説明

ウイルス性皮膚病変を保護および治療するための粘着パッチ

【課題】微生物または細菌が通過することを防止し、ウイルス性皮膚病変、特にヘルペスおよび疣を保護および治療するための粘着パッチの提供。
【解決手段】表面の少なくとも一部がウイルス性病変部の皮膚に対して粘着性の材料の少なくとも1つの層で被覆されている柔軟性支持材を含み、前記柔軟性支持材は、5から300μmの厚みおよび150から300g/m2の水蒸気に対する透過性を有するポリマー材料のシートまたはフィルムからなり、前記粘着性材料の層は、300g/m2を超える水蒸気に対する透過性を有し、前記透過性は24時間に亘って測定されることを特徴とする、粘着パッチ。前記ポリマー材料のシートまたはフィルムは、ポリエステル、PVC、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリエチレンおよびナイロンを含む群から選択される材料で作製される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感染した部分における皮膚蒸散性を可能にする一方で、外部からの細菌に対して効果的なバリアーを形成することにより、外部感染からウイルス性皮膚病変、特にヘルペスおよび疣を保護するための、皮膚に適用可能な粘着パッチに関する。
【背景技術】
【0002】
ウイルス性皮膚病変を治療するためにパッチを使用することが知られている(WALBROEHL G.、「Treating Periungual Warts with Adhesive Tape」、American Family Physician、1998年1月、Vo1.57、No.2、“Letters to the Editor”の1頁、SUMMERS,J.B.、「Is Duct Tape Occlusion Therapy an Effective Treatment of Warts?」、American Family Physician、2003年11月、Vo1.68、No.10、“Letters to the Editor”の2−3頁、およびWO2006/130461)。しかし、これらパッチの目的が達成されること、すなわち、細菌汚染に対する絶対的なバリアーを提供しながら、同時にウイルス性病変の迅速な治癒に適する条件を生成することはなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2006/130461号パンフレット
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】WALBROEHL G.、「Treating Periungual Warts with Adhesive Tape」、American Family Physician、1998年1月、Vo1.57、No.2、“Letters to the Editor”の1頁
【非特許文献2】SUMMERS,J.B.、「Is Duct Tape Occlusion Therapy an Effective Treatment of Warts?」、American Family Physician、2003年11月、Vo1.68、No.10、“Letters to the Editor”の2−3頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
(発明の要旨)
今回、水蒸気の一定で限られた通過を伴う並外れたウイルス性病変保護物を形成することが可能であることが見いだされ、このことは、治癒を大幅に促進するなどの理想的な条件下における治癒を可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的は、表面の少なくとも一部がウイルス性病変部の皮膚に対して粘着性の材料の少なくとも1つの層で被覆されている柔軟性支持材を含み、前記柔軟性支持材は、5から300μmの厚みおよび150から300g/mの気体および蒸気に対する透過性を有するポリマー材料のシートまたはフィルムからなり、前記粘着材料の層は、300g/mを超える水蒸気に対する透過性を有し、前記透過性は24時間に亘って測定される(したがって、24時間以内に透過した水蒸気の量である。)ことを特徴とする粘着パッチにより達成される。
【0007】
好ましくは、前記ポリマー材料のシートまたはフィルムは、5から50μmの厚みを有し、ポリエステル、PVC、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリエチレンおよびナイロンを含む群から選択される材料で作製される。より好ましくは、このシートまたはフィルムは10から25μmの厚みを有する。好ましい態様によれば、前記粘着材料は、水系または溶剤系のアクリル系粘着剤、ポリウレタン粘着剤、天然由来または合成由来の樹脂、ポリアクリレート、天然ポリマー、ゴム、ポリビニルアルコール、セルロース、カラギーナン、アルギネートを含む群から選択される。好ましくは、この粘着材料は、その中に存在する溶剤をすべて除去した後に、10から50g/mの重量に相当する層を形成する。
