説明

インプリント装置、それを用いた物品の製造方法

【課題】インプリント処理に際し、基板上に予め存在するパターンと、新たに形成される樹脂のパターンとの重ね合わせに有利なインプリント装置を提供する。
【解決手段】インプリント装置1は、第1波長と、特定の波長帯域に存在する第1波長以外の第2波長とを含む光9を受光し、第1波長の光と第2波長の光とに分離する光学素子21を含み、パターンを形成すべき基板10上の領域に予め存在する基板側パターン20を加熱させる基板加熱機構6と、パターンを形成するに際し、基板加熱機構6により、光学素子21にて分離された第2波長の光を用いて基板側パターン20を熱変形させることで、型8に形成されているパターン部8aの形状に対し、基板側パターン20の形状を補正させる制御部7とを備える。ここで、樹脂14は、特定の波長帯域に存在する第1波長の光を受光することで硬化する光硬化性樹脂である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インプリント装置、およびそれを用いた物品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスやMEMSなどの微細化の要求が進み、従来のフォトリソグラフィー技術に加え、基板上の未硬化樹脂を型(モールド)で成形し、樹脂のパターンを基板上に形成する微細加工技術が注目を集めている。この技術は、インプリント技術とも呼ばれ、基板上に数ナノメートルオーダーの微細な構造体を形成することができる。例えば、インプリント技術の1つとして、光硬化法がある。この光硬化法を採用したインプリント装置では、まず、基板(ウエハ)上のインプリント領域であるショットに紫外線硬化樹脂(インプリント材、光硬化性樹脂)を塗布する。次に、この樹脂(未硬化樹脂)を型により成形する。そして、紫外線を照射して樹脂を硬化させたうえで引き離すことにより、樹脂のパターンが基板上に形成される。
【0003】
ここで、インプリント処理が施される基板は、一連のデバイス製造工程において、例えばスパッタリングなどの成膜工程での加熱処理を経ることで、基板が拡大または縮小し、平面内で直交する2軸方向でパターンの形状(またはサイズ)が変化する場合がある。したがって、インプリント装置では、型と基板上の樹脂とを押し付けるに際し、基板上に予め形成されているパターン(基板側パターン)の形状と、型に形成されているパターン部の形状とを合わせる必要がある。この僅かに変形した基板側パターンの形状と型のパターン部の形状とを合わせる技術として、特許文献1は、型の外周に対して外力を与えることで、型(パターン部)を変形させる装置を開示している。しかしながら、この特許文献1に示す装置では、例えば、型の材質が石英であるとすると、ポアソン比が0.16であるため、型の軸方向の一端を圧縮すると、その軸に直交する方向の一端が膨張する。したがって、このような型のポアソン比に依存する変形が生じると、特に型を台形形状に変形させたい場合に、型の面内が線形に変形しづらいため、重ね合わせ精度に影響を及ぼす可能性がある。そこで、このような形状補正時に、型にポアソン比に依存した変形を生じさせない方法として、特許文献2は、型を加熱して熱変形させることで、基板側パターンの形状と型のパターン部の形状とを合わせるインプリント方法を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2008−504141号公報
【特許文献2】国際公開第2009/153925号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献2に示す方法では、型の材質が石英であるとすると、樹脂を硬化させるための紫外線は、その大半が型を通過してしまうため、型を加熱させるための光として利用することが難しい。したがって、型を効率良く加熱させるためには、型が吸収し易い赤外線などを照射する光源が別途必要となり、結果的にインプリント装置が高コストとなる可能性がある。
【0006】
本発明は、このような状況を鑑みてなされたものであり、インプリント処理に際し、基板上に予め存在するパターンと、新たに形成される樹脂のパターンとの重ね合わせに有利なインプリント装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、基板上の未硬化樹脂を型により成形して硬化させて、基板上に硬化した樹脂のパターンを形成するインプリント装置であって、樹脂は、特定の波長帯域に存在する第1波長の光を受光することで硬化する光硬化性樹脂であり、インプリント装置は、第1波長と、特定の波長帯域に存在する第1波長以外の第2波長とを含む光を受光し、第1波長の光と第2波長の光とに分離する光学素子を含み、パターンを形成すべき基板上の領域に予め存在する基板側パターンを加熱させる基板加熱機構と、パターンを形成するに際し、基板加熱機構により、光学素子にて分離された第2波長の光を用いて基板側パターンを熱変形させることで、型に形成されているパターン部の形状に対し、基板側パターンの形状を補正させる制御部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、インプリント処理に際し、基板上に予め存在するパターンと、新たに形成される樹脂のパターンとの重ね合わせに有利なインプリント装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1実施形態に係るインプリント装置の構成を示す図である。
