インク組成物及びこれを用いた液晶表示装置の製造方法
【課題】高温にも耐えられる高分子樹脂及び添加剤を使用することによりパターンの線幅及び線間隔を一定に維持する一方、パターンの精度を高めた、インプリントリソグラフィ及びロールプリント工程用インク組成物、並びにこれを用いた液晶表示装置の製造方法を提供する。
【解決手段】インク組成物は、高分子樹脂5〜45質量部と、熱的安定性を維持するために添加する添加剤5〜45質量部と、有機溶媒50〜90質量部とを含み、
約90〜250℃の高温にも耐える。
【解決手段】インク組成物は、高分子樹脂5〜45質量部と、熱的安定性を維持するために添加する添加剤5〜45質量部と、有機溶媒50〜90質量部とを含み、
約90〜250℃の高温にも耐える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インク組成物に関し、特に、高精度な微細パターンを形成することのできる、インプリントリソグラフィ(imprint lithography)及びロールプリント(roll print)工程用高耐熱性インク組成物、並びにこれを用いた液晶表示装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報ディスプレイへの関心が高まり、携帯可能な情報媒体を利用しようとする要求が高まるにつれて、既存の表示装置であるブラウン管(Cathode Ray Tube; CRT)に代わる軽量、薄型のフラットパネルディスプレイ(Flat Panel Display; FPD)に関する研究及び商業化が重点的に行われている。特に、このようなフラットパネルディスプレイのうち、液晶表示装置(Liquid Crystal Display; LCD)は、液晶の光学的異方性を利用して画像を表現する装置であって、解像度、カラー表示、画質などに優れており、ノートブックパソコンやデスクトップパソコンのモニタなどに盛んに適用されている。
【0003】
液晶表示装置は、カラーフィルタ基板と、アレイ基板と、カラーフィルタ基板とアレイ基板との間に形成された液晶層とを含む。
液晶表示装置に主として用いられる駆動方式であるアクティブマトリクス(Active Matrix; AM)方式は、スイッチング素子として非晶質シリコン薄膜トランジスタ(Amorphous Silicon Thin Film Transistor; a-Si TFT)を使用して画素部の液晶を駆動する方式である。
【0004】
以下、図9を参照して一般的な液晶表示装置の構造について詳細に説明する。
図9は、一般的な液晶表示装置を概略的に示す分解斜視図である。
図9に示すように、前記液晶表示装置は、カラーフィルタ基板5と、アレイ基板10と、カラーフィルタ基板5とアレイ基板10との間に形成された液晶層30とを含む。
カラーフィルタ基板5は、赤(R)、緑(G)、青(B)の色を実現する複数のサブカラーフィルタ7から構成されるカラーフィルタCと、サブカラーフィルタ7を区分して液晶層30を透過する光を遮断するブラックマトリクス6と、液晶層30に電圧を印加する透明な共通電極8とからなる。
【0005】
また、アレイ基板10は、縦横に配列されて複数の画素領域Pを定義する複数のゲートライン16及びデータライン17と、ゲートライン16とデータライン17との交差領域に形成されたスイッチング素子である薄膜トランジスタTと、画素領域P上に形成された画素電極18とからなる。
【0006】
このように構成されたカラーフィルタ基板5とアレイ基板10とは、画像表示領域の外郭に形成されたシーラント(図示せず)により対向して貼り合わせられて液晶表示パネルを構成し、カラーフィルタ基板5とアレイ基板10との貼り合わせは、カラーフィルタ基板5又はアレイ基板10に形成された貼り合わせキー(図示せず)を用いて行う。
【0007】
前記液晶表示装置の製造においては、基本的に、薄膜トランジスタを含むアレイ基板の製造に複数のフォトリソグラフィ工程を必要とする。
さらに、情報記憶素子、小型センサ、光結晶及び光学素子、マイクロ電子機械素子、表示素子、ディスプレイ、並びに半導体に適用される微細パターンを形成するためにも、光を利用して微細パターンを形成する前記フォトリソグラフィ工程を行う。
【0008】
前記フォトリソグラフィ工程は、一種のフォトエッチング工程の1つであって、マスクに描画されたパターンを薄膜が蒸着された基板上に転写して所望のパターンを形成する一連の工程であり、次のように感光液塗布、整列及び露光、現像など、複雑な複数の工程からなる。
【0009】
まず、所定のパターンを形成しようとする薄膜上に感光物質であるフォトレジストを塗布した後、所定のパターンが形成されたフォトマスクを整列し、露光工程を行う。前記フォトマスクは所定の透過領域及び遮断領域から構成されており、前記透過領域を通過した光は前記フォトレジストを化学的に変化させる。
前記フォトレジストの化学的変化はフォトレジストの種類によって異なるが、ポジ型フォトレジストの場合は、光を受けた部分が現像液に溶解する性質に変化し、ネガ型フォトレジストの場合は、逆に、光を受けた部分が現像液に溶解しない性質に変化する。ここでは、ポジ型フォトレジストを用いた場合を例に挙げて説明する。
【0010】
前記露光工程に続き、前記フォトレジストの露光した部分を現像液により除去すると、前記薄膜上に所定のフォトレジストパターンが形成される。
その後、前記薄膜を前記フォトレジストパターンの形状にエッチングし、残っているフォトレジストパターンを除去すると、所定形状の薄膜パターンが形成される。
【0011】
このような一般的なフォトリソグラフィ工程においては、露光工程に用いられる光の波長によって回路の線幅又はパターンの線幅が決定される。現在の技術水準を考慮すると、前記フォトリソグラフィ工程は、光の干渉のため、70nm以下の微細パターンを基板上に形成することは難しい。
また、パターンの超微細化が進むにつれて、高価な露光装備により初期投資費用が増加し、高解像度のマスクが要求されるなど、コストが過度に高くなっている。それだけではなく、パターンを形成する毎に、露光、露光後のベーク、現像、現像後のベーク、エッチング、洗浄など、複雑な工程を行わなければならないため、工程時間が長くなり、複数回のフォト工程を繰り返さなければならないため、生産性が低下するという問題があった。
【0012】
このような問題を解決する方法として、インプリントリソグラフィ及びロールプリント法が台頭している。インプリントリソグラフィは、米プリンストン大学のStephen Chouらにより最初に発明されたものであり、ナノスケールを刻印するための方法であって、相対的に高硬度の無機物又は高分子の表面に予め所望の形状を形成し、これで判子を押すようにして他の物質上に微細パターンを形成するものである。具体的には、予め所望の微細パターンを形成しておいた無機物又は高分子モールドを、金属膜又は有機膜上にコーティングされた硬化性組成物に貼り合わせ、熱硬化又は光硬化することにより、微細パターンを形成するものであり、既存のフォトリソグラフィ法に比べて、工程が単純で微細パターンの形成に有利であるという利点がある。
【0013】
また、ロールプリントは、例えば特許文献1にロールプリント装置及びこれを利用した表示装置の製造方法が開示されているが、既存のフォトリソグラフィ工程でパターンを形成するときに使用していた高解像度のマスクの代わりにシリコン高分子とクリシェを使用して、直接的なパターン転写により微細パターンを形成しようとする基板に微細パターンを形成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】大韓民国特許出願第2006−0005482号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
ところが、基板に微細パターンを形成した後、低温のベーク工程では、基板とインク組成物間の接着力の減少により、エッチング時、保護すべき微細パターンがなくなるという問題が発生する一方、高温のベーク工程では、基板とインク組成物間の接着力は増大するが、インク組成物が流れてインク組成物により形成されたパターンの線幅及び線間隔が変形することによって、微細パターンが正しく形成されないなど、不良が多く発生するという問題があった。従って、微細パターンを連続して転写するのに限界があり、微細パターンの精度を高めることが難しい。
【0016】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、フォトリソグラフィ工程の代わりに、インプリントリソグラフィ又はロールプリント工程で液晶表示装置の製造方法を提供することを目的とする。
【0017】
本発明の他の目的は、高温にも耐えられる高分子樹脂及び添加剤を使用することによりパターンの線幅及び線間隔を一定に維持する一方、パターンの精度を高めた、インプリントリソグラフィ及びロールプリント工程用インク組成物、並びにこれを用いた液晶表示装置の製造方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的及び特徴は、以下の詳細な説明及び添付の特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記の目的を達成するために、本発明によるインク組成物は、高分子樹脂5〜45質量部と、熱的安定性を維持するために添加する添加剤5〜45質量部と、有機溶媒50〜90質量部とを含み、約90〜250℃の高温にも耐えることを特徴とする。
【0019】
本発明による液晶表示装置の製造方法は、複数のアレイ基板が配置された母基板及び複数のカラーフィルタ基板が配置された母基板を準備する段階と、前記アレイ基板にアレイ工程を行い、前記カラーフィルタ基板にカラーフィルタ工程を行う段階と、前記母基板の表面に配向膜を形成する段階と、前記母基板にラビング工程を行う段階と、前記ラビング工程が終わった1対の母基板を貼り合わせる段階と、前記貼り合わせられた母基板を複数の単位液晶表示パネルに切断する段階とを含み、前記アレイ工程及びカラーフィルタ工程において、高分子樹脂5〜45質量部と、熱的安定性を維持するために添加する添加剤5〜45質量部と、有機溶媒50〜90質量部とを含み、約90〜250℃の高温にも耐えるインク組成物を用いたインプリントリソグラフィ又はロールプリント工程で微細パターンを形成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によるインク組成物及びこれを用いた液晶表示装置の製造方法は、高温にも耐えられる高分子樹脂及び添加剤を使用してパターンの線幅及び線間隔を一定に維持することにより、微細パターンを連続して転写することができ、パターンの精度を高めることにより、収率の改善及び工程の効率化が実現できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】添加剤を変えて製造した実施例1、2及び比較例1、2のインク組成物を比較して示す表である。
【図2】図1による実施例1、2及び比較例1、2のインク組成物のパターン転写率を比較して示す表である。
【図3】本発明の実施例1により製造したインク組成物を用いて形成した微細パターンの熱処理工程後の表面を示す光学顕微鏡写真である。
