インターバイアル移送システム
【課題】 インターバイアル移送システムを提供することである。
【解決手段】 薬剤に適している移送システムは、バイアルソケット(14)と、第1および第2の開放端を有し、第1の開放端がバイアルソケット(14)に放出可能に接続されているハウジング(18)と、ハウジング(18)内にマウントされる針ハブ(16)と、針ハブ(16)内にマウントされる第1および第2の穴の開いた端部(58、70)を有する針と、ネック(32)およびボディ(30)を有し、バイアルソケット(14)内に挿入され、そこに取り外しできないように保持されるバイアル(12)と、その開放端を封止するプランジャ(24)およびカートリッジ(20)の反対端に位置づけられる隔壁(82)を有するカートリッジ(20)と、針にバイアル(12)の隔壁(34)を貫通させ、成分移送を可能とするアクティベーションキャップ(22)とを備える。
【解決手段】 薬剤に適している移送システムは、バイアルソケット(14)と、第1および第2の開放端を有し、第1の開放端がバイアルソケット(14)に放出可能に接続されているハウジング(18)と、ハウジング(18)内にマウントされる針ハブ(16)と、針ハブ(16)内にマウントされる第1および第2の穴の開いた端部(58、70)を有する針と、ネック(32)およびボディ(30)を有し、バイアルソケット(14)内に挿入され、そこに取り外しできないように保持されるバイアル(12)と、その開放端を封止するプランジャ(24)およびカートリッジ(20)の反対端に位置づけられる隔壁(82)を有するカートリッジ(20)と、針にバイアル(12)の隔壁(34)を貫通させ、成分移送を可能とするアクティベーションキャップ(22)とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、製薬供給システム(pharmaceutical delivery systems)のために使用される流体移送アセンブリ(fluid transfer assemblies)および製薬製剤(pharmaceutical preparation)を再構成(reconstituting)する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
伝統的に、製薬製剤は、デバイス、例えば注射器を使用して投与される。注射器は、通常、貫通可能な閉止を貫通する針を介して、貫通可能な閉止があるネックを有する製薬バイアルから注射器に、手動で液体製薬成分(liquid pharmaceutical component)を吸引することによって満たされる。一般的に手動で注射器を満たす方法は、注射器内へ入れられる製薬成分の量にほぼ等しいボディの空気量になるまで注射器のボディ内に空気を吸い込む工程と、その後、貫通可能な閉止を介してバイアル内へ針を挿入する工程とを含む。
【0003】
多くの製薬製剤は、2つ以上の別個の成分として分配および格納されなければならない。典型的な実施例は、凍結乾燥された成分および希釈剤のような液体成分である。2つの成分は、投与の前にちょうど混合される。
【0004】
いくつかの薬物治療は、医薬品組成物の投与が必要であり、そこにおいて、医薬品組成物の成分の1つが毒性または他のファクタのために危険を伴うと考慮されうる。換言すれば、中毒性成分は、所望の特性を有する組成物を提供するために希釈されなければならないかもしれない。当然、このような中毒性成分を使用するとき、そして、制限される同じニーズに対してアクセスするときに、多大な注意を払わなければならない。
【発明の概要】
【0005】
個々の成分に対するアクセスが最少化される製薬供給システムの流体移送アセンブリを提供することは、本発明の目的である。
【0006】
別々に格納される2つ以上の別個の成分を具備する医薬品組成物の製剤を提供する方法は、本発明の更なる別の目的である。
【0007】
本発明の1つの実施形態によれば、バイアルソケットと、第1および第2の開放端を有し、第1の開放端がバイアルソケットに放出可能に(releasably)接続されているハウジングと、ハウジング内にマウントされる針ハブと、第1および第2の穴の開いた端部を有し針ハブ内にマウントされる針と、ネックおよびボディを有し、バイアルソケット内に挿入され、バイアルソケットに放出可能に接続されて取り外しできないように保持されるバイアルと、その開放端を封止しているプランジャを有するカートリッジと、カートリッジの反対端に位置づけられる隔壁(septum)と、針にバイアルの隔壁を貫通させ、カートリッジの隔壁がその間で成分の移送を可能にするアクティベーションキャップと、を備えている移送システムは提供される。
【0008】
