説明

インクジェットヘッドの製造方法

【課題】耐インク性に優れ、長期信頼性を有するインクジェットヘッドを提供する。
【解決手段】2層のSi層11,12間に第1のSiO層13を有するSOI基板15の少なくとも一方のSi層を熱酸化し、第2のSiO層16を形成する第1酸化工程と、前記第2のSiO層16、及び前記第1のSiO層13と前記第2のSiO層16との間のSi層12の一部を、エッチング処理により少なくとも前記第1のSiO層13が露出するまで除去し、ノズル孔を形成するノズル孔形成工程と、形成された前記ノズル孔の少なくとも側壁のSi層を熱酸化し、SiO層21を形成する第2酸化工程と、前記ノズル孔における前記側壁以外のSiO層13を、少なくともSi層11が露出するまで異方性ドライエッチング処理し、前記ノズル孔を開口処理する孔開口処理工程と、他方のSi層11を除去し、ノズル20を形成するノズル形成工程とを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクを吐出するインクジェットヘッドの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタや複写機などの画像記録装置に備えられているインクジェットヘッドは、インクを吐出する吐出ノズルからインク滴を吐出させて記録を行なうため、ノズルの形状や精度あるいはその経時での変化がインク滴の吐出性能に大きな影響を与える。
【0003】
また、ノズル孔を形成している部材の表面も、その特性や経時に伴なう変化によりインク滴の吐出性能に影響を与えることがある。
【0004】
インクジェットヘッドとしては、一般に、ノズルプレートのノズル部がシリコン(Si)を用いて形成されたものが広く知られている。ノズルプレートの形態としては、例えば、ノズル形成部材とフッ素系撥水剤層との間に、無機酸化物の皮膜が分断形成された島状の膜を形成しつつ、全体としては均一に島状の膜が成膜されている島状薄層の形状からなる無機酸化物層が形成されたインクジェットヘッドが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−94665号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ノズルプレートのインクと接触するノズル部がシリコンで形成されている場合、シリコン面がインクと接触していると、インク中のアルカリ成分等により浸食されやすく、インク滴の吐出性能、ひいてはインクジェットヘッドの耐久性に影響を与えるおそれがある。
【0007】
上記従来のインクジェットヘッドのような形態では、無機酸化物が分断形成されて島状にしか存在しないため、ノズル孔の内壁面におけるインクとの接触を防止することはできず、内壁がインクと接触していることにより、壁面の浸食を抑制ないし回避することは困難である。
【0008】
本発明は、上記に鑑みなされたものであり、耐インク性に優れ、長期信頼性を有するインクジェットヘッドを作製することができるインクジェットヘッドの製造方法を提供することを目的とし、該目的を達成することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を達成するための具体的手段は、以下の通りである。
本発明は、2層のSi層間に第1のSiO層を有するSOI基板の少なくとも一方のSi層を熱酸化し、第2のSiO層を形成する第1酸化工程と、前記第2のSiO層、及び前記第1のSiO層と前記第2のSiO層との間のSi層の一部を、エッチング処理により少なくとも前記第1のSiO層が露出するまで除去し、ノズル孔を形成するノズル孔形成工程と、形成された前記ノズル孔の少なくとも側壁のSi層を熱酸化し、SiO層を形成する第2酸化工程と、前記ノズル孔における前記側壁以外のSiO層を、少なくともSi層が露出するまで異方性ドライエッチング処理し、前記ノズル孔を開口処理する孔開口処理工程と、他方のSi層を除去し、ノズルを形成するノズル形成工程と、を有するインクジェットヘッドの製造方法である。
【0010】
本発明のインクジェットヘッドの製造方法において、前記ノズル孔形成工程は、
