エアゾール容器のガス抜き機構
【課題】 内容物がまだ残っている時には、オーバーキャップが噴出ヘッドを押下げることがなく確実に使用でき、残留ガスを抜き取る時には、オーバーキャップの押圧部材を操作することにより残留ガスを抜き取るようにしたエアゾール容器のガス抜き機構を提供する。
【解決手段】 エアゾール容器は、肩部に係合部を具えており、オーバーキャップは、蓋体と、押圧部材とからなり、蓋体は、頂壁と、頂壁に垂設された押圧部材の支持筒とを具え、支持筒の内周には、上部にねじが配設され、押圧部材は、螺合筒と、螺合筒の内周下端に連設された底壁とを具え、螺合筒の外周には、蓋体の支持筒のねじに螺合するねじが螺設され、底壁の下面には、押下げリブが配設され、押圧部材を蓋体に対して回転させ、下降させた後、オーバーキャップをエアゾール容器の係合部に装着することにより、噴出ヘッドの押下げ状態を維持するようにした。
【解決手段】 エアゾール容器は、肩部に係合部を具えており、オーバーキャップは、蓋体と、押圧部材とからなり、蓋体は、頂壁と、頂壁に垂設された押圧部材の支持筒とを具え、支持筒の内周には、上部にねじが配設され、押圧部材は、螺合筒と、螺合筒の内周下端に連設された底壁とを具え、螺合筒の外周には、蓋体の支持筒のねじに螺合するねじが螺設され、底壁の下面には、押下げリブが配設され、押圧部材を蓋体に対して回転させ、下降させた後、オーバーキャップをエアゾール容器の係合部に装着することにより、噴出ヘッドの押下げ状態を維持するようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、エアゾール容器、とくに使用後における容器内の残留ガスの抜き取り機構に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
噴出ヘッドを装着したエアゾール容器に、噴出ヘッドを保護するオーバーキャップを装着した内容物噴出容器において、使用済みエアゾール容器の残留ガスを抜き取るために、エアゾール容器に装着した肩カバーを取外し、オーバーキャップをエアゾール容器に直接装着することによって、噴出ヘッドを押下げ位置に維持して残留ガスを抜き取るようにした内容物噴出容器は、従来より知られている（例えば、特許文献１参照）。
【０００３】
また、使用済みエアゾール容器の残留ガスを抜き取るために、オーバーキャップの中央に装着したボタンカップを押下げ、ボタンカップが噴出ヘッドを押下げ位置に維持して残留ガスを抜き取るようにした内容物噴出容器は、従来より知られている（例えば、特許文献２参照）。
【特許文献１】特開２００１−２１５４号公報
【特許文献１】特開２００１−５５２８４号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかしながら、上記特許文献１記載の内容物噴出容器では、内容物がまだ残っている時に、肩カバーが外れてしまうと、オーバーキャップをエアゾール容器に装着して使用することができなくなるという問題があった。
上記特許文献２記載の内容物噴出容器でも、内容物がまだ残っている時に、ボタンカップを押下げてしまうと、ボタンカップが噴出ヘッドを押下げ、内容物を無駄に噴出してしまうという問題があった。
【０００５】
本発明は、上記問題を解決することを課題とし、内容物噴出容器として、内容物がまだ残っている時には、オーバーキャップが噴出ヘッドを押下げることがなく確実に使用でき、使用済みエアゾール容器の残留ガスを抜き取る時には、オーバーキャップの押圧部材を操作した後にエアゾール容器の上部に装着することによって、残留ガスを抜き取るようにしたエアゾール容器のガス抜き機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明は、上記の課題を解決するため、エアゾール容器のガス抜き機構として、噴出ヘッドを装着したエアゾール容器にオーバーキャップを装着した内容物噴出容器であって、エアゾール容器は、肩部に係合部を具えており、オーバーキャップは、蓋体と、押圧部材とからなり、蓋体は、頂壁と、頂壁に垂設された押圧部材の支持筒とを具え、支持筒の内周には、上部にねじが配設され、押圧部材は、螺合筒と、螺合筒の内周下端に連設された底壁とを具え、螺合筒の外周には、蓋体の支持筒のねじに螺合するねじが螺設され、底壁の下面には、押下げリブが配設され、押圧部材を蓋体に対して回転させ、下降させた後、オーバーキャップをエアゾール容器に装着することにより、噴出ヘッドの押下げ状態を維持するようにしたことを特徴とする構成を採用する。
