説明

エスゾピクロンを用いる治療方法

【課題】多様な諸疾患及び諸病態の治療のために、化合物ゾピクロンのS−(+)−光学異性体である下式に示すエスゾピクロンの使用による治療方法の提供。
【解決手段】低レベルの慢性の痛み、特に神経障害性の痛み、又はリウマチ様関節炎、変形性関節症、筋肉の痙攣、痙縮若しくは線維筋肉痛に関連する痛みの治療、痛みに関連する疲労の治療、更年期又は閉経に伴う諸症状の治療、自閉症の治療、失語症の治療、時差ぼけの治療のために、非経口的に、経皮的に又は経口的にエスゾピクロンを投与する。

【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本発明は、多様な諸疾患及び諸病態の治療のためのエスゾピクロンの使用に関する。
【発明の背景】
【0002】
エスゾピクロンは、化学名(+)6−(5−クロロピリド−2−イル)−5−(4−メチルピペラジン−1−イル)カルボニルオキシ−7−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[3−4−b]ピラジン又は(+)6−(5−クロロ−2−ピリジニル)−6,7−ジヒドロ−7−オキソ−5H−ピロロ[3,4−b]ピラジン−5−イル4−メチルピペラジン−1−カルボキシレートを有するシクロピロロンである。エスゾピクロンの化学構造を下に示す:
【化1】

【0003】
エスゾピクロンは、化合物ゾピクロンのS−(+)−光学異性体であり、米国特許第6,319,926号及び第6,444,673号明細書、並びにGoa and Heel,[Drugs,32:48−65(1986)]並びに米国特許第3,862,149号及び第4,220,646号明細書に記載されている。この異性体は、以下そのUSAN承認一般名によりエスゾピクロンというが、光学的に純粋なであり、そして、実質的に光学的に純粋な(例えば、光学純度90%、95%又は99%)S−(+)−ゾピクロン異性体を含む。
【0004】
ゾピクロンは、ベンゾジアゼピン類と類似の効力と副作用の精神療法プロフィールを提供する化学的に明確な部類の睡眠薬及び抗不安薬化合物の最初のものであった。この部類の化合物シクロピロロン類は、ベンゾジアゼピン類よりも残留鎮静作用及び反応時間遅延を引き起こすことが少ないように見え、ベンゾジアゼピンを超える改善された治療指数の見込みを提供する。
【0005】
ゾピクロンの薬理学は、前臨床的にも臨床的にもいくつかの要素によって特徴づけられることを示していた。それは主に睡眠鎮静薬であり、呼吸抑制又は心臓抑制を伴わずに、最初の治療において著しい活性を示す。前記化合物は、ベンゾジアゼピン受容体複合体、又はこの受容体複合体に近接してリンクした部位に結合する。(Goa,K.L.and Heel,R.C. Drugs,32:48−65,(1986);Brun,J.P.,Pharmacology,Biochemistry and Behavior,60 29:831−832,(1988);Julou,L.et al.,Pharmacology,Biochemistry and Behavior,23:653−659,(1985);Verma,A.and Snyder S.H.,Ann.Rev.Pharmacol.Toxicol,29:307−322,(1989)参照)中枢型ベンゾジアゼピン受容体は、抑制性神経伝達物質であるγ−アミノ酪酸(GABA)の結合部位を含む高分子複合体であり、ベンゾジアゼピン類と化学的に関係のないゾピクロンを含むアゴニストとが、GABAのシナプス効果を促進することによってその効果を発揮するかもしれないことを示唆する。ゾピクロンはベンゾジアゼピン受容体と相互作用するのに、明らかに、記憶への影響は最小であり、アルコールとの相互作用はなく、潜在的な乱用又は依存性はほとんど又は全くない。薬物は胃からよく吸収され、血漿タンパク質に高度には結合しない。ラセミ混合物ゾピクロンは、ここ数年間主として睡眠薬として使用されてきた。そして最近USFDAは、不眠症治療用にエスゾピクロン(LUNESTRATM)の使用を承認した。
【発明の要約】
【0006】
本発明は、エスゾピクロンを用いる多様な諸疾患及び諸病態の治療方法に関する。
【0007】
第1の観点において、本発明はエスゾピクロンの治療的有効量を患者に投与することを含む、低レベルの慢性の痛みの治療に関する。
【0008】
第2の観点において、本発明はエスゾピクロンの治療的有効量を患者に投与することを含む、痛みに関連する疲労の治療に関する。
【0009】
第3の観点において、本発明はエスゾピクロンの治療的有効量を患者に投与することを含む、更年期又は閉経に伴う諸症状の治療に関する。
【0010】
第4の観点において、本発明はエスゾピクロンの治療的有効量を患者に投与することを含む、自閉症の治療に関する。
【0011】