フォトレジスト法により前記第2のSiO層上にエッチングマスクを形成するマスク形成工程と、前記第2のSiO層の一部をエッチング処理により、前記第1のSiO層と前記第2のSiO層との間のSi層が露出するまで除去するSiO除去工程と、前記除去により露出した前記Si層を、異方性ウェットエッチング処理又は異方性ドライエッチング処理により前記第1のSiO層が露出するまで除去するSi除去工程と、前記エッチングマスクを除去するマスク除去工程と、を設けることにより、前記ノズル孔を形成するものであることが好ましい。
【0011】
本発明のインクジェットヘッドの製造方法における前記ノズル形成工程は、2層のSi層のうち他方のSi層を研磨した後、前記第1のSiO層が露出するまでドライエッチング処理することにより、前記他方のSi層を除去することができる。SOI基板は2層のSi層を有し、一方のSi層に第2のSiO層を形成した場合は他方をハンドリング用のハンドル層として利用でき、薄形に作製する場合にも破損なく、操作性よく作製することが可能になる。
【0012】
本発明においては、前記孔開口処理工程の後、前記第2のSiO層の表面の少なくとも一部と、インク流路を有するベースウエハとを接合した後に、前記ノズル形成工程において前記他方のSi層を除去することができる。これにより、耐インク性に優れたインクジェットヘッドを作製することができる。
【0013】
前記ノズル孔形成工程は、更に、前記第1のSiO層の一部をSi層が露出するまで除去し、前記第2酸化工程において、形成されたノズル孔のSi層の表面全体にSiO層を形成することが好ましい。孔開口処理工程でのエッチング処理で側壁のSiO層も薄くなり易いので、第2酸化工程の前に予め、除去しようとするSiO層を除去しておけば、側壁のSiO層が薄くなるのを回避できる。
【0014】
少なくとも第1のSiO層の厚みは、0.5〜1μmの範囲であるのが好ましい。特に、上記のようにノズル孔形成工程において第1のSiO層の一部をSi層が露出するまで除去しない簡易工程に構成する場合には、SiO層の厚みがこの範囲内であると、後の孔開口処理工程において、側壁に影響を与えずにノズル孔の開口処理が行なえる。
【0015】
また、上記の第1酸化工程及び第2酸化工程の一方又は両方において、SiO層を0.5〜1μmの厚みで形成することが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、耐インク性に優れ、長期信頼性を有するインクジェットヘッドを作製することができるインクジェットヘッドの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態に係るインクジェットヘッドの製造工程の一部を示す概略工程図である。
【図2】本発明の実施形態に係るインクジェットヘッドの製造工程の他の一部を示す概略工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図1〜図2を参照して、本発明のインクジェットヘッドの製造方法の実施形態を詳細に説明する。
【0019】
図1(a)に示すように、ノズルを有するノズルプレートを作製するために、Si基板(以下、「Siハンドル層」と称する。)11と表面Si層12との間に、第1のSiO層として埋め込みSiO層13を設けた構造のSOI基板(シリコンオンインシュレータウェーハ)15を準備する。なお、SOI基板は、基材としてのSi層と表層をなすSi層との間にSiOが挟まれた構造の基板である。
【0020】
SOI基板において、SiO層及びSi層の厚みは特に制限されるものではないが、例えば、SiO層の厚みは0.5〜10μmの範囲が好ましく、また、Si層の厚みは10〜300μmの範囲が好ましい。Si層間に埋め込まれた埋め込みSiO層13の厚みは、ノズル孔開口時の側壁に及ぼす悪影響を軽減する観点から、比較的薄いことが好ましく、0.5〜1μmの範囲であるのがより好ましい。
【0021】
SOI基板は、図1(a)に示すような構造に成形したものを用いてもよいし、上市されている市販品を用いてもよい。
【0022】
次いで、SOI基板15を用い、その表面Si層12を少なくとも熱酸化することにより、図1(a)に示すように、SOI基板上にさらにSiO層16(第2のSiO層)を形成する(第1酸化工程)。SOI基板を用い、さらにSiO層を設けてSiO層/Si層/SiO層構造を形成することで、後述するように、最終的にノズル内壁及びインク流路側の表面をSiO層で形成すると共に、ノズル面もSiO層で形成することができる。
熱酸化の条件については、特に制限はなく、所望の酸化膜となるように適宜選択すればよい。
【0023】
