説明

インシュレーション材及びその製造方法

【課題】
固体ロケットモータの高性能化の観点から、モーターケースの内側に断熱材として使用されるインシュレーション材の気密性、機械的物性とアブレーション特性の向上。
【解決手段】
少なくとも加硫可能な固形状エラストマー、液状添加物、及びフィラーを含むインシュレーション材の製造方法であって、(1) 液状添加物にフィラーを加え、混和するステップ、(2) (1)のステップの後に固形状エラストマーを加え混和することによりエラストマー組成物を得るステップ、及び(3) 当該エラストマー組成物をシート状に圧延するステップを含むことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体ロケットモータのモーターケース内面に設けられるインシュレーション材及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
固体ロケットモータは、固体燃料(固体推進薬ともいう)によって推進力を発生するロケットエンジンであって、防衛用ロケット弾、ミサイル、あるいは人工衛星打ち上げ用ロケットの推進機関、観測用ロケット、あるいは姿勢制御用ロケット等として広く利用されている。
【0003】
固体ロケットは、モーターケース、固体推進薬、ノズル、点火器、そして断熱材から構成され、点火器によってモーターケースの内部に充填された固体推進薬が点火されると、モーターケース内部に高温、高圧の燃焼ガスが発生し、この燃焼ガスがノズルから高速で流出することにより推進力が発生する。この高温、高圧、高速の燃焼ガスからモーターケースを熱的に保護する目的で使用されるのが断熱材であり、この断熱材のことを一般的にインシュレーション材と呼んでいる。
【0004】
固体ロケットモータのモーターケースの内面に設けられるインシュレーション材は、固体推進薬の燃焼中に発生する高温、高圧、高速の燃焼ガスからモーターケースを熱的に保護するために使用されるものである。このインシュレーション材は固体ロケットモータの推進力の発生に寄与するものではないため、固体ロケットモータの高性能化を図るためには、極限までその軽量化を図る必要がある。また、インシュレーション材はモーターケースと固体推進薬の間に存在して、固体推進薬をモーターケース内に保持するための仲介材としての機能をも果たすものであるため、適切な強度、伸びを有していることが求められると共に、モーターケースとインシュレーション、インシュレーションと固体推進薬の間において十分な強度を有する接着層を形成できるもの、気密性が高いものが求められている。
【0005】
従って、インシュレーション材として要求される特性としては、断熱性に優れていること、焼失しにくいものであること、強度・伸びが高いこと、低密度であること、アブレーション速度が低くアブレーション特性に優れることが挙げられる。また、モーターケースへインシュレーション材を加硫接着する際の施工性の観点から、シーティング性が良好であること、貼り付け作業性が良好であることが挙げられる。更に、モーケースと推進薬との間での接着性が良好であること、気密性に優れたものであることが求められる。
【0006】
ここで、アブレーションとは、高温、高圧、高速の燃焼ガスにインシュレーションが晒された際に、この燃焼ガスによってインシュレーション材が熱分解され、この熱分解された比較的低温の分解ガスがインシュレーション材の表面に低温の境界層を形成すること、インシュレーション材がもともと有する断熱特性との相乗効果によってモーターケース等を熱保護するメカニズムをいう。また、アブレーション速度とは、高温、高圧、高速の燃焼ガスにインシュレーション材が晒されたときに、インシュレーション材が焼損して侵食される単位時間当たりの厚さと、熱分解を起して炭化する単位時間当たりの厚さを加え合わせた単位時間当たりの厚さのことを言う。
【0007】
従来、固体ロケットモータのインシュレーション材には、耐熱性、アブレーション特性を高め、補強効果を得るためにフィラーを混入させるのが一般的であり、このフィラーとしては、無機質繊維であってブレーキライニングやパッキンシート、あるいは耐火被覆や吸音・断熱用建材として使用されてきたアスベスト(石綿; クリソタイル Mg3Si2(OH)4O5)繊維が使用されていた。
【0008】
しかしながら、チョップ状アスベスト繊維とゴムは混練及び層形成作業に長時間を要するという問題点があり、またアスベスト繊維は約600℃以上になると結晶水が飛散してしまい、Mg3Si2粉となるため、ロケットモータの燃焼ガスによって大気汚染を引き起こすという問題は生じないものの、作業時にはアスベスト繊維が飛散して作業環境を悪化させるおそれがあり、フィラーとしてアスベスト繊維を使用することが困難になってきた。
