説明

インクジェット印刷装置及びフレキソ印刷マスター製作方法

a)フレキソ印刷サポート(1)を提供する過程と、b)該フレキソ印刷サポート(1)上にインクジェット印刷手段(32)により放射線硬化性液体の次の層を画像状に付着させる過程であって、付着済みの1つ以上の層が、トップハットプロフアイルを有するレリーフが得られるよう、1つ以上の次の層が付着される前に、硬化手段(39)を使って固定される、該付着させる過程と、そしてc)トップハットセグメント(23)の高さDTが減じられるよう該レリーフを研削する過程と、を具備するフレキソ印刷マスターを製作する方法。上記方法を行う画像形成装置も開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はインクジェット印刷によりフレキソ印刷マスターを作る方法と該方法を行う画像形成装置とに関する。
【背景技術】
【0002】
フレキソ印刷は一般に、紙、板紙、段ボール紙、フィルム、箔及び積層品の様な種々のサポート上での多量印刷用に使われる。包装用箔及び買い物袋は顕著な例である。
【0003】
今日、フレキソ印刷フォームはフィルムマスクを通したUV露光の様なアナログ画像形成技術、例えば特許文献1と、
・フレキソ印刷フォーム前駆体上の直接レーザー彫刻、例えば特許文献2
・エルエイエムエス(LAMS)マスク、ここでエルエイエムエスはレーザー融除マスクシステムを意味するが、該マスクを通したUV露光、例えば特許文献3及び4
・レーザー又はLEDによるマスク無しの直接UV又は紫光線露光、例えば特許文献5、そして
・インクジェット印刷、例えば特許文献6、7、8
を含むデジタル画像形成技術と、の両者により作られる。
【0004】
特許文献6は、次の、硬化後弾性特性を有する次のUV硬化性液体層の噴射によりフレキソ印刷フォームを作る方法を開示する。該続く層を噴射する前に、各前の層はUV硬化過程により固定される。この“並び層”の記録技術はフレキソ印刷マスターの漸進的形成を可能にしており、そこではレリーフが精密に制御され得る。種々の層特性を得るために種々の硬化性液体又は固定過程の使用が行われ得る。
【0005】
フレキソ印刷用マスターを用意するこの様な方法の利点は、適当なレリーフ画像を形成するのに必要な何等の処理過程も無く、より多くの材料の消費も無く、すなわち非印刷範囲の除去が最早要しないことである。
【0006】
しかしながら、インクジェット印刷を介して形成されるレリーフの印刷面の制御では幾つかの困難が起こる。フレキソ印刷レリーフの印刷面は、アニロックスローラーからのインク受領と次の基盤への転送に於ける該印刷面の役割のために重要である。フレキソ画像技術は“キス印圧(kiss impression)”、すなわち印刷フォームと基盤の間の可能な最小印圧で印刷する。
【0007】
非常に滑らかな面を有するフレキソ印刷フォームはベタ領域の中央で比較的低いインク濃度を有し、一方これらのベタのエッジは高いインク濃度に帰着する、印刷結果をもたらすことが多い。この様な問題は、例えば組み入れ艶消剤に依る様に、フレキソ印刷マスター製作時に表面粗さを組み入れることにより解決され得る。
【0008】
相互上に次に噴射されるUV硬化液体の種々の層のトポグラフィー結果は使用インクの滴量と拡散特性に左右されることは明らかである。特に、ベタ画像範囲で及び最も粗い印刷ドットでは、印刷されたレリーフの面が極めて粗く、不均一である。悪い拡散特性と組み合わされた大きなインク滴径はこの効果を強める。噴射と硬化の間の時間はまた、面の均一さに影響する。
【0009】
優れた印刷結果を提供するためには印刷されたレリーフの面仕上がりが非常に重要なので、高い面不均一さが印刷画像のDmaxの重要な損失と沢山の印刷まだらに導くことは
明らかにされるべきである。
【0010】
フレキソ印刷マスター上での小さな印刷ドットの形成では、ドットプロフアイルは一般に丸いトップを有し、該フレキソ印刷マスターを用いて印刷された小さいドットサイズに帰着する。非常に小さい印刷ドットの形成で起こるもう1つの現象は、この様な小さな印刷ドットのトップ上に次のインク滴が堆積した時、硬化性液体の流下である。結果として該小さな印刷ドットは、大きな印刷ドットより、又はベタ画像範囲より小さくなり、これらの小さな印刷ドットの画像情報は基盤上に印刷されない。
【0011】
上記問題の全部を解決出来るインクジェット印刷モードを得るために、画像処理でのどの適合法が行われるべきか現在明らかでない。高い印刷品質を示すフレキソ印刷マスターをインクジェット印刷で作る要求が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】欧州特許第1594005号明細書、DUPONT
【特許文献2】米国特許第2004259022号明細書、BASF
【特許文献3】米国特許第6521390号明細書、BASF
【特許文献4】米国特許第7226709号明細書、KODAK
【特許文献5】米国特許第6806018号明細書、MACDERMID
【特許文献6】欧州特許第1428666A号明細書、AGFA
【特許文献7】米国特許第2004131778A号明細書、AGFA
【特許文献8】米国特許第2006055761A号明細書、AGFA
【特許文献9】欧州特許第1637926A号明細書、AGFA
【特許文献10】米国特許第2002466668号明細書、ROSSINI
【特許文献11】米国特許第5301610号明細書、DU PONT
【特許文献12】国際公開第WO2008/034810号パンフレット、AGFA GRAPHICS
【特許文献13】欧州特許第1700691A号明細書、DAINIPPON SCREEN
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】ZOLLINGER、Heinrich、Color Chemistry:Syntheses、Properties、and Applications of Organic Dyes and Pigments、3rd edition、 WILEY−VCH、2001、ISBN 3906390233、p.550
【発明の概要】
【0014】
レリーフのトポグラフィーに関する上記引用の問題は、研削過程を使うことによりフレキソ印刷マスターの優れた印刷品質を供給する簡単な仕方で解決し得ることが見出されたことは驚く程である。
【0015】
上記説明の問題を克服するために、本発明の好ましい実施例は請求項1で規定されるフレキソ印刷マスターを作る方法を提供する。
【0016】
本発明の好ましい実施例は上記方法を行う画像形成装置を提供する。
【0017】
本発明の更に進んだ目的は下記説明から明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】定例のプロフアイルを有するフレキソ印刷マスター上のレリーフドットの断面図を示す。
【図2】トップハットプロフアイルを有するフレキソ印刷マスター上のレリーフドットの断面図を示す。
【図3】フレキソ印刷マスターを作る本発明の画像形成装置の断面図を示す。
【図4】丸い印刷面を有するトップハットプロフアイルを備えるフレキソ印刷マスター上のレリーフドットの断面図を示す。
【図5】不均一印刷面を有するトップハットプロフアイルを備えるフレキソ印刷マスター上の大きなレリーフドットの断面図を示す。
【図6】どちらもトップハットプロフアイルであって、異なる高さのトップハットセグメント高さを有する該プロフアイルを備えるフレキソ印刷マスター上の大きなレリーフドットと小さなレリーフドットとの断面図を示す。
【図7】フレキソ印刷マスターの好ましい実施例の断面図を示す。
【図8】70μm幅の中断線を有するフレキソ印刷結果の写真である。
【図9】70μm幅の中断の無い線を有するフレキソ印刷結果の写真である。
【図10】研磨されないレリーフで得られたドットのフレキソ印刷結果の写真である。
【図11】研磨されたレリーフで得られたドットのフレキソ印刷結果の写真である。
【実施例1】
【0019】
フレキソ印刷マスターを作る方法は、
a)フレキソ印刷サポート(1)を提供する過程と、
