説明

エネルギー吸収ウェビング

ティアアウェイ式エネルギー吸収ウェビング(10)は一体のウェビングである。ティアアウェイ式エネルギー吸収ウェビング(10)は上層負荷耐性ウェブ(12)と下層負荷耐性ウェブ(24)を有している。ウェビングのエネルギー吸収部(38)は上層および下層負荷耐性ウェブ(12、24)を繋ぎ止めている繋ぎ織り糸(36)を有している。ウェビングにかかった十分に高い負荷力が繋ぎ織り糸(36)を破損し、上層および下層負荷耐性ウェブ(12、24)を切り裂く。エネルギー吸収部(38)はそれが切り裂かれるとともにエネルギーを吸収する。上層および下層負荷耐性ウェブ(12、24)は、衝撃吸収部が引き裂かれたときに負荷力を支える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般にウェビング(webbing)に関する。より詳しくは、本発明はエネルギー吸収ウェビングとティアアウェイ式(tear away)衝撃吸収ウェビングに関する。ひとつのエネルギー吸収ウェビングは、二つの負荷耐性ウェブが繋ぎ織り糸で繋げられた一体のウェビングである。二つの負荷耐性ウェブと繋ぎ織り糸はひとつのウェビングとして織られている。ウェビングの稼動中には、二つのウェブが互いに引き裂かれるにともなって繋ぎ織り糸が裂けてエネルギーや衝撃を吸収する。二つに引き裂かれた別個の負荷耐性ウェブが、ウェビングにかけられた負荷を支える。本発明は更に、エネルギー吸収ウェビングを製造する方法およびエネルギー吸収ウェビングを使用する方法に関する。本発明は、エネルギーを吸収し負荷を支えることの出来る改良されたウェビングを提供する。
【0002】
本発明はエネルギー吸収とも衝撃吸収とも記載するが、「エネルギー吸収」や「衝撃吸収」といった用語の使用は、本発明を限定することを意図したものではない。従って、実施例において「衝撃吸収」と記載されていても、本発明は「エネルギー吸収」にも関するものであると見なせるし、その逆もしかりである。
【0003】
いくつかの実施例においては、本発明は衝撃吸収レ二ヤード(lanyard)や、衝撃吸収レニヤードを作成する方法や、衝撃吸収レニヤードを使用する方法に関する。本発明は
エネルギーを吸収し、負荷を支えることが出来る改良されたレニヤードを提供することができる。
【0004】
階上の高所に居たり、その他の比較的低い場所に居る人でも転落や負傷の危険がある。例えば、足場など高所に居ることを要求される職業に従事している職人やその他の人員は転落や負傷の危険がある。防御具を身に付けることによって、転落を防いだり負傷を防いだり軽減することができる。
【0005】
防御具は典型的には利用者が装着する装具部分と、装具部分から伸張したつなぎ鎖やレニヤードを有する。レニヤードは、装具部分を安全な構造物に繋ぐ。もし人が高所から転落すると、防具はレニヤードが真っ直ぐにされた時に人の転落を制止する。人の転落はやや突然に制止され、人は突然の制止による衝撃力にさらされる。このため、転落が制止された際に防御具の利用者が経験する衝撃を軽減するような改良されたレニヤードの必要が存在する。
【0006】
人の転落の衝撃を吸収することを試みたティアアウェイ式レニヤードは知られている。しかし、人の転落を制止することによる衝撃を軽減するような改良されたティアアウェイ式レニヤードの必要は存在する。現在のティアアウェイ式レニヤードは、合体された二つの別個のウェビングから作られている。ウェビングには、強度ウェビングと別個のティアアウェイ式ウェビングが含まれる。ティアアウェイ式ウェビングは強度ウェビングに縫い合わせて取り付けられる。レニヤードに使用中には、ティアアウェイ式ウェビングは転落する利用者の負荷によって引き裂かれる。強度ウェビングは、ティアアウェイ式ウェビングが引き裂かれた後に利用者を支える。
【0007】
これらの既存のティアアウェイ式レニヤードは不都合な点を示しており、改良することができる。例えば、ティアアウェイ式レニヤードは合体されなければならない二つの別個のウェビング(強度ウェビングとティアアウェイ式ウェビング)から作られている。二つの別個のウェビングはレニヤードのコストを増やしている。また、二つの別個のウェビングを合体する工程もレニヤードのコストを増やしている。縫い合わせのような、ティアアウェイ式ウェビングを強度ウェビングに取り付けるための合体工程が必要である。既存のティアアウェイ式ウェビングと別個の強度ウェビングを有するティアアウェイ式レニヤードは高価であり、製造するのが煩雑である。
【0008】
別の既存のティアアウェイ式レニヤードはウェビングに予め入れられたスリットを有する。ウェビングは、予め入れられたスリットから始まって縦に引き裂かれる。別のティアアウェイ式レニヤードはウェビング中に貫通または切り欠き部材を有する。貫通または切り欠き部材がウェビングを縦に切り裂く。これらの既存のレニヤードも不都合な点を示しており、改良することができる。例えば、ウェビングの縦の切り裂きまたは切断は非整合的で制御が困難になり得る。引き裂いたり切断したりする動作はやや予測できないものになり得る。このため、レニヤードを稼動するために必要となる力の量が非整合的で予測できないものになり得る。
