説明

インターホンシステム

【課題】来訪者がドアホンの照明部からの光を眩しく感じることを抑制し、且つ、居住者がカラー映像にて来訪者の顔をすぐに確認することが可能なインターホンシステムを提供する。
【解決手段】住宅外に設置され居住者を呼び出し可能なドアホン1と、住宅内に設置されドアホン1からの呼び出しに応じてドアホン1との間で通話可能とするインターホン親機2とを備える。ドアホン1は、居住者を呼び出すための呼出釦と、所定エリアを撮像してカラー映像を得る撮像部14と、所定エリアを照明可能な照明部15とを有する。インターホン親機2は、撮像部14で撮像して得られたカラー映像を表示する表示部24を有し、ドアホン1の動作モードとして、照明部15をポーチ灯として点灯させるポーチ灯モードと、照明部15を呼出釦の押操作に基づいて点灯させる来客対応モードとを備えて、ポーチ灯モードと来客対応モードとを選択可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターホンシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、集合住宅の共同玄関などに設置されるカラーカメラ付ロビーインターホンが提案されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
特許文献1に開示されたカラーカメラ付ロビーインターホンは、住戸側に設置されたモニタテレビ付インターホンを接続するとともに、被撮像体(被写体)に対して上方または下方の斜め方向から光を照射する照明装置を接続している。なお、照明装置は、白熱灯や蛍光灯で構成されている。
【0004】
上述のカラーカメラ付ロビーインターホンは、このカラーカメラ付ロビーインターホンによる所定の操作または住戸側のモニタテレビ付インターホンによる所定の操作によって、照明装置を点灯制御してカラーカメラで撮像を開始する。
【0005】
また、従来から、戸建て住宅などに使用され、来訪者をカラーの撮影映像により確認できるテレビドアホン装置が提案されている(例えば、特許文献2)。
【0006】
特許文献2に開示されたテレビドアホン装置は、玄関先に設置された子機と、居室内に設置された親機とから構成されている。なお、子機と親機とは、通信回線を介して電気的に接続されている。また、子機は、呼出ボタン、子機通話部、撮像装置などを有している。
【0007】
撮像装置は、来訪者を照明する撮影用赤外光源部と、来訪者を照明する撮影用可視光原部と、来訪者を撮像する撮像部と、撮影用赤外光源部および撮影用可視光源部のそれぞれの発光を制御する発光制御部とを備えている。
【0008】
発光制御部は、撮像部が撮像を開始するときに赤外光を所定の光量で発光開始し、この発光開始後、時間経過と共に可視光の光量を赤外光の光量より緩やかに増加させる。
【0009】
また、近年、インターホンシステムに関して、ドアホンの撮像部で来訪者などを撮像してカラー映像をインターホン親機の表示部に表示するものが提供されるようになってきた。これに伴い、夜間でもカラー映像にて来訪者の顔を確認したいという要望が高まってきており、ドアホンの照明部として、白色LEDが用いられるようになってきている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2001−309362号公報
【特許文献2】特開2010−212941号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、特許文献1に開示されたカラーカメラ付ロビーインターホンでは、このカラーカメラ付ロビーインターホンによる所定の操作(例えば、住戸番号を入力する操作)または住戸側のモニタテレビ付インターホンによる所定の操作により照明装置を点灯制御してカラーカメラで撮像を開始するので、照明装置が誤動作するのを防止できる。また、このカラーカメラ付ロビーインターホンでは、照明装置が被撮像体(来訪者)に対して上方または下方の斜め方向から光を照射するので、来訪者が光を直視するのを防ぐことが可能となる。
【0012】
しかしながら、特許文献1に開示されたカラーカメラ付ロビーインターホンでは、来訪者がこのカラーカメラ付ロビーインターホンにて所定の操作を行ったときに照明装置が点灯するので、来訪者が照明装置からの光を眩しく感じることがあった。