b)該フレキソ印刷サポート(1)上にインクジェット印刷手段(32)により次の放射線硬化性液体の層を画像状(image−wise)に付ける過程であって、トップハットプロフアイルを有するレリーフが得られるように、付着済みの1つ以上の層が、次の1つ以上の層が付けられる前に、硬化手段(39)を使って固定される、該付ける過程と、そして
c)該レリーフを、トップハットセグメント(23)の高さDTが減じられるよう、研削する過程と、を具備する。
【0020】
本発明のフレキソ印刷マスターを作る方法の好ましい実施例では、過程b)の各付着済み層は次の層が付けられる前に硬化手段(39)を使って固定される。
【0021】
該フレキソ印刷マスターがトップハットプロフアイルを有するレリーフを備えることは必要である。この様なトップハットプロフアイルはフレキソ印刷の当業者には公知である。例えば、特許文献6はインクジェット印刷で作られるこの様なトップハットプロフアイルを図5で開示している。
【0022】
マスクを通したUV露光の様なアナログ画像形成技術により作られるフレキソ印刷フォ
ームは図1で示す“定例の”プロフアイルを有するレリーフに帰着する。マスクを通したUV露光により図2に示す“トップハット”プロフアイルを有するレリーフを作ることは不可能である。“トップハット”プロフアイルを有するレリーフはレーザー彫刻又はインクジェットによってのみ作られ得る。図1の“定例の”プロフアイルを有するレリーフはフレキソ印刷サポート(1)上のレリーフ(2)から成る。レリーフ(2)の肩部(4)は、マスクを通してフレキソ印刷前駆体をUV光に露光した時、光重合可能な層内の光散乱により創られる傾斜角Θを有する傾斜を備える。該重合層の未露光範囲は、例えば、適当な溶剤で除去される。この様なフレキソ印刷マスターのレリーフは面全体上で同じ高さDを有し、何故ならばフレキソ印刷前駆体は均一厚さの重合層を使うからである。該フレキソ印刷マスターの全高Cはキャリパー(Caliper)と呼ばれる。印刷面(3)の直径DSはフレキソ印刷マスターで印刷されるドットのドット寸法を決める。
【0023】
インクジェット印刷を用いれば、図2で示す“トップハット”プロフアイルを有するレリーフを得ることは可能である。この様なレリーフはフレキソ印刷サポート(1)上に印刷された傾斜セグメント(21)を有する。該傾斜セグメント(21)のプラトー(22)上で、印刷面(3)を有するトップハットセグメント(23)が印刷されることは可能である。該トップハットセグメント(23)は該プラトー(22)の直径より小さい直径DSを有し、該トップハットセグメント(23)によりカバーされない幅WTを有する該プラトー範囲に帰着する。代わりに、該トップハットセグメント(23)の直径DSは該プラトーの直径とマッチしてもよい。後者では、該プラトーの幅WTはゼロに等しい。該トップハットセグメント(23)は或る高さDTを有し、該高さは好ましくは10から500μmの間の高さ、より好ましくは20から200μmの間の高さであるのがよい。トップハットプロフアイルの利点は、材料の摩擦落ちで、例えばフレキソ印刷マスターの摩耗により、ドット寸法の物理的成長又は線の拡がりは観察されないが、図1に示す“定例の”プロフアイルを有するレリーフを使うと、ドット寸法の物理的成長又は線の広がりが観察されることである。好ましくは、インクジェット印刷により作られる傾斜セグメント(21)も傾斜角Θを有する肩部(4)を備えるのがよい。これはよりロバストなフレキソ印刷マスターに帰着する。傾斜角Θが90°に等しいフレキソ印刷マスターは作られ得るが、その場合DTはDに等しく、傾斜セグメント高さDBはゼロに等しい。しかしながら、この様なプロフアイルは、特に該レリーフが小さなドット又は細い線を有する時は、好ましくない。これらの小さなドット及び細い線は非常に弱く、フレキソ印刷中に容易に破られる。
【0024】
フレキソ印刷マスター上のレリーフは一般に種々の直径を有するレリーフドットを備える。大きなレリーフドット(61)と小さなレリーフドット(62)のインクジェット印刷では、一般に図6に示す様に、キャリパーの差が見られる。図6で見られる様に、大きなレリーフドット(61)と小さなレリーフドット(62)のトップハットセグメントの間では、小さなレリーフドットは高さd(DT)の差だけ大きなレリーフドットより低い。この様なレリーフの研削は、全てのレリーフのドット及び線が同じキャリパーを有するレリーフへ導く。この様な研削レリーフを有するフレキソ印刷は、小さな画像詳細部も存在する画像に帰着する。
【0025】
好ましい実施例では、本発明の方法は、印刷過程b)で該フレキソ印刷サポート上に異なるレリーフ深さDを有する少なくとも2つのトップハットプロフアイルを備えるレリーフを供給し、該レリーフは過程c)で該2つのトップハットプロフアイルのレリーフ深さDの差が、好ましくは同じキャリパーまで、減じられるよう研削される。
【0026】
本発明の方法は、傾斜セグメントの化学組成が該トップハットセグメントの化学組成と異なるトップハットプロフアイルを有するレリーフを備えるのが好ましい。好ましい実施例では、該トップハットセグメントは傾斜セグメントのそれより高いショアA硬度を有す
る。
【0027】
フレキソ印刷マスターを作る方法の好ましい実施例では、該レリーフは、図7のフレキソ印刷マスター(250)により示されるいわゆる“メサレリーフ(mesa relief)”を有する。該層(212)は一緒に“メサレリーフ”を規定する。この様なメサレリーフは該フレキソ印刷マスターの、テキスト、グラフィックス、及びハーフトーン画像の様な画像特徴を有する部分にのみ存在する。この様な画像特徴が無い拡張範囲では、メサレリーフは無い。
【0028】
画像範囲に於けるメサレリーフの存在はオプションであるが、好ましい。メサレリーフは50μmから1mmの範囲の、例えば0.5mmの、高さ(242)を有する。
【0029】
化学組成が異なる、図7の層(210)、(211)及び(212)はフレキソ印刷マスターの現実の印刷レリーフを規定する。トップ層(230)は印刷マスターにより印刷されるべき画像を規定するハーフトーンビットマップと対応する。化学組成が異なる層(210)は形状及び寸法がトップ層(230)と一致するのが好ましく、垂直レリーフ傾斜を作り、“トップハットセグメント”を規定する。この様なトップハットは10と500μmの間、好ましくは25と200μmの間の高さ(240)を有するのがよい。トップハットセグメント用の垂直レリーフ傾斜は、例え、印刷マスターとアニロックス(anilox)ローラーの間、又は印刷マスターと印刷基盤の間で圧力変動が起きても、或いは印刷マスターが摩耗しても、印刷時印刷面(230)が変わらずに留まる利点を有する。
【0030】
一緒に傾斜セグメントを形成する中間層(211)は、90度より小さい角度(235)を有する傾斜で印刷されるのが好ましい。該角度は25と75度の間、好ましくは40と60度の間、例えば50度であるのがよい。該角度(235)は個別層の高さ(241)、それらの数そして次の層間の寸法の差を制御することにより制御されてもよい。
【0031】
低い傾斜角度(235)を使うことは、印刷マスター上の小さな特徴部がバックリングを受け難い利点を有する。該中間層(211)の全高(241)は例えば30μmと700μmの間、好ましくは50μmと250μmの間であるのがよい。
【0032】
本発明のより好ましい実施例では、中間層(210)、(211)及び(212)は、硬化手段と組み合わせて放射線硬化性液体を噴射するインクジェット印刷機でマルチプルパスで印刷される。各中間層は印刷後直ちに硬化手段で固化される。特に、該メサレリーフの上層(232)は、該傾斜セグメント(211)の最下中間層(231)との良好な接着を保証するために、部分的にのみ硬化されるのが好ましい。全ての層が印刷された後、該層を更に硬化するためにオプションで、UV−Cを含む最後の硬化過程が行われる。
【0033】
該メサレリーフはフレキソ印刷マスターへの必要な弾性を提供する弾性サポートフロア(220)上に印刷されるのが好ましい。この様な弾性フロアは、該サポート上に放射線硬化性液体を層状にスプレイ又は噴射し、該層をUV硬化源により硬化することにより得られる。該弾性フロア(220)の厚さ(243)は0.3mmと2mmの間にあるのが好ましい。
