説明

インペラの片持ち主軸の点検治具及び点検方法

【課題】インペラの片持ち主軸を容易に分解点検できる点検治具を提供する。
【解決手段】点検治具10は、ケーシング73に囲まれるように配置される円筒状のインペラ75、インペラ75に連結した片持ち状の主軸及び主軸を回転可能に水平状態で支持する軸受を備える大型の送風機おいて、主軸と軸受との連結を解除して、主軸を点検できる。点検治具10は、ポンプ一体型の油圧ジャッキ1と支持体2を備える。油圧ジャッキ1は、片ロッド型のシリンダ12を有し、インペラ75の下端部とケーシング73の底面との間に配置される。支持体2は、シリンダ12に搭載されて昇降すると共に、インペラ75を下方から支持する支持板22を上部に有する。油圧ジャッキ1をインペラ75の直下に配置して、インペラ75を上昇させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インペラの片持ち主軸の点検治具及び点検方法に関する。特に、大型の送風機又は排風機などに用いられるインペラ(羽根車)を片持ち状に支持する主軸を点検するときに使用され、インペラを昇降自在に支持する点検治具の構造及び点検方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発電所などでは、外気を取り入れて、新鮮な空気を施設内に送り込むために、大型の送風機を設置している。図5は、このような大型の送風機の一例を示す斜視図である。又、図6は、大型の送風機の構成を示す図であり、図6(A)は、大型の送風機の正面図、図6(B)は、大型の送風機の右側面図である。
【0003】
図5又は図6を参照すると、大型の送風機(以下、送風機と略称する)100は、ベースフレーム71、架台72、及び円筒状のケーシング73を備えている。ベースフレーム71は、複数のチャンネル部材で骨組みされている。架台72は、ベースフレーム71の後方部に設置されている。一方、ケーシング73は、ベースフレーム71の前方部に設置されている。
【0004】
図5又は図6を参照すると、架台72は、モータ74を固定している。一方、ケーシング73は、インペラ75を内部に配置している。インペラ75は、ケーシング73から突出する片持ち状の主軸76を連結している。主軸76は、架台72に固定された一組の軸受76a・76bによって、水平状態で支持されている。又、主軸76の端部は、モータ74の出力軸とカップリング74aで連結されている。
【0005】
図5又は図6を参照すると、ケーシング73は、その前面に円形の吸気口73aを開口している。又、ケーシング73は、上方に向かって開口した送風口73bを有している。モータ74を駆動すると、インペラ75が回転して、吸気口73aから空気を吸引して、送風口73bから空気を送風できる。なお、通常、吸気口73a及び送風口73bには、図示しないダクトが接続されている。
【0006】
図5又は図6に示された送風機100は、定期的又は不定期に点検されている。このような点検作業では、主軸76を点検又は交換するため、カップリング74a及びモータ74側の軸受76aを主軸76から切り離すと、インペラ75の重みで主軸76のモータ74側が浮き上ると共に、インペラ75側の軸受76bに過剰な負荷をかけていた。
【0007】
このような不具合に対して、主軸の浮き上りを防止すると共に、インペラ側の軸受に過剰な負荷を与えないインペラの片持ち主軸の点検治具が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0008】
特許文献1による点検治具は、略長方形状の板部材からなる治具本体と、治具本体の一面側に取り付けたローラ軸受と、ローラ軸受に取り付けた弾力性を有するローラと、治具本体を固定するときに、治具本体を掛け止める引張り具と、を備え、治具本体を主軸の上面に載せ、治具本体に掛け止めた引張り具の両端を送風機の架台に架け渡すことにより、治具本体を固定し得るように構成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2008−175154号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1による点検治具は、主軸のモータ側が浮き上らないように、主軸を回転可能に保持している。特許文献1による点検治具は、主軸のモータ側が浮き上らないようにするために、人力で押さえつける労力は回避できるが、インペラ側の軸受には、依然として負荷を与えており、主軸の分解点検又は交換を困難としているという問題がある。
