説明

エチレン−α−オレフィン共重合体および成形体

【課題】押出負荷が低く、溶融張力が高く、溶融した共重合体を張力一定の条件で引き取った際の引き取り性に優れ、歪硬化特性に優れ、かつ二次加工性に優れるエチレン−α−オレフィン共重合体を提供する。
【解決手段】密度が860〜950kg/m3、メルトフローレートが0.01〜100g/10分、ゲル・パーミエイション・クロマトグラフ法により測定された分子量分布曲線において、最大ピークを与える分子量が10,000から20,000の範囲にあり、該最大ピークの高さを100%とした時の、分子量177,000の位置でのピーク高さが5%以上30%以下であり、特性緩和時間が式(1)の関係を満足し、示差走査熱量計によって観測される融解ピークが複数個存在する、エチレン−α−オレフィン共重合体。
40.2×MFR−0.606<τ<71.8×MFR−0.175 式(1)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エチレン−α−オレフィン共重合体および該エチレン−α−オレフィン共重合体を押出成形して得られる成形体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
エチレン−α−オレフィン共重合体は、種々の成形法により、フィルム、シート、ボトル等に成形され、食品包装材などの種々の用途に供されている。
エチレン−α−オレフィン共重合体のうち、メタロセン触媒を用いて重合された共重合体は、衝撃強度や引張強度等の機械的強度に優れることが知られている。そのため、このような共重合体を用いると、メタロセン触媒ではない触媒を用いて重合されたエチレン−α−オレフィン共重合体から形成された成形品が有する機械的強度を維持したまま、その厚みを薄くすることができるため、成形品の軽量化や低コスト化が期待できることから、種々の用途に該共重合体を利用することが検討されている。ところが、従来のメタロセン触媒を用いて重合されたエチレン−α−オレフィン共重合体は、押出加工時の押出負荷が高く、メルトテンションが小さいことから、成形加工性の改良が求められていた。また、メタロセン触媒を用いて得られたエチレン−α−オレフィン共重合体は、一般的にコモノマー組成分布が狭くなり、結晶の融解温度が均一化するため、ヒートシール可能な温度幅が狭くなる等、二次加工性に劣るという傾向もあった。
【0003】
これに対して、昨今では、新規なメタロセン触媒が検討され、該触媒により重合された成形加工性が改良されたエチレン−α−オレフィン共重合体が提案されている。例えば、特許文献1には、2つのシクロペンタジエン型アニオン骨格を有する基が架橋基を介して結合した配位子を有する遷移金属化合物と、互いに結合していない2つの置換シクロペンタジエン型アニオン骨格を有する基を有する遷移金属化合物と、活性化用助触媒成分とからなるメタロセン触媒を用いて重合されたエチレン−α−オレフィン共重合体が記載されている。また、特許文献2には、シリカ、ヘキサメチルジシラザン、ジエチル亜鉛、ペンタフルオロフェノールおよび水が接触されてなる助触媒成分と、トリイソブチルアルミニウムと、ラセミ−エチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジフェノキシドとからなるメタロセン触媒を用いて重合されたエチレン−α−オレフィン共重合体が記載されている。また特許文献3には、2つのシクロペンタジエン型アニオン骨格を有する基が架橋基を介して結合した配位子を有する遷移金属化合物と、シクロペンタジエン型アニオン骨格を有する基とフルオレニル型アニオン骨格を有する基が架橋基を介して結合した配位子を有する遷移金属化合物の組み合わせよりなるメタロセン触媒と、助触媒としてメチルアルモキサンを多孔質シリカに担持処理してなる担体とを用いて重合されたエチレン−α−オレフィン共重合体が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−96125号公報
【特許文献2】特開2004−149761号公報
【特許文献3】特開2006−233206号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1や2に記載されたエチレン−α−オレフィン共重合体は、従来のメタロセン触媒を用いて重合されたエチレン−α−オレフィン共重合体に比べて成形加工時の押出負荷が低減されてはいるものの、さらなる押出負荷の低減が求められており、特許文献3に記載されたエチレン−α−オレフィン共重合体も、長鎖分岐が主鎖に十分に導入されておらず、歪硬化特性および成形時の引き取り性において、未だ十分満足のいくものではなかった。
かかる状況の下、本発明が解決しようとする課題は、押出負荷が低く、溶融張力が高く、溶融した共重合体を張力一定の条件で引き取った際の引き取り性に優れ、歪硬化特性に優れ、かつ二次加工性に優れるエチレン−α−オレフィン共重合体、該共重合体を押出成形してなる成形体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第一は、エチレンに基づく単量体単位と炭素数3〜20のα−オレフィンに基づく単量体単位とを有し、密度(d)が860〜950kg/m3であり、メルトフローレート(MFR)が0.01〜100g/10分であり、ゲル・パーミエイション・クロマトグラフ(GPC)法により測定された分子量分布曲線において、最大ピークを与える分子量が10,000から20,000の範囲にあり、該最大ピークの高さを100%とした時の、分子量177,000の位置でのピーク高さが5%以上30%以下であり、特性緩和時間(τ)が式(1)の関係を満足し、示差走査熱量計(DSC)によって観測される融解ピークが複数個存在する、エチレン−α−オレフィン共重合体にかかるものである。
40.2×MFR−0.606<τ<71.8×MFR−0.175 式(1)
【0007】
本発明の第二は、エチレンに基づく単量体単位と炭素数3〜20のα−オレフィンに基づく単量体単位とを有し、密度(d)が860〜950kg/m3であり、メルトフローレート(MFR)が0.01〜100g/10分であり、ゲル・パーミエイション・クロマトグラフ(GPC)法により測定された分子量分布曲線において、最大ピークを与える分子量が10,000から20,000の範囲にあり、該最大ピークの高さを100%とした時の、分子量177,000の位置でのピーク高さが5%以上30%以下であり、NMRで測定される炭素数5以上の分岐数(NLCB)が0.1以上であり、示差走査熱量計(DSC)によって観測される融解ピークが複数個存在する、エチレン−α−オレフィン共重合体にかかるものである。
【0008】
本発明の第三は、上記エチレン−α−オレフィン共重合体を押出成形して得られる成形体にかかるものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、押出負荷が低く、溶融張力が高く、溶融した共重合体を張力一定の条件で引き取った際の引き取り性に優れ、歪硬化特性に優れ、かつ二次加工性に優れるエチレン−α−オレフィン共重合体、並びに、該共重合体を押出成形して得られる成形体を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の第一の態様は、エチレンに基づく単量体単位と炭素数3〜20のα−オレフィンに基づく単量体単位とを有し、密度(d)が860〜950kg/m3であり、メルトフローレート(MFR)が0.01〜100g/10分であり、ゲル・パーミエイション・クロマトグラフ(GPC)法により測定された分子量分布曲線において、最大ピークを与える分子量が10,000から20,000の範囲にあり、該最大ピークの高さを100%とした時の、分子量177,000の位置でのピーク高さが5%以上30%以下であり、特性緩和時間(τ)が式(1)の関係を満足し、示差走査熱量計(DSC)によって観測される融解ピークが複数個存在する、エチレン−α−オレフィン共重合体である。
40.2×MFR−0.606<τ<71.8×MFR−0.175 式(1)
本発明の第二の態様は、エチレンに基づく単量体単位と炭素数3〜20のα−オレフィンに基づく単量体単位とを有し、密度(d)が860〜950kg/m3であり、メルトフローレート(MFR)が0.01〜100g/10分であり、ゲル・パーミエイション・クロマトグラフ(GPC)法により測定された分子量分布曲線において、最大ピークを与える分子量が10,000から20,000の範囲にあり、該最大ピークの高さを100%とした時の、分子量177,000の位置でのピーク高さが5%以上30%以下であり、NMRで測定される炭素数5以上の分岐数(NLCB)が0.1以上であり、示差走査熱量計(DSC)によって観測される融解ピークが複数個存在する、エチレン−α−オレフィン共重合体である。
まず、第一の態様と第二の態様に共通する要件について、詳細に説明する。
【0011】
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体は、エチレンに基づく単量体単位と炭素数3〜20のα−オレフィンに基づく単量体単位とを有するエチレン−α−オレフィン共重合体である。該α−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデセン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン等があげられ、これらは単独で用いられていてもよく、2種以上を併用されていてもよい。α−オレフィンとしては、好ましくは1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテンであり、さらに好ましくは1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテンである。
【0012】
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体は、上記のエチレンに基づく単量体単位および炭素数3〜20のα−オレフィンに基づく単量体単位に加え、本発明の効果を損なわない範囲において、他の単量体に基づく単量体単位を有していてもよい。他の単量体としては、例えば、共役ジエン(例えばブタジエンやイソプレン)、非共役ジエン(例えば1,4−ペンタジエン)、アクリル酸、アクリル酸エステル(例えばアクリル酸メチルやアクリル酸エチル)、メタクリル酸、メタクリル酸エステル(例えばメタクリル酸メチルやメタクリル酸エチル)、酢酸ビニル等があげられる。
【0013】
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体中のエチレンに基づく単量体単位の含有量は、エチレン−α−オレフィン共重合体の全重量(100重量%)中、通常50〜99.5重量%である。またα−オレフィンに基づく単量体単位の含有量は、エチレン−α−オレフィン共重合体の全重量(100重量%)中、通常0.5〜50重量%である。
【0014】
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体として、好ましくは、エチレンに基づく単量体単位および炭素数4〜20のα−オレフィンに基づく単量体単位を有する共重合体であり、より好ましくは、エチレンに基づく単量体単位および炭素数5〜20のα−オレフィンに基づく単量体単位を有する共重合体であり、さらに好ましくは、エチレンに基づく単量体単位および炭素数6〜8のα−オレフィンに基づく単量体単位を有する共重合体である。
【0015】
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体としては、例えば、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体、エチレン−1−ブテン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−ブテン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−1−ブテン−1−オクテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン−1−オクテン共重合体等があげられ、好ましくはエチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−1−ブテン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−ブテン−1−オクテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン−1−オクテン共重合体である。
【0016】
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体の密度(以下、「d」と記載することがある。)は、860〜950kg/m3である。得られる成形体の機械的強度を高める観点から、好ましくは940kg/m3以下であり、より好ましくは935kg/m3以下である。また、得られる成形体の剛性を高める観点から、好ましくは870kg/m3以上であり、より好ましくは880kg/m3以上であり、更に好ましくは890kg/m3以上であり、特に好ましくは900kg/m3以上である。該密度は、JIS K6760−1995に記載のアニーリングを行った後、JIS K7112−1980のうち、A法に規定された方法に従って測定される。また、エチレン−α−オレフィン共重合体の密度は、エチレン−α−オレフィン共重合体中のエチレンに基づく単量体単位の含有量により変更することができる。
【0017】
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体のメルトフローレート(以下、「MFR」と記載することがある。)は、通常、0.01〜100g/10分である。該メルトフローレートは、成形加工時の押出負荷を低減する観点から、好ましくは0.1g/10分以上である。また、得られる成形体の機械的強度を高める観点から、好ましくは50g/10分以下であり、より好ましくは30g/10分以下であり、さらに好ましくは15g/10分以下である。該メルトフローレートは、JIS K7210−1995に規定された方法において、温度190℃、荷重21.18Nの条件で、A法により測定される値である。また、エチレン−α−オレフィン共重合体のメルトフローレートは、後述する製造方法において、例えば、水素濃度または重合温度により変更することができ、水素濃度または重合温度を高くすると、エチレン−α−オレフィン共重合体のメルトフローレートが大きくなる。
【0018】
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体は、高分子量側に広い分布を有する分子量分布を示し、ゲル・パーミエイション・クロマトグラフ(GPC)法により測定された分子量分布曲線において、最大ピークを与える分子量が10,000から20,000の範囲にあり、該最大ピークの高さを100%とした時の、分子量177,000の位置でのGPC曲線の高さ(H)が5%以上30%以下であり、好ましくは10%以上25%以下である。このような要件を満たす本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体は、押出負荷が低く、かつ歪硬化特性に優れる。最大ピーク位置の分子量が高すぎると、押出負荷が高くなる。また、エチレン−α−オレフィン共重合体の最大ピーク位置の分子量が10,000から20,000の範囲にある時に、分子量177,000の位置でのGPC曲線の高さ(H)が5%未満であると、高分子量成分が少なく、十分な歪硬化特性を発現しない。
【0019】
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体は、該エチレン−α−オレフィン共重合体の示差走査熱量測定から得られる融解曲線において、25℃から融解終了温度までの範囲に存在する融解ピークが複数個存在する共重合体である。融解ピークが複数個存在するということは、エチレン−α−オレフィン共重合体の融解曲線において、最大融解ピーク(ピーク高さが最も大きい融解ピーク)とは別の融解ピークが多く存在するということであり、エチレン−α−オレフィン共重合体の組成分布(エチレン−α−オレフィン共重合体に含まれる各重合体成分間での単量体単位の含有割合の分布)が広いことを意味する。本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体が有する融解ピークの数は、通常、2〜5であり、好ましくは、2〜3である。融解ピークの数が多い共重合体は、同一密度の共重合体同士で比較したときに、ヒートシール可能な温度幅が広くなる等、二次加工性に優れる。
【0020】
なお、エチレン−α−オレフィン共重合体の融解曲線は、示差走査熱量計(例えば、パーキンエルマー社製の示差走査型熱量計DSC−7型)により、例えば、約10mgの試料を封入したアルミニウムパンを、(1)150℃で5分間保持し、(2)5℃/分で150℃から20℃まで降温し、(3)20℃で2分間保持し、(4)5℃/分で20℃から融解終了温度+約20℃(通常150℃程度)まで昇温して、(4)の測定で得られた示差走査熱量測定曲線から得られる。
【0021】
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体の重量平均分子量(以下、「Mw」と記載することがある。)と数平均分子量(以下、「Mn」と記載することがある。)との比(以下、「Mw/Mn」と記載することがある。)は、好ましくは4〜30であり、Z平均分子量(以下、「Mz」と記載することがある。)と重量平均分子量(Mw)との比(以下、「Mz/Mw」と記載することがある。)は、好ましくは5〜15である。Mw/Mnが小さすぎると、成形加工時の押出負荷が高くなることがある。Mw/Mnは、より好ましくは4.5以上であり、さらに好ましくは5.5以上であり、特に好ましくは6以上である。Mw/Mnが大きすぎるあるいはMz/Mwが大きすぎると、得られる成形体の機械的強度が低くなることがある。Mw/Mnは、好ましくは25以下であり、より好ましくは20以下であり、さらに好ましくは18以下である。なお、該Mw/Mnと該Mz/Mwとは、GPC法により、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)およびZ平均分子量(Mz)を測定し、MwをMnで除し、MzをMwで除すことにより求められる。また、該Mw/Mnは、後述する製造方法において、例えば、水素濃度により変更することができ、水素濃度を高くすると、エチレン−α−オレフィン共重合体のMw/Mnが小さくなる。該Mz/Mwは、後述する製造方法において、例えば、遷移金属化合物(B1)と遷移金属化合物(B2)との使用割合により変更することができる。
【0022】
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体のスウェル比(以下、「SR」と記載することがある。)は、Tダイを用いて該共重合体を押出成形してフィルムを製造する際のネックインが抑制するためには、好ましくは1.8以上である。また、押出成形時の引き取り性を高める観点からは、SRは好ましくは3.2以下であり、より好ましくは3.0以下である。該スウェル比は、メルトフローレート(MFR)を測定する際に、温度190℃、荷重21.18Nの条件でオリフィスから、15〜20mm程度の長さで押出したエチレン−α−オレフィン共重合体のストランドを、空気中で冷却し、得られた固体状のストランドについて、押出し上流側先端から約5mmの位置でのストランドの直径D(単位:mm)を測定し、その直径Dをオリフィス径2.095mm(D0)で除した値(D/D0)である。また、該スウェル比は、後述する製造方法において、例えば、重合時の水素濃度やエチレン圧または電子供与性化合物濃度により変更することができ、水素濃度を高く、またはエチレン圧を低くすると、エチレン−α−オレフィン共重合体のスウェル比が大きくなる。その他にも、重合時に予備重合を実施することなどでスウェル比を制御することができうる。
【0023】
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体の歪硬化の強さを表す伸張粘度非線形指数kは、0.4よりも大きいことが好ましく、より好ましくは0.7よりも大きく、さらに好ましくは0.9よりも大きく、1.1よりも大きいことがもっとも好ましい。kが小さいと十分な歪硬化を示さないことを意味し、各種成形において不具合をきたすことがある。
【0024】
伸張粘度非線形指数kは、130℃の温度および1s-1のHencky速度で伸張したときの溶融樹脂の粘度−時間曲線σ(t)を、130℃の温度および0.1s-1のHencky速度で伸張したときの溶融樹脂の粘度−時間曲線σ0.1(t)で割って得られる曲線
α(t)=σ(t)/σ0.1(t) (6)
に対して、tが1.5秒から2.5秒の間のlnα(t)の傾きとして算出される値である。
【0025】
溶融樹脂の粘度−時間曲線σ(t)の測定は、粘弾性測定装置(例えば、TAインスツルメント社製ARESなど。)を用いて行われる。なお、測定は窒素雰囲気下で行われる。
【0026】
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体は、高歪領域での歪硬化の強さと低歪領域での歪硬化の強さとの比である、伸張粘度非線形指数比k1/k2が、0.8−1.1の範囲であることが好ましい。
【0027】
ここで、k1は時刻tが2.0秒から2.5秒の間のlnα(t)の傾きであり、k2は時刻tが1.5秒から2.0秒の間のlnα(t)の傾きである。すなわち、伸張粘度非線形指数比k1/k2は、高歪領域でも十分な歪硬化を示している場合、大きな値となり、高歪領域で、歪硬化が不十分であると小さな値となる。従来のエチレン−α−オレフィン共重合体は、高歪領域での歪硬化が不十分であったが、本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体は、高歪領域で高い歪硬化特性を維持する。本発明の重合体のk1/k2の値としては、より好ましくは0.9−1.1の範囲である。k1/k2は、水素濃度を調整するなどして分子量を調節することで制御することができ、k1/k2の値が小さい場合、水素濃度を高めて、分子量を適切な範囲で低下させることでk1/k2を高めることができる。
【0028】
本発明の第一の態様では、エチレン−α−オレフィン共重合体の特性緩和時間(以下、「τ」と記載することがある。)が以下の関係式(1)
40.2×MFR−0.606<τ<71.8×MFR−0.175 式(1)
を満たすものであり、より好ましくは式(1)’の関係式を満足し、更に好ましくは式(1)’’の関係式を満足する。
45.9×MFR−0.606<τ<66.3×MFR−0.175 式(1)’
51.7×MFR−0.606<τ<60.8×MFR−0.175 式(1)’’
【0029】
一般的に、絡み合いが十分に存在する高分子では、以下の式が成り立つことが知られている。
τ=G・η 式(2)
また、P.M.Wood-Adamsらの論文(Macromolecules, 33, 7489 (2000))のFigure14で、長鎖分岐を含有するメタロセンポリエチレンにおいて、ηとMwのlog−logプロッ
トは、直線で表現できることが報告されている。これはすなわち、長鎖分岐を含有するポリエチレンで以下の式
η=H・Mwε 式(3)
が成立することを強く示唆する。この式(3)を式(2)に代入すると、下記の式(4)を導くことができる。
τ=G’・MFRε 式(4)
そこで、実施例にあるデータから、遷移金属化合物(B1):遷移金属化合物(B2)=12.5:1で水素濃度以外の重合条件をほぼ一定に揃えた実施例のτとMFRのプロットに対して表計算ソフト(例えば、Microsoft Excel)を用いて(4)式でフィッティングし、フィッティングして求めたG’の値を1.3倍して((1)’ではG’の値を1.2倍、(1)’’ではG’の値を1.1倍して)、εはフィッティングで得られた結果をそのまま使用して、式(1)、(1)’および(1)’’の右辺を得た。また、無水素条件で遷移金属化合物(B1)と遷移金属化合物(B2)の比を(B1):(B2)=12.5:1−60:1の範囲で変えて重合して得られたエチレン−α−オレフィン共重合体、すなわち高分子量成分と低分子量成分の比を変えたエチレン−α−オレフィン共重合体の実施例のτとMFRのプロットに対して、表計算ソフト(Microsoft Excel)を用いて(4)式でフィッティングし、フィッティングして求めたG’の値を0.7倍して((1)’ではG’の値を0.8倍、(1)’’ではG’の値を0.9倍して)、εはフィッティングで得られた結果をそのまま使用して、式(1)、(1)’および(1)’’の左辺を得た。
