説明

エネルギー伝達用スペーサを生成するための自己集合ナノドット(SAND)および非自己集合ナノドット(NSAND)構造体

基板間で電子電荷、熱または光を伝達する構造体および方法。このデバイス構造体は、互いに隔離された第1および第2の基板と、第1と第2の基板を合わせて接続する複数の局所スペーサとを含む。局所スペーサのうちの少なくとも1つが350nm未満の横方向寸法を有する。第1と第2の基板間のサブミクロン離隔距離は、第1と第2の基板の間で利益をもたらすトンネリング(earner tunneling)、熱伝達または光伝達が行われるように設定される。この方法では、電荷キャリア、熱または光を第1の基板に供給する。第1の基板は、説明されている少なくとも1つの局所スペーサによって第2の基板から隔離され、また第1の基板は、少なくとも1つの局所スペーサによって形成された第1と第2の基板間のサブミクロンギャップを越えて、第1の基板から第2の基板まで電荷キャリアをトンネリングし、熱を結合し、または光を結合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2010年2月12日出願の米国特許仮出願第61/304,382号に関連するとともに、35 U.S.C. 119(e)による優先権を主張する。同出願の内容全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、1つの基板から別の基板へ電子エネルギー伝達、光エネルギー伝達、および熱エネルギー伝達をするための基板デバイス集積化の分野に関する。
【背景技術】
【0003】
過去10年間、表面に自己集合するナノメートルスケールの粒子、ナノドットまたは量子ドットが、様々な応用例で、特に量子エレクトロニクスまたはオプトエレクトロニクスに関して研究されてきた。例えば、弾性歪みの蓄積を低減しエネルギーを最小にするためにSi(100)上にGeを堆積する間中、GeナノドットがSi(100)上に自然に形成されることが知られている。この効果は、当技術分野ではStromski−Krastanov(SK)成長モードとして知られている。
【0004】
高さが4〜15nmで、20〜30nmの幅または直径を有するGeナノドットが成長されている。サイズが4nmの範囲内のGeナノドットが、SiGe1−x酸化物膜上に成長されている。Si上のGeナノドットもまた、陽極アルミナ膜マスクを使用するとともに、マスクとしてラテックスナノ球を用いてGeを堆積することにより実証されている。高さが8nmの範囲内のGeナノドットが陽極アルミナ膜を用いて製作されている。ナノ球リソグラフィにより、サイズが30nmの範囲内のGeドットが製作されている。これらの手法は、自己集合手法ほど魅力的ではないが、自己集合手法よりも適切なナノドットの空間分布およびサイズ分布の制御につながる可能性がある。こうして、技術は最近、空間的に小さい(高さが約50nm以下)制御されたGeのナノドットをSi上に形成することを目的とするまでになった。
【0005】
他の材料系のナノドットもまた実証されている。例えば、自己組織化鉄シリサイドナノドットが、SiGe1−x上または歪みSi上で実証されている。最近では、高さまたは直径が3nmしかないシリサイドナノドットが酸化Si上に成長されている。高バンドギャップ材料であるGaNが、Siを反界面活性剤として使用して、Al0.15Ga0.85N上に2〜3nmのドットとして成長されている。同様に、InAsナノドットがGaAs基板上に成長されている。
【0006】
材料成長の進歩およびナノドット形成についての理解にもかかわらず、ナノドットの応用分野は主として、ナノドットが能動素子である電子デバイスおよび光エレクトロニクスデバイスが対象とされてきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許出願公開第2007/0215857号
【特許文献2】米国特許第6,730,531号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態では、基板間の電子伝達のためのデバイス構造体が提示される。このデバイス構造体は、互いに隔離された第1および第2の基板と、第1と第2の基板を合わせて接続する複数の局所スペーサと、350nm未満の横方向寸法を有する、これら局所スペーサのうちの少なくとも1つとを含む。第1と第2の基板間のサブミクロン離隔距離が、第1と第2の基板の間でキャリアがトンネリングするように設定される。
【0009】
本発明の一実施形態では、基板間の光伝達のためのデバイス構造体が提示される。このデバイス構造体は、互いに隔離された第1および第2の基板と、第1と第2の基板を合わせて接続する複数の局所スペーサと、350nm未満の横方向寸法を有する、これら局所スペーサのうちの少なくとも1つとを備える。第1と第2の基板間のサブミクロン離隔距離が、第1と第2の基板間で光子がトンネリングするように設定される。
【0010】
本発明の一実施形態では、基板間の熱伝達のためのデバイス構造体が提示される。このデバイス構造体は、互いに隔離された第1および第2の基板と、第1と第2の基板を合わせて接続する複数の局所スペーサと、350nm未満の横方向寸法を有する、これら局所スペーサのうちの少なくとも1つとを含む。第1と第2の基板間のサブミクロン離隔距離が、第1と第2の基板の間で熱伝達が行われるように設定される。
【0011】
本発明の一実施形態では、基板対基板結合構造体が提示される。この結合構造体は、第1の基板および第2の基板を含み、この第2の基板は、第1および第2の基板の一方と他方の間で電気キャリアまたは熱を結合するように設定されたサブミクロン距離で第1の基板から隔離される。結合構造体は、第1と第2の基板を合わせて接続する複数の自己集合ナノドットを備える。自己集合ナノドットは、第1の基板上でナノドットの材料を成長させることによって形成される。
