説明

インテリジェント無効電力自動補償による省エネルギー器

【課題】低コストなインテリジェント無効電力自動補償による省エネルギー器を提供する。
【解決手段】インテリジェント無効電力補償調節器1、若干の電気容量制御接触器2、若干のコンデンサー組3及び電流変成器4を備える。インテリジェント無効電力補償調節器1はサンプリング電流入力端、サンプリング電圧入力端、交流接触器に外接する電源バス及び若干の出力制御線を有する。サンプリング電流入力端は電流変成器4に接続され、サンプリング電圧入力端は電源に接続され、交流接触器に外接する電源バスは電源のホット側に接続される。コンデンサー組3は若干の電気容量制御接触器2によって電源に接続される。複数のコンデンサーの接続及び分断を制御することにより、無効電力を調節・補償し、調節・補償精度を無効電力総量の1‰以上に達成させ、cosΦ=1を完全に実現させ、省エネルギー効果を良好にすることが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電源補償分野に関し、特にインテリジェント無効電力自動補償による省エネルギー器に関する。
【背景技術】
【0002】
電力は環境に一番優しくて清潔なエネルギー源というだけでなく、使用の際の利便性、迅速性、高品質、高効率などの特性を有し、かつ輸送および制御を容易にすることができるエネルギー源であるとされる。
誘導性負荷抵抗が交流電に対し逆起電力を発生させる干渉作用のため、流入した電流は電圧の位相が90度遅れるのに対し、電気容量性負荷の電流は電圧の位相が90度進む。このような原理により、誘導性負荷抵抗において並列に接続されるコンデンサーは総回路の電流と電圧との位相角を小さくすることが可能であり、かつ適切に並列に接続されるコンデンサーはcosΦ=1即ちI=Uを達成し、一つの純抵抗とみなすことが可能である。このよう情況は並列共振または電流共振と称し、かつ無効電力補償作用を達成することが可能である(図1に示すのは並列共振または電流共振回路、即ち無効電力補償の原理図である)。電流共振の際のインダクタ、電気容量回路の電流は電源電流のQ倍となる。
Q=ωL/R
ω2=1/LC
共振周波数f0は次の数式1の通りである。
【0003】
【数1】

【0004】
共振電流が大き過ぎると回路に損害を与えてしまう可能性がある。コンデンサーが並列に接続された場合、インダクタ側の電流ILは変化があまり大きくないが、インダクタとコンデンサーとを並列に接続した後の総電流は変化が起こり、総電力因数が高くなる。インダクタに生じる無効電流IL1はコンデンサーに流入し、保存される。インダクタに給電する必要があり、かつコンデンサーが放電して逆に電源に給電する時、IL1とICとの実際の方向は反対であるため、電源に流入する電流I0を減少させてエネルギーを節約することが可能である。図2及び図3に示すのは電流と電圧位相図および電力三角図である。図中のΦcとΦLはコンデンサーの本来の進み角とインダクタの遅れ角を別々に表示する。
【0005】

【0006】
電力因数が低くなると次の欠点がある。
(1)電源の容量を十分に利用することができない。
(2)電源輸送配線、発電機および変圧器による構築の電力損失を増加させる。
(3)長距離低電圧で電気を輸送する際の電圧が不安定となる。
従って、インダクタ回路と容量とが適切なコンデンサーとを並列に接続することは、省エネルギーを最も効率的かつ簡単に達成する方法である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の主な目的は、省エネルギーを可能にするインテリジェント無効電力自動補償による低コストの省エネルギー器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の目的を達成するため、本発明によるインテリジェント無効電力自動補償による省エネルギー器は、インテリジェント無効電力補償調節器、若干の電気容量制御接触器、若干のコンデンサー組及び電流変成器を備える。インテリジェント無効電力補償調節器はサンプリング電流入力端、サンプリング電圧入力端、交流接触器に外接する電源バス及び若干の出力制御線を有する。サンプリング電流入力端は電流変成器に接続される。サンプリング電圧入力端は一端が電源のホット側に接続され、他端が電源のコールド側に接続される。交流接触器に外接する電源バスは電源のホット側に接続される。電流変成器は電源のホット側に配置される。出力制御線は電気容量制御接触器に対応するように接続され、コンデンサー組は電気容量制御接触器によって電源に接続される。