【０００７】
蓋体の装着手段として、エアゾール容器の肩部に設けられた係合部が、マウンテンカップの肩部上端に形成された係合環、または肩部下端に設けられた係合突条であり、押圧部材の支持筒が、頂壁に垂設された係合筒、または側周筒であることを特徴とする構成を採用する。
【０００８】
オーバーキャップの装着機構として、蓋体の係合筒の下端にエアゾール容器のマウンテンカップの係合環と係合する係合突部が配設され、オーバーキャップをエアゾール容器の係合環に装着するようにしたことを特徴とする構成、或いは、エアゾール容器の肩部外縁に係合部を設け、蓋体の側周筒の内周下端にエアゾール容器の肩部の係合部と係合する係合突部が配設され、オーバーキャップをエアゾール容器の肩部の係合部に装着するようにしたことを特徴とする構成を採用する。
【０００９】
押圧部材の実施例として、押圧部材の底壁がドーム状に形成され、底壁の下面に、下端がドームの下端と同じ高さに形成された押下げリブが配設され、底壁下面に押下げリブを挟んで凹部が形成されていることを特徴とする構成を採用する。
【発明の効果】
【００１０】
噴出ヘッドを装着したエアゾール容器にオーバーキャップを装着した内容物噴出容器において、オーバーキャップを、蓋体と、蓋体の内方に装着された押圧部材とから形成し、内容物が残っている時には、オーバーキャップとして確実に使用でき、エアゾール容器のガス抜きの際には、押圧部材を蓋体に対して下降させた後、オーバーキャップをエアゾール容器の係合環に装着することにより、押圧部材が噴出ヘッドの押下げ状態を維持できるようにしたので、エアゾール容器のガス抜きが容易にかつ確実に行われるようになった。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１１】
次に、本発明の噴出容器の実施形態について、図面を参照して説明する。
図１において、Ａはエアゾール容器、Ｂはエアゾール容器Ａに装着された噴出ヘッド、Ｃはエアゾール容器Ａに装着されたオーバーキャップである。
【００１２】
エアゾール容器Ａは、金属製、または合成樹脂製であり、胴部１と、胴部１上端から内側上方に傾斜する肩部２と、肩部２上端に連設されたマウンテンカップ３とを具備している。
マウンテンカップ３は、上部外周に係合環４を形成し、内方中央には、上端にステム５を突出したエアゾールバルブが取着されている。
【００１３】
噴出ヘッドＢは、合成樹脂によって成形され、エアゾール容器Ａのステム５に装着されており、頂壁１０と、頂壁１０外縁に垂設され、噴出孔１１を配設した側周壁１２とを具えており、頂壁１０は、噴出孔１１の側を高くした傾斜面からなっている。
【００１４】
図１、２に示すように、オーバーキャップＣは、合成樹脂によって成形され、蓋体Ｃ１と、蓋体Ｃ１の内方に装着された押圧部材Ｃ２とを具えている。
【００１５】
蓋体Ｃ１は、頂壁１５と、頂壁１５の下面に垂設された係合筒１６と、頂壁１５の周縁に垂設された側周筒１７とを具えている。
係合筒１６の内周には、上部にねじ１８が配設され、下端にエアゾール容器Ａのマウンテンカップ３の係合環４と係合する係合突部１９が配設されている。
【００１６】
蓋体Ｃ１の係合筒１６下部および側周筒１７下部には、蓋体Ｃ１内から外に通じる空気の流路（図示しない）が、縦溝などにより設けられている。
【００１７】
押圧部材Ｃ２は、螺合筒２０と、螺合筒２０の内周下端にドーム状に形成された底壁２１とを具えている。
螺合筒２０の外周には、蓋体Ｃ１の係合筒１６のねじ１８に螺合するねじ２２が配設されている。
【００１８】
底壁２１の下面には、下端がドームの下端と同じ高さに形成された押下げリブ２３が垂設され、底壁２１下面に、押下げリブ２３を挟んで二つの凹部２４が形成されている。
