説明

インクジェットヘッドの駆動装置およびインクジェット式記録装置

【課題】静電アクチュエータ式のインクジェットヘッドの駆動装置において、電極に残留する電荷の影響を少なくして良好な画像を得ることが可能な駆動装置を提供する。
【解決手段】ノズルと、ノズルに連通した加圧室と、加圧室内の圧力を変えるための振動板と、振動板に設けられた第1電極と、第1電極と対向する位置に空間を隔てて設けられた第2電極と、を有し、第1および第2電極間に電圧を印加することにより振動板を変形させることで、加圧室内のインクをノズルから液滴として吐出させるインクジェットヘッドを駆動するための駆動装置であって、第1および第2電極間に、インクを吐出させるための駆動電圧を印加する直前に、インクが吐出しない程度の予備電圧を印加することにより、ヘッドの駆動履歴によらず、駆動電圧時において、常に一定量の電荷が残留しているようにしたことを特徴とするインクジェットヘッドの駆動装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電アクチュエータを利用したインクジェットヘッドの駆動装置およびこのインクジェットヘッドとその駆動装置とを設けたインクジェット式記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェット式の記録装置に用いられるインクジェットヘッドの形態の一つに、静電アクチュエータを利用したものがある。
【0003】
このような静電アクチュエータを利用したインクジェットヘッドは、インクが吐出されるノズルと連通した加圧室内にインクを導き、この加圧室内に設けられている振動板を一つの電極(第1電極と称する)として、この第1電極と対向する位置にごく僅かな空間を設けて第2電極を配設し、第1電極と第2電極との間に電圧を印加することにより、第1および第2電極間に生じる静電気力によって振動板を変形させて加圧室内の圧力を変化させ、加圧室内に充填されたインクをノズルから液滴として吐出、飛翔させ、記録媒体上にこのインク液滴を着弾させて画像形成に用いているものである。
【0004】
このような静電アクチュエータを利用したインクジェットヘッドの駆動装置は、基本的には、第1および第2電極間に電圧を印加するものであり、この電圧の印加により、振動板が加圧室を広げる方向に変形し、そして、駆動装置が印加していた電圧を急激に遮断することで、振動板が元に戻ることにより加圧室内の圧力が高くなって、インク液滴がノズルから突出する。
【0005】
このような駆動装置による駆動において、以前から、電圧印加後、第1および第2電極間に電荷が残留し、これにより画像むらが発生するといった問題があった。これは、インクジェットヘッドからインク液滴を吐出させる際に連続的にインクジェットヘッドを動作させて印字する場合と、連続的に印字せずに非動作時間が長くなる場合とで、電極に残留した電荷量が異なるため、駆動電圧を印加による振動板の変形量に違いがでてしまい、インクの吐出量や吐出速度が変わって、画像にむらができてしまうものである。
【0006】
このような現象を防止するための最も単純な方法としては、インクジェットヘッドの振動板に設けた第1電極を直接アースすることにより電圧の印加を遮断した後に残留する電荷を逃がす方法がある。
【0007】
また、特開平8−72237号公報には、非動作中のインクジェットヘッドの第1および第2電極間を短絡させて、非動作中のインクジェットヘッド周辺の電極への電圧の印加やその他の電気的ノイズによる影響を防止するための技術が開示されている。
【特許文献1】特開平8−72237号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところが、インクジェット式の記録装置におけるインクジェットヘッドの動作周期、すなわち、ある印字動作から次の印字動作までの期間を考えた場合、電極をアースしたり、また、非動作中に第1、第2電極間を短絡させただけでは、インクジェットヘッドの動作周期内で完全に残留電荷を消去仕切れないことが分かってきた。
【0009】
これは、インクジェットヘッドの構造、特に振動板を動作させるための電極部分の構造に由来するものである。静電アクチュエータを利用したインクジェットヘッドの振動板は、半導体装置製造プロセスを利用したマイククロマシーン技術により製作するため、振動板と振動板に設けられた第1電極はシリコン基板から形成されており、さらに、第1電極の表面には、第2電極と直接接触した場合でも第1、第2電極間が短絡しないように絶縁膜が形成されている。このため、振動板部分には半導体内に生じる空乏層や絶縁膜などによる静電容量が存在し、この部分に、動作中に印加した電圧によって残留電荷が蓄積される。そして、この残留電荷を消去するためには、振動板部分の静電容量を放電させる必要があり、この放電にかかる時間は、静電容量の時定数によって決まるため、例えば絶縁膜として酸化膜を形成した場合には、その比誘電率が比較的高く、概算で、1.014secもの時間が必要となる(この時間Tは、T=εRC、(ただし、ε=4、R=1×1010、C=1×10−12により算出))。
