説明

エアフィルタおよびそれを搭載したファンフィルタユニット

【課題】エアフィルタ濾材の上流側に配置した機器の運転状態を上流側へ移動することなく下流側から容易に視認することができることを目的としている。
【解決手段】無機繊維材料もしくは有機繊維材料によって形成されるエアフィルタ濾材1であって、濾材表面に表示機能を有する材料2を織り込んだ構成をしている。表示機能を有する材料2としては、透明度を有した繊維状のアクリルやポリプロピレン、あるいは、ガラス短繊維を用いる。このような構成によれば、エアフィルタ濾材1の上流側に配置した光源による発光状態を下流側から視認することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体やフラットパネルディスプレイ等を製造する製造装置あるいはそれらの検査装置等において、清浄な空気を必要とする環境下で使用されるエアフィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、清浄空気を必要とされる空間であるクリーンルーム等の天井面に配設されるエアフィルタは、上流側の状況を下流側から容易に確認できることが求められている。図6に示すように、クリーンルームの天井面設備の運転状況を確認することができるクリーンユニット本体102のフィルター支持装置として、エアフィルタ101を保持したクリーンユニット支持枠103に運転表示ユニット104(LEDランプなど)を組み込んだものが知られている(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平6−193929号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このような従来のフィルター支持装置として上流にあるクリーンユニットの運転表示が組み込める支持枠が必要となり、施工面において特殊な支持枠を用いなければならない。また支持枠は表示可能な枠幅が必要であり、その枠幅に必要なコストがかかってしまうという課題があり、容易にフィルター下流側から上流側の状況が確認できることが要求されている。
【0004】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、下流側から上流側が視認できる透明度のある濾材にて構成されたことを特徴とするエアフィルタを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のエアフィルタは、上記の目的を達成するために、無機繊維材料もしくは有機繊維材料によって形成されるエアフィルタ濾材であって、濾材表面に表示機能を有する材料を織り込んだことを特徴とするエアフィルタ濾材である。
【0006】
ここでいう表示機能とは、発光、変色などによって視認できる機能のことを言い、上記手段により、エアフィルタ濾材表面に状態変化などの情報を表示することができる。
【0007】
また他の手段は、表示機能を有する材料は、透明な繊維状の材料であることを特徴とするエアフィルタ濾材である。
【0008】
この手段により、エアフィルタ濾材の裏側(表側)に光源を設けた場合、その光源からの発光を反対側の表側(裏側)から視認することができる。
【0009】
また他の手段は、表示機能を有する材料は、熱反応を有する部材であることを特徴とするエアフィルタ濾材である。
【0010】
この手段により、エアフィルタ濾材の近くにモータなどの熱源を配置した場合、その熱源からの発熱を受けて、エアフィルタ濾材の表面が変化し、熱源の運転を視認することができる。
【0011】
また他の手段は、表示機能を有する材料は、圧力反応を有する部材であることを特徴とするエアフィルタ濾材である。
【0012】
この手段により、エアフィルタ濾材の近くに送風機などを配置した場合、その送風機からの送風による圧力変化を受けて、エアフィルタ濾材の表面が変化し、送風機の運転を視認することができる。
【0013】
また他の手段は、表示機能を有する材料は、振動反応を有する部材であることを特徴とするエアフィルタ濾材である。
【0014】
この手段により、エアフィルタ濾材の近くにモータなどの振動源を配置した場合、その振動源からの振動を受けて、エアフィルタ濾材の表面が変化し、振動源の運転を視認することができる。
【0015】
