路ウェーハと接着され、前記インクチャンバに連結されて外部に前記インクを吐出させるためのノズルを備えるノズルウェーハと、を含むことを特徴とする請求項10に記載のインクジェットプリントヘッド用ウェーハレベルパッケージ。
【請求項12】
前記流路ウェーハと前記ノズルウェーハとの間に配置され、前記インクチャンバと前記ノズルを連結するためのダンパを備える中間ウェーハをさらに含むことを特徴とする請求項11に記載のインクジェットプリントヘッド用ウェーハレベルパッケージ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−143708(P2011−143708A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−225955(P2010−225955)
【出願日】平成22年10月5日(2010.10.5)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【Fターム(参考)】