説明

ウェブ検査較正システム及び関連方法

本願の発明は、ウェブ検査において較正するシステム及び方法に係り、ウェブの第1のクロスウェブ部分の第1の特性を示す信号を受信し、上記第1の特性を表す第1の応答信号を測定較正単位で提供するように構成される、少なくとも1つのウェブセンサであって、上記第1のクロスウェブ部分が上記ウェブの幅未満であるウェブセンサと、上記ウェブの上記第1のクロスウェブ部分及び少なくとも第2のクロスウェブ部分の上記第1の特性を示す信号を受信し、それぞれ、上記第1のクロスウェブ部分及び上記第2のクロスウェブ部分の上記第1の特性を表す、第2及び第3の応答信号を提供するように構成される上記ウェブ検査システムと、第1の較正モデルを上記第2の応答信号に適用して、上記第2の応答信号を上記第1の応答信号の測定単位に変換するために、上記第1の応答信号及び上記第2の応答信号を分析するセンサ−検査システム較正モジュールと、を備える。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
ウェブのある特性は、光学検査と結び付く。そのような特性は、直接観察可能(透過率、又は引っかき傷若しくは他の審美的欠陥等の異常等)であるか、又は光学的に観察可能な特性と十分に相関するかのいずれかである。例えば、不織布ウェブでは、直接観察可能ではないが、光学的に観察可能な特性と相関する特性は、ウェブの断熱能力であって、その能力が熱伝導率によってしばしば測定される。ウェブの熱伝導率は、既知の温度勾配にわたる熱流束率を監視することによって測定することができるが、そのような測定は、オンライン生産型環境では困難である。しかしながら、ウェブの構成が光を透過する場合、その熱伝導率は、ウェブを通して透過され、一連の光学センサに入る光の輝度と相関し得る。したがって、光信号を熱伝導率単位に較正できるという条件で、ウェブを通して透過する光の光信号を使用することが、既知の光学感知技術の適用により、ウェブの熱伝導率を明らかにすることができる。熱伝導率は、光学検査技術によって測定され得る特性の一例にすぎない。他の例示的な特性には、幾つかの例を挙げると、光学密度、透過率、反射率、及び複屈折等の光学特性はもちろんのこと、表面粗さ、熱拡散率、多孔率、結晶化度、及び厚さが挙げられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
定量的検査スキーム(及びより低い程度の定性的検査スキーム)の問題は、ウェブ検査システムを含めたセンサの較正であり、既知の基準誤差の範囲内で較正される測定単位で、対象のウェブ特性に関するデータをもたらすことである。
【課題を解決するための手段】
【0003】
ウェブ検査システムを較正するためのシステム及び方法を開示する。より具体的には、ウェブ検査システムのリアルタイムによるオンライン較正のためのシステム及び方法を開示する。一般に、これらのシステム及び方法は、ウェブ検査システムからアップウェブ(又はダウンウェブ)センサの使用を伴い、センサは、対象のウェブ特性を較正単位で正確に測定するように構成される。このセンサから提供される情報は、ほとんどの場合、ウェブの通常の製造プロセスを中断することなく、ウェブ検査システムの較正定数をリアルタイム又はほぼリアルタイムに算出できるようにするために使用される。様々な実施形態では、この較正システムは、ウェブ検査システム較正の従来の手法に関連する、休止時間又は資源を消費する試験の必要性を排除し得る。更に、ウェブ検査システムは、本明細書に開示されるシステム及び方法を使用して、工学単位のウェブ特性に関する定量的情報を提供するように較正され得る。幾つかの実施形態では、定量的情報は、異なるラインでのウェブプロセスの特性を比較するため、若しくはウェブ検査システムにわたるデータを比較するため、又は1回若しくは複数回の実行にわたる同一のウェブ検査システムの性能を分析するために使用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【図1】較正システムの略図。
【図2】定量的画像化システムを含む、機能モジュールのダイアグラム。
【図3】ウェブ検査システムを較正するために使用され得る、高レベルのプロセスを図示する、フローチャート。
【図4】センサがクロスウェブ移動デバイス上に取り付けられた、較正システムの略図。
【図5】ウェブ検査システムが2つのライン走査カメラを含む、較正システムの略図。
【発明を実施するための形態】
【0005】
ウェブ検査システムは、定量的実施形態及び定性的実施形態からなる。定量的検査システムは、既知の基準に較正された単位、例えば、工学単位のウェブ特性に関する検査情報をもたらす。これは、経時的なウェブ特性の相対変化に焦点を当てる、定性的検査システムと対比される。定性的検査システムは、特定のプロセス欠陥(チャター、ダイライン、斑点、及び他の典型的な不均一性)を示す信号パターンを認識するのに十分であり得る。しかしながら、定性的検査システムが、絶対目標レベル又は較正手順に依存しないため、それらは、オペレータが、ウェブプロセスが制御下にあるかどうか、又はプロセスの変化が、ある実行から次の実行で、ウェブの不均一性のレベルを低減したかどうかを追跡するために使用することができる、再現可能な測定基準(又は一式の測定基準)をもたらさない。
【0006】
ウェブ系製品を検査するために使用されるセンサ及び画像化システムは、定期的に較正されなければならない。特定の較正スケジュールは、検査されるウェブの種類、及び検査が実施される、対象のウェブの特性等に依存する。更に、作業条件における環境条件(温度、湿度、塵埃量等)並びに生産及び保守スケジュールは、検査システムを較正範囲外にする場合があり、したがって、数日毎、数時間毎、又は場合によっては更により頻繁に較正を行うことを必要とし得る。ウェブ検査のための光学感知装置を較正する手法は、概して、幾つかのカテゴリのうちの1つ以上に分類される。
【0007】
第1に、ウェブ検査システムを較正する「オフライン」手法は、システムが既知の試料又は既知の一式の試料に暴露される際にウェブ検査システムによって生成される信号(光又は他の信号)を記録することを伴う。光学検査システムの場合では、これは、多くの場合、場合によっては複数の位置で、光学経路又は検査システムの経路に一連の試料を定置することによって行われる。このオフライン手法では、試料が、通常ウェブによって占有される位置に定置される間、通常のウェブ処理又は生産を中断する必要がある。このオフライン手法の変形は、一般に、ラインに隣接かつウェブ経路の外側にあるウェブ外の位置に、ウェブ検査システム(照明デバイスを含むシステム)を移動させることであり、そこでは基準試料に関連付けられる感知応答を記録することができ、したがって、ウェブ検査システムを較正することができる。較正の後、ウェブ検査システムは、そのウェブ検査位置に戻される。オフラインのときに検査システムが較正される一方で、ウェブ処理は、第2の検査システムは費用が掛かるので不在のままで続行され得るが、較正のような処理は、制御の対象外になる場合がある。
【0008】
第2の手法は、正常なウェブが生産されている間に較正データを入手すること、つまり、依然として特性は未知であるが、生産されたままのウェブをそのまま使用することを試みる。これを行うために、検査システムは、位置がマーク付けされているか、ないしは別の方法でウェブ取り扱いシステムに既知であるかのいずれかである、ウェブの第1の部分からのデータを記録する。ウェブの第1の部分は、巻き取り機に到達する際、通常、「ロールの末端部」試料として、ウェブの残りの部分から切り取られ、品質管理研究所に運ばれる。試料上の位置が、試料が検査ステーションを通過する際に検査システムによって記憶されるデータと共に登録されるように、正確な位置情報が入手可能であるという条件で、検査システムの較正データを提供するために、オフライン品質管理器具を使用することができる。この手法は、資源を消費するものであり、良好なデータを達成するためには試料登録に慎重な注意を必要とし、また、試料が最初に検査ステーションを通過した時と較正が入手可能になる時との間の大幅な時間差も問題となる。
【0009】
第3の手法は、上記の2つの手法のうちのある組み合わせを伴う。例えば、既知の試料は、通常のウェブ経路の縁部の外側であるが、検査システムから見える領域内に定置され得る。これは、製品が依然として流れている間に、最も外側のセンサ要素に現行の較正データを提供する。しかしながら、特性が未知の通常のウェブの上方のウェブ検査システムセンサに較正を転送するには、内側センサ要素の応答と外側センサ要素の応答との間の関係の知識が必要であり、これらの応答は、常に互いに対して固定された状態でなければならない。別の実施例では、較正試料は、検査システムの視界の様々な部分に暴露され、したがって、ウェブの未知の特性に追加の既知のオフセットを追加する。これは、較正中のウェブの統計的変化に幾つかの制限を課し、また、検査システムが動作しなければならない可能性のある範囲を変化させる。
【0010】
上述される手法に必要とされる検査システムの多点較正は、単調であり、比較的大人数の操作者、自動化較正システムへの大きな資本投資、又は両方の組み合わせを必要とする場合がある。更に、検査システムを含めたコンポーネント(例えば、カメラに照明を提供する光源の強度分布、又はレーザースキャナー内の光源と受信光学素子との間の整合)の変化は、更なる較正を必要とする。
【0011】
図1は、ウェブ取り扱いシステムW6上の較正システムの一実施形態の略図を示す。ウェブ取り扱いシステムW6は、ウェブW1の製造、加工、処理、又は検査に使用される、任意のウェブ取り扱いシステムであってもよい。ウェブW1は、自動化検査に適した厚さのものより実質的に幅の広い、任意の材料であってもよい。例えば、ウェブW1は、光学フィルム、バッテリ膜材料、紙、織布材料の一種、不織布材料の一種、研磨材、微細構造化フィルム、多層フィルム、複合フィルム、印刷されたウェブ及びパターン形成されたウェブ、ホイル、又はシート物品(圧延鋼材等)であってもよい。ウェブW1は、湿式コーティング等の1つ以上のコーティングを有してもよい。更に、ウェブW1は、ウェブを形成するように成形された、又はウェブ上に成形された断片のウェブであってもよい。
【0012】
ウェブW1は、場合によっては製造又は加工プロセスの一部として、左から右に移動する。ウェブ検査システムW3のアップウェブに配置されるセンサW2が示されるが、また、ウェブ検査システムW3のダウンウェブに配置することもできる。一実施形態では、センサW2は、ウェブ検査システムW3と同一のウェブ領域から信号を受信するように配置することさえできる。そのような実施形態では、(センサW2及びウェブ検査システムW3の両方が、光信号に基づくという条件で)ウェブ領域から発する信号に1つ以上のビームスプリッタを使用することができる。
【0013】
センサW2は、一実施形態では、ウェブW1の単一レーンW4から発する検査信号を受信し、次いで、この応答を示す信号を生成するように構成される、単一読み取りセンサである。センサW2は、任意の種類のセンサであってもよく、例えば、これは、光学センサ(例えば、可視光線、紫外線、赤外線、若しくは近赤外線に対して感受性のあるセンサ、又はテラヘルツ画像化技術を採用するセンサ)、若しくはある種類の電磁放射線を受信するように構成されたセンサ、又は音波を受信するように構成されたセンサであってもよい。センサW2は、ウェブW1の特性を較正単位で正確に測定するように較正される。センサW2が単点センサである必要はないが、以下に記載されるウェブ検査システムへの較正の転送には、単一データストリームを使用する。センサW2が単点センサではない場合、単一データストリームは、単一データストリームを入手するために、センサW2(カメラピクセル、容量性感知要素等)を含む、幾つかの隣接する感知要素からの信号を平均することによって提供される。センサW2を含む感知要素の数に対する厳密な制限はないが、しかしながら、センサW2内により多くの要素が存在すると、それらが全て互いに対して同一の応答に較正されていることを保証することが困難になり得る。
【0014】
ウェブ検査システムW3は、一実施形態では、少なくとも、単一出力センサW2と同一の単一レーンW4、並びにレーンW4以外のレーンと関連付けられる検査信号を受信する、ライン走査カメラである。ライン走査カメラは、比較的安価であり、遍在するが、本明細書に記載されるものと同一の、又は類似する較正技術及びシステムは、他の種類の検査システムに対応することができる。例えば、ライン走査カメラというよりはむしろ、また、ウェブ検査システムW3は、レーザースキャナー、時間遅延統合カメラ、面走査カメラ、他のアレイセンサ、又はこれらのシステムのある組み合わせを含んでもよい。ウェブ検査システムW3は、ウェブW1の全幅未満の幅から信号を受信し得る。
【0015】
センサW2は、既知の基準に対して定期的に較正される。センサW2の較正のタイミングは、センサが較正範囲外にドリフトする傾向及び特定のウェブ処理環境に必要とされる許容度に依存する。例えば、センサW2として使用される光学密度ゲージは、特定の波長域内のウェブの光透過率を測定するために較正することができるが、光源が老化するにつれて、そのスペクトル出力及び/又は電力レベルが変化し、センサから到来するデータの精度に影響を及ぼすようになる場合がある。そのようなドリフトを補正するために、そのようなセンサの応答を、既知の基準又は一式の基準を使用して、定期的に確認することができる。