第5の観点において、本発明はエスゾピクロンの治療的有効量を患者に投与することを含む、失語症の治療に関する。
【0012】
第6の観点において、本発明はエスゾピクロンの治療的有効量を患者に投与することを含む、時差ぼけの治療に関する。
【本発明の詳細な説明】
【0013】
本発明は、エスゾピクロンを用いる多様な諸疾患及び諸病態の治療方法に関する。S−(+)−ゾピクロンは、90%を超える鏡像体過剰率(e.e.)を有する。エスゾピクロンは、非経口的に、経皮的に又は経口的に、好ましくは1日当たり0.5mg〜15mgの量で投与してもよい。特定の実施態様において、エスゾピクロンは、1日当たり0.5mg、1.0mg、2.0mg及び3.0mgで、1投薬当たり0.5mg、1.0mg、2.0mg及び3.0mgで投与する。
【0014】
エスゾピクロンが低レベルの慢性の痛みを治療するのに有用であることが今や分かった。急性の痛みが、神経系において始動し、可能な損傷について生物体に警告する正常な感覚であるのに対して、慢性の痛みは持続する。何週間も、何カ月間も、何年間でさえも、神経系において痛みのシグナルが発射され続ける。ぎっくり腰(sprained back)や重度感染症などの初期の不運な出来事があったかもしれず、又は関節炎、癌、耳感染などの進行中の痛みの原因があるかもしれないが、しかし何ら過去の損傷もなく又は何ら身体損傷の形跡もなくて慢性の痛みに罹る人々がいる。多くの慢性の痛みの病態は高齢者を冒す。慢性の痛みの一般的愁訴は、頭痛、腰痛、癌の痛み、関節炎痛、神経性又は神経障害性の痛み(末梢神経又は中枢神経系自体に対する損傷から生じる痛み)、心因性の痛み(過去の疾患や損傷によらない痛み又は神経系の内側若しくは外側の何ら目に見える損傷徴候によらない痛み)を含む。エスゾピクロンが最も適している痛みは、神経障害性の痛み、又はリウマチ様関節炎、変形性関節症、筋肉の痙攣、痙縮若しくは線維筋肉痛に関連する痛みである。
【0015】
神経障害性の痛みは諸障害から生じ、前記諸障害としては、以下に限定されないが、胸部出口閉塞症候群、尺圧迫性及び絞扼性神経障害(例えば、骨神経麻痺、手根管症候群、腓骨神経麻痺、及び撓骨神経麻痺);ギラン・バレー症候群;損傷又は外科手術により引き起こされる外傷と関連する又はそれらから生じる痛み;腫瘍;骨の骨化過剰症、ギブス;松葉杖;長期の窮屈な体位;神経内への出血;低温又は放射線への照射;膠原血管病;代謝異常(例えば、糖尿病、甲状腺機能低下症、ポルフィリン症、サルコイドーシス、アミロイドーシス、及び尿毒症);感染症(例えば、ライム病及びHIV);毒素(エメチン、ヘキソバルビタール、バルビタール、クロロブタノール、スルホンアミド、フェニトイン、ニトロフラントイン、ビンカアルカロイド、重金属、一酸化炭素、リン酸トリオルトクレシル、オルトジニトロフェノール、他の溶剤、及び産業毒);自己免疫反応;栄養不足、並びにビタミンB欠乏症を挙げることができる。
【0016】
痛みに対するエスゾピクロンの効果は、ベンゾジアゼピン受容体への作用の結果として直接的であるか、又は、睡眠への効果の結果として間接的であることがある。エスゾピクロンの直接的鎮痛効果は、実施例1に示す臨床試験において実証された。
【0017】
関連する観点において、エスゾピクロンは痛みに関連する疲労を治療するのに有用である。
【0018】
エスゾピクロンが更年期又は閉経に伴う諸症状を治療するのに有用であることが今や発見された。閉経は、典型的にはおよそ50歳で起きるがそれよりもかなり早い年齢で又は遅い年齢で起きることもある女性ホルモンの産生低下により引き起こされるものであり、浮腫、顔面紅潮(又はのぼせ)、発汗の発作、筋肉痛及びおそらく関節痛、睡眠障害、発声困難、緊張感、気分変動、頭痛、動悸(心拍数の増加)、乾燥粘膜、性交時の痛み及び排尿障害などの諸障害を引き起こすことがある。のぼせ又は顔面紅潮は、顔と首において、しばしば胸まで、進行する突然の温感開始により特徴付けられる。症状の発現は一般に数分間続き、皮膚の目に見える紅潮により証明される。多くの場合そのような症状の発現は、汗かき、目まい、吐き気、動悸及び発汗作用を伴う。そのような症状は睡眠を中断することがあり、生活の質を妨害することがある。のぼせの原因は完全には理解されていないけれども、エストロゲン体内濃度低下の結果である視床下部内体温調節障害であると考えられている。女性ホルモン(例えば、エストロゲン)の投与はこれらの症状を軽減するのに有効であるが、ホルモン療法は望ましくない副作用を伴う。5人のうち4人の女性が少なくとも1年間の厄介な更年期障害を経験し、25%の女性が5年間を超える更年期障害を経験する。全女性の半数が重度の障害を経験する。男性もまた、転移性前立腺癌に対する(両側性睾丸摘出又はゴナドトロピン放出ホルモンアゴニストを用いる治療から)アンドロゲン枯渇療法の後にのぼせを経験することがある。この点において、明らかに、更年期及び閉経後の女性におけるホルモン変動に関連する障害の治療のための一貫した効力を有する安全な組成物に対する多大な必要性が存在する。エスゾピクロンは特に、のぼせによる夜間覚醒を減少するのに、そして、実施例2に示す臨床研究において実証されるように、全体の更年期又は閉経の症状(医師の全体的健康評価)の減少に有効である。