【００１９】
次に、本実施例の噴出容器の使用態様と、作用効果について説明する。
噴出容器の組立は、まず、蓋体Ｃ１の係合筒１６内に下方より押圧部材Ｃ２を挿入し、係合筒１６のねじ１８と押圧部材Ｃ２の螺合筒２０のねじ２２とを螺合させて、蓋体Ｃ１に押圧部材Ｃ２を装着したオーバーキャップＣとなる。
【００２０】
次に、エアゾール容器Ａのステム５に噴出ヘッドＢを装着し、最後に、エアゾール容器Ａの上方にオーバーキャップＣを被せ、エアゾール容器Ａのマウンテンカップ３の係合環４に、蓋体Ｃ１の係合筒１６の係合突部１９を係合させ、エアゾール容器Ａの上部にオーバーキャップＣを装着して閉蓋した噴出容器を得ることができる。
【００２１】
オーバーキャップＣをエアゾール容器Ａから上方に引張って開蓋し、噴出ヘッドＢを押下げ操作することによって、内容物を噴出孔１１から噴出させることができる。
【００２２】
内容物を全て使用し、エアゾール容器Ａを廃棄する際には、エアゾール容器Ａ内の残留ガスの抜き取りを行う。
残留ガスの抜き取りは、まず、オーバーキャップＣをエアゾール容器Ａから取外し、オーバーキャップＣの蓋体Ｃ１外周を把持したまま指などを押圧部材Ｃ２の底壁２１の押下げリブ２３に掛け、蓋体Ｃ１に対して押圧部材Ｃ２を回転させる。
回転させることで、蓋体Ｃ１のねじ１８と押圧部材Ｃ２のねじ２２との螺合により、押圧部材Ｃ２が蓋体Ｃ１に対して下降する。
【００２３】
押圧部材Ｃ２を、回転させ、蓋体Ｃ１に対して所定の高さまで下降させた後、図３に示すように、オーバーキャップＣをエアゾール容器Ａの上方に被せて装着し、閉蓋する。
【００２４】
エアゾール容器Ａの上部にオーバーキャップＣを装着すると、押圧部材Ｃ２の底壁２１の押下げリブ２３の下端面が噴出ヘッドＢの頂壁１０上面に当接し、噴出ヘッドＢを一定の位置まで押下げ、残留ガスの抜き取りが行われる。
残留ガスは、噴出ヘッドＢの噴出孔１１から蓋体Ｃ１内に噴出され、蓋体Ｃ１内の空気の流路を通り、エアゾール容器Ａ外に排出される。
【００２５】
オーバーキャップＣの蓋体Ｃ１の係合筒１６の係合突部１９と、エアゾール容器Ａのマウンテンカップ３の係合環４との係合が維持され、そのまま放置するだけで、ガスの抜き取りが継続され、エアゾール容器Ａ内の残留ガスや内容物が抜き取られ、エアゾール容器Ａを安全に廃棄することができる。
必要であれば、エアゾール容器Ａ内の残留ガスや内容物を完全に抜き取り後、エアゾール容器ＡからオーバーキャップＣを取外し、分別廃棄することもできる。
【００２６】
上記実施例では、オーバーキャップＣの蓋体Ｃ１に対して押圧部材Ｃ２を回転させすぎると、蓋体Ｃ１の係合筒１６と押圧部材Ｃ２の螺合筒２０との螺合が外れてしまい、押圧部材Ｃ２が落ちてしまうことも考えられるが、押圧部材Ｃ２の螺合筒２０と蓋体Ｃ１の係合筒１６に、互いに係合して所定の位置で回転を止めるストッパー（図示はしない）を配設することによって、蓋体Ｃ１に対して押圧部材Ｃ２の回転を止め、押圧部材Ｃ２が外れて落ちてしまうことを防止することができる。
【００２７】
上記実施例の押圧部材Ｃ２の底壁２１の下面に配設した押下げリブ２３を、図面では、下面から見て一条の線状としたが、例えば、下面から見て押下げリブ２３を十字形に形成することで、残留ガスのガス抜きの際に、下端面がより噴出ヘッドＢの頂壁１０上面に当接し易くすることができる。
本願発明の押下げリブの形状は、上記実施例の形状に限定されない。
【００２８】
また、押圧部材Ｃ２の押下げリブ２３は、残留ガスのガス抜きの際に、下端面が噴出ヘッドＢの頂壁１０の上面に当接し、押圧することができればよいので、押下げリブ２３の下端部を、底壁２１の下端より突出する高さに形成するようにしてもよい。
押圧部材Ｃ２は、押下げリブ２３は指などで摘んで、押圧部材Ｃ２を蓋体Ｃ１に対して回転して下降させることができればよいので、底壁２１をドーム状に形成しなくても、平らな底壁２１下面に押下げリブ２３を垂下して、押下げリブ２３を摘んで回転するようにしてもよい。
【００２９】
