エチレン系重合体製造用触媒およびエチレン系重合体の製造方法
【課題】原料モノマーとしてエチレンのみを使用した場合であっても、短鎖分岐を有するエチレン系重合体を効率的に製造できる触媒及び当該触媒によりエチレン系重合体を製造する方法を提供すること。
【解決手段】エチレン系重合体製造用触媒であって、下記一般式(1)で表される第4族遷移金属の錯体(I)、オレフィン重合用錯体、活性化助触媒成分及び担体から調製される触媒であって、前記錯体(I)及びオレフィン重合用錯体が担体に担持された触媒。
【解決手段】エチレン系重合体製造用触媒であって、下記一般式(1)で表される第4族遷移金属の錯体(I)、オレフィン重合用錯体、活性化助触媒成分及び担体から調製される触媒であって、前記錯体(I)及びオレフィン重合用錯体が担体に担持された触媒。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
エチレン系重合体製造用触媒であって、以下の一般式(1)、(2−1)または(2−2)で表される錯体(I)、オレフィン重合用錯体、活性化助触媒成分及び担体から調製される触媒であって、錯体(I)及びオレフィン重合用錯体が担体に担持された触媒。
[式中、M1は元素の周期律表の第4族の遷移金属原子を表し、
Cpはシクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基を表し、
J1は元素の周期律表の第13〜16族から選択される原子を表し、
l及びmは、夫々、1または0であり、l+mは(J1の価数−2)に等しい整数を表す。
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、X1、X2及びX3は、夫々、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロカルビル基、置換ヒドロカルビル基、ヒドロカルビルオキシ基、置換ヒドロカルビルオキシ基、置換シリル基、2置換アミノ基を表し、R1、R2、R3、R4及びR5のうち、隣接した2つの炭素原子に結合する2つの基は結合して、該2つの基が結合している2つの炭素原子と一緒になって環を形成していてもよく、R6及びR7は結合して、それらが結合しているJ1と一緒になって環を形成していてもよく、X1、X2及びX3のうち、2つの基は結合して、M1と一緒になって環を形成していてもよい。]
[式中、M2は元素の周期律表の第4族の遷移金属原子を表し、
A21は、酸素原子、窒素原子、リン原子又は硫黄原子を表し、
Z1は、A21とNとを連結する基であり、A21とNとを結ぶ最短結合数は4〜6であり、
A21とZ1とを結ぶ結合は二重結合であってもよく、
R21、R22、R23、R24、R25及びX4は、夫々、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロカルビル基、置換ヒドロカルビル基、ヒドロカルビルオキシ基、置換ヒドロカルビルオキシ基、置換シリル基、2置換アミノ基を表し、R21、R22、R23、R24及びR25のうち、2つ以上が互いに連結していてもよく、3つのX4は、夫々同じでも異なっていてもよく、2つ以上のX4は結合して、M2と一緒になって環を形成していてもよく、
R26は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロカルビル基、置換ヒドロカルビル基、ヒドロカルビリデン基、置換ヒドロカルビリデン基を表し、R26とA21とを結ぶ結合は二重結合であってもよく、R26はZ1と結合していてもよい。]
[式中、M2は元素の周期律表の第4族の遷移金属原子を表し、
A22は、窒素原子又はリン原子を表し、
Z2は、A22とNとを連結する基であり、A22とNとを結ぶ最短結合数は4〜6であり、
R21、R22、R23、R24、R25及びX4は、夫々、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロカルビル基、置換ヒドロカルビル基、ヒドロカルビルオキシ基、置換ヒドロカルビルオキシ基、置換シリル基、2置換アミノ基を表し、R21、R22、R23、R24及びR25のうち、2つ以上が互いに連結していてもよく、3つのX4は、夫々同じでも異なっていてもよく、2つ以上のX4は結合して、M2と一緒になって環を形成していてもよく、
R27及びR28は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロカルビル基、置換ヒドロカルビル基を表し、R28はZ2と結合していてもよい。]