【0034】
弾性フロア(220)は自身がサポート(200)により支持されてもよい。シートフォームのサポート(200)は0.005から0.127cmの厚さ(244)を有するのが典型的である。該シートフォーム用の好ましい厚さ(244)は0.007から0.040cmである。スリーブフォームは典型的に、薄いスリーブについては0.1から1mm、他のスリーブについては1から100mm程までの壁厚さ(244)を有する。該
厚さ(244)の選択はその応用による。
【0035】
放射線硬化性液体
放射線硬化性液体はUV光、赤外線光又は可視光であってもよい化学線放射により硬化可能であるのが好ましい。好ましくは該放射線硬化性液体はUV硬化性液体であるのがよい。
【0036】
該放射線硬化性液体は好ましくは少なくとも1つの光重合開始剤(photo−initiator)と重合可能な化合物とを含むのがよい。該重合可能な化合物は単官能又は多官能モノマー、オリゴマー又はプレポリマー又はそれらの組み合わせであってもよい。
【0037】
放射線硬化性液体はカチオン的に硬化可能な液体であるが、好ましくはフリーラジカル硬化性の液体であるのがよい。
【0038】
該遊離基硬化性液体は好ましくは付けられる層の高い柔軟性を得るためにメタクリレートより寧ろアクリレートを実質的に含むのがよい。重合可能な化合物の官能性(functionality)はまた、付着される層の柔軟性で重要な役割を果たす。好ましくは、実質的な量の単官能モノマー又はオリゴマーが使われるのがよい。
【0039】
本発明の好ましい実施例では、放射線硬化性液体は
a)光重合開始剤、そして
b)ラウリルアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチルアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、2−フェノキシエチルメタクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート、アルコキシレーテッドヘキサンジオールジアクリレート、イソボルニルアクリレート、イソデシルアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、カプロラクトンアクリレートそしてウレタンアクリレートから成るグループから選択される重合可能な化合物
を含む。
【0040】
本発明のより好ましい実施例では、該放射線硬化性液体は脂肪族ウレタンアクリレートを含む。芳香族型ウレタンアクリレートは好ましくない。
【0041】
なおより好ましい実施例では、ウレタンアクリレートはウレタンモノアクリレートである。商業的例はGenomer(商標)1122及びEbecryl(商標)1039を含む。
【0042】
与えられたウレタンアクリレートの柔軟性は架橋結合(crosslinks)間の線形分子量を増すことにより高められてもよい。柔軟性用にポリエーテル型ウレタンアクリレートがポリエステル型ウレタンアクリレートより好ましい。
【0043】
好ましくは、放射線硬化性液体は、硬化済み層の柔軟性を減じるアミン変性ポリエーテルアクリレートを含まないのがよい。
【0044】
破断時の柔軟性及び伸びの様な望ましいフレキソ印刷特性を改良するために放射線硬化性液体内にエラストマー又は可塑剤が存在するのが好ましい。
【0045】
該放射線硬化性液体は、熱又は化学線放射による重合を制限するために重合禁止剤を含んでもよい。
【0046】
該放射線硬化性液体は液体の拡がりを制御するために少なくとも1つの界面活性剤を含んでもよい。
【0047】
該放射線硬化性液体はフレキソ印刷マスター上の画像のコントラストを増すために、少なくとも1つの着色剤を更に含んでもよい。
【0048】
該放射線硬化性液体は少なくとも1つの酸官能性モノマー又はオリゴマー(acid functionalized monomer or oligomer)を更に含んでもよい。
【0049】
該放射線硬化性液体は100s−1の剪断速度及び15と70℃の間の温度で、100mPa.s以下、好ましくは50mPa.sより少ない、より好ましくは15mPa.sより少ない粘度を有するのがよい。
【0050】
単官能性モノマー
当該技術で一般的に知られるどんな重合可能な単官能性モノマーが使われてもよい。特に好ましい重合可能な単官能性モノマーは特許文献9のパラグラフ[0054]から[0058]で開示される。
【0051】
2つ以上の単官能性モノマーが組み合わせで使われてもよい。
【0052】
該単官能性モノマーは好ましくは100s−1の剪断速度、及び15と70℃の間の温度で30mPa.sより小さい粘度を有するのがよい。
【0053】
多官能性モノマー及びオリゴマー
当該技術で一般的に知られるどんな重合可能な多官能性モノマー及びオリゴマーが使われてもよい。特に好ましい多官能性モノマー及びオリゴマーは特許文献9のパラグラフ[0059]から[0063]で開示される。
【0054】
2つ以上の多官能性モノマー及び/又はオリゴマーが組み合わせて使われてもよい。
【0055】
該多官能性モノマー又はオリゴマーは好ましくは100s−1の剪断速度、及び15から70℃の間の温度で50mPa.sより大きい粘度を有するのがよい。
【0056】
酸官能性モノマー及びオリゴマー
当該技術で一般的に知られるどんな重合可能な酸官能性モノマー及びオリゴマーが使われてもよい。特に好ましい酸官能性モノマー及びオリゴマーは特許文献9のパラグラフ[0066]から[0070]で開示される。
【0057】
光重合開始剤
化学線、好ましくはUV放射の吸収時、光重合開始剤はフリーラジカル又はカチオン、すなわち放射線硬化性液体内のモノマー及びオリゴマーの重合及び架橋結合を誘起する高エネルギー種、を形成する。
【0058】
光重合開始剤の好ましい量は、総放射線硬化性液体重量の1から10重量%、より好ましくは1から7重量%である。
【0059】
2つ以上の光重合開始剤の組み合わせが使われてもよい。光重合開始剤及び共重合開始剤(co−initiator)を含む光重合開始剤系も使われてもよい。適当な光重合開始剤系は光重合開始剤を含み、化学線の吸収時、第2化合物、該共重合開始剤からの水
素引抜き又は電子抽出によりフリーラジカルを形成する。該共重合開始剤は実際に開始フリーラジカルになる。
【0060】
化学線を用いた照射は2つのステップで実現され、各ステップは異なる波長及び/又は強度を有する化学線を使う。この様な場合、使われる種々の化学線の機能で選ばれた2種類の光重合開始剤を使うのが好ましい。
【0061】
適当な光重合開始剤は特許文献9のパラグラフ[0077]から[0079]で開示される。
【0062】
禁止剤
適当な重合禁止剤はフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン光安定剤、リン系酸化防止剤、(メタ)アクリレートモノマーで普通使われるハイドロキノンモノメチルエーテルを含み、そしてハイドロキノン、メチルハイドロキノン、t−ブチルカテコール、ピロガロールも使われてよい。これらの中で、アクリル酸から誘導される分子の2重結合を有するフェノール化合物は、閉じた無酸素環境内で加熱時でも、該化合物が重合抑制効果を有するので特に好ましい。適当な禁止剤は例えば、スミトモケミカル社(Sumitomo Chemical Co.,Ltd.)により生産されるSumilizer(商標)GA−80、Sumilizer(商標)GM及びSumilizer(商標)GSである。
【0063】
これらの重合禁止剤の過剰な添加は放射線硬化性液体の硬化への感度を下げるので、重合を避けることが出来る量が混合前に決定されるのが好ましい。重合禁止剤の量は一般に総放射線硬化性液体重量の200と20,000ppmの間にある。
【0064】
酸素阻害
