説明

インパルス応答測定方法及び装置

【課題】パルスFMレーダー信号のインパルス応答を測定する際に、メイン応答の振幅に対して2次応答の振幅をより正確に測定する。
【解決手段】アナログ・デジタル変換器605がパルスFMレーダー信号をサンプリングして時間領域サンプル・レコードを発生する。窓関数処理手段610がサンプル・レコードを窓関数処理して窓関数処理したサンプル・レコードを発生する。フーリエ変換手段615が窓関数処理したサンプル・レコードを周波数領域スペクトラムに変換する。乗算器620がスペクトラムをパルスFMレーダー信号の周波数領域見積りの複素共役と乗算して、非拡散パルスを発生する。逆フーリエ変換手段630が非拡散パルスをインパルス応答の時間領域測定結果に変換する。振幅補正手段635がインパルス応答の測定結果の振幅を振幅補正係数により補正する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、パルス周波数変調(FM)レーダー信号のインパルス応答の測定に関し、特に、メイン応答の振幅に関連した2次応答の振幅の一層正確な測定結果を得る強調インパルス応答測定に関する。
【背景技術】
【0002】
パルス周波数変調(FM)レーダーは、レーダーの一形式であり、パルス周波数変調信号を用いてターゲットを検出する。パルス周波数変調信号を用いると、他の形式の信号よりも、レンジ分解能及び信号対ノイズ比が改善される。種々の形式のパルス周波数変調信号を用いることができ、これらには、パルス線形チャープ信号(時間経過に伴って線形性が変化する周波数を有するパルス・シヌソイド信号)、パルス非線形チャープ信号(時間経過に伴って非線形性が変化する周波数を有するパルス・シヌソイド信号)及びパルス位相コード信号(2進コードに応じた位相変調のパルス・シヌソイド信号)がある。
【0003】
パルスFMレーダー受信機は、受信したパルスFMレーダー信号を照合フィルタに通過させて、このレーダー信号からターゲットに関する情報を抽出する。照合フィルタは、受信したパルスFMレーダー信号のサンプルを周波数領域スペクトラムに変換し、このスペクトラムを変換パルスFMレーダー信号の周波数領域見積り(estimate)の複素共役(complex conjugate)と乗算し、その結果を元の時間領域に変換することにより、周波数領域にて一般的に実施されている。この処理は、受信したパルスFMレーダー信号を狭パルスに「非拡散(de-spread)」又は「圧縮(compress)」する。この理由により、これは、「パルス圧縮」と呼ばれる。このパルス圧縮に関する更なる情報は、2003年にチャンプマン・アンド・ホール/CRCプレスから出版されたバッセム・アール・マハフザ及びアテフ・ゼット・エルシャベニ著の「レーダー・システム・デザインのシミュレーション」のセクション5.3を参照されたい。
【0004】
「ポイント拡散関数(point spread function)」とも言われるパルスFMレーダー送信器の「インパルス応答」は、重要な品質測定結果である。インパルス応答とは、パルスFMレーダー送信機から直接受信した、又は非常に小さなポイント・ターゲットから反射されたパルスFMレーダー信号からパルス圧縮した後に発生したイメージの明るさ(brightness)のパターンである。良好なインパルス応答は、ターゲットの位置に対応して大きな値を有し、全ての周辺位置で小さな値を有する。すなわち、インパルス応答は、パルスFMレーダー・システムの空間分解能を表す。
【0005】
インパルス応答の一般的な欠陥は、2次応答、即ち「ゴースト」応答である。パルスFMレーダー送信機が意図する信号、即ち、「メイン」信号のみではなく「ゴースト」信号も送信したときに、ゴースト応答が生じる。ここで、「ゴースト」信号は、メイン信号とこのメイン信号に関連した遅延信号よりも振幅の小さいメイン信号のコピーである。一般には、パルスFMレーダー送信機内の低レベルの内部反射によりゴースト信号が生じる。パルス圧縮の後、ゴースト信号の結果として、ゴースト・パルス又はゴースト応答と呼ばれるターゲットに対応しない場所での架空のパルスとなる。ゴースト・パルスは、それが存在しないか又は交互の場合に第2ターゲットの偽指示を与えることにより、また、それが存在するときに第2ターゲットの反射を不明確にすることにより、ゴースト・パルスがレーダー・システムの適切な動作に干渉する。よって、これらの理由により、パルスFMレーダー送信機のインパルス応答を正確に特徴付け、対応するパルスFMレーダー受信機を構成することが重要である。
【0006】