SiO層16の厚みとしては、0.5〜10μmの範囲が好ましい。SiO層16は、インク流路が設けられたベースウエハと接合してヘッドとした場合にインクと接触する層であるため、厚みを前記範囲とすることにより、インクによる浸食が効果的に抑制される。
【0024】
SOI基板15に形成されたSiO層16の上には、図1(b)に示すように、エッチング用マスクとしてエッチングマスク17が所望のパターンで設けられる。エッチングマスクは、フォトリソグラフィ法により形成することができる。
【0025】
具体的には、まず、形成されたSiO層16上に、ポジ型又はネガ型のフォトレジスト(感光性樹脂)を塗布し、これを乾燥させることにより、図示しないフォトレジスト層を形成する。フォトレジスト層の形成に際しては、更にプリベーク処理を行なうことが好ましい。続いて、フォトレジスト層を、ノズル孔を形成しようとする位置に対応する領域が除けるようにフォトレジスト層の上方から露光し、露光後に現像液で現像処理を施すことにより、ノズル孔を形成しようとする領域のフォトレジスト層を除去し、図1(b)に示すように、エッチングマスク17を形成する(マスク形成工程)。
【0026】
フォトレジストとしては、紫外線(g線やi線等)、エキシマー・レーザー等を含む遠紫外線、電子線、イオンビーム及びX線等の放射線に感応するネガ型又はポジ型の感光性を有するレジスト組成物が使用できる。フォトレジスト層の露光は、所定のマスクパターンを介して、ネガ型又はポジ型のレジスト組成物に紫外線等で露光することにより行なえる。また、現像液としては、ポジレジストの露光部又はネガレジストの未硬化部を溶解するものであれば特に制限はなく、有機溶剤やアルカリ性の水溶液等が使用可能である。
【0027】
前記マスク形成工程により、SiO層16のうち、ノズル孔が形成される領域に対応する領域のみが露出された状態となる。このようにエッチングマスク17が形成された状態で、エッチングマスク17の上方から、SiO層16にバッファード・フッ酸(BHF)を用いてウェットエッチング処理を施し、SiO層16をエッチングマスクのパターン様に除去する(SiO除去工程)。これにより、パターン化されたSiO層16aを形成する。エッチング処理は、BHFの他、ウェットエッチング液としてHPOやNHOH、HSO等を使用できる。
エッチング処理は、Si層13が露出したところで終了する。このようにして、図1(b)のように凹部18がパターン状に形成される。
【0028】
ここでのエッチングは、ウェットエッチングの他、ドライエッチングにより行なってもよい。ウェットエッチング及びドライエッチングは、従来からの常法により行なえる。ドライエッチングの詳細については後述する。
【0029】
引き続いて、図1(c)のように、図1(b)に示す状態でさらに、水酸化カリウム水溶液を用いた異方性ウェットエッチングを行なうことにより、図1(b)と同一のパターン状に表面Si層12を除去し、パターン化されたSi層12aを形成する(Si除去工程)。エッチングは、SiO層をストッパーとして、埋め込みSiO層13が露出したところで終了する。このとき、凹部18では埋め込みSiO層13が露出している。
【0030】
引き続いて、図1(d)のように、図1(c)に示す状態でさらに、異方性ドライエッチングを行なうことにより、図1(b)と同じパターンで埋め込みSiO層13を除去し、パターン化された埋め込みSiO層13aを形成する。異方性ドライエッチングは、Si層をストッパーとして、Siハンドル層11が露出したところで終了する。このとき、ノズル孔をなす凹形19が形成される。また、異方性ドライエッチングの条件は、例えば、以下のようにすることができる。
<条件>
・ドライエッチング装置:酸化膜異方性エッチング装置(アプライドマテリアルズ社製)
・RFパワー:800W
・チャンバー圧力:4Pa
・基板温度:50℃
・ガス種及び流量:Ar:800mL、CHF:200mL、O:50mL
【0031】
ドライエッチング処理に用いられるガスとしては、公知のエッチングガスを使用でき、例えば、フッ素系ガス(例えば、CF、C、C、C、C、C、C、CHF等)や、希ガス(例えば、He、Ne、Ar、Kr、Xe等)、ハロゲン系ガス(例えば、CCl、CClF、AlF、AlCl等)、O、N、CO、CO等、及びフッ素系ガス及び酸素ガスの混合ガスなどが好適である。
【0032】