【0019】
エスゾピクロンは自閉症に対して有用である。自閉症の症状としては:発話及び言語の欠如又は遅延;正常な口頭コミュニケーションに代わる言語反復(反響言語症);他人との関係困難;外部刺激への応答欠如;感覚機能障害;身体的接触の回避;行動(例えば、自己刺激、回転、揺動、手ばたき、不適切な笑い又は癇癪)、過度の強迫性行動、自己傷害的行動、及び攻撃的行動を挙げることができる。エスゾピクロンはこれらの症状のあるものについてその頻度、持続時間及び強度を減少するのに有効である。
【0020】
エスゾピクロンは失語症を治療するのに有用である。失語症は、例えば、話し言葉の提供又は理解と、読み書きの能力とへ影響を与える言語機能障害である。失語症は最も一般的には脳卒中からの脳損傷に起因するが、高齢の諸個人において最も一般的である。しかし、結果的に失語症になる脳損傷は、頭部外傷から、脳腫瘍から又は感染症から生じる可能性もある。失語症は、患者とのコミュニケーションがほとんど不可能なほど重度のこともあるし、非常に軽度のこともある。失語症は、物の名前を検索する能力、又は単語をまとめて文章化する能力、又は読む能力の言語使用の単一観点に主として影響を与える。しかしながら、より一般的にはコミュニケーションの複数観点が損なわれ、限られた情報交換のためのいくつかチャンネルがアクセス可能として残される。一般に特定される症状のいくつかは、全失語症、ブローカ失語症、混合型非流暢性失語症、ウェルニッケ失語症及び健忘性失語症である。
【0021】
全失語症は、失語症の最も重度の形態であり、そして、認識できる言葉をほとんど発することができず話された言語をほとんど又は全く理解できない患者に適用される。全失語症は、患者が脳卒中を罹った直後によく見られることがあり、損傷があまり広範囲でなかった場合、速やかに改善することもある。しかしながら、より大きい脳損傷では、重度の持続性の能力的障害が生じる。ブローカ失語症は、言語出力が重度に低下し、主として、通常4単語未満の短い発話に限られる失語症の一形態である。ブローカ失語症を有する人々においては語彙へのアクセスが限られており、その人々の音声形成はしばしば骨の折れるぎこちないものである。ブローカ失語症を有する人は言語を比較的よく理解し、読むこともできるが、書くことにおいて限られていることもある。ブローカ失語症は、しばしば「非流暢性失語症」と呼ばれる。混合型非流暢性失語症は、間のあいた努力を要する話し方(重度のブローカ失語症に類似している)をするが、言語理解に限度があり、初等教育レベルを超える読み書きをしない患者に適用される用語である。ウェルニッケ失語症においては、主に話し言葉の意味把握能力が損なわれているが、連続して話しをする容易さはあまり影響されていない。従って、ウェルニッケ失語症は、「流暢性失語症」と言われる。しかしながら、話し方は正常からは遠く、読み書きは多くの場合重度に損なわれている。健忘性失語症は、患者が話したい対象についての単語(特に重要な名詞及び動詞)を供給する能力が持続的に無い場合に、適用される用語である。結果として、健忘性失語症の人の話し方は、文法的な形と出てきた言葉においては流暢なのに、あいまいな婉曲表現と欲求不満の表現に満ちている。前述の症状に加えて、これらのカテゴリーに正確には適合しない欠陥の、他の可能な組み合わせが多数存在する。複合失語症候群の構成要素のあるものはまた孤立して現れることもある。これは、脳卒中の後の読み障害(失読症)又は読み書き両方に影響する障害(失読症及び失書症)の実例である可能性がある。重度の計算障害がしばしば失語症に伴うが、しかし患者が言語喪失の代わりに優秀な計算力を保持している症例もある。
【0022】
米国においては約100万人の人々が失語症になっていると見積もられている。大多数は脳卒中の結果である。重度に頭部を損傷した人々の約3分の1が失語症を経験する。一時的な失語症は、一過性失語症と呼ばれるが、ほんの数時間か数日間続くコミュニケーション問題を指す。初めに失語症の症状を示す人々のうちの半数をこえる人々は、最初の数日以内に完全に回復するが、残りの人々についてはその喪失を補償するための言語療法以上のよい治療法は存在していない。
【0023】