【0009】
コンデンサー組は少なくとも第一プライマリコンデンサー組を有してもよい。第一プライマリコンデンサー組は容量値を漸増させる若干の回路のセカンダリコンデンサーを有する。
コンデンサー組は少なくとも第一プライマリコンデンサー組と第二プライマリコンデンサー組を有してもよい。
【0010】
第一プライマリコンデンサー組は容量値を漸増させる若干の回路のセカンダリコンデンサーを有してもよい。後のプライマリコンデンサー組の容量値は前のプライマリコンデンサー組の容量値の1から2倍である。
第二プライマリコンデンサー組は容量値が一致する若干の回路のセカンダリコンデンサー組を有してもよい。一つの回路ごとのセカンダリコンデンサー組の容量値は第一プライマリコンデンサー組の中の容量値が最も大きいセカンダリコンデンサー組の容量値の1から2倍である。
【0011】
第一プライマリコンデンサー組は容量値を漸増させる若干の回路のセカンダリコンデンサー組を有してもよい。後の一回路のセカンダリコンデンサー組の容量値は前の一回路のセカンダリコンデンサー組の容量値の2倍である。第二プライマリコンデンサー組は容量値が一致する若干の回路のセカンダリコンデンサー組を有する。一回路ごとのセカンダリコンデンサー組の容量値は第一プライマリコンデンサー組の中の容量値が最も大きいセカンダリコンデンサー組の容量値の2倍である。
【0012】
コンデンサー組は容量値が一致する若干のプライマリコンデンサー組を有してもよい。プライマリコンデンサー組は容量値を漸増させる若干の回路のセカンダリコンデンサー組を有してもよい。
セカンダリコンデンサー組毎に容量値が一致する三つの並列コンデンサーを有してもよい。
【0013】
セカンダリコンデンサー組は三角形または星形の並列接続を採用することが可能である。
セカンダリコンデンサー組は単一のコンデンサーで代替することが可能である。
現今の技術と比べて、本発明によるインテリジェント無効電力自動補償による省エネルギー器は複数のコンデンサーの接続及び分断を制御することにより無効電力を調節・補償し、電力輸送配線の損耗を大いに減少させることが可能なだけでなく、調節・補償精度を無効電力総量の1‰以上に達成させ、cosΦ=1を完全に実現させ、省エネルギー効果を良好にすることが可能である。同時に本発明は2N-1で電気容量を漸増させる方法を採用するため、調節精度を無効電力総量の1/(2N−1)以上に達成させることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
(第1実施形態)
図4に示すように、本発明の第1実施形態によるインテリジェント無効電力自動補償による省エネルギー器1’(以下、省エネルギー器1’と称する)は、インテリジェント無効電力補償調節器1、若干の電気容量制御接触器2、若干のコンデンサー組3及び電流変成器4を備える。インテリジェント無効電力補償調節器1はサンプリング電流入力端、サンプリング電圧入力端、交流接触器に外接する電源バス、若干の出力制御線及び制御回路(図中未表示)を有する。サンプリング電流入力端は電流変成器4に接続される。サンプリング電圧入力端は一端が電源のホット側に接続され、他端が電源のコールド側に接続される。交流接触器に外接する電源バスは電源のホット側に接続される。電流変成器4は電源のホット側に配置される。出力制御線は電気容量制御接触器2に対応するように接続される。本実施形態では、インテリジェント無効電力補償調節器1は10本の出力制御線を有する。
【0015】
