説明

インサート成形品及びインサート成形品の製造方法

【課題】インサート成形時に通気性を有する多孔質材料が損傷することを防ぐことにより検査にかかるコストを削減する。
【解決手段】本発明のインサート成形品Mは、通気性を有する多孔質材料からなる内層部材10と、その内層部材10の表裏両側に積層されその積層状態において内層部材10の外周縁部11Aよりも内側に配置されていると共に、内層部材10の表裏両側に一対の通気孔24A,24Bが形成されている外層部材20と、外層部材20の外面に密着する形態でインサート成形された成形部材30とを備え、内層部材10の周縁部11Aは、成形部材30と密着している構成としたところに特徴を有する。このようにすると、両通気孔24A,24Bにより通気性を確保しつつ内層部材10が損傷することを防ぐことができると共に、内層部材10を成形部材30によって直接保持することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通気性を有する多孔質材料からなる内層部材を備えたインサート成形品及びインサート成形品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通気性を有する多孔質材料は、気体の通過を許容するものの、液体や火気等を遮断する目的で使用される。このような多孔質材料からなる内層部材を備えたインサート成形品として、例えば下記特許文献1に記載のものが知られている。このインサート成形品では、内層部材を金型にセットし、この内層部材が上下の金型によって挟まれた状態でインサート成形されることにより、内層部材の外面に密着する形態の成形部材が形成される。
【特許文献1】特開2002−347068公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記インサート成形品では、型閉じ時に内層部材が上下の金型によって直接挟まれるため、内層部材が損傷する等のおそれがある。仮に内層部材の表面に傷等がついてしまうと、液体や火気等を遮断することができなくなるため、別工程で内層部材の外観検査を行う等して品質保証を行う必要がある。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、インサート成形時に通気性を有する多孔質材料が損傷することを防ぐことにより検査にかかるコストを削減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明のインサート成形品は、通気性を有する多孔質材料からなる内層部材と、その内層部材の表裏両側に積層されその積層状態において内層部材の周縁部よりも内側に配置されていると共に、内層部材の表裏両側に一対の通気孔が形成されている外層部材と、外層部材の外面に密着する形態でインサート成形された成形部材とを備え、内層部材の周縁部は、成形部材と密着している構成としたところに特徴を有する。
【0005】
このような構成によると、一対の通気孔及び内層部材を通じてインサート成形品の内外を通気可能としつつ内層部材の表裏両側に外層部材を積層させたから、インサート成形時に内層部材を上下の金型とは非接触状態で保持することが可能となり、内層部材が損傷することを防ぐことができる。したがって、内層部材の外観検査が不要となり、検査にかかるコストを削減することができる。さらに、内層部材の周縁部が成形部材と密着しているから、内層部材を成形部材によって直接保持することができる。
【0006】
本発明の実施の態様として、以下の構成が好ましい。
外層部材は、内層部材の表裏両面にそれぞれ配置された一対の構成部材を組み付けた形態となっている構成としてもよい。
このような構成によると、一対の構成部材によって内層部材を表面側と裏面側の双方から挟むように保持することができる。
【0007】
内層部材の周縁部は、全周に亘って成形部材と密着している構成としてもよい。
このような構成によると、内層部材の周縁部が全周に亘って成形部材と密着しているから、内層部材を成形部材に対して強固に保持することができる。
【0008】
一対の構成部材のうちいずれか一方には、組み付け状態において他方の構成部材に対し通気孔の軸線方向に当接するスペーサ部が形成されており、そのスペーサ部には、組み付け状態において両構成部材間に内層部材を挿通させる挿通孔が通気孔の軸線方向と交差する方向に貫通して形成されている構成としてもよい。
このような構成によると、組み付け状態において一方の構成部材のスペーサ部が他方の構成部材に当接するから、インサート成形時の射出圧によって構成部材同士の間隔が狭まるおそれがなく、内層部材に対して射出圧に起因する押圧力が付与されることを防止できる。また、組み付け状態において内層部材を挿通孔から両構成部材間に挿通させることができる。