本発明の他の実施形態によれば、第1および第2の開放端を有し第1の開放端がバイアルソケットに放出可能に接続されるように構成されているハウジングと、ハウジング内にマウントされる針ハブと、第1および第2の穴の開いた端部を有し針ハブ内にマウントされる針と、その開放端を封止しているプランジャを有するカートリッジと、カートリッジの反対端に位置づけられる隔壁と、バイアルソケット内に保持されるバイアルの隔壁を針に貫通させ、カートリッジの隔壁がその間で成分の移送を可能にするアクティベーションキャップと、を備えている移送システムは提供される。
【0009】
バイアルおよびバイアルソケットは、好ましくは、バイアルがバイアルソケットから取り外されることができない配置にて提供される。バイアルの成分または原料(ingredients)が有毒かまたは代替物(alternative)である場合で、内容が特定の使用のために(すなわち、局所用処方(topical application)でかつ注射のためではなく)アクセスされることが重要である場合に、これは特に役立つ。
【0010】
従来のバイアル、すなわち、ガラスボディおよび制限されたネック領域を有するそれらは、使用されることができる。望ましくは、バイアルソケットは、バイアルがバイアルソケットによってしっかりと保持されることを確実にするためにバイアルのネックおよび底を係合するラッチを備えている。この目的で、バイアルソケットは、それに対してアクセスを防ぐためにラッチまたは留め金を囲むアウターハウジングを利用することができる。
【0011】
移送システムのハウジングは、混合される成分の他方を運ぶ従来のカートリッジを受けるように設計されている。通常、バイアルにはドライ成分が入っており、カートリッジは液体成分(一般的には希釈剤)を含む。しかしながら、他の配置は、2つの液体の混合を含むのに利用されることができる。
【0012】
カートリッジは、開放端を封止するプランジャを備え、カートリッジの反対端に位置づけられる隔壁を有する。これは、公知技術の実質的に従来の配置である。
【0013】
針ハブは、ハウジング内に提供され、好ましい実施態様において、2つの異なるコンポーネントを備える。コンポーネントの各々は、針の部分を有し、それは穴の開いた端部を有する針の各々の部分を伴っている。移送システムのアクティベーションの後、針ハブの一端は、バイアルによって保持され、他端はカートリッジにマウントされ流体通路を形成する。カートリッジによって保持される部分は、最終の投与出口を形成する。この目的のために、2つの部分は、一時的に共に固定され、嵌合コンポーネント内で適合(fitting)するテーパー付き投与端部を備えることができる。
【0014】
本発明が混合の局所用処方を例示するが、一方で、他の配置は利用されることができる。
【0015】
本発明の好ましい実施態様において、バイアルは、バイアルソケット内に好ましくは保持され、他の手段によってバイアルに対してアクセスが試みられる場合に、開封明示機構(tamper evident)のある配置を有する。
【0016】
望ましくは、カートリッジは、また、取り外し可能でない方法で、ハウジング内に保持される。1つの実施形態において、針ハブは、共に適合するように設計されている第1および第2の部材から形成される。成分の混合の後、針ハブを形成する部材の1つはカートリッジから組成物を投与するために利用されることができる。局所用処方において、投与チップ(dispensing tip)は、針を受けないように特に設計された。
【0017】
ある特定の実施形態では、針を介してバイアルへのアクセスが防がれるように、針はオフセットされた配置を有することができる。必要に応じて、開封明示機構のあるシールは、バイアルソケットおよびハウジングの接合のポイントの間に提供されることができる。
【0018】
他の好ましい実施態様は、その添付の図面およびその説明から理解される。
【0019】
本発明において、一般に参照符号が記載され、その実施形態を示している添付の図面になされる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、本発明の1つの実施形態に係る移送システムの分解図である。
【図2】図2は、特定のコンポーネントの内部構造体を示している破線を有する図1の移送システムの拡大分解図である。
【図3】図3は、アクティベーション前の移送システムの断面図である。
【図4】図4は、一点破線4によって示される移送システムの部分の拡大図である。
【図5】図5は、一点破線5によって示される移送システムの部分の拡大図である。
【図6】図6は、アクティベーション後の移送システムの断面図である。
【図7】図7は、一点破線7によって示される移送システムの部分の拡大図である。
【図8】図8は、一点破線8によって示される移送システムの部分の拡大図である。
【図9】図9は、成分の一つの移送のためのプランジャロッドのアタッチメントを示す断面図である。