【図2】第1実施形態に係るウエハ加熱機構の構成および配置を示す図である。
【図3】光調整器として採用する液晶装置の表面構成を示す図である。
【図4】予め存在するパターンの形状補正の流れを示すフローチャートである。
【図5】予め存在するパターンに対する照射量分布などを示す図である。
【図6】予め存在するパターンに対する他の照射量分布などを示す図である。
【図7】第2実施形態に係るウエハ加熱機構の構成および配置を示す図である。
【図8】光調整器として採用するDMDの表面構成を示す図である。
【図9】第3実施形態に係るウエハ加熱機構の構成および配置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態について図面などを参照して説明する。
【0011】
(第1実施形態)
まず、本発明の第1実施形態に係るインプリント装置について説明する。図1は、本実施形態に係るインプリント装置1の構成を示す概略図である。インプリント装置1は、物品としての半導体デバイスなどのデバイスの製造に使用され、被処理基板であるウエハ上(基板上)の未硬化樹脂をモールド(型)で成形し、ウエハ上に樹脂のパターンを形成する装置である。なお、ここでは光硬化法を採用したインプリント装置とする。また、以下の図においては、ウエハ上の樹脂に対して紫外線を照射する照明系の光軸に平行にZ軸を取り、Z軸に垂直な平面内に互いに直交するX軸およびY軸を取っている。インプリント装置1は、まず、光照射部2と、モールド保持機構3と、ウエハステージ4と、塗布部5と、ウエハ加熱機構6と、制御部7とを備える。
【0012】
光照射部2は、インプリント処理の際に、モールド8に対して紫外線9を照射する。この光照射部2は、不図示であるが、光源と、この光源から照射された紫外線9をインプリントに適切な光に調整する光学素子とから構成される。
【0013】
モールド8は、外周形状が多角形(好適には、矩形または正方形)であり、ウエハ10に対する面には、例えば回路パターンなどの転写すべき凹凸パターンが3次元状に形成されたパターン部8aを含む。また、モールド8の材質は、紫外線9を透過させることが可能な材質であり、本実施形態では一例として石英とする。さらに、モールド8は、後述するような変形を容易とするために、紫外線9が照射される面に、平面形状が円形で、かつ、ある程度の深さを有するキャビティ(凹部)が形成された形状としてもよい。
【0014】
モールド保持機構3は、まず、モールド8を保持するモールドチャック11と、このモールドチャック11を保持し、モールド8(モールドチャック11)を移動させるモールド駆動機構12とを有する。モールドチャック11は、モールド8における紫外線9の照射面の外周領域を真空吸着力や静電力により引き付けることでモールド8を保持し得る。例えば、モールドチャック11が真空吸着力によりモールド8を保持する場合には、モールドチャック11は、外部に設置された不図示の真空ポンプに接続され、この真空ポンプのON/OFFによりモールド8の脱着が切り替えられる。また、モールドチャック11およびモールド駆動機構12は、光照射部2から照射された紫外線9がウエハ10に向かうように、中心部(内側)に開口領域13を有する。この開口領域13には、開口領域13の一部とモールド8とで囲まれる空間を密閉空間とする光透過部材(例えばガラス板)が設置され、真空ポンプなどを含む不図示の圧力調整装置により空間内の圧力が調整される。圧力調整装置は、例えば、モールド8とウエハ10上の樹脂14との押し付けに際して、空間内の圧力をその外部よりも高く設定することで、パターン部8aをウエハ10に向かい凸形に撓ませ、樹脂14に対してパターン部8aの中心部から接触させ得る。これにより、パターン部8aと樹脂14との間に気体(空気)が残留することを抑え、パターン部8aの凹凸部に樹脂14を隅々まで充填させることができる。
【0015】
モールド駆動機構12は、モールド8とウエハ10上の樹脂14との押し付け、または引き離しを選択的に行うようにモールド8を各軸方向に移動させる。このモールド駆動機構12に採用可能なアクチュエータとしては、例えばリニアモータまたはエアシリンダがある。また、モールド8の高精度な位置決めに対応するために、粗動駆動系や微動駆動系などの複数の駆動系から構成されていてもよい。さらに、Z軸方向だけでなく、X軸方向やY軸方向、またはθ(Z軸周りの回転)方向の位置調整機能や、モールド8の傾きを補正するためのチルト機能などを有する構成もあり得る。なお、インプリント装置1における押し付けおよび引き離し動作は、モールド8をZ軸方向に移動させることで実現してもよいが、ウエハステージ4をZ軸方向に移動させることで実現してもよく、または、その双方を相対的に移動させてもよい。