【0010】
現在多くのインクジェット式のプリンタ(静電アクチュエータを利用したもの限らず)においては、1つのインクジェットヘッドにおいて連続的に印字させる場合、その動作間隔は、長いものでも250〜500μsec程度であり、上記のような残留電荷の消去にかかる時間よりはるかに短く、連続的に印字を行う場合には、残留電荷を完全に消去することができない。
【0011】
したがって、ある印字から次の印字までの間隔が短い場合とそれが長い場合とで、電極に蓄積されている残留電荷の度合いが異なるため、駆動電圧を印加したときの振動板の変形量が違って来て、そのためにインク吐出量が変わり、印字した画素ごとに濃度やドットの大きさが変わってしまい、再現した画像にむらができるなどの問題は、完全に解決するまでに至っていないのである。
【0012】
このような現象は、前記公報の技術のように、非動作中において第1、第2電極間を短絡させたとしても同様であり、連続印字する場合の非動作時間では残留電荷が完全に抜け切れないため、非動作時間の長さによって、電極に残留している電荷の度合いが異なるため、残留電荷に起因した画質劣化の問題は解決できない。
【0013】
そこで、本発明の第1の目的は、第1電極および/または第2電極での残留電荷による画質劣化を防止することができるインクジェットヘッドの駆動装置を提供することである。また、本発明の第2の目的は、上記のようなインクジェットヘッドの駆動装置を設けたインクジェット式の記録装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の目的は、下記する手段により達成される。
【0015】
(1)ノズルと、該ノズルに連通した加圧室と、該加圧室内の圧力を変えるための振動板と、該振動板に設けられた第1電極と、該第1電極と対向する位置に空間を隔てて設けられた第2電極と、を有し、前記第1および第2電極間に電圧を印加することにより前記振動板を変形させることで、前記加圧室内のインクを前記ノズルから液滴として吐出させるインクジェットヘッドを駆動するための駆動装置であって、前記第1および第2電極間に、前記ノズルから前記インクを吐出させるための駆動電圧を印加する駆動電圧印加手段と、前記駆動電圧とは別に、前記第1および第2電極間に、前記ノズルから前記インクが吐出しない程度の予備電圧を印加する予備電圧印加手段と、を有することを特徴とするインクジェットヘッドの駆動装置。
【0016】
(2)ノズルと、該ノズルに連通した加圧室と、該加圧室内の圧力を変えるための振動板と、該振動板に設けられた第1電極と、該第1電極と対向する位置に空間を隔てて設けられた第2電極と、前記第1および第2電極間に、前記ノズルから前記加圧室内に蓄えられたインクを吐出させるために前記振動板を変形させる駆動電圧を印加する駆動電圧印加手段と、前記駆動電圧とは別に、前記第1および第2電極間に、前記ノズルから前記インクが吐出しない程度の予備電圧を印加する予備電圧印加手段と、を有することを特徴とするインクジェット式記録装置。
【発明の効果】
【0017】
請求項1記載の本発明によれば、ノズルからインクを吐出させるために印加する駆動電圧の他に、インクが吐出しない程度の予備電圧を印加することとしたので、予備電圧の印加により第1および/または第2電極に強制的に電荷を蓄積させて、残留電荷量を一定にすることができるようになり、インクジェットヘッドの動作状態や履歴にかかわらず、インクの吐出量や吐出速度を一定に保つことができる。
【0018】
請求項2記載の本発明によれば、ノズルからインクを吐出させるために印加する駆動電圧の他に、インクが吐出しない程度の予備電圧を印加することとしたので、予備電圧の印加により第1および/または第2電極に強制的に電荷を蓄積させて、残留電荷量を一定にすることができるようになり、インクジェットヘッドの動作状態や履歴にかかわらず、インクの吐出量や吐出速度を一定に保つことができるようになり、良好な画像の記録、再現が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、添付した図面を参照して、本発明の一実施の形態を説明する。
【0020】
実施形態1
図1は、本実施形態1において使用したインクジェットヘッドの構造を示す断面図である。
【0021】
このインクジェットヘッド31は、図示側面側に設けられているノズル54、ノズル54からインクを吐出させるためにその内圧を可変する振動板55を備えた加圧室51、加圧室51へインクを供給するためにインクを蓄えておくインク供給室52、インク供給室52内のインクを加圧室51へ導くインレット53、および振動板55に設けられた第1電極56と対向する位置に空間71により隔てられた第2電極である駆動電極72からなる。
【0022】
第1電極56と駆動電極72との間の空間71は、本実施形態1では0.3μmとしている。また、振動板55に設けられている第1電極56は、後述するようにホウ素を拡散することによって形成した不純物導電層である。駆動電極72は配線80によって、後述する駆動回路からの電圧が印加されるようになっている。