また他の手段は、無機繊維材料もしくは有機繊維材料によって形成されるエアフィルタ濾材であって、濾材表面の全部または一部に、感熱塗料を塗布したことを特徴とするエアフィルタ濾材である。
【0016】
この手段により、エアフィルタ濾材の近くにモータなどの熱源を配置した場合、その熱源からの発熱を受けて、エアフィルタ濾材の感熱塗料を塗布した面が変化し、熱源の運転を視認することができる。
【0017】
また他の手段は、無機繊維材料もしくは有機繊維材料によって形成されるエアフィルタ濾材であって、濾材表面の全部または一部に、感圧塗料を塗布したことを特徴とするエアフィルタ濾材である。
【0018】
この手段により、エアフィルタ濾材の近くに送風機などを配置した場合、その送風機からの送風による圧力変化を受けて、エアフィルタ濾材の感熱塗料を塗布した面が変化し、送風機の運転を視認することができる。
【0019】
また他の手段は、波形状に折曲し、表示機能を有する前記エアフィルタ濾材を、枠体の内周壁面に密に接合固定し所定形状で保持したことを特徴とするエアフィルタである。
【0020】
この手段により、エアフィルタの下流側から上流側の状況が視認することができ、ファンフィルタユニットなどの機器に組み込むことができるエアフィルタを提供することができる。
【0021】
また他の手段は、ファンとモータとそれらを内部に有したファンモータユニットと、その下流側にフィルタを有したファンフィルタユニットにおいて、エアフィルタ濾材を、波形状に折曲し、前記濾材を、枠体の内周壁面に密に接合固定し所定形状で保持したエアフィルタを特徴とするファンフィルタユニットである。
【0022】
この手段により、エアフィルタの上流側の状態を下流側、すなわち、ファンフィルタユニットの吹出し側であるクリーン空間内から確認することできるファンフィルタユニットを得られる。
【0023】
また他の手段は、ファンとモータとそれらを内部に有したファンモータユニットと、その下流側にフィルタを有したファンフィルタユニットにおいて、フィルタは、透明な繊維状の材料を織り込んだエアフィルタ濾材を、波形状に折曲し、その濾材を、枠体の内周壁面に密に接合固定し所定形状で保持したものであり、フィルタとファンモータユニットの間に発光により表示を行う表示手段を設けたことを特徴とするファンフィルタユニットである。
【0024】
この手段により、エアフィルタの上流側の表示手段の発光状態が透明な繊維状の材料を透過し、下流側のフィルタ面にから確認することできるファンフィルタユニットを得られる。
【0025】
また他の手段は、表示手段は、発光色によってファンフィルタユニットの状態を示すことを特徴とするファンフィルタユニットである。
【0026】
この手段により、ファンフィルタユニットの状態、すなわち、運転・停止、警報などの情報を確認することができるファンフィルタユニットを得られる。
【0027】
また他の手段は、表示手段は、複数の光源をマトリックス状に配列したものであり、点灯する光源の切替えによってファンフィルタユニットの状態を示すことを特徴とするファンフィルタユニットである。
【0028】
この手段により、ファンフィルタユニットの状態、すなわち、運転・停止、警報などの情報を確認することができるファンフィルタユニットを得られる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、表面に状態変化によって情報表示を行うことができるエアフィルタ濾材を提供でき、特に、下流側から上流側が視認できる表示機能を有する濾材にて構成されたことを特徴とするエアフィルタ濾材を提供できる。
【0030】
また、下流側から上流側の発光が視認できる透明な繊維状の材料を有する濾材にて構成されたことを特徴とするエアフィルタ濾材を提供できる。
【0031】
また、発熱を検知することが出来る熱反応性を有する濾材にて構成されたことを特徴とするエアフィルタ濾材を提供できる。
【0032】
また、圧力(風圧、差圧など)を検知することができる圧力反応性を有する濾材にて構成されたことを特徴とするエアフィルタ濾材を提供できる。
【0033】
また、振動を検知することができる振動反応性を有する濾材にて構成されたことを特徴とするエアフィルタ濾材を提供できる。
【0034】
また、発熱を検知することができる感熱塗料を塗布した濾材にて構成されたことを特徴とするエアフィルタ濾材を提供できる。