【図4】本発明の実施例2により製造したインク組成物を用いて形成した微細パターンの熱処理工程後の表面を示す光学顕微鏡写真である。
【図5】比較例1により製造したインク組成物を用いて形成した微細パターンの熱処理工程後の表面を示す光学顕微鏡写真である。
【図6】比較例2により製造したインク組成物を用いて形成した微細パターンの熱処理工程後の表面を示す光学顕微鏡写真である。
【図7】本発明によるインク組成物を用いた液晶表示装置の製造方法を順次示すフローチャートである。
【図8A】本発明によるインク組成物を用いてインクパターンを形成する過程を示す断面図である。
【図8B】図8Aに続く工程の断面図である。
【図8C】図8Bに続く工程の断面図である。
【図8D】図8Cに続く工程の断面図である。
【図9】一般的な液晶表示装置を概略的に示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付図面を参照して本発明によるインク組成物及びこれを用いた液晶表示装置の製造方法の好ましい実施形態を詳細に説明する。
本発明の一実施形態によるインク組成物は、高分子樹脂5〜45質量部と、添加剤5〜45質量部と、有機溶媒50〜90質量部とを含み、特に、熱的安定性を維持する添加剤を含むことにより、優れた耐熱性及びパターン形成能力を有し、またパターン転写率を高めて収率の改善及び工程の効率化が実現できることを特徴とする。
【0023】
前記高分子樹脂としては、通常のインク組成物に使用されるノボラック樹脂、アクリル樹脂などを単独又は混合して使用してもよい。
前記ノボラック樹脂としては、メタクレゾール、パラクレゾール、2,3,5−トリメチルフェノール、2,3−キシレノール、3,5−キシレノールなどの芳香族アルコールとホルムアルデヒド又はパラホルムアルデヒドとを反応させて合成した高分子を使用してもよい。また、前記アクリル樹脂としては、不飽和カルボン酸、芳香族単量体、アクリル単量体などを重合したものを使用してもよい。
【0024】
前記高分子樹脂の重量平均分子量は、2,000〜100,000であることが好ましく、2,000〜45,000であることがより好ましい。
前記高分子樹脂は、本発明の一実施形態によるインク組成物100質量部に対して、5〜45質量部含まれることが好ましく、7〜12.5質量部含まれることがより好ましい。前記範囲内であれば、パターン支持体の役割及びパターン転写率を高めて収率の改善及び工程の効率化が実現できる。
【0025】
また、前記添加剤は、前記インク組成物の熱的安定性を調節する役割を果たし、例えば、ペンタエリトリトール、メチルガレート、プロピルガレート、ラウリルガレート、オクチルガレート、メトール、チラミンヒドロクロリド、1−(3−ヒドロキシフェニル)ピペラジン、4−ブロモ−2−(5−イソオキサゾリル)フェノール、4−(イミダゾール−1−イル)フェノール、アピゲニン、2−(4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)フェノール、3−(4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)フェノール、4−(4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)フェノール、4−ニトロ−2−(1H−ピラゾール−3−イル)フェノール、2−(2−ヒドロキシフェニル)−1H−ベンズイミダゾール、4−(4−メチル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)フェノール、1−アミノ−2−ナフトールヒドロクロリド、2,4−ジアミノフェノールジヒドロクロリド、2−アセトアミドフェノール、2−アミノ−3−ニトロフェノール、2−アミノ−4−クロロ−5−ニトロフェノール、2−アミノ−5−ニトロフェノール、3−アミノ−2−ナフトール、3−メトキシチラミンヒドロクロリド、4,7−ジメトキシ−1,10−フェナントロリン、4−アミノ−1−ナフトールヒドロクロリド、4−アミノ−3−クロロフェノールヒドロクロリド、4−アミノフェノールヒドロクロリド、4−トリチルフェノール、8−アミノ−2−ナフトール、バイオチャニンA、クロラニル、ペンタブロモフェノール、ケルセチンジハイドレート、フィセチン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,5−ビス(1,1−ジメチルプロピル)−1,4−ベンゼンジオール、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、トリエチレングリコール−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート、2,2−メチレンビス(4−メチル−6−(1−メチルシクロヘキシル)−フェノール)、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイトなどを使用してもよい。
【0026】
前記添加剤は、本発明の一実施形態によるインク組成物100質量部に対して、5〜45質量部含まれることが好ましく、7〜12.5質量部含まれることがより好ましい。前記範囲内であれば、パターンの線幅及び線間隔を一定に維持することにより、微細パターンを形成しようとする基板のパターン精度を高めて収率の改善及び工程の効率化が実現できる。
【0027】
また、前記有機溶媒としては、前記高分子樹脂及び添加剤に加えて必要に応じて使用される視認性化合物などの溶解が容易なものを使用する。
【0028】
例えば、前記有機溶媒としては、アクリロニトリル;アセトニトリル;グリセロール;ジメチルスルホキシド;ニトロメタン;ジメチルホルムアミド;フェノール;N−メチルピロリドン;ピリジン;パーフルオロトリブチルアミン;パーフルオロデカリン;2−ブタノン;メチレンカーボネート;メタノール、エタノール、エチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、プロピレンエチレングリコール、ジエチレングリコール、ブタンジオール、ベンジルアルコール、ヘキシルアルコール、アリルアルコールなどのアルコール類;プロピレンカーボネート、テトラヒドロフラン、メトキシベンゼン、1,4−ジオキサン、1−メトキシ−2−プロパノール、ジブチルエーテル、ジフェニルエーテルなどのエーテル類;エチルアセテート、メチルアセテート、プロピルアセテート、ブチルアセテート、エチルプロピオネート、エチルエステル、ブチルエステル、メチル−2−ヒドロキシイソブチレート、2−メトキシ−1−メチルエチルエステル、2−メトキシエチルアセテート、2−エトキシエチルアセテートなどのエステル類;エチレングリコールメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテートなどのエチレングリコールアルキルエーテルアセテート類;エチレングリコールメチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールエチルエーテルプロピオネートなどのエチレングリコールアルキルエーテルプロピオネート類;エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルなどのエチレングリコールモノアルキルエーテル類;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテルなどのジエチレングリコールアルキルエーテル類;プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテートなどのプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類;プロピレングリコールメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールエチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールプロピルエーテルプロピオネートなどのプロピレングリコールアルキルエーテルプロピオネート類;プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル、プロピレングリコールブチルエーテルなどのプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテルなどのジプロピレングリコールアルキルエーテル類;ブチレングリコールモノメチルエーテル、ブチレングリコールモノエチルエーテルなどのブチレングリコールモノアルキルエーテル類;ジブチレングリコールジメチルエーテル、ジブチレングリコールジエチルエーテルなどのジブチレングリコールアルキルエーテル類などを、単独又は2種以上混合して使用してもよい。特に、前記有機溶媒は、単一溶媒を使用するよりも、2種以上の溶媒を混合して使用することが、シリコン高分子のコーティング性能を改善することができ、パターン転写に有利である。
【0029】
前記有機溶媒は、本発明の一実施形態によるインク組成物100質量部に対して、50〜90質量部含まれることが好ましく、70〜80質量部含まれることがより好ましい。前記範囲内であれば、溶解性と工程効率性に同時に寄与することができる。
【0030】
前記成分からなる本発明によるインプリントリソグラフィ及びロールプリント用インク組成物は、界面活性剤、密着性増感剤、又は視認性化合物をさらに含んでもよい。
【0031】
前記界面活性剤は、インク材のムラ及びホール痕を予防し、良好なコーティング性能を確保する作用をする。
前記界面活性剤としては、シリコン系界面活性剤又はパーフルオロアルキルオリゴマーなどのフッ素系界面活性剤を使用してもよく、その含量は、本発明の一実施形態によるインク組成物100質量部に対して、0.01〜3質量部含まれることが好ましく、0.1〜1.5質量部含まれることがより好ましい。
【0032】
また、前記密着性増感剤は、下部膜に対する密着特性を向上させるために使用するもので、一般的なメラニン系架橋剤を使用してもよい。
前記メラニン系架橋剤としては、尿素とホルムアルデヒドの縮合生成物、メラミンとホルムアルデヒドの縮合生成物、アルコールから得られるメチロール尿素アルキルエーテル類、メチロールメラミンアルキルエーテル類などを使用してもよい。例えば、前記尿素とホルムアルデヒドの縮合生成物としては、モノメチロール尿素、ジメチロール尿素などを使用してもよい。また、前記メラミンとホルムアルデヒドの縮合生成物としては、ヘキサメチロールメラミンを使用してもよく、メラミンとホルムアルデヒドの部分縮合生成物を使用してもよい。また、前記メチロール尿素アルキルエーテル類としては、前記尿素とホルムアルデヒドの縮合生成物のメチロール基の一部又は全部にアルコール類を反応させて得られるものであり、その具体例としては、モノメチロール尿素メチルエーテル、ジメチロール尿素メチルエーテルなどを使用してもよい。前記メチロールメラミンアルキルエーテル類としては、前記メラミンとホルムアルデヒドの縮合生成物のメチロール基の一部又は全部にアルコール類を反応させて得られるものであり、その具体例としては、ヘキサメチロールメラミンヘキサメチルエーテル、ヘキサメチロールメラミンヘキサブチルエーテルなどを使用してもよい。さらに、前記メラニン系架橋剤としては、メラミンのアミノ基の水素原子がヒドロキシメチル基及びメトキシメチル基に置換された構造の化合物、メラミンのアミノ基の水素原子がブトキシメチル基及びメトキシメチル基に置換された構造の化合物などを使用してもよいが、特に、前記メチロールメラミンアルキルエーテル類を使用することが好ましい。