【0009】
一対の構成部材のうちいずれか一方には、組み付け状態において他方の構成部材に対し通気孔の軸線方向と交差する方向から当接する外壁が形成されており、その外壁には、組み付け状態において両構成部材間に内層部材を進入させる進入孔が通気孔の軸線方向と交差する方向に貫通して形成されている構成としてもよい。
このような構成によると、組み付け状態において一方の構成部材の外壁が他方の構成部材に当接するから、インサート成形時の射出圧によって構成部材同士が通気孔の軸線方向と交差する方向に位置ずれするおそれがなく、構成部材同士の位置ずれ不良を防ぐことができる。また、組み付け状態において内層部材を進入孔から両構成部材間に進入させることができる。
【0010】
また、上記したインサート成形品の製造方法としては、通気性を有する多孔質材料からなる内層部材と、その内層部材の表裏両側に積層されその積層状態において内層部材の周縁部よりも内側に配置されていると共に、内層部材の表裏両側に一対の通気孔が形成されている外層部材とを金型にセットし、インサート成形により、内層部材の周縁部に接触しつつ外層部材の外面に密着する形態の成形部材を成形してもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、インサート成形時に通気性を有する多孔質材料が損傷することを確実に防ぎ、もって検査にかかるコストを低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図4の図面を参照しながら説明する。本実施形態におけるインサート成形品Mは、図1に示すように、内層部材10と、外層部材20と、成形部材30とを備えて構成され、例えば、燃料電池自動車の水素の濃度と流量を検出するセンサの構成部品として用いられる。
【0013】
内層部材10は、通気性を有する多孔質材料によって構成され、多数個の金属製の丸粒(図示せず)を焼結して固めたものであって、丸粒同士の間には空気の流通を許容する微小空間が空いているが、火気は遮断するようになっており、フレームアレスタとして使用される。この内層部材10は、全体として円板形をなし、詳しくは、肉厚で径の大きい円形の本体部11と、本体部11よりも肉薄で且つ本体部11よりも小径であって本体部11と同心の円形をなす位置決め部12とからなる。
【0014】
外層部材20は、合成樹脂製または金属製からなる一対の構成部材21A,21Bによって構成されている。両構成部材21A,21Bのうち第1構成部材21Aは、図2に示すように、本体部11の裏面側(図2の下側の面)に積層され、第2構成部材21Bは、本体部11の表面側(図2の上側の面)に積層されている。このように両構成部材21A,21Bが本体部11の表裏両面に積層されたものをインサート品Pとし、このインサート品Pが後述する金型40にセットされる。
【0015】
第1構成部材21Aは円板形状をなし、この円板部の中央には同心円形の第1通気孔24Aが形成されている。第1通気孔24Aの内径は内層部材10の位置決め部12の外径と同じかそれよりも僅かに大きい寸法となっている。また、第1構成部材21Aの板厚寸法は、本体部11からの位置決め部12の突出寸法よりも大きい寸法となっている。また、第1構成部材21Aの外径は、内層部材10の本体部11の外径よりも小さい寸法となっている。すなわち、第1構成部材21Aは、本体部11の裏面において全周に亘って本体部11の外周縁部11Aよりも内側に配置されている。
【0016】
第2構成部材21Bは円板形状をなし、この円板部の中央には同心円形の第2通気孔24Bが形成されている。第2通気孔24Bの内径は、第1通気孔24Aよりも少し大きい寸法であって第1通気孔24Aと同心円をなしている。このため、両通気孔24A,24B及び内層部材10を通じてインサート成形品Mの内外を通気可能である。また、第2構成部材21Bの板厚寸法は、第1構成部材21Aの板厚寸法とほぼ同じ寸法となっている。また、第2構成部材21Bの外径は、第1構成部材21Aの外形とほぼ同じ寸法となっている。すなわち、第2構成部材21Bは、本体部11の表面において全周に亘って本体部11の外周縁部11Aよりも内側に配置されている。
【0017】
成形部材30は、上面が開放された受け皿状をなし、上下に貫通する2つの円形孔31が左右に並べて形成されている。この成形部材30には、その上面の開口部を塞ぐようにカバー(図示せず)が組み付けられ、成形部材30とカバーによって囲まれた空間内には図示しないセンサ本体等の機器が収容されるようになっている。かかる成形部材30には、インサート成形により上記インサート品Pが円形孔31を塞ぐような形態で一体化されている。