【0035】
また、圧力(風圧、差圧など)を検知することができる感圧塗料を塗布した濾材にて構成されたことを特徴とするエアフィルタ濾材を提供できる。
【0036】
また、下流側から上流側の状態変化もしくは発熱もしくは振動もしくは圧力が視認できる構成されたことを特徴とするエアフィルタを提供できる。
【0037】
また、下流側から上流側の状態変化もしくは発熱もしくは振動もしくは圧力が視認できるエアフィルタを備えた構成を特徴とするファンフィルタユニットを提供できる。
【0038】
また、フィルタとファンモータユニットの間に発光により表示を行う表示手段を設けたことを特徴とするファンフィルタユニットを提供できる。
【0039】
また、発光色によってファンフィルタユニットの状態を示すことを特徴とするファンフィルタユニットを提供できる。
【0040】
また、点灯する光源の切替えによってファンフィルタユニットの状態を示すことを特徴とするファンフィルタユニットを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
本発明の請求項1記載の発明は、無機繊維材料もしくは有機繊維材料によって形成されるエアフィルタ濾材であって、濾材表面に表示機能を有する材料を織り込んだことを特徴とするものである。ここでいう表示機能とは、発光、変色、形状の変化などによって視認できる機能のことを言い、上記手段により、エアフィルタ表面に状態変化などの情報を表示することができる。
【0042】
本発明の請求項2記載の発明は、表示機能を有する材料が透明な繊維状の材料であることを特徴とするものであり、エアフィルタの裏側(表側)に光源を設けた場合に、その光源からの発光を反対側の表側(裏側)から視認することができる。
【0043】
本発明の請求項3記載の発明は、表示機能を有する材料が熱反応を有する部材であることを特徴とするものであり、エアフィルタの近くにモータなどの熱源を配置した場合、その熱源からの発熱を受けて、エアフィルタの表面が変化し、熱源の運転を視認することができる。特に、エアフィルタの裏側(表側)に熱源を配置すると、反対側の表側(裏側)から熱源の運転を視認することができる。
【0044】
本発明の請求項4記載の発明は、表示機能を有する材料が圧力反応を有する部材であることを特徴とするものであり、エアフィルタの近くに送風機などを配置した場合、その送風機からの送風による圧力変化を受けて、エアフィルタの表面が変化し、送風機の運転を視認することができる。特に、エアフィルタの裏側(表側)に送風機を配置すると、反対側の表側(裏側)から送風機の運転を視認することができる。
【0045】
本発明の請求項5記載の発明は、表示機能を有する材料が振動反応を有する部材であることを特徴とするものであり、エアフィルタの近くにモータなどの振動源を配置した場合、その振動源からの振動を受けて、エアフィルタの表面が変化し、振動源の運転を視認することができる。特に、エアフィルタの裏側(表側)に振動源を配置すると、反対側の表側(裏側)から振動源の運転を視認することができる。
【0046】
本発明の請求項6記載の発明は、無機繊維材料もしくは有機繊維材料によって形成されるエアフィルタ濾材であって、濾材表面の全部または一部に、感熱塗料を塗布したことを特徴とするものであり、エアフィルタ濾材の近くにモータなどの熱源を配置した場合、その熱源からの発熱を受けて、エアフィルタ濾材の感熱塗料を塗布した面が変化し、熱源の運転を視認することができる。特に、エアフィルタの裏側(表側)に熱源を配置すると、反対側の表側(裏側)から熱源の運転を視認することができる。
【0047】
本発明の請求項7記載の発明は、無機繊維材料もしくは有機繊維材料によって形成されるエアフィルタ濾材であって、濾材表面の全部または一部に、感圧塗料を塗布したことを特徴とするものであり、エアフィルタ濾材の近くに送風機などを配置した場合、その送風機からの送風による圧力変化を受けて、エアフィルタ濾材の感熱塗料を塗布した面が変化し、送風機の運転を視認することができる。特に、エアフィルタの裏側(表側)に送風機を配置すると、反対側の表側(裏側)から送風機の運転を視認することができる。
【0048】
