説明

インドメタシン含有ゲルクリーム剤

【課題】使用感及び吸収性に優れ、かつ、油層と水層の分離を生じず製剤の経時的安定性が良好なインドメタシン含有ゲルクリーム剤を提供。
【解決手段】インドメタシン0.1〜3重量%、炭素数1〜3のアルコール25〜50重量%、高分子などのゲル化剤0.01〜5重量%、炭化水素類やエステル類等の油分7〜30重量%、水20〜50重量%、及びモノステアリン酸ポリエチレングリコール0.01〜10重量%を含有するインドメタシン含有ゲルクリーム剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は使用感及び吸収性に優れ、かつ、製剤の経時的な分離がなく安定な状態を良好に保つことができるインドメタシン外用剤に関する。
【背景技術】
【0002】
インドメタシンを含有する外用製剤としてゲル剤、クリーム剤、液剤、パップ剤等の剤型が市販されており、それぞれの剤型に特有の特徴を有している。
例えばゲル剤は、多量のアルコールを含んでいるため、インドメタシンの溶解性がよく、皮膚からの吸収性にも優れているが、使用時にはゲル剤特有の現象であるヨレ(高分子化合物が摩擦塗布時に垢状にたまる現象)を生じ、使用感が悪い。一方、クリーム剤は、油分が十分に配合されているため使用後のベタツキが無く使用感は良好であるが、インドメタシンの溶解性が不十分なため、ゲル剤に比べ皮膚からの吸収性が悪い。
そこで、使用感が良く皮膚からの吸収性も良好であるゲル剤とクリーム剤の双方の利点を持つ、いわゆるゲルクリーム剤の開発が望まれ、多くの検討がなされてきた。
【0003】
通常、クリーム剤には油層と水層の分離を抑制するために界面活性剤が配合されているが、多量のアルコールをクリーム剤に配合すると、アルコールが界面活性剤の乳化作用を妨害するため経時的に製剤が油層と水層に分離してしまう。またヨレを生じさせない程度にゲル化剤を配合しても経時的な製剤の分離を抑えることは難しい。
【0004】
インドメタシン含有のゲルクリーム剤として報告されている先行文献としては、特許文献1〜4に記載された技術等が知られている。しかし、特許文献1に記載の製剤はアルコールの配合量が10重量%以下であるため、インドメタシンの溶解性および経皮吸収性が悪い。また、それ以外の先行文献中の製剤もゲル剤特有のヨレを生じたり、製剤が分離したりするため満足のいくものではない。以上の点から、使用感及び吸収性に優れ、かつ、製剤の経時的な分離がなく安定な状態を良好に保つことができるインドメタシン外用剤の提供が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭58−185514号公報
【特許文献2】特開昭59−227818号公報
【特許文献3】特開昭57−126414号公報
【特許文献4】特開平1−279831号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、使用感及び吸収性に優れ、かつ、製剤の経時的な分離がなく安定な状態を良好に保つことができるインドメタシン含有ゲルクリーム剤を提供することを課題とする。すなわち、インドメタシンを溶解する十分な量のアルコールを配合しながら、良好な使用感を得ることが可能な量の油分を配合し、かつ、油層と水層の分離を生じず経時的安定性に優れたインドメタシン含有ゲルクリーム剤を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、以上の点を考慮して検討を行った結果、製剤中にインドメタシンを十分溶解できる炭素数1〜3のアルコール25〜50重量%と、使用時のヨレの発生や使用後のベタツキを抑制できる油分7〜30重量%とを含有するインドメタシン製剤に、さらにモノステアリン酸ポリエチレングリコールを0.01〜10重量%配合することで、製剤の経時的な分離が抑制されることを見出し、本発明を完成させるに至った。即ち、本発明は以下の通りである。
【0008】