【0012】
本発明の一実施形態では、基板間で電子電荷を転送する方法が提示され、この方法は、(1)350nm未満の横方向寸法を有する少なくとも1つの局所スペーサによって第2の基板から隔離された第1の基板に電荷キャリアを供給するステップと、(2)少なくとも1つの局所スペーサによって形成された第1と第2の基板間のサブミクロンギャップを越えて、第1の基板から第2の基板まで電荷キャリアをトンネリングするステップとを含む。
【0013】
本発明の一実施形態では、基板間で熱を伝達する方法が提示され、この方法は、(1)350nm未満の横方向寸法を有する少なくとも1つの局所スペーサによって第2の基板から隔離された第1の基板に熱を供給するステップと、(2)少なくとも1つの局所スペーサによって形成された第1と第2の基板間のサブミクロンギャップを越えて、第1の基板から第2の基板まで熱を結合するステップとを含む。
【0014】
本発明についての上記の一般的な説明と以下の詳細な説明の両方が例示的なものであり、本発明を限定しないことを理解されたい。
【0015】
本発明のより完全な理解、およびその付随的な利点の多くは、以下の詳細な説明を添付の図面と併せて参照することによって本発明がよりよく理解されるにつれて、容易に得られよう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】2つの基板を互いに隔離するとともに基板間の電子トンネリングに適したギャップがナノドットを利用して形成される、本発明の一実施形態によるデバイス構造体を示す概略図である。
【図2】p型Si基板をn型Si基板から分離するギャップがGeナノドットを利用して形成される、本発明の一実施形態によるデバイス構造体を示す図1に類似の概略図である。
【図3】SAND構成を有するSi基板の上面視のSEM顕微鏡写真である。
【図4】NSAND構成を有するSi基板の上面視のSEM顕微鏡写真である。
【図5】2つの基板を互いに隔離するギャップがナノドットを利用して形成される、本発明の一実施形態によるデバイス構造体を示す概略図であり、ナノドットは、一方の基板にその基板の絶縁領域内で接合されている。
【図6】本発明のSANDおよびNSAND構成のいくつかを作製する方法を示す流れ図である。
【図7】まったく異なる熱膨張特性の基板をナノドットを利用して機械的に貼り合わせる、本発明の一実施形態によるデバイス構造体を示す概略図である。
【図8】本発明の冷却およびエネルギー変換用の熱トンネリングデバイスを示す概略図である。
【図9】本発明の熱光起電性デバイスを示す概略図である。
【図10】本発明の真空熱電子放出源デバイスを示す概略図である。
【図11A】本発明の光子カプラデバイスを示す概略図である。
【図11B】本発明の別の光子カプラデバイスを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の一実施形態では、自己集合および/または非自己集合ナノドットが、様々な電子応用例およびエネルギー変換応用例でのナノギャップ分離を実現するための「局所スペーサ」として提示される。次に、同じ参照数字がいくつかの図を通して同じ部分または対応する部分を示す図面を参照すると、図1は、2つの基板8、10を互いに隔離するギャップ6をナノドット4を利用して形成する、本発明の一実施形態によるデバイス構造体2を示す。ギャップ6(ナノドットの高さによって決まる)は、本発明の一実施形態では、基板間のキャリアトンネリングを生じさせるために(例えば負電荷キャリアの電子、または正電荷キャリアの正孔により)2〜100nmの範囲にあり、本発明の別の実施形態では、基板間の赤外線結合および/または熱伝達を促進するために2〜1000nmの範囲にある。キャリアトンネリングのより特定の一実施形態では、1〜50nmの範囲内のギャップ離隔距離が使用される。赤外線光子トンネリングのより特定の一実施形態では、1〜1000nmの範囲内のギャップ離隔距離が使用される。すなわち、一般には、ギャップ離隔距離は1〜1000nm、1〜500nm、1〜300nm、1〜200nm、1〜100nm、1〜50nm、1〜20nm、または1〜10nmの範囲内にありうる。
【0018】
本発明の一実施形態では、ナノドット4は1000nm未満の横方向寸法を有する。本発明の別の実施形態では、ナノドット4は100nm未満の横方向寸法を有する。本発明の別の実施形態では、ナノドット4は10nm未満の横方向寸法を有する。本発明の別の実施形態では、ナノドット4は5nm未満の横方向寸法を有する。すなわち、一般には、この横方向寸法は1〜1000nm、1〜500nm、1〜300nm、1〜200nm、1〜100nm、1〜50nm、1〜20nm、または1〜10nmの範囲内にありうる。
【0019】
本発明の一実施形態では、ナノドット4は、本質的に高バンドギャップの材料から(例えば、GaNナノドットなどの場合に)、または量子閉じ込めによる有効バンドギャップの増大によって(例えば、Geナノドットにおけるように)形成されることがある。したがって、一実施形態のナノドットは、巨視的なGeと比較して相対的に劣っている導電体になりうる。本発明の一実施形態では、ナノドット4は、GaAs上に形成されるInAsまたはInGaAsなどのIII−V材料から形成されることがある。米国特許出願公開第2007/0215857号(同出願の内容はその全体が本明細書に組み込まれる)は、InGaAsナノドットを形成する方法を記載している。加えて、小さい寸法のGe、Si、PbTe、BiTeなどの材料は、特に長さのスケールが1〜10nmで低い熱伝導率を有することが知られている。したがって、本発明の一実施形態では、複数の自己集合および非自己集合ナノドットで、以下で論ずる様々なデバイス応用例のための熱絶縁スペーサおよび電気絶縁スペーサを形成することができる。これらの自己集合および非自己集合ナノドットにより、2つの基板を分離するギャップが形成され、このギャップは、ギャップ間の電子トンネリング、正孔トンネリング、赤外線結合、および/または対流熱伝達を促進するのに十分なだけ小さく、2つの基板または基板材料を一体化するように結合する、または接合することに通常伴う欠陥に関連した応力をそれぞれの基板に課すことがない。