米国オレゴン州ビーバートンのテクトロニクス社が販売しているRSA6000型スペクトラム・アナライザ・シリーズの如き実時間スペクトラム・アナライザや、DPO/DSA70000B型デジタル・フォスファー・オシロスコープ・シリーズの如き実時間オシロスコープを含む試験測定機器を用いて、パルスFMレーダー信号のインパルス応答を測定できる。これら試験測定機器は、取り込みシステムを用いてパルスFMレーダー信号のサンプルを取り込み、ソフトウェア又はデジタル信号処理回路を用いて、取り込み済みサンプルのパルス圧縮を実行し、その結果のインパルス応答の視覚映像を表示器上に表す。しかし、パルス圧縮を行う前に、これら試験測定機器は、パルスFMレーダー信号が切り捨てられて周波数領域でサイド・ロブが生じるのを防ぐために、まず、窓関数を取り込みサンプルに適用しなければならない。なお、このサイド・ロブが生じるのは、「スペクトル漏れ(spectral leakage)」という。窓関数は、メイン信号の周囲が中心となり、メイン信号を適切に減衰させる。しかし、パルスFMレーダー信号がゴースト信号を含む場合、このゴースト信号がメイン信号に対して遅延するので、ゴースト信号は、窓関数の中心内に位置しないが、低下した振幅の窓関数の部分内に位置して、窓関数がゴースト信号を切り捨てる。パルス圧縮後におけるゴースト信号の切り捨てにより、試験測定機器は、メイン・パルスの振幅に対するゴースト・パルスの振幅の測定結果が不正確になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−25901号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、パルスFMレーダー信号のインパルス応答を測定する方法であって、メイン応答の振幅に対して2次応答の振幅をより正確に測定することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の態様は、次の通りである。
(1)パルス周波数変調レーダー信号のインパルス応答を測定する方法であって;上記パルス周波数変調レーダー信号をサンプリングして、時間領域サンプル・レコードを発生し;上記サンプル・レコードを窓関数処理して、窓関数処理したサンプル・レコードを発生し;上記窓関数処理したサンプル・レコードを周波数領域スペクトラムに変換し;上記スペクトラムを、変換したパルス周波数変調レーダー信号の周波数領域見積りの複素共役と乗算して、非拡散パルスを発生し;上記非拡散パルスを上記インパルス応答の時間領域測定結果に変換し;上記インパルス応答の測定結果の振幅を補正するインパルス応答測定方法。
(2)上記補正ステップは;メイン信号のエネルギーを計算し;2次信号のエネルギーを計算し;上記2次信号のエネルギーに対する上記メイン信号のエネルギーの比を計算し;上記比に基づいて上記インパルス応答の測定結果の振幅を補正する態様1の方法。
(3)上記補正ステップは、上記インパルス応答の測定結果でユーザが選択した部分を補正する態様1の方法。
(4)上記補正ステップは、上記インパルス応答の測定結果の全ての部分を補正する態様1の方法。
(5)上記窓関数処理のステップは、テーラー窓、カイザー窓、ブラックマン・ハリス窓及びハミング窓から選択された窓関数により上記サンプル・レコードを窓関数処理する態様1の方法。
(6)上記窓関数処理されたサンプル・レコードを周波数領域スペクトラムに変換するステップは、離散フーリエ変換、ハートレー変換及びチャープZ変換から選択された変換により、上記窓関数処理されたサンプル・レコードを周波数領域スペクトラムに変換する態様1の方法。
(7)上記パルス周波数変調レーダー信号は、パルス線形チャープ信号、パルス非線形チャープ信号及びパルス位相コード信号から選択された信号である態様1の方法。
(8)態様1の方法を実行するのに適応する試験測定機器。
(9)上記試験測定機器は、実時間スペクトラム・アナライザ及び実時間オシロスコープから選択される態様8の試験測定機器。
(10)態様1の方法を用いて求めたインパルス応答の測定結果に基づいて構成されたパルス周波数変調レーダー受信機。
(11)試験測定機器が生じたインパルス応答の測定結果を表示する方法であって;パルス周波数変調レーダー信号をサンプリングして、時間領域サンプル・レコードを発生し;上記サンプル・レコードを窓関数処理して、窓関数処理されたサンプル・レベル度を発生し;上記窓関数処理されたサンプル・レコードを周波数領域スペクトラムに変換し;上記スペクトラムを、変換されたパルス周波数変調レーダー信号の周波数領域見積りの複素共役と乗算して、非拡散パルスを発生し;上記非拡散パルスを上記インパルス応答の時間領域測定結果に変換し;上記インパルス応答の上記測定結果の振幅を補正し;上記インパルス応答の測定結果を表示するインパルス応答の測定結果を表示するインパルス応答測定方法。