【0033】
前記密着性増感剤を使用する場合、その含量は、本発明の一実施形態によるインク組成物100質量部に対して、0.01〜5質量部使用することが好ましく、0.5〜2.5質量部使用することがより好ましい。前記範囲内であれば、本発明の一実施形態によるインク組成物は、下部基板との優れた密着性を有し、その後のエッチング工程でパターン下部のメタル層を保護する役割を果たす。
【0034】
また、前記視認性化合物は、染料、顔料、又は感光性化合物を使用してインク組成物の視認性を確保することができ、前記高分子樹脂と共に溶解してパターン転写能力を高める一方、所望の基板との接着力の確保を容易にする作用をする。
【0035】
前記視認性化合物としては、ジアジド系化合物として、トリヒドロキシベンゾフェノンと2−ジアゾ−1−ナフトール−5−スルホン酸をエステル化反応させて製造された2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホネート、テトラヒドロキシベンゾフェノンと2−ジアゾ−1−ナフトール−5−スルホン酸をエステル化反応させて製造された2,3,4,4−テトラヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホネートなどを、単独又は混合して使用してもよい。
【0036】
前記視認性化合物を使用する場合、その含量は、本発明の一実施形態によるインク組成物100質量部に対して、0.001〜3.0質量部使用することが好ましく、0.001〜2.0質量部使用することがより好ましい。
【0037】
前記のように構成される本発明の一実施形態によるインク組成物は、インプリントリソグラフィ及びロールプリント工程を利用したパターン形成に適用されて、基板に高精度な微細パターンを形成することができる。
【0038】
特に、本発明の一実施形態によるインク組成物は、約90〜250℃の高温にも耐えられる高分子樹脂及び添加剤を含むことにより、微細パターンの転写率に優れ、高精度な微細パターンが得られるが、これを比較例と比較して詳細に説明する。
【0039】
図1は、添加剤を変えて製造した実施例1、2及び比較例1、2のインク組成物を比較して示す表であり、単位は質量部である。
図1に示すように、実施例1、2及び比較例1、2のインク組成物は、高分子樹脂、有機溶媒、界面活性剤、及び密着性増感剤として、ノボラック樹脂、エタノール、シリコン系界面活性剤、及びヘキサメチロールメラミンヘキサメチルエーテルを使用し、添加剤としては、それぞれメチルガレート、プロピルガレート、2,4−ジメチルフェノール、ロジン類を使用した。
【0040】
ここで、実施例1、2及び比較例1、2のインク組成物の全ては、インク組成物100質量部に対して、高分子樹脂、添加剤、有機溶媒、界面活性剤、及び密着性増感剤をそれぞれ10.0、10.0、80.0、1.0、及び3.0質量部含むようにした。
【0041】
前記のように製造した実施例1、2及び比較例1、2のインク組成物の物性を次のような方法で評価した。
まず、パターンのないシリコン高分子上に実施例1、2及び比較例1、2のインク組成物をコーティングして10秒間自然乾燥させた後、シリコン高分子がクリシェを通過するようにして基板上に微細パターンを転写し、パターン転写率を測定した。
【0042】
図2は、図1による実施例1、2及び比較例1、2のインク組成物のパターン転写率を比較して示す表であり、パターン転写率は、1×1mmの大きさを有するセル100個におけるパターン形成の有無によって0〜100%で示す。
図2に示すように、実施例1、2のパターン転写率はそれぞれ98%、97%であるのに対して、比較例1、2のパターン転写率はそれぞれ85%、79%であることが分かる。
つまり、本発明の一実施形態による高耐熱性添加剤を使用した実施例1、2のインク組成物は、パターン転写率が97%以上と優れていることを確認することができる。
【0043】
また、微細パターンの精度を測定するためには、まず、パターンのないシリコン高分子上に実施例1、2及び比較例1、2のインク組成物をコーティングして所定時間自然乾燥させた後、シリコン高分子がクリシェを通過するようにして基板上に微細パターンを転写し、次に、微細パターンが転写された基板を200℃の高温で3分間熱処理した後、光学顕微鏡によりパターンの精度を確認した。その結果をそれぞれ図3〜図6に示す。
【0044】
図3及び図4は、それぞれ本発明の実施例1及び実施例2により製造したインク組成物を用いて形成した微細パターンの熱処理工程後の表面を示す光学顕微鏡写真であり、図5及び図6は、それぞれ比較例1及び比較例2により製造したインク組成物を用いて形成した微細パターンの熱処理工程後の表面を示す光学顕微鏡写真である。
【0045】
まず、本発明の実施例1及び実施例2によるインク組成物は、図3及び図4に示すように、均一なパターンを形成して熱処理前後のパターンの線幅の変化がないことを確認することができ、パターンの精度が高いことが分かる。
これに対して、比較例1及び比較例2の場合は、図5及び図6に示すように、熱処理前後のパターンの線幅の変化が激しいことを確認することができ、パターンの精度が低いことが分かる。
【0046】
このような特徴を有する本発明の一実施形態によるインク組成物は、インプリントリソグラフィ及びロールプリント工程に用いられ、情報記憶素子、小型センサ、光結晶及び光学素子、マイクロ電子機械素子、表示素子、ディスプレイ、並びに半導体に適用される微細パターンを形成することができるが、これを以下の液晶表示装置の製造方法を例に挙げて詳細に説明する。
【0047】
図7は、本発明によるインク組成物を用いた液晶表示装置の製造方法を順次示すフローチャートであり、液晶滴下方式で液晶層を形成する場合の液晶表示装置の製造方法を示す。しかしながら、本発明は、これに限定されるものではなく、液晶注入方式で液晶層を形成する場合の液晶表示装置の製造方法にも適用可能である。
【0048】
液晶表示装置の製造工程は、大きく下部のアレイ基板に駆動素子を形成する駆動素子アレイ工程と、上部のカラーフィルタ基板にカラーフィルタを形成するカラーフィルタ工程と、セル工程とに分けられる。
まず、駆動素子アレイ工程で、アレイ基板に配列されて画素領域を定義する複数のゲートライン及びデータラインを形成し、前記画素領域のそれぞれに前記ゲートライン及びデータラインに接続する駆動素子である薄膜トランジスタを形成する(S101)。また、前記駆動素子アレイ工程で、前記薄膜トランジスタに接続されて該薄膜トランジスタを介して信号が供給されることによって液晶層を駆動する画素電極を形成する。
【0049】
また、カラーフィルタ基板には、カラーフィルタ工程で、カラーを実現する赤、緑、青のサブカラーフィルタから構成されるカラーフィルタ層と共通電極を形成する(S103)。
【0050】
前記駆動素子アレイ工程及びカラーフィルタ工程では様々な微細パターンが形成されるが、ここで、本発明の一実施形態によるインク組成物を用いたインプリントリソグラフィ及びロールプリント工程を利用することができ、これを図8A〜図8Dを参照して詳細に説明する。
【0051】
一方、前記アレイ基板及びカラーフィルタ基板は、大面積の母基板からなる。つまり、大面積の母基板に複数のパネル領域が形成され、前記各パネル領域に駆動素子である薄膜トランジスタ及びカラーフィルタ層が形成される。
【0052】
図8A〜図8Dは、本発明によるインク組成物を用いてインクパターンを形成する過程を順次示す断面図であり、ロールプリント工程を例に示す。しかしながら、本発明は、ロールプリント工程に限定されるものではなく、インプリントリソグラフィ工程でインクパターンを形成する場合にも適用可能である。
【0053】
まず、図8Aに示すように、対象インクパターンと実質的に同一の印刷溝102パターンを有する印刷板101を準備する。次に、インク供給装置104から印刷板101上に溶媒(溶剤)を含むインク103を供給する。
図には詳細に示していないが、ロールプリント装置は、対象基板に様々なインクパターンを印刷するために使用される装置であり、印刷板101と、印刷板101にインク103を供給するインク供給装置104と、印刷板101に充填されたインク103を対象基板に転写する転写シートを備える転写ローラとを含む。
【0054】
ここで、印刷板101は、その上面に目的とする対象インクパターンを形成するための複数の印刷溝102パターンを備え、印刷溝102パターンは、対象インクパターンと実質的に同一の形状を有する。
【0055】
インク供給装置104は、例えばスピン塗布、ローラ塗布、スリット塗布などの適当な方法を用いて、印刷板101上に0.5〜10μmの厚さにインク103を塗布する。
ここで、本発明の一実施形態によるインク103を構成するインク組成物は、高分子樹脂5〜45質量部と、添加剤5〜45質量部と、有機溶媒50〜90質量部とを含み、特に、熱的安定性を維持する添加剤を5〜45質量部含むことにより、優れた耐熱性及びパターン形成能力を有し、またパターン転写率を高めて収率の改善及び工程の効率化が実現できることを特徴とする。
【0056】
次に、図8Bに示すように、ブレード130を利用して、印刷板101上に塗布されたインク103を印刷溝102内に充填する。つまり、インク103が供給された印刷板101上にブレード130を配置し、印刷板101の上面に接触させた状態で一方向に移動させると、印刷板101の上面に供給されたインク103が進行方向に押されて印刷溝102内に充填される。また、印刷溝102内のインク103を除く印刷板101上面のインク103は、ブレード130により除去される。ここで、印刷板101の上面に残留するインク103を確実に除去するために、除去用ブレード(図示せず)をさらに備えてもよい。
【0057】
次に、図8Cに示すように、インク103が充填された印刷板101の上面で、転写シート155が備えられた転写ローラ150を回転させると、印刷溝102に充填されたインク103が転写ローラ150の転写シート155に転写される。
転写ローラ150は、例えば円筒状に形成され、外面が転写シート155で覆われている。転写シート155は、インク103との接着性に優れた材質、例えば親水性に優れたシリコンからなる。また、転写シート155は、印刷板101からの転写及び対象基板への再転写を容易にするために、弾性を有するようにしてもよい。
【0058】
次に、図8Dに示すように、対象基板110の上面で転写ローラ150を一方向に回転させて、転写シート155に転写されたインクを対象基板110に再転写することにより、所定のインクパターン120を形成する。
このとき、転写ローラ150が回転することによって転写ローラ150を覆っている転写シート155が対象基板110の上面に接触するように、転写ローラ150と下部フレーム(図示せず)との間隔を調節することができる。ここで、転写ローラ150の転写シート155が対象基板110の上面に必ずしも接触する必要はないが、少なくとも前記印刷板から転写シート150に転写されたインクが対象基板110の上面に接触する程度の距離は維持されなければならない。