【0009】
そこで、アスベスト繊維の代替品として、有機質繊維であってアブレーション特性に優れた芳香族ポリアミド繊維(アラミド繊維と略称されているもの)をフィラーとして使用したインシュレーション材が開発されている(例えば、特開平3-21596参照)。
【特許文献1】特開平3−21596
【特許文献2】特開平2−33457
【特許文献3】特開平5−125994
【特許文献4】特開平3−202664
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところが、有機質繊維であるアラミド繊維は、ゴムとの結合力が弱く、インシュレーション材としてのアブレーション特性を向上させるためにはゴムに対するフィラー(アラミド繊維)の含有量を高める必要がある一方、フィラーのベースゴムへの混錬性(混合性、分散性)が悪く、そのため、フィラーの含有量を高めていくとインシュレーション材として必要な強度及び気密性を得ることができなくなっていた。しかし、この混錬性を改善し、適切な強度を確保しつつフィラーの含有量を高めたとしても、十分なアブレーション特性及び気密性は得られておらず、更なる性能の向上が求められていた。
【0011】
従来、インシュレーション材のEPDM生ゴムシートの製造方法はまず、固形ゴム、液状ゴム、アラミド繊維、その他の添加物を加えてこれらを同時に混和するという工程をとっていた。しかしながら、固形ゴムは混練性が悪く、混合した際にフィラー(アラミド繊維)がゴム中に分散せず団塊状に存在してしまう。団塊状フィラー内にはゴム成分が浸透しにくく、ゴム中の気泡及び亀裂等の発生原因ともなり、また、インシュレーション材の表面に気密膜がうまく形成されにくくなり、気密性を損ねてしまう。すなわち、シートの板厚方向に通気性を生じ、気密性を損なう恐れがあった。かかる気密性はロケットの性能上問題となるものであり、通気性を排除したインシュレーション材、さらにはアブレーション特性を向上させたインシュレーション材の開発が望まれていた。
【0012】
また、気密膜がうまく形成していないとモーターケースの耐圧試験時に、内部に水分が浸透する恐れがある。かかる水分は推進薬と相互作用して悪影響を及ぼしたり、ロケットの性能自体に重大な欠陥を生じる可能性があり、確実な気密性を有するインシュレーション材の開発が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者らは、従来固形状ゴムとフィラーを混和する際の欠点を解決し、気密性の改善されたインシュレーション材を製造する方法を見出し、本発明を完成するに至った。
【0014】
すなわち本発明は、少なくとも加硫可能な固形状エラストマー、液状添加物、及びフィラーを含むインシュレーション材の製造方法であって、(1) 液状添加物にフィラーを加え、混和するステップ、(2) (1)のステップの後に固形状エラストマーを加え混和することによりエラストマー組成物を得るステップ、及び(3) 当該エラストマー組成物をシート状に圧延するステップを含む方法に関する。
【0015】
また、前記シート状に圧延されたインシュレーション材を複数層重ねて圧延するステップを含む方法に関する。
【0016】
さらに、前記加硫可能な固形状エラストマーがエチレン-プロピレンジエンモノマー、イソプロピレンゴム、天然ゴム、アクリロニトリルブタジエンゴムのいずれか一つまたはこれらの混合物であり、前記液状添加物が液状ブタジエンゴム、液状イソプレンゴム、液状NBRゴム、液状SBRゴム、液状ポリブテン、液状ウレタンゴム、液状軟化剤、液状可塑剤、液状粘着付与剤のいずれか一つまたはこれらの混合物であることを特徴とする方法に関する。
【0017】
また、前記フィラーとして少なくとも芳香族ポリアミド系パルプ状繊維を含むことを特徴とする方法に関する。
【0018】
さらに、少なくとも加硫可能な固形状エラストマー、液状添加物、及びフィラーを含むインシュレーション材であって、(1) 液状添加物にフィラーを加え、混和するステップ、
(2) (1)のステップの後に固形状エラストマーを加え混和することによりエラストマー組成物を得るステップ、及び(3) 当該エラストマー組成物をシート状に圧延するステップからなる方法により製造されることを特徴とする方法に関する。
【0019】
また、前記シート状に圧延されたインシュレーション材を複数層重ねて圧延させたインシュレーション材であることを特徴とする方法に関する。
【0020】