上記実施例では、蓋体Ｃ１の係合筒１６の内周下端に設けた係合突部１９と、エアゾール容器Ａのマウンテンカップ３の係合環４外周とが係合して、エアゾール容器Ａの上部にオーバーキャップＣを装着して閉蓋したが、変形実施例として、図４に示すように、エアゾール容器Ａの肩部２の外縁に係合部３０を設け、蓋体Ｃ１の側周筒１７の内周下端に肩部２の外縁に設けた係合部３０に係合する係合突条３１を設けて、エアゾール容器Ａの上部にオーバーキャップＣを装着し、閉蓋するようにしてもよい。
【００３０】
上記係合部３０、マウンテンカップ３の係合環４は、いずれもエアゾール容器に設けられた係合部を形成しており、係合突条３１を設けた側周筒１７、実施形態の係合筒１６は、いずれも押圧部材の支持筒を形成している。
【００３１】
その場合に、係合筒１６を除外して側周筒１７の内周にねじ３２を螺設し、押圧部材Ｃ２に側周筒１７内周に螺合するねじ３３を設けた螺合筒３４を設け、該螺合筒３４を廻動させることによって押圧部材Ｃ２を押下げ、蓋体Ｃ１をエアゾール容器Ａに装着することによって、残留ガスの抜き取りを行うことができる。
【００３２】
また、係合筒１６を残した場合には、蓋体Ｃ１の側周筒１７の内周下端に係合突条３１を設けるのであれば、係合筒１６は、内周に押圧部材Ｃ２を螺着するねじ１８を螺設するだけの高さでよいので、蓋体Ｃ１の成形を簡単にすることができる。
オーバーキャップの蓋体をエアゾール容器に装着させる構成は、上記実施例の形態に限定されない。
【産業上の利用可能性】
【００３３】
本発明は、オーバーキャップ内の押圧部材を回転させ、下降させた後に、オーバーキャップをエアゾール容器の上部に装着するだけで残留ガスの抜き取りが簡単にできるので、種々のエアゾール容器のガス抜き機構として広く利用できる。
【図面の簡単な説明】
【００３４】
【図１】本発明の噴出容器の断面立面図である。
【図２】オーバーキャップの説明図で、（ａ）は蓋体から押圧部材を外したときの断面立面図、（ｂ）は下面図である。
【図３】オーバーキャップの押圧部材を回転した後の断面立面図である。
【図４】変形実施例の噴出容器の断面立面図である。
【符号の説明】
【００３５】
Ａ エアゾール容器
Ｂ 噴出ヘッド
Ｃ オーバーヘッド
Ｃ１ 蓋体
Ｃ２ 押圧部材
１ 胴部
２ 肩部
３ マウンテンカップ
４ 係合環
５ ステム
１０、１５ 頂壁
１１ 噴出孔
１２ 側周壁
１６ 係合筒
１７ 側周筒
１８、２２、３２、３３ ねじ
１９ 係合突部
２０、３４ 螺合筒
２１ 底壁
２３ 押下げリブ
２４ 凹部
３０ 係合部
３１ 係合突条
【技術分野】
【０００１】
本発明は、エアゾール容器、とくに使用後における容器内の残留ガスの抜き取り機構に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
噴出ヘッドを装着したエアゾール容器に、噴出ヘッドを保護するオーバーキャップを装着した内容物噴出容器において、使用済みエアゾール容器の残留ガスを抜き取るために、エアゾール容器に装着した肩カバーを取外し、オーバーキャップをエアゾール容器に直接装着することによって、噴出ヘッドを押下げ位置に維持して残留ガスを抜き取るようにした内容物噴出容器は、従来より知られている（例えば、特許文献１参照）。
【０００３】
また、使用済みエアゾール容器の残留ガスを抜き取るために、オーバーキャップの中央に装着したボタンカップを押下げ、ボタンカップが噴出ヘッドを押下げ位置に維持して残留ガスを抜き取るようにした内容物噴出容器は、従来より知られている（例えば、特許文献２参照）。
【特許文献１】特開２００１−２１５４号公報
【特許文献１】特開２００１−５５２８４号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかしながら、上記特許文献１記載の内容物噴出容器では、内容物がまだ残っている時に、肩カバーが外れてしまうと、オーバーキャップをエアゾール容器に装着して使用することができなくなるという問題があった。
上記特許文献２記載の内容物噴出容器でも、内容物がまだ残っている時に、ボタンカップを押下げてしまうと、ボタンカップが噴出ヘッドを押下げ、内容物を無駄に噴出してしまうという問題があった。
【０００５】