【請求項2】
下記成分(X)を有する請求項1に記載の触媒。
成分(X):錯体(I)、オレフィン重合用錯体、活性化助触媒成分及び担体を接触させて得られる粒子。
【請求項3】
下記成分(A)と下記成分(B)とを有する請求項1に記載の触媒。
成分(A):錯体(I)、活性化助触媒成分及び担体を接触させて得られる粒子。
成分(B):オレフィン重合用錯体、活性化助触媒成分及び担体を接触させて得られる粒子。
【請求項4】
下記成分(X)と、下記成分(A)及び下記成分(B)の両方又はいずれか一方とを有する請求項1に記載の触媒。
成分(X):錯体(I)、オレフィン重合用錯体、活性化助触媒成分及び担体を接触させて得られる粒子。
成分(A):錯体(I)、活性化助触媒成分及び担体を接触させて得られる粒子。
成分(B):オレフィン重合用錯体、活性化助触媒成分及び担体を接触させて得られる粒子。
【請求項5】
式(1)で表される化合物が下記式(1−2)で表される化合物である請求項1〜4のいずれかに記載の触媒。
[式中、M1は元素周期律表の第4族の遷移金属原子を表し、
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10及びR11は、水素原子、ハロゲン原子、または炭素原子数1〜20のヒドロカルビル基を表し、
R8、R9、R10及びR11のうち、少なくとも一つはハロゲン原子、または炭素原子数1〜20のヒドロカルビル基であり、
X1、X2及びX3は、夫々、ハロゲン原子、ヒドロカルビル基、置換ヒドロカルビル基、ヒドロカルビルオキシ基、または置換ヒドロカルビルオキシ基を表す。]
【請求項6】
オレフィン重合用錯体が下記式(11)又は(12)で表される化合物である請求項1〜6のいずれかに記載の触媒。
[式中、M3は元素の周期律表の第4族の遷移金属原子を表し、
Cp1はシクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基を表し、
J2は、元素の周期律表の第14族の原子1個または2個でCp1とA2とを連結する基を表す。
A2は、J2とM3とを連結する基であって、元素の周期律表の第15族の原子または元素の周期律表の第16族の原子でM3と結合する基、あるいは、シクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基を表す。
X5、X6は、夫々、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロカルビル基、置換ヒドロカルビル基、ヒドロカルビルオキシ基、置換ヒドロカルビルオキシ基、置換シリル基、または2置換アミノ基を表す。]
[式中、M4は元素の周期律表の第4族の遷移金属原子を表し、
Cp2及びCp3はシクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基を表し、
X7及びX8は、夫々、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロカルビル基、置換ヒドロカルビル基、ヒドロカルビルオキシ基、置換ヒドロカルビルオキシ基、置換シリル基、または2置換アミノ基を表す。]
【請求項7】
請求項2に記載の触媒の製造方法であって、
該方法が、錯体(I)、オレフィン重合用錯体、活性化助触媒成分及び担体を溶媒中で接触させた後、溶媒を除去して成分(X)を得る工程を有する方法。
【請求項8】
請求項3に記載の触媒の製造方法であって、
該方法が、以下の成分(A)を得る工程と、成分(B)を得る工程とを有する方法:
錯体(I)、活性化助触媒成分及び担体を溶媒中で接触させた後、溶媒を除去して成分(A)を得る工程、
オレフィン重合用錯体、活性化助触媒成分及び担体を溶媒中で接触させた後、溶媒を除去して成分(B)を得る工程。
【請求項9】
請求項4に記載の触媒の製造方法であって、
該方法が、以下の成分(X)を得る工程と、以下の成分(A)を得る工程及び成分(B)を得る工程の両方またはいずれか一方とを有する方法。
錯体(I)、オレフィン重合用錯体、活性化助触媒成分及び担体を溶媒中で接触させた後、溶媒を除去して成分(X)を得る工程、
錯体(I)、活性化助触媒成分及び担体を溶媒中で接触させた後、溶媒を除去して成分(A)を得る工程、
オレフィン重合用錯体、活性化助触媒成分及び担体を溶媒中で接触させた後、溶媒を除去して成分(B)を得る工程。
【請求項10】
請求項1〜6のいずれかに記載の触媒により、エチレンを含むオレフィンを重合するエチレン系重合体の製造方法。
【請求項11】