【0016】
ウエハ10は、例えば、単結晶シリコン基板やSOI(Silicon on Insulator)基板であり、この被処理面には、紫外線硬化樹脂であり、モールド8に形成されたパターン部8aにより成形される樹脂14が塗布される。
【0017】
ウエハステージ4は、ウエハ10を保持し、モールド8とウエハ10上の樹脂14との押し付けに際してモールド8と樹脂14との位置合わせを実施する。このウエハステージ4は、ウエハ10を、吸着力により保持するウエハチャック16と、このウエハチャック16を機械的手段により保持し、各軸方向に移動可能とするステージ駆動機構17とを有する。このステージ駆動機構17に採用可能なアクチュエータとしては、例えばリニアモータや平面モータがある。ステージ駆動機構17も、X軸およびY軸の各方向に対して、粗動駆動系や微動駆動系などの複数の駆動系から構成されていてもよい。さらに、Z軸方向の位置調整のための駆動系や、ウエハ10のθ方向の位置調整機能、またはウエハ10の傾きを補正するためのチルト機能などを有する構成もあり得る。また、ウエハステージ4は、その側面に、X、Y、Z、ωx、ωy、ωzの各方向に対応した複数の参照ミラー(反射部)18を備える。これに対して、インプリント装置1は、これらの参照ミラー18にそれぞれビームを照射することで、ウエハステージ4の位置を測定する複数のレーザー干渉計(測長器)19を備える。レーザー干渉計19は、ウエハステージ4の位置を実時間で計測し、後述する制御部7は、このときの計測値に基づいてウエハ10(ウエハステージ4)の位置決め制御を実行する。
【0018】
塗布部5は、モールド保持機構3の近傍に設置され、ウエハ10上に樹脂(未硬化樹脂)14を塗布する。ここで、この樹脂14は、紫外線9を受光することにより硬化する性質を有する光硬化性樹脂(インプリント材)であり、半導体デバイス製造工程などの各種条件により適宜選択される。また、塗布部5の吐出ノズル5aから吐出される樹脂14の量も、ウエハ10上に形成される樹脂14の所望の厚さや、形成されるパターンの密度などにより適宜決定される。
【0019】
ウエハ加熱機構(基板加熱機構)6は、インプリント装置1に搬入されたウエハ10上に予め存在する被処理部としてのパターン(基板側パターン)20を加熱することで、パターン20を所望の形状またはサイズに変化させる。図2は、インプリント装置1に設置されたモールド8とウエハ10とに対するウエハ加熱機構6の構成および配置を示す概略図である。なお、図2において、図1と同一構成のものには同一の符号を付し、説明を省略する。このウエハ加熱機構6では、パターン20を加熱するための熱源として、樹脂14を硬化させるための光(紫外線9)を照射させる光照射部2の光源を併用する。
【0020】
ここで、ウエハ加熱機構6によるパターン20の形状補正は、樹脂14をパターン20上に塗布し、モールド8と樹脂14とを押し付けた後で、かつ樹脂14を硬化させる前に実施され得る。しかしながら、ウエハ加熱機構6として単に光照射部2から照射された光を利用するだけでは、パターン20の形状補正が完了する前に樹脂14が硬化してしまい望ましくない。そこで、ウエハ加熱機構6は、光照射部2から照射された光のうち、樹脂14が感光(硬化)する波長(第1波長)のものを反射または吸収して遮光(分離)する光学フィルタ(光学素子)21を有する。例えば、光照射部2から照射された光の波長帯域が200〜800nmであるとすると、このうち、樹脂14が感光する光の波長(第1波長)は、300〜400nmの波長帯域に存在する。したがって、光学フィルタ21としては、第1波長以外の光、例えば400〜800nmの波長帯域に波長(第2波長)が存在する光を透過するものとすればよい。この光学フィルタ21は、光照射部2からウエハ10上に向かう紫外線9の光路上で、かつ光照射部2とモールド8との間に設置される。また、光学フィルタ21は、後述の制御部7からの動作指令に基づいて、駆動機構22により光路(Z軸)に直交する平面方向(XY平面)にて移動可能である。具体的には、光学フィルタ21は、パターン20の形状補正時には、図2(a)に示すように光路内に進入した状態となり、一方、樹脂14の硬化時には、図2(b)に示すように光路外へと退避した状態となる。なお、本実施形態のウエハ加熱機構6では、光照射部2から照射された光のうち、特定の波長帯域の光を遮光する光学素子の一例として光学フィルタを採用するが、例えば、干渉フィルタやビームスプリッタなども採用し得る。
【0021】