【0020】
ナノドット4(自己集合もしくは界面活性剤援助によって、または様々な基板上のマスクによって形成)は、シリコン上のGeナノドットとして前もって形成し、その後、選択反応性イオンエッチングによってトリミングしてGeナノドットの高さを低減することができる。一実施形態では、表面上のある比率のナノドットを除去するためにリソグラフィを使用してハイブリッド構造体が作り出され、このハイブリッド構造体で、自己集合およびパターニングが使用されて本発明の局所スペーサが形成される。この実施形態では、1組のナノドットが、基板上に最初に形成されたナノドットのうち選択されたものをエッチング除去した後に、基板上に残る。
【0021】
一実施形態では、ナノドット4は、例えば1nm〜20nmの高さを有しうる。一実施形態では、ナノドット4は、20〜30nmの範囲内の幅を有しうる。これらの寸法は説明のためのものと考えられ、本発明を限定しない。一実施形態では、Si(またはGe)のナノドットは、薄い酸化物(例えば、厚さ1〜2nm)をエピタキシャルで過剰成長させ、次に、リソグラフィ技法を用いて、過剰成長部分ではなかったSiの領域を除去することによって形成することができる。米国特許第6,730,531号(同出願の内容はその全体が本明細書に組み込まれる)は、上述のものより厚い酸化物上にSiを過剰成長させるこのような方法を記載している。
【0022】
本発明の一実施形態では、図1の基板8および10はそれぞれ、p型Siおよびn型Siである。図2は、2つの基板18、20を互いに隔離するギャップ16をGeナノドット14を利用して形成する、本発明の一実施形態によるデバイス構造体12を示す。この実施形態では、例えば、n型基板20からp型Si基板18への電子トンネリングによって、ならびにp型基板18およびn型基板20のうちのある領域を欠乏させp−i−n構造体の真性層21を形成することによって、基板18と20の中にPN接合が形成される。従来のPN接合形成と同様に、n型基板からp型基板への電子のトンネリングは、自己バイアスがさらなる電子トンネリングに対抗するまで継続する。
【0023】
図2に示される構造体には、例えば光起電力変換を含む、いくつかの応用例がありうる。従来の単結晶または多結晶の光起電力変換では、PN接合間を流れる暗電流によって変換効率が限定される。従来の多結晶Si太陽電池では、多結晶境界で暗電流が増加し、光起電力効率が低下する。暗電流に対する障壁は通常、シリコンの電子バンドギャップの1.2eVに限られる。しかし、図2に示される構成では、逆電流に対する付加的な障壁がナノギャップにより与えられ、それによって光起電力変換効率が改善することが期待される。
【0024】
本明細書では、Geナノドットは(巨視的サイズのものであれば)、ギャップ間の電荷を電気的に「短絡」する。しかも、前述のように、量子閉じ込め効果により、Geナノドットはバルクの巨視的Geよりも電気的に絶縁性になる。さらに、本発明の一実施形態では、GeナノドットはSi表面が酸化する温度未満で酸化することができ、それによってGeナノドットがよりいっそう絶縁性になる。場合により、Geは、GaAs、GaNなどの高バンドギャップ材料、または暗電流をさらに低減する他のスペーサ材料に置き換えることもできる。暗電流を低減するこのような手法は、大きい漏洩電流が重大な問題になる有機光起電力接合部にはよりいっそう有利になりうる。
【0025】
さらに、「短絡」効果は、ナノドットの密度および配置を低減することによって抑制することができる。密度が低減されると、一方の基板がもう一方の基板と「短絡」する場所の数が低減する。例えば、自己集合ナノドット(SAND)構成では、ナノドット4は約1010cm−2の密度を有する。ナノドットの密度が低減されている非自己集合ナノドット(NSAND)構成では、ナノドット4は約10cm−2の密度を有する。したがって、リソグラフィパターニングおよびエッチングを使用してナノドット4の密度を低減し、それによってナノドットの空間的分布および/またはサイズ分布を制御することができる。本発明の一実施形態では、ナノドット密度は10cm−2まで低減することができる。
【0026】
図3は、Si基板上にGeナノドットのSAND構成を有するSi基板の上面視のSEM顕微鏡写真である。図4は、NSAND構成を有するSi基板の上面視のSEM顕微鏡写真である。図4のSEM顕微鏡写真は、電子ビームリソグラフィパターニングおよび高度に異方性のSiエッチングによって作り出された、Si基板上面のNSAND Siナノ構造体を示す。ここでは、異方性エッチングでSiを垂直エッチングすることになり、下部が切除されていない。図4を眺めると、ナノドットがほとんどナノロッドに見える。基本的に本発明は、隣り合う構造体を分離する構造体として使用できるナノドットまたはナノロッドの構造体を包含する。ここで、NSAND構成では、2つの基板間の離隔距離、ならびに局所スペーサのサイズおよび密度は、それぞれ電子ビームリソグラフィ、または極紫外線リソグラフィなど同様な方法と、エッチングの程度とによって設定される。
【0027】