【0011】
従来、図5又は図6に示された主軸76を分解点検又は交換するときには、ケーシング73の上蓋を取り外した後に、インペラ75にロープなどを掛け渡し、インペラ75を天井に引き上げていた。これにより、主軸76を容易に分解点検又は交換できる。
【0012】
しかしながら、従来の分解点検作業は、ケーシングの上蓋の取り外し及び復旧など、高所での作業が必要であり、作業効率が良くないものとしていた。インペラを天井に引き上げることなく、インペラの片持ち主軸を容易に分解点検できる点検治具及び点検方法が求められている。そして、以上のことが本発明の課題といってよい。
【0013】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、インペラの片持ち主軸を容易に分解点検できる点検治具及び点検方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明者は、大型の送風機には、インペラを囲うケーシングの底壁とインペラの外周との間に相当の間隙があることに着目し、ケーシングの内部においてインペラを支持することにより、この課題が解決可能であると考え、これに基づいて、以下のような新たなインペラの片持ち主軸の点検治具及び点検方法を発明するに至った。
【0015】
(1)本発明によるインペラの片持ち主軸の点検治具は、前面に吸気口を開口し、上方に開口した送風口を有するケーシング、このケーシングに囲まれるように配置される円筒状のインペラ、このインペラに連結した片持ち状の主軸、及びこの主軸を回転可能に水平状態で支持する一つ以上の軸受を備える大型の送風機において、前記主軸と前記軸受との連結を解除して、当該主軸を点検するための点検治具であって、昇降自在な片ロッド型のシリンダを有し、前記インペラの下端部と前記ケーシングの底面との間に配置されるポンプ一体型の油圧ジャッキと、前記シリンダに搭載されて昇降すると共に、前記インペラを下方から支持する支持板を上部に有する支持体と、を備え、前記支持板は、前記インペラの外周を離間した異なる二点で支持する一対の帯状の半月体を有し、前記油圧ジャッキは、前記インペラを上昇可能に前記インペラの直下に配置される。
【0016】
(2)本発明によるインペラの片持ち主軸の点検方法は、前面に吸気口を開口し、上方に開口した送風口を有するケーシング、このケーシングに囲まれるように配置される円筒状のインペラ、このインペラに連結した片持ち状の主軸、及びこの主軸を回転可能に水平状態で支持する一つ以上の軸受を備える大型の送風機において、前記主軸と前記軸受との連結を解除して、当該主軸を点検するための点検方法であって、昇降自在な片ロッド型のシリンダを有し、前記インペラの下端部と前記ケーシングの底壁との間に配置されるポンプ一体型の油圧ジャッキと、前記シリンダに搭載されて昇降すると共に、前記インペラを下方から支持する支持板を上部に有する支持体と、を備え、前記支持板は、前記インペラの外周を離間した異なる二点で支持する一対の帯状の半月体を有する点検治具を前記インペラの直下に配置して、前記インペラを上昇させる。
【0017】
(3)本発明によるインペラの片持ち主軸の点検方法は、前記シリンダに設けたピストンロッドの移動方向が前記インペラの遠心方向と略一致するように、前記点検治具を前記ケーシングの底面に一対に配置して、前記インペラを上昇させてもよい。
【0018】
(4)本発明によるインペラの片持ち主軸の点検方法は、前記点検治具を前記インペラの直下に配置すると共に、前記シリンダに設けたピストンロッドの移動方向が前記インペラの遠心方向と略一致するように、前記点検治具を前記ケーシングの底面に一対に配置して、前記インペラを上昇させてもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によるインペラの片持ち主軸の点検治具は、油圧ジャッキを操作して、ケーシングの内部からインペラを支持できる。これより、インペラを天井に引き上げることなく、インペラの片持ち主軸を容易に分解点検できる。本発明によるインペラの片持ち主軸の点検方法は、この点検治具をインペラの直下に配置して、インペラを単独支持することもでき、この点検治具を二つ用いてインペラを二点支持することもでき、この点検治具を三つ用いてインペラを三点支持することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態によるインペラの片持ち主軸の点検治具の構成を示す斜視分解組立図であり、油圧ジャッキと支持体を分離した状態図である。