【0059】
次に、図示していないが、紫外線を利用して光硬化工程を行ってもよく、90〜200℃の温度で熱処理する熱硬化工程を行ってもよく、光硬化工程と熱硬化工程を並行して行ってもよい。ここで、熱処理工程は、インク組成物のうち固体成分を熱分解することなく溶媒を蒸発させるために行う工程である。一般に、熱処理工程で溶媒の濃度を最小限に抑えることが好ましく、厚さ10μm以下のインク膜が基板に残るように行うことが好ましい。
【0060】
このような工程はインク膜と基板との接着性及び耐化学性を向上させる。前記工程が完了した基板を腐食溶液又は気体プラズマで処理することで基板の露出した部位を処理する。このとき、基板の露出していない部位はインク膜により保護される。このように基板を処理した後、適切なストリッパでインク膜を除去することにより、基板に微細パターンを形成することができる。
【0061】
次に、前記カラーフィルタ基板及びアレイ基板にそれぞれ配向膜を印刷した後、前記カラーフィルタ基板と前記アレイ基板との間に形成される液晶層の液晶分子に配向規制力又は表面固定力(すなわち、プレチルト角及び配向方向)を提供するために、前記配向膜を配向処理する(S102、S104)。
【0062】
その後、液晶滴下方式を用いる場合は、前記カラーフィルタ基板にシーラントで所定のシールパターンを形成すると共に、前記アレイ基板に液晶層を形成する(S105、S106)。
【0063】
前記液晶滴下方式は、ディスペンサを利用して、複数のアレイ基板が配置された大面積の第1母基板又は複数のカラーフィルタ基板が配置された大面積の第2母基板の画像表示領域に液晶を滴下及び分配し、前記第1、第2母基板を貼り合わせる圧力で液晶を前記画像表示領域全体に均一に分布させることにより、液晶層を形成する方式である。
従って、前記液晶表示パネルに液晶滴下方式で液晶層を形成する場合は、液晶が前記画像表示領域の外部に漏れることを防止できるように、シールパターンを前記画像表示領域の外郭を囲む閉鎖されたパターンに形成しなければならない。
【0064】
前記液晶滴下方式は、真空注入方式に比べて、短時間で液晶を滴下することができ、液晶表示パネルが大型化する場合も液晶層を非常に迅速に形成することができる。
また、基板上に必要量の液晶のみを滴下するため、真空注入方式のように高価な液晶の廃棄による液晶表示パネルのコスト上昇を防止し、製品の価格競争力を高める。
【0065】
次に、前記のように液晶が滴下されたアレイ基板とシール材が塗布されたカラーフィルタ基板を整列した状態で圧力を加えることにより、前記シール材により前記アレイ基板と前記カラーフィルタ基板を貼り合わせると同時に、滴下された液晶が液晶表示パネル全体に均一に広がるようにする(S107)。このような工程で大面積の母基板(アレイ基板及びカラーフィルタ基板)には液晶層が形成された複数の液晶表示パネルが形成され、前記母基板を加工、切断して複数の液晶表示パネルに分離し、それぞれの液晶表示パネルを検査することにより、液晶表示装置を製造する(S108、S109)。
【符号の説明】
【0066】
101 印刷板
102 印刷溝
103 インク
104 インク供給装置
110 基板
120 インクパターン
130 ブレード
150 転写ローラ
155 転写シート
【技術分野】
【0001】
本発明は、インク組成物に関し、特に、高精度な微細パターンを形成することのできる、インプリントリソグラフィ(imprint lithography)及びロールプリント(roll print)工程用高耐熱性インク組成物、並びにこれを用いた液晶表示装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報ディスプレイへの関心が高まり、携帯可能な情報媒体を利用しようとする要求が高まるにつれて、既存の表示装置であるブラウン管(Cathode Ray Tube; CRT)に代わる軽量、薄型のフラットパネルディスプレイ(Flat Panel Display; FPD)に関する研究及び商業化が重点的に行われている。特に、このようなフラットパネルディスプレイのうち、液晶表示装置(Liquid Crystal Display; LCD)は、液晶の光学的異方性を利用して画像を表現する装置であって、解像度、カラー表示、画質などに優れており、ノートブックパソコンやデスクトップパソコンのモニタなどに盛んに適用されている。
【0003】
液晶表示装置は、カラーフィルタ基板と、アレイ基板と、カラーフィルタ基板とアレイ基板との間に形成された液晶層とを含む。
液晶表示装置に主として用いられる駆動方式であるアクティブマトリクス(Active Matrix; AM)方式は、スイッチング素子として非晶質シリコン薄膜トランジスタ(Amorphous Silicon Thin Film Transistor; a-Si TFT)を使用して画素部の液晶を駆動する方式である。
【0004】
以下、図9を参照して一般的な液晶表示装置の構造について詳細に説明する。
図9は、一般的な液晶表示装置を概略的に示す分解斜視図である。
図9に示すように、前記液晶表示装置は、カラーフィルタ基板5と、アレイ基板10と、カラーフィルタ基板5とアレイ基板10との間に形成された液晶層30とを含む。
カラーフィルタ基板5は、赤(R)、緑(G)、青(B)の色を実現する複数のサブカラーフィルタ7から構成されるカラーフィルタCと、サブカラーフィルタ7を区分して液晶層30を透過する光を遮断するブラックマトリクス6と、液晶層30に電圧を印加する透明な共通電極8とからなる。
【0005】
また、アレイ基板10は、縦横に配列されて複数の画素領域Pを定義する複数のゲートライン16及びデータライン17と、ゲートライン16とデータライン17との交差領域に形成されたスイッチング素子である薄膜トランジスタTと、画素領域P上に形成された画素電極18とからなる。
【0006】
このように構成されたカラーフィルタ基板5とアレイ基板10とは、画像表示領域の外郭に形成されたシーラント(図示せず)により対向して貼り合わせられて液晶表示パネルを構成し、カラーフィルタ基板5とアレイ基板10との貼り合わせは、カラーフィルタ基板5又はアレイ基板10に形成された貼り合わせキー(図示せず)を用いて行う。
【0007】
前記液晶表示装置の製造においては、基本的に、薄膜トランジスタを含むアレイ基板の製造に複数のフォトリソグラフィ工程を必要とする。
さらに、情報記憶素子、小型センサ、光結晶及び光学素子、マイクロ電子機械素子、表示素子、ディスプレイ、並びに半導体に適用される微細パターンを形成するためにも、光を利用して微細パターンを形成する前記フォトリソグラフィ工程を行う。
【0008】
前記フォトリソグラフィ工程は、一種のフォトエッチング工程の1つであって、マスクに描画されたパターンを薄膜が蒸着された基板上に転写して所望のパターンを形成する一連の工程であり、次のように感光液塗布、整列及び露光、現像など、複雑な複数の工程からなる。
【0009】
まず、所定のパターンを形成しようとする薄膜上に感光物質であるフォトレジストを塗布した後、所定のパターンが形成されたフォトマスクを整列し、露光工程を行う。前記フォトマスクは所定の透過領域及び遮断領域から構成されており、前記透過領域を通過した光は前記フォトレジストを化学的に変化させる。
前記フォトレジストの化学的変化はフォトレジストの種類によって異なるが、ポジ型フォトレジストの場合は、光を受けた部分が現像液に溶解する性質に変化し、ネガ型フォトレジストの場合は、逆に、光を受けた部分が現像液に溶解しない性質に変化する。ここでは、ポジ型フォトレジストを用いた場合を例に挙げて説明する。
【0010】
前記露光工程に続き、前記フォトレジストの露光した部分を現像液により除去すると、前記薄膜上に所定のフォトレジストパターンが形成される。
その後、前記薄膜を前記フォトレジストパターンの形状にエッチングし、残っているフォトレジストパターンを除去すると、所定形状の薄膜パターンが形成される。
【0011】
このような一般的なフォトリソグラフィ工程においては、露光工程に用いられる光の波長によって回路の線幅又はパターンの線幅が決定される。現在の技術水準を考慮すると、前記フォトリソグラフィ工程は、光の干渉のため、70nm以下の微細パターンを基板上に形成することは難しい。
また、パターンの超微細化が進むにつれて、高価な露光装備により初期投資費用が増加し、高解像度のマスクが要求されるなど、コストが過度に高くなっている。それだけではなく、パターンを形成する毎に、露光、露光後のベーク、現像、現像後のベーク、エッチング、洗浄など、複雑な工程を行わなければならないため、工程時間が長くなり、複数回のフォト工程を繰り返さなければならないため、生産性が低下するという問題があった。
【0012】
このような問題を解決する方法として、インプリントリソグラフィ及びロールプリント法が台頭している。インプリントリソグラフィは、米プリンストン大学のStephen Chouらにより最初に発明されたものであり、ナノスケールを刻印するための方法であって、相対的に高硬度の無機物又は高分子の表面に予め所望の形状を形成し、これで判子を押すようにして他の物質上に微細パターンを形成するものである。具体的には、予め所望の微細パターンを形成しておいた無機物又は高分子モールドを、金属膜又は有機膜上にコーティングされた硬化性組成物に貼り合わせ、熱硬化又は光硬化することにより、微細パターンを形成するものであり、既存のフォトリソグラフィ法に比べて、工程が単純で微細パターンの形成に有利であるという利点がある。
【0013】
また、ロールプリントは、例えば特許文献1にロールプリント装置及びこれを利用した表示装置の製造方法が開示されているが、既存のフォトリソグラフィ工程でパターンを形成するときに使用していた高解像度のマスクの代わりにシリコン高分子とクリシェを使用して、直接的なパターン転写により微細パターンを形成しようとする基板に微細パターンを形成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】大韓民国特許出願第2006−0005482号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
ところが、基板に微細パターンを形成した後、低温のベーク工程では、基板とインク組成物間の接着力の減少により、エッチング時、保護すべき微細パターンがなくなるという問題が発生する一方、高温のベーク工程では、基板とインク組成物間の接着力は増大するが、インク組成物が流れてインク組成物により形成されたパターンの線幅及び線間隔が変形することによって、微細パターンが正しく形成されないなど、不良が多く発生するという問題があった。従って、微細パターンを連続して転写するのに限界があり、微細パターンの精度を高めることが難しい。
【0016】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、フォトリソグラフィ工程の代わりに、インプリントリソグラフィ又はロールプリント工程で液晶表示装置の製造方法を提供することを目的とする。