本発明は、上記問題を解決することを課題とし、内容物噴出容器として、内容物がまだ残っている時には、オーバーキャップが噴出ヘッドを押下げることがなく確実に使用でき、使用済みエアゾール容器の残留ガスを抜き取る時には、オーバーキャップの押圧部材を操作した後にエアゾール容器の上部に装着することによって、残留ガスを抜き取るようにしたエアゾール容器のガス抜き機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明は、上記の課題を解決するため、エアゾール容器のガス抜き機構として、噴出ヘッドを装着したエアゾール容器にオーバーキャップを装着した内容物噴出容器であって、エアゾール容器は、肩部に係合部を具えており、オーバーキャップは、蓋体と、押圧部材とからなり、蓋体は、頂壁と、頂壁に垂設された押圧部材の支持筒とを具え、支持筒の内周には、上部にねじが配設され、押圧部材は、螺合筒と、螺合筒の内周下端に連設された底壁とを具え、螺合筒の外周には、蓋体の支持筒のねじに螺合するねじが螺設され、底壁の下面には、押下げリブが配設され、押圧部材を蓋体に対して回転させ、下降させた後、オーバーキャップをエアゾール容器に装着することにより、噴出ヘッドの押下げ状態を維持するようにしたことを特徴とする構成を採用する。
【０００７】
蓋体の装着手段として、エアゾール容器の肩部に設けられた係合部が、マウンテンカップの肩部上端に形成された係合環、または肩部下端に設けられた係合突条であり、押圧部材の支持筒が、頂壁に垂設された係合筒、または側周筒であることを特徴とする構成を採用する。
【０００８】
オーバーキャップの装着機構として、蓋体の係合筒の下端にエアゾール容器のマウンテンカップの係合環と係合する係合突部が配設され、オーバーキャップをエアゾール容器の係合環に装着するようにしたことを特徴とする構成、或いは、エアゾール容器の肩部外縁に係合部を設け、蓋体の側周筒の内周下端にエアゾール容器の肩部の係合部と係合する係合突部が配設され、オーバーキャップをエアゾール容器の肩部の係合部に装着するようにしたことを特徴とする構成を採用する。
【０００９】
押圧部材の実施例として、押圧部材の底壁がドーム状に形成され、底壁の下面に、下端がドームの下端と同じ高さに形成された押下げリブが配設され、底壁下面に押下げリブを挟んで凹部が形成されていることを特徴とする構成を採用する。
【発明の効果】
【００１０】
噴出ヘッドを装着したエアゾール容器にオーバーキャップを装着した内容物噴出容器において、オーバーキャップを、蓋体と、蓋体の内方に装着された押圧部材とから形成し、内容物が残っている時には、オーバーキャップとして確実に使用でき、エアゾール容器のガス抜きの際には、押圧部材を蓋体に対して下降させた後、オーバーキャップをエアゾール容器の係合環に装着することにより、押圧部材が噴出ヘッドの押下げ状態を維持できるようにしたので、エアゾール容器のガス抜きが容易にかつ確実に行われるようになった。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１１】
次に、本発明の噴出容器の実施形態について、図面を参照して説明する。
図１において、Ａはエアゾール容器、Ｂはエアゾール容器Ａに装着された噴出ヘッド、Ｃはエアゾール容器Ａに装着されたオーバーキャップである。
【００１２】
エアゾール容器Ａは、金属製、または合成樹脂製であり、胴部１と、胴部１上端から内側上方に傾斜する肩部２と、肩部２上端に連設されたマウンテンカップ３とを具備している。
マウンテンカップ３は、上部外周に係合環４を形成し、内方中央には、上端にステム５を突出したエアゾールバルブが取着されている。
【００１３】
噴出ヘッドＢは、合成樹脂によって成形され、エアゾール容器Ａのステム５に装着されており、頂壁１０と、頂壁１０外縁に垂設され、噴出孔１１を配設した側周壁１２とを具えており、頂壁１０は、噴出孔１１の側を高くした傾斜面からなっている。
【００１４】
図１、２に示すように、オーバーキャップＣは、合成樹脂によって成形され、蓋体Ｃ１と、蓋体Ｃ１の内方に装着された押圧部材Ｃ２とを具えている。
【００１５】
