説明

インテリジェントスイッチ

【課題】従来技術における受信装置では、デコーダと対応する数のチューナの組をセレクタに接続しなければ、同時視聴、同時録画をすることができなかった。また、チューナの数を減らすと、同時視聴したい番組のタイミングによっては、チューナ部とデコード部に空きがある状態であっても、受信したい放送を視聴できない事態が発生しうるという課題がある。
【解決手段】本発明では、入力ポート(0101)と、入力ポートよりも少ない出力ポート(0102)とを有し、入力ポートと出力ポートの接続は、クロススイッチ(0103)によって切換可能に接続される。クロススイッチでは、使用していない出力ポートを検索して各ポートを接続し、入力信号が出力される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の入力ポートと出力ポートを搭載する電子機器の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、動画像圧縮技術の向上、記録媒体の低価格化・大容量化、CPUの高速化などに伴い、入力ポート及び出力ポートを複数搭載することにより複数番組の同時視聴または同時記録を可能とした受信装置、記録再生装置が数多く製品化されている。現在では、地上アナログチューナを2つ搭載して入力ポートに接続したもの、あるいは、地上デジタルチューナとBS/CS110度デジタルチューナをそれぞれ2つずつ搭載して入力ポートに接続した製品などが主流であり、これらの入力ポートの中から2番組の同時視聴あるいは同時記録を行う機能を備えているものが多い。
【0003】
図10は地上デジタルチューナとBS/CS110度デジタルチューナをそれぞれ2つずつ搭載した受信装置のハードウェア構成を示すブロック図である。この装置は、地上デジタルチューナであるチューナ部AとBS/CS110度デジタルチューナであるチューナ部Bとを1つの組として2組備え、それぞれの組には対応するセレクタとデコード部を有している。このような構成とすることで、例えば異なる2つのチャンネルの地上デジタル放送を受信して録画したり、地上デジタル放送とBSデジタル放送を受信して録画したりすることが可能である。また、このようなチューナを追加・変更して複数のデジタル放送を受信する技術が開示されている(例えば、特許文献1)。
【0004】
しかし、チューナを多数搭載した場合には、部品点数や基板面積の増加によりコストの増加、あるいは消費電力の増加といった問題が生じる。また、これらの問題を解消しようと、チューナを一つ減らした図11に示すような構造とした受信装置が考えられる。図11は、図10に示す受信装置の構成からBS/CS110度デジタルチューナであるチューナBを1つ減らした構成の受信装置を示す。
【特許文献1】特開2000−354207号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、図11に示す構成をとる受信装置において、BS/CS110度デジタル放送と地上デジタル放送を同時に視聴する場合について不都合が生じる場合がある。図11に示す構成をとる受信装置において、誤って、BS/CSデジタル110度デジタルチューナ(チューナ部B)が接続されているデコード部にて地上デジタルチューナ(チューナ部A)を使用して地上デジタル放送の視聴を開始してしまった場合、チューナ部Bとデコード部が1つずつ空いているにもかかわらず、チューナ部Bにて受信した放送を視聴できない事態が発生しうる。チューナの種類がさらに多い場合についても同様の問題が発生する。
【0006】
このように、チューナを多数搭載した場合であっても、図11に示すように、チューナ部とデコード部との接続を固定した場合には、使用していないチューナ部やデコード部が存在するにも関わらず、受信したデジタル放送などを視聴することができない場合があるという課題が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、第一発明では複数の入力ポートと、入力ポートより少ない数の出力ポートと、入力ポートからの入力信号を出力するための出力ポートを選択するためのクロススイッチと、を有する電子機器を提案する。
【0008】
第二発明では、第一発明に記載の電子機器であって、リソースマップと、前記リソースマップを参照することにより前記クロススイッチの切換制御を行うリソースマネージャと、を有する電子機器を提案する。