【0023】
そして、この第1電極56および駆動電極72との間に電圧を印加することにより、振動板55を変形して、加圧室51内の圧力を変えることでインク液滴をノズル54から吐出させている。
【0024】
図2は、インク液滴を吐出させる際の振動板55の動きを示す図面である。インク液滴の吐出は、まず、後述する駆動回路の制御により、駆動電圧を印加する直前、所定時間以内に、インクが突出することのない程度の電圧(これを予備電圧と称する)を第1電極56と駆動電極72の間に印加する。その後、第1電極56と駆動電極72との間にインクを吐出させるために、駆動電圧を印加して、図2Aに示すように、駆動電圧を印加したことによって生じる静電気力によって振動板55を駆動電極72側に引き付ける。これにより、図示点線で示すように振動板55が駆動電極72側に撓み変形する。このときインク供給室52内のインクがインレット53を通り加圧室51内に流入する。なお、本実施形態1では、振動板55に形成した第1電極56をアースされるようにしているので、駆動電圧は、駆動電極72に+の電位を印加している。この駆動電圧により振動板55に作用する力F1は、F1=1/2・{εrεoS(V/d)}(ただし式中、εrは第1電極および第2電極(駆動電極)間の比誘電率、εoは真空の比誘電率、Sは電極の面積、Vは電圧、dは第1電極および第2電極(駆動電極)間の長さである)により算出される。
【0025】
そして、前記駆動電圧を急激に遮断することで、図2Bに示すように、振動板55自体の回復力によって、振動板55が元に位置に戻ることにより、急激に加圧室51内部が加圧されて、インク液滴がノズル54から吐出する。
【0026】
このように、インク液滴吐出のための駆動電圧の印加に先立ち、一定の電圧を予備電圧として印加することで、第1電極56には、駆動電圧の印加前に、常に一定の電荷量が電極に蓄積されて、かつ、その電荷量は、ある印字から次の印字までの非動作時間が異なる場合でも同じとなる。このため、インクジェットヘッドの動作履歴によらず、吐出させるインク液滴の量や吐出速度を同じにすることができる。したがって、印字されるドットの濃度や大きさがインクジェットヘッドの動作状態によって変わることなく良好な画像を再現することができるようになる。
【0027】
次に、このような振動板55の変形動作を制御する駆動回路について説明する。
【0028】
図3は、駆動回路の構成を示す回路ブロック図である。
【0029】
この駆動回路200は、インクジェットヘッドの振動板55を動作させるために駆動電極72に印加する電圧パルスを作り出す駆動電圧印加手段、およびこの駆動電圧の印加の直前に駆動電極72に予備電圧であるプレパルスを印加する予備電圧印加手段として機能する。
【0030】
この駆動回路200の構成は、図3に示すように、駆動回路全体の制御、および前記した予備電圧と駆動電圧の印加タイミングを制御している制御回路201と、予備電圧であるプレパルスを発生するプレパルス発生回路202と、オペアンプやトランジスタ、抵抗などにより、既存の増幅回路として構成された印加電圧増幅回路203よりなる。ここで、コンデンサとして図示したものが、第1電極56および駆動電極72である。
【0031】
この駆動回路200の動作を図4に示す各部の出力波形を参照して説明する。まず、制御回路201では、IN端子に、インクドットを記録媒体に印字するための信号であるプリント制御信号が入力されると、このプリント制御信号のパルスを検出して、プレパルス発生回路202に対してプレパルスを発生するように指示する。これにより図4Aに示すように、予め決められた定電圧のプレパスルが発生され、そのまま駆動電極72に印加される。
【0032】
また、プリント制御信号のパルスを検出した制御回路201では、内蔵されているタイマーを動作させて、一定時間経過後、駆動信号パルスを発生し、この駆動振動パルスが増幅回路203により増幅されて、図4Bに示すような波形の駆動電圧パルスが駆動電極72に印加される。このとき印加される駆動電圧パルスは図4Bに示したように、徐々に立ち上がり、急激に立ち下がるようなパルスとしている。これにより、立ち上がりのときには、徐々に駆動電極72に電圧が印加されて、加圧室51内へのインクの流入がスムーズになる。一方、立ち下がりにおいては、急激に電圧が遮断されることで、振動板が急激に元に戻り、加圧室51内の圧力が急に高くなるようにしてインク液滴の突出速度を向上させる。
【0033】
このような駆動電圧パルスは、基本波形としてこのようなパルス波形と相似した駆動信号パルスを制御回路201内で作り出し、これを増幅回路203によって増幅することで、駆動電極72に印加している。
【0034】
これにより、1つのドットを印字する際に駆動電極72に印加される電圧は、図4Cに示すように、始めにプレパルスが印加され、その後所定時間後に駆動電圧パルスが印加されることになる。
【0035】