さらに、加硫可能な固形状エラストマーが30〜75重量%、液状添加物が1〜30重量%、フィラーが10〜45重量%の配合比であることを特徴とする方法に関する。
【発明の効果】
【0021】
本発明の方法によると、固形状エラストマーを加える前に液状添加物とフィラーを混和するステップを含み、液体中で混和するためフィラー(アラミド繊維)がゴム中に分散しやすくなる。すなわち、液状添加物がフィラー内部に浸透して団塊状フィラーが生じないという利点を有する。そして、最終的にシート表面には気密性を有する膜を形成することができ、シート全体として気密性を確保することができる。また、フィラーの分散性が増すことで、エラストマーに対するフィラーのアンカー効果が高まり、アブレーション特性が改善される。
【0022】
また、フィラーとしてパルプ状アラミド繊維を使用することにより、エラストマーに対するアンカー効果がさらに高まり、アブレーション特性をさらに高めることができる。
【0023】
さらに、本発明の方法によると、気密性のみならず、物性、アブレーション特性を向上するため、本発明のインシュレーション材はフィラメントワインディング製チャンバー、金属製チャンバーのいずれに用いても効果的である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
固体ロケットモータ用のインシュレーション材は、一般にバインダーとしての機能を果たすエラストマーと、強度等の機械的な物性とアブレーション特性を向上させるフィラーと、種々の機能を果たす添加物とから構成される。本発明ではインシュレーション材は少なくとも加硫可能な固形状エラストマー、液状添加物、及びフィラーを含む。
【0025】
加硫可能な固形状エラストマーとしては、不飽和結合を有し、硫黄架橋を可能としたエチレン-プロピレン-ジエン三元共重合体(以下EPDMという)、ポリイソプレン構造をもつ天然ゴム(以下NRという)、天然ゴムと同じポリイソプレン構造を有し、化学合成されたイソプレンゴム(以下IRという)や、アクリロニトリルとブタジエンの共重合体であるアクリロニトリルブタジエンゴム(以下NBRという)などが使用される。これらのエラストマーは、単独で使用してもよく、各ゴムの持つ利点をそれぞれ利用するために2種以上のゴムをブレンドして使用してもよい。
【0026】
液状添加物としては、液状ブタジエンゴム(以下BRという)(1,2−BR、1,4−BR)、液状IR(1,4−IR)、液状NBRゴム、液状SBRゴム、液状ポリブテン、液状ウレタンゴム、液状軟化剤、液状可塑剤、液状粘着付与剤などが使用される。これらの液状添加物は単独で使用してもよく、2種以上をブレンドして使用してもよい。
【0027】
ここで液状ゴムとは、室温で流動性を持つポリマーであり、液状BR(1,2−BR、1,4−BR)、液状IR(1,4−IR)、液状NBRゴム、液状SBRゴム、液状ポリブテン、液状ウレタンゴム等の種類がある。
【0028】
固形ゴムを加えた場合、フィラーとの混和性が悪く、団塊状となったフィラーの隙間にゴムが浸透し難く気泡ができるという問題を生じるが、液状添加物として液状ゴムを用いてフィラーと混和すると混練性が良く、かかる問題を生じない。すなわち、液状のためフィラーの分散性が向上し、団塊状になりにくく、気泡を生じず、製造性及び気密性を著しく向上させることができる。
【0029】
フィラーとしては、芳香族ポリアミド繊維(アラミド繊維)、芳香族ポリアミド系パルプ状繊維(パルプ状アラミド繊維)、炭素繊維、ガラス繊維、カーボンブラック、アスベスト、粒状シリカなどが使用される。これらは単独で使用してもよく、2種以上をブレンドして使用してもよい。
【0030】
パルプ状アラミド繊維とは、非常に短くかつ高度にフィブリル化された繊維のことをいい、繊維が細かく開裂され極細繊維が集合した状態となり、通常の繊維に比べ、繊維表面が活性化され表面積が飛躍的に増大するという特徴を有している。従って、このようなパルプ状アラミド繊維をインシュレーション材のフィラーとして使用することにより、フィラーとエラストマーとの結合力が高まり強度等の機械的な物性とアブレーション特性を大幅に改善することができる。このようなパルプ状アラミド繊維は、例えばKEVLARドライパルプ(東レ・デュポン社の商標名)、TWARONパルプ(TEIJIN社の商標名)等として市販されている。
【0031】
インシュレーション材に添加する添加物には、鎖状ゴム分子を三次元構造に形成させるための加硫用または架橋用配合剤、ゴム製品の硬度を調整し混錬性、加工性を改善するための軟化剤や可塑剤、ゴムの劣化を防止するための老化防止剤、ゴムの混錬、圧延時等の加工性を改善し、適切な粘着性を得るための加工助剤や粘着付与剤があるが、これらは使用されるエラストマーやフィラーとゴムの製造方法に合った添加物の組み合わせが選択される。