【図2】前記実施形態によるインペラの片持ち主軸の点検治具の構成を示す斜視分解組立図であり、油圧ジャッキと搭載台を分離した状態図である。
【図3】前記実施形態によるインペラの片持ち主軸の点検治具の構成を示す正面図であり、点検治具をインペラの直下に配置した状態図である。
【図4】前記実施形態によるインペラの片持ち主軸の点検治具の構成を示す正面図であり、点検治具を一対に配置した状態図である。
【図5】本発明によるインペラの片持ち主軸の点検治具に係る大型の送風機の一例を示す斜視図である。
【図6】本発明によるインペラの片持ち主軸の点検治具に係る大型の送風機の構成を示す図であり、図6(A)は、大型の送風機の正面図、図6(B)は、大型の送風機の右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態を説明する。
[インペラの片持ち主軸の点検治具の構成]
最初に、本発明の一実施形態によるインペラの片持ち主軸の点検治具の構成を説明する。図1は、本発明の一実施形態によるインペラの片持ち主軸の点検治具の構成を示す斜視分解組立図であり、油圧ジャッキと支持体を分離した状態図である。
【0022】
図2は、前記実施形態によるインペラの片持ち主軸の点検治具の構成を示す斜視分解組立図であり、油圧ジャッキと搭載台を分離した状態図である。図3は、前記実施形態によるインペラの片持ち主軸の点検治具の構成を示す正面図であり、点検治具をインペラの直下に配置した状態図である。
【0023】
図1又は図3を参照すると、本発明の一実施形態によるインペラの片持ち主軸の点検治具(以下、点検治具と略称する)10は、油圧ジャッキ1と支持体2を備えている。油圧ジャッキ1は、市販のポンプ一体型の油圧ジャッキを用いることができる。支持体2は、油圧ジャッキ1に搭載されて昇降できる。
【0024】
(油圧ジャッキの構成)
図1又は図2を参照すると、油圧ジャッキ1は、台座11、片ロッド型のシリンダ12、及びポンプ13を備えている。ポンプ13は、梃子クランク装置14を上部に連結している。梃子クランク装置14は、パイプ部材14aを上部に取り付けている。
【0025】
図1又は図2を参照すると、油圧ジャッキ1は、パイプ部材14aに着脱自在な操作棒15を備えている。操作棒15の先端部をパイプ部材14aに挿入(嵌合)して、操作棒15の手許部を揺動すると、この揺動運動に連動して、ポンプ13の内部に収容された図示しないピストンを往復動できる。そして、このピストンは、台座11の内部に形成された油圧路(図示せず)を経由して、シリンダ12の中心部に駆動油を送出できる。
【0026】
図1又は図2を参照すると、シリンダ12は、単動型のピストンロッド(図示せず)を中心部に設けている。シリンダ12の中心部に駆動油が送出されると、このピストンロッドを突出(上昇)できる。前記ピストンロッドの先端部には、円板状のヘッド12aを取り付けている。ヘッド12aに重量物を載せて、操作棒15を操作すると、この重量物を持ち上げることができる。
【0027】
図1又は図2を参照すると、台座11は、リリーズスクリュー(図示せず)を側面に設けている。このリリーズスクリューを一方の方向に回動すると、シリンダ12のピストンロッドを下降(復帰)できる。又、リリーズスクリューの回動角度を調整すると、シリンダ12のピストンロッドの下降速度を調整できる。
【0028】
図1又は図2を参照すると、シリンダ12は、駆動油を貯蔵可能なタンク(図示せず)を内部に設けている。油圧ジャッキ1は、リリーズスクリューに連結したリリーズレバー16を更に有している。リリーズレバー16を一方の方向に回動すると共に、ヘッド12aを押すと、駆動油をシリンダ12の内部のタンクに回収できる。リリーズレバー16を操作して、リリーズスクリューをロックすると、シリンダ12のピストンロッドを上昇できる。
【0029】
(支持体の構成)
図1又は図3を参照すると、支持体2は、円筒状の金属管21と剛体の支持板22で構成している。金属管21の下端部は、開口しており、シリンダ12を内部に収容できる。金属管21の上端部は、支持板22の下面に溶接している。つまり、金属管21と支持板22は、一体に構成されている。