なお、上記プレパルスの印加は、インクジェットヘッドの構造にもよるが、例えば1つのインクジェットヘッドにおいて複数のノズルが形成されて、複数のドットを一度に印字できるように構成されたインクジェットヘッドの場合には、インクジェットヘッド31の電極構造として、振動板55側に設けた第1電極56は、全てのノズル54に対して共通とし、駆動電極72のみ各ノズル54に対応して独立となっている。そこで、予備電圧であるプレパルスの印加は、実際に印字するノズルに関わりなく、各ノズルに対応した全ての駆動電極72に印加するようにしている。したがって、特定のノズルについては、印字を実行しないとき(駆動電圧を印加しない)でも、予備電圧が印加されることになる。
【0036】
このように印字の有無に関わらず、全ての駆動電極に予備電圧を印加することで、駆動電圧の印加量(印加する電圧値)の決定に際しては、予備電圧印加後、その予備電圧による残留電荷量を元に決定することで、インクジェットヘッドの非動作時間の長さに関わりなく、常に一定のドットを印字することができる。本実施形態1では、予備電圧として+5V、駆動電圧としては振動板55が駆動電極72に接触するのに必要な電圧が20Vであるので、余裕を見て+22V印加するようにしている。
【0037】
また、予備電圧印加後、駆動電圧を印加するまでの所定時間は、本実施形態1では、常に一定の時間となるようにしている。この所定時間は、インクジェットヘッドの構造、特に、空間71や電極の大きさによっても異なるが、予備電圧印加後、この予備電圧によって残留する電荷が完全に消えない程度の時間とし、例えば10〜250μsec程度が好ましい。これは、10μsec未満の場合には、蓄積された電荷量が高くなり過ぎ、駆動電圧印加時の振動板の変位量が過多になりドット径が大きくなり過ぎるために好ましくない。一方、250μsecを越える場合には、蓄積された電荷量が低くなり過ぎ、また、あまり長い時間とした場合にはプリンタとしてこの駆動装置を用いた場合には、変位量が過少になり、ドット径が小さくなり過ぎるため好ましくない。すなわち、所定時間を10〜250μsecに保つことで振動板の変位量のばらつき(ドット径のばらつき)に繋がらないような電荷の蓄積量を制御することができる。またこれは、駆動履歴をなくす効果がある。なお、本実施形態1では、この所定時間を図4Cに示されているように50μsecとしている。
【0038】
次に、前述したインクジェットヘッドの製造方法について簡単に説明する。
【0039】
上記本実施形態1において用いたインクジェットヘッド31は、いわゆる半導体装置製造プロセスやマイクロマシーン製造プロセスなどを利用して製造されるものであり、その方法は様々であるが、ここでは、その一例について説明する。なお、ここで説明した製造方法以外の方法により製造されたインクジェットヘッドであっても本発明による駆動装置によって駆動できることは言うまでもない。
【0040】
図1に示したインクジェットヘッド31は、3つの構成要素からなり、図1を参照すれば、加圧室51、インク供給室52、インレット53、ノズル54、および振動板55からなるチャネルプレート50と、このチャネルプレート50の図示上側を覆う天板60と、チャネルプレート50に設けられている振動板55の対向する位置に空間71を設けて駆動電極72を配置するためのガラス基板70とからなる。
【0041】
まず、チャネルプレート50の形成について説明する。チャネルプレート50の形成には、予め100μm程度にラッピングしたシリコン基板を使用して、図5Aに示すように、シリコン基板100の全面に、熱酸化法により酸化膜101を形成する。そして、シリコン基板100の図示上側表面の酸化膜101に、公知のフォトリソグラフィーおよびドライエッチングによって、加圧室51、インク供給室52、インレット53およびノズル54の形状を規定するための開口を設け、図5Bに示すように、エッチングマスク101aとする。
【0042】
次に、パターニングされた酸化膜101により形成されたエッチングマスク101aを有するシリコン基板100をKOH溶液により異方性エッチングする。ここで使用したシリコン基板100は、基板表面が(110)面または(100)面を有するものである。このKOH溶液による異方性エッチングは、シリコン基板の(111)面が露出することにより自動的にエッチングが停止するため、前記エッチングマスク101aの形成時において、ノズル54やインレット53となる部分の開口の大きさを調整することにより、これらの部分におけるエッチング深さを所望の深さとすることができる。また、加圧室51およびインク供給室52の深さは、これらの部分の開口の大きさと共に、エッチング時間を調整することで、振動板55となる部分の厚さが6.5μm程度となるようにする。このKOH溶液によるエッチングによって、加圧室51、インク供給室52の側壁部分は(111)面が露出することにより、適度なテーパが形成される。その後、エッチングマスクとして使用した酸化膜は除去する。
【0043】