さらに、ウエハ加熱機構6は、パターン20の表面に所望の照射量分布を形成することでパターン20に温度分布を形成させるために、光照射部2から照射された紫外線9のうち特定部分の光のみをウエハ10の表面に向けて照射可能とする光調整器23を有する。図3は、光調整器23として採用可能な液晶装置31の表面構成を示す概略図である。この液晶装置31は、図3(a)に示すように、光透過面に格子状に配列された複数の液晶素子32を有する。これらの液晶素子32は、後述の制御部7からの動作指令に基づいて個々に与えられる電圧により、パターン20に向けて照射する任意の照射量分布(照度分布)を形成する。例えば、液晶装置31は、図3(b)に示すように、複数の液晶素子32で構成される表面領域の上部に配置されている液晶素子32にて光が透過し易いように表面全体で階調を付けることで照射量分布を形成することができる。なお、液晶装置31の分割数、すなわち液晶装置31における液晶素子32の配置数は、必要とされる照射量分布に合わせて適宜決定し得る。この光調整器23は、光照射部2からウエハ10に向かう紫外線9の光路上で、かつ光照射部2と光学フィルタ21との間に設置される。
【0022】
制御部7は、インプリント装置1の各構成要素の動作および調整などを制御し得る。制御部7は、例えばコンピュータなどで構成され、インプリント装置1の各構成要素に回線を介して接続され、プログラムなどにしたがって各構成要素の制御を実行し得る。本実施形態の制御部7は、少なくともウエハ加熱機構6の動作を制御する。なお、制御部7は、インプリント装置1の他の部分と一体で(共通の筐体内に)構成してもよいし、インプリント装置1の他の部分とは別体で(別の筐体内に)構成してもよい。
【0023】
また、インプリント装置1は、インプリント処理に際し、ウエハ10上に存在し、被処理部となるパターン20の形状またはサイズを計測するためのアライメント計測系26を備える。また、インプリント装置1は、ウエハステージ4を載置するベース定盤27と、モールド保持機構3を固定するブリッジ定盤28と、ベース定盤27から延設され、除振器29を介してブリッジ定盤28を支持するための支柱30とを備える。除振器29は、床面からブリッジ定盤28へ伝わる振動を除去する。さらに、インプリント装置1は、共に不図示であるが、モールド8を装置外部からモールド保持機構3へ搬送するモールド搬送機構や、ウエハ10を装置外部からウエハステージ4へ搬送する基板搬送機構などを含み得る。
【0024】
次に、インプリント装置1によるインプリント処理について説明する。まず、制御部7は、基板搬送機構によりウエハ10を搬入させ、ウエハステージ4上のウエハチャック16にウエハ10を載置および固定させる。次に、制御部7は、ステージ駆動機構17を駆動させ、パターン形成領域(被処理部)としてウエハ10上に存在するパターン20を、塗布部5による塗布位置へ移動させる。次に、制御部7は、塗布部5に対し、塗布工程としてパターン20上に樹脂14を塗布させる。次に、制御部7は、ステージ駆動機構17を再駆動させ、ウエハ10上のパターン20がモールド8に形成されたパターン部8aの直下に位置するように移動させる。次に、制御部7は、押型工程として、モールド駆動機構12を駆動させ、ウエハ10上の樹脂14にモールド8を押し付ける。この押し付けにより、樹脂14は、パターン部8aの凹凸部に充填される。この状態で、制御部7は、硬化工程として、光照射部2にモールド8の上面から紫外線9を照射させ、モールド8を透過した紫外線9により樹脂14を硬化させる。そして、樹脂14が硬化した後に、制御部7は、離型工程として、モールド駆動機構12を再駆動させ、モールド8を樹脂14から引き離す。これにより、ウエハ10上のパターン20の表面には、パターン部8aの凹凸部に倣った3次元形状の樹脂14のパターン(層)が成形される。このような一連のインプリント動作をウエハステージ4の駆動によりパターン形成領域を変更しつつ複数回実施することで、1枚のウエハ10上に複数の樹脂14のパターンを成形することができる。
【0025】
ここで、インプリント装置1によりインプリント処理が施されるウエハ10は、一連のデバイス製造工程において、例えばスパッタリングなどの成膜工程での加熱処理などを経た後に、インプリント装置1内に搬入される。したがって、ウエハ10は、インプリント装置1内に搬入される前に拡大または縮小し、XY平面内で直交する2軸方向でパターン20の形状(またはサイズ)が変化している場合がある。このパターン20の変形には、主に、倍率成分、平行四辺形成分、または台形成分の変形成分があり、それらが組み合わされていることもある。そこで、インプリント装置1は、モールド8とウエハ10上の樹脂14とを押し付けるに際し、ウエハ10上に予め形成されているパターン20の形状を補正し、モールド8に形成されているパターン部8aの形状とを合わせる必要がある。特に、本実施形態のインプリント装置1では、制御部7は、アライメント計測系26による計測結果からパターン部8aの形状の補正量を算出し、パターン20を熱変形させることにより形状を補正させる。
【0026】