【0013】
また、特許文献2に開示されたテレビドアホン装置では、発光制御部が、撮像部が撮像を開始するときに赤外光を発光開始させ、この発光開始後、時間経過と共に可視光の光量を赤外光の光量より緩やかに増加させるので、来訪者の目を可視光に明順応させながら撮像部での撮像に必要な光量を得ることが可能となり、居住者がカラー映像にて来訪者を確認することが可能となる。
【0014】
しかしながら、特許文献2に開示されたテレビドアホン装置では、発光制御部が来訪者の目を可視光に明順応させながら可視光の光量を増加させるので、撮像部が撮像を開始するときに発光制御部が撮像に必要な光量の可視光を発光開始させる場合に比べて、居住者がカラー映像にて来訪者の顔をすぐに確認することは困難である。
【0015】
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、来訪者がドアホンの照明部からの光を眩しく感じることを抑制し、且つ、居住者がカラー映像にて来訪者の顔をすぐに確認することが可能なインターホンシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明のインターホンシステムは、住宅外に設置され居住者を呼び出し可能なドアホンと、住宅内に設置され前記ドアホンからの呼び出しに応じて前記ドアホンとの間で通話可能とするインターホン親機とを備え、前記ドアホンは、居住者を呼び出すための呼出釦と、所定エリアを撮像してカラー映像を得る撮像部と、前記所定エリアを照明可能な照明部とを有し、前記インターホン親機は、前記撮像部で撮像して得られたカラー映像を表示する表示部を有してなり、前記ドアホンの動作モードとして、前記照明部をポーチ灯として点灯させるポーチ灯モードと、前記照明部を前記呼出釦の押操作に基づいて点灯させる来客対応モードとを備えて、前記ポーチ灯モードと前記来客対応モードとを選択可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明のインターホンシステムにおいては、来訪者がドアホンの照明部からの光を眩しく感じることを抑制し、且つ、居住者がカラー映像にて来訪者の顔をすぐに確認することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】実施形態1のインターホンシステムのブロック図である。
【図2】同上のインターホンシステムの概略構成図である。
【図3】同上のインターホンシステムにおけるドアホンの動作モードとして、来客対応モードが選択されている場合の動作を説明するフローチャートである。
【図4】同上のインターホンシステムにおけるドアホンの動作モードとして、ポーチ灯モードが選択されている場合の動作を説明するフローチャートである。
【図5】実施形態2のインターホンシステムにおけるドアホンの動作モードとして、ポーチ灯モードが選択されている場合の動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(実施形態1)
以下、本実施形態のインターホンシステムについて、図1〜図4を参照しながら説明する。
【0020】
本実施形態のインターホンシステムは、例えば、戸建て住宅向けのインターホンシステムである。このインターホンシステムは、住宅外(例えば、玄関先)に設置され居住者を呼び出し可能なドアホン1と、住宅内に設置されドアホン1からの呼び出しに応じてドアホン1との間で通話可能とするインターホン親機2とを備えている。以下、本実施形態では、インターホン親機2を親機2と略称する。
【0021】
ドアホン1は、2線式の信号線3を介して親機2に接続されており、親機2と通信可能となっている。また、ドアホン1は、居住者を呼び出すための呼出釦12aを具備する呼出部12と、居住者と通話するための第1通話部13と、ドアホン1前方の所定エリアを撮像してカラー映像を得る撮像部14と、上記所定エリアを照明可能な照明部15とを有している。さらに、ドアホン1は、親機2と通信可能な第1通信部11と、撮像部14、照明部15および第1通信部11を制御する第1制御部16と、第1通話部13、撮像部14および照明部15の各々に動作電源を供給する電源部(図示せず)とを有している。なお、呼出部12、第1通信部11および第1制御部16の各々は、信号線3を介して親機2から給電される。
