説明

エッチング組成液

【課題】 よりサイドエッチング抑制効果に優れ、銅薄膜の露出部分(41)を速やかにエッチングし得るエッチング組成液を提供する。
【解決手段】 組成液は、以下の成分(a)〜(f)を含有することを特徴とする。成分(a):塩化第二銅成分(b):塩化水素成分(c):2−アミノベンゾチアゾール化合物成分(d)ベンゾトリアゾール化合物成分(e):式(III) HnN(CH2CH2OH)mH (III) で示されるエタノールアミン化合物またはその塩成分(f):式(IV-a) Ra(OCH2CH2)2OH (IV-a) または式(IV-b) (RbOCH2CH2)2O (IV-b) で示されるグリコールエーテル化合物成分(g):N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミドおよびジメチルホルムアミドからなる群から選ばれる1以上の極性化合物

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エッチング組成液に関し、詳しくは銅プリント配線の形成に用いるエッチング組成液に関する。
【背景技術】
【0002】
基板(2)上に銅プリント配線(3)が設けられた銅プリント配線板(1)は、電子部品として広く用いられている。かかる銅プリント配線板(1)の製造方法としては、
図1(1)に示すように、基板(2)上に銅薄膜(4)が積層された銅薄膜積層基板(1')の、この銅薄膜(4)の上に、所望の回路パターンのエッチングレジスト薄膜(5)を形成し、
図1(2)に示すように、上記銅薄膜(4)のうち、エッチングレジスト薄膜(5)で覆われていない露出部分(41)をエッチング組成液と接触させることによりエッチングして、
図1(3)に示すように、所望のパターンの銅プリント配線(3)を形成する、
いわゆる湿式エッチング法が知られており、エッチング組成液としては、(a)塩化第二銅および(b)塩化水素を含むものが広く用いられている。
【0003】
湿式エッチング法においては、露出部分(41)の表面に対して垂直方向(L)だけでなく、水平方向(H)にも銅薄膜(4)がエッチングされる、サイドエッチングと呼ばれる現象が生ずる。微細な回路パターンの銅プリント配線(3)を形成するには、このサイドエッチングを抑制し、垂直方向(L)に選択的にエッチングを進行させることが好ましい。このため、エッチング組成液としては、サイドエッチングを抑制する効果の優れたものが求められている。
【0004】
このようなサイドエッチング抑制効果を有するエッチング組成液としては、(a)塩化第二銅、(b)塩化水素、(c)2−アミノベンゾチアゾール化合物、グリコール化合物およびポリアミン化合物を含有するエッチング組成液〔特許文献1:特開平6−57453号公報の実施例の欄〕、
(a)塩化第二銅、(b)塩化水素および芳香族スルホン酸を含有するエッチング組成液〔特許文献2:特開昭63−79984号公報の実施例の欄〕が知られている。
【0005】
しかし、近年、銅プリント配線(3)の回路パターンは益々細線化しており、従来のエッチング組成液よりもサイドエッチング抑制効果の優れたエッチング組成液が求められている。また、生産性を向上させるために、露出部分(41)を速やかにエッチングし得るものが望まれている。
【0006】
【特許文献1】特開平6−57453号公報の実施例の欄
【特許文献2】特開昭63−79984号公報の実施例の欄
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで本発明者は、よりサイドエッチング抑制効果の優れ、銅薄膜の露出部分(41)を速やかにエッチングし得るエッチング組成液を開発するべく鋭意検討した結果、本発明に至った。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち本発明は、以下の成分(a)〜成分(g)を含有することを特徴とするエッチング組成液を提供するものである。
【0009】
成分(a):塩化第二銅
成分(b):塩化水素
成分(c):式(I)

〔式中、X1は水素原子、ニトロ基、メトキシ基または塩素原子を示す。〕
で示される2−アミノベンゾチアゾール化合物
成分(d):式(II)

〔式中、X2は、水素原子、ヒドロキシル基、メチル基、アミノ基または塩素原子を示す。〕
で示されるベンゾトリアゾール化合物
成分(e):式(III)
nN(CH2CH2OH)mH (III)
〔式中、mは1〜3の数を示し、n=3−mである。〕