【0030】
特性緩和時間(τ)は、エチレン−α−オレフィン共重合体が有する長鎖分枝の長さと長鎖分岐の量に関係する数値であり、長鎖分枝が短い(または、長鎖分岐量が少ない)と特性緩和時間は小さな値となり、長鎖分枝が長い(または長鎖分岐量が多い)と特性緩和時間は大きな値となる。高い溶融張力、高い歪硬化特性を得るためには、十分な量、または十分な長さの長鎖分岐が分子鎖に導入されている必要があり、一定以上の緩和時間を有することが好ましい。一方、あまりに長い緩和時間を有する重合体は、歪硬化特性は高いが、同じ溶融張力で比較した場合に、溶融樹脂の最大引取速度が遅くなる。特性緩和時間は、例えば、水素濃度やエチレン圧などの重合条件や、遷移金属化合物(B1)と遷移金属化合物(B2)との使用割合により変更することができ、遷移金属化合物(B2)の使用割合を少なくすると、エチレン−α−オレフィン共重合体の特性緩和時間を長くすることができる。
【0031】
特性緩和時間は、温度−時間重ね合わせ原理に基づいて作成される、190℃での溶融複素粘度(単位:Pa・sec)の角周波数(単位:rad/sec)依存性を示すマスターカーブから算出される数値である。具体的には、130℃、150℃、170℃および190℃夫々の温度(T、単位:℃)におけるエチレン−α−オレフィン共重合体の溶融複素粘度−角周波数曲線(溶融複素粘度の単位はPa・sec、角周波数の単位はrad/secである。)を、温度−時間重ね合わせ原理に基づいて、190℃における溶融複素粘度−角周波数曲線に重ね合わせてマスターカーブを作成し、得られたマスターカーブを下記式(5)で近似することにより算出される値である。
η=η0/[1+(τ×ω)n] (5)
η:溶融複素粘度(単位:Pa・sec)
ω:角周波数(単位:rad/sec)
τ:特性緩和時間(単位:sec)
η0:エチレン−α−オレフィン共重合体毎に求まる定数(単位:Pa・sec)
n:エチレン−α−オレフィン共重合体毎に求まる定数
上記計算は、市販の計算ソフトウェアを用いてもよく、該計算ソフトウェアとしては、Rheometrics社製 Rhios V.4.4.4などがあげられる。
【0032】
溶融複素粘度−角周波数曲線の測定は、粘弾性測定装置(例えば、Rheometrics社製Rheometrics Mechanical Spectrometer RMS−800など。)を用い、通常、ジオメトリー:パラレルプレート、プレート直径:25mm、プレート間隔:1.5〜2mm、ストレイン:5%、角周波数:0.1〜100rad/秒の条件で行われる。なお、測定は窒素雰囲気下で行われ、また、測定試料には予め酸化防止剤を適量(例えば1000ppm。)を配合することが好ましい。
【0033】
本発明の第二の態様では、エチレン−α−オレフィン共重合体の炭素数5以上の分岐数(以下、「NLCB」と記載することがある。)が、成形加工時の押出負荷をより低減する観点から、好ましくは0.1/1000炭素(以下1000炭素を1000Cと記載)以上であり、より好ましくは0.12/1000C以上である。また、得られる成形体の機械的強度を高める観点から、好ましくは1/1000C以下であり、より好ましくは0.7/1000C以下であり、更に好ましくは0.5/1000C以下である。エチレン−α−オレフィン共重合体のNLCBは、後述する製造方法において、例えば、電子供与性化合物の濃度または遷移金属化合物(B1)と遷移金属化合物(B2)との使用割合により変更することができる。また、予備重合を実施することによっても制御しうる。
【0034】
LCBは、カーボン核磁気共鳴(13C−NMR)法によって測定された13C−NMRスペクトルから、5〜50ppmに観測されるすべてのピークの面積の総和を1000として、炭素数5以上の分岐が結合したメチン炭素に由来するピークの面積を求めることにより得られる。炭素数5以上の分岐が結合したメチン炭素に由来するピークは38.2ppm付近(参考:学術文献「Macromolecules」,(米国),American Chemical Society,1999年,第32巻,p.3817−3819)に観測される。この炭素数5以上の分岐が結合したメチン
炭素に由来するピークの位置は、測定装置および測定条件によりずれることがあるため、通常、測定装置および測定条件毎に、標品の測定を行って決定する。また、スペクトル解析には、窓関数として、負の指数関数を用いることが好ましい。
【0035】
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体は、下記成分(A)の存在下、下記成分(B1)および下記成分(B2)と、下記成分(C)と、下記成分(D)とを接触させて形成される触媒を用いて、エチレンとα−オレフィンとを共重合することにより得られる。
成分(B1)と、成分(B2)とのモル比((B1)/(B2))は、通常1〜90である。
成分(A):エチレンおよび/またはα−オレフィン
成分(B1):下記一般式(1)で表される遷移金属化合物



[式中、Mは、元素周期律表の第4族の遷移金属原子を表し、Jは、元素周期律表の第14族の原子を表し、mは、1〜5の整数を表し、X、RおよびRは、それぞれ同一または相異なり、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよい炭素数1〜20のハイドロカルビル基、置換されていてもよい炭素数1〜20のハイドロカルビルオキシ基、炭素数1〜20のハイドロカルビルシリル基または炭素数1〜20のハイドロカルビルアミノ基を表し、複数のX1は互いに同じであっても異なっていてもよく、複数のRは互いに同じであっても異なっていてもよく、複数のRは互いに同じであっても異なっていてもよい。]
成分(B2):下記一般式(2)で表される遷移金属化合物


[式中、Mは、元素周期律表の第4族の遷移金属原子を表し、Jは、元素周期律表の第14族の原子を表し、nは1〜5の整数を表し、X、R、RおよびRは、それぞれ同一または相異なり、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよい炭素数1〜20のハイドロカルビル基、置換されていてもよい炭素数1〜20のハイドロカルビルオキシ基、炭素数1〜20のハイドロカルビルシリル基または炭素数1〜20のハイドロカルビルアミノ基を表し、複数のXは互いに同じであっても異なっていてもよく、複数のRは互いに同じであっても異なっていてもよく、複数のRは互いに同じであっても異なっていてもよく、複数のRは互いに同じであっても異なっていてもよい。]
成分(C):下記成分(C−1)および/または下記成分(C−2)
成分(C−1):下記成分(a)と、下記成分(b)とを接触させて形成される固体状触媒成分
成分(a):(a−1)元素の周期律表第13族の有機金属化合物、(a−2)有機アルミニウムオキシ化合物、および(a−3)ホウ素化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物
成分(b):固体状担体
成分(C−2):有機化合物と粘土鉱物とを接触させて形成される変性粘土鉱物
成分(D):有機アルミニウム化合物
【0036】
成分(A)は、重合に用いるモノマーであり、エチレンおよび/またはα−オレフィンである。α−オレフィンとしては、炭素数3〜20のオレフィンが挙げられ、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデセン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセンなどが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。
これらの中でも、エチレンと、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテンおよび1−オクテンからなる群から選ばれる1種以上のα−オレフィンとを併用することが好ましい。
【0037】
一般式(1)のM1および一般式(2)のM2は、元素周期律表の第4族の遷移金属原子を表し、例えば、チタン原子、ジルコニウム原子、ハフニウム原子などがあげられる。
【0038】
一般式(1)のJ1および一般式(2)のJ2は、元素周期律表の第14族の原子を表す。好ましくは、炭素原子またはケイ素原子である。
【0039】
一般式(1)のmおよび一般式(2)のnは1〜5の整数である。mとして好ましくは、1〜2である。nとして好ましくは、1〜2である。
【0040】
一般式(1)のX1、R1、R2、一般式(2)のX2、R3、R4およびR5は、それぞれ同一または相異なり、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよい炭素数1〜20のハイドロカルビル基、置換されていてもよい炭素数1〜20のハイドロカルビルオキシ基、炭素数1〜20のハイドロカルビルシリル基または炭素数1〜20のハイドロカルビルアミノ基であり、複数のX1は互いに同じであっても異なっていてもよく、複数のR1、R2は互いに同じであっても異なっていてもよく、複数のX2は互いに同じであっても異なっていてもよく、複数のR3、R4は互いに同じであっても異なっていてもよい。
【0041】
1、R1、R2、X2、R3、R4およびR5のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などがあげられる。
【0042】
1、R1、R2、X2、R3、R4およびR5の置換されていてもよい炭素数1〜20のハイドロカルビル基としては、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素数7〜20のアラルキル基、炭素数6〜20のアリール基などがあげられる。
【0043】
炭素数1〜20のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、イソペンチル基、n−ヘキシル基、n−へプチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−エイコシル基などがあげられる。
【0044】
炭素数1〜20のハロゲン化アルキル基としては、例えば、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、ブロモメチル基、ジブロモメチル基、トリブロモメチル基、ヨードメチル基、ジヨードメチル基、トリヨードメチル基、フルオロエチル基、ジフルオロエチル基、トリフルオロエチル基、テトラフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、クロロエチル基、ジクロロエチル基、トリクロロエチル基、テトラクロロエチル基、ペンタクロロエチル基、ブロモエチル基、ジブロモエチル基、トリブロモエチル基、テトラブロモエチル基、ペンタブロモエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基、パーフルオロドデシル基、パーフルオロペンタデシル基、パーフルオロエイコシル基、パークロロプロピル基、パークロロブチル基、パークロロペンチル基、パークロロヘキシル基、パークロロオクチル基、パークロロドデシル基、パークロロペンタデシル基、パークロロエイコシル基、パーブロモプロピル基、パーブロモブチル基、パーブロモペンチル基、パーブロモヘキシル基、パーブロモオクチル基、パーブロモドデシル基、パーブロモペンタデシル基、パーブロモエイコシル基などがあげられる。
【0045】
炭素数7〜20のアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、(2−メチルフェニル)メチル基、(3−メチルフェニル)メチル基、(4−メチルフェニル)メチル基、(2,3−ジメチルフェニル)メチル基、(2,4−ジメチルフェニル)メチル基、(2,5−ジメチルフェニル)メチル基、(2,6−ジメチルフェニル)メチル基、(3,4−ジメチルフェニル)メチル基、(4,6−ジメチルフェニル)メチル基、(2,3,4−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,5−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,6−トリメチルフェニル)メチル基、(3,4,5−トリメチルフェニル)メチル基、(2,4,6−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)メチル基、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)メチル基、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)メチル基、(ペンタメチルフェニル)メチル基、(エチルフェニル)メチル基、(n−プロピルフェニル)メチル基、(イソプロピルフェニル)メチル基、(n−ブチルフェニル)メチル基、(sec−ブチルフェニル)メチル基、(tert−ブチルフェニル)メチル基、(n−ペンチルフェニル)メチル基、(ネオペンチルフェニル)メチル基、(n−ヘキシルフェニル)メチル基、(n−オクチルフェニル)メチル基、(n−デシルフェニル)メチル基、(n−デシルフェニル)メチル基、(n−テトラデシルフェニル)メチル基、ナフチルメチル基、アントラセニルメチル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基、ジフェニルメチル基、ジフェニルエチル基、ジフェニルプロピル基、ジフェニルブチル基などがあげられる。また、これらのアラルキル基がフッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子などのハロゲン原子で置換されたハロゲン化アラルキル基などがあげられる。
【0046】
炭素数6〜20のアリール基としては、例えば、フェニル基、2−トリル基、3−トリル基、4−トリル基、2,3−キシリル基、2,4−キシリル基、2,5−キシリル基、2,6−キシリル基、3,4−キシリル基、3,5−キシリル基、2,3,4−トリメチルフェニル基、2,3,5−トリメチルフェニル基、2,3,6−トリメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、3,4,5−トリメチルフェニル基、2,3,4,5−テトラメチルフェニル基、2,3,4,6−テトラメチルフェニル基、2,3,5,6−テトラメチルフェニル基、ペンタメチルフェニル基、エチルフェニル基、ジエチルフェニル基、トリエチルフェニル基、n−プロピルフェニル基、イソプロピルフェニル基、n−ブチルフェニル基、sec−ブチルフェニル基、tert−ブチルフェニル基、n−ペンチルフェニル基、ネオペンチルフェニル基、n−ヘキシルフェニル基、n−オクチルフェニル基、n−デシルフェニル基、n−ドデシルフェニル基、n−テトラデシルフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基などがあげられる。また、これらのアリール基がフッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子などのハロゲン原子で置換されたハロゲン化アリール基などがあげられる。
【0047】
また、置換されていてもよい炭素数1〜20のハイドロカルビル基としては、ハイドロカルビルシリル基で置換されたハイドロカルビル基、ハイドロカルビルアミノ基で置換されたハイドロカルビル基、ハイドロカルビルオキシ基で置換されたハイドロカルビル基などがあげられる。
【0048】
ハイドロカルビルシリル基で置換されたハイドロカルビル基としては、トリメチルシリルメチル基、トリメチルシリルエチル基、トリメチルシリルプロピル基、トリメチルシリルブチル基、トリメチルシリルフェニル基、ビス(トリメチルシリル)メチル基、ビス(トリメチルシリル)エチル基、ビス(トリメチルシリル)プロピル基、ビス(トリメチルシリル)ブチル基、ビス(トリメチルシリル)フェニル基、トリフェニルシリルメチル基などがあげられる。
【0049】
ハイドロカルビルアミノ基で置換されたハイドロカルビル基としては、ジメチルアミノメチル基、ジメチルアミノエチル基、ジメチルアミノプロピル基、ジメチルアミノブチル基、ジメチルアミノフェニル基、ビス(ジメチルアミノ)メチル基、ビス(ジメチルアミノ)エチル基、ビス(ジメチルアミノ)プロピル基、ビス(ジメチルアミノ)ブチル基、ビス(ジメチルアミノ)フェニル基、フェニルアミノメチル基、ジフェニルアミノメチル基、ジフェニルアミノフェニル基などがあげられる。
【0050】
ハイドロカルビルオキシ基で置換されたハイドロカルビル基としては、メトキシメチル基、エトキシメチル基、n−プロポキシメチル基、イソプロポキシメチル基、n−ブトキシメチル基、sec−ブトキシメチル基、tert−ブトキシメチル基、フェノキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、n−プロポキシエチル基、イソプロポキシエチル基、n−ブトキシエチル基、sec−ブトキシエチル基、tert−ブトキシエチル基、フェノキシエチル基、メトキシ−n−プロピル基、エトキシ−n−プロピル基、n−プロポキシ−n−プロピル基、イソプロポキシ−n−プロピル基、n−ブトキシ−n−プロピル基、sec−ブトキシ−n−プロピル基、tert−ブトキシ−n−プロピル基、フェノキシ−n−プロピル基、メトキシイソプロピル基、エトキシイソプロピル基、n−プロポキシイソプロピル基、イソプロポキシイソプロピル基、n−ブトキシイソプロピル基、sec−ブトキシイソプロピル基、tert−ブトキシイソプロピル基、フェノキシイソプロピル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、n−プロポキシフェニル基、イソプロポキシフェニル基、n−ブトキシフェニル基、sec−ブトキシフェニル基、tert−ブトキシフェニル基、フェノキシフェニル基などがあげられる。
【0051】
1、R1、R2、X2、R3、R4およびR5の置換されていてもよい炭素数1〜20のハイドロカルビルオキシ基としては、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数7〜20のアラルキルオキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基などがあげられる。
【0052】
炭素数1〜20のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基、n−ウンデシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、n−トリデシルオキシ基、n−テトラデシルオキシ基、n−ペンタデシルオキシ基、n−ヘキサデシルオキシ基、n−ヘプタデシルオキシ基、n−ヘプタデシルオキシ基、n−オクタデシルオキシ基、n−ノナデシルオキシ基、n−エイコソキシ基などがあげられる。また、これらのアルコキシ基が、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子などのハロゲン原子で置換されたハロゲン化アルコキシ基などがあげられる。
【0053】
炭素数7〜20のアラルキルオキシ基としては、例えば、ベンジルオキシ基、(2−メチルフェニル)メトキシ基、(3−メチルフェニル)メトキシ基、(4−メチルフェニル)メトキシ基、(2,3−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,4−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,5−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,6−ジメチルフェニル)メトキシ基、(3,4−ジメチルフェニル)メトキシ基、(3,5−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,4−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,5−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,6−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,4,5−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,4,6−トリメチルフェニル)メトキシ基、(3,4,5−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)メトキシ基、(ペンタメチルフェニル)メトキシ基、(エチルフェニル)メトキシ基、(n−プロピルフェニル)メトキシ基、(イソプロピルフェニル)メトキシ基、(n−ブチルフェニル)メトキシ基、(sec−ブチルフェニル)メトキシ基、(tert−ブチルフェニル)メトキシ基、(n−ヘキシルフェニル)メトキシ基、(n−オクチルフェニル)メトキシ基、(n−デシルフェニル)メトキシ基、(n−テトラデシルフェニル)メトキシ基、ナフチルメトキシ基、アントラセニルメトキシ基などがあげられる。また、これらのアラルキルオキシ基がフッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子などのハロゲン原子で置換されたハロゲン化アラルキルオキシ基などがあげられる。
【0054】
炭素数6〜20のアリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、3−メチルフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、2,3−ジメチルフェノキシ基、2,4−ジメチルフェノキシ基、2,5−ジメチルフェノキシ基、2,6−ジメチルフェノキシ基、3,4−ジメチルフェノキシ基、3,5−ジメチルフェノキシ基、2,3,4−トリメチルフェノキシ基、2,3,5−トリメチルフェノキシ基、2,3,6−トリメチルフェノキシ基、2,4,5−トリメチルフェノキシ基、2,4,6−トリメチルフェノキシ基、3,4,5−トリメチルフェノキシ基、2,3,4,5−テトラメチルフェノキシ基、2,3,4,6−テトラメチルフェノキシ基、2,3,5,6−テトラメチルフェノキシ基、ペンタメチルフェノキシ基、エチルフェノキシ基、n−プロピルフェノキシ基、イソプロピルフェノキシ基、n−ブチルフェノキシ基、sec−ブチルフェノキシ基、tert−ブチルフェノキシ基、n−ヘキシルフェノキシ基、n−オクチルフェノキシ基、n−デシルフェノキシ基、n−テトラデシルフェノキシ基、ナフトキシ基、アントラセノキシ基などがあげられる。また、これらのアリールオキシ基がフッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子などのハロゲン原子で置換されたハロゲン化アリールオキシ基などがあげられる。
【0055】
1、R1、R2、X2、R3、R4およびR5の炭素数1〜20のハイドロカルビルシリル基とは、炭素数1〜20のハイドロカルビル基で置換されたシリル基であり、炭素数1〜20のハイドロカルビル基としては、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基などがあげられる。炭素数1〜20のハイドロカルビルシリル基としては、例えば、炭素数1〜20のモノハイドロカルビルシリル基、炭素数2〜20のジハイドロカルビルシリル基、炭素数3〜20のトリハイドロカルビルシリル基などが挙げられ、炭素数1〜20のモノハイドロカルビルシリル基としては、例えば、メチルシリル基、エチルシリル基、n−プロピルシリル基、イソプロピルシリル基、n−ブチルシリル基、sec−ブチルシリル基、tert−ブチルシリル基、イソブチルシリル基、n−ペンチルシリル基、n−ヘキシルシリル基、フェニルシリル基などが挙げられ、炭素数2〜20のジハイドロカルビルシリル基としては、例えば、ジメチルシリル基、ジエチルシリル基、ジ−n−プロピルシリル基、ジイソプロピルシリル基、ジ−n−ブチルシリル基、ジ−sec−ブチルシリル基、ジ−tert−ブチルシリル基、ジイソブチルシリル基、ジフェニルシリル基などが挙げられ、炭素数3〜20のトリハイドロカルビルシリル基としては、例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリ−n−プロピルシリル基、トリイソプロピルシリル基、トリ−n−ブチルシリル基、トリ−sec−ブチルシリル基、トリ−tert−ブチルシリル基、トリイソブチルシリル基、tert−ブチル−ジメチルシリル基、トリ−n−ペンチルシリル基、トリ−n−ヘキシルシリル基、トリシクロヘキシルシリル基、トリフェニルシリル基などがあげられる。