まず、パターン20の形状補正の流れについて概説する。インプリント装置1では、パターン20の形状、すなわち変形成分を補正するために、パターン20の平面領域の内外に所望の補正量を得るための温度分布を形成する。図4は、本実施形態に係るパターン20の形状補正の流れを示すフローチャートである。まず、制御部7は、アライメント計測系26に対してウエハ10上に存在するパターン20の形状を計測させる(ステップS100)。次に、制御部7は、ステップS100における計測結果に基づいて、パターン20に含まれる変形成分を分析し、補正量を算出する(ステップS101)。次に、制御部7は、ステップS101にて得られた補正量と、予め準備された各変形成分における補正量に対応した光照射部2と光調整器23とによる照射量の関係表とを照合し、形状補正のために必要な照射量を導出する(ステップS102)。そして、制御部7は、ウエハ加熱機構6内の駆動機構22により光学フィルタ21を紫外線9の光路内に進入させ、ステップS102にて得られた照射量を指標として、光照射部2による照射と同時に光調整器23の動作を制御する(ステップS103)。このとき、パターン20の平面領域の内外では、照射量が調整された光を受けて、照射量分布が形成される。
【0027】
ここで、一例として、パターン20に台形成分のみを含む変形が生じている場合について具体的に説明する。図5は、パターン20の補正前および補正後の形状に対応した照射量分布、およびその照射量に伴いパターン20に生じる温度と変位量との分布を示す概略図である。なお、このパターン20は、Y軸方向(座標Y)のみに台形成分を含み、X軸方向には特に変形していないものとする。まず、制御部7は、ステップS101にて、パターン20の変形成分が、図5の最左に示すようにY軸方向のプラス側の上底が正常幅である下底よりも狭くなった台形成分であると認識し、同時に補正量、すなわち上底の幅を正常に戻す量を算出する。次に、制御部7は、ステップS102にて補正量と関係表とを照合し、必要となる照射量を導く。そして、制御部7は、光照射部2による照射と同時に光調整器23を動作させ、パターン20においてY軸方向のみに照射量分布40を形成する。このとき、照射量分布40は、上底の部分で最大の補正幅としつつ、上底から下底に向かい徐々に補正幅を小さくさせるため、図5に示すような線形となる。なお、パターン20のX軸方向では台形成分の変形がないと仮定しているため、X軸方向の照射量は、一様である。このように照射量分布40が調整された光を受け、パターン20は、図5に示すような温度分布41で加熱される。ここで、温度分布41が下底から上底に向けて一様に上昇せず上底付近にて下降するのは、パターン20の外側の領域では加熱がなされていないので、放熱によりパターン20の外周部の温度が低下するためである。この加熱により、パターン20は、図5に示すような変形量分布42で熱変形し、図5の最右に示すように、上底の両端では変形が残存する部分があるものの、所望の形状に近似した形状に補正される。
【0028】
さらに、図5に示す例と比較し、パターン20の補正後の形状を所望の形状にさらに近づけ、重ね合わせ精度をより向上させる方法もある。図6は、図5に対応したパターン20の形状補正の他の例を示す概略図である。この図6に示す例では、パターン20の加熱範囲を、パターン20の平面領域に限らず、上底の上部に位置する領域50をも含ませたものとする。上記図5に示す例では、パターン20の上底の上部に位置する外側の領域では加熱がなされていないので、パターン20の平面領域にて温度分布41および変形量分布42の低下部分が発生した。これに対して、図6に示す例では、領域50も加熱範囲とすることで、パターン20の平面領域では、照射量分布51に対して、図6に示すような線形の温度分布52および変形量53となり、低下部分が発生しない。したがって、パターン20は、図6の最右に示すように、ほぼ所望の形状に補正される。
【0029】
上記のようなパターン20の形状補正は、押型工程中または押型工程後で、硬化工程の前に実施され得る。制御部7は、このパターン20の形状補正にて、パターン20の形状とモールド8のパターン部8aの形状とを合わせた後、光学フィルタ21を紫外線9の光路外へ退避させ、硬化工程に移行する。なお、パターン20の形状補正を促進するために、形状補正時にパターン20に対応する領域の吸着力を局所的に低減させてもよい。このとき、制御部7は、樹脂14を均一に硬化させるために、パターン20の平面領域にて照射量が均一になるようにウエハ加熱機構6内の光調整器23を制御してもよい。また、硬化工程時に光学フィルタ21が退避することで、樹脂14が感光する波長と感光しない波長の全ての波長帯域の光がパターン20へ照射されるため、パターン20での熱量が増加して、パターン20の形状補正に影響を及ぼす可能性もある。そこで、制御部7は、硬化工程時には、全体の照射量を低減させるように光調整器23を制御してもよい。このように、インプリント装置1は、パターン20の平面領域に樹脂14のパターンを形成しつつパターン20の形状補正を実施することで、パターン20の形状とパターン部8aの形状とを精度良く合わせることができる。このような形状補正に対し、従来のインプリント装置では、モールド保持機構3に、モールド8の側面に外力または変位を与えることでモールド8(パターン部8a)の形状を補正する形状補正機構(倍率補正機構)を有するものがある。本実施形態のインプリント装置1では、特に、上記のような従来の形状補正機構によりモールド8のみを変形させて台形成分を補正する場合に比べて、より高精度にパターン20の形状とパターン部8aの形状とを合わせることができる。これにより、パターン20と、新たに形成される樹脂14のパターンとは、精度良く重ね合わされることになる。特に、本実施形態のパターン20の形状補正では、従来のモールドを熱変形させることで形状補正を実施する際の赤外線光源などを必要とせず、通常の硬化用光源を含む光照射部2による紫外線9を使用する。したがって、インプリント装置1が高コストとなることを抑えることもできる。