また、ドライエッチング法の代表的な例としては、特開昭59−126506号、特開昭59−46628号、同58−9108号、同58−2809号、同57−148706号、同61−41102号等の各公報に記載の方法が知られている。
【0033】
本発明においては、埋め込みSiO層13の厚みが比較的薄い(好ましくは0.5〜1μm)場合には、後述の第2酸化工程の前に、図1(d)のように埋め込みSiO層13を除去する操作を設けずに、図1(c)に示すように表面Si層12を除去した後に、第2の酸化工程を行なってもよい。但し、埋め込みSiO層13の厚みが比較的厚い場合(例えば1μm超)には、第2酸化工程の前に予め埋め込みSiO層13を除去しておくことにより、次の孔開口処理工程(図1(f)参照)でSiO層22を除去する際に、ノズル孔の側壁のSiO層21が薄膜になる等で損なわれるのを抑えることができる。つまり、孔開口処理工程(図1(f)参照)で側壁のSiO層21も薄くなり易いので、予めSiO層22を除去しておけば側壁が薄くなるのを回避できる。
【0034】
その後、溶剤もしくはフォトレジスト剥離液を使用して、フォトレジスト層の剥離処理を実施し、エッチングマスク17を除去する。エッチングマスクが剥離されると、パターン化されたSiO層16aが露出する。
以上のようにして、最終的にインクが流通するノズルを構成するノズル孔が形成される。
【0035】
次に、エッチングマスクを除去・乾燥させた後、再び熱処理を施してノズル孔において露出する表面Si層12とSiハンドル層11をそれぞれ熱酸化し、ノズル孔の全面にSiO層を形成する(第2酸化工程)。このとき、ノズル孔には、図1(e)に示すように、その側面にSiO層21が形成されており、ノズル孔内のSiハンドル層11の表面(図1(e)に示すノズル孔内の底面)にSiO層22が形成されている。本発明においては、このように熱酸化処理を行なってノズル孔内にSiO層を形成することで、耐インク性を向上させることができる。
なお、熱酸化の条件については、特に制限はなく、所望の酸化膜となるように適宜選択すればよい。
【0036】
SiO層21、22の厚みとしては、0.5〜10μmの範囲が好ましい。特に、SiO層21は、インク流路が設けられたベースウエハと接合してヘッドを形成した場合に、インクと接触する層であるため、厚みを前記範囲とすることにより、インクによる浸食が効果的に抑制される。
【0037】
熱酸化によりノズル孔の側面にSiO層を形成後、図1(f)のように、異方性ドライエッチング処理を施し、ノズル孔側面のSiO層21が除去されないように、SiO層22を選択的に除去し、ノズル孔を開口する(孔開口処理工程)。ここでは、Si層をストッパーとして、Siハンドル層11が露出したところで異方性ドライエッチング処理を終了する。ここでの異方性ドライエッチング処理の方法やエッチングガス、条件等については、既述と同様である。
【0038】
このようにして、ノズル20が形成されたノズルプレート積層体35が得られる。本発明においては、作製されたノズルプレート積層体35には、図1(f)のようにSiハンドル層11が存在しており、ノズルプレート30をより薄形に形成する場合にも、破損なく、操作性よく作製することができる。
【0039】
上記のように作製したノズルプレート積層体35を用い、露出するSiO層16aの表面に、別に作製しておいたベースウエハ41を接合することにより、図2(g)に示すようにヘッド構造を形成する。このヘッド構造には、予め吐出用のインクが流通するインク流路が形成されており、このインク流路がノズルプレート積層体のノズル20と連通するように接合される。
【0040】
そして、ヘッド構造からSiハンドル層11を除去するために、まず研磨処理することにより、図2(h)のようにSiハンドル層11の一部を研削し、薄厚に加工する。SOI基板において、研磨を施すことにより、破損せず、操作性よく薄形のノズルプレートを作製することができる。
【0041】
薄厚とした後は、再びドライエッチング処理を施し、図2(i)に示すように、薄厚に残存するSiハンドル層11aを全て除去する。このとき、SiO層をストッパーとして、埋め込みSiO層13aが露出したところでドライエッチングを終了する。ドライエッチングが終了したときには、埋め込みSiO層13aが露出して、インクジェットヘッドのノズル面42を形成する。
【0042】