【図10】図10は、成分の移送を示す断面図である。
【図11】図11は、カートリッジの中へと戻される混合の吸引の始まりを示している断面図である。
【図12】図12は、カートリッジを保持するハウジングからバイアルソケットの分離を示す断面図である。
【図13】図13は、適用(application)の準備ができているカートリッジを示す側面図である。
【図14】図14は、異なるアプリケータ先端を示す斜視図である。
【図15】図15は、異なるアプリケータ先端を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
より詳細な図面を参照し、そして、それに対して参照符号が付されている。参照符号10によって示される移送システムは、一般的に例示される。
【0022】
一般に参照番号12によって示されるバイアルは、移送システムと関係しており、それはバイアル12を受けるように設計されたバイアルソケット14をも含む。移送システム10は、また、一般に、参照符号16(図3)によって示される針ハブを含む。ハウジング18は、カートリッジ20の周りに延びるように設計されている。移送システム10の手元側端部(proximal end)は、アクティベーションキャップ22を含む。プランジャロッド26は、後述するように、プランジャ24と係合可能であるのに対して、プランジャ24はカートリッジ20の開放端内に適合するように設計されている。
【0023】
各種コンポーネントを記載することにおいて、「近位・手元(proximal)」および「遠位(distal)」の用語は、利用される。各例において、遠位の用語がオペレータの手から隔たって最も遠い端部を指すのに対して、近位の用語はユーザの手に最も近い端部を指す。
【0024】
バイアル12は、当業者にとって公知のいかなる従来のバイアルでもあることができ、または、あるいは、特定の適用において、バイアルに対していくつかの専門成分を使用することを要求される非標準寸法のものであることができる。バイアル12は、穴を開けることができる隔壁34へと延びる制限されたネック部分32を有するボディ部分30を含む。
【0025】
バイアルソケット14は、示された実施形態において、複数の下側外壁セグメント38を有するいくらか全体に渡って三角形形状であり、複数の下側外壁セグメント38の各々は形状においていくらか円弧形で、上側壁セグメント44に合流するように遠位端から内側にテーパーがつけられている。下側壁セグメント38は、下側ボディを規定し、複数の内側脚40が提供される。複数の内側脚40の各々は、遠位端でバイアル12を握持するために内側に延びているフランジを有しており、かつ、内側脚40と下側外壁セグメント38との間に延びるリブ42によって壁から離されている。
【0026】
バイアルソケット14は、また、上側壁セグメント44を含み、上側壁セグメント44は、その手元側端部にて雌型ねじ開口46を規定する。複数のフランジ48は、図2において分かるように下方へ延びる。
【0027】
針ハブ16は、共に適合するように設計されている遠位部材52と、近位部材54とを備える。遠位部材52は、穴の開いたチップ58を有する穴の開いた部材56を含む。その手元側端部で、遠位部材52は、管状端60を有する。複数のフィン62は、遠位部材52の周囲に延びる。
【0028】
近位部材54は、遠位部材52の管状端60と係合するように設計されている管状部分66を有するボディ部分64を含む。穴の開いた部材68は、ボディ部分64に固定され、穴の開いたチップ70を有する。
【0029】
近位部材54は、また、一対の脚72を含み、ボディ64の中央近くに位置する環状リング74を有する。
【0030】
カートリッジ20は、プランジャ24を受けるように設計された開放端を有するボディ78を含む。穴を開けることができる隔壁82は、ネック80に隣接して、ボディ78の上部に配置される。ハウジング18は、示される実施形態において、複数の壁セグメント86を含み、例示の実施形態においては3つのこのような壁セグメント86がある。各々の壁セグメント86において、内部に視覚のアクセスを提供する溝88は、提供される。ハウジング18は、また、その遠位端にて複数の雄型ねじ90を含む。ハウジング18は、また、裾広がりの手元側端部92を有する。
【0031】
アクティベーションキャップ22は、手元側端部壁104および側壁106を有する。突起110の第1のセットは、アクティベーションキャップが起動したときに、ハウジング18に係合するように設計されており、一方、突起112の第2のセットは、アクティベーションの前にハウジング18に係合する。
【0032】
プランジャロッド26は、プランジャ24にスクリューネジ締め可能に係合するための雄型ねじ116を提供される。
【0033】