蓋体Ｃ１は、頂壁１５と、頂壁１５の下面に垂設された係合筒１６と、頂壁１５の周縁に垂設された側周筒１７とを具えている。
係合筒１６の内周には、上部にねじ１８が配設され、下端にエアゾール容器Ａのマウンテンカップ３の係合環４と係合する係合突部１９が配設されている。
【００１６】
蓋体Ｃ１の係合筒１６下部および側周筒１７下部には、蓋体Ｃ１内から外に通じる空気の流路（図示しない）が、縦溝などにより設けられている。
【００１７】
押圧部材Ｃ２は、螺合筒２０と、螺合筒２０の内周下端にドーム状に形成された底壁２１とを具えている。
螺合筒２０の外周には、蓋体Ｃ１の係合筒１６のねじ１８に螺合するねじ２２が配設されている。
【００１８】
底壁２１の下面には、下端がドームの下端と同じ高さに形成された押下げリブ２３が垂設され、底壁２１下面に、押下げリブ２３を挟んで二つの凹部２４が形成されている。
【００１９】
次に、本実施例の噴出容器の使用態様と、作用効果について説明する。
噴出容器の組立は、まず、蓋体Ｃ１の係合筒１６内に下方より押圧部材Ｃ２を挿入し、係合筒１６のねじ１８と押圧部材Ｃ２の螺合筒２０のねじ２２とを螺合させて、蓋体Ｃ１に押圧部材Ｃ２を装着したオーバーキャップＣとなる。
【００２０】
次に、エアゾール容器Ａのステム５に噴出ヘッドＢを装着し、最後に、エアゾール容器Ａの上方にオーバーキャップＣを被せ、エアゾール容器Ａのマウンテンカップ３の係合環４に、蓋体Ｃ１の係合筒１６の係合突部１９を係合させ、エアゾール容器Ａの上部にオーバーキャップＣを装着して閉蓋した噴出容器を得ることができる。
【００２１】
オーバーキャップＣをエアゾール容器Ａから上方に引張って開蓋し、噴出ヘッドＢを押下げ操作することによって、内容物を噴出孔１１から噴出させることができる。
【００２２】
内容物を全て使用し、エアゾール容器Ａを廃棄する際には、エアゾール容器Ａ内の残留ガスの抜き取りを行う。
残留ガスの抜き取りは、まず、オーバーキャップＣをエアゾール容器Ａから取外し、オーバーキャップＣの蓋体Ｃ１外周を把持したまま指などを押圧部材Ｃ２の底壁２１の押下げリブ２３に掛け、蓋体Ｃ１に対して押圧部材Ｃ２を回転させる。
回転させることで、蓋体Ｃ１のねじ１８と押圧部材Ｃ２のねじ２２との螺合により、押圧部材Ｃ２が蓋体Ｃ１に対して下降する。
【００２３】
押圧部材Ｃ２を、回転させ、蓋体Ｃ１に対して所定の高さまで下降させた後、図３に示すように、オーバーキャップＣをエアゾール容器Ａの上方に被せて装着し、閉蓋する。
【００２４】
エアゾール容器Ａの上部にオーバーキャップＣを装着すると、押圧部材Ｃ２の底壁２１の押下げリブ２３の下端面が噴出ヘッドＢの頂壁１０上面に当接し、噴出ヘッドＢを一定の位置まで押下げ、残留ガスの抜き取りが行われる。
残留ガスは、噴出ヘッドＢの噴出孔１１から蓋体Ｃ１内に噴出され、蓋体Ｃ１内の空気の流路を通り、エアゾール容器Ａ外に排出される。
【００２５】
オーバーキャップＣの蓋体Ｃ１の係合筒１６の係合突部１９と、エアゾール容器Ａのマウンテンカップ３の係合環４との係合が維持され、そのまま放置するだけで、ガスの抜き取りが継続され、エアゾール容器Ａ内の残留ガスや内容物が抜き取られ、エアゾール容器Ａを安全に廃棄することができる。
必要であれば、エアゾール容器Ａ内の残留ガスや内容物を完全に抜き取り後、エアゾール容器ＡからオーバーキャップＣを取外し、分別廃棄することもできる。
【００２６】
上記実施例では、オーバーキャップＣの蓋体Ｃ１に対して押圧部材Ｃ２を回転させすぎると、蓋体Ｃ１の係合筒１６と押圧部材Ｃ２の螺合筒２０との螺合が外れてしまい、押圧部材Ｃ２が落ちてしまうことも考えられるが、押圧部材Ｃ２の螺合筒２０と蓋体Ｃ１の係合筒１６に、互いに係合して所定の位置で回転を止めるストッパー（図示はしない）を配設することによって、蓋体Ｃ１に対して押圧部材Ｃ２の回転を止め、押圧部材Ｃ２が外れて落ちてしまうことを防止することができる。
【００２７】
上記実施例の押圧部材Ｃ２の底壁２１の下面に配設した押下げリブ２３を、図面では、下面から見て一条の線状としたが、例えば、下面から見て押下げリブ２３を十字形に形成することで、残留ガスのガス抜きの際に、下端面がより噴出ヘッドＢの頂壁１０上面に当接し易くすることができる。