本発明の請求項8記載の発明は、波形状に折曲し、濾材を枠体の内周壁面に密に接合固定し所定形状で保持したエアフィルタとし、下流側から上流側の状態変化もしくは発熱もしくは振動もしくは圧力が視認できる作用を有したものである。
【0049】
本発明の請求項9記載の発明は、ファンとモータとそれらを内部に有したファンモータユニットと、その下流側にフィルタを有したファンフィルタユニットにおいて、フィルタ濾材を、波形状に折曲し、前記濾材を、枠体の内周壁面に密に接合固定し所定形状で保持したエアフィルタを特徴とし、下流側から上流側の状態変化もしくは発熱もしくは振動もしくは圧力が視認できる作用を有するものであり、エアフィルタの上流側の状態を下流側、すなわち、ファンフィルタユニットの吹出し側であるクリーン空間内から確認することできるファンフィルタユニットを得られる。
【0050】
本発明の請求項10記載の発明は、ファンとモータとそれらを内部に有したファンモータユニットと、その下流側にフィルタを有したファンフィルタユニットにおいて、フィルタは、透明な繊維状の材料を織り込んだエアフィルタ濾材を、波形状に折曲し、その濾材を、枠体の内周壁面に密に接合固定し所定形状で保持したものであり、エアフィルタの上流側の表示手段の発光状態が透明な繊維状の材料を透過し、下流側のフィルタ面にから確認することできるファンフィルタユニットを得られる。
【0051】
本発明の請求項11記載の発明は、発光色によってファンフィルタユニットの状態を示すことを特徴とするものであり、発光色によってファンフィルタユニットの状態を示し、運転・停止、警報などの情報をフィルタ表面で確認することができるファンフィルタユニットを得られる。
【0052】
本発明の請求項12記載の発明は、前記表示手段は、複数の光源をマトリックス状に配列したものであり、点灯する光源の切替えによってファンフィルタユニットの状態を示し、運転・停止、警報などの情報をフィルタ表面で確認することができるファンフィルタユニットを得られる。
【0053】
(実施の形態1)
図1に示すように、本発明のエアフィルタ濾材1は、無機繊維材料もしくは有機繊維材料によって形成され、濾材表面に表示機能を有する材料2を織り込んだ構成となっている。表示機能を有する材料2としては、透明度を有した繊維状のアクリルやポリプロピレン、あるいは、ガラス短繊維を用いる。
【0054】
上記構成において、ガラス短繊維などは、その端面で光を受け、繊維内を光を通した後、一方の端面から光を放出する特性を有する。すなわち、エアフィルタ濾材1には、表示機能を有する材料2としてガラス短繊維などを織り込んであるため、エアフィルタ濾材1の裏面側(表面側)にランプなどの光源を配置して点灯すると、エアフィルタ濾材1の表面側(裏面側)では、ガラス短繊維などを通過した光が放出されることになり、エアフィルタ濾材1を通して、反対側の光源の発光を確認することができる。
【0055】
また、表示機能を有する材料2として、熱に対して発色反応性の機能を有するシリカゲル、発色剤であるロイコ色素と顕色剤であるビスフェニールAやβ―ナフトールのようなフェノール化合物の混合剤を用いてもよい。この場合には、光源の変わりにモータ等の発熱体を配置する。この場合、モータ等を運転すると、モータの温度が上昇する。この温度上昇に熱に対して発色反応性の機能を有する材料が反応するため、エアフィルタ濾材1の表面色によってモータの運転を視認することができる。
【0056】
また、表示機能を有する材料2として、圧力変化に反応できる圧電素子(センサー)、ボルフェリンやフタロシアニンなどの複素環式化合物、ルテニウムやオスミウムなどの遷移金属錯体、白金ボルフェリン、バソフェナンスロリン・ルテニウム、ピレンを用いてもよい。この場合には、エアフィルタ濾材1を送風機の吹出し口近傍に配置する。この場合、送風機を運転すると、発生した風圧によって、圧力変化に反応できる圧電素子などが反応して、エアフィルタ濾材1の表面が変化し、送風機の運転を視認することができる。
【0057】
また、他には、振動変化に反応できる加速度センサーなどを用いてもよく、濾材の機能を損なわないものであればよい。
【0058】
(実施の形態2)
図2に示すように、エアフィルタ濾材1は、濾材表面の全部または一部に感熱塗料3を塗布した構成となっている。感熱塗料3としては、発色剤であるロイコ色素と顕色剤であるビスフェニールAやβ―ナフトールのようなフェノール化合物の混合剤を用い、濾材の機能を損なわないものであればよい。