図5は、2つの基板8、10を互いに隔離するギャップがナノドット4を利用して形成される、本発明の一実施形態によるデバイス構造体22を示す概略図であり、ナノドット4は、一方の基板にその基板の絶縁領域14で接合されている。絶縁領域を使用することは、このデバイス構造体の応用例に依存する。前述の光起電力変換の応用例では絶縁領域が有利であるが、いくつかの光起電力応用例では絶縁領域14を使用しなくても、p型基板およびn型基板内に形成される欠乏領域自体で、暗電流を許容可能な値に制限するのに十分なことがある。さらに一実施形態では、絶縁領域14を使用しなくても、ある比率のナノドットを除去すれば、暗電流を許容可能な値に制限するのに十分である。
【0028】
図6は、図1および図5のSANDおよびNSAND構成を作製する方法を示す流れ図である。特にSi基板およびGeナノドットに関して示されているが、この技法は他の材料系の組合せにも当てはまる。600で、第1の基板(例えば、Si基板8)が、ナノドット材料堆積(例えば、Geナノドット堆積)のために用意される。Ge堆積の前にSi基板の表面を洗浄する技法が知られており、これには、例えばRCA処理と、減圧または真空環境中であらゆる表面酸化物または表面終端物を除去するアニールとが含まれる。ナノドット材料堆積の前に第1の基板を平坦にする必要がある場合、化学的機械的研磨などの平坦化ステップもまた使用されることがある。
【0029】
610でナノドット材料が、基板8、10のどちらか一方に所定の厚さまで堆積される。Ge格子定数とSi格子定数の間の応力により、Geは「島状」に堆積してSi表面にGeナノドットが形成される(すなわち、GeはSi表面に共形に堆積するのではなく、それ自体に優先的に合体する)。背景の項で前述した他の材料系を本発明の様々な実施形態で使用して、基板8または基板10の上にナノドット4を形成することもできる。
【0030】
620で、任意選択により、従来のマスキング技法および材料を使用するリソグラフィパターニングを用いて、ある比率のナノドットを除去することができる。除去されるナノドットの比率は、応用例によって決まる。いくつかの応用例では、第1と第2の基板の間のギャップを介する故意でない伝導(熱さまたは熱)の経路を低減するために、ナノドットの99.999%以上が除去される。他の応用例では、例えば、第1の基板からの熱が第2の基板へと放散されるいかなる経路も有益な熱伝達応用例では、ナノドットの10%以下しか除去されない。
【0031】
640で、第2の基板が、ナノドットに接続することによって第1の基板と次に接合するために用意される。第2の基板が第1の基板と同じ材料である場合、第2の基板の表面は通常、第1の基板と類似の手順のうちの少なくともいくつかを用いて洗浄される。第2の基板が第1の基板と同じ材料ではない場合、第2の基板の表面は通常、第2の基板に適した手順を用いて洗浄される。
【0032】
640で、第2の基板は洗浄の前または後に、酸化または窒化された基板の選択された領域を有することができる。例えば、例えば酸化ケイ素、窒化ケイ素などのマスク材料、またはフォトレジスト材料が、第2の基板の一部分を覆うために使用される。次に、例えば、低エネルギー酸素(または窒素)イオンボンバード処理、あるいはプラズマ酸化(または窒化)利用処理を用いて、酸化処理に対し露出された第2の基板の近傍表面領域に酸化物(または窒化物)を形成する。次に、マスク材料が除去される。
【0033】
650で、第2の基板は、ナノドットによって第1の基板に接合される。650で、ナノドットは第2の基板に、例えば、ハンダ−共晶混合物接合、超音波接合、水素結合、ファンデルワールス力利用結合などの既知の接合技法を用いて接合されることになる。はんだまたは共晶金属は、図4に示されるNSAND構造体を作り出すためのマスキング処理の一部として、あるいは、Eビーム蒸着などの技法でナノスケールの金属膜を蒸着させることで、SAND構造体の上に付けることができる。後者の手法では、SANDの上部の金属が結合面への接合に使用されるのに対し、他の領域上の金属は利用されないまま残され、または後でエッチング除去されることに注意されたい。
【0034】
上述の工程で、所定のアレイまたは実装比率のナノドット、所定の高さのナノドット、所定の形状のナノドット、所定の材料のナノドット、および2つの表面間の所定の付加物(例えば、一方には上にコーティングされたナノドットスペーサがあり、他方にはない)を使用して、1nmから数百nmの範囲内の所定のギャップを得ることができる。
【0035】
本発明の様々な実施形態では、SANDおよびNSANDナノギャップは、ナノギャップ間にトンネル接合部を形成するバルク材料の2つの表面間に使用され、それによって、トンネリングによってギャップ間が電気的には結合されるが構造的には「分離された」材料の独特の組合せが可能になり、またそれによって、応力および熱的不整合などの従来のヘテロ構造の問題と、その結果生じる欠陥とが防止される。本発明によるこのようなナノギャップヘテロ構造体には、例えば、冷却、エネルギー変換、熱順応境界面(thermal compliant interface)、ディスプレイ、近接リソグラフィ、有機光起電力材料の単一接合および自由空間トンネル構造体を使用する多接合太陽電池、エレクトロニクスパッケージング、およびナノ電気機械システム(以下でより詳細に説明)などの分野に用途がある。
【0036】
本発明の別の実施形態では、自己集合ナノドット(SAND)および/または非自己集合ナノドット(NSAND)は、電気的「絶縁」かつ熱的「絶縁」構造体のスペーサを形成する。この実施形態での「絶縁」とは、SANDおよび/またはNSANDスペーサと同じ材料の巨視的バルク材料と比較したときの電気および/または熱の大幅に低減した伝導を含意する。したがって、これらのスペーサは、例えば伝導性CuヒートシンクをSiデバイスチップと「熱的に」結合することなど、エレクトロニクスパッケージングで使用することができる。通常、SiとCuの間の熱膨張の差異は非常に大きいので、数百ミクロンのCuでもバルクSiデバイスチップに直接付けると、熱膨張率CTEの破局的差異により誘発されるSiデバイスチップの破損が引き起こされる。