酸素重合阻害を減じる化合物のラジカル重合禁止剤との適当な組み合わせは、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1と1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン;1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトンとベンゾフェノン;2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オンとジエチルチオキサントン又はイソプロピルチオキサントン;そしてベンゾフェノンと第3級アミノ基を有するアクリレート酸誘導体、及び第3級アミンの添加である。アミン化合物は普通、酸素重合阻害を減じるか、又は感度を増すため使われる。しかしながら、アミン化合物が高酸価化合物と組み合わせて使われる時、高温度での貯蔵安定性は減じる傾向にある。従って、インクジェット印刷での高酸価化合物を有するアミン化合物の使用は避けるべきである。
【0065】
硬化の質を改良し、酸素阻害の影響を減じるために相乗剤添加物が使われてもよい。この様な添加物は、それらに限定しないが、アクゾノーベル(AKZO NOBEL)から入手可能なACTILANE(商標)800及びACTILANE(商標)725、ユーシービーケミカル(UCB CHEMICALS)から入手可能なEbecryl(商標)P115及びEbecryl(商標)350そしてクレイバレイ(CRAY VALLEY)から入手可能なCD 1012、Craynor(商標)CN386(アミノ変性アクリレート)そしてCraynor(商標)CN501(アミン変性エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート)を含む。
【0066】
相乗剤添加物の含有量は該放射線硬化性液体の総重量に基づいて、0から50重量%の範囲、好ましくは5から35重量%の範囲内である。
【0067】
可塑剤
可塑剤は通常接着剤、シーリングコンパウンド及びコーティング用組成物の可塑性を改良するか又は硬さを減じるため使われる。可塑剤は液体又は固体で、一般的に低蒸気圧の不活性有機物質である。
【0068】
適当な可塑剤は特許文献9のパラグラフ[0086]から[0089]で開示される。
【0069】
可塑剤の量は、各々が放射線硬化性液体の総重量に基づき、好ましくは少なくとも5重量%、より好ましくは少なくとも10重量%であるのがよい。
【0070】
可塑剤は30,000までの分子量を有してもよいが、5,000より少ない分子量を有する液体であるのが好ましい。
【0071】
エラストマー
エラストマーはシングルバインダー又は種々のバインダーの混合物であってもよい。該エラストマーのバインダーは共役ジエン系モノマーと、少なくとも2つの非共役二重結合を有するポリエンモノマーの弾性共重合体、または共役ジエン系モノマー、少なくとも2つの非共役二重結合を有するポリエンモノマーそしてこれらのモノマーと共重合可能なビニルモノマーの弾性共重合体である。
【0072】
好ましいエラストマーは特許文献9のパラグラフ[0092]と[0093]で開示される。
【0073】
界面活性剤
界面活性剤(複数を含む)は陰イオン性、陽イオン性、非イオン性又は両性イオン性であってもよく、各々が総放射線硬化性液体重量に基づき、20重量%のより下の総量で、より好ましくは10重量%より下の総量で通常添加される。
【0074】
フッ素化化合物又はシリコーン化合物は界面活性剤として使われてもよいが、しかしながら、潜在的な欠点は画像形成後のブリードアウトであり、それは界面活性剤が架橋結合しないからである。従って、例えば、シリコーン変性アクリレート、シリコーン変性メタクリレート、フッ素化アクリレート及びフッ素化メタクリレートの様な、界面活性効果を有する共重合モノマーを使うことが好ましい。
【0075】
着色剤
着色剤は染料又は顔料又はそれらの組み合わせであってもよい。有機及び/又は無機顔料が使われてもよい。
【0076】
適当な染料及び顔料は非特許文献1に開示されたものを含む。
【0077】
適当な顔料は特許文献9のパラグラフ[0098]から[0100]で開示される。
【0078】
該顔料は各々が放射線硬化性液体の総重量に基づき、0.01から10重量%の範囲内に、好ましくは0.1から5重量%の範囲内にあるのがよい。
【0079】
溶剤
放射線硬化性液体は好ましくは気化性成分を含まないのがよいが、時にはUV硬化後、インク受け面への接着を改善するため極端に少量の溶剤を組み入れるのが有利なことがある。この場合、該添加溶剤は、各々が放射線硬化性液体の総重量に基づき、0.1から10.0重量%の範囲、好ましくは0.1から5.0重量%の範囲の何等かの量であってもよい。
【0080】
保湿剤
溶剤が放射線硬化性液体内で使われる時、放射線硬化性液体の蒸発速度をスローダウンさせるその能力のために、ノズルの詰まりを避けるよう保湿剤が添加されてもよい。
【0081】
適当な保湿剤は特許文献9のパラグラフ[0105]で開示される。
【0082】
保湿剤は該放射線硬化性液体配合物に対し、該配合物の0.01から20重量%の量、より好ましくは該配合物の0.1から10重量%の量で添加されるのが好ましい。
【0083】
殺生剤
好適な殺生剤はデヒドロ酢酸ナトリウム、2−フェノキシエタノール、安息香酸ナトリウム、ピリジンチオン−1−オキシドナトリウム、p−ヒドロキシ安息香酸エチル及び1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン及びそれらの塩を含む。本発明のフレキソ印刷マスターの製造法に好適な放射線硬化性液体用の好ましい殺生剤はゼネカカラース(ZENECA COLOURS)から入手可能なProxel(商標)GXLである。
【0084】
殺生剤は、各々が放射線硬化性液体に基づき、0.001から3重量%の量で、より好ましくは0.01から1.00重量%の量で添加されるのがよい。
【0085】
放射線硬化性液体の調合
該放射線硬化性液体は例えば、特許文献9のパラグラフ[0108]及び[0109]で説明される様に、成分を一緒に混合又は分散させ、オプションでは続いてミリングすることにより当該技術で公知の様に調合されてもよい。
【0086】
フレキソ印刷サポート
2つのフォームのフレキソ印刷サポートが区別されており、すなわちシートフォームと円筒フォーム(スリーブ)である。スリーブフォームは改良されたレジストレーション精度とプレス上での速い経済的変化を提供する。更に、スリーブは回転ドラムを有するインクジェット印刷機上への設置に好適である。継ぎ目無しスリーブは壁紙、装飾、ギフトラッピング紙及び包装の様な連続デザインのフレキソ印刷での応用を有する。
【0087】
本発明の好ましい実施例で使われる用語“フレキソ印刷サポート”は下記2種類のサポート、
1)その表面上にエラストマー層を有しないサポート
2)その表面上に1つ以上のエラストマー層を有するサポート
を含む。
【0088】
好ましい実施例では、該フレキソ印刷サポートはスリーブであり、該スリーブは基本的スリーブとフレキソ印刷スリーブを含む。用語“基本的スリーブ”はその外面にエラストマー層を有しないスリーブを意味する、一方用語“フレキソ印刷スリーブ”はその外面上に1つ以上のエラストマー層を有する基本的スリーブを意味する。
【0089】
下記では材料の種類、壁厚さ、他がスリーブ用に書かれるが、同じ種類の材料、壁厚さ、他はシートフォームを有するフレキソ印刷サポート用にも使われてもよい。
【0090】
基本的スリーブ
該基本的スリーブはフレキソ印刷マスターを用意するため従来使われたどんな材料でもよい。良好な印刷結果用には、寸法的に安定なサポートが必要である。屡々スリーブベースとも呼ばれる、基本的スリーブは通常、ガラスフアイバー又はカーボンフアイバーメッ
シュで強化されたエポキシ又はポリエステル樹脂の様な複合材料から成る。鋼、アルミニウム、銅そしてニッケルの様な金属及び硬いポリウレタン面(例えば硬度計のショア硬さDで75)も使われてもよい。
【0091】
該スリーブは例えば特許文献10で開示される様に、単層又は多層の柔軟材料で形成されてもよい。ポリマーフィルムで作られた柔軟なスリーブは紫外線放射に対し透明となり得て、それにより円筒形印刷要素内にフロアを作るためのバックフラッシュ露光(backflash exposure)に適合する。多層スリーブは柔軟材料の層間に接着剤層又はテープを含んでもよい。特許文献11で開示される多層スリーブは好ましい。該スリーブはまた、ニッケル又はガラスエポキシの様な不透明な、化学線阻止材料で作られてもよい。