気相重合法によりエチレンを含むオレフィンを重合する請求項10に記載のエチレン系重合体の製造方法。
【請求項1】
エチレン系重合体製造用触媒であって、以下の一般式(1)、(2−1)または(2−2)で表される錯体(I)、オレフィン重合用錯体、活性化助触媒成分及び担体から調製される触媒であって、錯体(I)及びオレフィン重合用錯体が担体に担持された触媒。
[式中、M1は元素の周期律表の第4族の遷移金属原子を表し、
Cpはシクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基を表し、
J1は元素の周期律表の第13〜16族から選択される原子を表し、
l及びmは、夫々、1または0であり、l+mは(J1の価数−2)に等しい整数を表す。
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、X1、X2及びX3は、夫々、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロカルビル基、置換ヒドロカルビル基、ヒドロカルビルオキシ基、置換ヒドロカルビルオキシ基、置換シリル基、2置換アミノ基を表し、R1、R2、R3、R4及びR5のうち、隣接した2つの炭素原子に結合する2つの基は結合して、該2つの基が結合している2つの炭素原子と一緒になって環を形成していてもよく、R6及びR7は結合して、それらが結合しているJ1と一緒になって環を形成していてもよく、X1、X2及びX3のうち、2つの基は結合して、M1と一緒になって環を形成していてもよい。]
[式中、M2は元素の周期律表の第4族の遷移金属原子を表し、
A21は、酸素原子、窒素原子、リン原子又は硫黄原子を表し、
Z1は、A21とNとを連結する基であり、A21とNとを結ぶ最短結合数は4〜6であり、
A21とZ1とを結ぶ結合は二重結合であってもよく、
R21、R22、R23、R24、R25及びX4は、夫々、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロカルビル基、置換ヒドロカルビル基、ヒドロカルビルオキシ基、置換ヒドロカルビルオキシ基、置換シリル基、2置換アミノ基を表し、R21、R22、R23、R24及びR25のうち、2つ以上が互いに連結していてもよく、3つのX4は、夫々同じでも異なっていてもよく、2つ以上のX4は結合して、M2と一緒になって環を形成していてもよく、
R26は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロカルビル基、置換ヒドロカルビル基、ヒドロカルビリデン基、置換ヒドロカルビリデン基を表し、R26とA21とを結ぶ結合は二重結合であってもよく、R26はZ1と結合していてもよい。]
[式中、M2は元素の周期律表の第4族の遷移金属原子を表し、
A22は、窒素原子又はリン原子を表し、
Z2は、A22とNとを連結する基であり、A22とNとを結ぶ最短結合数は4〜6であり、
R21、R22、R23、R24、R25及びX4は、夫々、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロカルビル基、置換ヒドロカルビル基、ヒドロカルビルオキシ基、置換ヒドロカルビルオキシ基、置換シリル基、2置換アミノ基を表し、R21、R22、R23、R24及びR25のうち、2つ以上が互いに連結していてもよく、3つのX4は、夫々同じでも異なっていてもよく、2つ以上のX4は結合して、M2と一緒になって環を形成していてもよく、
R27及びR28は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロカルビル基、置換ヒドロカルビル基を表し、R28はZ2と結合していてもよい。]
【請求項2】
下記成分(X)を有する請求項1に記載の触媒。
成分(X):錯体(I)、オレフィン重合用錯体、活性化助触媒成分及び担体を接触させて得られる粒子。
【請求項3】
下記成分(A)と下記成分(B)とを有する請求項1に記載の触媒。
成分(A):錯体(I)、活性化助触媒成分及び担体を接触させて得られる粒子。
成分(B):オレフィン重合用錯体、活性化助触媒成分及び担体を接触させて得られる粒子。
【請求項4】
下記成分(X)と、下記成分(A)及び下記成分(B)の両方又はいずれか一方とを有する請求項1に記載の触媒。
成分(X):錯体(I)、オレフィン重合用錯体、活性化助触媒成分及び担体を接触させて得られる粒子。
成分(A):錯体(I)、活性化助触媒成分及び担体を接触させて得られる粒子。