【0030】
図3を参照すると、金属管21は、シリンダ12に被さるように、シリンダ12を内部に収容できる。ヘッド12aは、支持板22の下面に当接している。ヘッド12aを上昇すると、金属管21の内壁がシリンダ12の外周に案内されて、支持板22を水平状態で上昇できる。つまり、支持体2は、シリンダ12に搭載されて昇降できる。
【0031】
図1又は図3を参照すると、支持板22は、一対の帯状の半月体23・23を有している。実態として、これらの半月体23・23は、支持板22の上面に溶接されている。そして、図3に示されるように、一対の半月体23・23は、インペラ75の外周を離間した異なる二点で支持することができる。なお、一対の半月体23・23には、インペラ75の端部に設けた円板75aに嵌合する段差溝23aを設けている。これにより、インペラ75の軸方向の移動が制約される。
【0032】
(搭載台の構成)
図2又は図3を参照すると、点検治具10は、油圧ジャッキ1を着脱自在に固定する搭載台3を更に備えている。図1から図3を参照すると、台座11は、その両翼に延出する一対一組の取り付け脚11aを有している。一方、図2又は図3を参照すると、搭載台3は、一対の位置決めピン31a・31aを中央部の上面から突出している。これらの位置決めピン31a・31aは、斜めに対向する一対の取り付け脚11a・11aに開口した穴11hに嵌合できる。
【0033】
又、図2を参照すると、搭載台3は、一対の雌ねじ部32b・32bを中央部に設けている。これらの雌ねじ部32b・32bは、穴11hを介してボルト32を締結でき、斜めに対向する一対の取り付け脚11a・11aを搭載台3に固定できる(図3参照)。一方、一対のボルト32・32を取り外すと、油圧ジャッキ1と搭載台3を分離できる。
【0034】
図2又は図3を参照すると、搭載台3は、硬質のゴム足33を底面の四隅に取り付けている。図3に示されるように、四つのゴム足33を離間して配置することで、湾曲したケーシング73の底面73cに水平状態で搭載台3を設置できる。なお、四つのゴム足33を設けることなく、ケーシング73の底面73cの曲面に対応するように、搭載台3の底面を半月体状に突出してもよい。
【0035】
[インペラの片持ち主軸の点検治具の作用]
次に、本発明の実施形態によるインペラの片持ち主軸の点検方法を説明しながら、点検治具10の作用及び効果を説明する。図4は、前記実施形態によるインペラの片持ち主軸の点検治具の構成を示す正面図であり、点検治具を一対に配置した状態図である。
【0036】
図3を参照して、最初に、インペラ75の下端部とケーシング73の底面73cとの間に点検治具10を配置する。図5又は図6を参照して、インペラ75の下端部とケーシング73の底面73cの間は、相当の空間があり、ケーシング73に設けた図示しない扉を開けて、作業者が点検治具10をケーシング73の内部に進入させることができる。
【0037】
次に、図3を参照して、油圧ジャッキ1がインペラ75の直下に配置されるように、点検治具10の設置位置を調整する。次に、操作棒15を操作して(図1又は図2参照)、支持体2を上昇させる。この場合、一対の半月体23・23に設けた段差溝23a(図1参照)がインペラ75の端部に設けた円板75aに嵌合するように、予め、点検治具10の設置位置を調整しておくことが好ましい。なお、カップリング74aによる、主軸76とモータ74の出力軸との連結は、予め解除されているものとする(図5又は図6参照)。
【0038】
次に、図3を参照して、操作棒15を操作して(図1又は図2参照)、支持体2がインペラ75に当接した後もインペラ75を僅かに上昇させる。これにより、インペラ75を天井に引き上げることなく、主軸76と軸受76a及び軸受76bの連結を容易に解除できる(図5又は図6参照)。そして、主軸76を容易に分解点検できる。
【0039】
このように、図3を参照すると、実施形態によるインペラの片持ち主軸の点検方法は、図1から図3に示された点検治具10をインペラ75の直下に配置して、インペラ75を支持することができる。
【0040】
又、図4を参照して、他の実施形態によるインペラの片持ち主軸の点検方法は、点検治具10を二つ用いてインペラを二点支持することもできる。この場合、図1又は図2を参照して、シリンダ12に設けたピストンロッドの移動方向がインペラ75の遠心方向と略一致するように、点検治具10をケーシング73の底面73cに一対に配置して、インペラ75を上昇させることが好ましい。