【0009】
第三発明では、第二発明に記載の電子機器であって、命令部からの命令を前記リソースマネージャに伝達するためのホストインターフェースを有する電子機器を提案する。
【0010】
第四発明では、第一発明から第三発明のいずれか一に記載の電子機器であって、複数の放送データ受信部を有し、前記入力ポートは、前記放送データ受信部にて受信した放送データを入力するためのポートである電子機器を提案する。
【0011】
第五発明では、第四発明に記載の電子機器であって、再生部と、記録部と、を有し、前記出力ポートは、前記受信した放送データを前記再生部又は、前記記録部へ出力するためのポートである電子機器を提案する。
【0012】
第六発明では、入力ポートと出力ポートの接続要求を受け付ける接続要求受付ステップと、前記接続要求受付ステップにて受け付けた接続要求を受けると、使用していない出力ポートを検索して入力ポートと出力ポートを接続する接続ステップと、前記接続ステップにて接続された入力ポートからの入力信号を出力ポートから出力する入力信号出力ステップとからなる電子機器の動作方法を提案する。
【0013】
第七発明では、第六発明に記載の電子機器の動作方法であって、前記接続ステップにおいて、リソースマップを参照して使用していない出力ポートを検索することを特徴とするリソースマップ参照サブステップをさらに有することを特徴とする電子機器の動作方法を提案する。
【発明の効果】
【0014】
以上のような構成をとる本発明の電子機器では、入力ポートからの入力信号を、使用していない出力ポートを選択して出力することができる。従って、出力ポートに接続されている使用していない装置が存在するにもかかわらず、入力信号を出力することができないという事態を回避することができる。このため、出力ポートに接続されている装置の資源を有効に活用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、本発明はこれら実施の形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施しうる。なお、以下の実施形態と請求項の関係は次の通りである。実施形態1は請求項1、6などについて説明する。実施形態2は請求項2、7などについて説明する。実施形態3は請求項3などについて説明する。実施形態4は請求項4、5などについて説明する。
【0016】
≪実施形態1≫(実施形態1の構成)実施形態1について説明する。図1に本実施形態にかかる受信装置の機能ブロック図の一例を示す。本実施形態にかかる電子機器(0100)は、「入力ポート」(0101)と、「出力ポート」(0102)と、「クロススイッチ」(0103)と、からなる。
【0017】
なお、本件発明の構成要素である各部は、ハードウェア、ソフトウェア、ハードウェアとソフトウェアの両方のいずれかなどによって構成される。例えば、これらを実現する一例として、一部にコンピュータなどを利用する場合には、CPU、バス、メモリ、インターフェース、周辺装置などで構成されるハードウェアと、それらハードウェア上で実行可能なソフトウェアがある。ソフトウェアとしては、メモリ上に展開されたプログラムを順次実行することで、メモリ上のデータや、インターフェースを介して入力されるデータの加工、保存、出力などにより各部の機能が実現される。(明細書の全体を通じて同様である。)
【0018】
(実施形態1の構成の説明)「入力ポート」(0101)は、電子機器(0100)に信号を入力可能なように構成されている。入力ポートは複数備えられる。入力ポートから入力される信号は、デジタル放送信号、アナログ放送信号、音声信号、携帯電話の電波、など、電気的、電磁的、光学的などにより、伝達可能な情報であれば特定の種類のものに限られない。具体例を示すと、例えば、電子機器が放送受信装置の場合には、入力ポートには、地上デジタル放送チューナ、BS/CSデジタルチューナなどの複数のチューナが接続される。
【0019】
「出力ポート」(0102)は、入力ポートから電子機器(0100)に入力された入力信号を出力可能となるように構成されている。入力信号とは、入力ポートから入力された信号である。
【0020】