【0059】
上記構成において、エアフィルタ濾材1の表面に塗布した感熱塗料3は、エアフィルタ濾材1の近傍の発熱体に反応して発色する。例えば、エアフィルタ濾材1の裏側(または表側)にモータなどの発熱体を配置し、そのモータを運転すると、その発熱によって感熱塗料3が発色し、モータの運転を確認することができる。
【0060】
なお、感熱塗料3の代わりに、圧力変化を検知できるボルフェリンやフタロシアニンなどの複素環式化合物、ルテニウムやオスミウムなどの遷移金属錯体、白金ボルフェリン、バソフェナンスロリン・ルテニウム、ピレンなどの感圧塗料を用いてもよく、濾材の機能を損なわないものであればよい。この場合には、エアフィルタ濾材1は送風機の吹出し口などに配置することによって、送風機の運転を確認することができる。
【0061】
(実施の形態3)
第3の実施の形態について、図3、4を用いて説明する。
【0062】
図3に示すように、エアフィルタ5aは、実施の形態1あるいは実施の形態2で示したエアフィルタ濾材1を波形状に折曲し、枠体4の内周壁面に密に接合固定し所定形状に保持した構成となっている。
【0063】
次に、このようなエアフィルタ5aを用いたファンフィルタユニット10aを示す。図4に示すように、ファンフィルタユニット10aには、ファン6とモータ7で構成されるファンモータユニット8と、ファンモータユニット8を内部に有するチャンバ9と、チャンバ9の下流側にエアフィルタ5aが設けられている。この場合には、エアフィルタ濾材1には、モータ7の発熱によって発色する感熱材料、あるいは、ファン6の送風による圧力に反応する感圧材料を用いたものが良い。エアフィルタ5aは、モータ7の発熱などを検知しやすいよう、ファン6、モータ7の近傍に設けられる。
【0064】
上記構成において、ファンフィルタユニット10aを運転すると、モータ7およびファン6が回転し、モータ7の熱(ファン6による送風)が発生する。エアフィルタ5aは、このモータ7の発熱(ファン6の送風による圧力)を検知して発色(あるいは変色)する。このため、ファンフィルタユニット10aの上流側へ移動して確認することなく、その下流側からファンフィルタユニット10aの運転状態をエアフィルタ5aの変化によって視認することできる。
【0065】
(実施の形態4)
第4の実施の形態について、図5を用いて説明する。第1〜第3の実施の形態と同じ構成については同一の番号をつけて詳細な説明を省略する。
【0066】
図5に示すように、第4の実施の形態のファンフィルタユニット10bは、ファンモータユニット8とエアフィルタ5bとの間に発光により表示を行う表示手段11を備えた構成となっている。エアフィルタ5bは、図3で示すように、実施の形態1あるいは実施の形態2で示したエアフィルタ濾材1を波形状に折曲し、枠体4の内周壁面に密に接合固定し所定形状に保持した構成となっている。本実施の形態では、エアフィルタ濾材1は、透明度を有した繊維状のアクリルやポリプロピレン、あるいは、ガラス短繊維を織り込んだものである。
【0067】
上記構成において、表示手段11は、ファンフィルタユニット10bの状態を表示する運転ランプ、あるいは警報ランプである。例えば、ファンフィルタユニット10bを運転することによって、表示手段11の運転ランプが点灯する。点灯した表示手段11の光は、エアフィルタ5bの透明度を有した繊維状の部材によってエアフィルタ5bの下流側に通過する。ファンフィルタユニット10bの下流側では、通過した光を視認することにより、ファンフィルタユニット10bの運転状態を視認することができる。このように、エアフィルタ5bに透明度を有した繊維状の材料を用い、エアフィルタ5bの上流側に、運転状態表示などを行うランプなどの表示手段11を設けることにより、上流側のファン6・モータ7の運転状態を下流側から確認することができる。このとき、エアフィルタ5bや枠体4に加工を施さずに表示機能を実現できるため、フィルタ上流側の浄化前の空気がそのまま下流側に漏れにくくなるという効果を有する。
【0068】
表示手段11はLEDランプなどファンフィルタユニット10bの運転状況に連動して発光することができるものであればよい。
【0069】