このようにして、図5C、および図6に示すように、加圧室51、インク供給室52、インレット53、ノズル54、さらに振動板55がシリコン基板100に形成される。ここで形成したチャネルプレート50には図6に示されているように、複数の加圧室と複数のノズルが形成されていて、1つのヘッドから複数のインク液滴を吐出させることができるようになっている。なお、図6は加圧室51、インク供給室52、インレット53、ノズル54などが形成されたシリコン基板表面の平面図であり、図5は、図6のA−A線に沿った断面を工程順に示した図面である。
【0044】
そして、このシリコン基板100の裏面側に、振動板55とこの振動板55部分に形成される第1電極56と電気的なコンタクトをとるための部分(不図示)が開口したレジストパターンをフォトリソグラフィーにより形成し、振動板55とコンタクト部分にホウ素をイオン注入して、図5Cに示したように、第1電極56およびコンタクトラインとなる不純物拡散層を形成する。その後、熱酸化工程により、シリコン基板100の全面に酸化膜を形成することで、振動板55の表面(シリコン基板の裏面側)に絶縁膜57を形成する。この絶縁膜57は、駆動電極72との短絡を防止するためである。
【0045】
次に、駆動電極72を設けたガラス基板70の形成について説明する。このガラス基板70には、ホウケイ酸ガラス基板を使用して、図1に示した状態に接合されたときに、チャネルプレート50の振動板55が位置する部分に所定の深さの凹部をエッチングにより形成し、この凹部内とこの凹部から連なるコンタクトラインを形成するためにITO膜を成膜して、リフトオフにより、凹部内に駆動電極72、ガラス基板表面にこの駆動電極72と接続されるコンタクトラインを形成する。このとき、複数の加圧室とノズルを有するヘッドの場合には、各加圧室ごとに駆動電極とそれぞれのコンタクトラインを形成する。
【0046】
その後、電極が形成された面全面にSiFH膜を約1μm成膜する。このSiFH膜は、パターン化せず、基板全面に設けて保護膜とするもので、これにより、周囲の湿度の影響による駆動電極の劣化を防止する。
【0047】
前記凹部を形成する際の深さは、駆動電極72を形成したときに、空間71における第1電極56(絶縁膜表面)から対向する駆動電極72(SiFH膜表面)までの間隔が0.1〜1μm、好ましくはより低い駆動電圧で駆動することができるように、0.1〜0.5μmとなるようにする。本実施形態1では、上述した通り、空間71は0.3μmとなるように、凹部を形成している。
【0048】
なお、この空間71は、ガラス基板70に凹部を形成する代わりに、前記したシリコン基板100の振動板55部分をシリコン基板100の裏面(図示下側)からエッチングにより空間71が形成される分だけ掘り込んでも良い。この場合、ガラス基板70には凹部を形成することなく、駆動電極72およびそのコンタクトラインをITOにより形成する。
【0049】
次に、天板60は、同じくホウケイ酸ガラス基板を使用して、加圧室52上部にインクカセットからのインクを導入させるためのインク供給口(不図示)を形成したものである。
【0050】
以上のようにそれぞれ形成したチャネルプレート50、ガラス基板70および天板60を図1に示したようなサンドイッチ構造となるように、陽極接合し、振動板55に形成した不純物拡散層によるコンタクトラインと、ガラス基板70に形成したコンタクトラインにそれぞれ配線を接続して、インクジェットヘッドが完成する。
【0051】
次に、本実施形態1において使用したインクについて説明する。本実施形態で使用したインクの組成は、下記表1に示すようなもので、黒(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、およびシアン(C)の4色のインクを使用しており、表に示す通り、染料により各色調整したものであるが、染料に代わり顔料を用いたものであっても良い。
【0052】
【表1】

【0053】
実施形態2
本実施形態2は、前述した実施形態1において予備電圧印加後、駆動電圧を印加するまでの所定時間をインクジェットヘッド周囲の相対湿度に基づいて決定するようにしたものである。なお、インクジェットヘッドの構成、および駆動回路のうち湿度に基づく制御以外の部分の構成などについては、実施形態1と同様であるので、ここでは、これらの構成についての説明は省略する。
【0054】
このように、インクジェットヘッド周囲の湿度により所定時間を決定するのは、電極に蓄積された電荷の消失速度がインクジェットヘッド周囲の湿度によって変わるためである。
【0055】
このために、本実施形態2では、湿度センサをインクジェットヘッド近傍に設け、この湿度センサからの信号を元に、予備電圧印加後、駆動電圧を印加するまでの所定時間を決定することとし、ここでは、相対湿度70%を境界として、相対湿度70%以上のときには、所定時間を10〜100μsecとし、一方、相対湿度が70%未満のときには、所定時間を100〜250μsec、あるいは相対湿度が非常に低くなるような場合には100〜500μsecとしている。
【0056】