【0056】
1、R1、R2、X2、R3、R4およびR5の炭素数1〜20のハイドロカルビルアミノ基とは、炭素数1〜20のハイドロカルビル基で置換されたアミノ基であり、炭素数1〜20のハイドロカルビル基としては、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基などがあげられる。炭素数1〜20ハイドロカルビルアミノ基としては、例えば、炭素数1〜20のモノハイドロカルビルアミノ基、炭素数2〜20のジハイドロカルビルアミノ基などが挙げられ、炭素数1〜20のモノハイドロカルビルアミノ基としては、例えば、メチルアミノ基、エチルアミノ基、n−プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、n−ブチルアミノ基、sec−ブチルアミノ基、tert−ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、n−ヘキシルアミノ基、n−オクチルアミノ基、n−デシルアミノ基、フェニルアミノ基、ベンジルアミノ基などがあげられ、炭素数2〜20のジハイドロカルビルアミノ基としては、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ−n−プロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジ−n−ブチルアミノ基、ジ−sec−ブチルアミノ基、ジ−tert−ブチルアミノ基、ジ−イソブチルアミノ基、tert−ブチルイソプロピルアミノ基、ジ−n−ヘキシルアミノ基、ジ−n−オクチルアミノ基、ジ−n−デシルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジベンジルアミノ基、tert−ブチルイソプロピルアミノ基、フェニルエチルアミノ基、フェニルプロピルアミノ基、フェニルブチルアミノ基、ピロリル基、ピロリジニル基、ピペリジニル基、カルバゾリル基、ジヒドロイソインドリル基などがあげられる。
【0057】
1として好ましくは、塩素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、トリフルオロメトキシ基、フェニル基、フェノキシ基、2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシ基、3,4,5−トリフルオロフェノキシ基、ペンタフルオロフェノキシ基、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−ペンタフルオロフェニルフェノキシ基、ベンジル基である。
【0058】
1として好ましくは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基であり、より好ましくは、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基であり、更に好ましくは水素原子である。
【0059】
2として好ましくは、炭素数1〜6のアルキル基であり、より好ましくは、炭素数1〜4のアルキル基である。
【0060】
2として好ましくは、塩素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、トリフルオロメトキシ基、フェニル基、フェノキシ基、2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシ基、3,4,5−トリフルオロフェノキシ基、ペンタフルオロフェノキシ基、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−ペンタフルオロフェニルフェノキシ基、ベンジル基である。
【0061】
3として好ましくは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基であり、より好ましくは、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基であり、更に好ましくは水素原子である。
【0062】
4として好ましくは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基であり、より好ましくは、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基であり、更に好ましくは水素原子である。
【0063】
5として好ましくは、炭素数1〜6のアルキル基であり、より好ましくは、炭素数1〜4のアルキル基である。
【0064】
一般式(1)で表される成分(B1)の遷移金属化合物としては、M1をジルコニウム原子、X1を塩素原子としたものとして、メチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(フェニル)メチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
【0065】
メチレンビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデンビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(フェニル)メチレンビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレンビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
【0066】
メチレン(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、エチレン(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
【0067】
メチレンビス(2,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、メチレンビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、メチレンビス(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、メチレンビス(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデンビス(2,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデンビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデンビス(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデンビス(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(フェニル)メチレンビス(2,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(フェニル)メチレンビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(フェニル)メチレンビス(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(フェニル)メチレンビス(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレンビス(2,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレンビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレンビス(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレンビス(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(2,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
【0068】
ジメチルシランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジエチルシランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(n−プロピル)シランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジイソプロピルシランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジシクロヘキシルシランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p−トリル)シランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジビニルシランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジアリルシランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(ビニル)シランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(アリル)(メチル)シランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(エチル)(メチル)シランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(n−プロピル)シランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(イソプロピル)シランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(シクロヘキシル)(メチル)ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(フェニル)シランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
【0069】
ジメチルシランジイルビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジエチルシランジイルビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(n−プロピル)シランジイルビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジイソプロピルシランジイルビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジシクロヘキシルシランジイルビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシランジイルビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(エチル)(メチル)シランジイルビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(n−プロピル)シランジイルビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(イソプロピル)シランジイルビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(シクロヘキシル)(メチル)ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(フェニル)シランジイルビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
【0070】
ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジエチルシランジイル(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(n−プロピル)シランジイル(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジイソプロピルシランジイル(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジシクロヘキシルシランジイル(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(エチル)(メチル)シランジイル(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(n−プロピル)シランジイル(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(イソプロピル)シランジイル(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(シクロヘキシル)(メチル)(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(フェニル)シランジイル(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
【0071】
ジメチルシランジイルビス(2,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシランジイルビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシランジイルビス(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシランジイルビス(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジエチルシランジイルビス(2,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジエチルシランジイルビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジエチルシランジイルビス(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジエチルシランジイルビス(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(n−プロピル)シランジイルビス(2,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(n−プロピル)シランジイルビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(n−プロピル)シランジイルビス(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(n−プロピル)シランジイルビス(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジイソプロピルシランジイルビス(2,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジイソプロピルシランジイルビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジイソプロピルシランジイルビス(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジイソプロピルシランジイルビス(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジシクロヘキシルシランジイルビス(2,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジシクロヘキシルシランジイルビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジシクロヘキシルシランジイルビス(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジシクロヘキシルシランジイルビス(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシランジイルビス(2,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシランジイルビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシランジイルビス(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシランジイルビス(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(エチル)(メチル)シランジイルビス(2,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(エチル)(メチル)シランジイルビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(エチル)(メチル)シランジイルビス(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(エチル)(メチル)シランジイルビス(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(n−プロピル)シランジイルビス(2,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(n−プロピル)シランジイルビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(n−プロピル)シランジイルビス(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(n−プロピル)シランジイルビス(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(イソプロピル)シランジイルビス(2,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(イソプロピル)シランジイルビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(イソプロピル)シランジイルビス(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(イソプロピル)シランジイルビス(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(シクロヘキシル)(メチル)ビス(2,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(シクロヘキシル)(メチル)ビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(シクロヘキシル)(メチル)ビス(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(シクロヘキシル)(メチル)ビス(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(フェニル)シランジイルビス(2,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(フェニル)シランジイルビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(フェニル)シランジイルビス(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(フェニル)シランジイルビス(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、等を例示することができる。
【0072】
上記例示においてη5−シクロペンタジエニル基の置換体は、架橋基が1−位の場合、一置換体であれば、2−位、3−位、4−位および5−位の置換体を含み、架橋位が1−位以外でも同様に全ての組合せを含む。二置換体以上も同様に、置換基および架橋位の全ての組合せを含む。また、上記遷移金属化合物のX1のジクロリドをジフルオライド、ジブロマイド、ジアイオダイド、ジメチル、ジエチル、ジイソプロピル、ジメトキシド、ジエトキシド、ジプロポキシド、ジブトキシド、ビス(トリフルオロメトキシド)、ジフェニル、ジフェノキシド、ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシド)、ビス(3,4,5−トリフルオロフェノキシド)、ビス(ペンタフルオロフェノキシド)、ビス(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−ペンタフルオロフェニルフェノキシド)、ジベンジル等に変更した化合物を例示することができる。さらに、上記遷移金属化合物のM1のジルコニウムをチタンまたはハフニウムに変更した化合物を例示することができる。
【0073】
一般式(1)で表される成分(B1)の遷移金属化合物として好ましくは、ジメチルシランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドである。
【0074】
一般式(2)で表される成分(B2)の遷移金属化合物としては、M2をジルコニウム原子、X2を塩素原子とし、架橋基[−(J2(R52n−]をジフェニルメチレン基としたものとして、ジフェニルメチレン(1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0075】
ジフェニルメチレン(2−メチル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−メチル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ジメチル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ジメチル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ジメチル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリメチル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリメチル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリメチル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトラメチル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0076】
ジフェニルメチレン(2−エチル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−エチル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ジエチル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ジエチル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ジエチル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリエチル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリエチル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリエチル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトラエチル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0077】