で示されるエタノールアミン化合物またはその塩
成分(f):式(IV-a)
a(OCH2CH2)2OH (IV-a)
〔式中、Raは炭素数1〜3のアルキル基を示す〕
または式(IV-b)
(RbOCH2CH2)2O (IV-b)
〔式中、Rbは炭素数1〜3のアルキル基を示す〕
で示されるグリコールエーテル化合物
成分(g):N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミドまたはジメチルホルムアミド
【発明の効果】
【0010】
本発明のエッチング組成液によれば、サイドエッチングがより抑制されるので、より細かな回路パターンの銅プリント配線を容易に形成することができる。また、エッチング速度が大きいので、従来よりも短い時間でエッチングをすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明のエッチング組成液に含まれる成分(a)の塩化第二銅〔Cu(II)Cl2〕の含有量は、エッチングに長時間を要せず、微細な回路パターンの銅プリント配線(3)を容易に形成し得る点で、通常100g/L以上、好ましくは120g/L以上であり、エッチング速度が早過ぎない点で、通常300g/L以下、好ましくは280g/L以下である。
【0012】
成分(b)の塩化水素〔HCl〕の含有量は、均一な線幅の銅プリント配線(3)を容易に形成し得る点で、遊離酸として、通常40g/L以上であり、エッチング組成液がレジスト薄膜(5)と銅薄膜(4)との間に浸透することがなく、微細な回路パターンの銅プリント配線(3)を容易に形成できる点で、通常130g/L以下程度である。
【0013】
成分(c)の式(I)で示される2−アミノベンゾチアゾール化合物として具体的には、例えば2−アミノベンゾチアゾール、2−アミノ−6−ニトロベンゾチアゾール、2−アミノ−6−メトキシベンゾチアゾール、2−アミノ−6−クロロベンゾチアゾールなどが挙げられ、これらはそれぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いられる。本発明のエッチング組成液における成分(c)の2−アミノベンゾチアゾール化合物(I)の含有量は、エッチング組成液を基準として、サイドエッチングを抑制する効果が十分に得られる点で、通常0.03質量%以上であり、余りに多いとエッチング速度が遅くなり実用的でなくなることから、通常は0.3質量%以下である。
【0014】
成分(d)の式(II)で示されるベンゾトリアゾール化合物としては、例えばベンゾトリアゾール、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、5−メチル−1H−ベンゾトリアゾール、1−アミノベンゾトリアゾール、5−クロロベンゾトリアゾールなどが挙げられ、これらはそれぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いられる。エッチング組成液における成分(d)のベンゾトリアゾール化合物(II)の含有量は、成分(c)に対して通常0.1質量倍〜10質量倍、好ましくは5質量倍以下であり、エッチング組成液を基準として、サイドエッチングを抑制する効果の点で、0.03質量%以上であり、過剰に含有させても含有量に見合った効果が得られず、経済的に不利であることから、0.3質量%以下であることが好ましい。
【0015】
成分(e)の式(III)で示されるエタノールアミン化合物としては、例えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンが挙げられ、その塩としては、例えば塩酸塩、硫酸塩などが挙げられる。本発明のエッチング組成液における成分(e)のエタノールアミン化合物(III)の含有量は、成分(c)に対して通常0.2質量倍〜70質量倍、好ましくは50質量倍以下であり、エッチング組成液を基準として、サイドエッチングを抑制する効果の点で、0.01質量%以上であり、過剰に含有させても含有量に見合った効果が得られず、経済的に不利であることから、2質量%以下であることが好ましい。
【0016】