【0022】
呼出部12は、呼出釦12aが押操作されると、居住者を呼び出すための呼出信号を第1制御部16へ出力する。
【0023】
第1通話部13は、第1マイクロホン13aと第1スピーカ13bとを有している。この第1通話部13は、第1マイクロホン13aからの第1音声信号を第1通信部11へ出力する機能を有している。
【0024】
撮像部14は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)カメラまたはCMOS(ComplementaryMetal Oxide Semiconductor)カメラにより構成することができる。この撮像部14は、上記所定エリアに来訪者がいる場合、来訪者の顔を含むカラー映像を得ることが可能である。
【0025】
照明部15としては、例えば、白色光を照射する白色LEDなどのLED(図示せず)と、このLEDを点灯させる点灯装置(図示せず)とで構成することができる。
【0026】
第1制御部16は、例えば、第1マイクロコンピュータに適宜の第1プログラムを搭載することにより構成することができる。この第1制御部16は、呼出部12から出力された呼出信号が入力されると、呼出部12の呼出釦12aが押操作されたことを示す検出信号を第1通信部11へ出力する。
【0027】
また、第1制御部16は、ドアホン1の動作モードとして、照明部15をポーチ灯として点灯させるポーチ灯モードと、照明部15を呼出釦12aの押操作に基づいて点灯させる来客対応モードとを有している。
【0028】
第1通信部11は、第1制御部16から出力された検出信号を、信号線3を介して親機2へ送信する機能を有している。また、第1通信部11は、撮像部14で撮像して得られたカラー映像の映像信号と、第1マイクロホン13aからの第1音声信号とを多重化して、多重化した映像信号および第1音声信号を、信号線3を介して親機2へ送信する機能を有している。以下、説明の便宜上、本実施形態では、映像信号と第1音声信号とを多重化した信号を、多重化信号と称する。
【0029】
親機2は、ドアホン1の第1通信部11から送信された検出信号および多重化信号を、信号線3を介して受信可能な第2通信部21と、ドアホン1の撮像部14で撮像して得られたカラー映像などを表示する表示部24とを有している。また、親機2は、ドアホン1からの呼び出しに応答するための応答釦22aを具備する操作部22と、来訪者と通話するための第2通話部23と、第2通信部21、表示部24および第2通話部23を制御する第2制御部25とを有している。さらに、親機2は、ドアホン1の上記電源部が第1通話部13、撮像部14および照明部15の各々に動作電源を供給するために、信号線3を介してドアホン1の上記電源部へ給電する給電部(図示せず)を有している。
【0030】
第2通信部21は、受信した検出信号を第2制御部25へ出力する機能を有している。また、第2通信部21は、受信した多重化信号を映像信号と第1音声信号とに分離して、映像信号を表示部24へ出力し、第1音声信号を第2通話部23へ出力する機能を有している。
【0031】
表示部24は、例えば、液晶パネルからなる表示パネル24aと、第2通信部21から出力された映像信号を表示パネル24aに表示可能な信号に変換する変換部(図示せず)とで構成することができる。なお、本実施形態では、表示パネル24aとして液晶パネルを採用しているが、これに限らず、例えば、有機エレクトロルミネッセンスパネルなどを採用してもよい。
【0032】
操作部22の応答釦22aは、ドアホン1からの呼び出しに応答するための機能を有するとともに、ドアホン1の撮像部14で撮像して得られたカラー映像(住宅外の映像)のモニタを開始するための機能を有している。要するに、応答釦22aは、居住者が住宅内から住宅外をモニタするためのモニタ釦でもある。
【0033】
また、操作部22は、複数(図示例では、4つ)の操作釦22b〜22eを備えている。本実施形態では、4つの操作釦22b〜22eのうちの1つの操作釦(例えば、操作釦22b)が、ドアホン1の動作モードであるポーチ灯モードと来客対応モードとの1つを択一的に選択可能とするための選択釦としての機能を有している。要するに、本実施形態では、親機2の操作部22の操作釦22bにより、ドアホン1の動作モードであるポーチ灯モードと来客対応モードとの1つを選択可能となっている。ここで、本実施形態では、操作部22が各操作釦22b〜22eを備えているが、これに限らず、例えば、表示部24の表示パネル24aを、タッチパネルを具備する表示パネルとし、上記表示パネルに各操作釦22b〜22eの機能を備えるようにしてもよい。