【0017】
本発明の他の目的は、高温にも耐えられる高分子樹脂及び添加剤を使用することによりパターンの線幅及び線間隔を一定に維持する一方、パターンの精度を高めた、インプリントリソグラフィ及びロールプリント工程用インク組成物、並びにこれを用いた液晶表示装置の製造方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的及び特徴は、以下の詳細な説明及び添付の特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記の目的を達成するために、本発明によるインク組成物は、高分子樹脂5〜45質量部と、熱的安定性を維持するために添加する添加剤5〜45質量部と、有機溶媒50〜90質量部とを含み、約90〜250℃の高温にも耐えることを特徴とする。
【0019】
本発明による液晶表示装置の製造方法は、複数のアレイ基板が配置された母基板及び複数のカラーフィルタ基板が配置された母基板を準備する段階と、前記アレイ基板にアレイ工程を行い、前記カラーフィルタ基板にカラーフィルタ工程を行う段階と、前記母基板の表面に配向膜を形成する段階と、前記母基板にラビング工程を行う段階と、前記ラビング工程が終わった1対の母基板を貼り合わせる段階と、前記貼り合わせられた母基板を複数の単位液晶表示パネルに切断する段階とを含み、前記アレイ工程及びカラーフィルタ工程において、高分子樹脂5〜45質量部と、熱的安定性を維持するために添加する添加剤5〜45質量部と、有機溶媒50〜90質量部とを含み、約90〜250℃の高温にも耐えるインク組成物を用いたインプリントリソグラフィ又はロールプリント工程で微細パターンを形成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によるインク組成物及びこれを用いた液晶表示装置の製造方法は、高温にも耐えられる高分子樹脂及び添加剤を使用してパターンの線幅及び線間隔を一定に維持することにより、微細パターンを連続して転写することができ、パターンの精度を高めることにより、収率の改善及び工程の効率化が実現できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】添加剤を変えて製造した実施例1、2及び比較例1、2のインク組成物を比較して示す表である。
【図2】図1による実施例1、2及び比較例1、2のインク組成物のパターン転写率を比較して示す表である。
【図3】本発明の実施例1により製造したインク組成物を用いて形成した微細パターンの熱処理工程後の表面を示す光学顕微鏡写真である。
【図4】本発明の実施例2により製造したインク組成物を用いて形成した微細パターンの熱処理工程後の表面を示す光学顕微鏡写真である。
【図5】比較例1により製造したインク組成物を用いて形成した微細パターンの熱処理工程後の表面を示す光学顕微鏡写真である。
【図6】比較例2により製造したインク組成物を用いて形成した微細パターンの熱処理工程後の表面を示す光学顕微鏡写真である。
【図7】本発明によるインク組成物を用いた液晶表示装置の製造方法を順次示すフローチャートである。
【図8A】本発明によるインク組成物を用いてインクパターンを形成する過程を示す断面図である。
【図8B】図8Aに続く工程の断面図である。
【図8C】図8Bに続く工程の断面図である。
【図8D】図8Cに続く工程の断面図である。
【図9】一般的な液晶表示装置を概略的に示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付図面を参照して本発明によるインク組成物及びこれを用いた液晶表示装置の製造方法の好ましい実施形態を詳細に説明する。
本発明の一実施形態によるインク組成物は、高分子樹脂5〜45質量部と、添加剤5〜45質量部と、有機溶媒50〜90質量部とを含み、特に、熱的安定性を維持する添加剤を含むことにより、優れた耐熱性及びパターン形成能力を有し、またパターン転写率を高めて収率の改善及び工程の効率化が実現できることを特徴とする。
【0023】
前記高分子樹脂としては、通常のインク組成物に使用されるノボラック樹脂、アクリル樹脂などを単独又は混合して使用してもよい。
前記ノボラック樹脂としては、メタクレゾール、パラクレゾール、2,3,5−トリメチルフェノール、2,3−キシレノール、3,5−キシレノールなどの芳香族アルコールとホルムアルデヒド又はパラホルムアルデヒドとを反応させて合成した高分子を使用してもよい。また、前記アクリル樹脂としては、不飽和カルボン酸、芳香族単量体、アクリル単量体などを重合したものを使用してもよい。
【0024】
前記高分子樹脂の重量平均分子量は、2,000〜100,000であることが好ましく、2,000〜45,000であることがより好ましい。
前記高分子樹脂は、本発明の一実施形態によるインク組成物100質量部に対して、5〜45質量部含まれることが好ましく、7〜12.5質量部含まれることがより好ましい。前記範囲内であれば、パターン支持体の役割及びパターン転写率を高めて収率の改善及び工程の効率化が実現できる。
【0025】
また、前記添加剤は、前記インク組成物の熱的安定性を調節する役割を果たし、例えば、ペンタエリトリトール、メチルガレート、プロピルガレート、ラウリルガレート、オクチルガレート、メトール、チラミンヒドロクロリド、1−(3−ヒドロキシフェニル)ピペラジン、4−ブロモ−2−(5−イソオキサゾリル)フェノール、4−(イミダゾール−1−イル)フェノール、アピゲニン、2−(4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)フェノール、3−(4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)フェノール、4−(4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)フェノール、4−ニトロ−2−(1H−ピラゾール−3−イル)フェノール、2−(2−ヒドロキシフェニル)−1H−ベンズイミダゾール、4−(4−メチル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)フェノール、1−アミノ−2−ナフトールヒドロクロリド、2,4−ジアミノフェノールジヒドロクロリド、2−アセトアミドフェノール、2−アミノ−3−ニトロフェノール、2−アミノ−4−クロロ−5−ニトロフェノール、2−アミノ−5−ニトロフェノール、3−アミノ−2−ナフトール、3−メトキシチラミンヒドロクロリド、4,7−ジメトキシ−1,10−フェナントロリン、4−アミノ−1−ナフトールヒドロクロリド、4−アミノ−3−クロロフェノールヒドロクロリド、4−アミノフェノールヒドロクロリド、4−トリチルフェノール、8−アミノ−2−ナフトール、バイオチャニンA、クロラニル、ペンタブロモフェノール、ケルセチンジハイドレート、フィセチン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,5−ビス(1,1−ジメチルプロピル)−1,4−ベンゼンジオール、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、トリエチレングリコール−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート、2,2−メチレンビス(4−メチル−6−(1−メチルシクロヘキシル)−フェノール)、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイトなどを使用してもよい。
【0026】
前記添加剤は、本発明の一実施形態によるインク組成物100質量部に対して、5〜45質量部含まれることが好ましく、7〜12.5質量部含まれることがより好ましい。前記範囲内であれば、パターンの線幅及び線間隔を一定に維持することにより、微細パターンを形成しようとする基板のパターン精度を高めて収率の改善及び工程の効率化が実現できる。
【0027】
また、前記有機溶媒としては、前記高分子樹脂及び添加剤に加えて必要に応じて使用される視認性化合物などの溶解が容易なものを使用する。
【0028】
例えば、前記有機溶媒としては、アクリロニトリル;アセトニトリル;グリセロール;ジメチルスルホキシド;ニトロメタン;ジメチルホルムアミド;フェノール;N−メチルピロリドン;ピリジン;パーフルオロトリブチルアミン;パーフルオロデカリン;2−ブタノン;メチレンカーボネート;メタノール、エタノール、エチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、プロピレンエチレングリコール、ジエチレングリコール、ブタンジオール、ベンジルアルコール、ヘキシルアルコール、アリルアルコールなどのアルコール類;プロピレンカーボネート、テトラヒドロフラン、メトキシベンゼン、1,4−ジオキサン、1−メトキシ−2−プロパノール、ジブチルエーテル、ジフェニルエーテルなどのエーテル類;エチルアセテート、メチルアセテート、プロピルアセテート、ブチルアセテート、エチルプロピオネート、エチルエステル、ブチルエステル、メチル−2−ヒドロキシイソブチレート、2−メトキシ−1−メチルエチルエステル、2−メトキシエチルアセテート、2−エトキシエチルアセテートなどのエステル類;エチレングリコールメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテートなどのエチレングリコールアルキルエーテルアセテート類;エチレングリコールメチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールエチルエーテルプロピオネートなどのエチレングリコールアルキルエーテルプロピオネート類;エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルなどのエチレングリコールモノアルキルエーテル類;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテルなどのジエチレングリコールアルキルエーテル類;プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテートなどのプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類;プロピレングリコールメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールエチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールプロピルエーテルプロピオネートなどのプロピレングリコールアルキルエーテルプロピオネート類;プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル、プロピレングリコールブチルエーテルなどのプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテルなどのジプロピレングリコールアルキルエーテル類;ブチレングリコールモノメチルエーテル、ブチレングリコールモノエチルエーテルなどのブチレングリコールモノアルキルエーテル類;ジブチレングリコールジメチルエーテル、ジブチレングリコールジエチルエーテルなどのジブチレングリコールアルキルエーテル類などを、単独又は2種以上混合して使用してもよい。特に、前記有機溶媒は、単一溶媒を使用するよりも、2種以上の溶媒を混合して使用することが、シリコン高分子のコーティング性能を改善することができ、パターン転写に有利である。