【0032】
軟化剤及び可塑剤としては、鉱物油系軟化剤及び植物油系軟化剤が使用できる。鉱物油系軟化剤はパラフィン系軟化剤、芳香族系軟化剤、ナフテン系軟化剤等があり、植物油系軟化剤としてはステアリン酸などの脂肪酸またはその塩、菜種油、パーム油、ヤシ油などの脂肪油、パインオイル、ロジン、ファクチス(サブ)が挙げられる。老化防止剤としては、アミン系、フェノール系老化防止剤及び硫黄化合物やホスファイト類が二次老化防止剤として使用できる。加工助剤としては、ステアリン酸、ステアリン酸の金属塩、ステアリルアミン、高融点ワックス、低分子量ポリエチレングリコールなどが使用できる。また、粘着付与剤としては、クマロン樹脂、フェノール、テルペン系樹脂、石油系炭化水素樹脂、液状ポリブテン、ロジン誘導体などが使用できる。
【0033】
断熱特性、焼失特性、密度、アブレーション特性、加工性、施工性、接着性等のインシュレーション材として要求される特性の観点から、加硫可能な固形状エラストマー、液状添加物、及びフィラーの配合比を決定する必要がある。
【0034】
加硫可能な固形状エラストマーの配合比はインシュレーション材の全重量に基づいて、好ましくは30〜75重量%であり、より好ましくは40〜70重量%、さらに好ましくは50〜65重量%である。液状添加物の配合比はインシュレーション材の全重量に基づいて、好ましくは1〜30重量%であり、より好ましくは2〜20重量%である。さらに、フィラーの配合比はインシュレーション材の全重量に基づいて、好ましくは10〜45重量%であり、より好ましくは15〜40重量%である。
【0035】
また、本発明のインシュレーション材はゴムシートを複数層に重ねて圧延したものであってもよい。積層構造とすることで、さらに気密性を高めることができる。
【0036】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
【実施例】
【0037】
実施例1
まず液体ゴム、フィラーと液状の添加物をバーバリ型混合機を用いて混練りし、次に、固形ゴム(EPDM及びIR)を混合し、同様にバーバリ型混合機を使用して混練りした。最後に固形の添加物及び加硫剤を加えて、オープンロールを用いて混練りして本発明のインシュレーション材を製造した。得られたゴム生成物はカレンダーロール機を通してシーティングし、さらに重ねて複層化してもよい。
【0038】
比較例1
実施例1と同様の配合比を用いて、液体ゴム、フィラー、液状添加物及び固形ゴムを同時に混合し、バーバリー型混合機を使用して混練りした。最後に固形の添加物及び加硫剤を加えて、オープンロールを用いて混練りして本発明の比較例のインシュレーション材を製造した。
【0039】
表1に本発明の実施例及び比較例におけるインシュレーション材の配合比を示す。

【表1】

【0040】
本発明の方法により製造したインシュレーション材と比較例の気密性試験、フィラーの分散性試験及びアブレーション特性評価試験を行った。
【0041】
(気密性試験)
試験方法:図1は気密性試験を行う際に使用した試験装置の概略図である。ゴム直径100mm、ゴム板厚1mmのインシュレーション材を図1の装置に設置し、空気を透過ガスとして圧力約9.81MPa(100kgf/cm)をかけ、単位時間当たりに漏れる空気の量を水中回収して評価した(ml/hr)。その結果を図3に示す。
【0042】
(分散性試験)
試験方法:混練後のフィラーの分散状態を顕微鏡写真で撮影した。画面の濃淡を画像処理によって分析し、面積率を求めることにより未分散繊維の面積率%を測定した。図3に未分散繊維の面積率%を分散性を表す指標として示す。
【0043】
(アブレーション特性評価試験)
試験方法:図2に示す当該試験は直径110mmの外径を有する固体ロケットモータを使用して行った。円錐状部分の内側側面にそれぞれ実施例1及び比較例1の方法で製造したインシュレーション材を設置し、アブレーション速度を比較した。
【0044】
図3で表されるように、本発明の改良方式である実施例1は従来方式である比較例1と比べて未分散繊維の面積率が低く分散性も良く、ガス透過量が低いため気密性も高いことがわかる。さらに、図4で表されるように、実施例1のインシュレーション材はアブレーション速度が比較例1より小さく、アブレーション特性が向上していることがわかる。従って、本発明の方法により製造されるインシュレーション材は比較例1のインシュレーション材と比べて、作業性も良く、さらに気密性、分散性及びアブレーション特性が大幅に向上していることがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0045】