本発明の第1実施形態による省エネルギー器1’は、省エネルギー器1’の内部に配置されるメインスイッチ5と省エネルギー器1’を被覆するケース(図中未表示)とを有する。インテリジェント無効電力補償調節器1はプログラムを組むことができる制御器またはコンピューターを採用することが可能である。また電力使用者の総スイッチ6と電気メーター7とを省エネルギー器1’の前に接続することも可能である。
【0016】
停電の際にコンデンサー組3が思いがけず外部の配線に放電し、損傷を招くという事態を防止するため、省エネルギー器1’の内部に停電用保護用接触器(図中未表示)を配置することが可能である。停電用保護用接触器は省エネルギー器1’外の電源によって制御される。停電用保護用接触器に入力する電圧は380Vまたは220Vであり、接点電流は省エネルギー器1’の総電流の1.5倍より大きい。
【0017】
分断されたコンデンサーを短時間内で再接続する際に過電流を引き起こすという現象を減少させるため、接触器の常閉接点によって分断状態のコンデンサーに抵抗または誘導性負荷を直列に接続し、閉ループ放電を行うことが可能である。
図6に示すのはインテリジェント無効電力補償調節器の原理図である。インテリジェント無効電力補償調節器1は信号処理モジュール11、電力因数計算モジュール12、分配出力モジュール13及び保護制御モジュール14を有する。信号処理モジュール11、電力因数計算モジュール12及び分配出力モジュール13は順に接続され、そののちコンデンサー3に接続される。分配出力モジュール13は保護制御モジュール14に接続される。外部の信号は信号処理モジュール11によって読み取られ、分配出力モジュール13によってコンデンサー組3まで出力される。コンデンサー組3は帰還回路を有し、帰還回路は信号処理モジュール11から読み取られた外部の信号を修正するため信号処理モジュール11に接続される。
【0018】
信号処理モジュール11は、サンプリング電圧信号とサンプリング電流信号とに対し値の変換を別々に行って電圧量値信号と電流量値信号とを獲得し、サンプリング電圧信号とサンプリング電流信号とに対し整流、クリッピングを行って方形波の電圧信号と電流信号とを別々に生成する。
電力因数計算モジュール12は、電圧信号の上昇(または降下)から電流信号の上昇(または降下)まで高速計数器によって計数を行い、高速計数器で計算したデータと計算速度とを現在の電力因数に換算し、かつ電圧量値信号と電流量値信号とに基づいて電圧値と電流値とを測量し、かつ電力因数と電圧値と電流値との関係に基づいて無効電力値または無効電流値を算出する。電力因数によって調整する目標値は電力因数の上限と下限との中間値を取ることが一般的である。出力状態下で頻繁に調整することを減少させるため、電力因数によって調整する目標値は電力因数の上限と下限との間の区間値を採用し、中間値アで表示することが可能である。
【0019】
分配出力モジュール13は、設定された電力因数、無効電力または無効電流の上限と下限値及び遅延時間、設定された制御目標によって出力を制御する。(ゼロボルトスイッチによって制御されるコンデンサー組に対し短遅延時間または実数を制御することが可能である。)かつ無効電力値または無効電流値に対し、出力保存器の現在状態及び、各回路のコンデンサー組の容量値に対応する無効電力値または無効電流値の大きさに基づいて分配を適切に行う。かつコンデンサー組において状態を保持する必要な部分を持続的に保持し、調整が必要な部分を(順に)更新および出力する。かつコンデンサーの容量値の変更によって出力量を修正し、目標値を達成する。また分配出力モジュール13の出力端子口は、1)交流接触コイル、2)トランジスターゼロボルトスイッチ、3)複合された交流接触器コイルとトランジスターゼロボルトスイッチ、または4)直接接続されたコンデンサー組を有することが可能である。複合された交流接触器コイルとトランジスターゼロボルトスイッチの具体的な出力方式は、同一回路のコンデンサー組に対し接続・導通を行う際にまずトランジスターゼロボルトスイッチを接続し、続いて交流接触器を接続して正常な運転を行い、分断を行う際にまず交流接触器を遮断し、続いてトランジスターゼロボルトスイッチを遮断することである。その長所は接続、導通及び分断を行う際にトランジスターゼロボルトスイッチによって衝撃、発振を減少させ、交流接触器によって運転過程を完成させるだけでなく、降圧、抵抗の損耗、トランジスターゼロボルトスイッチの発熱及び放熱システムの負担を減少させることである。