【0018】
金型40は、成形部材30の内面を成形する上型41と、成形部材30の外面のうち下型42と非対応の領域を成形する左右一対のスライド型43,44とから構成されている。下型42には、第1構成部材21Aの下面のうち周縁部を除いた円環形領域に密着する第1食い切り面45Aと、第1通気孔24Aに嵌合される第1嵌合部46Aとが形成されている。一方、上型41Aには、第2構成部材21Bの上面のうち周縁部を除いた円環形領域に密着する第2食い切り面45Bと、第2通気孔24Bに嵌合される第2嵌合部46Bとが形成されている。
【0019】
インサート品Pを金型40にセットすると、図4に示すように、第1嵌合部46Aと第2嵌合部46Bが、それぞれ、第1通気孔24Aと第2通気孔24Bに嵌合することにより、インサート品Pが金型40に対して水平方向(両通気孔24A,24Bの中心を通る軸線と直角な方向)へ移動することを規制可能である。また、第1食い切り面45Aと第2食い切り面45Bが、それぞれ、第1構成部材21Aと第2構成部材21Bに当接して、上型41と下型42との間でインサート品Pが金型40に対して上下方向(両通気孔24A,24Bの中心を通る軸線の方向)へ移動することを規制可能である。これにより、インサート品Pが金型40に対して位置決めされる。
【0020】
この状態で、金型40の充填空間47内に溶けた樹脂を注入する。ここで、インサート品Pのうち充填空間47内に露出しているのは、内層部材10の本体部11の外周縁部11Aと両構成部材21A,21Bの外周縁部のみである。一方、インサート品Pのうち内層部材10が露出する第1通気孔24Aと第2通気孔24Bは、第1食い切り面45Aと第2食い切り面45Bが第1構成部材21Aと第2構成部材21Bに当接することによって、樹脂の充填空間47から遮断されている。このため、溶けた樹脂を内層部材10の本体部11の外周縁部11Aと両構成部材21A,21Bの外周縁部の双方に密着させることができる。したがって、内層部材10の本体部11の外周縁部11Aと両構成部材21A,21Bの外周縁部の双方に密着する形態の成形部材30が成形され、もって、インサート成形品Mの製造が完了する。
【0021】
以上のように本実施形態では、内層部材10の本体部11の外周縁部11Aに成形部材30が密着する形態としたので、内層部材10を成形部材30によって直接保持することができる。また、両通気孔24A,24Bによって内層部材10の通気性を確保しつつ内層部材10の表裏両側に外層部材20を積層させたから、インサート成形時に内層部材10を上下両型41,42とは非接触状態で保持することが可能となり、内層部材10が損傷することを防ぐことができる。したがって、内層部材10の外観検査が不要となり、検査にかかるコストを削減することができる。
【0022】
また、外層部材20は、内層部材10の本体部11の表裏両面にそれぞれ配置された一対の構成部材21A,21Bを組み付けた形態としたから、一対の構成部材21A,21Bによって内層部材10の本体部11を表面側と裏面側の双方から挟むように保持することができる。さらに、内層部材10の本体部11の外周縁部11Aは、全周に亘って成形部材30と密着しているから、内層部材10を成形部材30に対して強固に保持することができる。
【0023】
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2を図5ないし図8によって説明する。本実施形態におけるインサート成形品Mは、実施形態1における外層部材20の構成を一部変更したものであって、共通する構成については同一符号を用いるものとし、その構成、作用、及び効果については説明を省略する。
【0024】
本実施形態における外層部材50は、合成樹脂製または金属製からなる一対の構成部材51A,51Bによって構成されている。両構成部材51A,51Bのうち第1構成部材51Aは、図5に示すように、本体部11の裏面側(図5の下側の面)に積層され、第2構成部材51Bは、本体部11の表面側(図5の上側の面)に積層されている。このように両構成部材51A,51Bが本体部11の表裏両面に積層された状態のものをインサート品Pとし、このインサート品Pが後述する金型40にセットされる。
【0025】
第1構成部材51Aは、第1円板部52Aと、この第1円板部52Aの外周縁から立ち上がる第1周壁部(本発明の「外壁」の一例)53Aとからなる。第1円板部52Aには同心円形の第1通気孔54Aが形成されている。第1通気孔54Aの内径は内層部材10の位置決め部12の外径と同じかそれよりも僅かに大きい寸法となっている。また、第1円板部52Aの板厚寸法は、本体部11からの位置決め部12の突出寸法よりも大きい寸法となっている。