【0008】
本発明のパッチ用の高強度な柔軟性支持材を形成するポリマーシートまたはフィルムは、静的条件下、すなわち通常の使用条件下で、微生物、特にグラム陽性病原体(黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)およびA群連鎖球菌(Streptococcus pyogenes))、グラム陽性およびグラム陰性の共生細菌および日和見病原体(スタフィロコッカッス・キシロスサス(Staphylococcus xylosus)、乳酸球菌(Enterococcus faecalis)、大腸菌(Escherichia coli)、肺炎桿菌(Klebsiella pneumonia)、プロテウス・ミラビリス(Proteus mirabilis))、腐生グラム陰性細菌株および日和見病原体(緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa))ならびに酵素株(カンジダ・アルビカンス(Candida albicans))が、たとえ24時間の長期に亘る接触の後でさえも、通り抜けないような透過性を有する。
【0009】
本発明のパッチ中での使用に適している、高度に蒸散する粘着材料の例の性質および特徴が、US6262329(Brunsveldら)に記載されている。
【0010】
上記の特徴を有する粘着パッチは、類似の既知システム、すなわち、薬剤を使用するまたは使用しない膏薬による、ウイルス性皮膚病変のための他の治療のどれよりも良い有効性を驚くべきことに実証した。
【0011】
この状況は、粘着材料層を通る蒸気および気体の迅速な通過(この通過は、次に、柔軟性支持材の細孔を通り抜けるときに、微かな抵抗に遭遇する。)により生成される微小環境によって可能になり、その結果、損傷部分を最適な気体の湿度および流動の状態に維持する蒸気循環を形成する。
【0012】
本発明のパッチは、適切な時間に亘り、これらの特徴を維持するようなものであり、使用者のウイルス性病変の表面に適用でき、皮膚を損傷することなく治癒を促進する。このパッチはこのような病変のための適切な医薬物質を含有してもよく、含有しなくてもよい。
【0013】
本発明の1つの態様によると、医薬、芳香、加湿、鎮痛、軟化の特性を有する少なくとも1種の天然または合成物質、または(抗菌性を有している)クロルヘキシジン等のエッセンシャルオイル、コロイド状銀、植物抽出物、ヒアルロン酸が粘着材料内に分散されており、これらの物質は、分散されている粘着材料の効果によって、皮膚病変と接触したままとなり、治癒を促す。
【0014】
特に、アシクロビル等の抗ウイルス性物質が存在してもよい。
【0015】
本発明によるパッチの構造と使用をよりよく理解するために、添付図面を参照した非制限的な実施例を通じて、好ましい実施形態が以下に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】使用前の組み立てられたパッチの平面図を示す図である。
【図2】図1の切断線2−2における拡大スケールのパッチの断面図を示す図である。
【図3】基本的なパッチ、すなわち、皮膚病変上における使用時に存在するものとして示される、皮膚に適用されるものとしての断面図を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
特に図3に関連して、基本的なパッチは、柔軟性支持材2および皮膚/粘着材料の層1を含む。
【0018】
皮膚病変に適用されるものとしてのパッチの構造に加えて、本発明は、パッチが製造され使用者に販売される組立形態にも関する。この組立形態では、前記粘着材料層1の自由表面を、例えば、約100μmの厚みを有することができる、シリコーン処理もしくはポリエチレン処理紙またはシリコーン処理ポリエステルの除去可能なシート3上に置き、前記粘着材料が存在する表面と反対側の前記ポリマー材料の表面上に、ポリエチレンおよびポリプロピレンを含む群から好ましくは選択され、15から50μmの厚みを好ましくは有するポリマーの補助フィルム4の一方の表面を置き、前記補助フィルムの他方の表面上に、前記補助フィルムの少なくとも一部が粘着され、前記補助フィルムの外側に広がる粘着剤がない突起部8が存在する成形シート5を置く。
【0019】
水蒸気に対する透過性は、UNI 4848/26に従って測定可能である。
【0020】
本発明は、以下の実施例により説明される。
【実施例】
【0021】
(実施例1)
単純ヘルペス治療用パッチの調製
溶剤系アクリル系粘着剤(例えば、National Starch & ChemicalのDuro−tak 2353)15kgを、冷たい状態で容器内に供給する。パッチ用塗布機を使用し、圧縮空気ポンプを利用して、アクリル系粘着剤混合物を、ドクターブレードの厚みを約60μmに調整した、回転する円筒ドクターブレード上に移動する。