【0020】
保護制御モジュール14は、分配出力モジュールを制御し、設定された電圧、電流保護値に基づいて過電圧、電圧不足保護および過電流保護を行う。また電力因数計算モジュール12、分配出力モジュール13及び保護制御モジュール14をPLCまたはコンピューターに取り替え、過程の監視および制御を達成することも可能である。
電気容量制御接触器2の入力電圧は380Vまたは220Vを選択することが可能であり、その定格稼動電流は少なくともコンデンサー組3の稼動電流の1.5倍よりも大きい。電気容量制御接触器2は常開接点20とコイル21とを有する。接触器2の入力電圧が380Vである場合、コイル21は電源のホット側に接続される。接触器2の入力電圧が220Vである場合、コイル21は電源のコールド側に接続される。本実施形態では、電気容量制御接触器2は10個である。
【0021】
コンデンサー組3は第一プライマリコンデンサー組と第二プライマリコンデンサー組とを有する。コンデンサー組3は電気容量制御接触器の常開接点20によって電源に接続される。本実施形態では、第一プライマリコンデンサー組は容量値を漸増させる六つの回路のセカンダリコンデンサーC1−C6を有する。セカンダリコンデンサー組毎に容量値が一致する三つの並列コンデンサーを有する。後の一回路のセカンダリコンデンサー組の容量値は前の一回路のセカンダリコンデンサー組の容量値の2倍である。このとき、それぞれのコンデンサー組の電気容量値の間に2N-1(この時点がN=1−6となる)によるグレード差が生成される。図5に示すのはコンデンサー(組)の電気容量のグレード差(電気容量の変化)を表示するグラフである。
【0022】
第二コンデンサー組は容量値が一致する四つの回路のセカンダリコンデンサーC7−C10を有する。セカンダリコンデンサー組毎に容量値が一致する三つの並列コンデンサーを有する。コンデンサー組C7−C10の容量値はコンデンサー組C6の容量値の2倍である。また電気容量のグレード差を漸減させる(または一致させる)方法によってC7−C10の容量値を確定することを採用することが可能である。
【0023】
コンデンサー(組)の電気容量のグレード差を表示するグラフの構成は下記の通りである。コンデンサー(組)は電気容量に基づいて両組に分列され、そのうちの第一コンデンサー組はグレード差が迅速に増大し、そして容量の小→大の順によって配列される。かつ後の一つのプライマリコンデンサー(組)は電気容量が前の一つのプライマリコンデンサー(組)の二倍である。つまり電気容量のグレード差は、2N-1(n=1、2、3、4、5、6‥‥)最大の連続倍数(1、2、4、8、16、32‥‥)で迅速に増大する(10個の回路による出力を計算すると210−1=1023)。第二コンデンサー組はグレード差が漸減する。最後の幾つかの電気容量はグレート差が漸減し(なくなるように一致し)、かつ第一コンデンサー組の中の最も大きいコンデンサーの容量の1から2倍である。
【0024】
充分な連続倍数を獲得し、調節制度を高めるため、第一コンデンサー組は電気容量のグレード差が迅速に増大するのに対し、大容量のコンデンサー(組)の接続/遮断の際にネットワークに生じる波動を減少させるため、第二コンデンサー組は電気容量のグレード差が漸減する。
第一コンデンサー組のグレード差が2倍以上、かつ2倍より少々大きい場合は許容できる。それはcosΦが1に近い時に“鈍化角”を有し、かつ正負角の差(進み角と遅れ角)が2倍で、補償が必要な電気容量が漸増するからである。2倍より明らかに大きい場合、臨界点(臨界曲線)に達する。例えば3倍の場合、連続増大倍数を獲得できないため、連続調整補償を実現させることはできない。
【0025】