操作において、バイアル12およびバイアルソケット14は、内部に挿入されるバイアルと共にユニットとして供給され、取り外しできない方法で保持される。同様に、カートリッジ20は、ハウジング18と、ハウジング18の手元側端部にて挿入されるアクティベーションキャップ22との中にマウントされる。アクティベーションキャップ18は、取り外しできない位置にて保持される。ハウジング18は、それぞれのねじ90、46によって、バイアルソケット14に、スクリューネジ締め可能に係合される。
【0034】
図3にて図示されたように、アクティベーションキャップ22は、ハウジング18の外側に延びる。使用のために、アクティベーションキャップ22は、図4に示すように押され、このことにより、バイアル12の隔壁34およびカートリッジ20の隔壁82の穴開けに至る。プランジャロッド26は、それで、それらのそれぞれのスクリューねじによってプランジャ24に係合し、そして、バイアル12の成分122と混ざるために希釈剤120を移送するようにプランジャ24に圧力がかけられる。この位置は、図10に示される。
【0035】
まさにこのポイントで、バイアル12の穏やかなシェイキングは、成分の混合を確実にするためになされることができ、その後、図11および12に示されるように、混合124はカートリッジ20に吸引される。ハウジングは、それでバイアルソケット14から取り外され、そして、混合124は、それで必要に応じて投与される。示された実施形態において、管状部分66は、投与部材を形成し、および、局在方法の混合124を適用するように特に設計される。混合が注射されないことを確実にするために、部材66は、非標準寸法のものとされ、および/または、針を受けつけるように設計されない形状とされる。しかしながら、特定の適用で、針のアタッチメントは要求されることができ、および、適切な形状は提供される。
【0036】
図14および15は、局所用処方のために利用されることができる異なる投与チップ130および132を示す。
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、製薬供給システム(pharmaceutical delivery systems)のために使用される流体移送アセンブリ(fluid transfer assemblies)および製薬製剤(pharmaceutical preparation)を再構成(reconstituting)する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
伝統的に、製薬製剤は、デバイス、例えば注射器を使用して投与される。注射器は、通常、貫通可能な閉止を貫通する針を介して、貫通可能な閉止があるネックを有する製薬バイアルから注射器に、手動で液体製薬成分(liquid pharmaceutical component)を吸引することによって満たされる。一般的に手動で注射器を満たす方法は、注射器内へ入れられる製薬成分の量にほぼ等しいボディの空気量になるまで注射器のボディ内に空気を吸い込む工程と、その後、貫通可能な閉止を介してバイアル内へ針を挿入する工程とを含む。
【0003】
多くの製薬製剤は、2つ以上の別個の成分として分配および格納されなければならない。典型的な実施例は、凍結乾燥された成分および希釈剤のような液体成分である。2つの成分は、投与の前にちょうど混合される。
【0004】
いくつかの薬物治療は、医薬品組成物の投与が必要であり、そこにおいて、医薬品組成物の成分の1つが毒性または他のファクタのために危険を伴うと考慮されうる。換言すれば、中毒性成分は、所望の特性を有する組成物を提供するために希釈されなければならないかもしれない。当然、このような中毒性成分を使用するとき、そして、制限される同じニーズに対してアクセスするときに、多大な注意を払わなければならない。
【発明の概要】
【0005】
個々の成分に対するアクセスが最少化される製薬供給システムの流体移送アセンブリを提供することは、本発明の目的である。
【0006】
別々に格納される2つ以上の別個の成分を具備する医薬品組成物の製剤を提供する方法は、本発明の更なる別の目的である。
【0007】
本発明の1つの実施形態によれば、バイアルソケットと、第1および第2の開放端を有し、第1の開放端がバイアルソケットに放出可能に(releasably)接続されているハウジングと、ハウジング内にマウントされる針ハブと、第1および第2の穴の開いた端部を有し針ハブ内にマウントされる針と、ネックおよびボディを有し、バイアルソケット内に挿入され、バイアルソケットに放出可能に接続されて取り外しできないように保持されるバイアルと、その開放端を封止しているプランジャを有するカートリッジと、カートリッジの反対端に位置づけられる隔壁(septum)と、針にバイアルの隔壁を貫通させ、カートリッジの隔壁がその間で成分の移送を可能にするアクティベーションキャップと、を備えている移送システムは提供される。