成分(B):オレフィン重合用錯体、活性化助触媒成分及び担体を接触させて得られる粒子。
【請求項5】
式(1)で表される化合物が下記式(1−2)で表される化合物である請求項1〜4のいずれかに記載の触媒。
[式中、M1は元素周期律表の第4族の遷移金属原子を表し、
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10及びR11は、水素原子、ハロゲン原子、または炭素原子数1〜20のヒドロカルビル基を表し、
R8、R9、R10及びR11のうち、少なくとも一つはハロゲン原子、または炭素原子数1〜20のヒドロカルビル基であり、
X1、X2及びX3は、夫々、ハロゲン原子、ヒドロカルビル基、置換ヒドロカルビル基、ヒドロカルビルオキシ基、または置換ヒドロカルビルオキシ基を表す。]
【請求項6】
オレフィン重合用錯体が下記式(11)又は(12)で表される化合物である請求項1〜6のいずれかに記載の触媒。
[式中、M3は元素の周期律表の第4族の遷移金属原子を表し、
Cp1はシクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基を表し、
J2は、元素の周期律表の第14族の原子1個または2個でCp1とA2とを連結する基を表す。
A2は、J2とM3とを連結する基であって、元素の周期律表の第15族の原子または元素の周期律表の第16族の原子でM3と結合する基、あるいは、シクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基を表す。
X5、X6は、夫々、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロカルビル基、置換ヒドロカルビル基、ヒドロカルビルオキシ基、置換ヒドロカルビルオキシ基、置換シリル基、または2置換アミノ基を表す。]
[式中、M4は元素の周期律表の第4族の遷移金属原子を表し、
Cp2及びCp3はシクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基を表し、
X7及びX8は、夫々、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロカルビル基、置換ヒドロカルビル基、ヒドロカルビルオキシ基、置換ヒドロカルビルオキシ基、置換シリル基、または2置換アミノ基を表す。]
【請求項7】
請求項2に記載の触媒の製造方法であって、
該方法が、錯体(I)、オレフィン重合用錯体、活性化助触媒成分及び担体を溶媒中で接触させた後、溶媒を除去して成分(X)を得る工程を有する方法。
【請求項8】
請求項3に記載の触媒の製造方法であって、
該方法が、以下の成分(A)を得る工程と、成分(B)を得る工程とを有する方法:
錯体(I)、活性化助触媒成分及び担体を溶媒中で接触させた後、溶媒を除去して成分(A)を得る工程、
オレフィン重合用錯体、活性化助触媒成分及び担体を溶媒中で接触させた後、溶媒を除去して成分(B)を得る工程。
【請求項9】
請求項4に記載の触媒の製造方法であって、
該方法が、以下の成分(X)を得る工程と、以下の成分(A)を得る工程及び成分(B)を得る工程の両方またはいずれか一方とを有する方法。
錯体(I)、オレフィン重合用錯体、活性化助触媒成分及び担体を溶媒中で接触させた後、溶媒を除去して成分(X)を得る工程、
錯体(I)、活性化助触媒成分及び担体を溶媒中で接触させた後、溶媒を除去して成分(A)を得る工程、
オレフィン重合用錯体、活性化助触媒成分及び担体を溶媒中で接触させた後、溶媒を除去して成分(B)を得る工程。
【請求項10】
請求項1〜6のいずれかに記載の触媒により、エチレンを含むオレフィンを重合するエチレン系重合体の製造方法。
【請求項11】
気相重合法によりエチレンを含むオレフィンを重合する請求項10に記載のエチレン系重合体の製造方法。
【公開番号】特開2012−224842(P2012−224842A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−71305(P2012−71305)
【出願日】平成24年3月27日(2012.3.27)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年3月27日(2012.3.27)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】
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