【0034】
第2通話部23は、第2マイクロホン(図示せず)と第2スピーカ23bとを有している。第2スピーカ23bは、第2通信部21から出力された第1音声信号を第1音声に変換して出力する機能を有している。また、第2通話部23は、上記第2マイクロホンからの第2音声信号を第2通信部21へ出力する機能を有している。
【0035】
第2制御部25は、例えば、第2マイクロコンピュータに適宜の第2プログラムを搭載することにより構成することができる。この第2制御部25は、第2通信部21から出力された検出信号が入力されると、第2通話部23の第2スピーカ23bから呼出音を鳴動させる。なお、第2制御部25には、現在の時刻を計時する計時部(図示せず)が設けられている。
【0036】
上記給電部は、第1通話部13、撮像部14および照明部15を動作可能とする動作電圧を生成する。本実施形態のインターホンシステムでは、親機2の上記給電部が信号線3を介してドアホン1の上記電源部へ動作電圧を給電すると、第1通話部13、撮像部14および照明部15が動作状態となる。ここにおいて、ドアホン1の上記電源部は、親機2から信号線3を介して給電された動作電圧を動作電源として第1通話部13、撮像部14および照明部15の各々に供給する。
【0037】
また、上記給電部は、第2制御部25から出力される給電信号が入力されると、ドアホン1の上記電源部へ動作電圧を給電する。ここにおいて、第2制御部25は、第2通信部21から出力された検出信号が入力されると、給電信号を上記給電部へ出力する。
【0038】
また、第2通信部21は、第2通話部23から出力された第2音声信号を、信号線3を介してドアホン1の第1通信部11へ送信する機能を有している。ここにおいて、ドアホン1の第1通信部11は、親機2の第2通信部21から送信された第2音声信号を、信号線3を介して受信する機能を有している。また、第1通信部11は、信号線3を介して受信した第2音声信号を第1通話部13へ出力する機能を有している。ここで、第1通話部13の第1スピーカ13bは、第1通信部11から出力された第2音声信号を第2音声に変換して出力する機能を有している。したがって、本実施形態のインターホンシステムでは、ドアホン1と親機2との間で通話が可能となる。
【0039】
ところで、本実施形態のインターホンシステムでは、ドアホン1の動作モードとして来客対応モードが選択されている場合、第1制御部16は、撮像部14に動作電源が供給されると、撮像部14で撮像して得られたカラー映像の明るさを判断し、この判断結果に基づいて照明部15を点灯させる機能を有している。具体的に説明すると、まず、第1制御部16は、撮像部14に動作電源が供給されると、撮像部14で撮像して得られたカラー映像を構成する複数の画像データにおいて、これらの画像データの各々を構成する各画素の輝度値に基づいて各画素の明るさを判断する。ここで、第1制御部16には、各画像データの各画素の輝度値に対して、各画素の明るさが明るいか否かを判断するためのしきい値が予め設定されている。この第1制御部16は、各画像データの各画素の輝度値が予め設定されたしきい値以下の場合、各画素の明るさを暗いと判断する。一方、第1制御部16は、各画像データの各画素の輝度値が予め設定されたしきい値よりも大きい場合、各画素の明るさを明るいと判断する。
【0040】
また、第1制御部16は、各画像データを構成する各画素のうち明るさが明るいと判断された画素の合計数に基づいて、各画像データの明るさを判断する。ここにおいて、第1制御部16には、各画像データを構成する各画素のうち明るさが明るいと判断された画素の合計数に対して、各画像データの明るさが明るいか否かを判断するための第1規定値が予め設定されている。この第1制御部16は、明るさが明るいと判断された画素の合計数が予め設定された第1規定値以下の場合、各画像データの明るさを暗いと判断する。一方、第1制御部16は、明るさが明るいと判断された画素の合計数が予め設定された第1規定値よりも大きい場合、各画像データの明るさを明るいと判断する。