本願発明の押下げリブの形状は、上記実施例の形状に限定されない。
【００２８】
また、押圧部材Ｃ２の押下げリブ２３は、残留ガスのガス抜きの際に、下端面が噴出ヘッドＢの頂壁１０の上面に当接し、押圧することができればよいので、押下げリブ２３の下端部を、底壁２１の下端より突出する高さに形成するようにしてもよい。
押圧部材Ｃ２は、押下げリブ２３は指などで摘んで、押圧部材Ｃ２を蓋体Ｃ１に対して回転して下降させることができればよいので、底壁２１をドーム状に形成しなくても、平らな底壁２１下面に押下げリブ２３を垂下して、押下げリブ２３を摘んで回転するようにしてもよい。
【００２９】
上記実施例では、蓋体Ｃ１の係合筒１６の内周下端に設けた係合突部１９と、エアゾール容器Ａのマウンテンカップ３の係合環４外周とが係合して、エアゾール容器Ａの上部にオーバーキャップＣを装着して閉蓋したが、変形実施例として、図４に示すように、エアゾール容器Ａの肩部２の外縁に係合部３０を設け、蓋体Ｃ１の側周筒１７の内周下端に肩部２の外縁に設けた係合部３０に係合する係合突条３１を設けて、エアゾール容器Ａの上部にオーバーキャップＣを装着し、閉蓋するようにしてもよい。
【００３０】
上記係合部３０、マウンテンカップ３の係合環４は、いずれもエアゾール容器に設けられた係合部を形成しており、係合突条３１を設けた側周筒１７、実施形態の係合筒１６は、いずれも押圧部材の支持筒を形成している。
【００３１】
その場合に、係合筒１６を除外して側周筒１７の内周にねじ３２を螺設し、押圧部材Ｃ２に側周筒１７内周に螺合するねじ３３を設けた螺合筒３４を設け、該螺合筒３４を廻動させることによって押圧部材Ｃ２を押下げ、蓋体Ｃ１をエアゾール容器Ａに装着することによって、残留ガスの抜き取りを行うことができる。
【００３２】
また、係合筒１６を残した場合には、蓋体Ｃ１の側周筒１７の内周下端に係合突条３１を設けるのであれば、係合筒１６は、内周に押圧部材Ｃ２を螺着するねじ１８を螺設するだけの高さでよいので、蓋体Ｃ１の成形を簡単にすることができる。
オーバーキャップの蓋体をエアゾール容器に装着させる構成は、上記実施例の形態に限定されない。
【産業上の利用可能性】
【００３３】
本発明は、オーバーキャップ内の押圧部材を回転させ、下降させた後に、オーバーキャップをエアゾール容器の上部に装着するだけで残留ガスの抜き取りが簡単にできるので、種々のエアゾール容器のガス抜き機構として広く利用できる。
【図面の簡単な説明】
【００３４】
【図１】本発明の噴出容器の断面立面図である。
【図２】オーバーキャップの説明図で、（ａ）は蓋体から押圧部材を外したときの断面立面図、（ｂ）は下面図である。
【図３】オーバーキャップの押圧部材を回転した後の断面立面図である。
【図４】変形実施例の噴出容器の断面立面図である。
【符号の説明】
【００３５】
Ａ エアゾール容器
Ｂ 噴出ヘッド
Ｃ オーバーヘッド
Ｃ１ 蓋体
Ｃ２ 押圧部材
１ 胴部
２ 肩部
３ マウンテンカップ
４ 係合環
５ ステム
１０、１５ 頂壁
１１ 噴出孔
１２ 側周壁
１６ 係合筒
１７ 側周筒
１８、２２、３２、３３ ねじ
１９ 係合突部
２０、３４ 螺合筒
２１ 底壁
２３ 押下げリブ
２４ 凹部
３０ 係合部
３１ 係合突条
【特許請求の範囲】
【請求項１】
噴出ヘッドを装着したエアゾール容器にオーバーキャップを装着した内容物噴出容器であって、
エアゾール容器は、肩部に係合部を具えており、
オーバーキャップは、蓋体と、押圧部材とからなり、
蓋体は、頂壁と、頂壁に垂設された押圧部材の支持筒とを具え、
支持筒の内周には、上部にねじが配設され、
押圧部材は、螺合筒と、螺合筒の内周下端に連設された底壁とを具え、
螺合筒の外周には、蓋体の支持筒のねじに螺合するねじが螺設され、
底壁の下面には、押下げリブが配設され、
押圧部材を蓋体に対して回転させ、下降させた後、オーバーキャップをエアゾール容器に装着することにより、噴出ヘッドの押下げ状態を維持するようにしたことを特徴とするエアゾール容器のガス抜き機構。
【請求項２】