【0016】
センサW2の較正は、ライン走査カメラ等のウェブ検査システムの較正と比較して、むしろ瑣末な事柄であり、一実施形態では、既知の基準又は一式の基準から信号を受信するように、単一出力センサをオフラインに切り替えることによって達成され得る。あるいは、センサW2は、製造ライン近くにある品質管理研究所で、既知の技術を使用して較正されてもよい。別の代替として、センサW2を、較正のために、製造業者又は供給元の研究所、又は更には米国標準技術局等の国立研究所に送付することができる。センサW2の較正中、ウェブ検査システムW3は、その以前に較正された状態を使用して、ウェブの検査を継続してもよい。場合によっては、他の単一出力センサのうちの任意のものがオフラインで較正されている間、少なくとも1つの単一出力センサから較正された信号が受信される(及び逆もまた同様)ように、任意の所与の時点で、少なくとも1つがオンラインであり、レーンW4を通過するウェブから信号を受信するように、複数個(2、3、又は更に多く)の単一出力センサを有するウェブ取り扱いシステムW6を構成することが望ましい場合がある。
【0017】
センサW2は、一実施形態では、ウェブ検査システムW3と同一の特性を測定するように構成される。例えば、センサW2及びウェブ検査システムW3の両方は、一実施形態では、人が可視の範囲の検査信号(この場合は光信号)に応答するように構成されてもよい。あるいは、しかしながら、ウェブ検査W3は、センサW2によって測定される特性とは異なるが、それと強く相関する特性を測定するように構成されてもよい。強く相関する特性の例は、センサW2が、超音波変換器を介してウェブの厚さを測定し、ウェブ検査システムW3が、人が可視できるスペクトル内の光を感受するライン走査カメラである場合である。人が可視できるスペクトル内の光と強く相関するウェブ特性の別の例としては、少なくとも場合によっては、上述される熱伝導率が挙げられる。
【0018】
定量的画像化システムW5は、メモリと、センサW2及びウェブ検査システムW3から入力を受信し、ウェブ検査システムW3に較正モデルを適用するため、又は幾つかの実施形態ではウェブ検査システムW3のための較正モデルを判定するために、入力を分析する、中央演算処理装置と、を有する、アプリケーション専用又は汎用コンピュータであってもよい。較正モデルは、ウェブ検査システムW3からの出力信号を生データから較正単位に変換するために使用される、数学的関係を定義する1つ以上の数値又はアルゴリズムである。2つの一般的な較正モデルを本明細書に記載する。「センサ−検査システム(sensor to inspection system)較正モデル」である第1の較正モデルは、センサW3と、センサW3と同一のレーンW4と関連付けられる検査システムW3の部分との間の数学的関係を定義する。「クロスウェブ較正モデル」である第2の較正モデルは、検査システムW3のクロスウェブ視界を含むレーン間の数学的関係を定義する。
【0019】
定量的画像化システム5は、レーンW4と関連付けられるデータ集合(「センサ−検査システム較正モデル」を介して、点センサW2に較正されるデータ集合)、レーンW4以外の1つ以上のレーンに関連付けられるデータ集合、及び検査システムのクロスウェブ信号プロファイルを記述するデータを、処理することによってクロスウェブ較正モデルを判定する。
【0020】
定量的画像化システムW5は、単一システムとして図1に示されるが、別の実施形態では、これは、本明細書に記載される較正技術を支援して、様々なソフトウェアアルゴリズムを実行する、ネットワークで共に接続された、又は独立型の複数個のコンピュータからなってもよい。
【0021】
図2は、一例示的な実施形態では、定量的画像化システムW5を含む、機能モジュールを示す、ダイアグラムである。図2は、個々の一式の機能モジュールに関して記載されるが、当業者は、この記載が、例示目的のためだけのものにすぎず、無数の方法で、同一の、又は類似する機能性を有するシステムが設計され得ることを理解するであろう。図2に図示される機能モジュールのそれぞれは、他のモジュールのうちの任意のものと通信してもよく、モジュールのうちの任意のものは、ハードウェア、若しくはソフトウェア、又はこれらのある組み合わせに実装されてもよい。ユーザーP1は、ウェブ検査システムW5の任意のユーザーである。ユーザーP1は、ウェブW1の品質管理に関与する人のオペレータであってもよい。ユーザーP1は、主にキーボード、マウス、及びある種のディスプレイ(いずれも図2には図示せず)を通して、定量的画像化システムW5とやり取りする。ユーザーインターフェースモジュールP5は、ユーザーP1が、情報を定量的画像化システムW5に提供し、定量的画像化システムW5から情報を受信し得るように、ディスプレイ上に図式的なユーザーインターフェース又はコマンドライン型インターフェースを生成し得る。一実施形態では、ユーザーインターフェースモジュールP5は、Microsoft社(Redmond,Washington)によって商標名「Windows(登録商標)」で販売されるもの等のオペレーティングシステムによって提供される機能性を呼び出すことによって、ディスプレイ上にウィンドウを生成する。同様に、他のオペレーティングシステムが使用されてもよい。ユーザーインターフェースモジュールP5は、同様に、データ及びコマンドを提供し、他の機能モジュールからデータ及びコマンドを受信する。自動化ウェブプロセス制御又はウェブ監視システムに対する追加のインターフェース(図2には図示せず)が存在してもよい。
【0022】
I/OモジュールP9は、センサW2及びウェブ検査システムW3とインターフェースをとる。I/OモジュールP9は、センサW2及びウェブ検査システムW3からデータストリームを受信する。一例示的な実施形態では、定量的画像化システムW5の特定の実装によって、また、I/OモジュールP9は、センサW2及び/又はウェブ検査システムW3に、コマンド及び制御情報も提供する。例えば、本開示内の他の場所に、クロスウェブ移送デバイスの実施形態を記載し、センサW2は、センサW2がクロスウェブを移動し得るように、その上に取り付けられる。I/OモジュールP9は、そのような実施形態では、そのようなクロスウェブの移動を指示する制御信号を提供することができる。また、I/OモジュールP9は、センサW2又はウェブ検査システムW3を広く制御するための他の情報も提供し得る。I/OモジュールP9によって受信される入力は、他のモジュールに直接提供されてもよく、又は次の分析のために、データベースP8に記憶されてもよい。
【0023】
データベースP8は、ランダムアクセスメモリ等のコンピュータメモリ、若しくはハードディスクドライブ、又はこれらのある組み合わせに実装される、データストアである。これは、単に、コンピュータメモリ、単層ファイル、又はRedmond,WashingtonのMicrosoft社によって商標名「SQL Server」で販売されるもの等のデータベースであってもよい。データベースP8は、定量的画像化システムW5を含む機能モジュールのうちの任意のもののデータ記憶の必要性に対処する。センサW2及びウェブ検査システムW3から発するデータストリーム、並びに較正モデルを含むデータは、データベースP8に記憶されてもよい。
【0024】
ウェブ検査システム制御モジュールP7は、I/OモジュールP9を介して、ウェブ検査システムW3にコマンド及び制御信号を提供する。ウェブ検査システム制御モジュールP7によって支援される特定の機能性は、実装に選択される特定のウェブ検査システムW3によって提供されるコマンド及び制御インターフェースに大いに依存する。例えば、ウェブ検査システムW3を含むことができる、幾つかのライン走査カメラは、特定の一式の機能性を支援するためのもの等のアプリケーションプログラミングインターフェースを有し、そのような機能性は、図2では、ウェブ検査システム制御モジュールP7内に存在してもよい。ウェブ検査システムW3が、変換する必要のある出力(例えば、単位に変換する必要のある未加工の電圧)を有する場合、変換するための手段が、ウェブ検査システム制御モジュールP7に実装される。
【0025】
センサ制御モジュールP6とセンサ制御モジュールP6の関係は、多少の違いはあるが、ウェブ検査システム制御モジュールP7とウェブ検査システムW3の関係のようなものである。
【0026】
センサ−検査システム較正モジュールP4は、センサW2からのデータ(I/OモジュールP9を介して提供され、可能な限りデータベースP8に記憶されるデータ)及びウェブ検査システムW3からのデータを分析し、センサW2として同一のクロスウェブレーンと関連付けられる、検査システムW3からの出力が、センサW2の出力の較正単位に変換されるようにセンサ−検査システム較正モデルを確立する。この変換の実施例を以下に提供する。
【0027】
クロスウェブ較正モジュールP3は、センサ−検査システム較正モジュールP4によって提供される較正モデルを、ウェブ検査システムW3によって検査される、ウェブW1の他のレーンに適用する必要があるかを判定し、適用するときは、検査システムW3の視界を含む全てのレーンからのデータが、レーンW3に較正されるようする。そのような較正の実施例を以下に提供する。
【0028】
図2に関連して記載される機能モジュールは、モジュールの一般的性質と一致する、更なる機能性を有してもよいが、本開示には言及されない。一般に、図2に列挙される機能モジュールに明確に関連付けられない、他の場所に記載される機能性が、定量的画像化システムW5内に存在する。例えば、センサW2及びウェブ検査システムW3から発する信号の整合を提供する機能性は、一般に、定量的画像化システムW5内に存在する。
【0029】
図3は、図Wに示されるウェブ検査システムW3を較正するために使用され得る、高レベルのプロセスを図示する、フローチャートである。第1の信号応答は、センサW2から受信され、センサW2は、本実施例では、ウェブ検査システムW3のアップウェブにあり、ウェブラインの特定の「レーン」(F1)と関連付けられる。図Fの文脈では、このレーンは、レーンXと称されるものとする。ウェブ検査システムW3は、ウェブの全幅(又は全幅の一部分)、即ち、そこからの受信信号を検査してもよいが、レーンXを少なくとも検査する(F2)。レーンXと関連付けられる、ウェブ検査システムW3からの信号は、図3のために、第2の信号応答と称される。単一出力センサW2及びウェブ検査システムW3のレーンX部分からの信号が、ウェブW1の同一の領域を表すように、第1の信号応答は、第2の信号応答(F3)と同期される。単一出力センサW2とウェブ検査システムW3との間の距離、並びにウェブの速度が既知である場合、同期は、ウェブW1に沿った点が単一出力センサW2からウェブ検査システムW3に行くのに掛かる時間を判定することによって達成され得る。この時間遅延は、次いで、センサW2又はウェブ検査システムW3のいずれかから発する、それぞれのデータストリームに適用され、したがって、データストリームを時間同期させ得る、シフトを確定するために使用されてもよい。あるいは、センサW2及び検査アレイW3からの点のサンプリングをトリガするために、エンコーダが使用されてもよい。エンコーダは、2つのデータ集合が空間的に同期するように、一定時間間隔というよりはむしろ、一定空間間隔でのウェブのデータ取得をトリガする。
【0030】
センサとウェブ検査システムとの間の時間遅延を測定する(又は計算する)ことによって、シフト値を判定することができない場合、センサW2及びウェブ検査システムW3から発するデータストリームを時間同期させるために必要とされるシフト値を判定するために、相互相関等のデータ分析技術が使用されてもよい。データ集合間の不整合を判定するのに線形相互相関方法が適切であるように、センサW2及びウェブ検査システムW3のレーンX部分からのデータストリームが類似する場合、これらの技術が可能である。場合によっては、レーンXの最適なクロスウェブ整合を見つけるために、ウェブ検査システムW3のレーンXに隣接する感知要素からのデータストリームは、センサW2からのデータストリームと比較される。最適な相関を有するウェブ検査システムW3上のクロスウェブの空間的位置は、ウェブ操作、又は場合によっては更にはウェブの伸張若しくは収縮のため、センサW2の物理的なクロスウェブの位置からわずかに変化し得る。ウェブ検査システムW3のクロスウェブ空間分解能が、センサW2によって感知されるレーンXより細かいスケールである、他の場合では、ウェブ検査システムW3の幾つかの隣接する要素からの信号出力は、レーンX内の材料をより良く反映するように、相互相関が実施される前に、組み合わせられてもよい。
【0031】
特定の実施形態では、特に、センサの応答関数の数学的モデルが存在する場合に、データ集合間の線形関係を入手するために、相互相関の前に変数変換を適用することが有利であり得る。データ集合間に未知の、場合によっては非線形の関係が存在する、他の実施形態では、相互情報等の当該技術分野において既知の、より一般的な類似性測定基準が採用されてもよい。手順は、数回のシフト値の類似性測定基準が算出される、及びデータ集合が、類似性測定基準を最大化する時間シフトを選択することによって整合されるとい点において、以下に記載されるものと類似する。
【0032】
以下の等式は、データストリームを同期させるために、シフト値を数学的に判定する一手法を示す。以下の等式は、線形回帰が続く、非正規化相互相関のためのものである。
【0033】
【数1】