成分(f)の式(IV-a)または式(IV-b)で示されるグリコールエーテル化合物としては、例えばジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールn−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジn−ブチルエーテルなどが挙げられる。エッチング組成液における成分(e)のグリコールエーテル化合物の含有量は、成分(c)に対して通常1質量倍〜100質量倍、好ましくは3質量倍〜70質量倍であり、エッチング組成液を基準として、サイドエッチングを抑制する効果の点で、0.3質量%以上であり、過剰に含有させても含有量に見合った効果が得られず、経済的に不利であることから、3質量%以下であることが好ましい。
【0017】
成分(g)のN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミドおよびジメチルホルムアミドからなる群から選ばれる1以上の極性化合物は、それぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いられる。エッチング組成液における成分(g)の極性化合物の含有量は、成分(c)に対して通常0.1質量倍〜70質量倍、好ましくは50質量倍以下であり、エッチング組成液を基準として、0.01質量%以上、2質量%以下であることが好ましい。
【0018】
本発明のエッチング組成液は、例えば水に、成分(a)〜成分(g)を添加し、溶解させる方法により調製することができる。また、成分(c)〜成分(g)を含むエッチング組成液用添加剤を予め調製しておき、成分(a)および成分(b)が水に溶解されたエッチング組成液に、この予め調製した添加剤を添加し、溶解させることにより、本発明のエッチング組成液を調製してもよい。
【0019】
本発明のエッチング組成液を用いて銅プリント配線基板(1)を製造するには、通常の湿式エッチング法と同様に、例えば
図1(1)に示すように、電気絶縁性の樹脂基板、ガラス基板などの基板(2)上に銅薄膜(4)が積層された銅薄膜積層基板(1')の、この銅薄膜(4)の上に、所望の回路パターンのエッチングレジスト薄膜(5)を形成し、
図1(2)に示すように、上記銅薄膜(4)のうち、エッチングレジスト薄膜(5)で覆われていない露出部分(41)を本発明のエッチング組成液と接触させることによりエッチングすることにより、
図1(3)に示すように、所望パターンの銅プリント配線(3)を形成すればよい。
【0020】
基板(2)としては、例えば電気絶縁性の樹脂基板、ガラス基板などが挙げられる。銅薄膜(4)は、銅単独からなる薄膜であってもよいし、銅を主成分とする合金であってもよい。
【0021】
露出部分(41)をエッチング組成液と接触させる方法は特に限定されるものではなく、通常と同様に、例えばエッチング組成液に銅薄膜積層基板(1')を浸漬させる浸漬法により接触させてもよいし、エッチング組成液を銅薄膜の露出部分(41)にスプレーなどの方法により吹き付けて接触させるスプレーエッチング法により接触させてもよい。サイドエッチングをより抑制できる点で、スプレーエッチング法が好ましく、さらにエッチング組成液は、露出部分(41)に対して垂直方向(L)から吹き付けることが好ましい。露出部分(41)に接触したのちのエッチング組成液は、回収して再びスプレーエッチング法に使用することもできる。
【0022】
エッチング組成液の温度は、通常は25℃〜80℃の範囲であり、十分な速度でエッチングが進行する点で、40℃以上であることが好ましく、成分(b)の塩化水素の揮発が少ない点で、50℃以下であることが好ましい。
【0023】
本発明のエッチング組成液はサイドエッチング抑制効果に優れているので、銅薄膜の露出部分(41)は、平行方向(H)のエッチングが抑制され、垂直方向(L)に選択的にエッチングされる。このため、本発明のエッチング組成液によりエッチングすることにより、微細な回路パターンの銅プリント配線(3)を容易に形成することができる。また、エッチング速度が速いので、比較的短い時間でエッチングをすることができる。
【0024】
エッチングの進行と共にエッチング組成液の酸化還元電位が次第に低下し、エッチング速度が低下する場合があるが、このような場合は、エッチング組成液に過酸化水素〔H22〕を添加することにより、酸化還元電位を+400mV以上(銀−塩化銀参照電極基準)に維持してもよい。過酸化水素の添加量は特に限定されるものではないが、添加量に見合った効果が得られず、経済的に不利となることから、通常は酸化還元電位が+660mV以下(銀−塩化銀参照電極基準)の範囲となる量が添加される。なお、酸化還元電位は、通常の方法、例えば指示電極として白金電極を用いて測定することができる。
【実施例】
【0025】