【0009】
以上に述べた理由およびその他の理由により、レニヤードと衝撃吸収レニヤードは改良することができる。しかも、レニヤードを製造する方法も改良することができる。
【0010】
エネルギー吸収ウェビングやエネルギー吸収ウェビングを製造する方法も同様に改良することができる。
【発明の開示】
【0011】
本発明により新たなエネルギー吸収ウェビングが提供される。本発明は特に新たなティアアウェイ式衝撃吸収レニヤードを提供する。本発明は更に新たなレニヤードの作成方法を提供する。新たなレニヤードは人が転落がすることを防止するためや、転落が防止された際に利用者が感じる衝撃力を軽減するために使用することができる。
【0012】
実施例においては、一つのウェビングは第一の負荷耐性ウェブと、第二の負荷耐性ウェブと、一体のウェビングとして前記第一および第二の負荷耐性ウェブと一体的に構成された繋ぎ部材を有する。繋ぎ部材は第一および第二の負荷耐性ウェブをエネルギー吸収部分において繋げている。十分な負荷がウェビングにかけられると該繋ぎ部材が断片化することによってエネルギー吸収部分において第一および第二の負荷耐性ウェブが互いに分離されるようになっている。
【0013】
繋ぎ部材は、第一および第二の負荷耐性ウェブに織り込まれた織り糸であることができる。
【0014】
繋ぎ部材が断片化することによって第一および第二の負荷耐性ウェブが互いに分離されて、第一および第二の負荷耐性ウェブの両方がウェビングにかけられた負荷を支えることができる。
【0015】
ウェビングにおいて、第一の負荷耐性ウェブは、左ウェブ端と右ウェブ端を有することができ、第二の負荷耐性ウェブは、左ウェブ端と右ウェブ端を有することができる。第一の負荷耐性ウェブの左ウェブ端が第二の負荷耐性ウェブの右ウェブ端と繋がれ、第一の負荷耐性ウェブの右ウェブ端が第二の負荷耐性ウェブの左ウェブ端と繋がれる。
【0016】
エネルギー吸収部分はウェビングの中心からウェビングの両端に向けて伸張されていることができる。
【0017】
繋ぎ部材の断片化はエネルギー吸収部分の両端から始まり、両端からエネルギー吸収部分の中央に向けて継続することができる。
【0018】
第一の負荷耐性ウェブはウェビングの上側からウェビングの下側に変化し、第二の負荷耐性ウェブはウェビングの下側からウェビングの上側に変化するように、第一の負荷耐性ウェブと第二の負荷耐性ウェブが互いに交換(exchange)することができる。上側と下側の負荷耐性ウェブはエネルギー吸収部分内でもエネルギー吸収部分外でも交換することができる。
【0019】
ウェブ交換のあるウェビングでは、ウェビングの上側は、左ウェブ端と右ウェブ端を有することができ、ウェビングの下側は、左ウェブ端と右ウェブ端を有することができる。上側の左右のウェブ端互いに繋がれ、下側の左右のウェブ端互いに繋がれる。
【0020】
第一および第二の負荷耐性ウェブは基底織り糸を有することができる。第一の負荷耐性ウェブの基底織り糸と第二の負荷体制ウェブの基底織り糸が交換することができる。ウェビングの上側は、左ウェブ端と右ウェブ端を有することができ、ウェビングの下側は、左ウェブ端と右ウェブ端を有することができる。上側の左右のウェブ端が互いに繋がれ、下側の左右のウェブ端が互いに繋がれる。
【0021】
第一および第二の負荷耐性ウェブに繋がれた繋ぎ部材の量は、エネルギー吸収部分にそって変化することができる。
【0022】
エネルギー吸収部分は、断片化開始位置と断片化終了位置を有することができ、断片化開始位置に隣接する第一および第二の負荷耐性ウェブに繋がれた繋ぎ部材が、断片化終了位置に隣接する第一および第二の負荷耐性ウェブに繋がれた繋ぎ部材よりも少ないことができる。
【0023】
第一および第二の負荷耐性ウェブは、織物、編物およびその組み合わせであることができる。
【0024】
別の実施例では、ウェビングは、織り糸を有する上層の負荷耐性ウェブと、織り糸を有する下層の負荷耐性ウェブと、上層および下層の負荷耐性ウェブをウェビングのエネルギー吸収部分において繋げている繋ぎ織り糸を有する。上層および下層の負荷耐性ウェブは、繋ぎ織り糸の開放によってエネルギー吸収部分において互いに分離される。上層および下層の負荷耐性ウェブと繋ぎ織り糸が共に一体のウェビングを構成している。
【0025】
上層および下層の負荷耐性ウェブは、織物、編物およびその組み合わせであることができる。
【0026】
繋ぎ織り糸は、上層および下層の負荷耐性ウェブの織り糸に織り込まれたものであることができる。
【0027】
十分な負荷がウェビングにかけられると繋ぎ部材が断片化することによってエネルギー吸収部分において上層および下層の負荷耐性ウェブが互いに分離されて、上層および下層の負荷耐性ウェブの両方がウェビングにかけられた負荷を支えることができる。