【0026】
一方、第2構成部材51Bは、第2円板部52Bと、この第2円板部52Bの両端から立ち上がる一対の第2周壁部(本発明の「スペーサ部」の一例)53Bとからなる。第2円板部52Bには同心円形の第2通気孔54Bが形成されている。第2通気孔54Bの内径は、第1通気孔54Aよりも少し大きい寸法であって第1通気孔54Aと同心円をなしている。このため、両通気孔54A,54B及び内層部材10を通じてインサート成形品Mの内外を通気可能である。また、第2円板部52Bの板厚寸法は、第1円板部52Aの板厚寸法とほぼ同じ寸法となっている。また、第2円板部52Bの外径は、第1円板部52Aの外形とほぼ同じ寸法となっている。
【0027】
第2周壁部53Bは、両構成部材51A,51Bの組み付け状態において第1円板部52Aに対し上下方向に当接する。さらに、第2周壁部53Bには、両構成部材51A,51Bの組み付け状態において両円板部52A,52B間に内層部材10を挿通させる挿通孔55が形成されている。一方、第1周壁部53Aは、両構成部材51A,51Bの組み付け状態において第2周壁部53Bの外側面に対し水平方向から当接する。さらに、第1周壁部53Aにおける挿通孔55と対応する位置には、両構成部材51A,51Bの組み付け状態において挿通孔55を通じて両円板部52A,52B間に内層部材10を進入させる進入孔56が形成されている。
【0028】
第1円板部52Aは、本体部11の裏面においてその外周縁部11Aよりも内側に配置されており、第2円板部52Bは、本体部11の表面においてその外周縁部11Aよりも内側に配置されている。すなわち、第1円板部52Aの外径は、内層部材10の本体部11の外径よりも小さい寸法となっており、第2円板部52Bの外径は、内層部材10の本体部11の外径よりも小さい寸法とされている。したがって、第1構成部材51Aと第2構成部材51Bを組み付けた状態としておき、進入孔56及び挿通孔55を通じて両円板部52A、52B間に内層部材10を挿入すると、内層部材10の本体部11の外周縁部11Aの両端部が第1周壁部53Aから水平方向に突出した状態となる。
【0029】
このため、インサート品Pが金型40にセットされた状態では、内層部材10の本体部11の外周縁部11Aは、図6に示すように、充填空間47内に露出した状態となる。このため、図7に示すように、溶けた樹脂を内層部材10の本体部11の外周縁部11Aと両円板部52A,52Bの外周面と第1周壁部53Aの外周縁部とに密着させることができる。したがって、内層部材10の本体部11の外周縁部11Aと外層部材50の外周縁部の双方に密着する形態の成形部材30が成形され、もって、インサート成形品Mの製造が完了する。
【0030】
以上のように本実施形態では、組み付け状態において第2構成部材51Bの第2周壁部53Bが第1円板部52Aに対し上下方向に当接するから、インサート成形時の射出圧によって構成部材同士51A,51Bの間隔が狭まるおそれがなく、内層部材10に対して射出圧に起因する押圧力が付与されることを防止できる。また、組み付け状態において内層部材10を挿通孔55から両円板部52A,52B間に挿通させることができる。
【0031】
また、組み付け状態において第1構成部材51Aの第1周壁部53Aが第2周壁部53Bの外側面に対し水平方向に当接するから、インサート成形時の射出圧によって構成部材同士51A,51Bが水平方向に位置ずれするおそれがなく、構成部材同士51A,51Bの位置ずれ不良を防ぐことができる。また、組み付け状態において内層部材10を進入孔56及び挿通孔55から両円板部52A,52B間に進入させることができる。
【0032】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)本実施形態では外層部材として一対の構成部材を組み付けた形態としているものの、本発明によると、外層部材として一対の構成部材が一体に形成された形態としてもよい。
【0033】
(2)実施形態2ではスペーサ部として第2周壁部53Bを設けているものの、本発明によると、必ずしもスペーサ部を設けなくてもよく、内層部材10を第1構成部材51Aに組み付けておき、その後、内層部材10の表面に第2構成部材51Bの第2円板部52Bを積層してもよい。ただし、この場合には、上型41を第1周壁部53Aで受けるようにすることで、内層部材10に対して型閉じに起因する押圧力が付与されることを防止できる。
【0034】