これは、相対湿度が70%以上のときには、湿度が高いために電極に蓄積された電荷が逃げやすいので、所定時間を短くすることで、駆動電圧印加時において常に一定の電荷が蓄積された状態を保つようにしたものである。ここで、10μsecより短い場合には、蓄積された電荷量が高くなり過ぎ、駆動電圧印加時の振動板の変位量が過多になりドット径が大きくなり過ぎるために好ましくない。またこれは、湿度の影響によらず、蓄積された電荷の放出は10μsec未満では、飽和して変化しないためである。
【0057】
一方、100μsecを越えて所定時間を長くした場合には、湿度が高いために予備電圧の印加により蓄積された電荷が逃げ切ってしまい、予備電圧を印加することにより常に一定の電荷が蓄積された状態を保つことができなくなる。
【0058】
また、相対湿度が70%未満のときには、相対湿度が比較的低く、空気が乾燥しているために、電極に蓄積された電荷が逃げ難いため、所定時間を長くとり、予備電圧の印加によって蓄積された電荷をある程度を逃がして常に一定の電荷が蓄積された状態で駆動電圧を印加することができるようにしたものである。ここで、100μsecより短い場合には、相対湿度が低いために蓄積された電荷がほとんど残っており電極の電荷量が高すぎて好ましくない。一方、500μsecを越えて長くした場合には、蓄積された電荷量が低く、また、あまり長い時間とした場合にはプリンタとしてこの駆動装置を用いた場合には、変位量が過少になり、ドット径が小さくなり過ぎるため好ましくない。すなわち、所定時間を湿度に応じて変更することで、振動板の変位量のばらつき(ドット径のばらつき)に繋がらないような電荷の蓄積量を制御することができるのである。またこれは、駆動履歴をなくす効果がある。
【0059】
具体的には、図7に示す回路により、インクジェットヘッドの近傍に配設した湿度センサ211によりインクジェットヘッド周囲の相対湿度を検出して、検出した湿度に応じた電圧を出力するようにし、この出力電圧値から実施形態1において示した図2の制御回路201内において、この出力電圧値が一定の値、ここでは、相対湿度70%に対応した電圧値を越えたか否かにより、相対湿度70%に対応した電圧値を越えているときには、所定時間を10〜100μsecとし、一方、相対湿度が70%に対応した電圧値未満のときには、所定時間を100〜500μsecとしている。
【0060】
なお、湿度センサとしては、このようなアナログ回路の他、デジタル湿度センサを使用しても良い。
【0061】
このように、湿度センサを設けて、インクジェットヘッド周囲の相対湿度により所定時間を決定することで、インクジェットヘッド周囲の温度や湿度の変化によるインク液滴の吐出量や吐出速度が変化することなく、これらを常に一定に保つことができ、周囲の環境変化による画像むらの発生を抑えることが可能となる。
【0062】
なお、本実施形態2では、上述のように相対湿度70%を基準として所定時間を変えているが、これに限らずより厳密に、例えば10%ごと、あるいは20%、30%ごとなど複数の基準を設けて、所定時間を変更するようにしても良い。
【0063】
実施形態3本実施形態3は、インクジェットヘッドの構造が前述した実施形態1において示した図1の構造と異なるのみであり、駆動装置の構成は実施形態1または実施形態2と同様である。
【0064】
図8は、本実施形態3において使用したインクジェットヘッドの構成を示す断面図である。
【0065】
このインクジェットヘッド32は、インク液滴を吐出させるノズルの位置を図示上側に設けた以外は、その他の基本的な構成は実施形態1において使用したインクジェットヘッド31と同様である。すなわち、このインクジェットヘッド32は、図示上側に設けられているノズル58、ノズル58からインクを吐出させるためにその内圧を可変する振動板55を備えた加圧室51、加圧室51へインクを供給するためにインクを蓄えておくインク供給室52、インク供給室52内のインクを加圧室へ導くインレット53、および振動板55に対向する位置に空間71により隔てられた駆動電極72からなる。そして、実施形態1同様に、振動板55には、ホウ素を拡散することによって形成した第1電極56が形成されていて、この第1電極56および第2電極である駆動電極72との間に電圧を印加することにより、振動板55を変形して、加圧室51内の圧力を変えることでインク液滴をノズル58から吐出させている。このインクジェットヘッド32は実際の使用時においては、ノズル58が下向きとなって使用される。
【0066】
なお、このようなインクジェットヘッド32の製造は、天板60にノズル58を公知のNi電鋳法で形成し、また、ガラス基板70側からインク供給口90を形成した以外は、前述したインクジェットヘッド31の製造と同様である。
【0067】
このように、ノズル58の位置を図示上側、すなわち、振動板55と対向する位置に設けたことにより、振動板55の変形による加圧室51内のインク水頭圧(圧力)がインク吐出方向と同じ方向となるため、インク吐出の際の手助けとなり前述した実施形態1の構造より、少ない振動板55の変形量で、同じ吐出速度を得ることができる。また、このように振動板55と対向する位置にノズル58を設けたことにより、1つのヘッドに複数のノズルを設けた場合、各ノズルにかかる圧力が均等となる。