【0008】
本発明の他の実施形態によれば、第1および第2の開放端を有し第1の開放端がバイアルソケットに放出可能に接続されるように構成されているハウジングと、ハウジング内にマウントされる針ハブと、第1および第2の穴の開いた端部を有し針ハブ内にマウントされる針と、その開放端を封止しているプランジャを有するカートリッジと、カートリッジの反対端に位置づけられる隔壁と、バイアルソケット内に保持されるバイアルの隔壁を針に貫通させ、カートリッジの隔壁がその間で成分の移送を可能にするアクティベーションキャップと、を備えている移送システムは提供される。
【0009】
バイアルおよびバイアルソケットは、好ましくは、バイアルがバイアルソケットから取り外されることができない配置にて提供される。バイアルの成分または原料(ingredients)が有毒かまたは代替物(alternative)である場合で、内容が特定の使用のために(すなわち、局所用処方(topical application)でかつ注射のためではなく)アクセスされることが重要である場合に、これは特に役立つ。
【0010】
従来のバイアル、すなわち、ガラスボディおよび制限されたネック領域を有するそれらは、使用されることができる。望ましくは、バイアルソケットは、バイアルがバイアルソケットによってしっかりと保持されることを確実にするためにバイアルのネックおよび底を係合するラッチを備えている。この目的で、バイアルソケットは、それに対してアクセスを防ぐためにラッチまたは留め金を囲むアウターハウジングを利用することができる。
【0011】
移送システムのハウジングは、混合される成分の他方を運ぶ従来のカートリッジを受けるように設計されている。通常、バイアルにはドライ成分が入っており、カートリッジは液体成分(一般的には希釈剤)を含む。しかしながら、他の配置は、2つの液体の混合を含むのに利用されることができる。
【0012】
カートリッジは、開放端を封止するプランジャを備え、カートリッジの反対端に位置づけられる隔壁を有する。これは、公知技術の実質的に従来の配置である。
【0013】
針ハブは、ハウジング内に提供され、好ましい実施態様において、2つの異なるコンポーネントを備える。コンポーネントの各々は、針の部分を有し、それは穴の開いた端部を有する針の各々の部分を伴っている。移送システムのアクティベーションの後、針ハブの一端は、バイアルによって保持され、他端はカートリッジにマウントされ流体通路を形成する。カートリッジによって保持される部分は、最終の投与出口を形成する。この目的のために、2つの部分は、一時的に共に固定され、嵌合コンポーネント内で適合(fitting)するテーパー付き投与端部を備えることができる。
【0014】
本発明が混合の局所用処方を例示するが、一方で、他の配置は利用されることができる。
【0015】
本発明の好ましい実施態様において、バイアルは、バイアルソケット内に好ましくは保持され、他の手段によってバイアルに対してアクセスが試みられる場合に、開封明示機構(tamper evident)のある配置を有する。
【0016】
望ましくは、カートリッジは、また、取り外し可能でない方法で、ハウジング内に保持される。1つの実施形態において、針ハブは、共に適合するように設計されている第1および第2の部材から形成される。成分の混合の後、針ハブを形成する部材の1つはカートリッジから組成物を投与するために利用されることができる。局所用処方において、投与チップ(dispensing tip)は、針を受けないように特に設計された。
【0017】
ある特定の実施形態では、針を介してバイアルへのアクセスが防がれるように、針はオフセットされた配置を有することができる。必要に応じて、開封明示機構のあるシールは、バイアルソケットおよびハウジングの接合のポイントの間に提供されることができる。
【0018】
他の好ましい実施態様は、その添付の図面およびその説明から理解される。
【0019】
本発明において、一般に参照符号が記載され、その実施形態を示している添付の図面になされる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、本発明の1つの実施形態に係る移送システムの分解図である。
【図2】図2は、特定のコンポーネントの内部構造体を示している破線を有する図1の移送システムの拡大分解図である。
【図3】図3は、アクティベーション前の移送システムの断面図である。
【図4】図4は、一点破線4によって示される移送システムの部分の拡大図である。
【図5】図5は、一点破線5によって示される移送システムの部分の拡大図である。
【図6】図6は、アクティベーション後の移送システムの断面図である。
【図7】図7は、一点破線7によって示される移送システムの部分の拡大図である。