(1)インドメタシン0.1〜3重量%、炭素数1〜3のアルコール25〜50重量%、ゲル化剤0.01〜5重量%、油分7〜30重量%、水20〜50重量%、及びモノステアリン酸ポリエチレングリコール0.01〜10重量%を含有することを特徴とするインドメタシン含有ゲルクリーム剤。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、使用感及び吸収性に優れ、かつ、油層と水層の分離を生じず製剤の経時的安定性が良好なインドメタシン含有ゲルクリーム剤を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のインドメタシン外用剤は、インドメタシン0.1〜3重量%、アルコール25〜50重量%、ゲル化剤0.01〜5重量%、油分5〜30重量%、水20〜50重量%、及びモノステアリン酸グリセリン、モノステアリン酸ソルビタン、ステアリルアルコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコールから選ばれる1種または2種以上の成分0.01〜10重量%を含有する。本発明のインドメタシン外用剤は、使用感及び吸収性に優れ、かつ、油層と水層の分離を生じず製剤の経時的安定性を良好に保つことができる。
【0011】
本発明におけるインドメタシンの含有量は、製剤全量に対して通常0.1〜3重量%、好ましくは0.2〜2重量%、特に好ましくは0.5〜1.5重量%である。
【0012】
本発明におけるアルコールは、好ましくは低級アルコール、より好ましくは炭素数1〜3のアルコールであるとよい。例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール等を例示することができる。中でもイソプロパノールがより好ましい。
【0013】
アルコールの含有量は、製剤全量に対して通常25〜50重量%、好ましくは30〜50重量%、特に好ましくは30〜40重量%である。25重量%未満だと、インドメタシンの溶解が十分でないため吸収性が悪く、また、50重量%を超えると皮膚刺激があり、かつ製剤が経時的に分離するため好ましくない。
【0014】
本発明におけるゲル化剤は、例えば、カルボキシビニルポリマーなどのアクリル酸系高分子、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロースなどのセルロース系高分子、ポリビニルアルコール等を例示することができる。ゲル化剤の含有量は、製剤全量に対して通常0.01〜5重量%、好ましくは0.5〜5重量%、特に好ましくは0.5〜2.5重量%である。
【0015】
本発明における油分は、例えば、スクワラン、流動パラフィン等の炭化水素類や、ミリスチン酸イソプロピル、アジピン酸ジイソプロピル及びミリスチン酸オクチルドデシル等のエステル類等を例示することができる。油分の含有量は、製剤全量に対して通常5〜30重量%が好ましく、より好ましくは7〜30重量%であり、特に好ましくは7〜20重量%である。
【0016】
本発明におけるモノステアリン酸グリセリン、モノステアリン酸ソルビタン、ステアリルアルコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコールから選ばれる1種または2種以上の成分の含有量は、製剤全量に対して通常0.01〜10重量%、好ましくは0.05〜5重量%、特に好ましくは0.1〜5重量%である。0.01重量%未満だと製剤の経時的な分離を抑制することができず、また、10重量%を超えると製剤の稠度が上昇し硬くなるため使用感が悪く好ましくない。
【0017】
これら成分の融点は全て通常40℃以上であり、好ましくは50℃以上である。融点が40℃未満だと、製剤の経時的な分離を抑制することができず好ましくない。
【0018】
ここで、本発明に用いるモノステアリン酸グリセリンとは、α−及びβ−グリセリルモノステアレートとその他のグリセリンの脂肪酸エステルとの混合物で一般に基剤として用いられる。例えばニッコールMGS−A、MGS−B、MGS−F20、MGS−F40(日光ケミカルズ製)、レオドールMS−165、レオドールMS−60(花王製)等が市販されている。