【0041】
また、第1制御部16は、撮像部14で撮像して得られたカラー映像を構成する複数の画像データのうち明るさが明るいと判断された画像データの合計数に基づいて、このカラー映像の明るさを判断する。ここにおいて、第1制御部16には、カラー映像を構成する複数の画像データのうち明るさが明るいと判断された画像データの合計数に対して、このカラー映像の明るさが明るいか否かを判断するための第2規定値が予め設定されている。この第1制御部16は、明るさが明るいと判断された画像データの合計数が予め設定された第2規定値以下の場合、カラー映像の明るさを暗いと判断する。一方、第1制御部16は、明るさが明るいと判断された画像データの合計数が予め設定された第2規定値よりも大きい場合、カラー映像の明るさを明るいと判断する。
【0042】
したがって、第1制御部16は、撮像部14に動作電源が供給されると、撮像部14で撮像して得られたカラー映像の明るさを判断し、この判断結果に基づいて照明部15を点灯させることが可能となる。
【0043】
以下、本実施形態のインターホンシステムにおいて、ドアホン1の動作モードとして来客対応モードが選択されている場合の動作を、図3に基づいて説明する。
【0044】
本実施形態では、来訪者がドアホン1の呼出釦12aを押操作すると、呼出部12が呼出信号を第1制御部16へ出力する。第1制御部16は、呼出信号が入力されると、検出信号を第1通信部11へ出力する。第1通信部11は、第1制御部16から出力された検出信号を、信号線3を介して親機2の第2通信部21へ送信する(S1)。
【0045】
親機2の第2通信部21は、ドアホン1の第1通信部11から送信された検出信号を受信すると、検出信号を第2制御部25へ出力する。第2制御部25は、検出信号が入力されると、第2スピーカ23bから呼出音を鳴動させるとともに、給電信号を上記給電部へ出力する。上記給電部は、給電信号が入力されると、信号線3を介してドアホン1の上記電源部へ動作電圧を給電する(S2)。
【0046】
ドアホン1の上記電源部は、親機2から信号線3を介して給電された動作電圧を動作電源として第1通話部13、撮像部14および照明部15の各々に供給する。第1制御部16は、撮像部14に動作電源が供給されると、撮像部14で撮像して得られたカラー映像を構成する複数の画像データに基づいてこのカラー映像の明るさを判断する(S3〜S4)。第1制御部16は、撮像部14で撮像して得られたカラー映像の明るさを暗いと判断した場合、照明部15を点灯させる(S5)。一方、第1制御部16は、撮像部14で撮像して得られたカラー映像の明るさを明るいと判断した場合、照明部15を点灯させない(S6)。
【0047】
そして、ドアホン1の第1通信部11は、上述の多重化信号を動作電圧に重畳させて親機2の第2通信部21へ送信する(S7)。第2通信部21は、受信した多重化信号を映像信号と第1音声信号とに分離して、映像信号を表示部24へ出力し、第1音声信号を第2通話部23へ出力する。第2制御部25は、表示部24の表示パネル24aにドアホン1の撮像部14で撮像して得られたカラー映像を表示させるとともに、第2通話部23の第2スピーカ23bから第1音声を出力させる。
【0048】
ここで、親機2は、居住者により応答釦22aが押操作されると、ドアホン1との間で通話が可能となる(S8)。また、本実施形態では、居住者が、再度、親機2の応答釦22aを押操作してドアホン1との間での通話を終了する(S9)と、親機2の第2制御部25が、給電信号を上記給電部へ出力するのを停止する。言い換えれば、親機2の上記給電部が、信号線3を介してドアホン1の上記電源部へ動作電圧を給電するのを終了する(S10)。ここにおいて、本実施形態では、居住者が来訪者との通話を終了した後に親機2の応答釦22aを押操作することで、親機2の上記給電部が、ドアホン1の上記電源部へ動作電圧を給電するのを終了するようにしているが、居住者が来訪者と通話するために親機2の応答釦22aを押操作してから所定の通話時間(例えば、数分間)が経過した時点で上記電源部へ動作電圧を給電するのを終了するようにしてもよい。
【0049】