【0030】
なお、上記パターン20の形状補正では、台形成分に関する補正について説明したが、例えば倍率成分を補正する場合には、制御部7は、パターン20の平面領域の内外に均一な温度分布が形成されるように、光調整器23を制御すればよい。同様に、例えば樽形や糸巻き形の変形成分を補正する場合には、制御部7は、パターン20の平面領域にて、変形成分に対応する温度分布が形成されるように、光調整器23を制御すればよい。また、上記パターン20の形状補正では、パターン20のY軸方向のみに照射量分布を形成するものとしたが、変形成分によりパターン20のX軸方向に照射量分布を形成してもよく、または、X、Y軸の両方向に照射量分布を形成してもよい。さらに、本実施形態のパターン20の形状補正は、上記のとおり押型工程中または押型工程後に実施されるのが望ましいが、押型工程前に実施してもよい。
【0031】
以上のように、本実施形態によれば、インプリント処理に際し、ウエハ10上に予め存在するパターン20と、新たに形成される樹脂14のパターンとの重ね合わせに有利なインプリント装置1を提供することができる。
【0032】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係るインプリント装置について説明する。本実施形態に係るインプリント装置の特徴は、第1実施形態では、光調整器23として液晶装置31を採用したウエハ加熱機構6を利用するのに対し、光調整器としてデジタル・ミラー・デバイスを採用したウエハ加熱機構を利用する点にある。以下、デジタル・ミラー・デバイス(デジタル・マイクロミラー・デバイス)を、単に「DMD」と表記する。図7は、本実施形態のインプリント装置60に設置されたモールド8とウエハ10とに対するウエハ加熱機構61の構成および配置を示す概略図である。なお、図7において、第1実施形態のインプリント装置1と同一構成のものには同一の符号を付し、説明を省略する。まず、ウエハ加熱機構61は、光照射部2からウエハ10に向かう紫外線9の向きを垂直方向に変更させる第1反射板62、第2反射板63、および第3反射板64との3つの反射板を有する。これらの反射板としては、一般的なミラー素子が採用可能である。また、ウエハ加熱機構61は、これら3つの反射板62、63、64により導かれる光路にて、同様に紫外線9の向きを垂直方向に変更させる位置にDMD65を有する。このDMD65は、複数のミラー素子を光反射面に配置し、各ミラー素子の面方向を個別に調整することで光の照射量を変化させるものである。図8は、光調整器として採用可能なDMD65の表面構成を示す概略図である。このDMD65は、図8(a)に示すように、格子状に配列された複数のミラー素子80を有する。これらのミラー素子80は、制御部7からの動作指令に基づいて個々に表面方向、すなわち光の反射方向を変更可能であり、パターン20に向けて照射する任意の照射量分布を形成する。例えば、DMD65は、図8(b)に示すように、複数のミラー素子80で構成される表面領域の下部に配置されているミラー素子80の反射方向を適宜変更することで、表面領域の上部を反射する光の照射量が強くなるような照射量分布を形成することができる。なお、DMD65におけるミラー素子80の配置数は、必要とされる照射量分布に合わせて適宜決定し得る。
【0033】
このウエハ加熱機構61は、図7に示す配置例では、光照射部2とモールド8との間に設置される。パターン20の形状補正の際には、まず、第1反射板62は、光照射部2からウエハ10に向かい照射された紫外線9が一旦外側に向かうように光路を変更する。次に、DMD65は、第1反射板62にて反射された紫外線9を受け、制御部7からの駆動指令に基づいて、適切な照射量分布を形成するようにミラー素子80を制御しつつ、紫外線9をウエハ10側に向かうように光路を変更する。次に、第2反射板63は、DMD65にて反射された紫外線9を受け、再度、光照射部2からウエハ10に向かう光路側に紫外線9の光路を戻す。そして、第3反射板64は、第2反射板63にて反射された紫外線9を受け、紫外線9をウエハ10に向けて反射する。
【0034】