ジフェニルメチレン(2−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ジ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ジ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ジ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトラ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0078】
ジフェニルメチレン(2−イソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−イソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ジイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ジイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ジイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトライソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0079】
ジフェニルメチレン(2−フェニル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−フェニル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ジフェニル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ジフェニル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ジフェニル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリフェニル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリフェニル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリフェニル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトラフェニル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0080】
ジフェニルメチレン(2−トリメチルシリル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−トリメチルシリル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ビス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ビス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ビス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトラキス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0081】
ジフェニルメチレン(1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0082】
ジフェニルメチレン(2−メチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−メチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ジメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ジメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ジメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトラメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0083】
ジフェニルメチレン(2−エチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−エチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ジエチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ジエチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ジエチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリエチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリエチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリエチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトラエチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0084】
ジフェニルメチレン(2−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ジ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ジ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ジ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトラ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0085】
ジフェニルメチレン(2−イソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−イソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ジイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ジイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ジイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトライソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0086】
ジフェニルメチレン(2−フェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−フェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ジフェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ジフェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ジフェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリフェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリフェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリフェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトラフェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0087】
ジフェニルメチレン(2−トリメチルシリル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−トリメチルシリル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ビス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ビス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ビス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトラキス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0088】
ジフェニルメチレン(1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0089】
ジフェニルメチレン(2−メチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−メチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ジメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ジメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ジメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトラメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0090】
ジフェニルメチレン(2−エチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−エチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ジエチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ジエチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ジエチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリエチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリエチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリエチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトラエチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0091】
ジフェニルメチレン(2−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ジ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ジ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ジ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトラ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0092】
ジフェニルメチレン(2−イソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−イソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ジイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ジイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ジイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトライソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0093】
ジフェニルメチレン(2−フェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−フェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ジフェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ジフェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ジフェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリフェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリフェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリフェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトラフェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0094】
ジフェニルメチレン(2−トリメチルシリル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−トリメチルシリル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ビス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ビス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ビス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトラキス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0095】
ジフェニルメチレン(1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0096】
ジフェニルメチレン(2−メチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−メチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ジメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ジメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ジメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトラメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0097】
ジフェニルメチレン(2−エチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−エチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ジエチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ジエチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ジエチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリエチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリエチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリエチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトラエチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0098】
ジフェニルメチレン(2−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ジ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ジ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ジ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトラ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0099】
ジフェニルメチレン(2−イソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−イソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ジイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ジイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ジイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトライソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0100】
ジフェニルメチレン(2−フェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−フェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ジフェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ジフェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ジフェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリフェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリフェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリフェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトラフェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0101】
ジフェニルメチレン(2−トリメチルシリル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−トリメチルシリル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ビス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ビス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ビス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトラキス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド等を例示することができる。
【0102】
上記遷移金属化合物のX2のジクロリドを、ジフルオライド、ジブロマイド、ジアイオダイド、ジメチル、ジエチル、ジイソプロピル、ジメトキシド、ジエトキシド、ジプロポキシド、ジブトキシド、ビス(トリフルオロメトキシド)、ジフェニル、ジフェノキシド、ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシド)、ビス(3,4,5−トリフルオロフェノキシド)、ビス(ペンタフルオロフェノキシド)、ビス(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−ペンタフルオロフェニルフェノキシド)、ジベンジル等に変更した化合物を例示することができる。また、上記遷移金属化合物の架橋基[−(J2(R52n−]のジフェニルメチレン基を、メチレン基、エチレン基、イソプロピリデン基、メチルフェニルメチレン基、ジメチルシランジイル基、ジフェニルシランジイル基、シラシクロブタンジイル基、シラシクロヘキサンジイル基等に変更した化合物を例示することができる。さらに、上記遷移金属化合物のM2のジルコニウムをチタンまたはハフニウムに変更した化合物を例示することもできる。
【0103】
一般式(2)で表される成分(B2)の遷移金属化合物として好ましくは、ジフェニルメチレン(1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリドである。
【0104】
成分(C)は上記成分(C−1)および/または上記成分(C−2)である。
【0105】
成分(C−1)は上記成分(a)と、上記成分(b)とを接触させて形成される固体状触媒成分である。
【0106】
成分(a)に用いられる成分(a−1)の元素の周期律表第13族の有機金属化合物としては、好ましくは、有機アルミニウム化合物である。有機アルミニウム化合物としては、例えば、トリアルキルアルミニウム、ジアルキルアルミニウムクロライド、アルキルアルミニウムジクロライド、ジアルキルアルミニウムハイドライド、アルキル(ジアルコキシ)アルミニウム、ジアルキル(アルコキシ)アルミニウム、アルキル(ジアリールオキシ)アルミニウム、ジアルキル(アリールオキシ)アルミニウムなどが挙げられる。
【0107】
トリアルキルアルミニウムとしては、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウムなどが挙げられる。
【0108】
ジアルキルアルミニウムクロライドとしては、例えば、ジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムクロライド、ジ−n−プロピルアルミニウムクロライド、ジ−n−ブチルアルミニウムクロライド、ジイソブチルアルミニウムクロライド、ジ−n−ヘキシルアルミニウムクロライドなどが挙げられる。
【0109】
アルキルアルミニウムジクロライドとしては、例えば、メチルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムジクロライド、n−プロピルアルミニウムジクロライド、n−ブチルアルミニウムジクロライド、イソブチルアルミニウムジクロライド、n−ヘキシルアルミニウムジクロライドなどが挙げられる。
【0110】
ジアルキルアルミニウムハイドライドとしては、例えば、ジメチルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジ−n−プロピルアルミニウムハイドライド、ジ−n−ブチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、ジ−n−ヘキシルアルミニウムハイドライドなどが挙げられる。
【0111】
アルキル(ジアルコキシ)アルミニウムとしては、例えば、メチル(ジメトキシ)アルミニウム、メチル(ジエトキシ)アルミニウム、メチル(ジ−tert−ブトキシ)アルミニウムなどが挙げられる。
【0112】