「クロススイッチ」(0103)は、入力ポートからの入力信号を出力するための出力ポートを選択するように構成されている。入力ポートと出力ポートとは、クロススイッチ内で接続され、入力ポートからの入力信号が出力ポートに出力される。クロススイッチは、クロススイッチの制御をするためのソフトウェアと、ソフトウェアを動作させるためのハードウェアによって構成される。ハードウェアとしては、ソフトウェアを動作させるためのCPU及び揮発性メモリ、ソフトウェアを格納するための不揮発性メモリ、入力ポートと出力ポートを接続するためのバスなどから構成される。なお、クロススイッチの制御は、後述するリソースマネージャにて行うこととしても良い。
【0021】
クロススイッチでは、入力ポートからの入力信号を受け付けると、使用していない出力ポートを検索し、使用していない出力ポートへ入力信号を出力する。このため、入力ポートと出力ポートとが1対1に対応して接続されていなくても、使用していない出力ポートが存在しさえすれば、入力信号を出力することができる。
【0022】
例えば、電子機器が放送受信装置の場合には、出力ポートに接続されるのは、同一のデコーダであり、入力ポートに接続されるのは、放送受信装置が受信可能な放送データの種類ごとのチューナなどである。これは、地上デジタル放送とBS/CSデジタル放送を受信するためには、異なるチューナを用意しなくてはならないが、これらを受信した放送データは、同一のデコーダなどでデコードすることができるためである。従って、入力ポートと出力ポートが1対1に接続されていなくても、入力ポートからの入力信号を任意の出力ポートへ出力することができる。
【0023】
このように、入力ポートには入力される信号による特異性が高い装置が接続され、出力ポートには汎用性が高い装置が接続されることが望ましい。このとき、入力ポートは、入力される信号の種類に応じた数だけ必要となるが、出力ポートは、入力信号の出力先の装置の数や処理能力に応じた数とすることで、出力先の装置を効率的に活用することができる。
【0024】
図2を用いて、クロススイッチの動作を具体的に示す。図2(1)では、入力ポートAと出力ポートAが接続され、入力ポートCと出力ポートBが接続された状態を示している。この状態において、入力ポートBといずれかの出力ポートとを接続する要求を受けると、クロススイッチでは、出力ポートの中から使用していない出力ポートを検索する。図2(1)では、出力ポートCが使用されていないため、クロススイッチは、図2(2)に示すように入力ポートBと出力ポートCを接続する。このようにして、入力ポートBからの入力信号は出力ポートCから出力される。
【0025】
入力ポートと出力ポートとの接続は、接続要求を受ける度に機械的にスイッチングを行っても良いし、半導体を用いて通電する方向を変更することなどでスイッチングを行っても良いし、入力ポートと出力ポートとを予め物理的には入力信号が伝達可能な状態とし、入力ポートからの入力信号を表す情報のヘッダ部分に特定の出力ポートのアドレスを示す情報を付加することで、入力ポートと出力ポートとを接続することとしても良い。
【0026】
(実施形態1の処理の流れ)図3に実施形態1の電子機器の処理の流れを示す。図3に示すように、本実施形態の電子機器では、まず、入力ポートと出力ポートの接続要求を受け付ける(S0301:接続要求受付ステップ)。このとき、出力ポートが全て使用中である場合には接続要求を受け付けることができない。使用していない出力ポートが存在する場合には、接続要求を受け付けることができる。前記接続要求受付ステップにて、接続要求を受け付けると、使用していない出力ポートを検索して、入力ポートと出力ポートを接続する(S0302:接続ステップ)。前記接続ステップにて入力ポートと出力ポートとが接続されると、接続された入力ポートからの入力信号を出力ポートから出力する(S0303:入力信号出力ステップ)。
【0027】
(実施形態1の効果)以上のような構成をとる本発明の電子機器では、入力ポートからの入力信号を、使用していない出力ポートを選択して出力することができる。従って、出力ポートに接続されている使用していない装置が存在するにもかかわらず、入力信号を出力することができないという事態を回避することができる。このため、出力ポートに接続されている装置の資源を有効に活用することができる。
【0028】