また、本発明に用いるモノステアリン酸ソルビタンとは、無水ソルビトールの水酸基をステアリン酸でエステル化したモノステアレートで一般に基剤として用いられる。例えばニッコールSS−10、SS−10M(日光ケミカルズ製)、ソルゲン50、ソルマンS−300(武田薬品工業製)等が市販されている。
また、本発明に用いるステアリルアルコールは、例えばカルコール(花王製)、ニッコール脱臭ステアリルアルコール(日光ケミカルズ製)、ラネッテ18(ヘンケルジャパン製)、コノール30S、コノール30SS、コノール30F(新日本理化製)、NAA−45、NAA−46(日本油脂製)等が市販されている。
また、本発明に用いるモノステアリン酸ポリエチレングリコールとは、ステアリン酸に酸化エチレンを付加重合させるか、又は、ポリエチレングリコールをステアリン酸でエステル化して得られる物質で一般に基剤として用いられる。例えばモノステアリン酸ポリエチレングリコール(日光ケミカルズ製)等が市販されている。
【0019】
本発明における水の含有量は、製剤全量に対して通常20〜50重量%、好ましくは30〜50重量%、特に好ましくは40〜50重量%である。
【0020】
尚、本発明のインドメタシン外用剤は、各種任意成分を所望に応じて含有させることが可能である。例えば、中和剤、保存剤、安定化剤及び湿潤剤等を含有することが可能である。
【0021】
ここで、中和剤としては、クエン酸、リン酸、酒石酸、乳酸などの有機酸、塩酸などの無機酸、水酸化ナトリウムなどの水酸化アルカリ、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミンなどのアミン類等があげられる。
また、保存剤としては、バラオキシ安息香酸エステル類、塩化ベンザルコニウム等があげられる。
また、安定化剤としては、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、エデト酸等があげられる。
また、湿潤剤としては、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、オレイルアルコール、1、3−ブチレングリコール、イソプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等の多価アルコールがあげられる。
本発明の外用剤のpHは、インドメタシンの安定性ならびに皮膚刺激等の点から、通常pH4〜8、好ましくはpH5〜7である。
【0022】
本発明のインドメタシン外用剤の製造方法は、通常の方法で製造できるが、例えば、モノステアリン酸グリセリン、モノステアリン酸ソルビタン、ステアリルアルコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコールから選ばれる1種または2種以上の成分や油分等を含む油性基剤を40℃以上に加温し、完全に溶解した後、ゲル化剤や水等を配合した水性基剤と均一になるまで混合し、更にインドメタシンを溶解させたアルコールを添加し、均一になるまで混合することで調製することができる。
【実施例】
【0023】
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明がこれら実施例にのみ限定されないことは言うまでもない。
【0024】
<実施例1>
(1)ミリスチン酸オクチルドデシル5g、アジピン酸ジイソプロピル5g、モノステアリン酸グリセリン(MGS−F20:日光ケミカルズ:融点54〜58℃)2gを約70℃に加温・溶解させ、均一になるまで混合した。
(2)カルボキシビニルポリマー1.5g及びヒドロキシプロピルメチルセルロース2910 0.5gを約70℃の熱水36.0gに分散させた後、ステップ(1)に添加し、良く混合し乳化させた。
(3)インドメタシン1g、L−メントール3g及びポリエチレングリコール400 1gをイソプロパノール36gに添加し攪拌溶解させた後、ステップ(2)に添加し、良く混合し均一に分散させた。
(4)1%ETDA・2NA水溶液1g及び2%亜硫酸水素ナトリウム水溶液2gをステップ(3)に添加し、良く混合した。
(5)ジイソプロパノールアミン0.8gを水5.2gに添加し攪拌溶解させ、ステップ(4)に添加し、冷却しながら良く分散させ、淡黄白色ゲルクリーム製剤を得た。