本発明の方法は、エスゾピクロンを用いる時差ぼけの治療も含む。時差ぼけは外因性の急性サーカディアンリズム障害である。生物学におけるサーカディアンリズムの現象は公知であり、サーカディアンリズムはヒトを含むすべての真核植物及び動物においてみられる。概日の、即ちおよそ24時間のリズムは、生物学的分子(例えば、ホルモン)の産生と、行動(体温調節、及び目覚め・睡眠・活動期間)を含む。自然においては、サーカディアンリズムは、多数のこれらの変動に24時間リズムを押し付ける環境同調因子と密接に結びついている。これらの同調因子がないとき、大部分のサーカディアンリズムは24時間とは異なる(人間では、通常24時間よりも少し多い)周期性を有する。環境同調因子によってもはや規制されないサーカディアンリズムは、空走していると言われる。環境からのシグナルによるサーカディアンリズムの規制は、サーカディアンリズムの同調化を含むと言われる。同調化に影響をあたえる環境シグナルは、ツァイトゲーバー(zeitgebers)と呼ばれ、その一例は明/暗周期である。哺乳動物におけるサーカディアンリズムの制御は視交叉上核(SCN)と呼ばれる脳の一部により仲介されると技術上考えられている。サーカディアンリズムは主として光と闇の周期によって同調化される;光シグナルは網膜によりSCNまで伝達され、SCNにより規制される松果体がメラトニン(N−アセチル−5−メトキシトリプタミン)を産生する。
【0024】
サーカディアンリズムの混乱は、人間において幾つかの病態生理学的状態に帰着することがあり、最も一般的なものの一つは時差ぼけである。エスゾピクロンの効果のメカニズムは明らかではない。光で引き起こされるサーカディアンリズムの位相変化の増強に起因することもある。推定される治療効果を実証するために使用してもよい試験は、参照することによりここに含まれる米国特許第6,160,005号明細書に記載されている。
【0025】
精神運動性の行動に対する医薬組成物の効果は、10個のパラメーター(耳介反射、自発的な活動、眼瞼サイズ、驚愕反応、接触反応、反応性、踏み直り反射、立ち直り反射、探索行動、及び運動失調)を測定することにより決定される。各パラメーターは正常に対して2点得点し、全部で20点である。マウス3匹を掛けて、可能性として60点になる。40以下の得点(<40)は行動機能低下を意味する。得点は試験試料の投与前と後に決定される。Irwin,S.,Psychopharmacologia,13:222−257(1968)参照。

【0026】
ベンゾジアゼピン類の睡眠−鎮静、抗不安薬の薬理学的プロフィールはかなりよく確立されてきており(Goodman and Gilman:The Pharmacological Basis of Therapeutics,7th.Edition,Chapt.17,340−351,(1985),MacMillan Publishing Co.,N.Y.)、シクロピロロン類の非ベンゾチアゼピン薬剤にまで拡張されてきた(Bardone,M.C.et al.,Abstract No.2319,7th.Int.Congr.Pharm.Paris,July,1978,Pergamon Press,London;Julou,L et al.,Pharmacology,Biochemistry and Behavior,23:653−659(1985))。従って、かなりよく特徴付けられている多様な実験モデル(Julou,L.et al.,ibid,1985)を、エスゾピクロンの様々な活性を特徴付けるために使用することができる。ゾピクロンを含む医薬組成物の急性毒性は、ラットに漸次高用量(mg/kg)の医薬組成物を投与する研究において決定することができる。経口投与の場合、試験動物の50%致死を引き起こす致死量をLD50として報告する。
【0027】
エスゾピクロンの安全性を確立するために、段階的用量増加試験を実施した。(R)−、(S)−又はラセミ体のゾピクロンを3用量(3、5及び12mg/kg)で、意識のある犬に急性静脈内投与をして、心臓血管及び呼吸パラメータを評価した。血液ガス及び血液化学(pH、pCO2、pO2、ヘマトクリット値、及び乳酸塩)は全用量群において影響を受けないままであった。ラセミ体のゾピクロン又はその鏡像異性体の投与に続いて、心電図(ECG)による証拠として、心臓毒性の証拠は全く観察されなかった。ラセミ体のゾピクロン及びエスゾピクロンは、付随的補償的心拍数増加とともに用量依存性の一時的な血圧低下を生じたが、(R)ゾピクロンは全く影響がなかった。ラセミ体の及び(S)−ゾピクロンの最高用量(12mg/kg)の投与は、より明確な血圧低下効果(ベースラインから30〜40%低下)を生じた。観察期間の間に完全回復は明白でなかった。しかしながら、その値は、観察期間全体にわたりベースラインの方へ戻りつつあった。(R)−ゾピクロンは12mg/kg投与に続いて一貫した血行動態効果を生じなかった。
【0028】