≪実施形態2≫(実施形態2の構成)実施形態2について説明する。図4に本実施形態にかかる電子機器の機能ブロック図の一例を示す。本実施形態にかかる電子機器(0400)は、実施形態1を基本とし、「入力ポート」(0401)と、「出力ポート」(0402)と、「クロススイッチ」(0403)とを有する。これらの構成については実施形態1にて説明済みであるため説明を省略する。本実施形態にかかる受信装置は、さらに、「リソースマップ」(0404)と、「リソースマネージャ」(0405)を有することを特徴とする。
【0029】
(実施形態2の構成の説明)「リソースマップ」(0404)は、クロススイッチの接続情報を示す情報である。リソースマップは、電子機器が備える不揮発性メモリなどの記憶領域に格納されている。リソースマップは、各入力ポートの識別子と、各出力ポートの識別子とを関連付けて、どの入力ポートと出力ポートが接続状態であるのかを示す。図5にリソースマップの情報をテーブル状に表したものを示す。また、入力ポートに接続されていない出力ポートは、図5中「×」で示している。このリソースマップを参照することで、どの入力ポートと出力ポートが接続状態にあるのかが分かる。例えば、図5では、出力ポートNO1と入力ポートNO.2、出力ポートNO.2と入力ポートNO.3、出力ポートNO.4と入力ポートNO.6、出力ポートNO.6と入力ポートNO.8の各ポートが接続されていることを示し、出力ポートNO.3、5、7については入力ポートに接続されていない(即ち、使用されていない)状態であることがわかる。
【0030】
「リソースマネージャ」(0405)は、前記リソースマップを参照することによりクロススイッチの切換制御を行う。リソースマネージャは、クロススイッチの切換制御を行うためのソフトウェアと、ソフトウェアを動作させるためのハードウェアによって構成される。ハードウェアとしては、ソフトウェアを動作させるためのCPU及び揮発性メモリ、ソフトウェアを格納するための不揮発性メモリなどから構成される。また、リソースマネージャには、リソースマップを更新するためのソフトウェアを備えていても良い。
【0031】
リソースマネージャでは、入力ポートと出力ポートの接続要求を受け付けると、リソースマップを参照して、接続要求がされている入力ポートと使用していない出力ポートとを接続する。例えば、リソースマネージャが図5に示すリソースマップを参照した場合には、出力ポートNO.3のポートが使用していない状態であることを読み取ることができる。リソースマネージャでは、接続要求がされている入力ポートと出力ポートNO.3の出力ポートとを接続する。また、このようにして、クロススイッチにおける入力ポートと出力ポートの接続状況が変化すると、リソースマネージャは、その変化に応じてリソースマップを更新することが望ましい。例えば、上記出力ポートNO.3に接続された入力ポートが入力ポートNO.1である場合には、図5のリソースマップが更新されて図6のようになる。
【0032】
(実施形態2の処理の流れ)図7に本実施形態の電子機器の処理の流れを示す。図7に示すように、本実施形態の電子機器は、実施形態1の処理の流れを基本とし、まず、入力ポートと出力ポートの接続要求を受け付ける(S0701:接続要求受付ステップ)。前記接続要求受付ステップにて、接続要求を受け付けると、本実施形態の電子機器では、リソースマップを参照して使用していない出力ポートを検索して(S0704:リソースマップ参照サブステップ)、検索された使用していない出力ポートと入力ポートを接続する(S0702:接続ステップ)。前記接続ステップにて入力ポートと出力ポートとが接続されると、接続された入力ポートからの入力信号を出力ポートから出力する(S0703:入力信号出力ステップ)。
【0033】
(実施形態2の効果)本実施形態にかかる電子機器は、実施形態1に記載の効果に加え、リソースマップを備えることで、効率的に使用していない出力ポートを検索することができる。
【0034】
≪実施形態3≫(実施形態3の構成)実施形態3について説明する。図8に本実施形態にかかる記録再生装置の機能ブロック図の一例を示す。本実施形態にかかる電子機器(0800)は、実施形態2を基本とし、「入力ポート」(0801)と、「出力ポート」(0802)と、「クロススイッチ」(0803)、「リソースマップ」(0804)と、「リソースマネージャ」(0805)とを有する。これらの構成については実施形態2にて説明済みであるため説明を省略する。本実施形態にかかる受信装置は、さらに、「ホストインターフェース」(0806)を有することを特徴とする。
【0035】