【0092】
管材料の種類、付けられるメッシュ層数により、これらのスリーブベースの壁厚さは変わる。該スリーブは薄いスリーブについては0.1から1.5mmの壁厚さを有し、他のスリーブ用には2mmから100mm程厚い壁厚さを有するのが典型的である。
【0093】
厚いスリーブ用には、スリーブベース上にある高度に圧縮可能な面を有するスリーブのみならず、硬いポリウレタン面と、中間層としての低密度ポリウレタンフォームと、の組み合わせがフアイバーグラス強化複合材料コアと組み合わされたものも屡々使われる。
【0094】
特定の応用により、スリーブベースは円錐形又は円筒形であってもよい。円筒形スリーブベースは主としてフレキソ印刷で使用される。
【0095】
プレス速度が増加すると、プレス跳ねがより頻繁な問題となる。プレス跳ねを減じるために、クッション付きスリーブの使用を含む種々の取り組みが行われた。スリーブは種々の構造に成り、例えば、硬い又は圧縮可能なコア又は面を有したり、或いは、壁厚さを変えたりしている。
【0096】
該基本的スリーブ又はフレキソ印刷スリーブは、該スリーブをエアマンドレル又はエアシリンダーとして知られる鋼ロールコア上に填めることにより安定化される。エアマンドレルは中空の鋼のコアであり、該コアは端部プレート壁内のねじ付き入り口を通る圧縮空気で加圧されてもよい。円柱壁にドリル加工された小さな孔が空気出口として役立つ。高圧下の空気の導入はそれが空気クッション上の位置内に浮くことを可能にする。或る薄いスリーブはまた、圧縮空気利用により僅かに膨張し、それにより該ロールコア上の該スリーブの滑り運動を可能にする。
【0097】
該エアシリンダーと印刷レリーフを含むフレキソ印刷スリーブと、の間の直径差を“橋かけ”するためにフォーム化アダプター(foamed adapter)又はブリッジスリーブが使われる。スリーブの直径は印刷仕事の要求される反復長に依る。
【0098】
フレキソ印刷スリーブ
フレキソ印刷スリーブは1枚以上のエラストマー層を備えた基本的スリーブである。該エラストマー層はフレキソ印刷マスターを用意するため従来使われたどんな材料であってもよい。該エラストマー層は好ましくは部分的又は完全に硬化された光重合体層であるのがよいが、またはゴム又はポリウレタン層であってもよい。部分的又は完全に硬化された従来のUV露光フレキソ印刷フォーム前駆体をフレキソ印刷スリーブとして使うことも可能である。広範な種類のこの様な従来のフレキソ印刷フォーム前駆体が商業的に入手可能である。
【0099】
印刷レリーフはフレキソ印刷スリーブ上で幾つかの方法で形成されてもよい。好ましい
実施例では、該レリーフは、“エラストマーフロア”として既にある1枚以上のエラストマー層上にインクジェット印刷することにより形成される。該エラストマーフロアでは、該1枚以上のエラストマー層は、該エラストマー層上への該噴射されるレリーフの接着を向上するために部分的硬化層であるのが好ましい。代わりに、該エラストマーフロアもまた、インクジェット印刷により基本的スリーブの面に付けられてもよい。
【0100】
もう1つの実施例では、エラストマー層は完全に硬化され、該レリーフはレーザー彫刻により形成される。レーザー彫刻では、種々の硬さのエラストマー層が望ましい硬さを得るために使用されてもよい。
【0101】
もう1つの好ましい実施例では、フレキソ印刷スリーブが特許文献12で開示されるコーティング方法により用意される。
【0102】
種々の種類の印刷応用は、種々の硬度を有するフレキソ印刷フォームを要する。より柔らかいフレキソ印刷フォームが粗い基盤用に好適であり、何故ならば該フォームは高い部分と低い部分をより良くカバーすることが出来るからである。より硬いフレキソ印刷フォームは均一でスムーズな基盤用に用いられる。フレキソ印刷フォームの最適硬さはまた、画像がベタ(solid)か、ハーフトーンか、に左右される。より硬いフレキソ印刷フォームはドットゲインが少ないが、より柔らかいフレキソ印刷フォームはベタ領域内でインクをより良く転移する。硬さはショアAの度合で測定される印刷フォームの機械的特性の測度である。例えば、段ボール紙上の印刷は通常35°のショアA硬さを要するが、リールプレス用には65°から75°のショアA硬さが標準である。
【0103】
上で印刷される基盤により、フレキソ印刷フォームの硬さ及び厚さが調整されねばならない。応用により、レリーフ深さは0.2から4mmの間で変わり、好ましくは0.4から2mmの間で変わるのがよい。
【0104】
画像形成装置
フレキソ印刷マスターを作る画像形成装置は
a)フレキソ印刷サポートを保持する回転ドラム(31)と、
b)該フレキソ印刷サポート(1)上のトップハットプロフアイル(38)を有するレリーフをそれぞれ印刷し、硬化させるインクジェット印刷手段(32)と硬化手段(39)と、そして
c)該トップハットプロフアイルを有する該レリーフの印刷面を研削する研削面を有する研削手段(35)と、
を備える。
【0105】
1実施例では、該画像形成装置の回転ドラムはフレキソ印刷プレスのドラムである。
【0106】
該画像形成装置の好ましい実施例が図3で略図で示され、該図ではフレキソ印刷サポート(1)は回転方向(34)を有する回転ドラム(31)上に設置される。インクジェット印刷ヘッド(32)はフレキソ印刷サポート(1)上に層を形成するために回転ドラム(31)に向かって画像状に小滴(33)を噴射するが、該層は次いで、次の層が該インクジェット印刷ヘッド(32)により付けられる前に硬化手段(39)により固定される。該回転ドラム(31)の回転と次の層の塗布を通して、トップハットプロフアイル(38)を有するレリーフが形成される。該レリーフが形成された後、研削手段(35)は該回転ドラム(31)の面上に好ましくは直角の方向(37)に動かされる。該研削手段は研削面(36)を有するが、該研削面との距離を、該レリーフの印刷面は精密に、好ましくはマイクロメートルの程度に、制御され得る。該研削面(36)は、該研削面がレリーフ全体が同じキャリパーを得て、望ましい平坦さと均一さを持つ印刷面を得るように、ト
ップハットセグメントの部分を研ぎ放つ位置に、もたらされる。
【0107】
滴の堆積後のインク流下は印刷済みレリーフドットの偏球面形状トップ面に帰着する。図4で、この様なレリーフドットが示されるが、該レリーフドットは、肩部(4)を有する傾斜セグメント(21)と、丸い印刷面(3)を有するトップハットセグメント(23)と、を備える。これは印刷されたスクリーン内の著しいドットロス(dot loss)に導く可能性がある。丸い印刷面(3)はフレキソ印刷時に少量しかインクを転移しない結果となる。印刷面(3)を、トップハットセグメント(23)のベース面の直径を有する平坦化された面まで研磨することにより、フレキソ印刷中、正確な量のインクが転移される。トップハットプロフアイルが使われる事実は、研削がトップハットセグメントで起こる限り、研削は何等ドットゲインに帰着しないと云う利点を有する。
【0108】
大きなべたの画像領域のフレキソ印刷用では、非常に広いレリーフドットが図5で示されるが、該レリーフドットは肩部(4)を有する傾斜セグメント(21)と、該傾斜セグメント(21)上で相互に隣り合った幾つかの小滴を、層毎に、噴射し硬化させることにより創られるトップハットセグメント(23)と、を備える。結果として、印刷面(3)の望ましくない面凹凸が得られる。この面凹凸は、印刷面(3)が望ましい平坦で均一なトポグラフィーを有するまで研削により除去され得る。
【0109】
フレキソ印刷マスター上のレリーフは一般に種々の直径を有するレリーフドットを備える。大きいレリーフドット(61)及び小さいレリーフドット(62)のインクジェット印刷では、図6で示される様に、一般にキャリパーの差が見られる。大きなレリーフドット(61)と小さなレリーフドット(62)のトップハットセグメントの間で図6で示される様に、小さなレリーフドットは大きなレリーフドットより高さd(DT)の差だけ低い。この様なレリーフの研削は、全てのレリーフのドット及び線が同じキャリパーを有する様なレリーフに導く。この様な研削されたレリーフを有するフレキソ印刷は、小さな画像詳細部も存在する画像に帰着する。