【0028】
上層の負荷耐性ウェブの織り糸はウェビングの上側からウェビングの下側に変化し、下層の負荷耐性ウェブの織り糸はウェビングの下側からウェビングの上側に変化するように、上層の負荷耐性ウェブと下層の負荷耐性ウェブが互いに交換することができる。
【0029】
上層と下層の負荷耐性ウェブはエネルギー吸収部分内で交換することができる。
【0030】
別の実施例では、ティアアウェイ式ウェビングは、左ウェブ端と右ウェブ端を有する第一の負荷耐性ウェブと、左ウェブ端と右ウェブ端を有する第二の負荷耐性ウェブと、第一および第二の負荷耐性ウェブをティアアウェイ式ウェビングのエネルギー吸収部分において開放可能に繋げる繋ぎ部材を有する。第一の負荷耐性ウェブの左ウェブ端が第二の負荷耐性ウェブの右ウェブ端と繋がれ、第一の負荷耐性ウェブの右ウェブ端が第二の負荷耐性ウェブの左ウェブ端と繋がれる。
【0031】
第一および第二の負荷耐性ウェブと繋ぎ部材は一体のウェビングとして一体的に構成されたものであることができる。
【0032】
繋ぎ部材は、断片化可能な織り糸であることができる。
【0033】
繋ぎ部材は、第一および第二の負荷耐性ウェブに織り込まれた繋ぎ織り糸であることができる。
【0034】
別の実施例では、ティアアウェイ式ウェビングは、左ウェブ端と右ウェブ端を有する上側の負荷耐性ウェブと、左ウェブ端と右ウェブ端を有する下側の負荷耐性ウェブと、上側負荷耐性ウェブの一部と下側負荷耐性ウェブの一部が交換をする交換部と、上側および下側の負荷耐性ウェブをティアアウェイ式ウェビングのエネルギー吸収部分において開放可能に繋げる繋ぎ部材を有する。上側の負荷耐性ウェブの左ウェブ端が上側の負荷耐性ウェブの右ウェブ端と繋がれ、下側の負荷耐性ウェブの右ウェブ端が下側の負荷耐性ウェブの左ウェブ端と繋がれる。
【0035】
交換部は、エネルギー吸収部分内であることができる。
【0036】
上側および下側の負荷耐性ウェブの交換をする部分は、上側および下側の負荷耐性ウェブの織り糸であることができる。
【0037】
上側および下側の負荷耐性ウェブと繋ぎ部材は一体のウェビングとして一体的に構成されたものであることができる。
【0038】
繋ぎ部材は、断片化可能な織り糸であることができる。
【0039】
繋ぎ部材は、上側および下側の負荷耐性ウェブの織り糸に織り込まれた繋ぎ織り糸であることができる。
【0040】
本発明の利点のひとつは、改良されたエネルギーまたは衝撃吸収ウェビングや改良されたティアアウェイ式衝撃吸収ウェビングのような、改良されたウェビングを提供することである。
【0041】
本発明の利点は、一体のティアアウェイ式エネルギー吸収ウェビングを提供することである。
【0042】
本発明の別の利点は、一体のウェビングとして共に織られた上層および下層の負荷耐性ウェブと衝撃吸収織り糸を有する改良されたティアアウェイ式エネルギー吸収ウェビングを提供することである。
【0043】
本発明の更に別の利点は、人の転落を防止するとともに人に対する衝撃力を軽減することができるレニヤードを提供することである。
【0044】
本発明の更なる利点はウェビングの製造の仕方を改良し、ウェビングのコストを軽減することである。
【0045】
本発明の別の利点は、稼動中に二つの負荷耐性ウェブに引き裂ける一体のウェビングから作られたエネルギー吸収ウェビングを提供することである。
【0046】
本発明のもっと更なる利点は、エネルギー吸収ウェビングの稼動強度を制御することである。
【0047】
本発明の更なる利点は、負荷リミッタを提供することである。
【0048】
本発明の更に別の利点は改良されたシートベルトシステムを提供することである。
【0049】
本発明の追加の特徴や利点は以下の発明の詳細な記載と図面によって説明され、明らかになる。この特徴や利点は望ましいものではあるが、本発明を実施する上で必須のものではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0050】
本発明は新たなウェビングを提供する。本発明は特に、ウェビングに力が加えられた時にエネルギーを吸収できる新たなエネルギー吸収ウェビングと新たなティアアウェイ式衝撃吸収ウェビングを提供する。ウェビングに突然の力がかかると、本発明は力の衝撃を軽減することができる。本発明による一つの新たなティアアウェイ式衝撃吸収ウェビングは、繋ぎ織り糸で繋がれた上層負荷耐性ウェブと下層負荷耐性ウェブを有する一体のおウェビングである。上層負荷耐性ウェブと下層負荷耐性ウェブおよび繋ぎ織り糸は、一体のウェビングとして同時に織られることができる。上層負荷耐性ウェブと下層負荷耐性ウェブはエネルギーまたは衝撃を吸収する繋ぎ織り糸の断片化によってウェビングの稼動中に切り裂かれる、二つの切り裂かれた負荷耐性ウェブがウェビングにかかる負荷を支える。例えば、引き裂かれたウェブは人の転落を制止し、最終的な負荷を支えることができる。但し、本発明は多くの異なる実施形態で実施できるものである。