第一コンデンサー組のグレード差が2倍以下、特に2倍から1倍の範囲であればよい。適切な連続倍数でさえあれば、整数倍、非整数倍または不規則倍数などのいずれでも連続調節補償の目的を達成することが可能である。グレード差が2倍に近ければ近いほど充分な連続倍数を達成し、連続調節補償を実現させることが容易になる。二進法の数位差が2倍であり、2倍を選択すれば自動制御と、第二コンデンサー組の容量値の設定とがより便利になる。
【0026】
グレード差が1倍以下であると、設定方法は以上の設定方法と別であるため、説明を省略する。
従って、グレード差の範囲が1から2倍、特に2倍に近ければ近いほどよいため、2倍のグレード差が最も好ましい。
また、第一コンデンサー組と第二コンデンサー組の設定量は実際に達成したい調節精度によって決めることが可能である。10回路のうちの6回路を第一組に、ほかの4回路を第二組にして計算すると、26−1+26*4=319倍となる。これは10回路のコンデンサーの総容量を319等分することにより無効分量を調節・補償することに相当する。
調節精度=1/総倍数*100%
【0027】
コンデンサー組3は容量値が一致する若干のコンデンサー組から構成され、かつコンデンサー組毎に容量値が一致する三つの並列コンデンサーを有することが可能である。セカンダリコンデンサー組は三角形または星形の並列接続を採用することが可能である。またセカンダリコンデンサー組は単一のコンデンサーに取り替えることが可能である。
取り付けの便を図るため、小容量のコンデンサー(組)は異なる大きさによって組み合わせ、生産工程において統合し、複数回路のコンデンサー(組)の集成を構成することが可能である。
【0028】
セカンダリコンデンサー組は単一のコンデンサーに取り替えることが可能である。
またコンデンサー組は本来の設備の電力因数と達成したい電力因数によって選択される。千ワットあたりの有効電力補償が必要なコンデンサーの無効容量値は下記の表1の通りである。表中の数値は周波数を50Hzに設定し、数式(X)で算出される。周波数が60Hzであるのに対し、数値は比例増大して1.2倍に達する。
【0029】
表中の左側の一列目は本来の設備の電力因数を表示する。一行目は達成したい電力因数を表示する。二行が互いに対応して交差したところには並列に接続される電気容量値が必要である。その単位はkilovarである。
コンデンサーのkilovarとマイクロファラド間の関係式は次の通りである。
コンデンサー抵抗Xc=1/ωC=1/2πfc
式中において、C−電気容量、ω―角周波数
KUar(kilovar)=U(ボルト)*I(アンペア)*10-3
=U*U/Xc*10-3
=U2*ωC(ファラド)*10-3
=U2*2πfc(マイクロファラド)*10-9 数式(X)
【0030】
入力電圧が380Vで、三角形に並列されるコンデンサーを採用する時、コンデンサーのケースは接地する必要がある。入力電圧が220Vで、Yに並列されるコンデンサーを採用する時、コンデンサーは配線回路がコールド側に接続され、ケースが接地される。
本実施形態は規格がA/5Aの外接電流変成器4を採用する。Aはメインスイッチ5の最大電流値である。電流変成器4はセカンダリ電流の最大値が5アンペアである。外接電流変成器4は電源のホット側に接続される。また電源バスの上の本来の電流変成器のセカンダリとインテリジェント無効電力補償調節器1のサンプリング電流入力端を直列に接続することが可能である。
【0031】
【表1】

【0032】
本発明の第1実施形態による省エネルギー1’の工作原理は次の通りである。まずサンプリング電流とサンプリング電圧とに対し対比と分析を行い、位相差信号(G型)または無効電流信号(L型)を獲得する。そののち信号が設定値の下限に達すると接続・増大の出力信号を発信する。信号が設定値の上限に達すると分断および減少の出力信号を発信する。信号を遅延時間まで維持した後、インテリジェント無効電力補償調節器1の制御回路は接触器を駆動し、かつコンデンサー(組)の容量の大きさによる分配出力を繰り返す工作方式でコンデンサー組を接続か分断するため、電力使用側には、内部の電器設備のうちの電動機が運転する際に生じる無効電力に対し、総スイッチによって補償を適切に行うことが可能である。無効電流は省エネルギー内のコンデンサー組において電動機と回路とを形成し、電気エネルギーを保存すれば、電動機に給電し、稼動を維持させることが可能である。つまり誘導性負荷は電源端から無効電流を吸収する必要がない。