(12)パルス周波数変調レーダー信号をサンプリングして、時間領域サンプル・レコードを発生するアナログ・デジタル変換器と;上記サンプル・レコードを窓関数処理して、窓関数処理したサンプル・レコードを発生する窓関数処理手段と;上記窓関数処理したサンプル・レコードを周波数領域スペクトラムに変換する時間周波数変換手段と;上記スペクトラムを、変換したパルス周波数変調レーダー信号の周波数領域見積りの複素共役と乗算して、非拡散パルスを発生する乗算器と;上記非拡散パルスを上記インパルス応答の時間領域測定結果に変換する周波数時間変換手段と;上記インパルス応答の測定結果の振幅を振幅補正係数により補正する振幅補正手段とを具えたインパルス応答測定装置。
(13)上記振幅補正係数は、2次信号のエネルギーに対するメイン信号のエネルギーの比である態様12の装置。
(14)上記振幅補正は、上記インパルス応答の測定結果のユーザ選択部分を補正する態様12の装置。
(15)上記振幅補正は、上記インパルス応答の測定結果の全ての部分を補正する態様12の装置。
(16)上記窓関数は、テーラー窓、カイザー窓、ブラックマン・ハリス窓及びハミング窓から選択された窓関数である態様12の装置。
(17)上記時間・周波数変換は、離散フーリエ変換、ハートレー変換及びチャープZ変換から選択される態様12の装置。
(18)上記パルス周波数変調レーダー信号は、パルス線形チャープ信号、パルス非線形チャープ信号及びパルス位相コード信号から選択された信号である態様12の装置。
【発明の効果】
【0010】
よって、本発明は、パルスFMレーダー信号のインパルス応答を測定する強化された方法であって、メイン応答の振幅に対する2次応答の振幅を一層正確に測定できる。このために、本発明では、次のように機能する。パルスFMレーダー信号がサンプリングされて、時間領域サンプル・レコードを発生する。サンプル・レコードを窓関数処理して、窓関数処理したサンプル・レコードを発生する。窓関数処理したサンプル・レコードは、周波数領域スペクトラムに変換される。変換したパルスFMレーダー信号の周波数領域見積りの複素共役とスペクトラムとを乗算して、非拡散パルスを発生する。非拡散パルスを時間領域に変換して、メイン応答及び2次応答を有するインパルス応答の測定結果を求める。2次応答の振幅を補正して、窓関数処理により生じたエラーを除去する。
【0011】
本発明の目的、利点及び新規な特徴は、添付図を参照した以下の詳細な説明から明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】インピーダンスの不連続性又は他の不完全性により、パルスFMレーダー送信機において、どの様にゴースト信号が発生するかを示す図である。
【図2】低レベル反射のあるパルスFMレーダー信号を示す図である。
【図3】窓関数を示す図である。
【図4】図2のパルスFMレーダー信号に図3の窓関数を適用した結果を示す図である。
【図5】従来のパルスFMレーダー受信機を用いて生じたインパルス応答の測定結果を示す図である。
【図6】本発明の実施例を用いたパルスFMレーダー受信機の簡略化したブロック図である。
【図7】メイン信号及びゴースト信号のパワー重みを示す図である。
【図8】種々のゴースト信号遅延に対する振幅補正係数を示す図である。
【図9】図6のパルスFMレーダー受信機を用いて生じたインパルス応答測定結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
理解を容易にするために、2次応答の振幅の測定結果における不正確さの原因について更に詳細に説明する。
【0014】
2次信号、即ちゴースト信号は、メイン信号よりも振幅が小さく、このメイン信号に対して遅延したメイン信号のコピーである。ゴースト信号は、一般的には、パルスFMレーダー送信機内の低レベル内部反射により生じる。例えば図1に示すように、レーダー送信機100内のインピーダンスの不連続性又は他の不完全性により、レーダー励振器105から送信されたメイン振115の一部が増幅器110からレーダー励振器105に反射で戻り、再度、増幅器110に戻る。よって、各メイン信号115により、送信機100も、メイン信号115よりも小さな振幅で、メイン信号に対して遅延されたゴースト信号120を送信する。
【0015】