以下、実施例によって本発明をより詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例によって限定されるものではない。
【0026】
実施例1
〔エッチング組成液の調製〕
純水に、(a)塩化第二銅〔CuCl2〕、(b)濃塩酸〔35%塩化水素水溶液〕、(c1)2−アミノベンゾチアゾール、(d1)ベンゾトリアゾール、(e1)ジエタノールアミン、(f1)ジエチレングリコールn−ブチルエーテルおよび(g1)N−メチル−2−ピロリドンを加えて、第1表に示す組成のエッチング組成液を得た。
【0027】
〔エッチング〕
図1(1)に示すように、ガラスエポキシ基板〔幅200mm、長さ200mm〕(2)の片面に、全面に亙って、厚み(t)35μmの銅薄膜(4)が積層された銅薄膜積層基板(1')を準備し、その銅薄膜(4)の上に、厚み35μmのドライフィルムレジストによって、幅(W5)50μmのラインが、50μmの間隔を空けて多数平行に配置されたラインアンドスペースのパターンを形成し、温度45℃、スプレー圧0.15MPa(1.5kgf/cm2、ゲージ圧)にて、上記で得たエッチング組成液をスプレーにより、基板(2)に対して垂直方向(L)から吹き付けてエッチングを行った。エッチングは、図2に示すように、銅薄膜(4)が基板(2)と接している幅をW3dとしたときに、W3dが、レジストの幅W5(=50μm)と一致するまで行った。幅W3dは、エッチング途中の銅薄膜積層基板(1')を水洗し、乾燥したのち、断面を共焦点レーザー顕微鏡〔(株)キーエンス製、「VK−8500」〕により観察することにより求めた。
【0028】
エッチング終了後、銅薄膜から形成された銅プリント配線(3)の上面(30)の幅(W3)を上記と同様にして求め、式(1)
EF = t(μm)×2/(W3d−W3) (1)
により、エッチングファクター(EF)を求めたところ、3.5であった。このエッチングファクター(EF)が大きいほど、サイドエッチングが抑制されていることを示す。また、W3dがW5と一致するまでに要した時間(T)と、銅薄膜(4)の厚み(t=35μm)とから、式(2)
ER = t(μm)/T(分) (2)
によりエッチングレート(ER)を求めたところ、18.2μm/分であった。また、走査型電子顕微鏡(SEM)により銅プリント配線(3)を上方から観察して、銅プリント配線の上面(30)の形状を確認したところ、上面(30)は、全面に亙って図2に示すような平坦面であった。
【0029】
実施例2〜実施例12
第1表に示す含有量となるように、純水に、(a)塩化第二銅および(b)濃塩酸と、第1表に示す(c)2−アミノベンゾチアゾール化合物、(d)ベンゾトリアゾール化合物、(e)エタノールアミン化合物またはその塩、(f)グリコールエーテル化合物および(g)極性化合物とを加えて調製したエッチング組成液を用いた以外は、実施例1と同様に操作してエッチングを行った。実施例1と同様にして、得られた銅プリント配線(3)を上方から観察して、銅プリント配線の上面(30)の形状を確認したところ、上面(30)は全面に亙って図2に示すような平坦面であった。
【0030】
比較例1および比較例2
第1表に示す含有量となるように、純水に、(a)塩化第二銅および(b)濃塩酸と、第1表に示す(c)2−アミノベンゾチアゾール化合物、(d)ベンゾトリアゾール化合物、(e)エタノールアミン化合物またはその塩、および(g)極性化合物とを加えてエッチング組成液を調製し、この組成液を用いた以外は実施例1と同様に操作してエッチングを行い、エッチングファクター(EF)およびエッチングレート(ER)を求めた。なお、実施例1と同様にして、得られた銅プリント配線(3)を上方から観察して、銅プリント配線の上面(30)の形状を確認したところ、図3に示すように、上面(30)に、その両サイド部分が欠けた欠損部(31)が見られた。結果を第1表に示す。
【0031】
比較例3
各成分が第1表に示す含有量となるように、純水に、(a)塩化第二銅〔CuCl2〕、(b)濃塩酸〔35%塩化水素水溶液〕、(g3)ジメチルスルホキシドおよびパラトルエンスルホン酸を加えて、エッチング組成液を調製し、この組成液を用いた以外は実施例1と同様に操作してエッチングを行い、エッチングファクター(EF)およびエッチングレート(ER)を求めた。また実施例1と同様にして、得られた銅プリント配線(3)を上方から観察して、銅プリント配線の上面(30)の形状を確認したところ、図3に示すように、上面(30)に、その両サイド部分が欠けた欠損部(31)が見られた。結果を第1表に示す。
【0032】