【0034】
fは、特定のクロスウェブ位置xでの工学単位の較正された単一出力センサデータのベクトルであり、gは、その位置での適切に重み付けされたアレイセンサデータから算出される、対応するベクトルである。レーンW4と関連付けられる、センサW2及びウェブ検査システムW3からのデータ集合は、一定のサンプリング距離でのエンコーダトリガ取得を使用して、時間的又は空間的に離散的にサンプリングされてもよい。サンプリングの結果は、コンピュータメモリに記憶され、ウェブの有限のダウンウェブ部分は総和を算出するために、例えば定量的画像化システムW5のコンピュータメモリに記憶される。相互相関を実施する前に、データの平均中心を算出することが可能であり、また、任意の数の周知の正規化方法が採用されてもよい。本技術の2つのデータ集合は、同一の数のサンプルを有する(これは、センサ及びウェブ検査システムが同一の速度でサンプリングしたことを意味し得る、又はこれは、集合のうちの1つが、統計的外挿法を使用して、縮小若しくは拡大されたことを意味することができる)。一実施形態では、センサW2及びウェブ検査システムW3のサンプリング速度は、同一であり、センサ及びウェブ検査システムは、両方共、対象の特性における同一の特長を解明する。相互相関出力のピークは、
【0035】
【数2】