図2において、図1のメイン信号115及び2次信号(ゴースト信号)120をパルス線形チャープ信号205及び210として夫々示す。ゴースト信号210は、メイン信号205よりも振幅が小さく、メイン信号205の長さ(期間)の1.6/4=40%だけメイン信号に対して遅延している。メイン信号及びゴースト信号をパルス線形チャープ信号として示すが、後述で説明する原理は、パルス非線形チャープ信号及びパルス位相コード信号の如き他の形式のパルス周波数変調信号にも適用できる点に留意されたい。
【0016】
図3は、窓関数305を示す。この窓関数305は、メイン信号205付近を中心とする。すなわち、窓関数305及びメイン信号205の両方が時間=2にて中心になっている。
【0017】
図4は、パルスFMレーダー信号200での窓関数305の影響を示す。窓関数305がメイン信号205のまわりで中心になるので、窓関数305は、メイン信号405に示すように、メイン信号205を適切に減衰する。しかし、ゴースト信号210がメイン信号205に対して遅延するので、ゴースト信号210は、窓関数305の中心内に位置せず、小さくなった振幅の窓関数305の部分内に位置する。よって、窓関数305は、ゴースト信号210の引きずる部分、即ち、ゴースト信号410に示すように時間=4の後でのゴースト信号210の部分を切り捨てる。
【0018】
図5は、パルス圧縮後のゴースト信号の切り捨ての影響を示す。インパルス応答の測定結果500は、メイン・パルス505とゴースト・パルス510、515、520及び525とを有する。これらゴースト・パルスは、メイン信号の長さの10%、20%、30%及び40%だけ夫々遅延している。ゴースト信号の各々の振幅は、メイン信号の−20dBとしてレポートすべきである。しかし、上記の切り捨て効果のため、振幅が不正確にレポートされ、遅延が増すと振幅エラーも増す。例えば、ゴースト・パルス510に示すように、ゴースト信号がメイン信号の長さの10%だけ遅延すると、振幅が約−20%とレポートされる。しかし、ゴースト・パルス525に示すように、ゴースト信号がメイン信号の長さの40%だけ遅延すると、振幅が約−23dB、又は約−3dBと更に小さくとレポートされる。切り捨てられたゴースト信号によるエラーが約1.3dBであり、他のエラーにより総合エラーが約3dBになる。
【0019】
図6は、本発明の実施例を用いたパルスFMレーダー受信機600を示す。このパルスFMレーダー受信機600では、メイン応答の振幅に対する2次応答の振幅の一層正確な測定ができる。アナログ・デジタル変換器(ADC)605は、パルスFMレーダー信号をサンプリングして、時間領域サンプル・レコードを発生する。窓関数処理手段610は、サンプル・レコードを窓関数処理して、窓関数処理されたサンプル・レコードを発生する。窓関数処理手段610の窓関数は、テーラー窓、カイザー窓、ブラックマン・ハリス窓又はハミング窓に限定するものではないがこれらを含む任意の形式の窓関数でよい。離散フーリエ変換手段615は、窓関数処理されたサンプル・レコードを周波数領域スペクトラムに変換する。乗算器620は、スペクトラムと、複素共役発生手段625からの送信されたパルスFMレーダー信号、即ち、送信されると予想されるパルスFMレーダー信号の周波数領域の見積りの複素共役と乗算して、非拡散パルスを発生する。送信されたパルスFMレーダー信号の見積りは、受信したパルスFMレーダー信号から導出してもよいし、又は、ユーザが特定したパラメータに基づいて発生してもよい。逆離散フーリエ変換手段630は、非拡散パルスを時間領域に変換して、メイン応答及び2次応答を有するパルスFMレーダー信号のインパルス応答の測定結果を生じる。
【0020】
特定の遅延値のゴースト信号用の振幅補正係数の計算の例を以下に示す。図7は、メイン信号705のパワー重みと、メイン信号の長さの40%だけ遅延したゴースト信号710のパワー重みとを示す。「パワー重み」は、窓関数305を信号に適用した結果である信号パワーの分布を示す。ゴースト信号がメイン信号の長さの40%だけ遅延しているという事実により、ゴースト信号710が40%だけ切り捨てられている点を除けば、ゴースト信号710のパワー重みは、メイン信号705のパワー重みに類似している。振幅補正係数は、ゴースト信号710のパワー重みの全体(即ち、曲線の下の領域)に対するメイン信号705のパワー重みの全体(即ち、曲線の下の領域)の比に等しいか、又は、この例では、約1.3dBである。パワー重みの全体は、信号のエネルギーに等化である。よって、振幅補正係数は、ゴースト信号のエネルギーに対するメイン信号のエネルギーの比に等しい。図8は、種々の他の遅延値を有するゴースト信号に対する振幅補正係数805を示す。