【0025】
<実施例2>
(1)ミリスチン酸オクチルドデシル5g、アジピン酸ジイソプロピル5g、モノステアリン酸ソルビタン(NIKKOL SS−10M:日光ケミカルズ:融点55〜59℃)0.5gを約70℃に加温・溶解させ、均一になるまで混合した。
(2)カルボキシビニルポリマー1.5g及びヒドロキシプロピルメチルセルロース2910 0.5gを約70℃の熱水37.5gに分散させた後、ステップ(1)に添加し、良く混合し乳化させた。
(3)インドメタシン1g、L−メントール3g及びポリエチレングリコール400 1gをイソプロパノール36gに添加し攪拌溶解させた後、ステップ(2)に添加し、良く混合し均一に分散させた。
(4)1%ETDA・2NA水溶液1g及び2%亜硫酸水素ナトリウム水溶液2gをステップ(3)に添加し、良く混合した。
(5)ジイソプロパノールアミン0.8gを水5.2gに添加し攪拌溶解させ、ステップ(4)に添加し、冷却しながら良く分散させ、淡黄白色ゲルクリーム製剤を得た。
【0026】
<実施例3>
(1)ミリスチン酸オクチルドデシル5g、アジピン酸ジイソプロピル5g、ステアリルアルコール(ステアリルアルコール:日光ケミカルズ:融点56〜58℃)2gを約70℃に加温・溶解させ、均一になるまで混合した。
(2)カルボキシビニルポリマー1.5g及びヒドロキシプロピルメチルセルロース2910 0.5gを約70℃の熱水36.0gに分散させた後、ステップ(1)に添加し、良く混合し乳化させた。
(3)インドメタシン1g、L−メントール3g及びポリエチレングリコール400 1gをイソプロパノール36gに添加し攪拌溶解させた後、ステップ(2)に添加し、良く混合し均一に分散させた。
(4)1%ETDA・2NA水溶液1g及び2%亜硫酸水素ナトリウム水溶液2gをステップ(3)に添加し、良く混合した。
(5)ジイソプロパノールアミン0.8gを水5.2gに添加し攪拌溶解させ、ステップ(4)に添加し、冷却しながら良く分散させ、淡黄白色ゲルクリーム製剤を得た。
【0027】
<実施例4>
(1)ミリスチン酸オクチルドデシル5g、アジピン酸ジイソプロピル5g、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(40EO.)(NIKKOL MYS−40:日光ケミカルズ:融点42〜47℃)2gを約70℃に加温・溶解させ、均一になるまで混合した。
(2)カルボキシビニルポリマー1.5g及びヒドロキシプロピルメチルセルロース2910 0.5gを約70℃の熱水36.0gに分散させた後、ステップ(1)に添加し、良く混合し乳化させた。
(3)インドメタシン1g、L−メントール3g及びポリエチレングリコール400 1gをイソプロパノール36gに添加し攪拌溶解した後、ステップ(2)に添加し、良く混合し均一に分散させた。
(4)1%ETDA・2NA水溶液1g及び2%亜硫酸水素ナトリウム水溶液2gをステップ(3)に添加し、良く混合した。
(5)ジイソプロパノールアミン0.8gを水5.2gに添加し攪拌溶解させ、ステップ(4)に添加し、冷却しながら良く分散させ、淡黄白色ゲルクリーム製剤を得た。
【0028】
<実施例5>
(1)ミリスチン酸オクチルドデシル5g、アジピン酸ジイソプロピル5g、モノステアリン酸ソルビタン0.5g及びモノステアリン酸グリセリン3.5gを約70℃に加温・溶解させ、均一になるまで混合した。
(2)カルボキシビニルポリマー1.0g及びヒドロキシプロピルメチルセルロース2910 0.5gを約70℃の熱水34.5gに分散させた後、ステップ(1)に添加し、良く混合し乳化させた。
(3)インドメタシン1g、L−メントール3g及びポリエチレングリコール400 1gをイソプロパノール36gに添加し攪拌溶解した後、ステップ(2)に添加し、良く混合し均一に分散させた。
(4)1%ETDA・2NA水溶液1g及び2%亜硫酸水素ナトリウム水溶液2gをステップ(3)に添加し、良く混合した。
(5)ジイソプロパノールアミン0.5gを水5.5gに添加し攪拌溶解させ、ステップ(4)に添加し、冷却しながら良く分散させ、淡黄白色ゲルクリーム製剤を得た。