【0036】
単一出力センサの位置とアレイセンサの位置との間(逆もまた同様)のウェブの輸送時間により、2つのデータ集合間のシフトを特定する。次いで、このシフトは、時間同期を達成するために、データストリームに適用されてもよい。
【0037】
また、同期を達成するためにデータストリームに適用されるシフト値を判定するために、手動技術及び統計的技術の組み合わせが採用されてもよい。例えば、窓を確立するために、ウェブ上の点がセンサW2からウェブ検査システムW3に移動するのに掛かる時間の推定値が使用されてもよく、相互相関結果のピークからより正確なデータ整合を得るために、その窓内で、相互相関が使用されてもよい。また、センサとウェブ検査システムとの間のダウンウェブの距離が離れているほど、ウェブ操作の影響が、より相関を低減し得るため、センサ誤差の指標として、相関係数の強さも使用することができる。
【0038】
データストリームの整合について、図3で説明を続けると、第1及び第2の信号応答は、次に、定量的画像化システムW5によって分析され、センサW2のそれぞれの信号応答(この図の目的のために、第1のデータストリームと称される)と、センサW2と同一のレーンW4と関連付けられるウェブ検査システムW3の領域(この図の目的のために、第2のデータストリームと称される)との間の関係を定義する、較正モデルが生成される。
【0039】
本明細書に記載される例示的な技術は、第1のデータストリームと第2のデータストリームとの間の関係、及びしたがって相関因子を判定するために、線形回帰を使用する。線形回帰は、測定特性の有限範囲にわたり、類似する応答関数を有するセンサで十分によく機能することが発見された。センサ応答及びウェブ検査システム応答の他の組み合わせでは、他の技術がより好適である場合がある。例えば、より広範囲の測定特性を扱う際、データ集合間で一定間隔で(例えば、ある量の時間の経過後、又はある距離のウェブの通過後)、又は測定特性の規模によって判定されるように自動で、局所線形回帰を行うことができる。データ集合を関係付けるための非線形パラメトリックモデルが既知である場合、モデルのパラメーターを適合させるために、非線形最小2乗法が採用されてもよい。未知のモデルの場合、より一般的な非パラメトリック技術が当該技術分野において周知である。例えば、いかなる以前のモデルにも頼ることなく、真の関係の非パラメトリック推定値を入手するために、整合されたデータ集合を関係付ける、観測される曲線に、局所重み付き平均が適用されてもよい。
【0040】
隣接する要素間のクロストークのない、アレイセンサのi番目の要素の線形応答モデルは、
【0041】
【数3】

【0042】
と表記されてもよく、式中、
【0043】
【数4】

【0044】
は、整合されたデータベクトルであり、
【0045】
【数5】

【0046】
は、較正された出力の推定ベクトルである。目的は、較正されたセンサからの測定値fと、アレイセンサのi番目の要素からのデータから導かれる、このモデルによって予測された値
【0047】
【数6】

【0048】
との間の最小2乗誤差を最小化する、適切な係数αを見つけることである。
【0049】
したがって、以下の最小2乗の観点の最適線形尺度及びオフセット値を得るために、Gを、第1の列が、位置xに整合され、かつ重み付けされたアレイセンサデータである、マトリックスとし、fを、同様に位置xの較正された単一出力センサデータから形成される単一列ベクトルとし、次いで、スカラーベクトルαを算出する。
【0050】
【数7】