【図8】図8は、一点破線8によって示される移送システムの部分の拡大図である。
【図9】図9は、成分の一つの移送のためのプランジャロッドのアタッチメントを示す断面図である。
【図10】図10は、成分の移送を示す断面図である。
【図11】図11は、カートリッジの中へと戻される混合の吸引の始まりを示している断面図である。
【図12】図12は、カートリッジを保持するハウジングからバイアルソケットの分離を示す断面図である。
【図13】図13は、適用(application)の準備ができているカートリッジを示す側面図である。
【図14】図14は、異なるアプリケータ先端を示す斜視図である。
【図15】図15は、異なるアプリケータ先端を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
より詳細な図面を参照し、そして、それに対して参照符号が付されている。参照符号10によって示される移送システムは、一般的に例示される。
【0022】
一般に参照番号12によって示されるバイアルは、移送システムと関係しており、それはバイアル12を受けるように設計されたバイアルソケット14をも含む。移送システム10は、また、一般に、参照符号16(図3)によって示される針ハブを含む。ハウジング18は、カートリッジ20の周りに延びるように設計されている。移送システム10の手元側端部(proximal end)は、アクティベーションキャップ22を含む。プランジャロッド26は、後述するように、プランジャ24と係合可能であるのに対して、プランジャ24はカートリッジ20の開放端内に適合するように設計されている。
【0023】
各種コンポーネントを記載することにおいて、「近位・手元(proximal)」および「遠位(distal)」の用語は、利用される。各例において、遠位の用語がオペレータの手から隔たって最も遠い端部を指すのに対して、近位の用語はユーザの手に最も近い端部を指す。
【0024】
バイアル12は、当業者にとって公知のいかなる従来のバイアルでもあることができ、または、あるいは、特定の適用において、バイアルに対していくつかの専門成分を使用することを要求される非標準寸法のものであることができる。バイアル12は、穴を開けることができる隔壁34へと延びる制限されたネック部分32を有するボディ部分30を含む。
【0025】
バイアルソケット14は、示された実施形態において、複数の下側外壁セグメント38を有するいくらか全体に渡って三角形形状であり、複数の下側外壁セグメント38の各々は形状においていくらか円弧形で、上側壁セグメント44に合流するように遠位端から内側にテーパーがつけられている。下側壁セグメント38は、下側ボディを規定し、複数の内側脚40が提供される。複数の内側脚40の各々は、遠位端でバイアル12を握持するために内側に延びているフランジを有しており、かつ、内側脚40と下側外壁セグメント38との間に延びるリブ42によって壁から離されている。
【0026】
バイアルソケット14は、また、上側壁セグメント44を含み、上側壁セグメント44は、その手元側端部にて雌型ねじ開口46を規定する。複数のフランジ48は、図2において分かるように下方へ延びる。
【0027】
針ハブ16は、共に適合するように設計されている遠位部材52と、近位部材54とを備える。遠位部材52は、穴の開いたチップ58を有する穴の開いた部材56を含む。その手元側端部で、遠位部材52は、管状端60を有する。複数のフィン62は、遠位部材52の周囲に延びる。
【0028】
近位部材54は、遠位部材52の管状端60と係合するように設計されている管状部分66を有するボディ部分64を含む。穴の開いた部材68は、ボディ部分64に固定され、穴の開いたチップ70を有する。
【0029】
近位部材54は、また、一対の脚72を含み、ボディ64の中央近くに位置する環状リング74を有する。
【0030】
カートリッジ20は、プランジャ24を受けるように設計された開放端を有するボディ78を含む。穴を開けることができる隔壁82は、ネック80に隣接して、ボディ78の上部に配置される。ハウジング18は、示される実施形態において、複数の壁セグメント86を含み、例示の実施形態においては3つのこのような壁セグメント86がある。各々の壁セグメント86において、内部に視覚のアクセスを提供する溝88は、提供される。ハウジング18は、また、その遠位端にて複数の雄型ねじ90を含む。ハウジング18は、また、裾広がりの手元側端部92を有する。
【0031】
アクティベーションキャップ22は、手元側端部壁104および側壁106を有する。突起110の第1のセットは、アクティベーションキャップが起動したときに、ハウジング18に係合するように設計されており、一方、突起112の第2のセットは、アクティベーションの前にハウジング18に係合する。