【0051】
本発明の一例は、ティアアウェイ式衝撃吸収ウェビング10を示す図1に示されている。ティアアウェイ式衝撃吸収ウェビング10は、繋ぎ部14と、繋ぎ部14から伸張されたアーム部16,18を有する上層負荷耐性ウェブ12を有している。アーム部16はウェブ端20を有し、アーム部18はウェブ端22を有する。ティアアウェイ式衝撃吸収ウェビング10は更に、繋ぎ部26と、繋ぎ部26から伸張されたアーム部28,30を有する下層負荷耐性ウェブ24を有している。アーム部28はウェブ端32を有し、アーム部30はウェブ端34を有する。上層負荷耐性ウェブ12と下層負荷耐性ウェブ24はウェビング10の一部分に沿って繋ぎ織り糸36によって繋がれている。上層負荷耐性ウェブ12と下層負荷耐性ウェブ24はウェビング10の一部分に沿って繋ぎ織り糸36によって繋がれている。上層および下層負荷耐性ウェブ12、24を繋ぎ部14,26に沿って繋いでいるつなぎ織り糸36を有するウェビング10の一部分は、ウェビング10の衝撃吸収部分38である。
【0052】
を繋ぎ部14,26に沿って繋いでいるつなぎ織り糸36を有するウェビング10の一部分は、ウェビング10の衝撃吸収部分38である。
【0053】
図2も参照すると、ウェビング10の一実施形態はティアアウェイ式衝撃吸収レニヤード11である。上層負荷耐性ウェブ12のアーム部16のウェブ端20は下層負荷耐性ウェブ24のアーム部30のウェブ端34と繋がれている。同様に、上層負荷耐性ウェブ12のアーム部18のウェブ端22は下層負荷耐性ウェブ24のアーム部28のウェブ端32と繋がれている。繋がれたウェブ短20と34が、レニヤード端40を規定し、繋がれたウェブ端22と32が、レニヤード端42を規定する。例えば金属留金のようなハードウェアコネクタ44,46は、各ウェブ端20、34と22、32を繋ぐため、および/またはティアアウェイ式衝撃吸収レニヤード11を他の機器や構造物に取り付けるためにレニヤード端40、42に設けることができる。
【0054】
図3は、製造中のティアアウェイ式衝撃吸収ウェビング10。連続したウェビング48が織機から出されて連続した多数のティアアウェイ式衝撃吸収レニヤード10を持つ。連続したウェビング48は、切断箇所50、52で切断されて、個々のティアアウェイ式衝撃吸収ウェビング10が形成される。連続したウェビング48とティアアウェイ式衝撃吸収ウェビング10は一体のウェビングとして形成される。上層および下層負荷耐性ウェブ12、24と繋ぎ織り糸36は同時に織り合わされて、個々のティアアウェイ式衝撃吸収ウェビング10または連続したウェビング48のような一体のウェビングを形成する。但し、個々のウェビング10や連続したウェビング48は、例えば、織物、編み物およびその組み合わせのような、所望の構造を有する材料から作ることができる。また、ウェビング10は一体のウェビングとして織られるのではなく、別々の部品から合体することも出来る。図2のレニヤード11を、図3に示すように作ることもできる。
【0055】
上層負荷耐性ウェブ12と下層負荷耐性ウェブ24は繋ぎ部14,26に沿って繋がれている。例えば、繋ぎ織り糸36は、上層および下層負荷耐性ウェブ12、24に一体的に織られていることも、織り込まれていることもできる。繋ぎ織り糸36は、ティアアウェイ式衝撃吸収ウェビング10の稼動または作動中には、以下で更に説明するように、ウェビング10に十分な力がかけられた時に断片化されることを意図している。上層および下層負荷耐性ウェブ12、24と繋がれた繋ぎ織り糸36の構造の他の例としては、繋ぎ織り糸36で負荷耐性ウェブ12、24を縫い合わせることである。織り糸36は、本発明に用いるのに適した繋ぎ部材またはエネルギー吸収部材の一例である。他の適した繋ぎ部材またはエネルギー吸収部材としては、フックやループ型のファスナー、接着剤等が含まれる。繋ぎ部材またはエネルギー吸収部材は、上層および下層負荷耐性ウェブと繋ぎ繋ぎ部材が一体のウェビングを形成するように、上層および下層負荷耐性ウェブと一体的に構成されていてもよい。代替的に、繋ぎ部材は、上層および下層負荷耐性ウェブと別に作られ、上層および下層負荷耐性ウェブに取り付けることもできる。繋ぎ部材またはエネルギー吸収部材は、ウェビングの稼動中にウェビングにかれられたエネルギーまたは力を吸収することを意図している。また、繋ぎ部材またはエネルギー吸収部材は、繋がられた二つの負荷耐性ウェブが、ウェビングにかかる負荷を支える二つの別個のウェビングに分離することを可能とする。つまり、もしウェビング10にかけられたエネルギーが繋ぎ織り糸36のティアアウェイ部分全体を切り裂くのに十分であれば、二つの負荷耐性ウェブ12、24は負荷の作用を止めて最終的な負荷を支える。
【0056】