エスゾピクロンのインビボでの抗ムスカリン活性を評価した。ラセミ体は、いずれの試験用量(最高用量=100mg/kg,p.o.)においてもマウスに散瞳を生じなかった。別のインビボアッセイにおいて、(R)−、(S)−、又はラセミ体のゾピクロンいずれも、300mg/kg,p.o.までの用量でマウスにおいて、オキソトレモリンにより惹起された流涎に対して拮抗作用を有意には示さなかった。これらの結果は、エスゾピクロンが抗ムスカリン作用を生じないことを示唆し、そして、エスゾピクロンのムスカリン受容体に対するインビトロでの親和性の欠如と一致している。
【0029】
これらの研究はすべて、心臓血管系又は自律神経系若しくは末梢神経系に対してほとんど又は全く作用がないことを示している。従って、本薬剤は有害末梢作用の兆候がなく高い安全域を有するように見える。
【0030】
ここに使用するように、及び本発明が関与する医学技術の当業者によって理解されるであろうように、用語「エスゾピクロン」及び「S−(+)−ゾピクロン」の列挙は、S−(+)−ゾピクロンの薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、包接化合物、及び多形体を含む。用語「薬学的に許容可能な塩」は、無機酸及び塩基並びに有機酸及び塩基を含む薬学的に許容可能な非毒性の酸又は塩基から調製される塩を指す。塩は、無機及び有機の酸を含む薬学的に許容可能な非毒性の酸から調製されることもできる。本発明の化合物に適合する薬学的に許容可能な酸付加塩としては、酢酸、ベンゼンスルホン酸(ベシレート)、安息香酸、ショウノウスルホン酸、クエン酸、エテンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモン酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸、その他同種類のものの塩を挙げることができる。用語「溶媒和物」は、固体状態の化合物(この場合エスゾピクロン)であって、そこで適当な溶媒分子が結晶格子に組み込まれている化合物を指す。治療的投与に適する溶媒は、投与用量において生理学的に許容可能なものである。治療的投与に適する溶媒の例は、エタノール及び水である。水が溶媒のとき、溶媒和物は水和物と呼ぶ。一般に、化合物を適当な溶媒に溶解し、冷却又は反溶媒(antisolvent)を用いて溶媒和物を単離することにより溶媒和物を形成する。溶媒和物は、通常、周囲条件下に乾燥されるか又は共沸される。
【0031】
ここに使用される用語「予防(preventing)」は、発病を未然に防ぐため又は発病を緩和するため事前に薬剤を投与することを指す。(本方法の請求項が向けられている)医学技術の当業者は、用語「予防(prevent)」が絶対的用語でないことを認識している。医学技術においては、病態の可能性又は重症度を実質的に少なくするための薬物の予防的投与(prophylactic administration)を指すことが理解されており、これが出願人の請求項において意図する意味である。用語「治療」は急性の諸症状の改善のみならず予防(prophylaxis)も含む。「治療」は、諸症状の改善と基礎的病態の解決とのいずれか、又は、両方を指すことに注意されたい。本発明の諸病態の多くにおいて、エスゾピクロンの投与は、疾患の状態に直接に作用しないこともあるが、むしろ有害な症状のあるものに作用し、そして、前記症状の改善によって、疾患の状態の一般的な望ましい改善を導く。
【0032】
ここに使用される用語「エスゾピクロン」及び「S−(+)−ゾピクロン」の列挙は、90%を超える鏡像体過剰率(e.e.)を有するエスゾピクロンを指す。用語「鏡像体過剰率」は、技術的によく知られており、abのa+bへの分割に対して次のように定義される。
【数1】

【0033】
用語「鏡像体過剰率」は、以前の用語「光学純度」に関連するものであり、両方とも同じ現象の指標である。eeの値は、0から100までの数であり、0はラセミ体であり、100は純粋な単一の鏡像体である。過去において98%光学的に純粋と呼ばれた化合物は、今はより精密に96%eeと記載される;換言すれば、90%e.e.は、問題の物質において、一方の鏡像体95%及び他方の鏡像体5%の存在を反映する。エスゾピクロンの場合、95%を超えるe.e.が好ましく;98%を超えるe.e.がより好ましく;及び99%を超えるe.e.が最も好ましい。
【0034】
ラセミ体のゾピクロンは、市販品として入手可能であり、米国特許第3,862,149号及び第4,220,646号明細書に開示される方法などの様々な方法を用いて製造することができる。エスゾピクロンはまた市販品としても入手可能であり、あるいは、例えば、キラル相クロマトグラフィー、光学的に活性な塩の分割、適当な微生物による立体選択的酵素触媒反応、又は不斉合成の標準的方法を用いて、ラセミ体のゾピクロンから製造してもよい。米国特許第6,319,926号明細書は、例えば、D(+)−O,O’−ジベンゾイル酒石酸の光学的に活性な酸によるラセミ体のゾピクロンからの分割を含む(+)−ゾピクロンを製造する方法を開示する。