ここで、本実施形態におけるウエハ加熱機構61も、第1実施形態と同様に、光照射部2から照射された紫外線9のうち、樹脂14が感光する波長帯域のものを反射または吸収して遮光する光学フィルタ66を有する。この光学フィルタ66は、例えば、図7に示すように、第2反射板63と第3反射板64との光路間に設置され得る。また、第1実施形態では、光学フィルタ21が光路(Z軸)に直交する平面方向(XY平面)にて移動可能である。これに対して、本実施形態では、第1反射板62と第3反射板64とが、制御部7からの動作指令に基づいてそれぞれ駆動機構67、68により平面方向にて移動可能である。具体的には、第1反射板62と第3反射板64とは、パターン20の形状補正時には、図7(a)に示すように光路内に進入した状態となり、一方、硬化工程時には、図7(b)に示すように光路外へと退避した状態となる。このように、本実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0035】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係るインプリント装置について説明する。上記実施形態では、硬化工程時の照射量分布は、照射される光(紫外線9)の樹脂14が感光する波長または樹脂14が感光しづらい波長を問わず、均一(一定)である。これに対して、本実施形態に係るインプリント装置の特徴は、硬化工程時では、樹脂14が感光しづらい波長の光は、任意の照射量分布を維持し、一方、樹脂14が感光する波長の光は、均一な照射量分布とする点にある。図9は、本実施形態のインプリント装置90に設置されたモールド8とウエハ10とに対するウエハ加熱機構91の構成および配置を示す概略図である。なお、図9において、第1実施形態のインプリント装置1と同一構成のものには同一の符号を付し、説明を省略する。まず、ウエハ加熱機構91は、光照射部2からウエハ10に向かうZ軸方向の直線上に配置される、上流側の第1光学フィルタ92と、下流側の第2光学フィルタ93とを有する。この第1光学フィルタ92と第2光学フィルタ93とは、共に光照射部2から照射された紫外線9のうち、樹脂14が感光する波長帯域のものをそのまま透過させ、一方、樹脂14が感光しづらい波長帯域のものを垂直方向に反射させる特性を有する。例えば、第1実施形態と同様に、樹脂14を感光させる紫外線9の主な波長帯域が200〜400nmであるとすれば、第1光学フィルタ92と第2光学フィルタ93としては、波長帯域が200〜400nm以外の範囲にある光を反射するものとすればよい。また、ウエハ加熱機構91は、これら2つの光学フィルタ92、93により導かれる光路にて、紫外線9の向きを垂直方向に変更させる位置に、第2実施形態と同様のDMD94と、その下流側に位置する反射板95とを有する。なお、このDMD94と反射板95とは、それぞれ第2実施形態におけるDMD65と第2反射板63とに対応し、同一作用を有する。
【0036】
このウエハ加熱機構91は、図9に示す配置例では、光照射部2とモールド8との間に設置される。パターン20の形状補正の際には、まず、第1光学フィルタ92は、光照射部2からウエハ10に向かい照射された紫外線9のうち、樹脂14が感光しづらい波長帯域のもののみを外側に向かうように反射する。次に、DMD94は、第1光学フィルタ92にて反射された紫外線9を受け、制御部7からの駆動指令に基づいて、適切な照射量分布を形成するようにミラー素子を制御しつつ、紫外線9をウエハ10側に向かうように光路を変更する。次に、反射板95は、DMD94にて反射された紫外線9を受け、再度、光照射部2からウエハ10に向かう光路側に紫外線9の光路を戻す。そして、第2光学フィルタ93は、反射板95にて反射された紫外線9を受け、紫外線9をウエハ10に向けて反射する。
【0037】
ここで、光照射部2からウエハ10に向かい照射された紫外線9のうち、樹脂14が感光する波長帯域のものは、上記のとおり、第1光学フィルタ92と第2光学フィルタ93とをそのまま透過し、ウエハ10上のパターン20に照射される。したがって、ウエハ加熱機構91は、第1光学フィルタ92と第2光学フィルタ93との間に、パターン20の形状補正時には紫外線9を通過させ、一方、硬化工程時には紫外線9を遮蔽させる遮蔽板(シャッタ)96を有する。この遮蔽板96は、制御部7からの動作指令に基づいて、駆動機構97により光路(Z軸)に直交する平面方向(XY平面)にて移動可能である。具体的には、遮蔽板96は、パターン20の形状補正時には、図9(a)に示すように第1光学フィルタ92と第2光学フィルタ93との間の光路内に進入した状態となり、一方、硬化工程時には、図9(b)に示すように光路外へと退避した状態となる。このように、本実施形態によれば、光照射部2から照射された紫外線9のうち、樹脂14が感光しづらい波長のものは、DMD94にて照射量分布を適宜形成し、一方、樹脂14が感光する波長のものは、照射時点からの均一な照射量分布を維持する。したがって、上記実施形態と同様の効果を奏しつつ、硬化工程時において、パターン20の補正された形状を極力保ちながら、樹脂14を均一に硬化させることができる。
【0038】
なお、上記実施形態では、モールド8のパターン部8aとウエハ10上に存在するパターン20とを合わせる方法としては、パターン20の形状補正のみで実施しており、モールド8の形状補正では実施していない。そこで、上記のように、インプリント装置がモールド保持機構3にモールド8(パターン部8a)の形状を補正する形状補正機構を有する場合には、上記実施形態に係るパターン20の形状補正と、形状補正機構によるモールド8の形状補正とを併用させてもよい。これによれば、熱変形により形状補正したパターン20に対し、パターン部8aの形状補正によりさらに補正の微調整ができるので、さらに重ね合わせ精度を向上させることができる。