【0029】
<比較例1>
(1)ミリスチン酸オクチルドデシル5g、アジピン酸ジイソプロピル5gを約70℃に加温・溶解させ、均一になるまで混合した。
(2)カルボキシビニルポリマー1.5g及びヒドロキシプロピルメチルセルロース2910 0.5gを約70℃の熱水38.0gに分散させた後、ステップ(1)に添加し、良く混合し乳化させた。
(3)インドメタシン1g、L−メントール3g及びポリエチレングリコール400 1gをイソプロパノール36gに添加し攪拌溶解させた後、ステップ(2)に添加し、良く混合し均一に分散させた。
(4)1%ETDA・2NA水溶液1g及び2%亜硫酸水素ナトリウム水溶液2gをステップ(3)に添加し、良く混合した。
(5)ジイソプロパノールアミン0.8gを水5.2gに添加し攪拌溶解させ、ステップ(4)に添加し、冷却しながら良く分散させ、淡黄白色ゲルクリーム製剤を得た。
【0030】
<比較例2>
(1)ミリスチン酸オクチルドデシル5g、アジピン酸ジイソプロピル5gを約70℃に加温・溶解させ、均一になるまで混合した。
(2)カルボキシビニルポリマー2g及びヒドロキシプロピルメチルセルロース2910
0.5gを約70℃の熱水37.5gに分散させた後、ステップ(1)に添加し、良く混合し乳化させた。
(3)インドメタシン1g、L−メントール3g及びポリエチレングリコール400 1gをイソプロパノール36gに添加し攪拌溶解した後、ステップ(2)に添加し、良く混合し均一に分散させた。
(4)1%ETDA・2NA水溶液1g及び2%亜硫酸水素ナトリウム水溶液2gをステップ(3)に添加し、良く混合した。
(5)ジイソプロパノールアミン1gを水5gに添加し攪拌溶解させ、ステップ(4)に添加し、冷却しながら良く分散させ、淡黄色ゲルクリーム製剤を得た。
【0031】
<比較例3>
(1)ミリスチン酸オクチルドデシル5g、アジピン酸ジイソプロピル5g、ポリオキシエチレン(50)硬化ヒマシ油(HCO−50:日光ケミカルズ:融点22〜27℃)2gを約70℃に加温・溶解させ、均一になるまで混合した。
(2)カルボキシビニルポリマー1.5g及びヒドロキシプロピルメチルセルロース2910 0.5gを約70℃の熱水36.0gに分散させた後、ステップ(1)に添加し、良く混合し乳化させた。
(3)インドメタシン1g、L−メントール3g及びポリエチレングリコール400 1gをイソプロパノール36gに添加し攪拌溶解した後、ステップ(2)に添加し、良く混合し均一に分散させた。
(4)1%ETDA・2NA水溶液1g及び2%亜硫酸水素ナトリウム水溶液2gをステップ(3)に添加し、良く混合した。
(5)ジイソプロパノールアミン0.8gを水5.2gに添加し攪拌溶解させ、ステップ(4)に添加し、冷却しながら良く分散させ、淡黄白色ゲルクリーム製剤を得た。
【0032】
<比較例4>
(1)ミリスチン酸オクチルドデシル5g、アジピン酸ジイソプロピル5g、ポリソルベート60(NIKKOL TS−10:日光ケミカルズ:融点30〜34℃)2gを約70℃に加温・溶解させ、均一になるまで混合した。
(2)カルボキシビニルポリマー1.5g及びヒドロキシプロピルメチルセルロース2910 0.5gを約70℃の熱水36.0gに分散させた後、ステップ(1)に添加し、良く混合し乳化させた。
(3)インドメタシン1g、L−メントール3g及びポリエチレングリコール400 1gをイソプロパノール36gに添加し攪拌溶解した後、ステップ(2)に添加し、良く混合し均一に分散させた。
(4)1%ETDA・2NA水溶液1g及び2%亜硫酸水素ナトリウム水溶液2gをステップ(3)に添加し、良く混合した。
(5)ジイソプロパノールアミン0.8gを水5.2gに添加し攪拌溶解させ、ステップ(4)に添加し、冷却しながら良く分散させ、淡黄白色ゲルクリーム製剤を得た。
【0033】
<比較例5>
(1)ミリスチン酸オクチルドデシル5g、アジピン酸ジイソプロピル5g、ポリソルベート60 2gを約70℃に加温・溶解させ、均一になるまで混合した。
(2)カルボキシビニルポリマー2g及びヒドロキシプロピルメチルセルロース2910