(実施形態3の構成の説明)「ホストインターフェース」(0806)は、命令部(0807)からの命令を前記リソースマネージャに伝達するように構成されている。ホストインターフェースは、例えば、I2C端子、USB端子、IDE端子、SCSI端子など外部から情報を入力可能な端子などによって構成される。
【0036】
「命令部」(0807)は、電子機器外部に備えられ、リソースマネージャに命令を出力するように構成されている。リソースマネージャに出力する命令とは、入力ポートと出力ポートとを接続するように要求する接続要求命令や、接続されている各ポートを開放するように要求する開放命令などに関する情報である。ホストインターフェースでは、これらの命令を受け取り、リソースマネージャに伝達する。リソースマネージャでは、命令を受け取ると、この命令に従って、クロススイッチを切換制御する。
【0037】
例えば、特定の入力ポートをいずれかの出力ポートと接続する接続要求命令が命令部から出力されると、ホストインターフェースを介してリソースマネージャにこの接続要求命令が伝達される。接続要求命令を受け取ったリソースマネージャでは、リソースマップから使用していない出力ポートを検索して、接続要求命令にて要求された入力ポートを接続する。
【0038】
(実施形態3の効果)本実施形態にかかる電子機器は、実施形態2の効果に加えて、外部からの接続要求に応じてクロススイッチの切換制御を行うことができる。
【0039】
≪実施形態4≫(実施形態4の構成)実施形態4について説明する。図9に本実施形態にかかる電子機器の機能ブロック図の一例を示す。本実施形態にかかる電子機器(0900)は、実施形態3を基本とし、「入力ポート」(0901)と、「出力ポート」(0902)と、「クロススイッチ」(0903)、「リソースマップ」(0904)と、「リソースマネージャ」(0905)、「ホストインターフェース」(0906)とを有する。これらの構成については実施形態1から3にて説明済みであるため説明を省略する。本実施形態にかかる受信装置は、さらに、「放送データ受信部」(0907)又は/及び、「再生部」(0908)と、「記録部」(0909)とを有することを特徴とする。
【0040】
(実施形態4の構成の説明)「放送データ受信部」(0907)は、放送データを受信するように構成されている。放送データ受信部は、アンテナにて受信した放送波を放送データ受信部に入力するための入力端子及びケーブル、受信する放送の周波数帯を選択するためのチューナ、受信した放送波をデコーダに入力可能なデータ形式に変換するデモジュレータなどから構成される。受信する放送波の種類は、地上デジタル放送、BS/CSデジタル放送など、受信可能な放送波であれば特定の放送波に限られない。
【0041】
本実施形態における「入力ポート」(0901)は、前記放送データ受信部にて受信した放送データを入力するためのポートである。入力ポートは複数設けられているため、放送データ受信部についても複数設けることができる。設けることができる放送データ受信部の最大数は入力ポートが設けられている数と同数である。なお、放送データとは、データ放送に限られるものではなく、放送データ受信部にて受信した放送に関するデータをいう。
【0042】
「再生部」(0908)は、放送データをユーザが視聴可能な形式へ変換して再生するように構成されている。再生部は、データ変換をするためのソフトウェアと、ソフトウェアを動作させるためのハードウェアによって構成される。データ変換をするためのソフトウェアとは、放送データがデジタル放送データである場合には、デスクランブラ、デコーダを行うためのソフトウェアなどが該当する。ハードウェアとしては、ソフトウェアを動作させるためのCPU及び揮発性メモリ、ソフトウェアを格納するための不揮発性メモリ、変換した放送データを表示するためのディスプレイなどから構成される。
【0043】
「記録部」(0909)は、放送データを記憶領域に記憶可能な形式へデータ変換して記憶領域に記録するように構成されている。記録部は、記憶領域に記憶可能な形式へデータ変換をするためのソフトウェアと、ソフトウェアを動作させるためのハードウェアによって構成される。データ変換をするためのソフトウェアとは、放送データがデジタル放送データである場合には、デスクランブラやストリームパケットのフィルタリング、挿入等により記録媒体に記録できる形式に変換するソフトウェアが該当する。ハードウェアとしては、ソフトウェアを動作させるためのCPU及び揮発性メモリ、ソフトウェアを格納するための不揮発性メモリ、変換した放送データを記録するための記憶領域などから構成される。