【0110】
インクジェット印刷手段と研削手段とが、研削過程からの研削された材料が、例えば、該研削過程で発生するダスト粒子によるインクジェットノズルの詰まりにより、次の他のフレキソ印刷マスターを作るインクジェット印刷手段に干渉することがない仕方で位置付けられることは明らかにされるべきである。当業者は、例えば、
・インクジェット印刷ヘッド(32)を閉じた保守ステーション内に位置付ける
・該インクジェット印刷ヘッド(32)と該研削手段(35)の間に分離壁(図3には示されてない)を位置付ける
・回転ドラム(31)の周りで、例えば、90°の、又は好ましい180°までの、該インクジェット印刷ヘッド(32)及び該研削手段(35)の間の適切角度を選択する、そして
・例えば空気吸引及び/又はブラシに依る様な、該研磨過程により発生するダスト粒子の除去手段を提供する
様な、該インクジェト印刷手段と該研削手段を物理的に分離する方法及び手段を良く知っている。
【0111】
1実施例では、該研削過程はまた、オフラインで、すなわち、インクジェット印刷手段を含む装置上でなく、研削手段を含む第2の装置上で、行われてもよい。インクジェットノズルの詰まりは起こり得ないが、該オフライン研削は好ましくなく、何故ならば該オフライン研削がフレキソ印刷フォームの取り外しと再設置用に特別の取扱い(manutention)を要し、該取扱いは経済的観点から望ましくないからである。
【0112】
インクジェト印刷手段
インクジェット印刷手段は放射線硬化性液体を小さな液滴に分解し、次いで該液滴が面上に向けられることにより面をコートする事が出来る何等かのデバイスを有する。最も好ましい実施例では、該放射線硬化性液体は、ノズルを通して制御された仕方で小さな液滴を噴出する1つ以上の印刷ヘッドにより、該印刷ヘッド(複数を含む)に対して動いているフレキソ印刷サポート上に噴射される。
【0113】
該インクジェト印刷システム用の好ましい印刷ヘッドは、圧電ヘッドである。圧電インクジェット印刷は電圧が印加された時の圧電セラミックトランスデューサの運動に基づく。電圧の印加は該印刷ヘッド内の圧電セラミックトランスデューサの形状を変え、ボイドを創り、該ボイドは次いで放射線硬化性液体で充たされる。該電圧が再び除去されると、該セラミックはその元の形状まで膨張し、該印刷ヘッドから液体の滴を噴出する。しかしながら、該インクジェット印刷方法は圧電インクジェット印刷に限定されない。他のインクジェット印刷ヘッドが、使われてもよく、該ヘッドは、連続タイプそしてサーマル式、静電式そしてアコースティック式のドロップオンデマンドタイプの様な種々のタイプを含んでもよい。
【0114】
高い印刷速度では、該放射線硬化性液体は該印刷ヘッドから容易に噴出されねばならず、該ヘッドは該液体の物理的特性に多数の限定を置くが、該限定は、例えば、25℃から110℃まで変わる噴射温度に於ける低い粘度、該印刷ヘッドノズルが必要な小さい液滴を形成出来る様な表面エネルギー、乾燥した被印刷範囲への急激な変換の出来る均質放射線硬化性液体等である。
【0115】
該インクジェット印刷ヘッドは通常、移動するフレキソ印刷サポートを横切る横断方向に往復して走査する。該インクジェット印刷ヘッドは戻り道では印刷する必要はないが、生産性の理由から双方向印刷が好ましい。もう1つの好ましい印刷方法は“シングルパス印刷過程”に依るもので、該過程は該フレキソ印刷サポートの全幅をカバーする頁幅インクジェット印刷ヘッド又は多数ずらし配置インクジェット印刷ヘッドの使用により行われる。シングルパス印刷過程では、該インクジェット印刷ヘッドは通常静止して留まり、フレキソ印刷サポートが該インクジェト印刷ヘッドの下を、例えば、上記図3で説明される回転ドラム(31)により、輸送される。
【0116】
放射線硬化性液体硬化手段
画像形成装置は放射線硬化性液体を硬化させる手段(39)を含む。放射線硬化性液体は、例えば、UV硬化による様に、該液体を化学線に露光することにより、熱的硬化により及び/又は電子ビーム硬化により、硬化される。好ましくは、該硬化がUV放射により行われるのがよい。
【0117】
該硬化手段(39)は、該硬化性液体が被噴射の後非常に短い間に硬化用放射線に露光されるよう、共に進むインクジェット印刷ヘッドと組み合わせて配置されてもよい。
【0118】
この様な配置では、該印刷ヘッドに連結され、該ヘッドと共に進む充分小さい放射源を提供するのは難しい。従って、静止固定放射源、例えば、光フアイバー束又は内部反射性柔軟チューブの様な柔軟な放射線伝導手段により該放射源に接続された硬化用紫外線、が使われてもよい。
【0119】
代わりに、化学線が、放射ヘッド上のミラーを含むミラーの配置により固定源から該放射ヘッドへ供給されてもよい。
【0120】
印刷ヘッドと共に動かないよう配置された放射源はまた、該印刷ヘッドにより形成される画像の次の行がその放射源の下をステップ式又は連続的に通されるよう、硬化されるべ
きフレキソ印刷サポート面を横切って横断的に延び、該印刷ヘッドの該横断路に隣接する、細長い放射源であってもよい。
【0121】
放射される光の部分が光重合開始剤又は光重合開始剤システムにより吸収される限り、高又は低圧力水銀ランプ、冷陰極管、不可視光線(black light)、紫外線LED、紫外線レーザー及びフラッシュライト、の様な紫外線光源が放射源として使われてもよい。
【0122】
インクジェット印刷された放射線硬化性液体の硬化用に、該画像形成装置は好ましくは複数の紫外線発光ダイオードを有するのがよい。紫外線発光ダイオードを使う利点は該紫外線発光ダイオードがよりコンパクトな設計の画像形成装置を可能にすることである。
【0123】
特に、UV−A光源は該光源に伴う高い侵入深さがより効率的内部硬化に帰着するため好ましい。UV−A、UV−B及びUV−Cとして一般に分類されるUV放射は下記の様である。
・UV−A:400nmから320nm
・UV−B:320nmから290nm
・UV−C:290nmから100nm
【0124】
好ましい実施例では、レリーフを形成する次の層はUV−A放射で硬化され、該レリーフの完成時に、研削過程c)を始める前に該層はUV−C放射で硬化される。
【0125】
硬化を容易にするために、画像形成装置は好ましくは1つ以上の酸素窮乏ユニット(oxygen depletion units)を有するのがよい。該酸素窮乏ユニットは、硬化環境内の酸素濃度を減じるために、調整可能な位置と調整可能な不活性ガス濃度を有するチッソ又は他の比較的不活性のガス(例えば、CO)のブランケットを置く。残留酸素レベルは通常200ppm程の低さに保持されるが、一般に200ppmから1200ppmの範囲にある。
【0126】
熱的硬化が、例えば、サーマルヘッド又はレーザービームの使用により画像状に行われてもよい。レーザービームが使用されれば、好ましくは硬化性液体内の赤外色素と組み合わせて赤外線レーザーが使われるのがよい。
【0127】
電子ビームが使われる時、電子ビームの露光量は好ましくは0.1−20Mradの範囲内で制御されるのがよい。0.1Mradより少ない露光量は硬化性液体の充分な硬化に帰着しない。例えば、走査システム、カーテンビームシステムそしてブロードビームシステムが電子ビーム露光システムとして受け入れられる。電子ビーム露光時の適当な加速電圧は100−300kVが好ましい。
【0128】
研削手段
本発明の装置は研削手段を有する。該研削手段は、フレキソ印刷サポートから精密に或る距離に位置付けられた研削面を有し、フレキソ印刷マスターの印刷面を研削又は磨くことが出来るどんな手段を備えてもよい。
【0129】
該研削手段は、研削ホィール、研削石、研磨研削用ペーパー、研磨布ロール及びサンド掛けパッドの様な、トップハットプロフアイルを研削するのに好適などんなフォームを有してもよい。
【0130】
回転ドラム上のフレキソ印刷フォームを研削するために好適な仕方で設置された例え普通に使われるサンドペーパーでも研削手段として使われてもよい。研削用に使われる材料