【0039】
(物品の製造方法)
物品としてのデバイス(半導体集積回路素子、液晶表示素子等)の製造方法は、上述したインプリント装置を用いて基板(ウエハ、ガラスプレート、フィルム状基板)にパターンを形成する工程を含む。さらに、該製造方法は、パターンを形成された基板をエッチングする工程を含み得る。なお、パターンドメディア(記録媒体)や光学素子などの他の物品を製造する場合には、該製造方法は、エッチングの代わりにパターンを形成された基板を加工する他の処理を含み得る。本実施形態の物品の製造方法は、従来の方法に比べて、物品の性能・品質・生産性・生産コストの少なくとも1つにおいて有利である。
【0040】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。
【符号の説明】
【0041】
1 インプリント装置
6 ウエハ加熱機構
7 制御部
8 モールド
8a パターン部
9 紫外線
10 ウエハ
14 樹脂
20 基板側パターン
21 光学フィルタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上の未硬化樹脂を型により成形して硬化させて、前記基板上に硬化した樹脂のパターンを形成するインプリント装置であって、
前記樹脂は、特定の波長帯域に存在する第1波長の光を受光することで硬化する光硬化性樹脂であり、
前記インプリント装置は、
前記第1波長と、前記特定の波長帯域に存在する前記第1波長以外の第2波長とを含む光を受光し、前記第1波長の光と前記第2波長の光とに分離する光学素子を含み、前記パターンを形成すべき前記基板上の領域に予め存在する基板側パターンを加熱させる基板加熱機構と、
前記パターンを形成するに際し、前記基板加熱機構により、前記光学素子にて分離された前記第2波長の光を用いて前記基板側パターンを熱変形させることで、前記型に形成されているパターン部の形状に対し、前記基板側パターンの形状を補正させる制御部と、
を備えることを特徴とするインプリント装置。
【請求項2】
前記第1波長および前記第2波長を含む前記光は、同一の光源から照射されることを特徴とする請求項1に記載のインプリント装置。
【請求項3】
前記特定の波長帯域は、紫外線の波長帯域であり、
前記第2波長は、200〜400nm以外の波長帯域に存在することを特徴とする請求項1に記載のインプリント装置。
【請求項4】
前記第1波長および前記第2波長を含む前記光は、前記型を透過して前記基板側パターンに照射されることを特徴とする請求項1に記載のインプリント装置。
【請求項5】
前記光学素子は、光学フィルタ、干渉フィルタ、またはビームスプリッタのいずれかであることを特徴とする請求項1に記載のインプリント装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記基板側パターンの形状の補正を、前記パターン部と、前記基板側パターンに塗布された前記未硬化樹脂とを押し付けている間、または押し付ける前に実施させ、
前記基板側パターンの形状を補正した後、前記第1波長の光を用いて前記樹脂を硬化させることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載のインプリント装置。
【請求項7】
前記基板加熱機構は、前記基板側パターンの形状の補正に際し、前記第2波長の光の照射量を調整し、前記照射量が調整された光により、前記基板側パターンの平面領域に照射量分布を形成する光調整器を備えることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載のインプリント装置。
【請求項8】
前記光調整器は、複数の液晶素子を光透過面に配置し、前記複数の液晶素子に対する電圧を個別に制御することで前記照射量分布を変化させる液晶装置であることを特徴とする請求項7に記載のインプリント装置。
【請求項9】
前記光調整器は、複数のミラー素子を光反射面に配置し、前記複数のミラー素子の面方向を個別に調整することで前記照射量分布を変化させるデジタル・ミラー・デバイスであることを特徴とする請求項7に記載のインプリント装置。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれか1項に記載のインプリント装置を用いて基板上に樹脂のパターンを形成する工程と、
前記工程で前記パターンを形成された基板を加工する工程と、
を含むことを特徴とする物品の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−89663(P2013−89663A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−226639(P2011−226639)
【出願日】平成23年10月14日(2011.10.14)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】