説明

エネルギーコレクタ

【課題】環境を破壊しないという前提のもと、自然エネルギーを人々が利用可能なエネルギーに転換する装置が必要となっている。
【解決手段】本発明では液圧シリンダと、液圧モータと、送水ホイールとを備えたエネルギーコレクタであって、前記液圧シリンダ内のピストンが往復型運動手段に連結されており、前記液圧シリンダには給水管と排水管とが取付けられるとともに、給水管内には逆止弁aが設けられており、吐水管内には逆止弁bが設けられており、吐水管は液圧モータに接続されており、液圧モータは送水ホイールに駆動的に連結されており、送水ホイール中央部には送水管が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はエネルギーコレクタに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、我々のエネルギー経済はあたかも永久機関のように活動している。数十億人がこれまでにない水準の生活を享受し、かつ国は富という川の流れに浮かんでいるわけであるが、これは多くの部分にて、全世界において、エネルギー工業はすでに巨大なネットワークを構成し、石油および液化炭化水素化合物同族、天然ガスおよび石炭を常に熱エネルギー、エネルギーに転換し、現代文明の原動力として付与しているからである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
百年来、人類は化石燃料を飽和状態となるまでに利用してきているものの、化石燃料の開発が徐々に枯渇していくのに伴い、人類社会および工業の発展は停滞、最悪の場合、後退に陥りかねない。現在、人々は、例えば水力発電所、潮力発電および風力発電など新たなエネルギー源の開発および利用に着手しているものの、このうちの多数は自然のエネルギーを電気エネルギーに転換するものであるうえ、例えば水力発電所などの施設は、自然生態系に変化をもたらしかねず、未知の危険性をはらんでいる。よって、現在では環境を破壊しないという前提のもと、自然エネルギーを人々が利用可能なエネルギーに転換する装置が急遽必要となってきている。
【0004】
本発明の目的は、温室効果ガスを一切排出せず、生態系環境を変えないという前提のもと、最大効率、低コストで自然エネルギーを機械エネルギー、気体動力エネルギーまたは電気エネルギーに転換するエネルギーコレクタを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
液圧シリンダと、液圧モータと、送水ホイールとを備えたエネルギーコレクタであって、前記液圧シリンダ内のピストンが往復型運動手段に連結されており、前記液圧シリンダには給水管と排水管とが取付けられるとともに、給水管内には逆止弁aが設けられており、吐水管内には逆止弁bが設けられており、前記吐水管は液圧モータに接続されており、前記液圧モータは送水ホイールに駆動的に連結されており、前記送水ホイール中央部には送水管が設けられている。
【0006】
さらには、前記送水ホイールは螺旋状の管路を有しており、当該管路の一端は送水管に連結され、送水ホイールの回転中に、前記管路内の海水が送水管に接続されている一端に向けて螺旋状で注水することで、水位を上昇させる。
【0007】
さらには、前記往復型運動手段は金属フロートであって、前記金属フロートは海面上に設置されるとともに、連結ロッドを介してピストンに連結されている。
【0008】
さらには、前記往復型運動手段は風車および回転盤であって、前記風車は駆動手段を介してドライブシャフトに連結されており、前記ドライブシャフトの底部には回転盤が取付けられており、前記ピストンは前記連結ロッドに枢接されており、前記連結ロッドは回転盤の縁部に枢接されている。
【0009】
さらには、前記液圧シリンダは伸縮式スリーブ液圧シリンダであって、前記ピストンはスリーブピストン内に被設されており、前記スリーブピストンはシリンダ本体内に被設されている。
【0010】
さらには、前記液圧モータは駆動ベルトを介して送水ホイールに連結されている。
【発明の効果】
【0011】