【0037】
本発明の一実施形態では、まったく異なる熱膨張の差異により通常は結合に適しなかった異なる基板を合わせて「結合する」のにナノドットが使用される。図7は、例えばヒートシンクとして機能するCu基板78と接合されたバルクSi基板76(例えば、その中に収容されうる集積回路チップを含む)の一例を示す。設計されたギャップは、Cu基板78の上のパターニング局所スペーサ74(例えば、ナノドット)によって形成される。この実施形態(およびその他)で適切なナノドットは、Sn、In、InSn、AgSn、Bi、Sbなどを含む。これらのナノドット材料は、Cu表面にSANDまたはNSAND構造体を形成するのに使用され、また同時に、SiおよびCuの上にSnおよびCuまたは他の金属との低温共晶混合物を形成するのに使用される。あるいは、上記のGeナノドットをSiデバイスチップ上(例えば、デバイス集積回路または個別デバイスの形成の前に得られたSiデバイスチップ裏面上)にパターニングし、次に2つの基板(すなわち、デバイスチップとCuヒートシンク)を合わせて一緒にすることによって、制御されたギャップが得られ、このギャップを通して熱輸送が、nmサイズのギャップdのギャップ間の強化赤外線結合または向上した熱伝導によって行われうる。図7に示されるように、局所スペーサ74の一部は、さらに電気的に分離することができる。一実施形態では、すべてのスペーサを電気的に絶縁することができる。別の実施形態では、局所スペーサの一部は導電性であり、Si基板76との間の電気的相互接続部の一部を成す。ナノドットは(NSAND構成などの場合、その小さなサイズおよび/または低減された密度により)順応性をもつようになると予想され、それによって、Cu材料の膨張(または収縮)に対処することが、Siデバイスチップに対する破局的熱膨張係数(CTE)不整合応力の転移を伴わずに、可能になる。単位面積当たりのナノスペーサの密度、またはスペーサの実装比率は、CTE不整合の問題を最小にしながらも、SiとCu間で熱を伝導するのに十分であるように高く選ぶことができる。
【0038】
本発明の一実施形態では、ナノドットが、それぞれ異なるタイプの有機半導体材料を「接合」するのに使用される。それぞれ異なるタイプの有機材料を直接形成することは、これらの異なる材料が接合されるときに界面で欠陥状態が形成されることにより、歴史的に失敗してきた。この実施形態では、SANDおよびNSAND構成により、それぞれの材料の「バルク」型の働きが可能になり、例えばn型有機材料とp型有機材料の間のものであった界面に欠陥状態が多く形成されることがない。
【0039】
発明の一実施形態では、自己集合ナノドット(SAND)および/または非自己集合ナノドット(NSAND)は、冷却およびエネルギー変換用の熱トンネリングデバイスのスペーサを形成する。図8は、本発明の一実施形態による熱トンネリングデバイス80を示し、このデバイスは、本明細書で説明されている局所スペーサ(例えば、SANDおよびNSANDスペーサ)から利益を得る。本発明の一実施形態による熱トンネリングデバイスでは、1〜10nmの範囲内のナノギャップが、本発明の熱トンネリング冷却デバイスおよび電力変換デバイスに利用される。電子はトンネリングして熱エネルギーを離隔距離d間で搬送し、それによって、外部電気負荷を駆動する電位が作り出されるが、光子または熱波はトンネリングすることができない。この効果は、熱トンネリング効果を用いる効率的な熱−電気変換につながる。
【0040】
本発明の一実施形態では、電子波長(λ)≫d(離隔距離)であり、フォノン波長(λph)≪dである。図8の実施形態に示されるように、熱トンネリングデバイス80は、基板86および88の電気接点82を有し、基板86と88は、図8にナノドットとして説明的に示されている局所スペーサ84によって分離されている。一実施形態では、電気絶縁体89が、上基板と下基板の「短絡」を防止するために使用される。一実施形態では、上基板および下基板は、導電半導体材料または金属基板である。一実施形態では、上基板86は、下基板88から熱を(外部電圧の印加時に)基板86まで搬送するトンネリング電子の流れを受け取り、冷却デバイスなどの場合、下基板は低温になる。別の実施形態では、基板86は熱源に曝される。熱エネルギーにより誘発された電子が上基板86からヒートシンク88へトンネリングすることによって、上基板と下基板の間に電圧差が生じる。ここでは、上基板および下基板の2つの端部は、冷却デバイスまたは電力変換デバイスの電極として働く。
【0041】
本発明の別の実施形態では、自己集合ナノドット(SAND)および/または非自己集合ナノドット(NSAND)は、熱光起電力デバイスのスペーサを形成する。これらのデバイスでは、ギャップ離隔距離が小さいことにより、高温本体からのエバネッセント赤外線黒体放射波が、もう一方の本体のp−n接合のエミッタ面にギャップを越えて「光学的に」結合することができる。図9は、本発明の一実施形態による熱−光起電力デバイス90を示し、このデバイスは、本明細書で説明している局所スペーサ(例えば、SANDおよび/またはNSANDスペーサ)から利益を得る。基板96と98は、図9にナノドットとして説明的に示された局所スペーサ94によって分離されている。一実施形態では、電気絶縁体99が、上基板と下基板の「短絡」を防止するために使用される。本発明の一実施形態による熱−光起電力デバイスでは、基板96の黒体光子がトンネリングし、基板98のp−n接合部に電子−正孔対を作り出す。基板98の上面および裏面の電気接点92が、光起電力で発生した電圧および電流を集める。本発明の一実施形態では、基板98の一部であるP−N接合は、Si、Ge、GaIn1−xAs接合、またはGaIn1−xAs1−yとすることができ、適切なドーピングによりp領域およびn領域が画定される。これらのp−n接合は、Si、Ge、GaAsまたはInPのような典型的な基板上にありうる。ナノメートルスケールの基板離隔距離dは、トンネリングによりdのギャップを越える光子を用いた効率的な熱−電気変換につながる。波長(λ)がdより長い、または同等の光子はトンネリングすることになる。