図4はティアアウェイ式衝撃吸収ウェビング10の織り込みパターン54を示す。織り込みパターン54はティアアウェイ式衝撃吸収ウェビング10の上層負荷耐性ウェブ12を構成する基底織り糸56,58と横糸60を有する。織り込みパターン54は更に下層負荷耐性ウェブ24を構成する基底織り糸62,64と横糸66を有する。繋ぎ織り糸68、70は基底織り糸56、58、62、64と横糸60、66に織り込まれていて、上層および下層負荷耐性ウェブ12、24を一体に繋ぐ。織り形、曲げ密度、曲げ材料サイズと形、横糸密度、横糸材料サイズと形、繋ぎ織り糸材料サイズと形は希望に応じて選択したり変化させたりすることができる。また、織り込みパターン54を有するウェビングに他の織り糸や部品を含めることも可能である。
【0057】
図4に示した織り込みパターン54の例は二つのおもな種類の部分、織り込み部AとBを有する。図4の左側の織り込み部Aは図1に示したアーム部16、28を形成する。同じように、図4の右側の織り込み部Aはアーム部18、30を形成する。織り込みパターンAにおいて、繋ぎ織り糸68は基底織り糸56、58と織われ、繋ぎ織り糸70は基底織り糸62、64と織われる。織り込み部Bは、図1に示す衝撃吸収部38を構成する。織り込み部Bにおいて、繋ぎ織り糸68、70は基底織り糸56、58、62、64と織られて上層および下層負荷耐性ウェブ12、24を織り込んでいる。
【0058】
図2を参照すると、ティアアウェイ式衝撃吸収レニヤード11が使用可能な状態であって、例えば転落防止器具として使用できる状態が示されている。衝撃吸収部38はパッケージに上手く折り込まれたりまたは纏められている。レニヤード端40または42の一つは利用者に装着される防御具にしっかり取り付けられている。反対のレニヤード端40または42は、固定された構造物またはその他の負荷を支える構造物にしっかりと取り付けられている。もし利用者が転落すると、ティアアウェイ式衝撃吸収レニヤード11が人の転落を制止し、利用者が急速に制止されるこのよって人が感じる衝撃を軽減する。
【0059】
図5も参照すると、人が転落すると、衝撃吸収部38内の繋ぎ織り糸36は転落している利用者の負荷力にやって断片化し始める。全ての繋ぎ織り糸36が同時に断片化するものではない。寧ろ、繋ぎ織り糸36は、衝撃吸収部38が真っ直ぐにされて引き裂かれるにつれて衝撃吸収部38の長さに沿って次々に断片化される。ウェビング10とレニヤード11は、衝撃吸収部38が真っ直ぐにされるにつれて繋ぎ部14、26の長さに沿って上層および下層負荷耐性ウェブ12、24が引き裂かれることによって、引き裂かれる。図5の例においては、繋ぎ織り糸36は衝撃吸収部38の両端双方から断片化され始める。衝撃吸収部38は、両端双方から衝撃吸収部38の中央に向けて引き裂かれる。繋ぎ織り糸36の引き裂き動作は、エネルギーを吸収し、人の転落を遅くするとともに、利用者の転落の制止による衝撃を軽減する。
【0060】
図6を参照すると、ティアアウェイ式衝撃吸収レニヤード11とウェビング10が完全に引き裂かれた状態を示している。全ての繋ぎ織り糸36が断片化されている。上層および下層負荷耐性ウェブ12、24は人が更に転落するのを制止し人の負荷を支える。
【0061】
一体のレニヤード11は、レニヤード11が引き裂かれた時、基本的に二つの負荷耐性ウェブになる。転落する人がそうでなければ感じることになる転落の制止による衝撃は、レニヤード11のエネルギー吸収、衝撃吸収部38によって軽減または緩和される。
【0062】
本発明に基づく別のティアアウェイ式衝撃吸収ウェビング72は概略的に図7に示される。ティアアウェイ式衝撃吸収ウェビング72は、上層および下層負荷耐性ウェブ12、24が繋ぎ部14、26の中心点74に付近で交換すること以外は、図1のティアアウェイ式衝撃吸収ウェビング10と同様である。ウェビング72に織り込みは、上層負荷耐性ウェブ12が中心点74の下で織り込まれている。また、下層負荷耐性ウェブ24が中心点74の上で織り込まれている。これにより、上層および下層負荷耐性ウェブ12、24が互いに交換をする。
【0063】
ティアアウェイ式衝撃吸収ウェビング72の一つの特徴はウェビング10(図1)から作られるレニヤード11(図2)に生ずる捩れがないことである。レニヤード11の捩れは、ウェブ端20と34が繋がれ、ウェブ端22と32が繋がれたときに生じる(図2)。図8はウェビング72から作られ捩れがないレニヤード73を示す。レニヤード73においては、アーム部16、28、38、30のウェブ端20、22、32,34が、レニヤード11と比較して異なるように繋がれている。レニヤード73は、ウェブ端20と22が繋がれ、ウェブ端32と34が繋がれている。
【0064】