ジアルキル(アルコキシ)アルミニウムとしては、例えば、ジメチル(メトキシ)アルミニウム、ジメチル(エトキシ)アルミニウム、メチル(tert−ブトキシ)アルミニウムなどが挙げられる。
【0113】
アルキル(ジアリールオキシ)アルミニウムとしては、例えば、メチル(ジフェノキシ)アルミニウム、メチルビス(2,6−ジイソプロピルフェノキシ)アルミニウム、メチルビス(2,6−ジフェニルフェノキシ)アルミニウムなどが挙げられる。
【0114】
ジアルキル(アリールオキシ)アルミニウムとしては、例えば、ジメチル(フェノキシ)アルミニウム、ジメチル(2,6−ジイソプロピルフェノキシ)アルミニウム、ジメチル(2,6−ジフェニルフェノキシ)アルミニウムなどが挙げられる。
これらの有機アルミニウム化合物は、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0115】
有機アルミニウム化合物として、好ましくは、トリアルキルアルミニウムであり、より好ましくは、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウムまたはトリ−n−オクチルアルミニウムであり、更に好ましくは、トリイソブチルアルミニウムまたはトリ−n−オクチルアルミニウムである。
【0116】
成分(a)に用いられる成分(a−2)の有機アルミニウムオキシ化合物としては、例えば、下記式[1]で表される環状のアルミノキサン、下記式[2]で表される線状のアルミノキサンなどが挙げられる。
【0117】
{−Al(R)−O−}i [1]
(式中、Rは炭化水素基を表し、複数のRは互いに同じであっても異なっていてもよい。iは2以上の整数を表す。)
【0118】
{−Al(R)−O−}jAlR2 [2]
(式中、Rは炭化水素基を表し、複数のRは互いに同じであっても異なっていてもよい。jは1以上の整数を表す。)
【0119】
式[1]におけるRおよび式[2]おけるRの炭化水素基として、好ましくは、 炭素数1〜8の炭化水素基であり、より好ましくは、 炭素数1〜8のアルキル基である。 炭素数1〜8のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基などが挙げられ、好ましくは、メチル基またはイソブチル基である。
【0120】
式[1]におけるiは、好ましくは、2〜40の整数であり、式[2]におけるjは、好ましくは、1〜40の整数である。
【0121】
式[1]で表される環状のアルミノキサンおよび式[2]で表される線状のアルミノキサンは、各種の方法で製造することができる。それらの製造方法は特に限定されず、公知の製造方法であってもよい。製造方法として、トリメチルアルミニウムのようなトリアルキルアルミニウムを、ベンゼンおよび脂肪族炭化水素のような適当な有機溶剤に溶解した溶液を水と接触させて製造する方法、トリメチルアルミニウムのようなトリアルキルアルミニウムを、硫酸銅水和物のような結晶水を含んでいる金属塩に接触させて製造する方法を例示することができる。これらの有機アルミニウムオキシ化合物は、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。好ましくは、トリメチルアルミニウムまたはトリイソブチルアルミニウムから調製された有機アルミニウムオキシ化合物である。
【0122】
成分(a)に用いられる成分(a−3)ホウ素化合物としては、(c−1)一般式 BQ123で表されるホウ素化合物、(c−2)一般式 G+(BQ1234-で表されるホウ素化合物、(c−3)一般式 (L−H)+(BQ1234-で表されるホウ素化合物から選ばれる1種以上のホウ素化合物を用いる。
【0123】
一般式 BQ123で表されるホウ素化合物(c−1)において、Bは3価の原子価状態のホウ素原子であり、Q1〜Q3はハロゲン原子、炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、置換シリル基、アルコキシ基または2置換アミノ基であり、それらは同じであっても異なっていても良い。Q1〜Q3は好ましくは、ハロゲン原子、1〜20個の炭素原子を含む炭化水素基、1〜20個の炭素原子を含むハロゲン化炭化水素基、1〜20個の炭素原子を含む置換シリル基、1〜20個の炭素原子を含むアルコキシ基または2〜20個の炭素原子を含むアミノ基であり、より好ましいQ1〜Q3はハロゲン原子、1〜20個の炭素原子を含む炭化水素基、または1〜20個の炭素原子を含むハロゲン化炭化水素基である。
さらに好ましくはQ1〜Q4は、それぞれ少なくとも1個のフッ素原子を含む 炭素数1〜20のフッ素化炭化水素基であり、特に好ましくはQ1〜Q4は、それぞれ少なくとも1個のフッ素原子を含む 炭素数6〜20のフッ素化アリール基である。
【0124】
化合物(c−1)の具体例としては、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、トリス(2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)ボラン、トリス(2,3,4,5−テトラフルオロフェニル)ボラン、トリス(3,4,5−トリフルオロフェニル)ボラン、トリス(2,3,4−トリフルオロフェニル)ボラン、フェニルビス(ペンタフルオロフェニル)ボラン等が挙げられるが、最も好ましくは、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボランである。
【0125】
一般式 G+(BQ1234-で表されるホウ素化合物(c−2)において、G+は無機または有機のカチオンであり、Bは3価の原子価状態のホウ素原子であり、Q1〜Q4は上記の(c−1)におけるQ1〜Q3と同様である。
【0126】
一般式 G+(BQ1234-で表される化合物における無機のカチオンであるG+の具体例としては、フェロセニウムカチオン、アルキル置換フェロセニウムカチオン、銀陽イオンなどが、有機のカチオンであるG+としては、トリフェニルメチルカチオンなどが挙げられる。G+として好ましくはカルベニウムカチオンであり、特に好ましくはトリフェニルメチルカチオンである。(BQ1234-としては、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(2,3,4,5−テトラフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(3,4,5−トリフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(2,3,4−トリフルオロフェニル)ボレート、フェニルトリス(ペンタフルオロフェニル)ボレ−ト、テトラキス(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)ボレートなどが挙げられる。
【0127】
これらの具体的な組み合わせとしては、フェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、1,1’−ジメチルフェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、銀テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルメチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルメチルテトラキス(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)ボレートなどを挙げることができるが、最も好ましくは、トリフェニルメチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートである。
【0128】
また、一般式(L−H)+(BQ1234-で表されるホウ素化合物(c−3)においては、Lは中性ルイス塩基であり、(L−H)+はブレンステッド酸であり、Bは3価の原子価状態のホウ素原子であり、Q1〜Q4は上記のルイス酸(c−1)におけるQ1〜Q3と同様である。
【0129】
一般式(L−H)+(BQ1234-で表される化合物におけるブレンステッド酸である(L−H)+の具体例としては、トリアルキル置換アンモニウム、N,N−ジアルキルアニリニウム、ジアルキルアンモニウム、トリアリールホスホニウムなどが挙げられ、(BQ1234-としては、前述と同様のものが挙げられる。
【0130】
これらの具体的な組み合わせとしては、トリエチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジエチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−2,4,6−ペンタメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)ボレート、ジイソプロピルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジシクロヘキシルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(メチルフェニル)ホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(ジメチルフェニル)ホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどを挙げることができるが、最も好ましくは、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、もしくは、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートである。
【0131】
成分(a)としては、好ましくは、成分(a−2)の有機アルミニウムオキシ化合物である。
【0132】
成分(b)に用いられる固体状担体としては、無機または有機の化合物であって、顆粒状ないしは微粒子状の固体であり、上記のような各成分が下記のような固体状担体に担持されている。
【0133】
このうち無機化合物としては、多孔質酸化物、無機塩化物、粘土、粘土鉱物またはイオン交換性層状化合物が挙げられ、好ましくは、後述のような多孔質酸化物、無機塩化物を使うことができる。
【0134】
多孔質酸化物として、具体的にはSiO2、Al2O3、MgO、ZrO、TiO2、B2O3、CaO、ZnO、BaO
、ThO2等、またはこれらを含む複合物または混合物を使用、例えば天然または合成ゼオラ
イト、SiO2-MgO、SiO2-Al2O3、SiO2-TiO2、SiO2-V2O5、SiO2-Cr2O3、SiO2-TiO2-MgO等を
使用することができる。これらのうち、SiO2を主成分とするものが好ましい。
【0135】
なお、上記無機酸化物は、少量のNa2CO3、K2CO3、CaCO3、MgCO3、Na2SO4、Al2(SO4)3
BaSO4、KNO3、Mg(NO3)2、Al(NO3)3、Na2O、K2O、Li2O等の炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、酸化
物成分を含有していても差し支えない。
【0136】
このような多孔質酸化物は、種類および製法によりその性状は異なるが、本発明に好ましく用いられる担体は、粒径が0.2〜300μm、好ましくは1〜200μmであって、比表面積が50〜1200m2/g、好ましくは100〜1000m2/gの範囲にあり、細孔容積が0.3〜30cm3/gの範
囲にあることが望ましい。このような担体は、必要に応じて100〜1000℃、好ましくは150〜700℃で焼成して使用される。
【0137】
無機塩化物としては、MgCl2、MgBr2、MnCl2、MnBr2等が用いられる。無機塩化物は、そ
のまま用いてもよいし、ボールミル、振動ミルにより粉砕した後に用いてもよい。また、アルコール等の溶媒に無機塩化物を溶解させた後、析出剤によって微粒子状に析出させたものを用いることもできる。
本発明で用いられる粘土は、通常粘土鉱物を主成分として構成される。また、本発明で用いられるイオン交換性層状化合物は、イオン結合等によって構成される面が互いに弱い結合力で平行に積み重なった結晶構造を有する化合物であり、含有するイオンが交換可能なものである。大部分の粘土鉱物はイオン交換性層状化合物である。また、これらの粘土、粘土鉱物、イオン交換性層状化合物としては、天然産のものに限らず、人工合成物を使用することもできる。
【0138】
また、粘土、粘土鉱物またはイオン交換性層状化合物として、粘土、粘土鉱物、また、六方細密パッキング型、アンチモン型、CdCl2型、CdI2型等の層状の結晶構造を有するイオン結晶性化合物等を例示することができる。
【0139】
このような粘土、粘土鉱物としては、カオリン、ベントナイト、木節粘土、ガイロメ粘土、アロフェン、ヒシンゲル石、パイロフィライト、ウンモ群、モンモリロナイト群、バーミキュライト、リョクデイ石群、パリゴルスカイト、カオリナイト、ナクライト、ディッカイト、ハロイサイト等が挙げられ、イオン交換性層状化合物としては、α-Zr(HAsO4)
2・H2O、α-Zr(HPO4)2、α-Zr(KPO4)2・3H2O、α-Ti(HPO4)2、α-Ti(HAsO4)2・H2O、α-
Sn(HPO4)2・H2O、γ-Zr(HPO4)2、γ-Ti(HPO4)2、γ-Ti(NH4PO4)2・H2O等の多価金属の結
晶性酸性塩等が挙げられる。
【0140】
このような粘土、粘土鉱物またはイオン交換性層状化合物は、水銀圧入法で測定した半径20Å以上の細孔容積が0.1cc/g以上のものが好ましく、0.3〜5cc/gのものが特に好ましい。ここで、細孔容積は、水銀ポロシメーターを用いた水銀圧入法により、細孔半径20〜
3×104Åの範囲について測定される。
【0141】
半径20Å以上の細孔容積が0.1cc/gより小さいものを担体として用いた場合には、高い重合活性が得られにくい傾向がある。
【0142】
本発明で用いられる粘土、粘土鉱物には、化学処理を施すことも好ましい。化学処理としては、表面に付着している不純物を除去する表面処理、粘土の結晶構造に影響を与える処理等、何れも使用できる。化学処理として具体的には、酸処理、アルカリ処理、塩類処理、有機物処理等が挙げられる。酸処理は、表面の不純物を取り除くほか、結晶構造中のAl、Fe、Mg等の陽イオンを溶出させることによって表面積を増大させる。アルカリ処理で
は粘土の結晶構造が破壊され、粘土の構造の変化をもたらす。また、塩類処理、有機物処理では、イオン複合体、分子複合体、有機誘導体等を形成し、表面積や層間距離を変えることができる。
【0143】
本発明で用いられるイオン交換性層状化合物は、イオン交換性を利用し、層間の交換性イオンを別の大きな嵩高いイオンと交換することにより、層間が拡大した状態の層状化合物であってもよい。このような嵩高いイオンは、層状構造を支える支柱的な役割を担っており、通常、ピラ-と呼ばれる。また、このように層状化合物の層間に別の物質を導入することをインターカレーションという。インターカレーションするゲスト化合物としては、TiCl4、ZrCl4等の陽イオン性無機化合物、Ti(OR)4、Zr(OR)4、PO(OR)3、B(OR)3等の金属アルコキシド(Rは炭化水素基等)、[Al13O4(OH)24]7+、[Zr4(OH)14]2+、[Fe3O(OCOCH3
)6]+等の金属水酸化物イオン等が挙げられる。これらの化合物は単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。また、これらの化合物をインターカレーションする際に、Si(OR)4、Al(OR)3、Ge(OR)4等の金属アルコキシド(Rは炭化水素基等)等を加水分解して得た重合物、SiO2等のコロイド状無機化合物等を共存させることもできる。また、ピラ-としては、上記金属水酸化物イオンを層間にインターカレーションした後に加熱脱水することにより生成する酸化物等が挙げられる。
【0144】
本発明で用いられる粘土、粘土鉱物、イオン交換性層状化合物は、そのまま用いてもよく、またボールミル、ふるい分け等の処理を行った後に用いてもよい。また、新たに水を添加吸着させ、あるいは加熱脱水処理した後に用いてもよい。さらに、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0145】
これらのうち、好ましいものは粘土または粘土鉱物であり、特に好ましいものはモンモリロナイト、バーミキュライト、ペクトライト、テニオライトおよび合成雲母である。
【0146】
有機化合物としては、粒径が10〜300μmの範囲にある顆粒状ないしは微粒子状固体を挙
げることができる。具体的には、エチレン、プロピレン、1-ブテン、4-メチル-1-ペンテン等の 炭素数が2〜14のオレフィンを主成分として生成される(共)重合体またはビニルシクロヘキサン、スチレンを主成分として生成される(共)重合体、およびそれらの変成体を例示することができる。
【0147】
成分(a)と成分(b)の接触は、成分(a)中の反応部位と成分(b)中の反応部位との反応により化学的に結合され成分(a)と成分(b)の接触物が形成される。成分(a)と成分(b)との接触時間は、通常20時間以下、好ましくは10時間以下であり、接触温度は、通常-50〜200℃、好ましくは-20〜120℃で行われる。成分(a)と成分(b)との初期接触を急激に行うと、その反応発熱や反応エネルギーにより成分(b)が崩壊し、得られる固体状触媒成分のモルフォロジーが悪化し、これを重合に用いた場合ポリマーモルフォロジー不良により連続運転が困難になることが多い。そのため、成分(a)と成分(b)との接触初期は、反応発熱を抑制する目的で、低温で接触させる、または、ゆっくりと反応させることが好ましい。成分(a)と成分(b)との接触のモル比(成分(a)/成分(b))は、任意に選択できるが、モル比が高いほうが、成分(B1)と成分(B2)の合計の接触量を増加でき、固体状触媒成分あたりの活性も向上させることができることにより好ましい。
【0148】
好ましい範囲として、成分(a)と成分(b)のモル比[=成分(a)のモル量/成分(b)のモル量]が、通常0.2〜2.0、特に好ましくは、0.4〜2.0である。
【0149】
成分(C−1)として、好ましくは、有機アルミニウムオキシ化合物とシリカとを接触させて形成される固体状触媒成分であり、より好ましくは、上記式[1]で表される環状のアルミノキサンまたは上記式[2]で表される線状のアルミノキサンとシリカとを接触させて形成される固体状触媒成分である。
【0150】
成分(C−2)は有機化合物と粘土鉱物とを接触させて形成される変性粘土鉱物である。粘土鉱物としては、上記成分(b)の粘土鉱物として例示したものと同じものを挙げることができる。
【0151】
成分(C−2)で用いられる有機化合物としては、例えば、下記式[3]、下記式[4]または下記式[5]で表される化合物が挙げられる。これらの中でも好ましくは、下記一般式[3]で表される化合物である。
【0152】
[Rx−1H]m1[An1 [3]
(式中、[A]はアニオンを表し、[Rx−1H]はカチオンを表し、Mは元素の周期律表第15族または第16族の原子を表し、Rは炭化水素基を表し、Rはそれぞれ独立に水素原子または炭化水素基を表す。xはMが第15族の元素の場合、3を表し、Mが第16族の元素の場合、2を表す。m1およびn1は電荷が釣り合うように選ばれた整数を表す。)
[C]m2[An2 [4]
(式中、[A]はアニオンを表し、[C]はカルボニウムカチオンまたはトロピリウムカチオンを表す。m2およびn2は電荷が釣り合うように選ばれた整数を表す。)
[Mm3[An3 [5]
(式中、[A]はアニオンを表し、Mはリチウム原子、鉄原子または銀原子の陽イオンを表し、Lはそれぞれ独立にルイス塩基または置換もしくは無置換のシクロペンタジエニル基を表す。yは0≦y≦2を表す。m3およびn3は電荷が釣り合うように選ばれた整数を表す。)
【0153】
〜Aのアニオンとしては、例えば、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、リン酸イオン、過塩素酸イオン、シュウ酸イオン、クエン酸イオン、コハク酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオンヘキサフルオロリン酸イオン等が挙げられる。
【0154】
の元素の周期律表第15族の原子としては、例えば、窒素原子、リン原子等が挙げられる。Mの元素の周期律表第16族の原子としては、例えば、酸素原子、硫黄原子等が挙げられる。
【0155】
のRおよびRの炭化水素基としては、好ましくは、 炭素数1〜20の炭化水素基である。 炭素数1〜20の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、アリル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、2−メチルブチル基、1−メチルブチル基、1−エチルプロピル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、ネオヘキシル基、2,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、4−メチル−2−ペンチル、3,3−ジメチル−2−ブチル基、1,1−ジメチルブチル基、2,3−ジメチル−2−ブチル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、シクロヘプチル基、2−メチルシクロヘキシル基、3−メチルシクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、n−オクチル基、イソオクチル基、1,5−ジメチルヘキシル基、1−メチルヘプチル基、2−エチルヘキシル基、tert−オクチル基、2,3−ジメチルシクロヘキシル基、2−(1−シクロヘキセニル)エチル基、n−ノニル基、n−デシル基、イソデシル基、ゲラニル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、シクロドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−エイコシル基、n−ヘンエイコシル基、n−ドコシル基、n−トリコシル基、オレイル基、ベヘニル基、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、2−エチルフェニル基、3−エチルフェニル基、4−エチルフェニル基、2−イソプロピルフェニル基、3−イソプロピルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、2−tert−ブチルフェニル基、4−n−ブチルフェニル基、4−sec−ブチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、2,3−キシリル基、2,4−キシリル基、2,5−キシリル基、2,6−キシリル基、3,4−キシリル基、3,5−キシリル基、2,6−ジエチルフェニル基、2−イソプロピル−6−メチルフェニル基、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、2−ブロモフェニル基、3−ブロモフェニル基、4−ブロモフェニル基、2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、2−エトキシフェニル基、3−エトキシフェニル基、4−エトキシフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−フルオレニル基、2−フルオレニル基、3−フルオレニル基、4−フルオレニル基、2,3−ジヒドロインデン−5−イル基、2−ビフェニル基、4−ビフェニル基、p−トリメチルシリルフェニル基等が挙げられる。また、RとRは互いに結合していてもよい。
【0156】