以上説明したように、本発明に係るインシュレーション材はその気密性およびアブレーション特性において従来品を大きく上回る性能を有しており、固体ロケットモータのインシュレーション材として使用することにより、インシュレーション材の高性能化に貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】試験装置の概略図である。
【図2】アブレーション特性評価用小型固体ロケットモータの断面図である。
【図3】分散性及び気密性試験の結果を表すデータである。
【図4】アブレーション速度の関係を表すデータである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも加硫可能な固形状エラストマー、液状添加物、及びフィラーを含むインシュレーション材の製造方法であって、
(1) 液状添加物にフィラーを加え、混和するステップ、
(2) (1)のステップの後に固形状エラストマーを加え混和することによりエラストマー組成物を得るステップ、及び
(3) 当該エラストマー組成物をシート状に圧延するステップ、
を含む方法。
【請求項2】
さらに、前記シート状に圧延されたインシュレーション材を複数層重ねて圧延するステップを含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
加硫可能な固形状エラストマーがエチレン-プロピレンジエンモノマー、イソプロピレンゴム、天然ゴム、アクリロニトリルブタジエンゴムのいずれか一つまたはこれらの混合物であり、液状添加物が液状ブタジエンゴム、液状イソプレンゴム、液状NBRゴム、液状SBRゴム、液状ポリブテン、液状ウレタンゴム、液状軟化剤、液状可塑剤、液状粘着付与剤のいずれか一つまたはこれらの混合物であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
フィラーとして少なくとも芳香族ポリアミド系パルプ状繊維を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
少なくとも加硫可能な固形状エラストマー、液状添加物、及びフィラーを含むインシュレーション材であって、
(1) 液状添加物にフィラーを加え、混和するステップ、
(2) (1)のステップの後に固形状エラストマーを加え混和することによりエラストマー組成物を得るステップ、及び
(3) 当該エラストマー組成物をシート状に圧延するステップ、
を含む方法により製造されるインシュレーション材。
【請求項6】
さらに、請求項5に記載のシート状に圧延されたインシュレーション材を複数層重ねて圧延させたインシュレーション材。
【請求項7】
加硫可能な固形状エラストマーがエチレン-プロピレンジエンモノマー、イソプロピレンゴム、天然ゴム、アクリロニトリルブタジエンゴムのいずれか一つまたはこれらの混合物であり、液状添加物が液状ブタジエンゴム、液状イソプレンゴム、液状NBRゴム、液状SBRゴム、液状ポリブテン、液状ウレタンゴム、液状軟化剤、液状可塑剤、液状粘着付与剤のいずれか一つまたはこれらの混合物であることを特徴とする、請求項5又は6に記載のインシュレーション材。
【請求項8】
フィラーとして少なくとも芳香族ポリアミド系パルプ状繊維を含むことを特徴とする、請求項5〜7のいずれかに記載のインシュレーション材。
【請求項9】
加硫可能な固形状エラストマーが30〜75重量%、液状添加物が1〜30重量%、フィラーが10〜45重量%の配合比であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
加硫可能な固形状エラストマーが30〜75重量%、液状添加物が1〜30重量%、フィラーが10〜45重量%の配合比であることを特徴とする、請求項5〜8のいずれかに記載のインシュレーション材。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−111750(P2006−111750A)
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−301376(P2004−301376)
【出願日】平成16年10月15日(2004.10.15)
【出願人】(500302552)株式会社アイ・エイチ・アイ・エアロスペース (298)
【出願人】(000229564)日本バルカー工業株式会社 (145)
【Fターム(参考)】