【0035】
エスゾピクロンを製造する別の方法は、以下の合成図式に示すように、D−リンゴ酸塩を経由して化学的分割により、ラセミ体のゾピクロン(又は(RS)−ゾピクロン)からの合成によるものである。
【化2】

【0036】
上に示す合成経路において、(RS)−ゾピクロン及びD−リンゴ酸を、アセトンとメタノールとの混合物に溶解して、(S)−ゾピクロン・D−リンゴ酸塩及び(R)−ゾピクロン・D−リンゴ酸塩を形成する。二つの鏡像体の塩を、選択的結晶化によりその場で分割し、濾過し、すすぎ洗いして、高度に(S)−体が濃縮したゾピクロン・D−リンゴ酸塩を得る。このプロセスでは、大部分の(R)−ゾピクロン・D−リンゴ酸塩は母液に残る。この方法において、アセトン/メタノール共溶媒系の使用は高度に鏡像異性体選択的な塩の結晶化に帰着し、そして、好ましくは、用いる共溶媒比はおよそ1.9/1〜2.3/1w/wアセトン/メタノールの範囲にあるであろう。好ましくは、この方法のこの段階はまた、単離工程において反応混合物を約10℃〜15℃の包括的範囲にある温度まで冷却すること、並びに、濾過後得られる湿ケーキを冷溶媒(例えば、冷メタノール)で洗浄するか、又は、すすぎ洗いすることを含むことができる。
【0037】
得られた(S)−ゾピクロン・D−リンゴ酸塩は、炭酸カリウム水溶液と酢酸エチルで処理し、次に相分離と結晶化により、光学的に純粋な(S)−ゾピクロン遊離塩基に変換される。この方法において、いったん(S)−ゾピクロン遊離塩基の溶液が得られると、低含水量の酢酸エチルからの結晶化により更なる鏡像異性体濃縮(典型的に1〜4%)を達成することができる。含水量は、例えば、共沸蒸留により制御することができ、結晶化工程に含水量の工程管理を組み込むことにより、更に鏡像体純度の高さを改善することができる。この工程における水分レベルは、好ましくは2%以下、より好ましくは1%以下、最も好ましくは0.6%以下である。得られた光学的に純粋なエスゾピクロン遊離塩基は次に、本発明の医薬組成物における活性成分として使用するのに望ましいサイズまで粉砕することができる。これらの組成物は、ゾピクロンのラセミ混合物の投与と関連する副作用を回避しながら、中枢神経系及び末梢のベンゾジアゼピン受容体へのアゴニストの結合により影響される障害を治療するのに有用である。
【0038】
病気の急性的又は慢性的治療において、エスゾピクロンの予防的(prophylactic)又は治療的用量の大きさは、治療される病態の重症度及び投与経路とともに変動するであろう。用量、及び恐らく投与頻度も、年齢、体重、及び個々の患者の応答性により変動するであろう。一般に、ここに記載される諸病態に対して、全日用量範囲は、約0.5mg〜約15mgである。好ましくは、日用量範囲は、約0.5mg〜約12.5mgの間にある。最も好ましくは、日用量範囲は、約2.0mg〜約10.0mgの間にある。患者の管理において、恐らく約0.5mg〜約7.5mgの低用量で、治療を開始することができ、患者の全体的応答性に応じて約10mg以上まで増加することができる。更に、子供及び65歳を超える患者、並びに腎又は肝機能障害を有する患者は、最初に低用量を受け、全体的応答性及び血液レベルに基づいて漸増するよう勧告される。ある場合には、これらの範囲外の用量を使用することが必要であることができる。
【0039】
本発明の医薬組成物は、エスゾピクロンの治療的有効量を患者に与えるいずれの適合する投与経路によって投与することができる。典型的には、ここに記載するエスゾピクロン医薬組成物は経口投与用に又は吸入用に製剤化されるであろう。適した投与形態としては、錠剤、トローチ剤、カシェ剤、カプレット、硬質及び軟質ゼラチンカプセルを含むカプセルなどを挙げることができる。しかしながら、錠剤形態は患者(例えば、用量の正確さ、コンパクト性、携帯性、味刺激の低さ及び投与容易性)と製造業者(例えば、製造の簡単性及び経済性、包装、輸送及び調剤における安定性及び利便性)の両方に与える利点のために相変わらず好ましい投与形態である。
【0040】
医薬組成物は更に「薬学的に許容可能な不活性担体」を含むことができ、この表現は、デンプン、ポリオール、顆粒化剤、微結晶セルロース、希釈剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤などを含む1種以上の不活性な賦形剤を含むことを意味する。必要に応じて、開示した組成物の投薬錠剤は標準的な水性又は非水性手法によりコーティングすることができる。或る実施態様において、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を用いるコーティングが採用される。「薬学的に許容可能な担体」は、制御放出手段も包含する。本発明の組成物としては、場合により、他の治療成分、アンチケーキング剤、保存剤、甘味剤、着色剤、芳香剤、乾燥剤、可塑剤、染料などを挙げることができる。しかしながら、そのような任意の成分はいずれも、製剤の安定性を保証するためにエスゾピクロンと適合性がよくなければならない。