【0051】
このスカラーベクトルαは、(本実施例では)較正因子を含む。
【0052】
ウェブ検査システムの較正における最終工程は、ウェブ検査システムW3の残りのクロスウェブ部分に較正因子を適用することである(F6)。これは、クロスウェブ較正と称される。一般に、ウェブ検査システムW3を含むセンサ要素のそれぞれの応答は、それぞれが、画像化される試料から発する同一量の(本実施例の)光エネルギーに対して、わずかに異なる出力信号を有し得るように様々である。したがって、ウェブ検査システム全体から較正されたデータを入手するために、ウェブ検査システム内の個々の要素の応答のばらつきを補正する必要がある。換言すれば、ウェブ検査システムを構成するそれぞれのセンサ要素に対して、それぞれのクロスウェブ位置xでのαベクトルを見つける必要がある。この問題は、カメラ系検査システムにしばしば適用される、「フラットフィールド」補正と類似する。鍵は、画像化検査システム内に数千のクロスウェブ位置xが存在し得る場合に、どのようにこれを効率的に行うかである。
【0053】
検査システムの不均一なセンサ要素、又はピクセル、応答は、照明源が消される際に記録されるピクセルからピクセルでの「背景レベル」、つまり、信号値(低いが、必ずしもゼロではない値)、及びピクセルに入射する光強度の所与の単位の増加に関連する、出力信号の増加量に関連する「利得」レベルの両方の差から生じ得る。照明源を消す場合、背景信号を記録することができ、カメラ応答が線形である場合、不均一に明るい「白色」領域の別の画像を取得し、ピクセルに関連付けられる値の変化の応答を特性化することができる。カメラ応答が非線形である場合、応答を特性化するために、2点を越える箇所での応答が必要とされる。
【0054】
背景光レベル、照明源強度プロファイル、及びセンサ応答因子は、全て経時的に変化する可能性があるため、クロスウェブ応答のばらつきを特性化する際、幾つかの困難が生じる。例えば、検査システムW3が、ライン走査カメラを有する光源(例えば、線光、レーザースキャナー、又は類似するデバイス)によって照射されるラインに沿って、参照試料によって透過される光を画像化すると仮定する。照明源によって作成される画像化部分に沿った強度分布をI(x)と定義し、試料の透過率をT(x)と定義し、光は、検査システムによってウェブ領域A(x)から集光され、光単位当たりの応答が線形であり、R(x)によって与えられる、線形アレイ内の対応する別個のセンサ上に画像化される。更に、アレイに沿った利得を確定する、それぞれのピクセルに少なくとも1つの一式の増幅器があってもよいと仮定する。次いで、照明光源が消えているときにb(x)が線形アレイからの信号である場合、線形アレイに沿った信号出力は、
S(x)=g(x)R(x)T(x)I(x)A(x)+b(x)、又は項を組み合わせて、
S(x)=a(x)T(x)+b(x)と表記することができる。
【0055】
目的は、測定信号S(x)を反転し、ウェブ材料の特性T(x)を回収することができるように、a(x)、及びb(x)を見つけることである。
【0056】
上記の透過率の場合は、ζ(x)を単位光入力当たりの検査システムへの光出力及び単位当たりの特性Zの関数として定義することによって、任意のウェブ特性Z(x)に一般化することができる。次いで、信号の一般化された形態は、以下の通りである。
【0057】
S(x)=a(x)ζ(x,Z)Z(x)+b(x,Z)
対象の多くの場合では、ζ(x)及びb(x)のいずれもZの関数ではないため、これは、
S(x)=a(x)ζ(x)Z(x)+b(x)
と表記することができ、これは、
S(x)=kα(x)Z(x)+b(x)
と表記され、式中、kは、前述の表記と一致する、α(x)が相対信号応答プロファイルであるような、定数尺度因子である。前述される線形回帰工程中に定数kが見つかるため、信号を反転し、Z(x)を見つけるためには、相対プロファイルα(x)を見つけることだけが必要となる。検査システム応答を飽和させる、又は不十分に露光することがないように、クロスウェブプロファイル較正は、生産中に使用されたものとは異なる全体利得又は暴露レベルを使用して実施されなければならない場合があるため、これは、実際面において重要である。しかしながら、ここで、α(x)は、単なる光源及びピクセル応答のばらつき以外の追加関数を含むため、対象の特性が透過率である場合に適切である可能性があるが、広くは、光源強度分布を、所望のプロファイルで到達するように簡単に画像化することができない。対象の多くの場合では、b(x)のxに関するばらつきは、全てのx位置での信号レベルに対して小さくなるため、xへの依存性は、無視することができ、したがって、線形回帰工程中に定数値を見つけることができる。そうでなければ、b(x)は、どこでもα(x)=0となるように照明源が消されている場合を除き、通常の周囲生産条件下で、信号を参照試料と共に適切な場所に記憶することによって、記録することができる。
【0058】
ここで、時間平均信号を、
【0059】
【数8】

【0060】
と定義し、式中、Tは、測定システムノイズの不規則なばらつき及びウェブプロファイルZ(x)の空間的に不規則なばらつきを平均するために選択される、任意の時間分である。Tの長さは、測定される特性及び特定のプロセスに従って調整される必要がある場合があるが、統計的プロセス測定に基づいて、Tの適切な長さを選択するための方法は、当該技術分野において周知である。tからt+Tの時間窓中の、α(x)及びZ(x)の平均プロファイルからの瞬時偏移が無相関変数であるという条件で、これは、
【0061】
【数9】

【0062】
となり、式中、<角括弧>は、時間平均を表す。
【0063】
<α(x)>及び<b(x)>のプロファイルは、所与の実行中、経時的に(つまり、ダウンウェブ距離)比較的安定である傾向がある。ウェブセンサの特定のx位置でのk及びbの値は、上述される較正転送方法を使用して、本質的に望むだけ見つけることができるため、クロスウェブ較正問題は、妥当な持続時間(>>T)にわたり、測定に要求される精度レベルに対して有効である、相対クロスウェブプロファイル<α(x)>を記録することに低減される。実行中に、<α(x)>のプロファイルが、わずかにドリフトすることが発見される場合、プロファイル補正は、以下に記載されるように、ほんの幾つかのクロスウェブ位置の較正ウェブセンサデータを使用して達成することができる。検査システムに対する実質的な変化が存在するときはいつでも、又は例えば、新しい製品構成が、ζ(x)に関連付けられるプロファイルを変化させるときはいつでも、<α(x)>の新しい記録が必要とされ得る。
【0064】
相対クロスウェブ較正プロファイルα(x)の記録は、幾つかの方法で達成され得る。第1の例示的な方法として、相対クロスウェブ応答プロファイルをマップするために、ウェブが生産に入る前に、検査アレイで、単一較正試料を、それぞれのセンサの視界にわたって走査することができる。この試料のZと称される特性値が、ウェブの対象の範囲内であり、かつζはxのみの関数であり、Zの関数ではない限り、Zの厳密値は、既知である必要さえない。
【0065】
クロスウェブ較正の第2の例示的な方法は、以下の通りである。ウェブが生産に入る前に、ウェブ検査システムW3は、所望の特性のプロファイルが、ウェブ検査システムW3を含むセンサ要素によって見られる領域に対応する領域にわたって測定された、材料のストリップ(strip)の隣接部分を画像化することができ、試料ストリップに沿った測定位置は、検査アレイにおいて、対応する要素と共に登録することができる。そのような場合では、較正ストリップに沿った所望の特性範囲は、完全に均一である必要はなく、ストリップに沿った値のプロファイルが既知である限り、値は、次のウェブの実行の操作範囲内にあり、ζは、xのみの関数であり、Zの関数ではない。ストリップの部分は、アレイ要素と共に物理的に登録されてもよく、又はストリップに沿った既知のプロファイルをアレイ要素からの測定応答と一致させるために、相互相関分析が使用されてもよい。
【0066】
クロスウェブ較正のための第3の例示的な方法は、ウェブが生産されているときに画像を取得し、画像に対応するウェブのクロスウェブ部分を回収し、次いで、検査システムアレイ要素によってサンプリングされるものに対応する位置で、ウェブ試料にわたる特性を測定するために、別の較正センサを使用することである。異なるセンサからのノイズの影響を低減するために、幾つかの「列」すなわち試料におけるストリップを使用することができる。この場合も同様に、ζがxのみの関数であり、Zの関数ではない限り、この方法は、容易である。
【0067】
ζがxのみの関数であり、Zの関数ではない場合に、クロスウェブ較正を実施するための第4のモードは、ウェブの生産中にクロスウェブ較正プロファイルを更新する、反復方法である。クロスウェブ較正を実施する、この第4のモードでは、ウェブ検査システムW3は、検査画像からの時間平均画像と共に、異なるクロスウェブ位置に固定される、類似する作りの幾つかの静止ウェブセンサW2、若しくは幾つかの異なるクロスウェブ位置に置くことができる、移動可能なセンサW2、又はこれらの組み合わせのいずれかからなる。しかしながら、画像化システム(ライン走査カメラ等)からなるウェブ検査システムW3における、Mと称されるクロスウェブセンサ位置の数は、感知位置Pの数よりはるかに少ない。ウェブセンサ位置は、真の時間平均クロスウェブ材料特性プロファイル<Z(x)>の粗推定値のみをもたらし、多くの場合、比較的均一なものである、安定した<Z(x)>が、非常に制御された製造プロセスの狙いであるため、広くは、これは十分である。そのため、<Zest(x)>の2次プロファイルに適合させるるために、例えば、3つのウェブセンサなどからの時間平均化データを使用することができる。照明強度プロファイル及びセンサ応答のばらつき、並びに利得因子に関連する、<α(x)>及び<b(x)>における細かな空間的細部は、時間平均クロスウェブ信号プロファイル<S(x)>内に含有される。したがって、<S(x)>を記録し、記録された<b(x)>プロファイルを使用して、<α(x)>を算出し、真のプロファイル<Z(x)>の推定値として、<Zest(x)>を算出する。<Zest(x)>プロファイル及びしたがって<α(x)>の精度を更新するために、多くの場合、新しい位置のクロスウェブ位置に移動する点センサのうちの1つを含むことによって、このプロセスを繰り返すことができる。
【0068】
この時間平均方法において生じる主要な問題は、経時的に一定である、ウェブ特性<Z(x)>におけるクロスウェブのばらつき間、例えば、ストリーク間、及びこれもまた経時的に一定である、例えば、照明光源上に落ちる塵埃片によってもたらされ得る、<α(x)>の誤差間で、区別することである。実際のウェブ特性値をこれらの点で較正するために、ストリークの位置又はプロファイルに沿った幾つかの位置に駆動することができる、再配置可能なセンサを組み込むことによって、この場合も同様に、本実施例では検査システムを含む、アレイ内のそれぞれのセンサを較正することなく、この問題が解決される。あるいは、例えば、ウェブを操作する、又は検査システム全体をウェブに対して量δx平行移動させることによって、検査システムとウェブとの間のクロスウェブ整合に相対変化を意図的に付与することができる。新しいプロファイルは、<Z(x)>と類似し、次いで、上述のように<α(x−Δx)>を見つけることができ、次いで、プロファイルにおける空間的ばらつきは、移動の前にプロファイルデータと比較することによって、<Z(x)>又は<α(x)>のいずれかによって適切に生じさせることができる。必要とされる移動量は、<Z(x)>及び<α(x)>のばらつきレベル、並びに時間平均測定値の信号対ノイズ比に依存する。また、他の方法、例えば、厳密に同一のクロスウェブ位置で、両方の検査システムの応答に対応する<α1(x)>及び<α(x)>の両方が、クロスウェブプロファイル変動を有する可能性が、無視できるほど小さくなるように、二重検査システムを採用することも、当業者にとって容易に明らかとなり得る。
【0069】
幾つかの実施形態では、ピクセル応答間のばらつきを補正するために、通常のウェブ生産中に入手される時間平均信号プロファイルが使用され、クロスウェブ較正モデルのゆっくりと変わる変化を補正するために、小さな数のクロスウェブ較正点が使用される。α(x)ベクトルは、クロスウェブ応答プロファイルを形成し、検査システムデータを、ウェブ特性のクロスウェブのばらつき及びダウンウェブのばらつきの較正された定量的画像に変換するために使用することができる。このモードは、ライン上でフィルムが生産されている間に実行することができる、及び実行中に定期的に更新することができるという利点を有する。
【0070】
これまで、信号のZへの依存性が線形かつ分離可能である場合を扱ってきた。また、例えば、光学散乱が重要となる可能性のある際、多孔率及び表面粗さのような特性を有するもの等、ζ=ζ(x,Z)である、対象の場合も生じ得る。しかし、これは、非線形方法ではあるが、光信号が特性Zと単調に相関する限り、依然として望ましい状況である。最も単純な場合は、以下、
ζ(x,Z)=ξ(x)Ψ(Z)
のように、ζにおけるx及びZの依存性が分離可能である際に生じ、次いで、以下
Z’=Ψ(Z)Z
のように新しい特性を単純に定義し、前述同様に進み、上記のζ(x)で必要とされるように、ξ(x)を置換する。特性Zを回収するために、関数Ψ(Z)を知る、又は別個に較正する必要があり、この関数は、実行中に安定なままでなければならない場合がある。例示的な方法1の場合では、それぞれが、生産中にウェブが占有し得る面で、ウェブ検査システムの視界において走査された、対象の特性値の適切な範囲に及ぶ、一式の較正試料が必要とされる場合がある。例示的な方法2では、所望の特性範囲に及ぶために、一式の較正されたストリップを使用することができる。例示的な方法3では、ウェブ検査システムの応答範囲を特性化するために、幾つかのクロスウェブ試料を回収し、測定しなければならない場合がある。これらの場合では、ξ(x)の関数形式が先験的に既知である場合、類似する数の較正試料を使用することができる。反復方法4を採用するモードでは、前述される非線形方法が十分であり得る。
【0071】
また、概念的に類似する手法も、ζ=ζ(x,Z)である、大部分の一般的な場合を取り扱うことができる。それぞれの試料の
【0072】
【数10】