本発明の有益な効果は次のとおりである。前記エネルギーコレクタは、金属フロートまたは風車、回転盤を採用して、液圧シリンダを作動させ、同時に液圧シリンダが液圧モータを駆動するとともに、海水が送水ホイールを介して送り出されて、波の運動エネルギーまたは風のエネルギーを利用可能な運動エネルギーに転換し、海水は送水ホイールを介して貯水手段に貯留された後、さらに機械エネルギー、気体動力エネルギーまたは電気エネルギーに転換することで、温室効果ガスを一切排出せず、生態系環境を変えないという前提のもと、自然エネルギーを機械エネルギー、気体動力エネルギーまたは電気エネルギーへの転換を実現できる。送水ホイールは螺旋状構造を採用しており、回転時には、最も外側の管路部分で海水を集めるとともに、内部から中心に向かって螺旋状に収縮した管路を介して海水を送水ホイールの中央部に送ることで、水位を上昇させて、海水送水効率を高めている。同時に伸縮式スリーブ液圧シリンダを採用して、液圧の利用率を高めている。同時に、システム全体の装置部材は簡単で、標準化レベルも高く、コストを効果的に削減し、使用・推進しやすい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の前記エネルギーコレクタにて波エネルギーコレクタの構造概略図。
【図2】本発明の前記エネルギーコレクタにて風力エネルギーコレクタの構造概略図。
【図3】図2における風力エネルギーコレクタでのピストン取付構造概略図。
【図4】本発明の前記エネルギーコレクタにおける伸縮式スリーブ液圧シリンダが伸出したときの構造概略図。
【図5】本発明の前記エネルギーコレクタにおける伸縮式スリーブ液圧シリンダが縮退したときの構造概略図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下にて図面と実施例とを合せて本発明を詳細に説明する。
【0014】
図1に示すように、本実施例において、前記エネルギーコレクタは、液圧シリンダ1と、液圧モータ2と、送水ホイール3とを備えており、前記液圧シリンダ1内のピストン14は往復型運動手段に連結されており、前記液圧シリンダ1には給水管4と吐水管5とが取付けられるとともに、給水管4内には逆止弁a6が設けられており、吐水管5内には逆止弁b7が設けられており、前記吐水管5は液圧モータ2に接続されており、前記液圧モータ2は駆動ベルト17を介して送水ホイール3に連結されている。前記送水ホイール3の中央部には送水管8が取付けられている。前記送水ホイール3は螺旋状の管路を有しており、当該管路の一端は送水管8に連結され、他端は開口しており、送水ホイール3の回転中に、前記管路内の海水を送水管に接続されている一端に向けて螺旋状で注水することで、水位を上昇させることになる。前記往復型運動手段は金属フロート9であって、前記金属フロート9は海面上に設置されるとともに、連結ロッド18を介してピストン14に連結されている。
【0015】
図2、3に示すように、本実施例において、前記往復型運動手段は風車10および回転盤11であって、前記風車10は駆動手段12を介してドライブシャフト13に連結されており、前記ドライブシャフト13の底部には回転盤11が取付けられており、前記ピストン14は前記連結ロッド18に枢接されており、前記連結ロッド18は回転盤11の縁部に枢接されている。
【0016】
図4、5に示すように、以上二つの実施例において、前記液圧シリンダ1は伸縮式スリーブ液圧シリンダであって、前記ピストン14はスリーブピストン15内に被設されており、前記スリーブピストン15はシリンダ本体16内に被設されている。
【0017】
運転時:
図1に示すように、本実施例においては、波の起伏が金属フロート9を上下往復運動させるとともに、連結ロッド18を介してピストン14を液圧シリンダ1内で上下往復運動させるものであり、海水が上昇したとき、ピストン14は金属フロート9が受けた浮力により上方移動するが、このとき逆止弁b7が開き、液圧シリンダ1内の海水が吐水管5に進入すると同時に、逆止弁a6が閉じて、液圧シリンダ1内に収容されている給水管4に流入し、海水が下降したときには、ピストン14は金属フロート9自身の重力により下方移動するが、このとき逆止弁a6が開き、海水が給水管4を介して液圧シリンダ1内に進入すると同時に、逆止弁b7が閉じることで、吐水管5内の海水が液圧シリンダ1内に逆流することはない。液圧モータ2は吐水管5内から吐出された海水により作動するとともに、駆動ベルト17を介して送水ホイール3にて海水が注入された後、送水ホイール3内部の中心に向かって螺旋状に収縮した管路を介して海水を送水ホイール3中央部に流入させるとともに、最後は送水管8を介して貯水手段に流入させる。
【0018】