図9は、ティアアウェイ式衝撃吸収ウェビング72とティアアウェイ式衝撃吸収レニヤード73の織り込みパターン76を示している。織り込みパターン76は、ティアアウェイ式衝撃吸収ウェビング72の上層負荷耐性ウェブ12を形成する基底織り糸78,80と横糸82を有する。織り込みパターン76はまた、下層負荷耐性ウェブ24を形成する基底織り糸84,86と横糸88を有する。上層および下層負荷耐性ウェブ12、24は織り込みパターン76で交換する。より詳細には、基底織り糸78,80は上層負荷耐性ウェブ12から下層負荷耐性ウェブ24に織り込まれ、基底織り糸84,86下層負荷耐性ウェブ24から上層負荷耐性ウェブ12に織り込まれる。繋ぎ織り糸90、92は基底織り糸78,80、84,86と横糸82、88に織り込まれ上層および下層負荷耐性ウェブ12、24を繋ぐ。織り形、曲げ密度、曲げ材料サイズと形、横糸密度、横糸材料サイズと形、繋ぎ織り糸材料サイズと形は希望に応じて選択したり変化させたりすることができる。また、織り込みパターン76を有するウェビングに他の織り糸や部品を含めることも可能である。
【0065】
図9に示した織り込みパターン76の例は五つのおもな種類の部分、織り込み部A1、B1,C,B2とA2を有する。図9の織り込み部A1、A2は図7に示したアーム部16、28と18,30を形成し、図4の織り込み部A,Aと同様である。図9の織り込み部B1、C、B2は図7に示した衝撃吸収部38を形成する。織り込み部B1、C,B2において、繋ぎ織り糸90、92は基底織り糸78、8084、86と織られて、図4の織り込み部Bに示されているように上層および下層負荷耐性ウェブ12、24を織り込んでいる。図9の織り込み部Cは、上層および下層負荷耐性ウェブ12、24が交換する交換部であり、図7の中心点74を参照されたい。織り込み部Cにおいて、基底織り糸78,80は上層負荷耐性ウェブ12から下層負荷耐性ウェブ24に織り込まれ、基底織り糸84,86下層負荷耐性ウェブ24から上層負荷耐性ウェブ12に織り込まれる。織り込み部A1とA2は、織り糸の交換を除いて、基本的に同じ構造を有する。これは、織り込み部B1とB2にも当てはまる。これにより、ティアアウェイ式衝撃吸収ウェビング72のこの例では、上層および下層負荷耐性ウェブ12、24が互いに交換する。
【0066】
図8と10を参照すると、上層および下層負荷耐性ウェブ12、24の交換を有し、上述したウェビング10やレニヤード11と同様に作用する、ティアアウェイ式衝撃吸収ウェビング72から作られたレニヤード73が示されている。レニヤード73は図8に示されたのと同様にコンパクトなパッケージに折り込まれたり纏められたりできる。レニヤード73に十分に高い負荷力がかけられると、レニヤード73は引き裂かれてエネルギーと人の転落を制止する衝撃を吸収する。図10は稼動中のレニヤード73、即ち部分的に引き裂かれたものを示している。図11はティアアウェイ式衝撃吸収レニヤード73が完全に引き裂かれた後に負荷を支えているものを示している。繋ぎ織り糸90、92は断片化されてレニヤード73が更に転落することの負荷を支えている。
【0067】
図9に示した織り込みパターン76はティアアウェイ式衝撃吸収ウェビングの交差または交換織り込みパターンの一例である。基底織り糸78、80と基底織り糸84、86の追加の交換は織り込み部Cではなくウェビングに沿った他の所に位置することができる。例えば追加の交換は織り込み部Aの一部で起こることができる。この実施形態では、織り込みパターンは、例えば、左から右に、セグメントA1−追加の交換セグメント−セグメントA1−セグメントB1−セグメントC,等を含み得る。
【0068】
本発明に基づくティアアウェイ式衝撃吸収ウェビングは、所望の稼動力、即ち、稼動されてウェビングの衝撃吸収部38(図1および7)が引き裂かれるのに必要な力、を持つことができる。衝撃吸収部38は異なる稼動力を提供する様々な構造を有することができる。特定のウェビングに対する異なる稼動力の例としては、一定の力や可変な力がある。ティアアウェイ式衝撃吸収ウェビングの様々な特徴は特定の稼動力または力プロファイルを達成するように変更することが出来る。
【0069】
例えば、衝撃吸収部38の様々な特徴は望ましい稼動力を提供するように変更することができる。繋ぎ織り糸の種類、繋ぎ織り糸の強度、繋ぎ織り糸の数、繋ぎ織り糸の織り込みパターン、その他の繋ぎ織り糸のパラメタ−を、好みによって望ましい稼動力を提供するように選択することが出来る。
【0070】
図12は一つの繋ぎ織り糸パターン96(図12の陰影部)の概略的平面図を示している。図12は、ティアアウェイ式衝撃吸収ウェビング98を、ウェビング98の厚みまたは表面100を見下ろすように上からみた平面図である。図12は実際には中央102から左に伸長してウェビングの一端に向けたウェビング98の一部だけを示している。図12の描写の鏡面図は中央102から右に伸長してウェビングの反対の端に向けたものとなる。繋ぎ織り糸パターン96は、繋ぎ織り糸が上層および下層負荷耐性ウェブ12、24を繋ぎ止めているところである。図12の非陰影部104は、繋ぎ織り糸が上層および下層負荷耐性ウェブ12、24を繋ぎ止めていないところである。寧ろ、繋ぎ織り糸は相当する上層および下層負荷耐性ウェブ12、24と織られていて、上下のウェブは繋ぎ止められていない。繋ぎ織り糸パターン96は図12の例に示されているように楔型を形成している。但し、その他の好ましい形状やパターンを用いることもできる。