上記式[3]で表される化合物のうち、Mが窒素原子を表す場合、例えば、メチルアミン塩酸塩、エチルアミン塩酸塩、n−プロピルアミン塩酸塩、イソプロピルアミン塩酸塩、n−ブチルアミン塩酸塩、イソブチルアミン塩酸塩、tert−ブチルアミン塩酸塩、n−ペンチルアミン塩酸塩、イソペンチルアミン塩酸塩、2−メチルブチルアミン塩酸塩、ネオペンチルアミン塩酸塩、tert−ペンチルアミン塩酸塩、n−ヘキシルアミン塩酸塩、イソヘキシルアミン塩酸塩、n−ヘプチルアミン塩酸塩、n−オクチルアミン塩酸塩、n−ノニルアミン塩酸塩、n−デシルアミン塩酸塩、n−ウンデシルアミン塩酸塩、n−ドデシルアミン塩酸塩、n−テトラデシルアミン塩酸塩、n−ヘキサデシルアミン塩酸塩、n−オクタデシルアミン塩酸塩、アリルアミン塩酸塩、シクロペンチルアミン塩酸塩、ジメチルアミン塩酸塩、ジエチルアミン塩酸塩、ジアリルアミン塩酸塩、トリメチルアミン塩酸塩、トリ−n−ブチルアミン塩酸塩、トリアリルアミン塩酸塩、ヘキシルアミン塩酸塩、2−アミノヘプタン塩酸塩、3−アミノヘプタン塩酸塩、n−ヘプチルアミン塩酸塩、1,5−ジメチルヘキシルアミン塩酸塩、1−メチルヘプチルアミン塩酸塩、n−オクチルアミン塩酸塩、tert−オクチルアミン塩酸塩、ノニルアミン塩酸塩、デシルアミン塩酸塩、ウンデシルアミン塩酸塩、ドデシルアミン塩酸塩、トリデシルアミン塩酸塩、テトラデシルアミン塩酸塩、ペンタデシルアミン塩酸塩、ヘキサデシルアミン塩酸塩、ヘプタデシルアミン塩酸塩、オクタデシルアミン塩酸塩、ノナデシルアミン塩酸塩、シクロヘキシルアミン塩酸塩、シクロヘプチルアミン塩酸塩、2−メチルシクロヘキシルアミン塩酸塩、3−メチルシクロヘキシルアミン塩酸塩、4−メチルシクロヘキシルアミン塩酸塩、2,3−ジメチルシクロヘキシルアミン塩酸塩、シクロドデシルアミン塩酸塩、2−(1−シクロヘキセニル)エチルアミン塩酸塩、ゲラニルアミン塩酸塩、N−メチルヘキシルアミン塩酸塩、ジヘキシルアミン塩酸塩、ビス(2−エチルヘキシル)アミン塩酸塩、ジオクチルアミン塩酸塩、ジデシルアミン塩酸塩、N−メチルシクロヘキシルアミン塩酸塩、N−エチルシクロヘキシルアミン塩酸塩、N−イソプロピルシクロヘキシルアミン塩酸塩、N−tert−ブチルシクロヘキシルアミン塩酸塩、N−アリルシクロヘキシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチルオクチルアミン塩酸塩、N,N−ジメチルウンデシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチルドデシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチル−n−テトラデシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチル−n−ヘキサデシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチル−n−オクタデシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチル−n−エイコシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチル−n−ドコシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチルオレイルアミン塩酸塩、N,N−ジメチルベヘニルアミン塩酸塩、トリヘキシルアミン塩酸塩、トリイソオクチルアミン塩酸塩、トリオクチルアミン塩酸塩、トリイソデシルアミン塩酸塩、トリドデシルアミン塩酸塩、N−メチル−N−オクタデシル−1−オクタデシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチルシクロヘキシルメチルアミン塩酸塩、N,N−ジエチルシクロヘキシルアミン塩酸塩、ピロリジン塩酸塩、ピペリジン塩酸塩、2,5−ジメチルピロリジン塩酸塩、2−メチルピペリジン塩酸塩、3−メチルピペリジン塩酸塩、4−メチルピペリジン塩酸塩、2,6−ジメチルピペリジン塩酸塩、3,3−ジメチルピペリジン塩酸塩、3,5−ジメチルピペリジン塩酸塩、2−エチルピペリジン塩酸塩、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン塩酸塩、1−メチルピロリジン塩酸塩、1−メチルピペリジン塩酸塩、1−エチルピペリジン塩酸塩、1−ブチルピロリジン塩酸塩、1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン塩酸塩等の脂肪族アミンの塩酸塩、アニリン塩酸塩、N−メチルアニリン塩酸塩、N−エチルアニリン塩酸塩、N−アリルアニリン塩酸塩、o−トルイジン塩酸塩、m−トルイジン塩酸塩、p−トルイジン塩酸塩、N,N−ジメチルアニリン塩酸塩、N−メチル−o−トルイジン塩酸塩、N−メチル−m−トルイジン塩酸塩、N−メチル−p−トルイジン塩酸塩、N−エチル−o−トルイジン塩酸塩、N−エチル−m−トルイジン塩酸塩、N−エチル−p−トルイジン塩酸塩、N−アリル−o−トルイジン塩酸塩、N−アリル−m−トルイジン塩酸塩、N−アリル−p−トルイジン塩酸塩、N−プロピル−o−トルイジン塩酸塩、N−プロピル−m−トルイジン塩酸塩、N−プロピル−p−トルイジン塩酸塩、2,3−ジメチルアニリン塩酸塩、2,4−ジメチルアニリン塩酸塩、2,5−ジメチルアニリン塩酸塩、2,6−ジメチルアニリン塩酸塩、3,4−ジメチルアニリン塩酸塩、3,5−ジメチルアニリン塩酸塩、2−エチルアニリン塩酸塩、3−エチルアニリン塩酸塩、4−エチルアニリン塩酸塩、N,N−ジエチルアニリン塩酸塩、2−イソプロピルアニリン塩酸塩、4−イソプロピルアニリン塩酸塩、2−tert−ブチルアニリン塩酸塩、4−n−ブチルアニリン塩酸塩、4−sec−ブチルアニリン塩酸塩、4−tert−ブチルアニリン塩酸塩、2,6−ジエチルアニリン塩酸塩、2−イソプロピル−6−メチルアニリン塩酸塩、2−クロロアニリン塩酸塩、3−クロロアニリン塩酸塩、4−クロロアニリン塩酸塩、2−ブロモアニリン塩酸塩、3−ブロモアニリン塩酸塩、4−ブロモアニリン塩酸塩、o−アニシジン塩酸塩、m−アニシジン塩酸塩、p−アニシジン塩酸塩、o−フェネチジン塩酸塩、m−フェネチジン塩酸塩、p−フェネチジン塩酸塩、1−アミノナフタレン塩酸塩、2−アミノナフタレン塩酸塩、1−アミノフルオレン塩酸塩、2−アミノフルオレン塩酸塩、3−アミノフルオレン塩酸塩、4−アミノフルオレン塩酸塩、5−アミノインダン塩酸塩、2−アミノビフェニル塩酸塩、4−アミノビフェニル塩酸塩、N,2,3−トリメチルアニリン塩酸塩、N,2,4−トリメチルアニリン塩酸塩、N,2,5−トリメチルアニリン塩酸塩、N,2,6−トリメチルアニリン塩酸塩、N,3,4−トリメチルアニリン塩酸塩、N,3,5−トリメチルアニリン塩酸塩、N−メチル−2−エチルアニリン塩酸塩、N−メチル−3−エチルアニリン塩酸塩、N−メチル−4−エチルアニリン塩酸塩、N−メチル−6−エチル−o−トルイジン塩酸塩、N−メチル−2−イソプロピルアニリン塩酸塩、N−メチル−4−イソプロピルアニリン塩酸塩、N−メチル−2−tert−ブチルアニリン塩酸塩、N−メチル−4−n−ブチルアニリン塩酸塩、N−メチル−4−sec−ブチルアニリン塩酸塩、N−メチル−4−tert−ブチルアニリン塩酸塩、N−メチル−2,6−ジエチルアニリン塩酸塩、N−メチル−2−イソプロピル−6−メチルアニリン塩酸塩、N−メチル−p−アニシジン塩酸塩、N−エチル−2,3−アニシジン塩酸塩、N,N−ジメチル−o−トルイジン塩酸塩、N,N−ジメチル−m−トルイジン塩酸塩、N,N−ジメチル−p−トルイジン塩酸塩、N,N,2,3−テトラメチルアニリン塩酸塩、N,N,2,4−テトラメチルアニリン塩酸塩、N,N,2,5−テトラメチルアニリン塩酸塩、N,N,2,6−テトラメチルアニリン塩酸塩、N,N,3,4−テトラメチルアニリン塩酸塩、N,N,3,5−テトラメチルアニリン塩酸塩、N,N−ジメチル−2−エチルアニリン塩酸塩、N,N−ジメチル−3−エチルアニリン塩酸塩、N,N−ジメチル−4−エチルアニリン塩酸塩、N,N−ジメチル−6−エチル−o−トルイジン塩酸塩、N,N−ジメチル−2−イソプロピルアニリン塩酸塩、N,N−ジメチル−4−イソプロピルアニリン塩酸塩、N,N−ジメチル−2−tert−ブチルアニリン塩酸塩、N,N−ジメチル−4−n−ブチルアニリン塩酸塩、N,N−ジメチル−4−sec−ブチルアニリン塩酸塩、N,N−ジメチル−4−tert−ブチルアニリン塩酸塩、N,N−ジメチル−2,6−ジエチルアニリン塩酸塩、N,N−ジメチル−2−イソプロピル−6−メチルアニリン塩酸塩、N,N−ジメチル−2−クロロアニリン塩酸塩、N,N−ジメチル−3−クロロアニリン塩酸塩、N,N−ジメチル−4−クロロアニリン塩酸塩、N,N−ジメチル−2−ブロモアニリン塩酸塩、N,N−ジメチル−3−ブロモアニリン塩酸塩、N,N−ジメチル−4−ブロモアニリン塩酸塩、N,N−ジメチル−o−アニシジン塩酸塩、N,N−ジメチル−m−アニシジン塩酸塩、N,N−ジメチル−p−アニシジン塩酸塩、N,N−ジメチル−o−フェネチジン塩酸塩、N,N−ジメチル−m−フェネチジン塩酸塩、N,N−ジメチル−p−フェネチジン塩酸塩、N,N−ジメチル−1−アミノナフタレン塩酸塩、N,N−ジメチル−2−アミノナフタレン塩酸塩、N,N−ジメチル−1−アミノフルオレン塩酸塩、N,N−ジメチル−2−アミノフルオレン塩酸塩、N,N−ジメチル−3−アミノフルオレン塩酸塩、N,N−ジメチル−4−アミノフルオレン塩酸塩、N,N−ジメチル−5−アミノインダン塩酸塩、N,N−ジメチル−2−アミノビフェニル塩酸塩、N,N−ジメチル−4−アミノビフェニル塩酸塩、N,N−ジメチル−p−トリメチルシリルアニリン塩酸塩等の芳香族アミンの塩酸塩および上記化合物の塩酸塩をフッ化水素酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩または硫酸塩に置換した化合物等が挙げられる。
【0157】
上記式[3]で表される化合物のうち、Mがリン原子を表す場合、例えば、トリフェニルホスフィン塩酸塩、トリ(o−トリル)ホスフィン塩酸塩、トリ(p−トリル)ホスフィン塩酸塩、トリメシチルホスフィン塩酸塩等の化合物および上記化合物の塩酸塩をフッ化水素酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩または硫酸塩に置換した化合物等が挙げられる。
【0158】
上記式[3]で表される化合物のうち、Mが酸素原子を表す場合、例えば、メチルエーテル塩酸塩、エチルエーテル塩酸塩、n−ブチルエーテル塩酸塩、テトラヒドロフラン塩酸塩、フェニルエーテル塩酸塩等の化合物および上記化合物の塩酸塩をフッ化水素酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩または硫酸塩に置換した化合物等が挙げられる。
【0159】
上記式[3]で表される化合物のうち、Mが硫黄原子を表す場合、例えば、フッ化ジエチルスルホニウム、塩化ジエチルスルホニウム、臭化ジエチルスルホニウム、ヨウ化ジエチルスルホニウム、フッ化ジメチルスルホニウム、塩化ジメチルスルホニウム、臭化ジメチルスルホニウム、ヨウ化ジメチルスルホニウム等が挙げられる。
【0160】
上記式[4]で表される化合物としては、例えば、臭化トリチル、塩化トリチル、テトラフルオロホウ酸トリチル、ヘキサフルオロリン酸トリチル、臭化トロピリウム、塩化トロピリウム、テトラフルオロホウ酸トロピリウム、ヘキサフルオロリン酸トロピリウム等が挙げられる。
【0161】
のルイス塩基としては、例えば、エーテル類、脂肪族アミン類、芳香族アミン類、ホスフィン類等が挙げられる。
【0162】
上記式[5]で表される化合物としては、例えば、臭化フェロセニウム、塩化フェロセニウム、テトラフルオロホウ酸フェロセニウム、ヘキサフルオロリン酸フェロセニウム等が挙げられる。
【0163】
成分(C−2)における有機化合物と粘土鉱物の接触においては、粘土鉱物の濃度は0.1〜30重量%、接触温度は0〜150℃の条件を選択して接触を行うことが好ましい。また、有機化合物は固体として調製して溶媒に溶解させて使用しても良いし、溶媒中での化学反応により有機化合物の溶液を調製してそのまま使用しても良い。粘土鉱物と有機化合物の反応量比については、粘土鉱物の交換可能なカチオンに対して当量以上の有機化合物を用いることが好ましい。接触溶媒としては、例えば、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、アルコール類、エーテル類、ハロゲン化炭化水素類、ケトン類、水等が挙げられる。脂肪族炭化水素類としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等が挙げられる。芳香族炭化水素類としては、例えば、ベンゼン、トルエン等が挙げられる。アルコール類としては、例えば、エチルアルコール、メチルアルコール等が挙げられる。エーテル類としては、例えば、エチルエーテル、n−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等が挙げられる。ハロゲン化炭化水素類としては、例えば、塩化メチレン、クロロホルム等が挙げられる。ケトン類としては、例えば、アセトン等が挙げられる。
これらの接触溶媒は、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの接触溶媒の中でも、好ましくは、アルコール類または水である。
【0164】
成分(C)として、好ましくは、有機アルミニウムオキシ化合物とシリカとを接触させて形成される固体状触媒成分または有機化合物と粘土鉱物とを接触させて形成される変性粘土鉱物であり、より好ましくは、有機アルミニウムオキシ化合物とシリカとを接触させて形成される固体状触媒成分または上記式[3]、上記式[4]若しくは上記式[5]で表される化合物と粘土鉱物とを接触させて形成される変性粘土鉱物であり、更に好ましくは、有機アルミニウムオキシ化合物とシリカとを接触させて形成される固体状触媒成分であり、特に好ましくは、上記式[1]で表される環状のアルミノキサンまたは上記式[2]で表される線状のアルミノキサンとシリカとを接触させて形成される固体状触媒成分である。
【0165】
成分(B1)と成分(B2)の合計の使用量は、成分(C)1gに対し、好ましくは、1×10-6〜1×10-3molであり、より好ましくは、5×10-6〜1×10-4molである。
【0166】
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体は、以下の成分(A)〜(D)を用いて製造す
ることができる。これらを用いて本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体を製造する場合、成分(B1)および成分(B2)と成分(C)とを、どのような状態で接触させるか
が重要である。成分(D)を他の成分と接触させる順序は任意である。
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体を製造するためには、成分(A)の存在下で、成分(B1)および成分(B2)と、成分(C)とを接触させる必要がある。すなわち、成
分(A)が存在しない状態で、成分(B1)または成分(B2)と、成分(C)とを予め接触
させてはならない。
成分(A):モノマーであるエチレンおよび/またはα−オレフィン
成分(B1):下記一般式(1)で表される遷移金属化合物



[式中、Mは、元素周期律表の第4族の遷移金属原子を表し、Jは、元素周期律表の第14族の原子を表し、mは、1〜5の整数を表し、X、RおよびRは、それぞれ同一または相異なり、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよい炭素数1〜20のハイドロカルビル基、置換されていてもよい炭素数1〜20のハイドロカルビルオキシ基、炭素数1〜20のハイドロカルビルシリル基または炭素数1〜20のハイドロカルビルアミノ基を表し、複数のX1は互いに同じであっても異なっていてもよく、複数のRは互いに同じであっても異なっていてもよく、複数のRは互いに同じであっても異なっていてもよい。]
成分(B2):下記一般式(2)で表される遷移金属化合物


[式中、Mは、元素周期律表の第4族の遷移金属原子を表し、Jは、元素周期律表の第14族の原子を表し、nは1〜5の整数を表し、X、R、RおよびRは、それぞれ同一または相異なり、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよい炭素数1〜20のハイドロカルビル基、置換されていてもよい炭素数1〜20のハイドロカルビルオキシ基、炭素数1〜20のハイドロカルビルシリル基または炭素数1〜20のハイドロカルビルアミノ基を表し、複数のXは互いに同じであっても異なっていてもよく、複数のRは互いに同じであっても異なっていてもよく、複数のRは互いに同じであっても異なっていてもよく、複数のRは互いに同じであっても異なっていてもよい。]
成分(C):下記成分(C−1)および/または下記成分(C−2)
成分(C−1):下記成分(a)と、下記成分(b)とを接触させて形成される固体状触媒成分
成分(a):(a−1)元素の周期律表第13族の有機金属化合物、(a−2)有機アルミニウムオキシ化合物、および(a−3)ホウ素化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物
成分(b):固体状担体
成分(C−2):有機化合物と粘土鉱物とを接触させて形成される変性粘土鉱物
成分(D):有機アルミニウム化合物
【0167】
成分(A)の存在下で、成分(B1)、成分(B2)、および成分(C)を接触させる方法としては、具体的には、下記の接触方法を例示することができる。
(1)成分(B1)および成分(B2)と、成分(A)の存在下にある成分(C)とを接触させる接触方法。
(2)成分(C)と、成分(A)の存在下にある成分(B1)および成分(B2)とを接触させる接触方法。
(3)成分(A)の存在下にある成分(B1)および成分(B2)と、成分(A)の存在下にある成分(C)とを接触させる接触方法。
(4)成分(A)の存在下にある成分(B1)と、成分(A)の存在下にある成分(B2)と、成分(C)とを接触させる接触方法。
(5)成分(B2)と、成分(A)の存在下にある成分(B1)と、成分(A)の存在下にある成分(C)とを接触させる接触方法。
(6)成分(B1)と、成分(A)の存在下にある成分(B2)と、成分(A)の存在下にある成分(C)とを接触させる接触方法。
【0168】
成分(A)、成分(B1)、成分(B2)、成分(C)および成分(D)の接触において、成分(D)を他の成分と接触させる順序は任意であり、成分(D)を成分(A)、成分(B1)、成分(B2)または成分(C)のそれぞれと予め接触させてもよく、成分(A)の存在下にある成分(B1)と、成分(D)とを接触させてもよく、成分(A)の存在下にある成分(B2)と、成分(D)とを接触させてもよく、成分(A)の存在下にある成分(B1)および成分(B2)と、成分(D)とを接触させてもよく、成分(A)の存在下にある成分(C)と、成分(D)とを接触させてもよく、成分(A)の存在下にある成分(B1)と成分(B2)と成分(C)との接触物と、成分(D)とを接触させてもよい。
【0169】
具体的には、下記の接触方法を例示することができる。
(1)成分(A)の存在下にある成分(B1)および成分(B2)と、成分(C)とを接触させ、さらに成分(D)を接触させる接触方法。
(2)成分(A)の存在下にある成分(B1)および成分(B2)と、成分(D)とを接触させ、さらに成分(C)を接触させる接触方法。
(3)成分(A)の存在下にある成分(C)と、成分(B1)および成分(B2)とを接触させ、さらに成分(D)を接触させる接触方法。
(4)成分(A)の存在下にある成分(C)と、成分(D)とを接触させ、さらに成分(B1)および成分(B2)とを接触させる接触方法。
(5)成分(A)の存在下にある成分(D)と、成分(B1)および成分(B2)とを接触させ、さらに成分(C)を接触させる接触方法。
(6)成分(A)の存在下にある成分(D)と、成分(C)とを接触させ、さらに成分(B1)および成分(B2)と接触させる接触方法。
(7)成分(B1)と成分(B2)と成分(D)との接触物と成分(C)とを、成分(A)の存在下で接触させる接触方法。
(8)成分(C)と成分(D)との接触物と、成分(B1)および成分(B2)とを、成分(A)の存在下で接触させる接触方法。
これらの接触方法のうち、好ましくは、(5)または(6)のように、成分(A)の存在下にある成分(D)に、成分(B1)、(B2)および(C)を任意の順で接触させる方法である。
【0170】
成分(D)の有機アルミニウム化合物としては、例えば、トリアルキルアルミニウム、ジアルキルアルミニウムクロライド、アルキルアルミニウムジクロライド、ジアルキルアルミニウムハイドライド、アルキル(ジアルコキシ)アルミニウム、ジアルキル(アルコキシ)アルミニウム、アルキル(ジアリールオキシ)アルミニウム、ジアルキル(アリールオキシ)アルミニウム等があげられる。
【0171】
トリアルキルアルミニウムとしては、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウム等があげられ、ジアルキルアルミニウムクロライドとしては、例えば、ジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムクロライド、ジ−n−プロピルアルミニウムクロライド、ジ−n−ブチルアルミニウムクロライド、ジイソブチルアルミニウムクロライド、ジ−n−ヘキシルアルミニウムクロライド等があげられ、アルキルアルミニウムジクロライドとしては、例えば、メチルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムジクロライド、n−プロピルアルミニウムジクロライド、n−ブチルアルミニウムジクロライド、イソブチルアルミニウムジクロライド、n−ヘキシルアルミニウムジクロライド等があげられ、ジアルキルアルミニウムハイドライドとしては、例えば、ジメチルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジ−n−プロピルアルミニウムハイドライド、ジ−n−ブチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、ジ−n−ヘキシルアルミニウムハイドライド等があげられ、アルキル(ジアルコキシ)アルミニウムとしては、例えば、メチル(ジメトキシ)アルミニウム、メチル(ジエトキシ)アルミニウム、メチル(ジ−tert−ブトキシ)アルミニウム等があげられ、ジアルキル(アルコキシ)アルミニウムとしては、例えば、ジメチル(メトキシ)アルミニウム、ジメチル(エトキシ)アルミニウム、メチル(tert−ブトキシ)アルミニウム等があげられ、アルキル(ジアリールオキシ)アルミニウムとしては、例えば、メチル(ジフェノキシ)アルミニウム、メチルビス(2,6−ジイソプロピルフェノキシ)アルミニウム、メチルビス(2,6−ジフェニルフェノキシ)アルミニウム等があげられ、ジアルキル(アリールオキシ)アルミニウムとしては、例えば、ジメチル(フェノキシ)アルミニウム、ジメチル(2,6−ジイソプロピルフェノキシ)アルミニウム、ジメチル(2,6−ジフェニルフェノキシ)アルミニウム等があげられる。
これらの有機アルミニウム化合物は、一種類のみを用いても、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0172】
有機アルミニウム化合物として好ましくは、トリアルキルアルミニウムであり、より好ましくは、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウムであり、更に好ましくは、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウムである。
【0173】
成分(D)の使用量は、成分(B1)と成分(B2)の遷移金属原子の合計のモル数に対する成分(D)有機アルミニウム化合物のアルミニウム原子のモル比(D)/((B1)+(B2))として、0.01〜10,000であることが好ましく、0.1〜5,000であることがより好ましく、1〜2,000であることが最も好ましい。
【0174】
また、上記触媒を製造する際に、電子供与性化合物(成分(E))を用いてもよい。このような電子供与性化合物としては、窒素原子、リン原子、酸素原子または硫黄原子を含む化合物が好ましく、酸素含有化合物、窒素含有化合物、リン含有化合物、硫黄含有化合物が挙げられ、なかでも酸素含有化合物または窒素含有化合物が好ましい。酸素含有化合物としては、アルコキシケイ素類、エーテル類、ケトン類、アルデヒド類、カルボン酸類、有機酸または無機酸のエステル類、有機酸または無機酸の酸アミド類、酸無水物類などが挙げられ、なかでもアルコキシケイ素類またはエーテル類が好ましい。窒素含有化合物としては、アミン類、ニトリル類、イソシアネート類等が挙げられ、アミン類が好ましい。
【0175】
アルコキシケイ素類としては、好ましくは、下記式[6]で表されるアルコキシケイ素化合物である。
10kSi(OR114-k [6]