その後、吐出するインクのノズル面での親インク性を下げるため、形成されたノズル面42の表面にフッ素系の撥インク剤を付与することにより、図2(j)に示すように、撥インク層43を設けることができる。撥インク層43は、スピンコーター、ロールコーター等を用いた公知の塗布法により塗布形成することができる。撥インク層の厚みについては、用いる撥インク剤の種類や使用量、インクの性状などの諸条件にあわせて適宜選択すればよい。
【0043】
前記撥インク剤としては、例えば、FDTS(1H,1H,2H,2H-perfluorodecyltrichlorosilane),T&K社製のNONOS膜、旭硝子社製のCytop膜などを用いることができる。
【符号の説明】
【0044】
11・・・Si層
12・・・表面Si層
13・・・第1のSiO
15・・・SOI基板
16・・・第2のSiO
21,22・・・SiO
20・・・ノズル孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2層のSi層間に第1のSiO層を有するSOI基板の少なくとも一方のSi層を熱酸化し、第2のSiO層を形成する第1酸化工程と、
前記第2のSiO層、及び前記第1のSiO層と前記第2のSiO層との間のSi層の一部を、エッチング処理により少なくとも前記第1のSiO層が露出するまで除去し、ノズル孔を形成するノズル孔形成工程と、
形成された前記ノズル孔の少なくとも側壁のSi層を熱酸化し、SiO層を形成する第2酸化工程と、
前記ノズル孔における前記側壁以外のSiO層を、少なくともSi層が露出するまで異方性ドライエッチング処理し、前記ノズル孔を開口処理する孔開口処理工程と、
他方のSi層を除去し、ノズルを形成するノズル形成工程と、
を有するインクジェットヘッドの製造方法。
【請求項2】
前記ノズル孔形成工程は、
フォトレジスト法により前記第2のSiO層上にエッチングマスクを形成するマスク形成工程と、
前記第2のSiO層の一部をエッチング処理により、前記第1のSiO層と前記第2のSiO層との間のSi層が露出するまで除去するSiO除去工程と、
前記除去により露出した前記Si層を、異方性ウェットエッチング処理又は異方性ドライエッチング処理により前記第1のSiO層が露出するまで除去するSi除去工程と、
前記エッチングマスクを除去するマスク除去工程と、
を設け、前記ノズル孔を形成することを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
【請求項3】
前記ノズル形成工程は、他方のSi層を研磨した後、前記第1のSiO層が露出するまでドライエッチング処理することにより、前記他方のSi層を除去することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
【請求項4】
前記孔開口処理工程の後、露出する前記第2のSiO層の表面の少なくとも一部と、インク流路を有するベースウエハとを接合した後に、前記ノズル形成工程において前記他方のSi層を除去することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
【請求項5】
前記ノズル孔形成工程は、更に、前記第1のSiO層の一部をSi層が露出するまで除去し、前記第2酸化工程は、形成されたノズル孔のSi層の表面全体にSiO層を形成することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
【請求項6】
少なくとも前記第1のSiO層の厚みが、0.5〜1μmであることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
【請求項7】
前記第1酸化工程及び前記第2酸化工程の少なくとも一方は、厚み0.5〜1μmのSiO層を形成することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のインクジェットヘッドの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−214641(P2010−214641A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−61356(P2009−61356)
【出願日】平成21年3月13日(2009.3.13)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】