【0071】
図12の繋ぎ織り糸パターン96のひとつの特徴はウェビング98が上層および下層負荷耐性ウェブ12、24を引き裂くために必要な可変な稼動力を有することである。 ウェビング98の稼動中には、繋ぎ織り糸が繋ぎ織り糸パターン96の両端106(図12には一端106だけしか示されていない)において断片化し始める。ウェビング98が稼動される(引き裂かれる)と、繋ぎ織り糸が端部106から、繋ぎ織り糸パターン96に沿って、中央102に向かって断片化する。上層および下層負荷耐性ウェブ12、24を繋ぎ止めている繋ぎ織り糸の数は端部106から中央102に向けて増加する。つまり、断片化開始位置(端部106)に隣接した上層および下層負荷耐性ウェブ12、24につながれた繋ぎ織り糸は断片化終了位置(中央102)に隣接した上層および下層負荷耐性ウェブ12、24につながれた繋ぎ織り糸よりも少ない。繋ぎ止めている繋ぎ織り糸の数の増加は、断片化すべき繋ぎ織り糸を増加し、そのため上層および下層負荷耐性ウェブ12、24を引き裂くために必要とされる稼動力を増加させる。ウェビング98によって吸収されるエネルギーの量は、引き裂き動作が進行するにつれて増加する。ウェビング98から作られたレニヤードの利用者は、ウェビング98が利用者の転落を制止するにともなってより徐々に増加する制止力にさらされる。これは利用者の感じる衝撃を更に低減する。
【0072】
ウェビング98の稼動力の変化(稼動力の割合増加など)は、好ましい稼動力プロファイルを提供するために個別化または設計することができる。稼動力プロファイルは、 例えば軽量の利用者、普通の体重の利用者、または重量の利用者などの、特定の応用に応じて設計してもよい。繋ぎ織り糸パターン96を有するウェビング98の稼動力プロファイルは、端部106における最低の稼動力から、全ての繋ぎ織り糸が上層および下層負荷耐性ウェブ12、24と織り込まれたエリア108における最大の稼動力まで、稼動力の増加が徐々の割合である。もちろん、本発明は他の稼動力プロファイルも提供する。
【0073】
本発明のウェビングは、レニヤードに適した材料を含む、ウェビングに適したあらゆる材料から作ることが出来る。例えば、ウェビングは、ウェビングを構成するように織られた合成材料織り糸などの合成材料から作ることが出来る。また、必要なら、ウェビングは、例えばPOYウェビングやPOY織り糸(部分的に向き付けされた織り糸)などの伸長部材を含むことが出来る。
【0074】
本発明のウェビングは多種の応用に用いることが出来る。例えば、ウェビングは防御具用の衝撃吸収レニヤードとして用いることができる。本発明に基づく衝撃吸収レニヤードは人がそうでなければ感じることになる転落の制止による衝撃力の少なくともいくらかを吸収しつつ、人の転落を制止することが出来る。
【0075】
図13は図7に示したエネルギー吸収ウェビング72を有する負荷リミッタ110の例を示している。負荷リミッタ110は搭乗者シート114用のシートベルトシステム112 に用いられる。望ましければ一つもしくはそれ以上の負荷リミッタ110をシートベルトシステム112に用いることができ、例えば負荷リミッタ110aをシートベルトシステム112に用いることが出来る。負荷リミッタ110は図8のレニヤード73と同様の構造を有する。
【0076】
負荷リミッタ110はシートベルトの肩ストラップ116の部分に繋がれたウェブ端20、22(図7も参照)を有する。負荷リミッタ110の反対側の端では、ウェブ端32、34(図7も参照)が固定されたアンカー点118に繋がれている。同様に、負荷リミッタ110aはシートベルトの締金120に繋がれたウェブ端20、22を有する。負荷リミッタ110aは、固定されたアンカー点122に繋がれたウェブ端32、34を有している。負荷リミッタ110、110aは固定されたアンカー点118,122に繋がれたように示されているが、望ましければ負荷リミッタは他の様式のシートベルトシステム112に繋ぐこともできる。
【0077】
負荷リミッタ110、110aは、上述した発明の他の実施例について記述したように、エネルギーを吸収するように作用する。例えば、図14は負荷リミッタ110の稼動中を示す。負荷リミッタ110に十分な強度の力がかけられた時、ティアアウェイ式部分内の繋ぎ部材が破れて、エネルギーを吸収する。負荷リミッタ110,110aとシートベルトシステム112は、車両が突然減速したり停止した時に、搭乗者座席114に座っている搭乗者にかかる衝撃を軽減することができる、負荷リミッタ110,110aは上述したエネルギー吸収ウェビング72を有するものと記載されている。但し、本発明の他の実施形態も負荷リミッタとして使用することに適している。エネルギーを吸収する他のエネルギー吸収構造体もシートベルトシステム110や負荷リミッタに使用するのに適している。例としては、本願に引用例として含まれる2004年3月1日出願のUS特許出願10/790,394の開示も負荷リミッタとして適している。US特許出願10/790,394の開示に基づいて作られた別の負荷リミッタは負荷リミッタ124である。