なお、表示手段11は、ファンフィルタユニット10bの運転や停止などの運転状況に応じて点滅や発光色の変化や発光輝度を変化させることにより、より詳細な運転状況を把握することが可能となる。また、その表示手段11をマトリクス状に配列し、運転状況に応じて発光する光源を切り替えることで、ファンフィルタユニット10bの運転状況をより詳細でかつ、的確に把握することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0070】
フィルタを用いた空気調和装置全般に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】同実施の形態1のエアフィルタ濾材の構成図
【図2】同実施の形態2のエアフィルタ濾材の構成図
【図3】同実施の形態3のエアフィルタの断面図
【図4】同実施の形態3のファンフィルタユニットの断面図
【図5】同実施の形態4のファンフィルタユニットの断面図
【図6】従来のクリーンユニットのフィルター支持装置を示す断面図
【符号の説明】
【0072】
1 エアフィルタ濾材
2 表示機能を有する材料
3 感熱塗料
4 枠体
5a エアフィルタ
5b エアフィルタ
6 ファン
7 モータ
8 ファンモータユニット
9 チャンバ
10a ファンフィルタユニット
10b ファンフィルタユニット
11 表示手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無機繊維材料もしくは有機繊維材料によって形成されるエアフィルタ濾材であって、濾材表面に表示機能を有する材料を織り込んだことを特徴とするエアフィルタ濾材。
【請求項2】
表示機能を有する材料は、透明な繊維状の材料であることを特徴とする請求項1記載のエアフィルタ濾材。
【請求項3】
表示機能を有する材料は、熱反応を有する部材であることを特徴とする請求項1記載のエアフィルタ濾材。
【請求項4】
表示機能を有する材料は、圧力反応を有する部材であることを特徴とする請求項1記載のエアフィルタ濾材。
【請求項5】
表示機能を有する材料は、振動反応を有する部材であることを特徴とする請求項1記載のエアフィルタ濾材。
【請求項6】
無機繊維材料もしくは有機繊維材料によって形成されるエアフィルタ濾材であって、濾材表面の全部または一部に、感熱塗料を塗布したことを特徴とするエアフィルタ濾材。
【請求項7】
無機繊維材料もしくは有機繊維材料によって形成されるエアフィルタ濾材であって、濾材表面の全部または一部に、感圧塗料を塗布したことを特徴とするエアフィルタ濾材。
【請求項8】
請求項1〜7いずれかに記載のエアフィルタ濾材を、波形状に折曲し、前記濾材を、枠体の内周壁面に密に接合固定し所定形状で保持したエアフィルタ。
【請求項9】
ファンとモータとそれらを内部に有したファンモータユニットと、その下流側にフィルタを有したファンフィルタユニットにおいて、請求項1〜7いずれかに記載のエアフィルタ濾材を、波形状に折曲し、前記濾材を、枠体の内周壁面に密に接合固定し所定形状で保持したエアフィルタを備えたファンフィルタユニット。
【請求項10】
ファンとモータとそれらを内部に有したファンモータユニットと、その下流側にフィルタを有したファンフィルタユニットにおいて、フィルタは、請求項2記載のエアフィルタ濾材を、波形状に折曲し、その濾材を、枠体の内周壁面に密に接合固定し所定形状で保持したものであり、フィルタとファンモータユニットの間に発光により表示を行う表示手段を設けたことを特徴とするファンフィルタユニット。
【請求項11】
前記表示手段は、その発光色によってファンフィルタユニットの状態を示すことを特徴とする請求項10記載のファンフィルタユニット。
【請求項12】
前記表示手段は、複数の光源をマトリックス状に配列したものであり、点灯する光源の切替えによってファンフィルタユニットの状態を示すことを特徴とする請求項10記載のファンフィルタユニット。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2008−241104(P2008−241104A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−80956(P2007−80956)
【出願日】平成19年3月27日(2007.3.27)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】