本実施形態では、省エネルギー1’は三相380V無効電力補償に用いられ、三相交流の誘導性負荷が安定した三相380V電力使用側に用いられる。
【0033】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態では、省エネルギー1’は三組の単相220V無効電力の各自補償に分割することが可能であり、かつ三相交流の誘電量が安定していない三相380V電力使用側または独立の単相220V無効電力補償が構築された単相220V電力使用側、例えば空調、冷却などの負荷回路に用いられる。例えば単相220V電力使用側のうちの上述したコンデンサー組は220V単相コンデンサーを採用する。また別のユニットは第1実施形態と同じであるため、説明を省略する。また無効電力補償調節器の出力端の容量を増大させ、負荷が容量性負荷となれば、電気容量制御接触器を省くことが可能なだけでなく、無効電力補償調節器によって直接単相コンデンサーを稼動させることが可能であるため、家庭用と商業用に適することが可能となる。
省エネルギー1の出力方式を電圧または電流信号出力に変更し、サイリスタ、電界効果トランジスタまたはジャイアントトランジスタを別々に制御する場合、交流接触器2と常開接点20は、サイリスタ、電界効果トランジスタまたはジャイアントトランジスタで代替することが可能である。
【0034】
以上、インテリジェント無効電力補償調節器を例として省エネルギー器を提示したことは本発明の一例に過ぎないため本発明の権利を制限することができない。また本発明は無効電力補償調節器の出力端を任意に増加させることが可能である。それに対し補償必要な配線も増加する。またコンデンサー組のうちのコンデンサーまたはセカンダリコンデンサー組の容量値は実際の需要に応じ配置することが可能である。また本発明は二組の省エネルギー器を並列に接続し、それらを交互に運転させるか、或いは省エネルギー器に運転記録器、プリンタ設備、故障警報機などを配置することも可能である。従って、この技術分野を熟知している人員が本発明に基づいて効果が同等な変更または改善などを行うことは本発明の請求範囲に属すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】周知の無効電力補償の原理図である。
【図2】周知の電流及び電圧の位相図である。
【図3】周知の電力の三角形図である。
【図4】本発明の第1実施形態による省エネルギー器を示す模式図である。
【図5】本発明の第1実施形態による省エネルギー器のコンデンサーの電気容量を示すグラフである。
【図6】本発明の第1実施形態による省エネルギー器におけるインテリジェント無効電力補償調節器の原理図である。
【符号の説明】
【0036】
1:インテリジェント無効電力補償調節器、1’:省エネルギー器、2:電気容量制御接触器、3:コンデンサー、4:電流変成器、5:メインスイッチ、6:総スイッチ、7:電気メーター、11:信号処理モジュール、12:電力因数計算モジュール、13:分配出力モジュール、14:保護制御モジュール、20:常開接点、21:コイル、C1−C10:セカンダリコンデンサー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インテリジェント無効電力補償調節器、若干の電気容量制御接触器、若干のコンデンサー組及び電流変成器を備え、
前記インテリジェント無効電力補償調節器はサンプリング電流入力端、サンプリング電圧入力端、交流接触器に外接する電源バス及び若干の出力制御線を有し、前記サンプリング電流入力端は前記電流変成器に接続され、前記サンプリング電圧入力端は一端が電源のホット側に接続され、他端が電源のコールド側に接続され、前記交流接触器に外接する電源バスは電源のホット側に接続され、
前記電流変成器は電源のホット側に配置され、
前記出力制御線は前記電気容量制御接触器に対応するように接続され、