【0022】
ドクターブレードは、プラスチック材料3、例えば、厚み100μmのポリエステルの連続テープのシリコーン処理した表面上に粘着剤1を(必要な厚みまで)、薄く塗布する。
【0023】
ポリエステル3のシリコーン処理した表面上に薄く塗布された粘着剤1を、1分当たり8メートルの速度で、連続する4台のオーブン装置に通す。1台目のオーブン装置は40℃に、2台目は50℃に、3台目は70℃に、4台目は100℃に制御された温度を有する。
【0024】
オーブンの出口において、粘着層1は、オーブン装置内で蒸発した溶剤が完全になくなり、粘着部分の層の厚みは、約20g/mの重量に相当する。この粘着層は、24時間当たり480g/mの蒸散を可能にする。
【0025】
オーブンの出口において、テープ3上に塗布された粘着層1を有するポリエステルテープ3を、あらかじめポリエチレンテープ4に貼り合わされたポリウレタンテープ2(40μmのポリエチレン上に押出された15μmのポリウレタン)に貼り合わせる。ここで、ポリウレタンは24時間当たり約215g/mの透過性を示す。結果は、シリコーン処理したポリエステルシート3により他方の表面が保護された粘着層1の自由表面が、それ自体がポリエチレンテープ4に貼り合わされたポリウレタンテープ2に接着することである。
【0026】
したがって、(層1、2、3、4を含む)連続的な巻取物が得られ、この巻取物を32mmの幅を有する巻取物に切断する。
【0027】
ここで、回転式穴開機を使用して、複合テープ1、2、3、4に直径15mmの円形を穿孔して、次に、パッチの上部の上に、したがって、ポリエチレン4と接触して、パッチの円形状表面7の約2分の1が粘着される粘着部分6を有する半粘着紙の成形シート5が適用され、一方、パッチの自由端を超えて突き出る(図1および図2)紙シートの非粘着突起部8は、掴み要素としての役割を果たして、実際のパッチ1、2をポリエステル層4から分離する(パッチの使用の際に、図3)。このようにして得られた製品(1−5)を、次に、自動的に包装中に挿入する。パッチを使用するには、パッチが収納された包装を開封して、(図1および図2に示されるように組み立てられた)パッチを、そのポリエステル保護層3と一緒に引き出し、次に、この保護層3からパッチを分離する。パッチの粘着部分1を、ヘルペス病変上に適用して押し付け、次に、半粘着紙シート5がポリエチレン4の表面に付着(粘着)しているので、半粘着紙シート5もポリエチレン4と共に引かれるように、半粘着紙シート5の突起部8を2本の指で掴んで引き、粘着層1および粘着層1を通じて皮膚に付着したままになっているポリウレタン層2(図3)を自由にする。
【0028】
パッチを、ヘルペスが完全に治癒するまで、12時間毎に交換する。
【0029】
(実施例2)
疣治療用パッチの調製
溶剤系アクリル系粘着剤(例えば、National Starch & ChemicalのDuro−tak粘着剤 87−2054)15kgを、冷たい状態で容器内に供給する。
【0030】
パッチ用混合/塗布機を使用し、圧縮空気ポンプを利用して、アクリル系粘着剤混合物を得て、ドクターブレードの厚みを約100μmに調整した回転する円筒ドクターブレード上に移動する。
【0031】
ドクターブレードは、プラスチック材料3、例えば、100μmのシリコーン処理ポリエステルの連続テープ上に粘着剤1を(必要な厚みまで)薄く塗布する。
【0032】
シリコーン処理したポリエステル3に薄く塗布された粘着剤1を、1分当たり8メートルの速度で、連続する4台のオーブン装置に通す。1台目のオーブン装置は40℃に、2台目は60℃に、3台目は90℃に、4台目は120℃に制御された温度を有する。
【0033】
オーブンの出口において、粘着層は、オーブン装置内で蒸発した溶剤が完全になくなる。粘着部分1の厚みは、約45g/mの重量に相当し、粘着層は、24時間当たり340g/mの蒸散を可能にする。
【0034】
オーブンの出口において、テープ3上に薄く塗布された粘着層1を有するポリエステルテープ3を、あらかじめ押出され、ポリエチレンテープ4に貼り合わせられた複合ポリウレタンテープ2(40μmのポリエチレン上に押出された18μmのポリウレタン)に貼り合わせる。ここで、ポリウレタンは24時間当たり約180g/mの透過性を示す。結果は、シリコーン処理したポリエステルシート3により他方の表面が保護された、粘着層1の自由表面が、それ自体がポリエチレンテープ4に貼り合わされたポリウレタンテープ2に接着することである。
【0035】
したがって、(層1、2、3、4を含む)連続的な巻取物が得られ、この巻取物を42mmの幅を有する巻取物に切断する。
【0036】