【0029】
前記有機溶媒は、本発明の一実施形態によるインク組成物100質量部に対して、50〜90質量部含まれることが好ましく、70〜80質量部含まれることがより好ましい。前記範囲内であれば、溶解性と工程効率性に同時に寄与することができる。
【0030】
前記成分からなる本発明によるインプリントリソグラフィ及びロールプリント用インク組成物は、界面活性剤、密着性増感剤、又は視認性化合物をさらに含んでもよい。
【0031】
前記界面活性剤は、インク材のムラ及びホール痕を予防し、良好なコーティング性能を確保する作用をする。
前記界面活性剤としては、シリコン系界面活性剤又はパーフルオロアルキルオリゴマーなどのフッ素系界面活性剤を使用してもよく、その含量は、本発明の一実施形態によるインク組成物100質量部に対して、0.01〜3質量部含まれることが好ましく、0.1〜1.5質量部含まれることがより好ましい。
【0032】
また、前記密着性増感剤は、下部膜に対する密着特性を向上させるために使用するもので、一般的なメラニン系架橋剤を使用してもよい。
前記メラニン系架橋剤としては、尿素とホルムアルデヒドの縮合生成物、メラミンとホルムアルデヒドの縮合生成物、アルコールから得られるメチロール尿素アルキルエーテル類、メチロールメラミンアルキルエーテル類などを使用してもよい。例えば、前記尿素とホルムアルデヒドの縮合生成物としては、モノメチロール尿素、ジメチロール尿素などを使用してもよい。また、前記メラミンとホルムアルデヒドの縮合生成物としては、ヘキサメチロールメラミンを使用してもよく、メラミンとホルムアルデヒドの部分縮合生成物を使用してもよい。また、前記メチロール尿素アルキルエーテル類としては、前記尿素とホルムアルデヒドの縮合生成物のメチロール基の一部又は全部にアルコール類を反応させて得られるものであり、その具体例としては、モノメチロール尿素メチルエーテル、ジメチロール尿素メチルエーテルなどを使用してもよい。前記メチロールメラミンアルキルエーテル類としては、前記メラミンとホルムアルデヒドの縮合生成物のメチロール基の一部又は全部にアルコール類を反応させて得られるものであり、その具体例としては、ヘキサメチロールメラミンヘキサメチルエーテル、ヘキサメチロールメラミンヘキサブチルエーテルなどを使用してもよい。さらに、前記メラニン系架橋剤としては、メラミンのアミノ基の水素原子がヒドロキシメチル基及びメトキシメチル基に置換された構造の化合物、メラミンのアミノ基の水素原子がブトキシメチル基及びメトキシメチル基に置換された構造の化合物などを使用してもよいが、特に、前記メチロールメラミンアルキルエーテル類を使用することが好ましい。
【0033】
前記密着性増感剤を使用する場合、その含量は、本発明の一実施形態によるインク組成物100質量部に対して、0.01〜5質量部使用することが好ましく、0.5〜2.5質量部使用することがより好ましい。前記範囲内であれば、本発明の一実施形態によるインク組成物は、下部基板との優れた密着性を有し、その後のエッチング工程でパターン下部のメタル層を保護する役割を果たす。
【0034】
また、前記視認性化合物は、染料、顔料、又は感光性化合物を使用してインク組成物の視認性を確保することができ、前記高分子樹脂と共に溶解してパターン転写能力を高める一方、所望の基板との接着力の確保を容易にする作用をする。
【0035】
前記視認性化合物としては、ジアジド系化合物として、トリヒドロキシベンゾフェノンと2−ジアゾ−1−ナフトール−5−スルホン酸をエステル化反応させて製造された2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホネート、テトラヒドロキシベンゾフェノンと2−ジアゾ−1−ナフトール−5−スルホン酸をエステル化反応させて製造された2,3,4,4−テトラヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホネートなどを、単独又は混合して使用してもよい。
【0036】
前記視認性化合物を使用する場合、その含量は、本発明の一実施形態によるインク組成物100質量部に対して、0.001〜3.0質量部使用することが好ましく、0.001〜2.0質量部使用することがより好ましい。
【0037】
前記のように構成される本発明の一実施形態によるインク組成物は、インプリントリソグラフィ及びロールプリント工程を利用したパターン形成に適用されて、基板に高精度な微細パターンを形成することができる。
【0038】
特に、本発明の一実施形態によるインク組成物は、約90〜250℃の高温にも耐えられる高分子樹脂及び添加剤を含むことにより、微細パターンの転写率に優れ、高精度な微細パターンが得られるが、これを比較例と比較して詳細に説明する。
【0039】
図1は、添加剤を変えて製造した実施例1、2及び比較例1、2のインク組成物を比較して示す表であり、単位は質量部である。
図1に示すように、実施例1、2及び比較例1、2のインク組成物は、高分子樹脂、有機溶媒、界面活性剤、及び密着性増感剤として、ノボラック樹脂、エタノール、シリコン系界面活性剤、及びヘキサメチロールメラミンヘキサメチルエーテルを使用し、添加剤としては、それぞれメチルガレート、プロピルガレート、2,4−ジメチルフェノール、ロジン類を使用した。
【0040】
ここで、実施例1、2及び比較例1、2のインク組成物の全ては、インク組成物100質量部に対して、高分子樹脂、添加剤、有機溶媒、界面活性剤、及び密着性増感剤をそれぞれ10.0、10.0、80.0、1.0、及び3.0質量部含むようにした。
【0041】
前記のように製造した実施例1、2及び比較例1、2のインク組成物の物性を次のような方法で評価した。
まず、パターンのないシリコン高分子上に実施例1、2及び比較例1、2のインク組成物をコーティングして10秒間自然乾燥させた後、シリコン高分子がクリシェを通過するようにして基板上に微細パターンを転写し、パターン転写率を測定した。
【0042】
図2は、図1による実施例1、2及び比較例1、2のインク組成物のパターン転写率を比較して示す表であり、パターン転写率は、1×1mmの大きさを有するセル100個におけるパターン形成の有無によって0〜100%で示す。
図2に示すように、実施例1、2のパターン転写率はそれぞれ98%、97%であるのに対して、比較例1、2のパターン転写率はそれぞれ85%、79%であることが分かる。
つまり、本発明の一実施形態による高耐熱性添加剤を使用した実施例1、2のインク組成物は、パターン転写率が97%以上と優れていることを確認することができる。
【0043】
また、微細パターンの精度を測定するためには、まず、パターンのないシリコン高分子上に実施例1、2及び比較例1、2のインク組成物をコーティングして所定時間自然乾燥させた後、シリコン高分子がクリシェを通過するようにして基板上に微細パターンを転写し、次に、微細パターンが転写された基板を200℃の高温で3分間熱処理した後、光学顕微鏡によりパターンの精度を確認した。その結果をそれぞれ図3〜図6に示す。
【0044】
図3及び図4は、それぞれ本発明の実施例1及び実施例2により製造したインク組成物を用いて形成した微細パターンの熱処理工程後の表面を示す光学顕微鏡写真であり、図5及び図6は、それぞれ比較例1及び比較例2により製造したインク組成物を用いて形成した微細パターンの熱処理工程後の表面を示す光学顕微鏡写真である。
【0045】
まず、本発明の実施例1及び実施例2によるインク組成物は、図3及び図4に示すように、均一なパターンを形成して熱処理前後のパターンの線幅の変化がないことを確認することができ、パターンの精度が高いことが分かる。
これに対して、比較例1及び比較例2の場合は、図5及び図6に示すように、熱処理前後のパターンの線幅の変化が激しいことを確認することができ、パターンの精度が低いことが分かる。
【0046】
このような特徴を有する本発明の一実施形態によるインク組成物は、インプリントリソグラフィ及びロールプリント工程に用いられ、情報記憶素子、小型センサ、光結晶及び光学素子、マイクロ電子機械素子、表示素子、ディスプレイ、並びに半導体に適用される微細パターンを形成することができるが、これを以下の液晶表示装置の製造方法を例に挙げて詳細に説明する。
【0047】
図7は、本発明によるインク組成物を用いた液晶表示装置の製造方法を順次示すフローチャートであり、液晶滴下方式で液晶層を形成する場合の液晶表示装置の製造方法を示す。しかしながら、本発明は、これに限定されるものではなく、液晶注入方式で液晶層を形成する場合の液晶表示装置の製造方法にも適用可能である。
【0048】
液晶表示装置の製造工程は、大きく下部のアレイ基板に駆動素子を形成する駆動素子アレイ工程と、上部のカラーフィルタ基板にカラーフィルタを形成するカラーフィルタ工程と、セル工程とに分けられる。
まず、駆動素子アレイ工程で、アレイ基板に配列されて画素領域を定義する複数のゲートライン及びデータラインを形成し、前記画素領域のそれぞれに前記ゲートライン及びデータラインに接続する駆動素子である薄膜トランジスタを形成する(S101)。また、前記駆動素子アレイ工程で、前記薄膜トランジスタに接続されて該薄膜トランジスタを介して信号が供給されることによって液晶層を駆動する画素電極を形成する。
【0049】
また、カラーフィルタ基板には、カラーフィルタ工程で、カラーを実現する赤、緑、青のサブカラーフィルタから構成されるカラーフィルタ層と共通電極を形成する(S103)。
【0050】
前記駆動素子アレイ工程及びカラーフィルタ工程では様々な微細パターンが形成されるが、ここで、本発明の一実施形態によるインク組成物を用いたインプリントリソグラフィ及びロールプリント工程を利用することができ、これを図8A〜図8Dを参照して詳細に説明する。
【0051】
一方、前記アレイ基板及びカラーフィルタ基板は、大面積の母基板からなる。つまり、大面積の母基板に複数のパネル領域が形成され、前記各パネル領域に駆動素子である薄膜トランジスタ及びカラーフィルタ層が形成される。
【0052】
図8A〜図8Dは、本発明によるインク組成物を用いてインクパターンを形成する過程を順次示す断面図であり、ロールプリント工程を例に示す。しかしながら、本発明は、ロールプリント工程に限定されるものではなく、インプリントリソグラフィ工程でインクパターンを形成する場合にも適用可能である。
【0053】
まず、図8Aに示すように、対象インクパターンと実質的に同一の印刷溝102パターンを有する印刷板101を準備する。次に、インク供給装置104から印刷板101上に溶媒(溶剤)を含むインク103を供給する。
図には詳細に示していないが、ロールプリント装置は、対象基板に様々なインクパターンを印刷するために使用される装置であり、印刷板101と、印刷板101にインク103を供給するインク供給装置104と、印刷板101に充填されたインク103を対象基板に転写する転写シートを備える転写ローラとを含む。