【0068】
このインクジェットヘッド32を、前述の実施形態1または2において説明した駆動回路200と同様の駆動回路によって、インク液滴を吐出させる場合、駆動電圧は18Vで済む。したがって、このように振動板55と対向する位置にノズルを設けることで、より駆動電圧の絶対値を下げることが可能となる。
【0069】
実施形態4本実施形態4は、本発明のインクジェット式記録装置であって、上述した実施形態1のインクジェットヘッドと、実施形態2のように湿度センサを設けた駆動回路とを用いたインクジェットプリンタである。
【0070】
図9は、インクジェットプリンタ1の概略構成を説明するための斜視図である。
【0071】
インクジェットプリンタ1は、用紙やOHPシートなどの記録媒体である記録シート2に印字するものであって、インクジェットヘッド走査系と記録シート送り系とから構成される。
【0072】
インクジェットヘッド走査系は、インクジェット方式のプリントヘッドを7色分含むヘッドユニット3と、ヘッドユニット3を保持するキャリッジ4と、キャリッジ4を記録シート2の記録面に平行に往復移動させるためのスキャンシャフト5およびガイド軸6と、キャリッジ4をガイド軸6に沿って往復駆動するパルスモータ7と、パルスモータ7の回転をキャリッジ4の往復運動に変えるためのアイドルプーリ8、タイミングベルト9とから構成される。
【0073】
一方、記録シート送り系は、記録シート2を搬送経路に沿って案内するガイド板を兼ねるプラテン10と、プラテン10との間の記録シート2を押さえて浮きを防止する紙押さえ板11と、記録シート2を排出するための排出ローラ12、排紙押さえローラ13と、ヘッドユニット3のインクを吐出するノズル面を洗浄しインク吐出不良を良好な状態に回復させるメンテナンス装置14と、記録シート2を手動で搬送するための紙送りノブ15とから構成される。
【0074】
記録シート2は、図示しない手差しあるいはカットシートフィーダ等の給紙装置によって、ヘッドユニット3とプラテン10とが対向する記録部へ送り込まれる。この際、図示しない紙送りローラの回転量が制御され、記録部での搬送が制御される。紙送りローラは図示しない紙送りモータにより駆動されている。
【0075】
ヘッドユニット3のプリントヘッドには、既に詳細に説明した実施形態1のインクジェットヘッド31を用いており、このインクジェットヘッド31から吐出したインク液滴が記録シート2に着弾して画像形成が行われる。なお、プリントヘッドには、実施形態1のインクジェットヘッド31に代えて、実施形態3のインクジェットヘッド32を用いても良い。
【0076】
キャリッジ4は、パルスモータ7、アイドルプーリ8、タイミングベルト9により、記録シート2を横方向に走査(主走査)し、キャリッジ4に取り付けられたヘッドユニット3は1ライン分の画像を記録する。1ライン分の記録が終わるごとに、記録シート2は縦方向に送られ(副走査)、次のラインへの記録がされる。
【0077】
このようにして記録シート2に画像が記録され、記録部を通過した記録シート2は、その搬送方向下流側に配置された排出ローラ12とこれに一定の圧力で接する排紙押さえローラ13とによって排出される。
【0078】
図10は、図9に示したヘッドユニット3の1色分のインクジェットヘッド31を含むキャリッジ4周辺の構成を説明するための斜視図である。
【0079】
キャリッジ4周辺には、インクを収容し通気口404を有するインクカートリッジ403と、インクカートリッジ403を収納するケーシング401、ケーシング蓋405と、インクカートリッジ403を着脱可能にしつつインクをインクジェットヘッド31に供給するインク供給管402と、ケーシング蓋405を閉じた際ケーシング401にケーシング蓋405を固定するためのフック406、蓋止め407と、インクカートリッジ403を収納する向き(矢印D3の向き)とは反対の向きにインクカートリッジ403を付勢しつつインクカートリッジ403をケーシング蓋405との間でケーシング401内に保持する押さえバネ408とが設けられる。
【0080】
このような構成のキャリッジ4がスキャン方向(矢印D1の向き)に移動することによって記録シート2は主走査されることになる。また、記録シート2が送られることによって副走査方向(矢印D2の向き)に印字されることになる。
【0081】
図11は、このインクジェットプリンタの制御系の構成を示すブロック図である。
【0082】
インクジェットプリンタの制御系は、各部に対して必要な電圧の電力を供給する電源制御回路21と、図示しないコンピュータなどからのプリントデータを受信して、記録シート上に画像形成を行う際に、各部を制御するプリント制御回路22と、プリント制御回路22からの信号によりインクジェットヘッド31を駆動する駆動回路200と、プリント制御回路22からの信号によりパルスモータ7や紙送りモータ(不図示)を駆動する装置駆動制御回路23よりなる。