ここで、回転式穴開機を使用して、複合テープ1、2、3、4を穿孔して直径20mmの円形の単一要素を得て、次に、パッチの上部の上に、したがって、ポリエチレン4と接触して、粘着性であり、パッチの円形状表面7の約2分の1が粘着される粘着部分6(ポリエチレン4と接触する。)を有する、半粘着紙のシート5が適用され、一方、パッチ1、2、4の円形部分から突き出る(図1および図2)紙シートの非粘着突起部8は、2本の指で掴まれる要素としての役割を果たして、パッチ(図3)が使用される場合に、パッチ1、2をポリエステル層4から分離する。最終的な組み立てられたパッチ(図1および図2)を、自動的に包装中に挿入する。パッチを使用するには、包装を開封して、まだポリエステル保護層3を有している図1および図2のパッチを引き出し、この保護層3を取り去る。パッチの粘着部分1を、疣病変上に適用して押し付け、次に、この適用後に、半粘着紙シート5の突起部8を2本の指で引き、突起部はポリエチレン4の表面に付着(粘着)しているので、突起部がポリエチレン層4も取り去り、厚み18μmのポリウレタン層2を自由にして、最終的なパッチ1、2(図3)を使用可能にする。
【0037】
パッチ1、2を、疣が完全に治癒するまで、12時間毎に交換する。
【0038】
(実施例3)
医薬活性物質を含む口唇ヘルペス治療用パッチの調製
溶剤系アクリル系粘着剤(例えば、National Starch & ChemicalのDuro−tak粘着剤 2353)10kgを、冷たい状態で容器内に供給する。
【0039】
この粘着剤をスクリュー式混合機に供給する。スクリューを1分当たり60回転の速度で回転させ、アシクロビル(抗ウイルス性医薬物質、アミノ−1,9−ジヒドロ−[(2−ヒドロキシエトキシ)メチル−6H−ピリン−オン])182.5gを導入して、回転を常温で15分間継続する。回転を止め、混合物を脱気するために120分間、静置状態にしておく。
【0040】
パッチ用混合/塗布機を使用し、圧縮空気ポンプを利用して、得られたアクリル系粘着剤混合物を、ドクターブレードの厚みを約60μmに調整した、回転する円筒ドクターブレード上に移動する。
【0041】
ドクターブレードは、プラスチック材料3、例えば、100μmのシリコーン処理ポリエステルの連続織布上に、粘着剤1を(必要な厚みまで)薄く塗布する。
【0042】
ポリエステル上に薄く塗布された粘着剤1を、1分当たり8メートルの速度で、連続する4台のオーブン装置に通す。1台目のオーブン装置は40℃に、2台目は50℃に、3台目は70℃に、4台目は100℃に制御された温度を有する。
【0043】
オーブンの出口において、粘着層は、オーブン装置内で蒸発した溶剤が完全になくなる。粘着部分の厚みは、約20g/mの重量に相当し、粘着層は、24時間当たり480g/mの蒸散を可能にする。
【0044】
オーブンの出口において、織布3上に薄く塗布された粘着層1を有するポリエステル織布3を、あらかじめ押出され、ポリエチレンテープ4に貼り合わせられた複合ポリウレタンテープ2(40μmのポリエチレン上に押出された15μmのポリウレタン)に貼り合わせる。ここで、ポリウレタンは24時間当たり約215g/mの透過性を示す。結果は、一方の面がシリコーン処理したポリエステルシート3により保護された粘着層1が(それ自体がポリエチレンテープ4に貼り合わされている)ポリウレタンテープ2に接着することである。
【0045】
得られた(層1、2、3、4を含む)巻取物を、次に、32mmの幅を有する巻取物に切断する。
【0046】
ここで、回転式穴開機を使用して、貼り合わされた組立物を穿孔して直径15mmの円形の複合要素を得て、次に、パッチの上部の上に、したがって、ポリエチレン4と接触して、パッチの円形部の約2分の1が粘着される粘着部分6(ポリエチレン4と接触する。)を有する、半粘着紙のシート5が適用され、一方、非粘着部分はパッチ端部から突き出て、指で掴んでパッチを分離するための突起部8(図1および図2)を形成する。このようにして切断された、保護されたパッチを、次に、自動的に包装中に挿入する。パッチ1、2(図3)を使用するには、包装を開封して、パッチをそのポリエチレン保護層3と一緒に引き出し、この保護層3からパッチを分離する。パッチの粘着部分1を、ヘルペス病変上に適用して押し付け、次に、この適用後に、半粘着紙シート5の突起部8を2本の指で引き、シートはポリエチレン層4に付着しているので、シートがポリエチレン層も取り去り、厚み15μmのポリウレタン層2を自由にして、最終的なパッチ1、2(図3)を使用可能にする。
【0047】
パッチ1、2を、完全な治癒が行われるまで、12時間毎に交換する。
【0048】
(実施例4)
植物抽出物を含む疣治療用パッチの調製
溶剤系アクリル系粘着剤(例えば、National Starch & ChemicalのDuro−tak粘着剤 2054)15kgを、冷たい状態で容器内に供給する。この粘着剤をスクリュー式混合機に供給する。スクリューを1分当たり60回転の速度で回転させ、液体グレープフルーツシード抽出物300gを導入して、回転を常温で15分間継続する。回転を止め、混合物を脱気するために120分間、静置状態にしておく。