【0041】
更に、他の実施形態によるインペラの片持ち主軸の点検方法は、図3に示すように、点検治具10をインペラ75の直下に配置すると共に、シリンダ12に設けたピストンロッドの移動方向がインペラ75の遠心方向と略一致するように(図1又は図2参照)、一対の点検治具10・10をケーシング73の底面73cに配置して、インペラ75を上昇させることもできる。
【0042】
実施形態によるインペラの片持ち主軸の点検治具10は、油圧ジャッキ1を操作して、ケーシング73の内部からインペラ75を支持できる。これより、インペラ75を天井に引き上げることなく、主軸76を容易に分解点検できる。実施形態によるインペラの片持ち主軸の点検方法は、点検治具10をインペラ75の直下に配置して、インペラ75を単独支持することもでき、点検治具10を二つ用いてインペラ75を二点支持することもでき、点検治具10を三つ用いてインペラを三点支持することもできる。
【符号の説明】
【0043】
1 油圧ジャッキ
2 支持体
10 点検治具
12 シリンダ
22 支持板
23 半月体
73 ケーシング
73a 吸気口
73b 送風口
73c 底面(ケーシングの底面)
75 インペラ
76 主軸
76a・76b 軸受
100 送風機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面に吸気口を開口し、上方に開口した送風口を有するケーシング、このケーシングに囲まれるように配置される円筒状のインペラ、このインペラに連結した片持ち状の主軸、及びこの主軸を回転可能に水平状態で支持する一つ以上の軸受を備える大型の送風機において、前記主軸と前記軸受との連結を解除して、当該主軸を点検するための点検治具であって、
昇降自在な片ロッド型のシリンダを有し、前記インペラの下端部と前記ケーシングの底面との間に配置されるポンプ一体型の油圧ジャッキと、
前記シリンダに搭載されて昇降すると共に、前記インペラを下方から支持する支持板を上部に有する支持体と、を備え、
前記支持板は、前記インペラの外周を離間した異なる二点で支持する一対の帯状の半月体を有し、
前記油圧ジャッキは、前記インペラを上昇可能に前記インペラの直下に配置されるインペラの片持ち主軸の点検治具。
【請求項2】
前面に吸気口を開口し、上方に開口した送風口を有するケーシング、このケーシングに囲まれるように配置される円筒状のインペラ、このインペラに連結した片持ち状の主軸、及びこの主軸を回転可能に水平状態で支持する一つ以上の軸受を備える大型の送風機において、前記主軸と前記軸受との連結を解除して、当該主軸を点検するための点検方法であって、
昇降自在な片ロッド型のシリンダを有し、前記インペラの下端部と前記ケーシングの底壁との間に配置されるポンプ一体型の油圧ジャッキと、前記シリンダに搭載されて昇降すると共に、前記インペラを下方から支持する支持板を上部に有する支持体と、を備え、前記支持板は、前記インペラの外周を離間した異なる二点で支持する一対の帯状の半月体を有する点検治具を前記インペラの直下に配置して、前記インペラを上昇させる、インペラの片持ち主軸の点検方法。
【請求項3】
前記シリンダに設けたピストンロッドの移動方向が前記インペラの遠心方向と略一致するように、前記点検治具を前記ケーシングの底面に一対に配置して、前記インペラを上昇させる、請求項2記載のインペラの片持ち主軸の点検方法。
【請求項4】
前記点検治具を前記インペラの直下に配置すると共に、前記シリンダに設けたピストンロッドの移動方向が前記インペラの遠心方向と略一致するように、前記点検治具を前記ケーシングの底面に一対に配置して、前記インペラを上昇させる、請求項3記載のインペラの片持ち主軸の点検方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−172599(P2012−172599A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−35750(P2011−35750)
【出願日】平成23年2月22日(2011.2.22)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】