は通常、酸化アルミニウム、炭化ケイ素、アルミナ−ジルコニウム(酸化アルミニウム−酸化ジルコニウムの合金)及び酸化クロムの研磨粒子を含む。コートされた研磨材のみならずボンドされた研磨材の両者が使われてもよい。
【0131】
サンドペーパーは“ステアリン酸塩入り(stearated)”でも良く、その場合、乾燥潤滑剤が該研磨材に混ぜられている。ステアリン酸塩入りペーパーは該ペーパーがサンドペーパーの使用寿命を増すので有用である。ステアリン酸塩入り酸化アルミニウムはまた、ピーエス33(PS33)として公知である。
【0132】
サンドペーパーのグリット(grit)サイズはサンドペーパー内に埋め込まれた研磨材料の粒子のサイズを呼ぶ。多数の異なる標準がグリットサイズ用に確立されている。これらの標準は平均グリットサイズのみならず、該平均からの許容変動も確立している。最も普及しているのは欧州エフイーピーエイ(European FEPA){欧州研磨材生産者連合(Federation of European Producers of Abrasives)}“ピー(P)”級である。該FEPAシステムはISO6344標準と同じである。フレキソ印刷マスターを作る本方法に好ましいサンドペーパーはISO/FEPAグリット呼称のP240からP2500、好ましくはP320からP1000を有する。
【0133】
適用されたサンドペーパー又は研削手段の粗さはフレキソ印刷フォームの印刷面構造を決めるよう有利に使用され得る。
【0134】
好適な研磨型材料は酸化アルミニウム、炭化ケイ素、ジルコニウム、コルク、炭化ホウ素、セラミック、ガーネット、ダイアモンド、シービーエヌ(CBN)、炭化タングステンそして銅又はニッケルコート済み研磨材を含む。
【0135】
研削は乾式又は湿式研削で行われてもよい。湿式研削は、研削過程で発生するダスト粒子が加えられる液体と共に略除去され、それによりインクジェット印刷ヘッドの詰まりを防止する利点を有する。高いショアA硬度を有するトップハットセグメントを研削するために、研削液は効率的研削を保持するよう冷却液であることが好ましい。
【0136】
研削は双方向に、すなわち研削時交互に両方向に回転ドラム(31)を回転させることにより、行われるのが好ましい。該双方向研削の利点は研削が均一に行われ、傾斜した印刷面(3)が避けられることである。
【0137】
もっと複雑な画像形成装置では、該研削手段は最早或る種の物理的接触研削手段ではなく、レーザーになる。この様な場合、該画像形成装置内に粗面計(profilometer)を含めることが必要になり;粗面計は該トップハットセグメントの高さDT、高さD又は該キャリパーCまでも測定出来る(これらの高さについては図2参照)。この様な測定技術は非接触測定、例えば、干渉分光法と、接触測定、例えばパーソメトリー(perthometry)を含む。該高さ測定はレリーフの損傷を避けるために非接触が好ましい。
【0138】
好適なレーザーは直接レーザー彫刻によりフレキソ印刷フォームの製造に普通使われるものを含む。この様なレーザーの例は引用によりここに組み入れられる特許文献13で開示される。
【0139】
該レーザーの好ましい例は赤外領域又は近赤外領域の放射波長を有するレーザー、例えば、炭酸ガスレーザー、YAGレーザー、半導体レーザー又はフアイバーレーザーである。また、紫外線領域の放射波長を有する紫外線レーザー、例えば、エキシマレーザー、第
3調波又は第4調波に波長変換されたYAGレーザー又は銅蒸気レーザーも、有機化合物の分子間結合をへき開する研磨処理を行うことが出来て、かくして微細加工(microfabrication)に好適である。極端に高いピーク電力を有するレーザー、例えばフェムト秒レーザーも使われ得る。該レーザー照射は連続して又はパルス状で行われてもよい。
【0140】
レーザー彫刻に好ましいレーザーはCOレーザー及びNd−YAGレーザーを含む。例えば、ストークアグリオ3ビーム(Stork Agrios triple beam)COレーザーが使われてもよい。もし、例えば、カーボンブラック顔料が放射線硬化性液体内にある場合は、フアイバーレーザーが使われてもよい。
【0141】
研削された材料の除去手段
本発明の画像形成装置の好ましい実施例では、研削されたトップハットセグメント材料を積極的に除去することが出来る或る手段が存在する。
【0142】
該研削されたトップハットセグメント材料は何等かの適当な方法、例として、
・例えばオプションで界面活性剤を含む溶剤又は水で洗い去る方法;
・例えば、高圧スプレイヤーにより水性クリーニング剤をスプレイする方法;
・高圧蒸気又は空気をスプレイする方法;
・超音波手段を使う方法;そして
・布、ブラシ等で拭い去る方法、
により除去されてもよい。
【0143】
1実施例では、研削されたトップハットセグメント材料は空気流により、例えば被研削材料用収集器内へ吸い去られる。
【0144】
もう1つの実施例では、該研削されたトップハットセグメント材料は液体により除去され、フイルターシステム上に集められるのが好ましい。
【0145】

材料
下記例で使われた全材料は、特定の定めのない限り、アルドリッチケミカル社(ALDRICH CHEMICAL Co)(ベルギー)及びアクロス(ACROS)(ベルギー)の様な標準的ソースから容易に入手可能であった。使用水は脱イオン水であった。
【0146】
SR506Dはサートマー(SARTOMER)からSARTOMER(商標)SR506Dとして入手可能なイソボルニルアクリレート(isobornylacrylate)である。該SR506Dは25℃で10mPa.sの粘度を有する。
【0147】
SR610はサートマーからSARTOMER(商標)SR610として入手可能なポリエチレングリコール60ジアクリレートである。該SR610は25℃で90mPa.sの粘度を有する。
【0148】
Genomer(商標)1122はラーンエイジー(RAHN AG)(スイス)から入手可能な2−アクリル酸2−(((アクリルアミノ)カルボニル)オキシ)エチルエステルである。該Genomer(商標)1122は25℃で30mPa.sの粘度を有する。
【0149】
Genocure(商標)EPDはラーンエイジー(スイス)から入手可能な共重合開始剤(co−initiator)4−ジメチルアミノ安息香酸エチル(ethyl 4
−dimethylaminobenzoate)である。
【0150】
Darocure(商標)ITXはチバ(CIBA)から入手可能な光重合開始剤イソプロピルチオキサントンである。
【0151】
Darocure(商標)TPOはチバから入手可能な光重合開始剤2,4,6トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキシド(2,4,6−trimethylbenzoyl−diphenyl−phosphineoxide)である。
【0152】
Ebecryl(商標)1360はユーシービーエスエイ(UCB S.A.)(ベルギー)からのポリシロキサンヘキサアクリレートである。
【0153】
測定
1.粘度
粘度はCC27スピンドル及び同軸円筒構造(剪断速度10s−1)を装備したMCR500流量計{製造者アントンパール(Anton Paar)}で測定された。
【0154】
2.表面張力
インクジェットインクの表面張力は60秒後25℃でクリュス(KRUESS)張力計K9で測定された。
【0155】
3.Dmax
最大光学濃度Dmaxは使用印刷インクのカラーに補色のフィルターを有するマクベスアールデー918エスビー(MacBeth RD918SB)濃度計を使い測定された。
【0156】
放射線硬化性液体LIQ−1の調合
噴射可能な放射線硬化性液体LIQ−1が表1の成分を30分間混合することにより作られた。最終液体は28.7mN/mの表面張力を有した。
【0157】
【表1】

【0158】
フレキソ印刷マスターFPM−1及びFPM−2の用意
2つのフレキソ印刷マスターFPM−1及びFPM−2が、素材スリーブ上に1dpdで噴射可能な放射線硬化性液体LIQ−1を噴射するためのUPH印刷ヘッド{アグファー(AGFA)から入手可能}を使用した回転ドラムを有する特注製3次元インクジェット印刷機を使って作られた。そのインクジェット印刷条件は、45℃のヘッド温度、電圧=17V、サンプルクロック=250ns、720dpiそしてドラム回転速度=300mm/sであった。