比較例4
各成分が第1表に示す含有量となるように、純水に、(a)塩化第二銅〔CuCl2〕、(b)濃塩酸〔35%塩化水素水溶液〕、(f2)ジエチレングリコールn−ブチルエーテルおよびパラトルエンスルホン酸を加えてエッチング組成液を調製し、この組成液を用いた以外は実施例1と同様に操作してエッチングを行い、エッチングファクター(EF)およびエッチングレート(ER)を求めた。また実施例1と同様にして、得られた銅プリント配線(3)を上方から観察して、銅プリント配線の上面(30)の形状を確認したところ、図3に示すように、上面(30)に、その両サイド部分が欠けた欠損部(31)が見られた。結果を第1表に示す。
【0033】
第 1 表
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
CuCl2 HCl 成分(c) 成分(d) 成分(e) 成分(f) 成分(g) EF ER 欠損部
g/L g/L % % % % % μm/分 有無*1
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(実施例)
1 140 50 c1:0.1 d1:0.05 e1:1.0 f1:0.5 g1:0.02 3.5 18.2 ○
2 140 50 c2:0.1 d1:0.1 e2:0.5 f1:2.0 g2:0.5 3.1 17.7 ○
3 140 90 c3:0.1 d2:0.1 e3:0.1 f2:1.5 g3:1.0 3.5 18.1 ○
4 140 90 c1:0.2 d2:0.05 e1:0.05 f2:2.0 g1:0.5 3.4 18.0 ○
5 140 120 c2:0.1 d3:0.1 e2:1.0 f3:0.5 g2:1.0 3.2 18.1 ○
6 140 120 c3:0.2 d3:0.2 e3:0.5 f3:1.0 g3:0.1 3.1 17.9 ○
7 260 50 c1:0.05 d1:0.05 e1:1.0 f1:0.5 g1:1.0 3.1 17.8 ○
8 260 50 c2:0.05 d1:0.1 e2:0.05 f1:1.5 g2:0.02 3.3 18.0 ○
9 260 90 c3:0.1 d2:0.05 e3:1.0 f2:0.5 g3:0.5 3.4 18.1 ○
10 260 90 c1:0.1 d2:0.1 e1:0.5 f2:2.0 g1:0.1 3.2 17.8 ○
11 260 120 c2:0.2 d3:0.05 e2:0.1 f3:2.0 g2:1.0 3.5 18.3 ○
12 260 120 c3:0.05 d3:0.2 e3:0.05 f3:1.0 g3:0.02 3.4 17.7 ○
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(比較例)
1 140 90 c1:0.1 d1:0.2 e4:0.05 − − 2.5 17.2 ×
3 140 90 (パラトルエンスルホン酸:1.0) − g3:0.5 2.4 16.4 ×
4 140 90 (パラトルエンスルホン酸:1.0)f2:2.0 − 2.1 16.6 ×
2 260 120 c3:0.2 d2:0.1 − − g1:1.0 2.5 17.0 ×
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
*1:欠損部の有無は、上面が全面に亙って平坦なものを○、欠損部が見られたものを× として評価した。
【0034】
第1表の各記号の意味は以下のとおりである。
成分(c):2−アミノベンゾチアゾール化合物
c1:2−アミノベンゾチアゾール
c2:2−アミノ−6−メトキシベンゾチアゾール
c3:2−アミノ−6−ニトロベンゾチアゾール
成分(d):ベンゾトリアゾール化合物
d1:ベンゾトリアゾール
d2:1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
d3:1−アミノベンゾトリアゾール
成分(e):エタノールアミン化合物またはその塩
e1:モノエタノールアミン
e2:ジエタノールアミン
e3:トリエタノールアミン塩酸塩
e4:ジエタノールアミン硫酸塩
成分(f):グリコールエーテル化合物
f1:ジエチレングリコールn−ブチルエーテル
f2:ジエチレングリコールジブチルエーテル
f3:ジエチレングリコールジエチルエーテル
成分(g):極性化合物
g1:N−メチル−2−ピロリドン
g2:N,N−ジメチルホルムアミド
g3:ジメチルスルホキシド