【0054】
ここで、印刷板101は、その上面に目的とする対象インクパターンを形成するための複数の印刷溝102パターンを備え、印刷溝102パターンは、対象インクパターンと実質的に同一の形状を有する。
【0055】
インク供給装置104は、例えばスピン塗布、ローラ塗布、スリット塗布などの適当な方法を用いて、印刷板101上に0.5〜10μmの厚さにインク103を塗布する。
ここで、本発明の一実施形態によるインク103を構成するインク組成物は、高分子樹脂5〜45質量部と、添加剤5〜45質量部と、有機溶媒50〜90質量部とを含み、特に、熱的安定性を維持する添加剤を5〜45質量部含むことにより、優れた耐熱性及びパターン形成能力を有し、またパターン転写率を高めて収率の改善及び工程の効率化が実現できることを特徴とする。
【0056】
次に、図8Bに示すように、ブレード130を利用して、印刷板101上に塗布されたインク103を印刷溝102内に充填する。つまり、インク103が供給された印刷板101上にブレード130を配置し、印刷板101の上面に接触させた状態で一方向に移動させると、印刷板101の上面に供給されたインク103が進行方向に押されて印刷溝102内に充填される。また、印刷溝102内のインク103を除く印刷板101上面のインク103は、ブレード130により除去される。ここで、印刷板101の上面に残留するインク103を確実に除去するために、除去用ブレード(図示せず)をさらに備えてもよい。
【0057】
次に、図8Cに示すように、インク103が充填された印刷板101の上面で、転写シート155が備えられた転写ローラ150を回転させると、印刷溝102に充填されたインク103が転写ローラ150の転写シート155に転写される。
転写ローラ150は、例えば円筒状に形成され、外面が転写シート155で覆われている。転写シート155は、インク103との接着性に優れた材質、例えば親水性に優れたシリコンからなる。また、転写シート155は、印刷板101からの転写及び対象基板への再転写を容易にするために、弾性を有するようにしてもよい。
【0058】
次に、図8Dに示すように、対象基板110の上面で転写ローラ150を一方向に回転させて、転写シート155に転写されたインクを対象基板110に再転写することにより、所定のインクパターン120を形成する。
このとき、転写ローラ150が回転することによって転写ローラ150を覆っている転写シート155が対象基板110の上面に接触するように、転写ローラ150と下部フレーム(図示せず)との間隔を調節することができる。ここで、転写ローラ150の転写シート155が対象基板110の上面に必ずしも接触する必要はないが、少なくとも前記印刷板から転写シート150に転写されたインクが対象基板110の上面に接触する程度の距離は維持されなければならない。
【0059】
次に、図示していないが、紫外線を利用して光硬化工程を行ってもよく、90〜200℃の温度で熱処理する熱硬化工程を行ってもよく、光硬化工程と熱硬化工程を並行して行ってもよい。ここで、熱処理工程は、インク組成物のうち固体成分を熱分解することなく溶媒を蒸発させるために行う工程である。一般に、熱処理工程で溶媒の濃度を最小限に抑えることが好ましく、厚さ10μm以下のインク膜が基板に残るように行うことが好ましい。
【0060】
このような工程はインク膜と基板との接着性及び耐化学性を向上させる。前記工程が完了した基板を腐食溶液又は気体プラズマで処理することで基板の露出した部位を処理する。このとき、基板の露出していない部位はインク膜により保護される。このように基板を処理した後、適切なストリッパでインク膜を除去することにより、基板に微細パターンを形成することができる。
【0061】
次に、前記カラーフィルタ基板及びアレイ基板にそれぞれ配向膜を印刷した後、前記カラーフィルタ基板と前記アレイ基板との間に形成される液晶層の液晶分子に配向規制力又は表面固定力(すなわち、プレチルト角及び配向方向)を提供するために、前記配向膜を配向処理する(S102、S104)。
【0062】
その後、液晶滴下方式を用いる場合は、前記カラーフィルタ基板にシーラントで所定のシールパターンを形成すると共に、前記アレイ基板に液晶層を形成する(S105、S106)。
【0063】
前記液晶滴下方式は、ディスペンサを利用して、複数のアレイ基板が配置された大面積の第1母基板又は複数のカラーフィルタ基板が配置された大面積の第2母基板の画像表示領域に液晶を滴下及び分配し、前記第1、第2母基板を貼り合わせる圧力で液晶を前記画像表示領域全体に均一に分布させることにより、液晶層を形成する方式である。
従って、前記液晶表示パネルに液晶滴下方式で液晶層を形成する場合は、液晶が前記画像表示領域の外部に漏れることを防止できるように、シールパターンを前記画像表示領域の外郭を囲む閉鎖されたパターンに形成しなければならない。
【0064】
前記液晶滴下方式は、真空注入方式に比べて、短時間で液晶を滴下することができ、液晶表示パネルが大型化する場合も液晶層を非常に迅速に形成することができる。
また、基板上に必要量の液晶のみを滴下するため、真空注入方式のように高価な液晶の廃棄による液晶表示パネルのコスト上昇を防止し、製品の価格競争力を高める。
【0065】
次に、前記のように液晶が滴下されたアレイ基板とシール材が塗布されたカラーフィルタ基板を整列した状態で圧力を加えることにより、前記シール材により前記アレイ基板と前記カラーフィルタ基板を貼り合わせると同時に、滴下された液晶が液晶表示パネル全体に均一に広がるようにする(S107)。このような工程で大面積の母基板(アレイ基板及びカラーフィルタ基板)には液晶層が形成された複数の液晶表示パネルが形成され、前記母基板を加工、切断して複数の液晶表示パネルに分離し、それぞれの液晶表示パネルを検査することにより、液晶表示装置を製造する(S108、S109)。
【符号の説明】
【0066】
101 印刷板
102 印刷溝
103 インク
104 インク供給装置
110 基板
120 インクパターン
130 ブレード
150 転写ローラ
155 転写シート
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高分子樹脂5〜45質量部と、
熱的安定性を維持するために添加する添加剤5〜45質量部と、
有機溶媒50〜90質量部とを含み、
90〜250℃の高温にも耐えることを特徴とするインク組成物。
【請求項2】
インプリントリソグラフィ又はロールプリントを利用したパターン形成に用いられることを特徴とする請求項1に記載のインク組成物。
【請求項3】
前記高分子樹脂は、ノボラック樹脂、アクリル樹脂、及びこれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載のインク組成物。
【請求項4】
前記添加剤は、ペンタエリトリトール、メチルガレート、プロピルガレート、ラウリルガレート、オクチルガレート、メトール、チラミンヒドロクロリド、1−(3−ヒドロキシフェニル)ピペラジン、4−ブロモ−2−(5−イソオキサゾリル)フェノール、4−(イミダゾール−1−イル)フェノール、アピゲニン、2−(4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)フェノール、3−(4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)フェノール、4−(4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)フェノール、4−ニトロ−2−(1H−ピラゾール−3−イル)フェノール、2−(2−ヒドロキシフェニル)−1H−ベンズイミダゾール、4−(4−メチル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)フェノール、1−アミノ−2−ナフトールヒドロクロリド、2,4−ジアミノフェノールジヒドロクロリド、2−アセトアミドフェノール、2−アミノ−3−ニトロフェノール、2−アミノ−4−クロロ−5−ニトロフェノール、2−アミノ−5−ニトロフェノール、3−アミノ−2−ナフトール、3−メトキシチラミンヒドロクロリド、4,7−ジメトキシ−1,10−フェナントロリン、4−アミノ−1−ナフトールヒドロクロリド、4−アミノ−3−クロロフェノールヒドロクロリド、4−アミノフェノールヒドロクロリド、4−トリチルフェノール、8−アミノ−2−ナフトール、バイオチャニンA、クロラニル、ペンタブロモフェノール、ケルセチンジハイドレート、フィセチン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,5−ビス(1,1−ジメチルプロピル)−1,4−ベンゼンジオール、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、トリエチレングリコール−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート、2,2−メチレンビス(4−メチル−6−(1−メチルシクロヘキシル)−フェノール)、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイトからなる群から1種以上選択されることを特徴とする請求項1に記載のインク組成物。
【請求項5】
前記インク組成物100質量部に対して、0.01〜3質量部の界面活性剤をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のインク組成物。
【請求項6】
下部膜に対する密着特性を向上させるために、前記インク組成物100質量部に対して、0.01〜5質量部の密着性増感剤をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のインク組成物。
【請求項7】
前記インク組成物の視認性を確保し、前記高分子樹脂と共に溶解してパターン転写能力を高めるために、前記インク組成物100質量部に対して、0.001〜3.0質量部の視認性化合物をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のインク組成物。
【請求項8】
複数のアレイ基板が配置された母基板及び複数のカラーフィルタ基板が配置された母基板を準備する段階と、
前記アレイ基板にアレイ工程を行い、前記カラーフィルタ基板にカラーフィルタ工程を行う段階と、
前記母基板の表面に配向膜を形成する段階と、
前記母基板にラビング工程を行う段階と、
前記ラビング工程が終わった1対の母基板を貼り合わせる段階と、
前記貼り合わせられた母基板を複数の単位液晶表示パネルに切断する段階とを含み、
前記アレイ工程及びカラーフィルタ工程において、高分子樹脂5〜45質量部と、熱的安定性を維持するために添加する添加剤5〜45質量部と、有機溶媒50〜90質量部とを含み、90〜250℃の高温にも耐えるインク組成物を用いたインプリントリソグラフィ又はロールプリント工程で微細パターンを形成することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
【請求項9】