【0049】
パッチ用塗布機を使用し、圧縮空気ポンプを利用して、このようにして得られたアクリル系粘着剤混合物を、ドクターブレードの厚みを約60μmに調整した、回転する円筒ドクターブレード上に移動する。
【0050】
ドクターブレードは、プラスチック材料、例えば、100μmのシリコーン処理ポリエステルまたはシリコーン処理紙の連続テープ上に、粘着剤1を(必要な厚みまで)薄く塗布する。
【0051】
ポリエステル上に薄く塗布された粘着剤を、1分当たり8メートルの速度で、連続する4台のオーブン装置に通す。1台目のオーブン装置は40℃に、2台目は50℃に、3台目は70℃に、4台目は100℃に制御された温度を有する。
【0052】
オーブンの出口において、粘着層は、オーブン装置内で蒸発した溶剤が完全になくなる。粘着部分1の厚みは、約20g/mの重量に相当し、粘着層は、24時間当たり340g/mの蒸散を可能にする。
【0053】
オーブンの出口において、テープ3上に塗布された粘着層1を有するポリエステルテープ3を、24時間当たり約250g/mの透過性を示す15μmのポリエチレンテープに貼り合わせる。結果は、面の一方がシリコーン処理ポリエステルシート3により保護された粘着層1が、ポリエチレンテープに接着することである。
【0054】
得られた巻取物を、次に、40mmの幅を有する巻取物に切断する。
【0055】
ここで、回転式穴開機を使用して、貼り合わせられた組立物を穿孔して、直径20mmの円形の複合要素を得る。このようにして切断されたパッチを、次に、自動的に包装中に挿入する。適用のために、包装を開封して、ポリエステル保護層を有するパッチを引き出し、パッチをこの保護層から分離する。パッチの粘着部分を、疣病変に対して適用する。
【0056】
パッチを、完全な治癒が行われるまで、12時間毎に交換する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウイルス性皮膚病変を保護および治療するために使用される粘着パッチであって、表面の少なくとも一部がウイルス性病変部の皮膚に対して粘着性の材料の少なくとも1つの層(1)で被覆されている柔軟性支持材(2)を含み、前記柔軟性支持材は、5から300μmの厚みおよび150から300g/mの水蒸気に対する透過性を有するポリマー材料のシートまたはフィルムからなり、前記粘着性材料の層は、300g/mを超える水蒸気に対する透過性を有し、前記透過性は24時間に亘って測定されることを特徴とする、粘着パッチ。
【請求項2】
前記ポリマー材料のシートまたはフィルムが5から50μmの厚みを有し、ポリエステル、PVC、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリエチレンおよびナイロンを含む群から選択される材料で作製されることを特徴とする、請求項1に記載のパッチ。
【請求項3】
前記ポリマー材料のシートまたはフィルムが10から25μmの厚みを有することを特徴とする、請求項2に記載のパッチ。
【請求項4】
前記粘着性材料が水系または溶剤系のアクリル系粘着剤、ポリウレタン粘着剤、天然由来または合成由来の樹脂、ポリアクリレート、天然ポリマー、ゴム、ポリビニルアルコール、セルロース、カラギーナン、アルギネートを含む群から選択され、前記粘着性材料が、その中に存在する溶剤をすべて除去した後に、10から50g/mの重量に相当する層を形成することを特徴とする、請求項1または2または3に記載のパッチ。
【請求項5】
医薬、加湿、鎮痛もしくは芳香の特性を有する、またはエッセンシャルオイル、コロイド状銀、ヒアルロン酸もしくは植物抽出物の形態の少なくとも1種の物質が、前記粘着性材料に分散されていることを特徴とする、請求項1、2、3または4に記載のパッチ。
【請求項6】
前記粘着性材料層1の自由表面を、シリコーン処理もしくはポリエチレン処理紙またはシリコーン処理ポリエステルの除去可能なシート(3)上に置き、前記粘着性材料が存在する表面と反対側の前記ポリマー材料の表面上に、ポリマー材料の補助フィルム(4)の表面を置き、前記補助フィルムの他方の表面上に、前記補助フィルムの少なくとも一部が粘着され、前記補助フィルムの外側に広がる粘着剤がない突起部(8)が存在する成形シート(5)を置くような形態に組み立てられることを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載のパッチ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−43075(P2010−43075A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−177252(P2009−177252)
【出願日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【出願人】(505472872)
【Fターム(参考)】