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】銅プリント配線板を製造する方法を説明するための模式図である。
【図2】銅プリント配線の断面形状を示す模式図である。
【図3】比較例1〜比較例4で得た銅プリント配線の断面形状を示す模式図である。
【符号の説明】
【0036】
1:銅プリント配線板 1':銅薄膜積層基板
2:基板
3:銅プリント配線 W3d:銅薄膜が基板と接している幅
30:上面 31:欠損部 W3:銅プリント配線の上面の幅
4:銅薄膜 40:境界部分 41:露出部分
5:エッチングレジスト薄膜 W5:幅
L:垂直方向 H:平行方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の成分(a)〜成分(g)を含有することを特徴とするエッチング組成液。
成分(a):塩化第二銅
成分(b):塩化水素
成分(c):式(I)

〔式中、X1は水素原子、ニトロ基、メトキシ基または塩素原子を示す。〕
で示される2−アミノベンゾチアゾール化合物
成分(d):式(II)

〔式中、X2は、水素原子、ヒドロキシル基、メチル基、アミノ基または塩素原子を示す。〕
で示されるベンゾトリアゾール化合物
成分(e):式(III)
nN(CH2CH2OH)mH (III)
〔式中、mは1〜3の数を示し、n=3−mである。〕
で示されるエタノールアミン化合物またはその塩
成分(f):式(IV-a)
a(OCH2CH2)2OH (IV-a)
〔式中、Raは炭素数1〜3のアルキル基を示す〕
または式(IV-b)
(RbOCH2CH2)2O (IV-b)
〔式中、Rbは炭素数1〜3のアルキル基を示す〕
で示されるグリコールエーテル化合物
成分(g):N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミドおよびジメチルホルムアミドからなる群から選ばれる1以上の極性化合物
【請求項2】
成分(a)の含有量が100g/L〜300g/Lであり、
成分(b)の含有量が40g/L〜100g/Lであり、
成分(c)の含有量が0.03質量%〜0.3質量%であり、
成分(c)に対する
成分(d)の含有量が0.1質量倍〜10質量倍であり、
成分(e)の含有量が0.2質量倍〜70質量倍であり、
成分(f)の含有量が1質量倍〜100質量倍であり、
成分(g)の含有量が0.1質量倍〜70質量倍である請求項1に記載のエッチング組成液。
【請求項3】
以下の成分(c)〜成分(g)を含むことを特徴とするエッチング組成液用添加剤。
成分(c):前記式(I)で示される2−アミノベンゾチアゾール化合物
成分(d):前記式(II)で示されるベンゾトリアゾール化合物
成分(e):前記式(III)で示されるエタノールアミン化合物またはその塩
成分(f):前記式(IV-a)または前記式(IV-b)で示されるグリコールエーテル化合物
成分(g):N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミドおよびジメチルホルムアミドからなる群から選ばれる1以上の極性化合物
【請求項4】
成分(c)に対する
成分(d)の含有量が0.1質量倍〜10質量倍であり、
成分(e)の含有量が0.2質量倍〜70質量倍であり、
成分(f)の含有量が1質量倍〜100質量倍であり、
成分(g)の含有量が0.1質量倍〜70質量倍である請求項3に記載の添加剤。
【請求項5】
基板(2)上に銅薄膜(4)が積層された銅薄膜積層基板(1')の前記銅薄膜(4)の上に、所望の回路パターンのエッチングレジスト薄膜(5)を形成し、
前記銅薄膜(4)のうち、エッチングレジスト薄膜(5)で覆われていない露出部分(41)を請求項1または請求項2に記載のエッチング組成液と接触させることによりエッチングすることを特徴とする銅プリント配線板(1)の製造方法。
【請求項6】
エッチング組成液を前記露出部分(41)に対して垂直方向(L)から吹き付けて接触させる請求項5に記載の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−274291(P2006−274291A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−90772(P2005−90772)
【出願日】平成17年3月28日(2005.3.28)
【出願人】(000213840)朝日化学工業株式会社 (47)
【Fターム(参考)】