(3)本実施形態では一対の構成部材を両通気孔の中心を通る軸線の方向に組み付けるようにしているものの、本発明によると、一対の構成部材を略半円弧状として、通気孔の径方向に接近させて組み付けるようにしてもよい。
(4)本実施形態では内層部材10を金属製の丸粒を焼結したものとしているものの、本発明によると、内層部材10が合成樹脂製の通気膜であってもよい。
【0035】
(5)本実施形態では内層部材10を円形としているものの、本発明によると、内層部材10は非円形であってもよい。
(6)本実施形態では内層部材10を通気方向の厚さ寸法が小さい板状としているものの、本発明によると、内層部材10は通気方向の厚さ寸法が大きいブロック状であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】実施形態1におけるインサート成形品の底面図
【図2】そのインサート成形品の断面図
【図3】その内層部材と外層部材を金型にセットした状態を示した断面図
【図4】そのインサート成形が完了した状態を示した断面図
【図5】実施形態2におけるインサート成形品の断面図
【図6】その内層部材と外層部材を金型にセットした状態を示した断面図
【図7】そのインサート成形が完了した状態を示した断面図
【図8】その内層部材に一対の構成部材を組み付ける前の状態を示した断面図
【符号の説明】
【0037】
10…内層部材
11A…本体部の外周縁部
20,50…外層部材
21A,51A…第1構成部材
21B,51B…第2構成部材
24A,54A…第1通気孔
24B,54B…第2通気孔
30…成形部材
40…金型
52A…第1円板部
52B…第2円板部
53A…第1周壁部(外壁)
53B…第2周壁部(スペーサ部)
55…挿通孔
56…進入孔
M…インサート成形品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通気性を有する多孔質材料からなる内層部材と、
その内層部材の表裏両側に積層されその積層状態において前記内層部材の周縁部よりも内側に配置されていると共に、前記内層部材の表裏両側に一対の通気孔が形成されている外層部材と、
前記外層部材の外面に密着する形態でインサート成形された成形部材とを備え、
前記内層部材の周縁部は、前記成形部材と密着していることを特徴とするインサート成形品。
【請求項2】
前記外層部材は、前記内層部材の表裏両面にそれぞれ配置された一対の構成部材を組み付けた形態となっていることを特徴とする請求項1に記載のインサート成形品。
【請求項3】
前記内層部材の周縁部は、全周に亘って前記成形部材と密着していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のインサート成形品。
【請求項4】
前記一対の構成部材のうちいずれか一方には、組み付け状態において他方の構成部材に対し前記通気孔の軸線方向に当接するスペーサ部が形成されており、そのスペーサ部には、組み付け状態において前記両構成部材間に前記内層部材を挿通させる挿通孔が前記通気孔の軸線方向と交差する方向に貫通して形成されていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のインサート成形品。
【請求項5】
前記一対の構成部材のうちいずれか一方には、組み付け状態において他方の構成部材に対し前記通気孔の軸線方向と交差する方向から当接する外壁が形成されており、その外壁には、組み付け状態において前記両構成部材間に前記内層部材を進入させる進入孔が前記通気孔の軸線方向と交差する方向に貫通して形成されていることを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれか一項に記載のインサート成形品。
【請求項6】
通気性を有する多孔質材料からなる内層部材と、その内層部材の表裏両側に積層されその積層状態において前記内層部材の周縁部よりも内側に配置されていると共に、前記内層部材の表裏両側に一対の通気孔が形成されている外層部材とを金型にセットし、
インサート成形により、前記内層部材の周縁部に接触しつつ前記外層部材の外面に密着する形態の成形部材を成形することを特徴とするインサート成形品の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2009−113276(P2009−113276A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−287317(P2007−287317)
【出願日】平成19年11月5日(2007.11.5)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【Fターム(参考)】