図2、3に示すように、本実施例において、風が風車10を回転させるとともに、駆動手段12とドライブシャフト13との連携により、回転力を回転盤11に伝達し、回転盤11が回転するとともに枢接されている連結ロッド18を遠心回転させて、連結ロッド18はピストン14を往復運動させるものであり、回転盤11が回転して、ピストン14を上方運動させると、このとき逆止弁b7が開き、液圧シリンダ1内の海水が吐水管5に進入すると同時に、逆止弁a6が閉じて、液圧シリンダ1内の海水が給水管4に逆流するのを防止し、そして回転盤11が回転して、ピストン14を下方運動させると、このとき逆止弁a6が開き、海水は給水管4を介して液圧シリンダ1内に進入すると同時に、逆止弁b7が閉じて、吐水管5内の海水が逆流することはなくなる。吐水管5は図1中の液圧モータ2に連結されており、液圧モータ2は吐水管5内から吐出された海水により作動するとともに、駆動ベルト17を介して送水ホイール3にて海水が注入された後、送水ホイール3内部の中心に向かって螺旋状に収縮した管路を介して海水を送水ホイール3中央部に流入させることで、水位を上昇させるとともに、送水管8を介して貯水手段に流入させる。
【0019】
図4、5に示すように、以上二つの実施例において、ピストン14が上方運動したとき、まず内向きにスリーブピストン15を押圧し、その後引き続き内向きにシリンダ本体16を押圧する。
【0020】
前記エネルギーコレクタは、温室効果ガスを一切排出せず、生態系環境を変えないという前提のもと、最大効率、低コストで自然エネルギーを機械エネルギー、気体動力エネルギーまたは電気エネルギーに転換する。
【符号の説明】
【0021】
1 液圧シリンダ
2 液圧モータ
3 送水ホイール
4 給水管
5 吐水管
6 逆止弁a
7 逆止弁b
8 送水管
9 金属フロート
10 風車
11 回転盤
12 駆動手段
13 ドライブシャフト
14 ピストン
15 スリーブピストン
16 シリンダ本体
17 駆動ベルト
18 連結ロッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液圧シリンダ(1)と、液圧モータ(2)と、送水ホイール(3)とを備えたエネルギーコレクタであって、前記液圧シリンダ(1)内のピストン(14)は往復型運動手段に連結されており、前記液圧シリンダ(1)には給水管(4)と吐水管(5)とが取付けられるとともに、前記給水管(4)内には逆止弁a(6)が設けられており、前記吐水管(5)内には逆止弁b(7)が設けられており、前記吐水管(5)は液圧モータ(2)に接続されており、前記液圧モータ(2)は前記送水ホイール(3)に駆動的に連結されており、前記送水ホイール(3)の中央部には送水管(8)が取付けられている、ことを特徴とするエネルギーコレクタ。
【請求項2】
前記送水ホイール(3)は螺旋状の管路を有しており、当該管路の一端は前記送水管(8)に連結され、前記送水ホイール(3)の回転中に、前記管路内の海水を前記送水管(8)に接続されている一端に向けて螺旋状で注水することで、水位を上昇させる、ことを特徴とする請求項1に記載のエネルギーコレクタ。
【請求項3】
前記往復型運動手段が金属フロート(9)であって、前記金属フロート(9)は海面上に設置されるとともに、連結ロッド(18)を介してピストン(14)に連結されている、ことを特徴とする請求項1に記載のエネルギーコレクタ。
【請求項4】
前記往復型運動手段が風車(10)および回転盤(11)であって、前記風車(10)は駆動手段(12)を介してドライブシャフト(13)に連結されており、前記ドライブシャフト(13)の底部には前記回転盤(11)が取付けられており、前記ピストン(14)は前記連結ロッド(18)に枢接されており、前記連結ロッド(18)は前記回転盤(11)の縁部に枢接されている、ことを特徴とする請求項1に記載のエネルギーコレクタ。
【請求項5】
前記液圧シリンダ(1)が伸縮式スリーブ液圧シリンダであって、前記ピストン(14)はスリーブピストン(15)内に被設されており、前記スリーブピストン(15)はシリンダ本体(16)内に被設されている、ことを特徴とする請求項1に記載のエネルギーコレクタ。
【請求項6】
前記液圧モータ(2)が駆動ベルト(17)を介して前記送水ホイール(3)に連結されている、ことを特徴とする請求項1に記載のエネルギーコレクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−96404(P2013−96404A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−176847(P2012−176847)
【出願日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【出願人】(512208626)
【Fターム(参考)】