【0073】
が既知であり、これらの試料に対応する一式の測定応答
【0074】
【数11】

【0075】
が、複数のクロスウェブ位置xで記録される、所望の較正範囲に及ぶ、N個の較正試料を有すると仮定する。必要とされるクロスウェブ位置の数、j=1〜Mは、関数ζ=ζ(x,Z)の平滑度及び最終測定に必要とされる精度に依存する。経験から、対象の場合の大部分では、クロスウェブ較正点の数Mは、検査アレイ内の感知要素の数Pより大幅に少なくすることができることが示された。したがって、ζ=ζ(x,Z)の第1の推定値は、方法1〜3に上述されるように、ZのN回実現のそれぞれに対するM回測定によって、プロファイルを適合させることによって、入手することができる。次いで、クロスウェブプロファイルは、方法4に記載されるように、反復して更新することができる。これを行うために使用される分析方法の例は、ζ=ζ(x,Z)のパラメトリックモデルが入手可能である場合の非線形最小2乗、及びζ=ζ(x,Z)のモデルが未知の場合の非パラメトリック重み付け平均技術であり得る。
【0076】
図4は、上述される定量的画像化システムの設置の変形を示す。図4は、センサW2が、センサW2を幾つかの不連続のクロスウェブ位置に移動させ、したがって、それをレーンW4のみというよりはむしろ、幾つかのウェブレーンに暴露する、クロスウェブ移動デバイスWB7上に取り付けられることを除き、図1と同一である。例えば、センサW2は、レーンW4に関連付けられるクロスウェブ位置からレーンWB8に関連付けられる第2のクロスウェブ位置に自動で移動させることができる(例えば、定量的画像化システムW5によって制御される)。それぞれの点で、前述される相互相関及び回帰方法を使用することができるように、ウェブのダウンウェブ部分に沿って、それぞれの位置で、十分なサンプルが採取される。任意の所与のクロスウェブ位置での較正は、サンプリングされた間隔にわたるウェブの特性が及ぶ値の範囲に限定されるが、較正は、較正されたセンサをアレイセンサに対して同一の位置に戻すことによって、容易に再度行うことができる。例えば、ある量の時間が経過した後、もしくはある量のウェブが通り過ぎた後、又は測定された特性が、以前の較正が及んだデータ範囲に対する所定量だけ変化した際。場合によっては、較正中にサンプリングされる、測定される特性の範囲を増加するために、プロセスに、摂動又は一式の摂動を意図的に追加することができる。
【0077】
ウェブ検査システムW3の出力、したがって較正された、統計的処理方法を用いて、工学単位等に標準化された測定基準において確立されたベンチマークに対して、欠陥の重大度を分ける、分類する、及び追跡するために、画像処理アルゴリズム及びパターン認識を使用することができる。ここで、標準化測定基準で定量化されたる、欠陥に関する情報は、製品品質におけるオンラインフィードバックに使用することができる、又は原因及び影響関係を特定するために、他のプロセスパラメーターと組み合わせることができる。更に、欠陥における情報は、様々なプロセス変更に関連する影響及びトレードオフを評価するために、複数の実行にわたり追跡されてもよい。また、欠陥に関する情報は、標準化された、承認可能な製品品質レベルを保証するために、ロールマップと併せて提供されてもよい。
【0078】
したがって、当業者は、記載されるシステムの多くの変形を認識するであろう。例えば、上述されるシステム及び方法を、複数個のライン走査カメラからなるウェブ検査システムと共に使用するために適合させることができる。図5は、ウェブ検査システムW3が2つのライン走査カメラを含む、1つのそのようなシステムを示す。センサW2は、それぞれ、ウェブ検査システムW3を含む、第1及び第2のライン走査カメラの範囲内の領域に対応する、レーンWX1及びレーンWX2に手動で定置されてもよい。同様に、センサW2は、前述されるように、場合によっては、ウェブ検査システムW3のクロスウェブ範囲に対応する、複数個のレーン間で移動させる、クロスウェブ移動デバイスに取り付けることができる。
【実施例】
【0079】
実施例:光学密度
ウェブ上のカーボンブラックコーティングの光学密度を測定する能力を実証した。対象の特性は、λ=10604ナノメートルの波長でのカーボンブラックコーティングの光学密度であった。光学密度「OD」は、コーティングされたフィルムの透過率Tの対数指標であり、以下の通りである。
【0080】
【数12】

【0081】
式中、
【0082】
【数13】

【0083】
であり、
I=フィルムを通して透過された光強度
=フィルムに入射する光強度
bkg=光源が消えており、フィルムが存在する、背景周囲光漏れ
カーボンブラックコーティングは、吸収のベールの法則に従い、そのため、フィルムを通して透過される光は、以下で通りである。
【0084】
【数14】