また、本実施形態のインターホンシステムでは、ドアホン1の動作モードとしてポーチ灯モードが選択されている場合、第1制御部16は、一定時間(例えば、1時間)ごとに、撮像部14で撮像して得られたカラー映像の明るさを判断し、この判断結果に基づいて照明部15を点灯させる機能を有している。具体的に説明すると、第1制御部16は、上記一定時間ごとに、撮像部14で撮像して得られたカラー映像を構成する複数の画像データに基づいてこのカラー映像の明るさを判断し、この判断結果に基づいて照明部15を点灯させる。ここにおいて、親機2の第2制御部25は、予め設定された上記一定時間ごとに、給電信号を上記給電部へ出力するとともに、ドアホン1の第1制御部16に撮像部14で撮像して得られたカラー映像の明るさを判断させるための第1制御信号を第2通信部21へ出力する機能を有している。また、第2通信部21は、第2制御部25から出力された第1制御信号を、動作電圧に重畳させてドアホン1の第1通信部11へ送信する機能を有している。また、ドアホン1の第1通信部11は、第1制御信号を受信すると、受信した第1制御信号を第1制御部16へ出力する機能を有している。第1制御部16は、第1制御信号が入力されると、照明部15を消灯させた後に、撮像部14で撮像して得られたカラー映像の明るさを判断する機能を有している。
【0050】
以下、本実施形態のインターホンシステムにおいて、ドアホン1の動作モードとしてポーチ灯モードが選択されている場合の動作を、図4に基づいて説明する。
【0051】
親機2の第2制御部25は、予め設定された上記一定時間ごとに、給電信号を上記給電部へ出力するとともに、第1制御信号を第2通信部21へ出力する。上記給電部は、給電信号が入力されると、信号線3を介してドアホン1の上記電源部へ動作電圧を給電する(S1)。また、第2通信部21は、第2制御部25から出力された第1制御信号を、動作電圧に重畳させてドアホン1の第1通信部11へ送信する(S2)。
【0052】
ドアホン1の第1通信部11は、第1制御信号を受信する(S3)と、受信した第1制御信号を第1制御部16へ出力する。第1制御部16は、第1制御信号が入力されると、照明部15を消灯させた後に、撮像部14で撮像して得られたカラー映像を構成する複数の画像データに基づいてカラー映像の明るさを判断する(S4〜S5)。
【0053】
ここで、ドアホン1の第1制御部16は、撮像部14で撮像して得られたカラー映像の明るさを暗いと判断した場合、照明部15を点灯させる(S6)。また、第1制御部16は、照明部15を点灯させた場合、照明部15が点灯状態であることを示す点灯信号を第1通信部11へ出力する。第1通信部11は、第1制御部16から出力された点灯信号を、動作電圧に重畳させて親機2の第2通信部21へ送信する(S7)。
【0054】
親機2の第2通信部21は、ドアホン1の第1通信部11から送信された点灯信号を受信すると、受信した点灯信号を第2制御部25へ出力する。第2制御部25は、点灯信号が入力されると、給電信号を上記給電部へ出力し続ける。言い換えれば、親機2の上記給電部は、信号線3を介してドアホン1の上記電源部へ動作電圧を給電し続ける(S8)。ここで、本実施形態では、親機2の第2制御部25が、この第2制御部25に予め設定された消灯時刻(例えば、朝方)になったときに、給電信号を上記給電部へ出力するのを停止してもよい。言い換えれば、親機2の上記給電部は、第2制御部25に予め設定された消灯時刻になったときに、信号線3を介してドアホン1の上記電源部へ動作電圧を給電するのを終了してもよい。要するに、本実施形態では、親機2が、第2制御部25に予め設定された消灯時刻になったときに、ドアホン1の照明部15を消灯させてもよい。
【0055】
また、第2制御部25は、予め設定された上記一定時間になったとき(S9)に、第1制御信号を第2通信部21へ出力する。
【0056】
一方、ドアホン1の第1制御部16は、S5において、撮像部14で撮像して得られたカラー映像の明るさを明るいと判断した場合、照明部15を点灯させない(S10)。また、第1制御部16は、照明部15を点灯させない場合、照明部15が消灯状態であることを示す消灯信号を第1通信部11へ出力する。第1通信部11は、第1制御部16から出力された消灯信号を、動作電圧に重畳させて親機2の第2通信部21へ送信する(S11)。
【0057】