【0041】
経口組成物を採用する場合において、使用に適した用量範囲は、約0.5mg〜約15.0mgである。好ましくは、約0.5mg〜約12.5mgの間の用量範囲が1回の日用量として与えられるか、又は、必要なら分割用量において与えられる;最も好ましくは、約0.5mg〜約10mgの用量範囲が、1回の日用量としてか、又は、必要なら分割用量においてかのいずれかで与えられる。患者は、必要に応じて、十分な症状の制御に応じて前記用量範囲以下から前記用量範囲以内まで上向きに漸増することができる。
【0042】
《カプセル製剤》

活性成分エスゾピクロン、ラクトース、及びコーンスターチを均一になるまでブレンドし;次に、得られた粉末中にステアリン酸マグネシウムをブレンドする。得られた混合物を適当な大きさのツーピース硬質ゼラチンカプセル中にカプセル充填する。
【0043】
《錠剤製剤》

活性成分エスゾピクロンを適当な篩を通して篩にかけ、そして、ラクトース、スターチ、及びアルファ化コーンスターチとブレンドする。適当な容量の精製水を添加し、粉末を顆粒化する。乾燥後、顆粒を篩にかけ、ステアリン酸マグネシウムとブレンドする。次に、7mm直径の穿孔機を使用して、顆粒を圧縮し、錠剤とする。
【0044】
他の強度の錠剤は、活性成分のラクトースに対する比又は圧縮重量を変えることによって、並びに、適合する穿孔機を使用することによって調製することができる。或る実施態様において、不活性成分を含む経口投与用フィルムコート錠剤としてエスゾピクロンを製剤化する。前記不活性成分としては、以下のものが含まれる:リン酸カルシウム、コロイド状二酸化ケイ素、クロスカルメロースナトリウム、ヒプロメロース、ラクトース、ステアリン酸マグネシウム、微結晶セルロース、ポリエチレングリコール、二酸化チタン、トリアセチン及び、場合により、FD&C Blue#2。
【実施例1】
【0045】
《エスゾピクロンを用いる慢性の痛みの治療に関する臨床研究》
本研究は、リウマチ様関節炎に関連する不眠症を有する対象における昼間機能に対するエスゾピクロン3mgの効果をプラセボと比較して観察することを目的とした。試験は、多施設、ランダム化、二重盲検、プラセボ対照、平行群間試験であった。試験は、1週間の単純盲検プラセボ導入期間、その後4週間の二重盲検治療、そして1週間の単純盲検プラセボウォッシュアウトを行なった。
【0046】
総数153人の対象をランダム化した。そのうち77人が4週間毎夜(就寝前に)3mgのエスゾピクロン(ESZ)投与を受け、76人が対応するプラセボ(PBO)投与を受けた。中止の割合は低く、ESZ群で5.2%、PBO群で9.2%であった。患者母集団は、大部分は女性(87%)及び白人種(84%)であった。平均年齢は52歳、範囲は27〜64歳であった。対象は、(米国リウマチ学会により定義される)リウマチ様関節炎の診断を有し、単純盲検プラセボ導入期間開始前に最低限90日間のリウマチ様関節炎薬物治療の安定用量の状態にあった。更に、対象は、入眠後覚醒時間(WASO)≧45分、及び全睡眠時間≦6.5時間を含む不眠症の症状を有していた。
【0047】
二重盲検治療の間、対象は、3mgエスゾピクロン(ESZ)又は対応するプラセボ(PBO)を4週間毎夜(就寝前に)投与された。データは片側有意検定で解析した。
【0048】
エスゾピクロンは、関節炎セルフ・エフィカシー・スケール(Arthritis Self-Efficacy Scale;このスケールは、Standard Patient Education Research Center,1000 Welch Road,Suite 204,Palo Alto,CA94304により公に入手可能とされる)に対する総合得点において、試験終了(第4週)までにベースラインからの変化について有意な効果を示した。痛みの下位スケールは、単独で解析した場合又は他の諸症状と組み合わせて解析した場合の両方とも、統計的に有意差を示した。表1を参照。
【表1】





【0049】
エスゾピクロンはまた、対象の痛み重症度評価において、試験終了までのベースラインからの変化についても有意な効果を有した。表2を参照。
【表2】

【実施例2】
【0050】
《エスゾピクロンを用いる閉経又は更年期に関する臨床研究》
本研究は、更年期又は閉経に対する二次的な不眠症の治療におけるエスゾピクロン3mgの効果を、プラセボと比較して観察することを目的とした。試験は、多施設、ランダム化、二重盲検、プラセボ対照、平行群間試験であった。試験は、1週間の単純盲検プラセボ導入期間、その後4週間の二重盲検治療、そして1週間の単純盲検プラセボウォッシュアウトを行なった。主要な解析法は、二つの治療群間のランダム化後の結果を比較した。