(式中、R10は炭素数1〜20の炭化水素基、水素原子またはヘテロ原子含有置換基を表し、R11は炭素数1〜20の炭化水素基を表し、kは0≦k≦3を満足する整数を表す。R10が複数ある場合は、複数のR10は同一であっても異なっていてもよい。OR11が複数ある場合は、複数のOR11は同一であっても異なっていてもよい。)
【0176】
10およびR11の炭素数1〜20の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基等の直鎖状アルキル基、イソプロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、tert−アミル基等の分岐鎖状アルキル基、シクロペンンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、シクロペンテニル基等のシクロアルケニル基、フェニル基、トリル基等のアリール基等が挙げられる。
10のヘテロ原子含有置換基のヘテロ原子としては、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子が挙げられる。具体的にはジメチルアミノ基、メチルエチルアミノ基、ジエチルアミノ基、エチルn−プロピルアミノ基、ジn−プロピルアミノ基、ピロリル基、ピリジル基、ピロリジニル基、ピペリジル基、パーヒドロインドリル基、パーヒドロイソインドリル基、パーヒドロキノリル基、パーヒドロイソキノリル基、パーヒドロカルバゾリル基、パーヒドロアクリジニル基、フリル基、ピラニル基、パーヒドロフリル基、チエニル基等が挙げられる。好ましくは、R10およびR11がアルキル基であり、より好ましくは、R10およびR11がアルキル基であり、かつiが2または3である。
【0177】
上記アルコキシケイ素類の具体例としては、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ノルマルプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、ノルマルブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、sec−ブチルトリメトキシシラン、tert−ブチルトリメトキシシラン、ノルマルペンチルトリメトキシシラン、tert−アミルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジノルマルブチルジメトキシシラン、ジイソブチルジメトキシシラン、ジ−tert−ブチルジメトキシシラン、メチルエチルジメトキシシラン、メチルノルマルプロピルジメトキシシラン、メチルノルマルブチルジメトキシシラン、メチルイソブチルジメトキシシラン、tert−ブチルメチルジメトキシシラン、tert−ブチルエチルジメトキシシラン、tert−ブチルノルマルプロピルジメトキシシラン、tert−ブチルイソプロピルジメトキシシラン、tert−ブチルノルマルブチルジメトキシシラン、tert−ブチルイソブチルジメトキシシラン、tert−アミルメチルジメトキシシラン、tert−アミルエチルジメトキシシラン、tert−アミルノルマルプロピルジメトキシシラン、tert−アミルノルマルブチルジメトキシシラン、イソブチルイソプロピルジメトキシシラン、ジシクロブチルジメトキシシラン、シクロブチルメチルジメトキシシラン、シクロブチルエチルジメトキシシラン、シクロブチルイソプロピルジメトキシシラン、シクロブチルノルマルブチルジメトキシシラン、シクロブチルイソブチルジメトキシシラン、シクロブチル−tert−ブチルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、シクロペンチルメチルジメトキシシラン、シクロペンチルノルマルプロピルジメトキシシラン、シクロペンチルイソプロピルジメトキシシラン、シクロペンチルノルマルブチルジメトキシシラン、シクロペンチルイソブチルジメトキシシラン、シクロペンチル−tert−ブチルジメトキシシラン、ジシクロヘキシルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、シクロヘキシルエチルジメトキシシラン、シクロヘキシルノルマルプロピルジメトキシシラン、シクロヘキシルイソプロピルジメトキシシラン、シクロヘキシルノルマルブチルジメトキシシラン、シクロヘキシルイソブチルジメトキシシラン、シクロヘキシル−tert−ブチルジメトキシシラン、シクロヘキシルシクロペンチルジメトキシシラン、シクロヘキシルフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェニルエチルジメトキシシラン、フェニルノルマルプロピルジメトキシシラン、フェニルイソプロピルジメトキシシラン、フェニルノルマルブチルジメトキシシラン、フェニルイソブチルジメトキシシラン、フェニル−tert−ブチルジメトキシシラン、フェニルシクロペンチルジメトキシシラン、2−ノルボルナンメチルジメトキシシラン、ビス(パーヒドロキノリノ)ジメトキシシラン、ビス(パーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシラン、(パーヒドロキノリノ)(パーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシラン、(パーヒドロキノリノ)メチルジメトキシシラン、(パーヒドロイソキノリノ)メチルジメトキシシラン、(パーヒドロキノリノ)エチルジメトキシシラン、(パーヒドロイソキノリノ)エチルジメトキシシラン、(パーヒドロキノリノ)(n−プロピル)ジメトキシシラン、(パーヒドロイソキノリノ)(n−プロピル)ジメトキシシラン、((パーヒドロキノリノ)(tert−ブチル)ジメトキシシラン、(パーヒドロイソキノリノ)(tert−ブチル)ジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、トリノルマルプロピルメトキシシラン、トリイソプロピルメトキシシラン、トリノルマルブチルメトキシシラン、トリイソブチルメトキシシラン、トリ−tert−ブチルメトキシシラン等が挙げられる。これらの化合物のメトキシをエトキシ、プロポキシ、ノルマルブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、フェノキシに置き換えた化合物も例示することができる。好ましくは、ジアルキルジアルコキシシランまたはトリアルキルモノアルコキシシランであり、より好ましくはトリアルキルモノアルコキシシランである。
【0178】
エーテル類の例としては、ジアルキルエーテル、アルキルアリールエーテル、ジアリールエーテル、ジエーテル化合物、環状エーテル類および環状ジエーテル類を挙げることができる。
【0179】
具体例としては、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジノルマルプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジノルマルブチルエーテル、ジイソブチルエーテル、ジ‐tert−ブチルエーテル、ジシクロヘキシルエーテル、ジフェニルエーテル、メチルエチルエーテル、メチルノルマルプロピルエーテル、メチルイソプロピルエーテル、メチルノルマルブチルエーテル、メチルイソブチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、メチルシクロヘキシルエーテル、メチルフェニルエーテル、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、オキセタン、テトラヒドロフラン、2,5−ジメチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジイソブトキシエタン、2,2−ジメトキシプロパン、1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジイソブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル−2−イソペンチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ビス(シクロヘキシルメチル)−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル−2−3,7−ジメチルオクチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジイソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル−2−シクロヘキシルメチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジシクロヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル−2−イソブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジイソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジプロピル−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル−2−シクロヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル−2−シクロペンチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジシクロペンチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−ヘプチル−2−ペンチル−1,3−ジメトキシプロパン、1,2−ジメトキシベンゼン、1.3−ジメトキシベンゼン、1,4−ジメトキシベンゼン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキサン、等を挙げることができる。好ましくは、ジエチルエーテル、ジノルマルブチルエーテル、メチルノルマルブチルエーテル、メチルフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソランであり、更に好ましくは、ジエチルエーテル、ジノルマルブチルエーテルまたはテトラヒドロフランである。
【0180】
カルボン酸エステル類の具体例としては、モノおよび多価のカルボン酸エステルが挙げられ、それらの例として飽和脂肪族カルボン酸エステル、不飽和脂肪族カルボン酸エステル、脂環式カルボン酸エステル、芳香族カルボン酸エステルを挙げることができる。具体例としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ノルマルブチル、酢酸イソブチル、酢酸−tert−ブチル、酢酸フェニル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸エチル、吉草酸エチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸ノルマルブチル、安息香酸イソブチル、安息香酸−tert−ブチル、トルイル酸メチル、トルイル酸エチル、アニス酸メチル、アニス酸エチル、コハク酸ジメチル、コハク酸ジエチル、コハク酸ジノルマルブチル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジノルマルブチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジブチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジノルマルブチル、フタル酸モノエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸メチルエチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジノルマルプロピル、フタル酸ジイソプロピル、フタル酸ジノルマルブチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジ−tert−ブチル、フタル酸ジペンチル、フタル酸ジ−n−ヘキシル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジノルマルオクチル、フタル酸ジ(2−エチルヘキシル)、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ジフェニル、イソフラル酸ジメチル、イソフタル酸ジエチル、イソフタル酸ジノルマルブチル、イソフタル酸ジイソブチル、イソフタル酸ジ−tert−ブチル、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジエチル、テレフタル酸ジノルマルブチル、テレフタル酸ジイソブチル、テレフタル酸ジ−tert−ブチル等を挙げることができる。好ましくは酢酸メチル、酢酸エチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジノルマルブチル、フタル酸ジイソブチル、テレフタル酸ジメチルまたはテレフタル酸ジエチルであり、更に好ましくは、安息香酸メチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジイソブチルまたはテレフタル酸ジメチルである。
【0181】
アミン類の例示化合物としては、トリヒドロカルビルアミンが挙げられ、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリノルマルブチルアミン、トリイソブチルアミン、トリヘキシルアミン、トリオクチルアミン、トリドデシルアミン、トリフェニルアミンが挙げられる。好ましくは、トリエチルアミンまたはトリオクチルアミンである。
【0182】
また、上記電子供与性化合物(E)としては、活性水素を有する化合物を用いることができる。活性水素を有する化合物の中では、アルコール類、フェノール類、カルボン酸類、チオール類、チオフェノール類、チオカルボン酸類、スルホン酸類、アンモニア、第1級アミン類、第2級アミン類、アニリン類、イミン類、アミド類、ピロール類、ピロリジン類、ピペリジン類、ヒドロキシアミン類、シラノール類を用いても良い。これらの中で、N−H結合を有する化合物が好ましく用いられ、アンモニア、第1級アミン、第2級アミン、アニリン類、ピロリジン類またはピペリジン類がより好ましく用いられ、特に第1級アミン、第2級アミンまたはアニリン類が好ましく用いられる。
【0183】
第1級アミンの具体例として、メチルアミン、エチルアミン、ノルマルプロピルアミン、イソプロピルアミン、ノルマルブチルアミン、イソブチルアミン、t−ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、ドデシルアミンが挙げられる。
【0184】
第2級アミンの具体例として、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジノルマルプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジノルマルブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジ−t−ブチルアミン、ジヘキシルアミン、ジオクチルアミン、ジドデシルアミン、ジフェニルアミン、エチルメチルアミン等が挙げられる。
【0185】
アニリン類としてはN−H結合を有するアニリン類を用いることができ、その具体例として、アニリン、N−メチルアニリン、N−エチルアニリン、4−メチルアニリン、2,6−ジメチルアニリンが挙げられる。
【0186】
ピロリジン類としてはN−H結合を有するピロリジン類を用いることができ、その具体例として、ピロリジン、2,5−ジメチルピロリジン、2,2,5,5−テトラメチルピロリジン等が挙げられ、ピペリジン類としてはN−H結合を有するピペリジン類を用いることができ、その具体例として、ピペリジン、4−メチルピペリジン、2,6−ジメチルピペリジン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等が挙げられる。
【0187】
これらの活性水素を有する化合物の例示化合物の中では、メチルアミン、エチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、アニリン、N−メチルアニリン、2,5−ジメチルピロリジン、または2,6−ジメチルピペリジンがさらに好ましく用いられ、特にエチルアミン、ジエチルアミン、またはN−メチルアニリンが好ましく用いられる。
【0188】
電子供与性化合物(E)としては、アルコキシケイ素類、エーテル類またはアミン類が好ましく用いられる。更にアミン類がより好ましく用いられる。これらの電子供与性化合物(E)は一種類のみを用いても、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0189】
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合触媒の製造方法は、上記成分(A)と、上記成分(B1)および上記成分(B2)と、上記成分(C)と、上記成分(D)とを接触させるエチレン−α−オレフィン共重合触媒の製造方法であって、該接触が上記成分(A)の存在下、上記成分(B1)および上記成分(B2)と、上記成分(C)とを接触させる工程を含むものである。
【0190】
上記各成分を接触させる方法としては、例えば、上記各成分を重合器内に装入することにより重合器内で接触させる方法、重合器外で上記各成分を不活性溶媒中で混合接触させる方法などが挙げられる。
【0191】
エチレン−α−オレフィン共重合触媒の調製に用いられる不活性炭化水素媒体として具体的には、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油などの脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;エチレンクロリド、クロルベンゼン、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素あるいはこれらの混合物などを挙げることができる。
【0192】
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体の製造方法は、上記エチレン−α−オレフィン共重合触媒の存在下、エチレンとα−オレフィンを共重合するものである。
【0193】
重合方法としては、気相重合法、スラリー重合法、バルク重合法などがあげられる。好ましくは、気相重合法であり、より好ましくは連続気相重合法である。該重合法に用いられる気相重合反応装置としては、通常、流動層型反応槽を有する装置であり、好ましくは、拡大部を有する流動層型反応槽を有する装置である。反応槽内に撹拌翼が設置されていてもよい。
【0194】
エチレンとα−オレフィンを気相重合する場合、重合温度としては、通常、エチレン−α−オレフィン共重合体が溶融する温度未満であり、好ましくは0〜150℃であり、より好ましくは30〜100℃である。重合反応槽には、不活性ガスを導入してもよく、分子量調節剤として水素を導入してもよい。また、電子供与性化合物を導入してもよい。
【0195】
また、エチレンとα−オレフィンの重合においては、必要に応じて、他の単量体を重合反応槽に導入し、本発明の効果を損なわない範囲において、該他の単量体を共重合させてもよい。他の単量体としては、例えば、共役ジエン(例えばブタジエンやイソプレン)、非共役ジエン(例えば1,4−ペンタジエン)、アクリル酸、アクリル酸エステル(例えばアクリル酸メチルやアクリル酸エチル)、メタクリル酸、メタクリル酸エステル(例えばメタクリル酸メチルやメタクリル酸エチル)、酢酸ビニル等があげられる。
【0196】
本発明のオレフィン重合体の製造方法においては、エチレン−α−オレフィン共重合触媒の調製に成分(A)のオレフィンを少量用いて、成分(A)、成分(B1)、成分(B2)、成分(C)、並びに必要に応じて成分(D)及び/又は成分(E)を接触させて得られた予備重合固体触媒成分(以下、予備重合と称する。)を、重合触媒成分または重合触媒として用いて、オレフィンを重合する方法が好ましい。
【0197】
予備重合で用いられるオレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、シクロペンテン、シクロヘキセンなどをあげることができる。これらは1種または2種以上組み合わせて用いることができる。好ましくは、エチレンのみ、あるいはエチレンとα−オレフィンとを併用して、更に好ましくは、エチレンのみ、あるいは1−ブテン、1−ヘキセンおよび1−オクテンから選ばれる少なくとも1種のα−オレフィンとエチレンとを併用して用いられる。
【0198】
予備重合固体触媒成分中の予備重合された重合体の含有量は、成分(C)1g当たり、好ましくは0.01〜1000gであり、より好ましくは0.05〜500gであり、更に好ましくは0.1〜200gである。
【0199】
予備重合方法としては、連続重合法でもバッチ重合法でもよく、例えば、バッチ式スラリー重合法、連続式スラリー重合法、連続気相重合法である。予備重合を行う重合反応槽に、成分(A)、成分(B1)、成分(B2)、成分(C)、並びに必要に応じて成分(D)及び/又は成分(E)を投入する方法としては、通常、窒素、アルゴン等の不活性ガス、水素、エチレン等を用いて、水分のない状態で投入する方法、各成分を溶媒に溶解または稀釈して、溶液またはスラリー状態で投入する方法が用いられる。
【0200】
予備重合をスラリー重合法で行う場合、溶媒としては、通常、飽和脂肪族炭化水素化合物が用いられ、例えば、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ノルマルヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン等があげられる。これらは単独あるいは2種以上組み合わせて用いられる。飽和脂肪族炭化水素化合物としては、常圧における沸点が100℃以下のものが好ましく、常圧における沸点が90℃以下のものがより好ましく、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ノルマルヘキサン、シクロヘキサンが更に好ましい。
【0201】
また、予備重合をスラリー重合法で行う場合、スラリー濃度としては、溶媒1リットル当たりの成分(C)の量が、通常0.1〜600gであり、好ましくは0.5〜300gである。予備重合温度は、通常−20〜100℃であり、好ましくは0〜80℃である。
予備重合中、重合温度は適宜変更してもよいが、予備重合を開始する温度は、45℃以下とすることが好ましく、40℃以下とすることが好ましい。また、予備重合中の気相部でのオレフィン類の分圧は、通常0.001〜2MPaであり、好ましくは0.01〜1MPaである。予備重合時間は、通常2分間〜15時間である。
【0202】
予備重合された予備重合固体触媒成分を重合反応槽に供給する方法としては、通常、窒素、アルゴン等の不活性ガス、水素、エチレン等を用いて、水分のない状態で供給する方法、各成分を溶媒に溶解または稀釈して、溶液またはスラリー状態で供給する方法が用いられる。
【0203】
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体には、必要に応じて、公知の添加剤を含有させてもよい。該添加剤としては、例えば、酸化防止剤、耐候剤、滑剤、抗ブロッキング剤、帯電防止剤、防曇剤、無滴剤、顔料、フィラー等があげられる。
【0204】
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体は、公知の成形方法、例えば、インフレーションフィルム成形法やTダイフィルム成形法などの押出成形法、中空成形法、射出成形法;圧縮成形法などにより成形される。成形方法としては、押出成形法、中空成形法が好適に用いられ、押出成形法がより好適に用いられ、Tダイフィルム成形法が特に好適に用いられる。また、本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体は、電子線架橋発泡、過酸化物架橋発泡、押し出し非架橋発泡など、各種発泡用途に好適に使用することができる。
【0205】