親機2の第2通信部21は、ドアホン1の第1通信部11から送信された消灯信号を受信すると、受信した消灯信号を第2制御部25へ出力する。第2制御部25は、消灯信号が入力されると、給電信号を上記給電部へ出力するのを停止する。言い換えれば、親機2の上記給電部は、信号線3を介してドアホン1の上記電源部へ動作電圧を給電するのを終了する(S12)。
【0058】
しかして、本実施形態のインターホンシステムでは、ドアホン1の動作モードとしてポーチ灯モードが選択されている場合、照明部15が撮像部14で撮像して得られたカラー映像の明るさに基づいて点灯するので、例えば、住宅外の明るさが暗くなったときに照明部15をポーチ灯として点灯させることが可能となる。また、本実施形態では、ドアホン1の動作モードとしてポーチ灯モードが選択されている場合、来訪者がドアホン1の呼出釦12aを押操作する前に照明部15を点灯させることが可能となり、来訪者がドアホン1に近づくに従って照明部15から照射された光に目が慣れるので、子機の呼出釦にて押操作されたときに照明部を点灯させる場合に比べて、来訪者がドアホン1の照明部15からの光を眩しく感じることを抑制し、且つ、居住者がカラー映像にて来訪者の顔をすぐに確認することが可能となる。また、本実施形態では、ドアホン1の動作モードとして来客対応モードが選択されている場合、例えば、玄関先などの住宅外に既にポーチ灯が設置された住宅でもドアホン1の照明部15をポーチ灯として利用することが可能となる。
【0059】
ここにおいて、本実施形態では、ドアホン1の上記電源部が、第1通話部13、撮像部14および照明部15だけに動作電源を供給するようにしているが、上記電源部が、呼出部12、第1通話部13、撮像部14、照明部15、第1通信部11および第1制御部16すべてに動作電源を供給するようにしてもよい。この場合、親機2の上記給電部は、呼出部12、第1通信部11および第1制御部16のみを動作可能とする第1動作電圧を生成する。また、上記給電部は、呼出部12、第1通話部13、撮像部14、照明部15、第1通信部11および第1制御部16すべてを動作可能とする第2動作電圧を生成する。なお、第1動作電圧は、第2動作電圧よりも小さく設定されている。
【0060】
本実施形態のインターホンシステムでは、親機2の上記給電部が信号線3を介してドアホン1の上記電源部へ第1動作電圧を給電すると、呼出部12、第1通信部11および第1制御部16のみが動作状態となる。また、本実施形態では、親機2の上記給電部が信号線3を介してドアホン1の上記電源部へ第2動作電圧を給電すると、呼出部12、第1通話部13、撮像部14、照明部15、第1通信部11および第1制御部16すべてが動作状態となる。ここにおいて、ドアホン1の上記電源部は、親機2から信号線3を介して給電された第1動作電圧または第2動作電圧を動作電源として呼出部12、第1通話部13、撮像部14、照明部15、第1通信部11および第1制御部16の各々に供給する。
【0061】
したがって、本実施形態のインターホンシステムでは、呼出部12、第1通信部11および第1制御部16のみを動作させる第1動作電圧を第2動作電圧よりも小さく設定しているので、居住者が来訪者と通話可能な場合や居住者が住宅内から住宅外をモニタする場合以外に、システム全体の消費電力を低減することが可能となる。
【0062】
(実施形態2)
本実施形態のインターホンシステムの基本構成は、図1および図2に基づいて説明した実施形態1と同じであり、ドアホン1の第1制御部16が、予め設定された点灯時刻に基づいて照明部15を点灯させる点などが実施形態1と相違する。
【0063】
親機2の第2制御部25には、ドアホン1の第1制御部16により照明部15を点灯させる時刻(以下、点灯時刻と称する)が予め設定されている。また、第2制御部25には、ドアホン1の第1制御部16により照明部15を消灯させる時刻(以下、消灯時刻と称する)が予め設定されている。
【0064】
また、第2制御部25は、予め設定された点灯時刻になったときに、給電信号を上記給電部へ出力するとともに、ドアホン1の第1制御部16により照明部15を点灯させるための第2制御信号を第2通信部21へ出力する。ここにおいて、第2通信部21は、第2制御部25から出力された第2制御信号を、動作電圧に重畳させてドアホン1の第1通信部11へ送信する機能を有している。ドアホン1の第1通信部11は、第2制御信号を受信すると、受信した第2制御信号を第1制御部16へ出力する機能を有している。第1制御部16は、第2制御信号が入力されると、照明部15を点灯させる。