【0051】
対象は、更年期又は閉経に対し二次的な不眠症を有する女性であった。対象は、更年期又は閉経の者であり、睡眠潜時(SL)≧45分、及び全睡眠時間≦6時間を含む不眠症の症状を有していた。更年期/閉経の症状は、睡眠障害開始より以前に遡った。患者母集団は、大部分白人種(77.2%)であった。平均年齢は49歳、範囲は40〜60歳であった。
【0052】
総数410人の対象をランダム化した。そのうち201人が4週間毎夜(就寝前に)3mgのエスゾピクロン(ESZ)投与を受け、209人が対応するプラセボ(PBO)投与を受けた。中止の割合は中程度で、ESZ群で11.9%、PBO群で12.9%であった。
【0053】
ESZ群はPBOと比較して、第1週の間、のぼせによる夜間覚醒は有意に少なかった(ESZ及びPBOについて、1夜当たりのLS平均はそれぞれ0.3及び0.5;p=0.0016)。この効果は他の週については有意でなかったが、DB平均については、マージナルに有意であった(p=0.059)。ベースラインからの変化を解析したとき、ESZはPBOと比較して、第1週におけるのぼせによる夜間覚醒数を有意に減少した(p<0.0001)。第2週について差は有意でなかったが、第3及び4週についてはわずかに有意であり(それぞれp=0.094及び0.055)、DB平均について有意であった(p=0.0045)。表3を参照。
【表3】



【0054】
医師の全体的評価が、二重盲検終了の第4週に施行された。ESZ患者はこの時点でPBOと比較して有意に良好な得点を得た(ESZ及びPBOに対するLS平均は、それぞれ2.7及び3.3;p<0.0001)。表4を参照。
【表4】

【0055】
上に解析した対象410人のうち11人からなる一つの現場からのデータが現場監査時の否定的所見のため除外されるであろうという理由で、研究結果はわずかに変化するであろう。これらの11人の対象を除外した後、研究の結論は変化しないであろうことが予想される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エスゾピクロンの治療的有効量を患者に投与することを含む低レベルの慢性の痛みの治療方法。
【請求項2】
前記痛みが、神経障害性の痛み、又はリウマチ様関節炎、変形性関節症、筋肉の痙攣、痙縮若しくは線維筋肉痛に関連する痛みである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
エスゾピクロンの治療的有効量を患者に投与することを含む、痛みに関連する疲労の治療方法。
【請求項4】
エスゾピクロンの治療的有効量を患者に投与することを含む、更年期又は閉経に伴う諸症状の治療方法。
【請求項5】
前記症状がのぼせである、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記症状がのぼせによる夜間覚醒である、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記症状が不眠症である、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
エスゾピクロンの治療的有効量を患者に投与することを含む、自閉症の治療方法。
【請求項9】
エスゾピクロンの治療的有効量を患者に投与することを含む、失語症の治療方法。
【請求項10】
エスゾピクロンの治療的有効量を患者に投与することを含む時差ぼけの治療方法。
【請求項11】
エスゾピクロンを非経口的に、経皮的に、経口的に又は吸入により投与する請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
エスゾピクロンを1日当たり0.5mg〜15mgの量で投与する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
エスゾピクロンを1投薬当たり0.5mg、1.0mg、2.0mg及び3.0mgから選択される量で投与する、請求項12に記載の方法。

【公開番号】特開2012−102137(P2012−102137A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−4970(P2012−4970)
【出願日】平成24年1月13日(2012.1.13)
【分割の表示】特願2007−506373(P2007−506373)の分割
【原出願日】平成17年4月5日(2005.4.5)
【出願人】(500114922)サノビオン ファーマシューティカルズ インク (14)
【氏名又は名称原語表記】Sunovion Pharmaceuticals Inc.
【Fターム(参考)】