【0042】
こうして、熱光起電力デバイス90は、黒体から放出される光子を、プランクの放射法則が示す黒体スペクトルにわたって、またはそれを超えて結合することがある。このような光子の結合では、熱を上基板96から下基板98まで伝達するのに結合エバネッセントモードを利用する。したがって、本発明の一実施形態では、SANDおよびNSANDスペーサを使用することにより、プランクの放射および光子トンネリングで熱光起電力変換効率が改善する。
【0043】
電気絶縁体99による隔離および電気的分離で、p−n接合セルから黒体放射体を熱的に分離することが可能になり、それによって2つのことが実現する。第1に、黒体はより高温のままになり、プランクの法則で示されるように、より多くの光子を放出する。第2に、p−n接合はより低温のままになり、p−n接合の漏洩電流は、それが温度と共に指数関数的に増大するので、低く保たれる。漏洩電流が低減すると、熱−光起電力セルの開回路電圧、曲線因子、および変換効率が高くなる。
【0044】
本発明の別の実施形態では、自己集合ナノドット(SAND)および/または非自己集合ナノドット(NSAND)が、一方の本体の熱源から熱電子エミッタデバイスの高温側面まで熱を結合するギャップのスペーサを形成し、それによって、誘発される機械的応力が最小になる。図10は、本発明の一実施形態による、本明細書で説明されている局所スペーサ(例えば、SANDおよびNSANDスペーサ)から利益を得る熱電子エミッタデバイス100を示す。基板106と108は、図10にナノドットとして説明的に示された局所スペーサ104によって分離されている。一実施形態では、電気絶縁体109が、上基板と下基板の「短絡」を防止するために使用される。本発明の一実施形態による熱電子エミッタデバイスでは、上基板106と下基板108の間の真空空間dの中へ熱電子放出するためのエネルギー源として上基板106中の熱エネルギーを用いて、電子が熱電子作用により放出される。本発明の一実施形態では、電子エミッタ強化構造体105(例えば、セシウム金属層などの低仕事関数層、または円錐形にエッチングされた構造体などの先端部構造体)が、上基板106のギャップ側に設けられる。SANDまたはNSAND構造体によって実現された、熱電子コレクタ(すなわち、下基板)がエミッタに近いことが、空間電荷効果を場合によって低減することによって、高い熱電子電力変換効率をもたらし、またエミッタとコレクタの間により高い電界をもたらす。この強化電界は、電界強化熱電子放出すなわちショットキー放出をもたらす。
【0045】
本発明の一実施形態では、強化電界放出はまた、以下の条件によって促進される。この条件では、電子波長(λ)≫d、およびフォノン波長(λ)≪dであり、それによってフォノンが高温エミッタから低温コレクタまで移動することが防止される。したがって、本発明の一実施形態では、エミッタの熱エネルギーはより有効に使用されて電子が放出され、フォノンによる熱伝導によって放散ではなく外部電力が生じる。本発明の別の実施形態では、自己集合ナノドット(SAND)および/または非自己集合ナノドット(NSAND)は、電界放出ディスプレイならびに熱電子エネルギー変換用の熱電子エミッタのための、図10のデバイスのスペーサを形成する。
【0046】
図11Aおよび図11Bは、本発明の、基板間の光伝達用のデバイスを示す概略図である。図11Aおよび図11Bの光伝達デバイス110は、本明細書で説明している局所スペーサ(例えば、SANDおよびNSANDスペーサ)から利益を得る。基板116と118は、図11にナノドットとして説明的に示されている局所スペーサ114によって分離される。光伝達デバイスは、距離dで互いに隔離された第1の基板116および第2の基板118を含む。複数の局所スペーサで、第1と第2の基板を合わせて接続する。一実施形態では、上基板と下基板の「短絡」を防止するために電気絶縁体119が使用される。第1と第2の基板間のサブミクロン離隔距離は、第1と第2の基板間で光子(その波長はスペーサと同等またはそれより長い)がトンネリングするように設定される。図11に示されるように、下基板118は、例えば、電気接点112によって駆動される発光ダイオードまたはレーザエミッタを含む能動基板である。適切な波長λ≫dの光は、上基板116の中に結合され、その後、上基板116から転送することができる。それに応じて、図11Aのデバイスでは、基板116は、光子を基板116および光伝達デバイス110から遠くへ結合する光子カプラ120(例えば、反射防止膜または光ファイバ付加物)を含む。図11Aのデバイスでは、基板118は、レーザまたは発光ダイオード(LED)などの、光子を発生する光子発生器を含み、第1と第2の基板間の離隔距離は、第1と第2の基板間で光子をトンネリングするように設定される。
【0047】
図11Bに示される別の実施形態では、例えば基板118などの一方の基板が、LED 122のような光子エミッタを含み、もう一方の基板116が、導波路または光検出器などの例えば光子受信器124を含む。上で論じたSANDまたはNSAND構造体によって容易になった、基板116と118が近接することは、集積光学部品および複雑な光回路、または光通信において、あるいはおそらく光コンピュータにおいてさえ有効である。図11Bでは、光子が上基板に結合されて示されているが、上基板および下基板の各領域は、光通信が双方向になるように、光子エミッタまたは導波路部または光検出器のいずれも含むことができる。