【0085】
式中、
αコーティング及びα基材は、それぞれ、コーティング及び基材の所与の波長での吸収係数である
コーティング及びl基材は、それぞれ、コーティング及び基材の物理的厚さである
基材及びT基材は、それぞれ、基材の振幅反射係数及び透過率である
したがって、光学密度は、コーティング厚さの非線形関数であり、波長と共に変化する。1060nmでのODを監視するために、独自作製の近赤外線(NIR)センサを取り付け、較正した(このセンサは、図WのセンサW2に対応する)。コーティング層の目標NIR ODは、0.8であり、基材は、T基材=0.92を有した。測定されたコーティングされた基材は、OD=0.84であり、コーティング厚さの単独測定は、l=1.18μmをもたらし、これは、α(λ=1060nm)=1.56μm−1を示唆した。したがって、コーティング厚さにおける±0.02μm(±20nm)のばらつきは、λ=1060nmでの透過率における±3%の変化に対応した。
【0086】
ウェブ検査システム(図1のウェブ検査システムW3に対応)として、ライン走査カメラ及び白熱線光を使用した。約15.24cm(6インチ)のクロスウェブ視界にわたるコーティングの透過率均一性を監視するために、このウェブ検査システムを使用した。クロスウェブ位置での光源強度プロファイル及びカメラ応答のばらつきを説明するために、(信号を範囲に入れるために、短縮した暴露時間を使用した)コーティングされていない基材を通して、取得された時間平均化画像を使用して、画像を正規化した。NIRセンサを、カメラによってカメラ視界のほぼ中心で画像化されたラインの約d=30.48cm(12インチ)の距離のアップウェブに置き、カメラのライン速度fと同一の周波数で、データをサンプリングした。ウェブの速度vが既知であるため、センサとカメラデータストリームとの間の時間遅延は、約d/vであり、データ集合をほぼ整合させるために、NIRデータを、時間的にfd/v点だけ前方にシフトすることができる。多くの場合、そのような「手動」整合は適切であるが、その精度は、分離距離d、ウェブの速度v、及びサンプリング速度fが既知である、精度に依存する。より厳密な整合は、この近似値に近い相互相関スペクトルのピークに関連するシフトを選択することによって、見つけることができる。相互相関方法を、実験条件から既知の近似値と組み合わせることによって、ウェブのODにおけるいくらか周期的な変動の存在下でさえ、適切なシフトを選択することができた。
【0087】
ライン走査カメラの前にフィルタはなく、そのため、約650nmのピーク応答波長並びに約400nm未満及び1000nm超過の最小応答を有する、典型的なシリコン電荷結合デバイスのスペクトル応答であった。換言すれば、カメラ視野をNIRセンサと同一のスペクトル窓にすることは試みなかった。透過率は、この範囲にわたって見られる際、アウトセット外より低いことは既知であったが、カメラ応答範囲にわたるスペクトル吸収プロファイルの詳細は、未知であった。両方のセンサで背景光漏れを無視することによって、この場合、基材透過率の影響を無視できることを示すことができ、以下の近似、
【0088】
【数15】

【0089】
を保持し、以下のように、可視透過率データから、カメラ上の任意の所与のピクセルの1060nmでのODを計算することができる。
【0090】
【数16】

【0091】
基材透過率から0.036のオフセットが生じ、括弧内の末項は、カメラによって記録される可視透過率データを赤外線OD単位に変換するための較正因子である。ウェブ速度及びセンサとカメラとの間の距離の前述の知識を使用することによって、一連の2つのデータの隣接プロットを用いて、データ集合を整合するように手動でシフトすることができた。次いで、前述される回帰方法と類似する、整合されたデータ集合間の最小2乗差が最小化されるまで、式(5)のαコーティング(vis)の尺度因子を調整した。
【0092】
実施例:遅延及び複屈折フィルムに対する第1の軸の配向
点センサ及びライン走査カメラを、複屈折ポリプロピレンフィルムの光学特性を監視するように構成した。この場合、フィルム伸張プロセスは、ポリマー分子を配向させ、この方向の屈折率が、この軸から90°、つまり、「遅」軸で測定される屈折率よりわずかに低いことを意味する、公称上ダウンウェブ方向の「平らな」光軸を作り出した。しかしながら、第1の軸は、ダウンウェブの方向に厳密に整合すると解釈されない−ダウンウェブの整合は、目的ではあるが、プロセスのばらつきが配向を約±3°の1範囲で変化させる。速軸及び遅軸に沿った屈折率が等しくないため、これらの軸に沿って偏光される光波は、フィルムを通って伝搬した後、位相が不一致となる。これは、遅延と称され、複屈折フィルムの面内遅延Rは、
【0093】
【数17】

【0094】
と定義され、式中、
FAは、第1の軸(フィルムの主軸、縦方向に近いが、必ずしも縦方向と厳密に整合している必要はない)に沿った屈折率であり、
SAは、遅軸に沿った屈折率であり、
dは、フィルム厚さである。
【0095】
点センサ(図1のセンサW2に対応する)は、入射光が、偏光子、フィルム、分析器(1番目のものと交差する、2番目の偏光子)を連続で通過し、検出器に入るように、設置した。速軸配向及び遅延センサの両方は、類似する信号応答等式、
【0096】
【数18】