前記添加剤は、ペンタエリトリトール、メチルガレート、プロピルガレート、ラウリルガレート、オクチルガレート、メトール、チラミンヒドロクロリド、1−(3−ヒドロキシフェニル)ピペラジン、4−ブロモ−2−(5−イソオキサゾリル)フェノール、4−(イミダゾール−1−イル)フェノール、アピゲニン、2−(4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)フェノール、3−(4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)フェノール、4−(4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)フェノール、4−ニトロ−2−(1H−ピラゾール−3−イル)フェノール、2−(2−ヒドロキシフェニル)−1H−ベンズイミダゾール、4−(4−メチル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)フェノール、1−アミノ−2−ナフトールヒドロクロリド、2,4−ジアミノフェノールジヒドロクロリド、2−アセトアミドフェノール、2−アミノ−3−ニトロフェノール、2−アミノ−4−クロロ−5−ニトロフェノール、2−アミノ−5−ニトロフェノール、3−アミノ−2−ナフトール、3−メトキシチラミンヒドロクロリド、4,7−ジメトキシ−1,10−フェナントロリン、4−アミノ−1−ナフトールヒドロクロリド、4−アミノ−3−クロロフェノールヒドロクロリド、4−アミノフェノールヒドロクロリド、4−トリチルフェノール、8−アミノ−2−ナフトール、バイオチャニンA、クロラニル、ペンタブロモフェノール、ケルセチンジハイドレート、フィセチン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,5−ビス(1,1−ジメチルプロピル)−1,4−ベンゼンジオール、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、トリエチレングリコール−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート、2,2−メチレンビス(4−メチル−6−(1−メチルシクロヘキシル)−フェノール)、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイトからなる群から1種以上選択されることを特徴とする請求項8に記載の液晶表示装置の製造方法。
【請求項1】
高分子樹脂5〜45質量部と、
熱的安定性を維持するために添加する添加剤5〜45質量部と、
有機溶媒50〜90質量部とを含み、
90〜250℃の高温にも耐えることを特徴とするインク組成物。
【請求項2】
インプリントリソグラフィ又はロールプリントを利用したパターン形成に用いられることを特徴とする請求項1に記載のインク組成物。
【請求項3】
前記高分子樹脂は、ノボラック樹脂、アクリル樹脂、及びこれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載のインク組成物。
【請求項4】
前記添加剤は、ペンタエリトリトール、メチルガレート、プロピルガレート、ラウリルガレート、オクチルガレート、メトール、チラミンヒドロクロリド、1−(3−ヒドロキシフェニル)ピペラジン、4−ブロモ−2−(5−イソオキサゾリル)フェノール、4−(イミダゾール−1−イル)フェノール、アピゲニン、2−(4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)フェノール、3−(4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)フェノール、4−(4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)フェノール、4−ニトロ−2−(1H−ピラゾール−3−イル)フェノール、2−(2−ヒドロキシフェニル)−1H−ベンズイミダゾール、4−(4−メチル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)フェノール、1−アミノ−2−ナフトールヒドロクロリド、2,4−ジアミノフェノールジヒドロクロリド、2−アセトアミドフェノール、2−アミノ−3−ニトロフェノール、2−アミノ−4−クロロ−5−ニトロフェノール、2−アミノ−5−ニトロフェノール、3−アミノ−2−ナフトール、3−メトキシチラミンヒドロクロリド、4,7−ジメトキシ−1,10−フェナントロリン、4−アミノ−1−ナフトールヒドロクロリド、4−アミノ−3−クロロフェノールヒドロクロリド、4−アミノフェノールヒドロクロリド、4−トリチルフェノール、8−アミノ−2−ナフトール、バイオチャニンA、クロラニル、ペンタブロモフェノール、ケルセチンジハイドレート、フィセチン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,5−ビス(1,1−ジメチルプロピル)−1,4−ベンゼンジオール、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、トリエチレングリコール−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート、2,2−メチレンビス(4−メチル−6−(1−メチルシクロヘキシル)−フェノール)、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイトからなる群から1種以上選択されることを特徴とする請求項1に記載のインク組成物。
【請求項5】
前記インク組成物100質量部に対して、0.01〜3質量部の界面活性剤をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のインク組成物。
【請求項6】
下部膜に対する密着特性を向上させるために、前記インク組成物100質量部に対して、0.01〜5質量部の密着性増感剤をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のインク組成物。
【請求項7】
前記インク組成物の視認性を確保し、前記高分子樹脂と共に溶解してパターン転写能力を高めるために、前記インク組成物100質量部に対して、0.001〜3.0質量部の視認性化合物をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のインク組成物。
【請求項8】
複数のアレイ基板が配置された母基板及び複数のカラーフィルタ基板が配置された母基板を準備する段階と、
前記アレイ基板にアレイ工程を行い、前記カラーフィルタ基板にカラーフィルタ工程を行う段階と、
前記母基板の表面に配向膜を形成する段階と、
前記母基板にラビング工程を行う段階と、
前記ラビング工程が終わった1対の母基板を貼り合わせる段階と、
前記貼り合わせられた母基板を複数の単位液晶表示パネルに切断する段階とを含み、
前記アレイ工程及びカラーフィルタ工程において、高分子樹脂5〜45質量部と、熱的安定性を維持するために添加する添加剤5〜45質量部と、有機溶媒50〜90質量部とを含み、90〜250℃の高温にも耐えるインク組成物を用いたインプリントリソグラフィ又はロールプリント工程で微細パターンを形成することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
【請求項9】
前記添加剤は、ペンタエリトリトール、メチルガレート、プロピルガレート、ラウリルガレート、オクチルガレート、メトール、チラミンヒドロクロリド、1−(3−ヒドロキシフェニル)ピペラジン、4−ブロモ−2−(5−イソオキサゾリル)フェノール、4−(イミダゾール−1−イル)フェノール、アピゲニン、2−(4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)フェノール、3−(4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)フェノール、4−(4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)フェノール、4−ニトロ−2−(1H−ピラゾール−3−イル)フェノール、2−(2−ヒドロキシフェニル)−1H−ベンズイミダゾール、4−(4−メチル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)フェノール、1−アミノ−2−ナフトールヒドロクロリド、2,4−ジアミノフェノールジヒドロクロリド、2−アセトアミドフェノール、2−アミノ−3−ニトロフェノール、2−アミノ−4−クロロ−5−ニトロフェノール、2−アミノ−5−ニトロフェノール、3−アミノ−2−ナフトール、3−メトキシチラミンヒドロクロリド、4,7−ジメトキシ−1,10−フェナントロリン、4−アミノ−1−ナフトールヒドロクロリド、4−アミノ−3−クロロフェノールヒドロクロリド、4−アミノフェノールヒドロクロリド、4−トリチルフェノール、8−アミノ−2−ナフトール、バイオチャニンA、クロラニル、ペンタブロモフェノール、ケルセチンジハイドレート、フィセチン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,5−ビス(1,1−ジメチルプロピル)−1,4−ベンゼンジオール、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、トリエチレングリコール−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート、2,2−メチレンビス(4−メチル−6−(1−メチルシクロヘキシル)−フェノール)、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイトからなる群から1種以上選択されることを特徴とする請求項8に記載の液晶表示装置の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図9】
【公開番号】特開2010−111871(P2010−111871A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−255224(P2009−255224)
【出願日】平成21年11月6日(2009.11.6)
【出願人】(501426046)エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド (732)
【出願人】(502081871)ドンジン セミケム カンパニー リミテッド (62)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月6日(2009.11.6)
【出願人】(501426046)エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド (732)
【出願人】(502081871)ドンジン セミケム カンパニー リミテッド (62)
【Fターム(参考)】
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