【0032】
プランジャロッド26は、プランジャ24にスクリューネジ締め可能に係合するための雄型ねじ116を提供される。
【0033】
操作において、バイアル12およびバイアルソケット14は、内部に挿入されるバイアルと共にユニットとして供給され、取り外しできない方法で保持される。同様に、カートリッジ20は、ハウジング18と、ハウジング18の手元側端部にて挿入されるアクティベーションキャップ22との中にマウントされる。アクティベーションキャップ18は、取り外しできない位置にて保持される。ハウジング18は、それぞれのねじ90、46によって、バイアルソケット14に、スクリューネジ締め可能に係合される。
【0034】
図3にて図示されたように、アクティベーションキャップ22は、ハウジング18の外側に延びる。使用のために、アクティベーションキャップ22は、図4に示すように押され、このことにより、バイアル12の隔壁34およびカートリッジ20の隔壁82の穴開けに至る。プランジャロッド26は、それで、それらのそれぞれのスクリューねじによってプランジャ24に係合し、そして、バイアル12の成分122と混ざるために希釈剤120を移送するようにプランジャ24に圧力がかけられる。この位置は、図10に示される。
【0035】
まさにこのポイントで、バイアル12の穏やかなシェイキングは、成分の混合を確実にするためになされることができ、その後、図11および12に示されるように、混合124はカートリッジ20に吸引される。ハウジングは、それでバイアルソケット14から取り外され、そして、混合124は、それで必要に応じて投与される。示された実施形態において、管状部分66は、投与部材を形成し、および、局在方法の混合124を適用するように特に設計される。混合が注射されないことを確実にするために、部材66は、非標準寸法のものとされ、および/または、針を受けつけるように設計されない形状とされる。しかしながら、特定の適用で、針のアタッチメントは要求されることができ、および、適切な形状は提供される。
【0036】
図14および15は、局所用処方のために利用されることができる異なる投与チップ130および132を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バイアルソケット(14)と、
第1および第2の開放端を有し、前記第1の開放端が前記バイアルソケット(14)に放出可能に接続されているハウジング(18)と、
前記ハウジング(18)内にマウントされる針ハブ(16)と、
第1および第2の穴の開いた端部(58,70)を有し、前記針ハブ(16)内にマウントされる針と、
ネック(32)およびボディ(30)を有し、前記バイアルソケット(14)内に挿入され、バイアルソケット(14)に放出可能に接続されて取り外しできないように保持されるバイアル(12)と、
その開放端を封止しているプランジャ(24)およびカートリッジ(20)の反対端に位置づけられる隔壁(82)を有する前記カートリッジ(20)と、
前記針にバイアルの隔壁(34)を貫通させ、前記カートリッジの前記隔壁がその間で成分を移送することができるようにするアクティベーションキャップ(22)と、を具備する移送システム。
【請求項2】
前記針ハブ(16)は、互いに係合可能である第1および第2のコンポーネント(52、54)を具備する請求項1の移送システム。
【請求項3】
前記コンポーネント(52、54)の各々は、対応した前記穴の開いた端部(58,70)の1つを有する請求項2の移送システム。
【請求項4】
前記ハウジング(18)および前記バイアルソケット(14)は、互いにスクリューネジ締め可能に係合する請求項1の移送システム。
【請求項5】
前記アクティベーションキャップ(22)のオペレーションの後に、前記コンポーネント(54)の第1の1つは、前記バイアルソケット(14)によって保持され、前記コンポーネント(52)の第2の1つは、前記ハウジング(18)によって保持される請求項3の移送システム。
【請求項6】
前記ハウジング(18)は、前記カートリッジを見ることができるようにするための視覚のアクセス領域(88)がある請求項1の移送システム。
【請求項7】
前記プランジャ(24)と係合可能なプランジャロッド(26)を更に具備する請求項1の移送システム。
【請求項8】
前記ハウジング(18)によって保持される前記第2のコンポーネント(54)は、前記カートリッジ(20)と連通する投与開口(66)を有し、前記投与開口(66)は標準の針がそれに対して固定されることができないように、設計されている請求項7の移送システム。
【請求項9】
第1および第2の開放端を有し、前記第1の開放端がバイアルソケット(14)に放出可能に接続されるように構成されているハウジング(18)と、
前記ハウジング(18)内にマウントされる針ハブ(16)と、