前記コンデンサー組は前記電気容量制御接触器によって電源に接続されることを特徴とするインテリジェント無効電力自動補償による省エネルギー器。
【請求項2】
前記コンデンサー組は、少なくとも第一プライマリコンデンサー組を有し、前記第一プライマリコンデンサー組は容量値を漸増させる若干の回路のセカンダリコンデンサーを有することを特徴とする請求項1に記載のインテリジェント無効電力自動補償による省エネルギー器。
【請求項3】
前記コンデンサー組は、少なくとも第一プライマリコンデンサー組と第二プライマリコンデンサー組を有することを特徴とする請求項1に記載のインテリジェント無効電力自動補償による省エネルギー器。
【請求項4】
前記第一プライマリコンデンサー組は、容量値を漸増させる若干の回路のセカンダリコンデンサーを有し、後のプライマリコンデンサー組の容量値は前のプライマリコンデンサー組の容量値の1から2倍であることを特徴とする請求項2または請求項3に記載のインテリジェント無効電力自動補償による省エネルギー器。
【請求項5】
前記第二プライマリコンデンサー組は、容量値が一致する若干の回路のセカンダリコンデンサー組を有し、一つの回路ごとのセカンダリコンデンサー組の容量値は第一プライマリコンデンサー組の中の容量値が最も大きいセカンダリコンデンサー組の容量値の1から2倍であることを特徴とする請求項3に記載のインテリジェント無効電力自動補償による省エネルギー器。
【請求項6】
前記第一プライマリコンデンサー組は、容量値を漸増させる若干の回路のセカンダリコンデンサー組を有し、後のプライマリコンデンサー組の容量値は前のプライマリコンデンサー組の容量値の1から2倍であり、前記第二プライマリコンデンサー組は容量値が一致する若干の回路のセカンダリコンデンサー組を有し、一回路ごとのセカンダリコンデンサー組の容量値は前記第一プライマリコンデンサー組の中の容量値が最も大きいセカンダリコンデンサー組の容量値の1から2倍であることを特徴とする請求項3に記載のインテリジェント無効電力自動補償による省エネルギー器。
【請求項7】
前記第一プライマリコンデンサー組は、容量値を漸増させる若干の回路のセカンダリコンデンサー組を有し、後の一回路のセカンダリコンデンサー組の容量値は前の一回路のセカンダリコンデンサー組の容量値の2倍であり、前記第二プライマリコンデンサー組は容量値が一致する若干の回路のセカンダリコンデンサー組を有し、一回路ごとのセカンダリコンデンサー組の容量値は前記第一プライマリコンデンサー組の中の容量値が最も大きいセカンダリコンデンサー組の容量値の2倍であることを特徴とする請求項6に記載のインテリジェント無効電力自動補償による省エネルギー器。
【請求項8】
前記コンデンサー組は、容量値が一致する若干のプライマリコンデンサー組を有し、前記プライマリコンデンサー組は容量値を漸増させる若干の回路のセカンダリコンデンサー組を有することを特徴とする請求項1に記載のインテリジェント無効電力自動補償による省エネルギー器。
【請求項9】
前記セカンダリコンデンサー組ごとに容量値が一致する三つの並列コンデンサーを有することを特徴とする請求項2、請求項5、請求項6、請求項7または請求項8に記載のインテリジェント無効電力自動補償による省エネルギー器。
【請求項10】
前記セカンダリコンデンサー組は、三角形または星形の並列接続を採用することが可能であることを特徴とする請求項9に記載のインテリジェント無効電力自動補償による省エネルギー器。
【請求項11】
前記セカンダリコンデンサー組は、単一のコンデンサーで代替することが可能であることを特徴とする請求項2、請求項5、請求項6、請求項7または請求項8に記載のインテリジェント無効電力自動補償による省エネルギー器。
【請求項12】
さらに内部に停電用保護用接触器を配置することが可能であり、前記停電用保護用接触器は外の電源によって制御され、前記停電用保護用接触器の接点電流は総電流の1.5倍より大きいことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項5、請求項6、請求項7または請求項8に記載のインテリジェント無効電力自動補償による省エネルギー器。
【請求項13】