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体は、種々の形態に成形して用いられる。成形品の形態は特に限定されないが、フィルム、シート、容器(トレイ、ボトルなど)などに用いられる。該成形品は、食品包装材;医薬品包装材;半導体製品などの包装に用いる電子部品包装材;表面保護材などの用途にも好適に用いられる。
【0206】
上記の通り、本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体は、押出負荷が低く、溶融張力が高く、溶融した共重合体を張力一定の条件で引き取った際の引き取り性に優れ、歪硬化特性に優れ、かつヒートシール可能な温度幅が広い。
【0207】
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体は、ネックインに劣るエチレン系重合体のネックイン改良を目的として、従来のエチレン系重合体に適量ブレンドすることもできる。例えば直鎖状低密度ポリエチレンなどのようなエチレン系重合体に適量、本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体をブレンドすることで、ネックインを大幅に改良できる。
【0208】
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体は、発泡特性に劣るエチレン系重合体の発泡特性改良を目的として、従来のエチレン系重合体に適量ブレンドすることもできる。例えば直鎖状低密度ポリエチレンなどのようなエチレン系重合体に適量、本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体をブレンドすることで、発泡特性を大幅に改良できる。
【実施例】
【0209】
以下、実施例および比較例により本発明を説明する。
実施例および比較例での物性は、次の方法に従って測定した。
【0210】
(1)密度(d、単位:Kg/m3
JIS K7112−1980のうち、A法に規定された方法に従って測定した。なお、試料には、JIS K6760−1995に記載のアニーリングを行った。
【0211】
(2)メルトフローレート(MFR、単位:g/10分)
JIS K7210−1995に規定された方法において、荷重21.18N、温度190℃の条件で、A法により測定した。
【0212】
(3)スウェル比(SR)
(2)のメルトフローレートの測定において、温度190℃、荷重21.18Nの条件で、オリフィスから15〜20mm程度の長さで押出したエチレン−α−オレフィン共重合体のストランドを、空気中で冷却し、固体状のストランドを得た。次に、該ストランドの押出し上流側先端から約5mmの位置でのストランドの直径D(単位:mm)を測定し、その直径Dをオリフィス径2.095mm(D0)で除した値(D/D0)を算出し、スウェル比とした。
【0213】
(4)分子量分布(Mw/Mn、Mz/Mw)
ゲル・パーミエイション・クロマトグラフ(GPC)法を用いて、下記の条件(1)〜(8)により、z平均分子量(Mz)、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)を測定し、Mw/MnとMz/Mwを求めた。クロマトグラム上のベースラインは、試料溶出ピークが出現するよりも十分に保持時間が短い安定した水平な領域の点と、溶媒溶出ピークが観測されたよりも十分に保持時間が長い安定した水平な領域の点とを結んでできる直線とした。分子量分布のピーク位置の分子量は、校正により、ポリエチレンに換算して求めた値である。
(1)装置:Waters製Waters150C
(2)分離カラム:TOSOH TSKgelGMH6−HT
(3)測定温度:140℃
(4)キャリア:オルトジクロロベンゼン
(5)流量:1.0mL/分
(6)注入量:500μL
(7)検出器:示差屈折
(8)分子量標準物質:標準ポリスチレン
【0214】
(5)炭素数5以上の分岐数(NLCB、単位:1/1000C)
カーボン核磁気共鳴法によって、次の測定条件により、カーボン核磁気共鳴スペクトル(13C−NMR)を測定し、下記算出方法より求めた。
<測定条件>
装置 :Bruker社製 AVANCE600
測定溶媒:1,2−ジクロロベンゼン/1,2−ジクロロベンゼン−d4
=75/25(容積比)の混合液
測定温度:130℃
測定方法:プロトンデカップリング法
パルス幅:45度
パルス繰り返し時間:4秒
測定基準:トリメチルシラン
窓関数 :負の指数関数
<算出方法>
5〜50ppmに観測されるすべてのピークの総和を1000として、38.22〜38.27ppm付近にピークトップを有するピークのピーク面積を求めた。当該ピークのピーク面積は、高磁場側で隣接するピークとの谷のケミカルシフトから、低磁場側で隣接するピークとの谷のケミカルシフトまでの範囲でのシグナルの面積とした。なお、本条件によるエチレン−1−オクテン共重合体の測定では、炭素数6の分岐が結合したメチン炭素に由来するピークのピークトップの位置は、38.21ppmであった。
【0215】
(6)溶融複素粘度(η*、単位:Pa・sec)
粘弾性測定装置(Rheometrics社製Rheometrics Mechanical Spectrometer RMS−800)を用いて、下記測定条件で190℃での溶融複素粘度−角周波数曲線を測定し、角周波数100rad/秒で測定された溶融複素粘度を求めた。該溶融複素粘度が低いほど、押出成形時の押出負荷に優れる。
<測定条件>
ジオメトリー:パラレルプレート
プレート直径:25mm
プレート間隔:1.5〜2mm
ストレイン :5%
角周波数 :0.1〜100rad/秒
測定雰囲気 :窒素
【0216】
(7)溶融樹脂の伸張粘度測定
伸張粘度測定装置(TAインスツルメント社製ARES)を用いて、0.1s−1と1s−1のHencky速度で、130℃での溶融樹脂の伸張粘度−時間曲線を測定した。測定試験片としては、プレス成形して得られる18mm×10mm、厚さ0.7mm、のシ一トを用いた。
【0217】
(8)メルトテンション(MT、単位:cN)
東洋精機製作所製メルトテンションテスターを用い、190℃の温度および0.32g/分の押出速度で、直径2.095mm、長さ8mmのオリフィスからエチレン−α−オレフィン共重合体を溶融押出し、該押出された溶融したエチレン−α−オレフィン共重合体を引取ロールにより6.3(m/分)/分の引取上昇速度でフィラメント状に引取り、引取る際の張力を測定した。引取開始からフィラメント状のエチレン−α−オレフィン共重合体が切断するまでの間の最大張力をメルトテンションとした。
【0218】
(9)最高引取速度(MTV、単位:m/分)
(8)のメルトテンションの測定において、フィラメント状のエチレン−α−オレフィン共重合体が切断する際の引取速度を最高引取速度とした。この値が高いほど押出成形時の引き取り性に優れる。
【0219】
(10)特性緩和時間(τ)(sec)
粘弾性測定装置(Rheometrics社製Rheometrics Mechanical Spectrometer RMS−800)を用いて、下記測定条件で130℃、150℃、170℃および190℃での溶融複素粘度−角周波数曲線を測定し、次に、得られた溶融複素粘度−角周波数曲線から、Rheometrics社製計算ソフトウェア Rhios V.4.4.4を用いて、190℃での溶融複素粘度−角周波数曲線のマスターカーブを作成し、特性緩和時間(τ)を求めた。
<測定条件>
ジオメトリー:パラレルプレート
プレート直径:25mm
プレート間隔:1.5〜2mm
ストレイン :5%
角周波数 :0.1〜100rad/秒
測定雰囲気 :窒素
【0220】
実施例1
(1)固体触媒成分(S)の調製
窒素置換した攪拌機付きの50リットルの反応器に、成分(b)固体状担体として窒素流通下で300℃において加熱処理したシリカ(デビソン社製 Sylopol948;平均粒子径=55μm;細孔容量=1.67ml/g;比表面積=325m2/g)9.68kgを入れた。トルエンを100リットル加えた後、2℃に冷却した。これにメチルアルモキサンのトルエン溶液(2.9M)26.3リットルを一時間かけて滴下した。5℃にて30分間攪拌した後、90分間かけて95℃まで加熱し、4時間攪拌を行った。その後40℃へ冷却した後、40分間静置し、固体成分を沈降させ、上層のスラリー部分を取り除いた。洗浄操作として、これに、トルエン100リットルを加え、10分間攪拌した後、攪拌を停止して静置し固体成分を沈降させ、同様に上層のスラリー部分を取り除いた。以上の洗浄操作を計3回繰り返した。さらに、トルエン100リットルを加え、攪拌を行った後、攪拌を止めると同時にろ過を行った。この操作をもう1回繰り返した後、ヘキサン110リットルを加え、同様の方法にてろ過を行った。この操作をもう一度繰り返した。その後、窒素流通下70℃で7時間乾燥を行うことにより、固体状触媒成分12.6kgを得た。元素分析の結果、Al=4.4mmol/gであった。
【0221】
(2)重合
減圧乾燥後アルゴンで置換した内容積3リットルの撹拌機付きオートクレーブ内を真空にし、1−ヘキセンを180ml、重合溶媒としてブタンを650g仕込み、70℃まで昇温した。その後、エチレンを、その分圧が1.6MPaになるように加え系内を安定させた。これに、有機アルミニウム化合物(C)として濃度を1mol/lに調整したトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液 0.9mlを投入した。次に、濃度を2μmol/mlに調整したジメチルシランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド[遷移金属化合物(B1)に相当]のトルエン溶液 3.125mlと、濃度を1μmol/mlに調整したジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド[遷移金属化合物(B2)に相当]のトルエン溶液 0.5mlを投入し、続いて上記(1)で得られた固体触媒成分(S)104.6mgを投入した。重合中は、エチレンを連続的に供給しながら、70℃で60分間重合した。その後、ブタン、エチレンをパージして、エチレン−1−ヘキセン共重合体43gを得た。
得られた共重合体の物性を表1に示した。
【0222】
実施例2
(1)重合
減圧乾燥後アルゴンで置換した内容積3リットルの撹拌機付きオートクレーブ内を真空にし、水素をその分圧が0.0025MPaになるように加え、1−ヘキセンを180ml、重合溶媒としてブタンを650g仕込み、70℃まで昇温した。その後、エチレンを、その分圧が1.6MPaになるように加え系内を安定させた。これに、有機アルミニウム化合物(C)として濃度を1mol/lに調整したトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液 0.9mlを投入した。次に、濃度を2μmol/mlに調整したジメチルシランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド[遷移金属化合物(B1)に相当]のトルエン溶液 6.25mlと、濃度を1μmol/mlに調整したジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド[遷移金属化合物(B2)に相当]のトルエン溶液 1mlを投入し、続いて上記実施例1(1)で得られた固体触媒成分210.8mgを投入した。重合中は、エチレンガスを連続的に供給しながら、70℃で60分間重合した。その後、ブタン、エチレンをパージして、エチレン−1−ヘキセン共重合体86gを得た。得られた共重合体の物性を表1に示した。
【0223】
実施例3
(1)重合
減圧乾燥後アルゴンで置換した内容積3リットルの撹拌機付きオートクレーブ内を真空にし、水素をその分圧が0.005MPaになるように加え、1−ヘキセンを180ml、重合溶媒としてブタンを650g仕込み、70℃まで昇温した。その後、エチレンを、その分圧が1.6MPaになるように加え系内を安定させた。これに、有機アルミニウム化合物(C)として濃度を1mol/lに調整したトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液 0.9mlを投入した。次に、濃度を2μmol/mlに調整したジメチルシランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド[遷移金属化合物(B1)に相当]のトルエン溶液 6.25mlと、濃度を1μmol/mlに調整したジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド[遷移金属化合物(B2)に相当]のトルエン溶液 1.0mlを投入し、続いて上記実施例1(1)で得られた固体触媒成分(S)105.8mgを投入した。重合中は、エチレン/水素混合ガス(水素=0.043mol%)を連続的に供給しながら、70℃で90分間重合した。その後、ブタン、エチレン、水素をパージして、エチレン−1−ヘキセン共重合体42gを得た。得られた共重合体の物性を表1に示した。
【0224】
実施例4
(1)重合
減圧乾燥後アルゴンで置換した内容積3リットルの撹拌機付きオートクレーブ内を真空にし、1−ヘキセンを180ml、重合溶媒としてブタンを650g仕込み、70℃まで昇温した。その後、エチレンを、その分圧が1.6MPaになるように加え系内を安定させた。これに、有機アルミニウム化合物(C)として濃度を1mol/lに調整したトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液 0.9mlを投入した。次に、濃度を2μmol/mlに調整したジメチルシランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド[遷移金属化合物(B1)に相当]のトルエン溶液 3mlと、濃度を1μmol/mlに調整したジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド[遷移金属化合物(B2)に相当]のトルエン溶液 0.1mlを投入し、続いて上記実施例1(1)で得られた固体触媒成分91.1mgを投入した。重合中は、エチレンガスを連続的に供給しながら、70℃で60分間重合した。その後、ブタン、エチレンをパージして、エチレン−1−ヘキセン共重合体34gを得た。得られた共重合体の物性を表1に示した。
【0225】
実施例5
(1)重合
減圧乾燥後アルゴンで置換した内容積3リットルの撹拌機付きオートクレーブ内を真空にし、1−ヘキセンを180ml、重合溶媒としてブタンを650g仕込み、70℃まで昇温した。その後、エチレンを、その分圧が1.6MPaになるように加え系内を安定させた。これに、有機アルミニウム化合物(C)として濃度を1mol/lに調整したトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液 0.9mlを投入した。次に、濃度を2μmol/mlに調整したジメチルシランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド[遷移金属化合物(B1)に相当]のトルエン溶液 5mlと、濃度を1μmol/mlに調整したジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド[遷移金属化合物(B2)に相当]のトルエン溶液 0.25mlを投入し、続いて上記実施例1(1)で得られた固体触媒成分207.8mgを投入した。重合中は、エチレンガスを連続的に供給しながら、70℃で60分間重合した。その後、ブタン、エチレンをパージして、エチレン−1−ヘキセン共重合体77gを得た。
得られた共重合体の物性を表1に示した。
【0226】
実施例6
(1)重合
減圧乾燥後アルゴンで置換した内容積3リットルの撹拌機付きオートクレーブ内を真空にし、1−ヘキセンを180ml、重合溶媒としてブタンを650g仕込み、70℃まで昇温した。その後、エチレンを、その分圧が1.6MPaになるように加え系内を安定させた。これに、有機アルミニウム化合物(C)として濃度を1mol/lに調整したトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液 0.9mlを投入した。次に、濃度を2μmol/mlに調整したジメチルシランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド[遷移金属化合物(B1)に相当]のトルエン溶液 5mlと、濃度を1μmol/mlに調整したジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド[遷移金属化合物(B2)に相当]のトルエン溶液 0.5mlを投入し、続いて上記実施例1(1)で得られた固体触媒成分209mgを投入した。
重合中は、エチレンガスを連続的に供給しながら、70℃で60分間重合した。その後、ブタン、エチレンをパージして、エチレン−1−ヘキセン共重合体82gを得た。得られた共重合体の物性を表1に示した。
【0227】
比較例1
(1)スラリー状触媒成分(Cat−1)の調製
窒素置換した100mlのガラス製ナスフラスコに実施例1(1)で調製したスラリー状触媒成分(S)を200mg加えた。次に、濃度を2μmol/mlに調整したジメチルシランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド[遷移金属化合物(B1)に相当]のトルエン溶液 12.5mlと、濃度を2μmol/mlに調整したジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド[遷移金属化合物(B2)に相当]のトルエン溶液 1mlを投入し、攪拌しながら室温で5分間反応させた。その後、上澄み液をデカンテーションにより除いた後、ヘキサンで2回洗浄し、6mlのヘキサンスラリーとした。
【0228】
(2)重合
減圧乾燥後アルゴンで置換した内容積3リットルの撹拌機付きオートクレーブ内を真空にし、1−ヘキセンを180ml、重合溶媒としてブタンを650g仕込み、70℃まで昇温した。その後、エチレン/水素混合ガス(水素=0.33mol%)を、混合ガスの分圧が1.6MPaになるように加え、系内を安定させた。ガスクロマトグラフィー分析の結果、系内のガス組成は、水素=0.15mol%であった。これに、有機アルミニウム化合物(C)として濃度を1mol/lに調整したトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液 0.9mlを投入した。次に、上記(2)で調製したスラリー状触媒成分(Cat-1)を6ml投入した。重合中は、エチレン/水素混合ガス(水素=0.33mol%)を
連続的に供給しながら、70℃で60分間重合した。その後、ブタン、エチレン、水素をパージして、エチレン−1−ヘキセン共重合体71gを得た。得られた共重合体の物性を表2に示した。
【0229】
比較例2
(1)固体触媒成分の調製
窒素置換した撹拌機を備えた反応器に、窒素流通下で300℃において加熱処理したシリカ(デビソン社製 Sylopol948;50%体積平均粒子径=55μm;細孔容量=1.67ml/g;比表面積=325m2/g)2.8kgとトルエン24kgとを入れて、撹拌した。その後、5℃に冷却した後、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン0.9kgとトルエン1.4kgとの混合溶液を反応器の温度を5℃に保ちながら30分間で滴下した。滴下終了後、5℃で1時間撹拌し、次に95℃に昇温し、95℃で3時間撹拌し、ろ過した。得られた固体生成物をトルエン20.8kgで6回、洗浄を行った。その後、トルエン7.1kgを加えスラリーとし、一晩静置した。
【0230】
上記で得られたスラリーに、ジエチル亜鉛のヘキサン溶液(ジエチル亜鉛濃度:50重量%)1.73kgとヘキサン1.02kgとを投入し、撹拌した。その後、5℃に冷却した後、3,4,5−トリフルオロフェノール0.78kgとトルエン1.44kgとの混合溶液を、反応器の温度を5℃に保ちながら60分間で滴下した。滴下終了後、5℃で1時間撹拌し、次に40℃に昇温し、40℃で1時間撹拌した。その後、22℃に冷却し、H2O0.11kgを反応器の温度を22℃に保ちながら1.5時間で滴下した。滴下終了後、22℃で1.5時間撹拌し、次に40℃に昇温し、40℃で2時間撹拌し、更に80℃に昇温し、80℃で2時間撹拌した。撹拌後、室温にて、残量16Lまで上澄み液を抜き出し、トルエン11.6kgを投入し、次に、95℃に昇温し、4時間撹拌した。
撹拌後、室温にて、上澄み液を抜き出し、固体生成物を得た。得られた固体生成物をトルエン20.8kgで4回、ヘキサン24リットルで3回、洗浄を行った。その後、乾燥することにより、固体触媒成分を得た。
【0231】
(2)重合
減圧乾燥後アルゴンで置換した内容積3リットルの撹拌機付きオートクレーブ内を真空にし、水素をその分圧が0.025MPaになるように加え、1−ヘキセンを180ml、重合溶媒としてブタンを650g仕込み、70℃まで昇温した。その後、エチレンを、その分圧が1.6MPaになるように加え系内を安定させた。ガスクロマトグラフィー分析の結果、系内のガス組成は、水素=1.56mol%であった。これに、有機アルミニウム化合物(C)として濃度を1mol/lに調整したトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液 0.9mlを投入した。次に、濃度を2μmol/mlに調整したラセミ−エチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジフェノキシドのトルエン溶液 0.2mlと、濃度を0.1μmol/mlに調整したジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド[遷移金属化合物(B2)に相当]のトルエン溶液 0.3mlを投入し、続いて比較例2(1)で得られた固体触媒成分18.8mgを投入した。重合中は、エチレン/水素混合ガス(水素=0.22mol%)を連続的に供給しながら、70℃で180分間重合した。その後、ブタン、エチレン、水素をパージして、エチレン−1−ヘキセン共重合体179gを得た。得られた共重合体の物性評価の結果を表2に示した。
【0232】
【表1】

【0233】
【表2】


※ Henckey rateを1s-1にして測定した時に、伸張した樹脂が伸張開始から2.5秒より前に破断。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エチレンに基づく単量体単位と炭素数3〜20のα−オレフィンに基づく単量体単位とを有し、密度(d)が860〜950kg/m3であり、メルトフローレート(MFR)が0.01〜100g/10分であり、ゲル・パーミエイション・クロマトグラフ(GPC)法により測定された分子量分布曲線において、最大ピークを与える分子量が10,000から20,000の範囲にあり、該最大ピークの高さを100%とした時の、分子量177,000の位置でのピーク高さが5%以上30%以下であり、特性緩和時間(τ)が式(1)の関係を満足し、示差走査熱量計(DSC)によって観測される融解ピークが複数個存在する、エチレン−α−オレフィン共重合体。
40.2×MFR−0.606<τ<71.8×MFR−0.175 式(1)
【請求項2】
エチレンに基づく単量体単位と炭素数3〜20のα−オレフィンに基づく単量体単位とを有し、密度(d)が860〜950kg/m3であり、メルトフローレート(MFR)が0.01〜100g/10分であり、ゲル・パーミエイション・クロマトグラフ(GPC)法により測定された分子量分布曲線において、最大ピークを与える分子量が10,000から20,000の範囲にあり、該最大ピークの高さを100%とした時の、分子量177,000の位置でのピーク高さが5%以上30%以下であり、NMRで測定される炭素数5以上の分岐数(NLCB)が0.1以上であり、示差走査熱量計(DSC)によって観測される融解ピークが複数個存在する、エチレン−α−オレフィン共重合体。
【請求項3】
請求項1または2に記載のエチレン−α−オレフィン共重合体を押出成形して得られる成形体。

【公開番号】特開2011−213998(P2011−213998A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−55276(P2011−55276)
【出願日】平成23年3月14日(2011.3.14)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】