【0044】
本実施形態における「出力ポート」(0902)は、前記受信した放送データを前記再生部(0908)又は、前記記録部(0909)へ出力するためのポートである。出力ポートは入力ポートよりも少ない数で複数設けられているため、再生部又は記録部についても複数設けることができる。設けることができる再生部、記録部の最大数は出力ポートが設けられている数と同数である。
【0045】
(実施形態4の効果)本実施形態にかかる電子機器は、実施形態3の効果に加えて、複数の放送データ受信部を入力ポートに接続することで、複数の放送データを同時出力することができ、複数の放送番組を同時視聴、同時録画することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】実施形態1の機能ブロック図
【図2】入力ポートと出力ポートを接続する場合のクロススイッチの内部動作を説明する図
【図3】実施形態1の処理の流れを表す図
【図4】実施形態2の機能ブロック図
【図5】テーブル状に管理されたリソースマップを表す図
【図6】更新されたリソースマップを表す図
【図7】実施形態2の処理の流れを表す図
【図8】実施形態3の機能ブロック図
【図9】実施形態4の機能ブロック図
【図10】従来技術におけるハードウェア構成を表す図
【図11】従来技術におけるハードウェア構成を表す図(2)
【符号の説明】
【0047】
0100 電子機器
0101 入力ポート
0102 出力ポート
0103 クロススイッチ
0404 リソースマップ
0405 リソースマネージャ
0806 ホストインターフェース
0907 放送データ受信部
0908 再生部
0909 記録部
S0301 接続要求受付ステップ
S0302 接続ステップ
S0303 入力信号出力ステップ
S0704 リソースマップ参照サブステップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の入力ポートと、
入力ポートより少ない数の出力ポートと、
入力ポートからの入力信号を出力するための出力ポートを選択するためのクロススイッチと、
を有する電子機器。
【請求項2】
リソースマップと、
前記リソースマップを参照することにより前記クロススイッチの切換制御を行うリソースマネージャと、
を有する請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
命令部からの命令を前記リソースマネージャに伝達するためのホストインターフェースを有する請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
複数の放送データ受信部を有し、
前記入力ポートは、前記放送データ受信部にて受信した放送データを入力するためのポートである請求項1から3のいずれか一に記載の電子機器。
【請求項5】
再生部と、
記録部と、を有し、
前記出力ポートは、前記受信した放送データを前記再生部又は、前記記録部へ出力するためのポートである請求項4に記載の電子機器。
【請求項6】
入力ポートと出力ポートの接続要求を受け付ける接続要求受付ステップと、
前記接続要求受付ステップにて受け付けた接続要求を受けると、使用していない出力ポートを検索して入力ポートと出力ポートを接続する接続ステップと、
前記接続ステップにて接続された入力ポートからの入力信号を出力ポートから出力する入力信号出力ステップ
とからなる電子機器の動作方法。
【請求項7】
前記接続ステップにおいて、
リソースマップを参照して使用していない出力ポートを検索することを特徴とするリソースマップ参照サブステップを
さらに有することを特徴とする請求項6に記載の電子機器の動作方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−110563(P2007−110563A)
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−300922(P2005−300922)
【出願日】平成17年10月14日(2005.10.14)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】