省エネルギーの出力方式を電圧または電流信号出力に変更し、サイリスタ、電界効果トランジスタまたはジャイアントトランジスタを別々に制御する場合、前記交流接触器と常開接点は、サイリスタ、電界効果トランジスタまたはジャイアントトランジスタで代替することが可能であることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項5、請求項6、請求項7または請求項8に記載のインテリジェント無効電力自動補償による省エネルギー器。
【請求項14】
無効電力補償調節器の出力端の容量を増大させ、負荷が容量性負荷となれば、前記電気容量制御接触器を省き、かつ無効電力補償調節器によって単相コンデンサーを稼動させることが可能であることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項5、請求項6、請求項7または請求項8に記載のインテリジェント無効電力自動補償による省エネルギー器。
【請求項15】
インテリジェント無効電力補償調節器は、さらに信号処理モジュール、電力因数計算モジュール、分配出力モジュール及び保護制御モジュールを有し、
前記信号処理モジュール、前記電力因数計算モジュール及び前記分配出力モジュールは順に接続され、そののち前記コンデンサー組に接続され、前記分配出力モジュールは前記保護制御モジュールに接続され、外部の信号は前記信号処理モジュールによって読み取られ、前記分配出力モジュールによって前記コンデンサー組まで出力され、前記コンデンサー組は後に前記信号処理モジュールに接続される帰還回路を有することを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項5、請求項6、請求項7または請求項8に記載のインテリジェント無効電力自動補償による省エネルギー器。
【請求項16】
前記信号処理モジュールは、サンプリング電圧信号及び/またはサンプリング電流信号に対し値の変換を別々に行って電圧量値信号及び/または電流量値信号を獲得し、サンプリング電圧信号とサンプリング電流信号とに対し整流、クリッピングを行って方形波の電圧信号と電流信号を別々に生成し、
前記電力因数計算モジュールは、電圧信号の上昇または降下から、電流信号の上昇または降下まで計数を行い、計算したデータと計算速度を現在の電力因数に換算し、かつ電圧量値信号と電流量値信号とに基づいて電圧値と電流値とを測量し、かつ電力因数と電圧値と電流値との関係に基づいて無効電力値または無効電流値を算出し、
前記分配出力モジュールは、設定された電力因数、無効電力または無効電流の上限値と下限値及び遅延時間、設定された制御目標によって出力を制御し、かつ無効電力値または無効電流値に対し、出力保存器の現在状態及び、各回路の前記コンデンサー組の容量値に対応する無効電力値または無効電流値の大きさに基づいて分配を適切に行い、かつ前記コンデンサー組において状態を保持必要な部分を持続的に保持し、調整必要な部分を順に更新・出力し、かつ前記コンデンサーの容量値の大きさを変更することによって出力量を修正し、目標値を達成し、
前記保護制御モジュールは、前記分配出力モジュールを制御し、設定された電圧、電流保護値に基づいて過電圧、電圧不足保護および過電流保護を行うことを特徴とする請求項15に記載のインテリジェント無効電力自動補償による省エネルギー器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2009−510984(P2009−510984A)
【公表日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−532566(P2008−532566)
【出願日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際出願番号】PCT/CN2006/002481
【国際公開番号】WO2007/033599
【国際公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【出願人】(508092554)
【Fターム(参考)】