【0021】
本発明の一実施例において、インパルス応答測定のユーザ選択部分、例えば、ゴースト・パルスのピーク値が補正される。本発明の別の実施例において、インパルス応答の全ての部分を補正して、図9に示すように、完全な振幅補正済みのインパルス応答測定結果900を生じる。大きな振幅エラーを示す非補正ゴースト・パルス510、515、520及び525との比較において、ゴースト・パルス910、915、920及び925は、−20dBに非常に近い振幅である点に留意されたい。また、図8によれば、ゼロ遅延での振幅補正係数、即ち、メイン・パルスの位置は、0dBである点に留意されたい。よって、インパルス応答測定結果の全ての部分を補正することは、メイン応答に影響せず、2次応答のみに影響する。
【0022】
上述の本発明の実施例では、窓関数処理したサンプル・レコードを周波数領域スペクトラムに変換するために離散フーリエ変換を用いたが、他の実施例では、ハートレー変換又はチャープZ変換などの他の変換を用いることができる。
【0023】
本発明がパルスFMレーダー信号のインパルス応答の測定において顕著な利点を有することが上述から理解できよう。本発明の特定実施例を図示し説明したが、本発明の要旨を逸脱することなく種々の変更を可能なことが理解できよう。
【符号の説明】
【0024】
100 レーダー送信機
105 励振器
110 増幅器
600 パルスFMレーダー受信機
605 アナログ・デジタル変換器
610 窓関数処理手段
615 フーリエ変換手段
620 乗算器
625 複素共役発生手段
630 逆フーリエ変換手段
635 振幅補正手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パルス周波数変調レーダー信号のインパルス応答を測定する方法であって、
上記パルス周波数変調レーダー信号をサンプリングして、時間領域サンプル・レコードを発生し、
上記サンプル・レコードを窓関数処理して、窓関数処理したサンプル・レコードを発生し、
上記窓関数処理したサンプル・レコードを周波数領域スペクトラムに変換し、
上記スペクトラムを、変換したパルス周波数変調レーダー信号の周波数領域見積りの複素共役と乗算して、非拡散パルスを発生し、
上記非拡散パルスを上記インパルス応答の時間領域測定結果に変換し、
上記インパルス応答の測定結果の振幅を補正するインパルス応答測定方法。
【請求項2】
試験測定機器が生じたインパルス応答の測定結果を表示する方法であって、
パルス周波数変調レーダー信号をサンプリングして、時間領域サンプル・レコードを発生し、
上記サンプル・レコードを窓関数処理して、窓関数処理されたサンプル・レベル度を発生し、
上記窓関数処理されたサンプル・レコードを周波数領域スペクトラムに変換し、
上記スペクトラムを、変換されたパルス周波数変調レーダー信号の周波数領域見積りの複素共役と乗算して、非拡散パルスを発生し、
上記非拡散パルスを上記インパルス応答の時間領域測定結果に変換し、
上記インパルス応答の上記測定結果の振幅を補正し、
上記インパルス応答の測定結果を表示するインパルス応答の測定結果を表示するインパルス応答測定方法。
【請求項3】
パルス周波数変調レーダー信号をサンプリングして、時間領域サンプル・レコードを発生するアナログ・デジタル変換器と、
上記サンプル・レコードを窓関数処理して、窓関数処理したサンプル・レコードを発生する窓関数処理手段と、
上記窓関数処理したサンプル・レコードを周波数領域スペクトラムに変換する時間周波数変換手段と、
上記スペクトラムを、変換したパルス周波数変調レーダー信号の周波数領域見積りの複素共役と乗算して、非拡散パルスを発生する乗算器と、
上記非拡散パルスを上記インパルス応答の時間領域測定結果に変換する周波数時間変換手段と、
上記インパルス応答の測定結果の振幅を振幅補正係数により補正する振幅補正手段と
を具えたインパルス応答測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−39033(P2011−39033A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−120916(P2010−120916)
【出願日】平成22年5月26日(2010.5.26)
【出願人】(391002340)テクトロニクス・インコーポレイテッド (234)
【氏名又は名称原語表記】TEKTRONIX,INC.
【Fターム(参考)】