【0097】
を有し、式中、
iは、速軸(FA)又は遅延センサのいずれかを表し、
Vは、信号電圧であり、
Aは、光源強度、反射損失、検出器応答、及び増幅器利得の主な原因となる利得係数であり、
βFAは、ダウンウェブの縦方向から時計回りに測定した、フィルムの速軸の角度であり、
βは、ダウンウェブの縦方向から時計回りに測定した、第1の偏光子通過軸の角度であり、
λは、使用された光の波長(源の波長及び検出器の前の任意のスペクトルフィルタによって決定される)[nm]であり、
は、フィルム遅延距離[nm]であり、
Cは、フィルムが存在しない際に偏光子を通って漏れる背景光、フィルムの平均偏光解消、及びゼロではない増幅器のオフセットの主な原因となる、オフセット係数(一般にゼロに近い)である。
【0098】
FA及び遅延センサ応答は、係数A及びCだけ異なり、偏光子の角度、つまり、βo,FAの垂直角度は、−10°であり、βo,retの垂直角度は、−45°であった。それぞれのセンサのA、C、及びβの値は、較正手順から判定され、源波長は、既知であり、そのため、2つのセンサは、未知のβFA及びRを共に測定された。感度分析は、利得係数が、βFAが範囲[−5,5°]内であり、Rが範囲[45,85nm]内であるフィルムの範囲[0,10V]に信号をマップするように調整される際、フィルムの遅延値は、FA応答を分析する際に考慮されなければならず、一方、フィルムの真のFA角度を含むことは(FA角度を0°と仮定する場合と比較して)、Rセンサから算出される遅延値にわずかな影響しか及ぼさないことを示した。
【0099】
フィルムを通る偏光線光を見るために、ライン走査カメラ(図1のウェブ検査システムW3に対応するカメラ)を、センサのダウンウェブに設置し、分析器を、カメラレンズ上に取り付け、照明源として機能する、それぞれの偏光子と交差させた。デジタル化された応答単位を除き、視界の中心近くのカメラピクセルは、(ウェブの表面に対して)垂直入射に近い所で受信される信号なので、上記の類似する応答等式に従う。したがって、点センサが視界の中心内となるようにカメラを整合し、カメラのライン速度を点センサのサンプリング速度と同期させることによって、R及びFA点センサの較正応答を、それぞれのR及びFAカメラ内の中心ピクセルに転送するために、前述される相互相関及び回帰演算を使用することができる。この演算は、生産フィルムからのオンラインデータのみを使用し、これらのピクセルの応答を特性化するために、較正試料は使用されないことに留意する。
【0100】
画像のFA配向ばらつきは、これが、上述されるように、わずかな影響しか及ぼさないため、完全に無視した。FA画像では、第1の近似として、点センサによって測定されるR値は、カメラによって見られるライン全体に沿って均一であったと仮定した。チャター及び鋳造ホイール速度のばらつきが、Rのばらつきを支配する傾向があり、そのようなばらつきは、ウェブにわたって、より不均一に、又はそれほど不均一ではなく延在する、時間依存性のウェブ厚さとして現れるため、これは、この用途では、十分にうまく働いた。この方法では、ラインアレイが厳密に平行であることを確認するために、そのような作業が行われてもよいが、2つのライン走査カメラを登録する必要はない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
材料のウェブを監視するために使用されるウェブ検査システムのための較正システムであって、
前記材料のウェブの第1のクロスウェブ部分の第1の特性を示す信号を受信し、測定の較正単位で前記第1の特性を表す第1の応答信号を提供するように構成される、少なくとも1つのウェブセンサであって、前記第1のクロスウェブ部分が、前記材料のウェブの幅未満である、ウェブセンサと、
前記材料のウェブの前記第1のクロスウェブ部分及び少なくとも第2のクロスウェブ部分の前記第1の特性を示す信号を受信し、それぞれ、前記第1のクロスウェブ部分及び前記第2のクロスウェブ部分の前記第1の特性を表す、第2及び第3の応答信号を提供するように構成される、前記ウェブ検査システムと、
第1の較正モデルを前記第2の応答信号に適用して、前記第2の応答信号を前記第1の応答信号の測定単位に変換するために、前記第1の応答信号及び前記第2の応答信号を分析する、センサ−検査システム(sensor to inspection system)較正モジュールと、
を備える、較正システム。
【請求項2】
前記ウェブ検査システムがライン走査カメラであり、前記ウェブセンサが点センサである、請求項1に記載の較正システム。
【請求項3】
前記材料のウェブの第1のクロスウェブ部分の第1の特性を示す前記信号が、光信号である、請求項1に記載の較正システム。
【請求項4】
前記材料のウェブの第2のクロスウェブ部分の前記第1の特性を示す信号を受信し、測定の較正単位で前記第1の特性を表す第4の応答信号を提供するように構成される、第2のウェブセンサを更に備え、
前記センサ−検査システム較正モジュールが、第2の較正モデルを前記第3の応答信号に適用して前記第3の応答信号を前記第4の応答信号の測定単位に変換するために、前記第4の応答信号及び前記第3の応答信号を更に分析する、請求項1に記載の較正システム。
【請求項5】
前記センサ−検査システム較正モジュールが、前記第1の較正モデルを更に判定する、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
第2の較正モデルを前記第3の応答信号に適用して、これらの信号を前記第2の応答信号の測定単位に変換するために、前記第2の応答信号及び前記第3の応答信号を分析する、クロスウェブ較正モジュールを更に備える、請求項1に記載の較正システム。
【請求項7】
自動化デバイスに、前記少なくとも1つのウェブセンサを前記材料のウェブの異なるクロスウェブ部分に再配置させる信号を提供するように動作可能なクロスウェブセンサ配置モジュールを更に備える、請求項1に記載の較正システム。
【請求項8】
前記センサ−検査システム較正モジュールによって行われる「分析」が、前記第1の応答信号及び前記第2の応答信号を示すデータへの回帰モデルの適用を含む、請求項1に記載の較正システム。
【請求項9】
前記クロスウェブ較正モジュールによって行われる「分析」が、前記第2の応答信号及び前記第3の応答信号を示すデータへの回帰モデルの適用を含む、請求項6に記載の較正システム。
【請求項10】
前記ウェブ検査システムが、前記ウェブセンサのダウンウェブ又はアップウェブにある、請求項3に記載のシステム。
【請求項11】
前記第2のウェブセンサが、前記材料のウェブの実質的に全幅中から信号を受信するように構成される、ライン走査カメラである、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
システムであって、
材料のウェブのクロスウェブ幅を監視するように構成されたウェブ検査システムから発するデータストリームを受信するように構成される、I/Oモジュールであって、前記クロスウェブ幅が、少なくとも第1及び第2のレーンによって画定される、I/Oモジュールと、
クロスウェブ較正モジュールであって、
a)それぞれ、前記第1及び第2のレーンに関連する、第1及び第2のデータストリームを提供するように、前記データストリームの部分を前記第1及び前記第2のレーンと関連付け、
b)前記第1のデータストリームをウェブ特性の測定の較正単位に変換するために、第1の較正モデルを前記第1のデータストリームに適用し、
c)前記第2のデータストリームを前記第1のデータストリームと同一の較正単位に変換するために、第2の較正モデルを前記第2のデータストリームに適用する、ように構成される、クロスウェブ較正モジュールと、
を備える、システム。
【請求項13】
前記ウェブ検査システムが、ライン走査カメラである、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記第1及び第2のレーンが、複数個のピクセルによって特性化される、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記I/Oモジュールが、前記第1及び第2のデータストリームを、両方共較正単位で、ウェブ製造プロセスの特性を制御するプロセス制御モジュールに更に提供する、請求項12に記載のシステム。
【請求項16】
前記第1及び第2の較正モデルが、それぞれ前記第1及び第2のデータストリームに適用された後、前記ウェブの不均一な領域に対応するデータの不均一な部分を特定するために、前記データストリームが分析される、請求項12に記載のシステム。
【請求項17】
少なくとも一部の前記第1及び第2のデータストリームを、これらのストリームが前記クロスウェブ較正モジュールによって較正された後、記憶するように動作可能なデータベースモジュールを更に備える、請求項12に記載のシステム。
【請求項18】
前記第1及び第2のデータストリームの少なくとも一部の要約を、これらのストリームが前記クロスウェブ較正モジュールによって較正された後、記憶するように動作可能なデータベースモジュールを更に備える、請求項12に記載のシステム。
【請求項19】
前記要約が、要約統計量からなる、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
少なくとも第1及び第2のレーンによって画定される前記クロスウェブ幅に加えて、前記クロスウェブ長さが、複数個の追加レーンによって更に画定され、前記クロスウェブ較正モジュールが、前記データストリームのそれぞれが、前記第1のデータストリームと同一の較正単位で提供される、前記クロスウェブ幅を備える前記レーンのそれぞれと関連付けられるように、更にそれぞれの較正モデルを前記それぞれの複数個の追加レーンに適用するように更に構成される、請求項12に記載のシステム。
【請求項21】
前記クロスウェブ較正モジュールが、
前記ウェブ検査システムのクロスウェブ応答プロファイルを特性化する情報を受信し、その情報に基づき、前記第2の較正モデルを適用する前に、前記第2のデータストリームを変更するように更に構成される、請求項12に記載のシステム。
【請求項22】
コンピュータに実装される方法であって、
ウェブ検査システムのクロスウェブ視界の少なくとも一部の前記ウェブ検査システムのクロスウェブ応答プロファイルを特性化する、クロスウェブ応答プロファイル情報を受信する工程と、
それぞれが、前記ウェブ検査システムのクロスウェブ視界のクロスウェブレーンと関連付けられる、材料のウェブの検査から、複数個のデータストリームを受信する工程と、
第1のデータストリームを測定の較正単位に変換するために、較正モデルを前記第1のデータストリームに適用する工程と、
反復プロセスにおいて、
a)少なくとも1つの次のデータストリームへのその適用が、その次のデータストリームを前記測定の較正単位に変換するように、前記クロスウェブ応答プロファイル情報に基づき、前記較正モデルを変更する工程と、
b)前記次のデータストリームを測定の較正単位に変換するために、前記変更された較正モデルを前記次のデータストリームに適用する工程と、
を含む、方法。
【請求項23】
前記ウェブ検査システムが、ライン走査カメラである、請求項22に記載のコンピュータに実装される方法。
【請求項24】
前記ウェブの特性を前記較正単位で特性化する工程を更に含む、請求項22に記載のコンピュータに実装される方法。
【請求項25】
前記ウェブの異常部位を前記較正単位で特性化する工程を更に含む、請求項23に記載のコンピュータに実装される方法。
【請求項26】
前記反復プロセスから得られる前記データストリームの少なくともある部分をデータベースに記憶する工程を更に含む、請求項22に記載のコンピュータに実装される方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2011−523056(P2011−523056A)
【公表日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−512494(P2011−512494)
【出願日】平成21年4月24日(2009.4.24)
【国際出願番号】PCT/US2009/041596
【国際公開番号】WO2009/148720
【国際公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】