前記針ハブ(16)内にマウントされる第1および第2の穴の開いた端部(58、70)を有する針と、
その開放端を封止しているプランジャおよびカートリッジ(20)の反対端に位置づけられる隔壁(82))を有する前記カートリッジ(20)と、
前記針にバイアルソケット内に保持されるバイアルの隔壁を貫通させ、前記カートリッジの前記隔壁がその間で成分の移送をすることができるようにするアクティベーションキャップ(22)と、を具備する移送システム。
【請求項1】
バイアルソケット(14)と、
第1および第2の開放端を有し、前記第1の開放端が前記バイアルソケット(14)に放出可能に接続されているハウジング(18)と、
前記ハウジング(18)内にマウントされる針ハブ(16)と、
第1および第2の穴の開いた端部(58,70)を有し、前記針ハブ(16)内にマウントされる針と、
ネック(32)およびボディ(30)を有し、前記バイアルソケット(14)内に挿入され、バイアルソケット(14)に放出可能に接続されて取り外しできないように保持されるバイアル(12)と、
その開放端を封止しているプランジャ(24)およびカートリッジ(20)の反対端に位置づけられる隔壁(82)を有する前記カートリッジ(20)と、
前記針にバイアルの隔壁(34)を貫通させ、前記カートリッジの前記隔壁がその間で成分を移送することができるようにするアクティベーションキャップ(22)と、を具備する移送システム。
【請求項2】
前記針ハブ(16)は、互いに係合可能である第1および第2のコンポーネント(52、54)を具備する請求項1の移送システム。
【請求項3】
前記コンポーネント(52、54)の各々は、対応した前記穴の開いた端部(58,70)の1つを有する請求項2の移送システム。
【請求項4】
前記ハウジング(18)および前記バイアルソケット(14)は、互いにスクリューネジ締め可能に係合する請求項1の移送システム。
【請求項5】
前記アクティベーションキャップ(22)のオペレーションの後に、前記コンポーネント(54)の第1の1つは、前記バイアルソケット(14)によって保持され、前記コンポーネント(52)の第2の1つは、前記ハウジング(18)によって保持される請求項3の移送システム。
【請求項6】
前記ハウジング(18)は、前記カートリッジを見ることができるようにするための視覚のアクセス領域(88)がある請求項1の移送システム。
【請求項7】
前記プランジャ(24)と係合可能なプランジャロッド(26)を更に具備する請求項1の移送システム。
【請求項8】
前記ハウジング(18)によって保持される前記第2のコンポーネント(54)は、前記カートリッジ(20)と連通する投与開口(66)を有し、前記投与開口(66)は標準の針がそれに対して固定されることができないように、設計されている請求項7の移送システム。
【請求項9】
第1および第2の開放端を有し、前記第1の開放端がバイアルソケット(14)に放出可能に接続されるように構成されているハウジング(18)と、
前記ハウジング(18)内にマウントされる針ハブ(16)と、
前記針ハブ(16)内にマウントされる第1および第2の穴の開いた端部(58、70)を有する針と、
その開放端を封止しているプランジャおよびカートリッジ(20)の反対端に位置づけられる隔壁(82))を有する前記カートリッジ(20)と、
前記針にバイアルソケット内に保持されるバイアルの隔壁を貫通させ、前記カートリッジの前記隔壁がその間で成分の移送をすることができるようにするアクティベーションキャップ(22)と、を具備する移送システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公表番号】特表2013−508104(P2013−508104A)
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−535561(P2012−535561)
【出願日】平成22年10月27日(2010.10.27)
【国際出願番号】PCT/CA2010/001706
【国際公開番号】WO2011/050468
【国際公開日】平成23年5月5日(2011.5.5)
【出願人】(503236599)デュオジェクト・メディカル・システムズ・インコーポレイテッド (6)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月27日(2010.10.27)
【国際出願番号】PCT/CA2010/001706
【国際公開番号】WO2011/050468
【国際公開日】平成23年5月5日(2011.5.5)
【出願人】(503236599)デュオジェクト・メディカル・システムズ・インコーポレイテッド (6)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]