【0083】
ここでプリンタ制御回路22は、図示しないコンピュータなどからのプリントデータを受信し、受信したプリントデータにしたがった画像を記録シート2上に再現するために、紙送りやプリンタヘッド3の送り量を制御すると共に、これらの動きに合わせて、画像を記録するためのインクをインクジェットヘッド31から吐出させるためのプリント制御信号を駆動回路200に対して出力する。
【0084】
駆動回路200は、前述した実施形態2のように、図3に示した駆動回路200に湿度センサ211を設けて、相対湿度により予備電圧の印加から駆動電圧印加までの所定時間を決定するようにしたものである。この駆動回路200は、プリント制御回路22からのプリント制御信号を受けると、実施形態1において説明したように、駆動回路200内の制御回路201(図3参照)がプレパルスを印加するようにプレパルス発生回路202(図3参照)を動作させ、駆動電極72にプレパルス(予備電圧)を印加する。そして、湿度センサ211からの信号を元にインクジェットヘッド周囲の相対湿度に応じた所定時間後、駆動電極72に駆動電圧パルスを印加する。
【0085】
なお、駆動回路200としては、実施形態1に示した湿度センサを有しない駆動回路を用いても良い。
【0086】
このように、インクジェットプリンタに実施形態1または3において説明したインクジェットヘッド、および実施形態1または2の駆動回路を用いることにより、電極、特に振動板に設けられた第1電極に残留する電荷量の変化に影響されない良好な画像を記録再現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】実施形態1のインクジェットヘッドの構成を示す断面図である。
【図2】振動板の動きを説明するための図面である。
【図3】本発明を適用した駆動回路の構成を示す回路ブロック図である。
【図4】出力波形を説明するための図面である。
【図5】インクジェットヘッドの製造工程を示す断面図である。
【図6】インクジェットヘッド内のチャネルプレートの平面図である
【図7】実施形態2おける駆動回路に用いる湿度センサを示す回路図である。
【図8】実施形態3のインクジェットヘッドの構成を示す断面図である。
【図9】インクジェットプリンタの概略構成を説明するための斜視図である。
【図10】インクジェットプリンタのキャリッジ周辺の構成を説明するための斜視図である。
【図11】インクジェットプリンタの制御系の構成を説明するためのブロック図である。
【符号の説明】
【0088】
31…インクジェットヘッド、
51…加圧室、
52…インク供給室、
53…インレット、
54,58…ノズル、
55…振動板、
56…第1電極、
71…空間、
72…駆動電極、
200…駆動回路、
201…制御回路、
202…プレパルス発生回路、
203…印加電圧増幅回路、
211…湿度センサ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノズルと、該ノズルに連通した加圧室と、該加圧室内の圧力を変えるための振動板と、該振動板に設けられた第1電極と、該第1電極と対向する位置に空間を隔てて設けられた第2電極と、を有し、前記第1および第2電極間に電圧を印加することにより前記振動板を変形させることで、前記加圧室内のインクを前記ノズルから液滴として吐出させるインクジェットヘッドを駆動するための駆動装置であって、
前記第1および第2電極間に、前記ノズルから前記インクを吐出させるための駆動電圧を印加する駆動電圧印加手段と、
前記駆動電圧とは別に、前記第1および第2電極間に、前記ノズルから前記インクが吐出しない程度の予備電圧を印加する予備電圧印加手段と、を有することを特徴とするインクジェットヘッドの駆動装置。
【請求項2】
ノズルと、該ノズルに連通した加圧室と、該加圧室内の圧力を変えるための振動板と、該振動板に設けられた第1電極と、該第1電極と対向する位置に空間を隔てて設けられた第2電極と、前記第1および第2電極間に、前記ノズルから前記加圧室内に蓄えられたインクを吐出させるために前記振動板を変形させる駆動電圧を印加する駆動電圧印加手段と、
前記駆動電圧とは別に、前記第1および第2電極間に、前記ノズルから前記インクが吐出しない程度の予備電圧を印加する予備電圧印加手段と、を有することを特徴とするインクジェット式記録装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2006−56271(P2006−56271A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−322623(P2005−322623)
【出願日】平成17年11月7日(2005.11.7)
【分割の表示】特願平10−116707の分割
【原出願日】平成10年4月27日(1998.4.27)
【出願人】(000001270)コニカミノルタホールディングス株式会社 (4,463)
【Fターム(参考)】