【0048】
上記の教示に照らして、本発明の多数の修正および変形が可能である。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲内で、本明細書で具体的に説明したものとは別な方法で実践できることを理解されたい。
【符号の説明】
【0049】
2 デバイス構造体
4 ナノドット
6 ギャップ
8 基板
10 基板
12 デバイス構造体
14 Geナノドット、絶縁領域
16 ギャップ
18 基板、p型Si基板
20 基板、n型基板
21 真性層
22 デバイス構造体
74 パターニング局所スペーサ
76 バルクSi基板
78 Cu基板
80 熱トンネリングデバイス
82 電気接点
84 局所スペーサ
86 基板、上基板
88 基板、下基板
89 電気絶縁体
90 熱−光起電力デバイス
92 電気接点
94 局所スペーサ
96 基板、上基板
98 基板、下基板
99 電気絶縁体
100 熱電子エミッタデバイス
104 局所スペーサ
105 電子エミッタ強化構造体
106 基板、上基板
108 基板、下基板
109 電気絶縁体
110 光伝達デバイス
112 電気接点
116 基板、第1の基板、上基板
118 基板、第2の基板、下基板
119 電気絶縁体
d 離隔距離

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに隔離された第1および第2の基板と、
前記第1と第2の基板を合わせて接続する複数の局所スペーサと、
350nm未満の横方向寸法を有する、前記局所スペーサのうちの少なくとも1つと、
前記第1と第2の基板間でキャリアをトンネリングするように設定された、前記第1と第2の基板間のサブミクロン離隔距離とを備える、電子伝達デバイス構造体。
【請求項2】
前記複数の局所スペーサが、前記第1または第2の基板の表面に形成された複数の自己集合ナノドットを含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記自己集合ナノドットが1〜50nmの範囲内の横方向寸法または高さ寸法を有する、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記複数の局所スペーサが、前記第1または第2の基板の表面に形成およびパターニングされたナノドットの集合構造体を含み、
前記ナノドットが1〜50nmの範囲内の横方向寸法または高さ寸法を有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記ナノドットが1010ナノドット/cm未満の密度を含む、請求項2に記載のデバイス。
【請求項6】
前記ナノドットが10ナノドット/cm未満の密度を含む、請求項2に記載のデバイス。
【請求項7】
前記ナノドットが、前記第1または第2の基板上に形成されたGe、GaN、InAs、InGaAs、Si、鉄シリサイド、Sn、In、InSn、AgSn、Bi、およびSbの各ナノドットのうちの少なくとも1つを含む、請求項2に記載のデバイス。
【請求項8】
前記第1および第2の基板のうちの少なくとも一方が有機半導体基板を含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項9】
前記局所スペーサに隣接する前記第1および第2の基板のうちの少なくとも一方の上の位置に配置された電気絶縁体をさらに含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項10】
前記第1および第2の基板のうちの少なくとも一方が、集積回路デバイスパッケージ、ヒートシンクデバイス、熱光起電力デバイス、熱電子デバイス、および熱トンネリングデバイスのうちの少なくとも1つのための材料を含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項11】
互いに隔離された第1および第2の基板と、
前記第1と第2の基板を合わせて接続する複数の局所スペーサと、
350nm未満の横方向寸法を有する、前記局所スペーサのうちの少なくとも1つと、
前記第1と第2の基板の間で熱伝達が行われるように設定された、前記第1と第2の基板間のサブミクロン離隔距離とを備える、熱伝達デバイス構造体。
【請求項12】
前記局所スペーサが、前記第1または第2の基板の表面に形成された複数のナノドットを含む、請求項11に記載のデバイス。
【請求項13】
前記自己集合ナノドットが1〜50nmの範囲内の横方向寸法または高さ寸法を有する、請求項12に記載のデバイス。
【請求項14】
前記複数の局所スペーサが、前記第1または第2の基板の表面に形成およびパターニングされたナノドットの集合構造体を含み、
前記ナノドットが1〜50nmの範囲内の横方向寸法または高さ寸法を有する、請求項11に記載のデバイス。
【請求項15】
前記ナノドットが1010ナノドット/cm未満の密度を含む、請求項12に記載のデバイス。
【請求項16】
前記ナノドットが10ナノドット/cm未満の密度を含む、請求項12に記載のデバイス。
【請求項17】
前記ナノドットが、前記第1または第2の基板上に形成されたGe、GaN、InAs、InGaAs、Si、鉄シリサイド、Sn、In、InSn、AgSn、Bi、およびSbの各ナノドットのうちの少なくとも1つを含む、請求項12に記載のデバイス。
【請求項18】
前記第1および第2の基板のうちの少なくとも一方が有機半導体基板を含む、請求項11に記載のデバイス。
【請求項19】
前記局所スペーサに隣接する前記第1および第2の基板のうちの少なくとも一方の上の位置に配置された電気絶縁体をさらに含む、請求項11に記載のデバイス。
【請求項20】