【0159】
該素材スリーブはローテック(ROTEC)から入手可能な、130.623mmの内径を有する耐久性ガラスフアイバーベースのRotec(商標)Basic Sleeveであり、該基本的スリーブ上には完全硬化済みデュポンCyrel(商標)NOWフレキソグラフィックプレートが両面設置テープ(Lohmann Duplomont(商標)9052圧縮可能なテープ)で設置された。該硬化手段はニチア(NICHIA)からの365nmで放射する紫外線発光ダイオードで作られている。
【0160】
0.54mmの高さを有するメサレリーフは各々が1.67mmの厚さのデュポンCyrel(商標)NOW上で約5μmの厚さを有する連続層を噴射することにより形成された。該メサレリーフ上には、120μmの高さを有するトップハットプロフアイルを備える画像レリーフが噴射された。該画像レリーフはベタ領域(100%)、種々の幅の線(70,105,140そして175μm)そして2%及び24%ドット(@103lpi)を有するドット付き範囲を備える。
【0161】
該レリーフ画像がインクジェットにより徐々に形成され、各噴射された層がUV−A光で次々と硬化された後、表面べたつきを除くために最後のUV−C後期硬化過程が行われた。UV−Cを用いたこの硬化過程は254nmテーエルランプ(TL−lamps)を用いてN雰囲気下で行われた。
【0162】
次いで、超精細サンドペーパー800グリットの設置シートを備えた直線プラスチックサポートを該レリーフ画像の頂部上の印刷面に対しキス接触することにより、手動で、フレキソ印刷マスターFPM−2の画像レリーフの頂部上で研削過程が行われた。
【0163】
フレキソ印刷マスターFPM−1は研削過程を受けなかった。
【0164】
フレキソ印刷テスト
フレキソ印刷テストは、タイプ360アニロックス(anilox)ローラー{セル容積7.8cm/m@60°スクリーン角}と鋼ドクターブレードを備えた、アールケープリント−コートインストルメント社(RK PRINT−COAT INSTRUMENTS Ltd.)(英国)から入手可能な実験用フレキソ印刷プレスアールケーコーター(RK Koater)上でフレキソ印刷マスターFPM−1及びFPM−2について行われた。印刷速度は32.5m/分(位置7)であるよう目指した。
【0165】
印刷インクはロイヤルダッチ印刷インク工場バンソン(ROYAL DUTCH PRINTING INK FACTORIES VAN SON)からの自己接着ラベル用の水性ベースプラス青ET−51405(Aqua Base Plus Blue ET−51405)、水ベース顔料フレキソグラフィックインクであった。
【0166】
印刷はアークテックペーパー(ARCTIC PAPER)から入手可能な基盤、アークテックグロスペーパー(Arctic Gloss Paper)150g/m上で行われた。
【0167】
評価及び結果
フレキソ印刷マスターFPM−1及びFPM−2で得られたフレキソ印刷の結果は表2に示される。
【0168】
【表2】

【0169】
FPM−2のより大きいDmaxは図5に略図で示した面研削の直接の結果である。
【0170】
図8はフレキソ印刷マスターFPM−1を使って得られたフレキソ印刷結果の写真であり、70μm幅の中断された線と105μmの中断されない線を示す。
【0171】
図9はフレキソ印刷マスターFPM−2を使って得られたフレキソ印刷結果の写真であり、70μm及び105μm幅の中断されない線を示す。
【0172】
図10は研削されないトップハットプロフアイルレリーフを有するフレキソ印刷マスターFPM−1で得られた2%の元のドット面積%を有するドットのフレキソ印刷結果の写真である。
【0173】
図11は研削されたトップハットプロフアイルレリーフを有するフレキソ印刷マスターFPM−2で得られた2%の元のドット面積%を有するドットのフレキソ印刷結果の写真である。
【0174】
トップハットプロフアイルを研削することにより改良された印刷結果が得られたことは表2及び図8から図11の写真から明らかである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)フレキソ印刷サポート(1)を提供する過程と、
b)該フレキソ印刷サポート(1)上にインクジェット印刷手段(32)により放射線硬化性液体の次の層を画像状に付着させる過程であって、トップハットプロフアイルを有するレリーフが得られるよう1つ以上の次の層が付着される前に付着済みの1つ以上の層が硬化手段(39)を使って固定される、該付着させる過程と、そして
c)該レリーフをトップハットセグメント(23)の高さDTが減じられるよう研削する過程と、を具備するフレキソ印刷マスターを作る方法。
【請求項2】
前記印刷過程b)が異なるレリーフ深さDを有する少なくとも2つのトップハットプロフアイルを備えるレリーフを該フレキソ印刷サポート上で供給し、
c)該2つのトップハットプロフアイルのレリーフ深さDの差が減じるよう該レリーフを研削する過程を具備する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
傾斜したセグメント(21)の組成がトップハットセグメント(23)の組成と異なる請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記研削過程により発生されるダスト粒子が空気流により除去される請求項1から3の何れか1つに記載の方法。
【請求項5】
前記研削過程で発生されるダスト粒子が液体により除去される請求項1から3の何れか1つに記載の方法。
【請求項6】
前記トップハットセグメント(23)が該傾斜セグメント(21)より高いショアA硬さを有する請求項3から5の何れか1つに記載の方法。
【請求項7】
過程b)の各付着層が次の層が付着される前に硬化手段(39)を用いて固定される請求項1から6の何れか1つに記載の方法。
【請求項8】
前記次の層がUV−A放射で硬化される請求項1から7の何れか1つに記載の方法。
【請求項9】
前記レリーフが該研削過程c)の前にUV−C放射で硬化される請求項1から8の何れか1つに記載の方法。
【請求項10】
a)フレキソ印刷サポートを保持する回転ドラム(31)と、
b)該フレキソ印刷サポート(1)上のトップハットプロフアイル(38)を有するレリーフをそれぞれ印刷し、硬化するインクジェット印刷手段(32)と硬化手段(39)と、そして
c)該トップハットプロフアイルを有する該レリーフの印刷面を研削する研削面を有する研削手段(35)と、を具備するフレキソ印刷マスター製作用画像形成装置。
【請求項11】
前記研削手段がP240及びP2500の間のISO/FEPAグリット指定を有するサンドペーパーを備える請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
研削手段としてレーザーを具備し、更に粗面計を具備する請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項13】
回転ドラムがフレキソ印刷プレスのドラムである請求項10から12の何れか1つに記載の画像形成装置。
【請求項14】
研削された材料の除去用手段を具備する請求項10から13の何れか1つに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2012−512762(P2012−512762A)
【公表日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−541285(P2011−541285)
【出願日】平成21年12月1日(2009.12.1)
【国際出願番号】PCT/EP2009/066097
【国際公開番号】WO2010/069749
【国際公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【出願人】(507253473)アグフア・グラフイクス・ナームローゼ・フエンノートシヤツプ (21)
【Fターム(参考)】