0.5gを約70℃の熱水35.5gに分散させた後、ステップ(1)に添加し、良く混合し乳化させた。
(3)インドメタシン1g、L−メントール3g及びポリエチレングリコール400 1gをイソプロパノール36gに添加し攪拌溶解した後、ステップ(2)に添加し、良く混合し均一に分散させた。
(4)1%ETDA・2NA水溶液1g及び2%亜硫酸水素ナトリウム水溶液2gをステップ(3)に添加し、良く混合した。
(5)ジイソプロパノールアミン1gを水5gに添加し攪拌溶解させ、ステップ(4)に添加し、冷却しながら良く分散させ、淡黄白色ゲルクリーム製剤を得た。
【0034】
<実験例1>
調製した製剤の分離安定性を検討するために実施例1〜5及び比較例1〜5の各製剤をビンに充填し、5℃で1カ月間保存後の製剤の状態を確認し、製剤が油層と水層とに分離が認められなかったものを○、分離が認められたものを×とした。結果を表1に示す。
【0035】
【表1】

【0036】
表1の結果より、モノステアリン酸グリセリン、モノステアリン酸ソルビタン、モノステアリン酸ポリエチレングリコールやステアリルアルコールを配合した実施例1〜5の製剤は分離が認められず安定であったが、これらを配合しない比較例1〜5の製剤では分離が認められた。
よって、比較例2のようにゲル化剤の配合量を増加させた場合、比較例3及び4のように融点が40℃未満の界面活性剤を配合した場合、及び比較例5のように、ゲル化剤を増量し、かつ融点が40℃未満の界面活性剤を併せて配合した場合、製剤の分離抑制には効果がないことがわかった。
【0037】
<実験例2>
本発明の製剤の使用感を評価するために、市販のインドメタシン配合ゲル剤及びクリーム剤と実施例1と実施例5の製剤を用いて実験を行った。使用感の評価は、各製剤0.5gを上腕部に塗布した際のベタツキ感とヨレの発生について検討した。
ベタツキ感がなかったものを○、あったものを×で、また、ヨレの発生がなかったものを○、あったものを×で示した。ベタツキ感の評価結果を表2に、ヨレの評価結果を表3に示す。
【0038】
【表2】

【0039】
【表3】

【0040】
表2及び表3の結果より、実施例1及び5は使用後のベタツキ感やヨレの発生がなく、クリーム剤と同様な使用感であった。
【0041】
<実験例3>
本発明の製剤の吸収性を評価するために、市販のインドメタシン配合ゲル剤及びクリーム剤と実施例1と実施例5の製剤を用いて、インドメタシンの皮膚への吸収性について実験を行った。吸収性の評価は、腹部を剃毛したラットに、製剤0.5gを2cm×2cmの大きさに塗布し、4時間後の皮膚中のインドメタシン濃度を測定した。結果を表4に示す。
【0042】
【表4】

【0043】
表4の結果より、実施例1及び実施例5の製剤の皮膚への吸収は、市販のクリーム製剤よりも高く、市販のゲル製剤と比べて同等以上であった。
以上の結果より、本発明による製剤は、インドメタシンの吸収性も良好で、使用感に優れていることが確認された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インドメタシン0.1〜3重量%、炭素数1〜3のアルコール25〜50重量%、ゲル化剤0.01〜5重量%、油分7〜30重量%、水20〜50重量%、及びモノステアリン酸ポリエチレングリコール0.01〜10重量%を含有することを特徴とするインドメタシン含有ゲルクリーム剤。
【請求項2】
前記モノステアリン酸ポリエチレングリコールの融点は40℃以上であることを特徴とする請求項1に記載のインドメタシン含有ゲルクリーム剤。

【公開番号】特開2010−163454(P2010−163454A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−58017(P2010−58017)
【出願日】平成22年3月15日(2010.3.15)
【分割の表示】特願2004−524120(P2004−524120)の分割
【原出願日】平成15年7月22日(2003.7.22)
【出願人】(000163006)興和株式会社 (618)
【Fターム(参考)】