前記第1および第2の基板のうちの少なくとも一方が、集積回路デバイスパッケージ、ヒートシンクデバイス、熱光起電力デバイス、熱電子デバイス、および熱トンネリングデバイスのうちの少なくとも1つのための材料を含む、請求項11に記載のデバイス。
【請求項21】
互いに隔離された第1および第2の基板と、
前記第1と第2の基板を合わせて接続する複数の局所スペーサと、
350nm未満の横方向寸法を有する、前記局所スペーサのうちの少なくとも1つとを備える集積回路デバイスパッケージであって、
前記第1の基板が集積回路を含み、さらに
前記第1の基板の集積回路を冷却するために前記第1と第2の基板間で熱伝達が行われるように設定された、前記第1と第2の基板間のサブミクロン離隔距離を備える、集積回路デバイスパッケージ。
【請求項22】
前記第1の基板が半導体基板を含み、前記第2の基板がヒートシンクを含む、請求項21に記載のパッケージ。
【請求項23】
前記ヒートシンクが銅ヒートシンクを含む、請求項22に記載のパッケージ。
【請求項24】
互いに隔離された第1および第2の基板と、
前記第1と第2の基板を合わせて接続する複数の局所スペーサと、
350nm未満の横方向寸法を有する、前記局所スペーサのうちの少なくとも1つと、
前記第1と第2の基板の間で放射伝達が行われるように設定された、前記第1と第2の基板間のサブミクロン離隔距離とを備える熱光起電力デバイスであって、
前記第1の基板がp−n接合を含み、
前記第2の基板が、前記p−n接合を放熱する放熱器を含む、熱光起電力デバイス。
【請求項25】
互いに隔離された第1および第2の基板と、
前記第1と第2の基板を合わせて接続する複数の局所スペーサと、
350nm未満の横方向寸法を有する、前記局所スペーサのうちの少なくとも1つとを備える熱電子エミッタデバイスであって、
前記第1の基板が、前記第2の基板に隣接する前記第1の基板の側面に配置された熱電子エミッタを含み、さらに
前記第1の基板に隣接する第2の基板の側面に配置されたコレクタと、
前記熱電子エミッタと前記コレクタの間で電子トンネリングが行われるように設定された、前記第1と第2の基板間のサブミクロン離隔距離とを備える、熱電子エミッタデバイス。
【請求項26】
互いに隔離された第1および第2の基板と、
前記第1と第2の基板を合わせて接続する複数の局所スペーサと、
350nm未満の横方向寸法を有する、前記局所スペーサのうちの少なくとも1つと、
前記第1と第2の基板間で電子トンネリングが行われるように設定された、前記第1と第2の基板間のサブミクロン離隔距離とを備える熱トンネリングデバイスであって、
前記第1の基板が電子トンネリングレセプタを含み、
前記第2の基板が電子トンネリング供与体(donator)を含む、熱トンネリングデバイス。
【請求項27】
互いに隔離された第1および第2の基板と、
前記第1と第2の基板を合わせて接続する複数の局所スペーサと、
350nm未満の横方向寸法を有する、前記局所スペーサのうちの少なくとも1つとを備える光伝達デバイスであって、
前記第1の基板が、光子を前記第1の基板から離れて結合させる光子カプラを含み、
前記第2の基板が、前記光子を発生させる光子発生器を含み、さらに
前記光子を前記第1と第2の基板間でトンネリングするように設定された前記第1と第2の基板間のサブミクロン離隔距離を備え、前記トンネリングされる光子の波長が前記離隔距離と同等である、またはそれより長い、光伝達デバイス。
【請求項28】
第1の基板と、第2の基板であって、前記第1および第2の基板の一方と他方の間で電気キャリアまたは熱を結合するように設定されたサブミクロン距離で前記第1の基板から隔離された第2の基板と、
前記第1と第2の基板を合わせて接続する複数の自己集合ナノドットとを備える基板対基板結合構造体であって、
前記ナノドットが、前記第1の基板上でナノドットの材料を成長させることによって形成される、基板対基板結合構造体。
【請求項29】
前記複数の自己集合ナノドットが、前記第1の基板上に最初に形成されたナノドットのうち選択されたものをエッチング除去した後に前記第1の基板上に残っている一連のナノドットを含む、請求項28に記載の構造体。
【請求項30】
350nm未満の横方向寸法を有する少なくとも1つの局所スペーサによって第2の基板から隔離された第1の基板に電荷キャリアを供給するステップと、
前記少なくとも1つの局所スペーサによって形成された前記第1と第2の基板間のサブミクロンギャップを越えて、前記第1の基板から第2の基板まで前記電荷キャリアをトンネリングするステップとを含む、電荷転送方法。
【請求項31】
基板間で熱を伝達する方法であって、
350nm未満の横方向寸法を有する少なくとも1つの局所スペーサによって第2の基板から隔離された第1の基板に熱を供給するステップと、
前記少なくとも1つの局所スペーサによって形成された前記第1と第2の基板間のサブミクロンギャップを越えて、前記第1の基板から第2の基板まで前記熱を結合するステップとを含む、方法。

【図4】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【公表番号】特表2013−520008(P2013−520008A)
【公表日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−552856(P2012−552856)
【出願日】平成22年10月1日(2010.10.1)
【国際出願番号】PCT/US2010/051108
【国際公開番号】WO2011/100000
【国際公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【出願人】(500240896)リサーチ・トライアングル・インスティチュート (36)
【Fターム(参考)】