【0065】
以下、本実施形態のインターホンシステムにおいて、ドアホン1の動作モードとしてポーチ灯モードが選択されている場合の動作を、図5に基づいて説明する。
【0066】
親機2の第2制御部25は、予め設定された点灯時刻になったときに、給電信号を上記給電部へ出力するとともに、第2制御信号を第2通信部21へ出力する。上記給電部は、給電信号が入力されると、信号線3を介してドアホン1の上記電源部へ動作電圧を給電する(S1)。また、第2通信部21は、第2制御部25から出力された第2制御信号を、動作電圧に重畳させてドアホン1の第1通信部11へ送信する(S2)。
【0067】
ドアホン1の第1通信部11は、親機2の第2通信部21から送信された第2制御信号を受信すると、受信した第2制御信号を第1制御部16へ出力する。第1制御部16は、第2制御信号が入力されると、照明部15を点灯させる(S3)。そして、第1制御部16は、点灯信号を第1通信部11へ出力する。第1通信部11は、第1制御部16から出力された点灯信号を、動作電圧に重畳させて親機2の第2通信部21へ送信する。
【0068】
親機2の第2通信部21は、ドアホン1の第1通信部11から送信された点灯信号を受信すると、受信した点灯信号を第2制御部25へ出力する。第2制御部25は、点灯信号が入力されると、給電信号を上記給電部へ出力し続ける。言い換えれば、親機2の上記給電部は、信号線3を介してドアホン1の上記電源部へ動作電圧を給電し続ける(S4)。
【0069】
また、第2制御部25は、予め設定された消灯時刻になったときに、給電信号を上記給電部へ出力するのを停止する。言い換えれば、親機2の上記給電部は、予め設定された消灯時刻になったときに、信号線3を介してドアホン1の上記電源部へ動作電圧を給電するのを終了する(S5)。要するに、ドアホン1の照明部15が消灯する。
【0070】
しかして、本実施形態のインターホンシステムでは、ドアホン1の動作モードとしてポーチ灯モードが選択されている場合、照明部15が予め設定された点灯時刻に基づいて点灯するので、住宅外の明るさが暗くなる時刻(例えば、夕方)に照明部15をポーチ灯として点灯させることが可能となる。また、本実施形態でも、ドアホン1の動作モードとしてポーチ灯モードが選択されている場合、来訪者がドアホン1の呼出釦12aを押操作する前に照明部15を点灯させることが可能となり、来訪者がドアホン1に近づくに従って照明部15から照射された光に目が慣れるので、子機の呼出釦にて押操作されたときに照明部を点灯させる場合に比べて、来訪者がドアホン1の照明部15からの光を眩しく感じることを抑制し、且つ、居住者がカラー映像にて来訪者の顔をすぐに確認することが可能となる。
【符号の説明】
【0071】
1 ドアホン
2 インターホン親機
12a 呼出釦
14 撮像部
15 照明部
24 表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
住宅外に設置され居住者を呼び出し可能なドアホンと、住宅内に設置され前記ドアホンからの呼び出しに応じて前記ドアホンとの間で通話可能とするインターホン親機とを備え、前記ドアホンは、居住者を呼び出すための呼出釦と、所定エリアを撮像してカラー映像を得る撮像部と、前記所定エリアを照明可能な照明部とを有し、前記インターホン親機は、前記撮像部で撮像して得られたカラー映像を表示する表示部を有してなり、前記ドアホンの動作モードとして、前記照明部をポーチ灯として点灯させるポーチ灯モードと、前記照明部を前記呼出釦の押操作に基づいて点灯させる来客対応モードとを備えて、前記ポーチ灯モードと前記来客対応モードとを選択可能であることを特徴とするインターホンシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−26849(P2013−26849A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−160179(P2011−160179)
【出願日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】