エアゾール容器の肩部に設けられた係合部が、マウンテンカップの肩部上端に形成された係合環、または肩部下端に設けられた係合突条であり、
押圧部材の支持筒が、頂壁に垂設された係合筒、または側周筒であることを特徴とする請求項１記載のエアゾール容器のガス抜き機構。
【請求項３】
蓋体の係合筒の下端にエアゾール容器のマウンテンカップの係合環と係合する係合突部が配設され、
オーバーキャップをエアゾール容器の係合環に装着するようにしたことを特徴とする請求項１または２記載のエアゾール容器のガス抜き機構。
【請求項４】
エアゾール容器の肩部外縁に係合部を設け、
蓋体の側周筒の内周下端にエアゾール容器の肩部の係合部と係合する係合突部が配設され、
オーバーキャップをエアゾール容器の肩部の係合部に装着するようにしたことを特徴とする請求項１または２記載のエアゾール容器のガス抜き機構。
【請求項５】
押圧部材の底壁がドーム状に形成され、
底壁の下面に、下端がドームの下端と同じ高さに形成された押下げリブが配設され、底壁下面に押下げリブを挟んで凹部が形成されていることを特徴とする請求項１〜４記載のエアゾール容器のガス抜き機構。
【請求項１】
噴出ヘッドを装着したエアゾール容器にオーバーキャップを装着した内容物噴出容器であって、
エアゾール容器は、肩部に係合部を具えており、
オーバーキャップは、蓋体と、押圧部材とからなり、
蓋体は、頂壁と、頂壁に垂設された押圧部材の支持筒とを具え、
支持筒の内周には、上部にねじが配設され、
押圧部材は、螺合筒と、螺合筒の内周下端に連設された底壁とを具え、
螺合筒の外周には、蓋体の支持筒のねじに螺合するねじが螺設され、
底壁の下面には、押下げリブが配設され、
押圧部材を蓋体に対して回転させ、下降させた後、オーバーキャップをエアゾール容器に装着することにより、噴出ヘッドの押下げ状態を維持するようにしたことを特徴とするエアゾール容器のガス抜き機構。
【請求項２】
エアゾール容器の肩部に設けられた係合部が、マウンテンカップの肩部上端に形成された係合環、または肩部下端に設けられた係合突条であり、
押圧部材の支持筒が、頂壁に垂設された係合筒、または側周筒であることを特徴とする請求項１記載のエアゾール容器のガス抜き機構。
【請求項３】
蓋体の係合筒の下端にエアゾール容器のマウンテンカップの係合環と係合する係合突部が配設され、
オーバーキャップをエアゾール容器の係合環に装着するようにしたことを特徴とする請求項１または２記載のエアゾール容器のガス抜き機構。
【請求項４】
エアゾール容器の肩部外縁に係合部を設け、
蓋体の側周筒の内周下端にエアゾール容器の肩部の係合部と係合する係合突部が配設され、
オーバーキャップをエアゾール容器の肩部の係合部に装着するようにしたことを特徴とする請求項１または２記載のエアゾール容器のガス抜き機構。
【請求項５】
押圧部材の底壁がドーム状に形成され、
底壁の下面に、下端がドームの下端と同じ高さに形成された押下げリブが配設され、底壁下面に押下げリブを挟んで凹部が形成されていることを特徴とする請求項１〜４記載のエアゾール容器のガス抜き機構。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図２】
【図３】
【図４】
【公開番号】特開２００８−１１０８０１（Ｐ２００８−１１０８０１Ａ）
【公開日】平成２０年５月１５日（２００８．５．１５）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００６−２９６３５６（Ｐ２００６−２９６３５６）
【出願日】平成１８年１０月３１日（２００６．１０．３１）
【出願人】（０００００６９０９）株式会社吉野工業所 (2,913)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２０年５月１５日（２００８．５．１５）
【国際特許分類】
【出願日】平成１８年１０月３１日（２００６．１０．３１）
【出願人】（０００００６９０９）株式会社吉野工業所 (2,913)
【Ｆターム（参考）】
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