【0078】
ここに記載された現在好ましい実施形態に対する変更や改変は当業者には自明であることを了解されるべきである。そのような変更や改変は、本発明の趣旨や範囲を外れることなく、またその意図された利点を損なうことなく、行うことが出来る、従って、そのような変更や改変は添付された請求項に含まれるものであることを意図している。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】図1は本発明の原理に基づくティアアウェイ式エネルギー吸収ウェビングの概略図である。
【図2】図2は使用に適したティアアウェイ式衝撃吸収レニヤードの概略図である。
【図3】図3は図1のティアアウェイ式エネルギー吸収ウェビングの製造中の概略図である。
【図4】図4は図1のティアアウェイ式エネルギー吸収ウェビングの織り込みパターンを示す図である。
【図5】図5は図2のティアアウェイ式衝撃吸収レニヤードの稼動中の概略図である。
【図6】図6は図2のティアアウェイ式衝撃吸収レニヤードの使用後の概略図である。
【図7】図7は本発明の原理に基づく別のティアアウェイ式エネルギー吸収ウェビングの概略図である。
【図8】図8は別の使用に適したティアアウェイ式衝撃吸収レニヤードの概略図である。
【図9】図9は図7のティアアウェイ式エネルギー吸収ウェビングの織り込みパターンを示す図である。
【図10】図10は図8のティアアウェイ式衝撃吸収レニヤードの稼動中の概略図である。
【図11】図11は図8のティアアウェイ式衝撃吸収レニヤードの使用後の概略図である。
【図12】図12は本発明に基づく一つの繋ぎ織り糸パターンの概略図である。
【図13】図13は負荷リミッタおよびシートベルトシステムの概略図である。
【図14】図14は図13の負荷リミッタの稼動中の概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の負荷耐性ウェブと、
第二の負荷耐性ウェブと、
一体のウェビングとして前記第一および第二の負荷耐性ウェブと一体的に構成された繋ぎ部材であって、該繋ぎ部材は前記第一および第二の負荷耐性ウェブをエネルギー吸収部分において繋げているものであって、十分な負荷がウェビングにかけられると該繋ぎ部材が断片化することによってエネルギー吸収部分において前記第一および第二の負荷耐性ウェブが互いに分離されるようになっているもの、
からなるウェビング。
【請求項2】
前記繋ぎ部材は、前記第一および第二の負荷耐性ウェブに織り込まれた織り糸である、請求項1記載のウェビング。
【請求項3】
前記繋ぎ部材が断片化することによって前記第一および第二の負荷耐性ウェブが互いに分離された時に、前記第一および第二の負荷耐性ウェブの両方がウェビングにかけられた負荷を支える、請求項1記載のウェビング。
【請求項4】
前記第一の負荷耐性ウェブは、左ウェブ端と右ウェブ端を有し、
前記第二の負荷耐性ウェブは、左ウェブ端と右ウェブ端を有し、
前記第一の負荷耐性ウェブの左ウェブ端が前記第二の負荷耐性ウェブの右ウェブ端と繋がれ、
前記第一の負荷耐性ウェブの右ウェブ端が前記第二の負荷耐性ウェブの左ウェブ端と繋がれた、
請求項1記載のウェビング。
【請求項5】
前記エネルギー吸収部分がウェビングの中心からウェビングの両端に向けて伸張されている、請求項1記載のウェビング。
【請求項6】
前記繋ぎ部材の断片化は前記エネルギー吸収部分の両端から始まり、両端から前記エネルギー吸収部分の中央に向けて継続する、請求項1記載のウェビング。
【請求項7】
前記第一の負荷耐性ウェブはウェビングの上側からウェビングの下側に変化し、前記第二の負荷耐性ウェブはウェビングの下側からウェビングの上側に変化するように、前記第一の負荷耐性ウェブと前記第二の負荷耐性ウェブが互いに交換する、請求項1記載のウェビング。
【請求項8】
前記上側と下側の負荷耐性ウェブは前記エネルギー吸収部分内で交換する、請求項7記載のウェビング。
【請求項9】
前記上側と下側の負荷耐性ウェブは前記エネルギー吸収部分外で交換する、請求項7記載のウェビング。
【請求項10】
前記ウェビングの上側は、左ウェブ端と右ウェブ端を有し、
前記ウェビングの下側は、左ウェブ端と右ウェブ端を有し、
前記上側の左右のウェブ端が互いに繋がれ、
前記下側の左右のウェブ端が互いに繋がれた、
請求項7記載のウェビング。
【請求項11】
前記第一および第二の負荷耐性ウェブは基底織り糸を有し、前記第一の負荷耐性ウェブの基底織り糸と前記第二の負荷体制ウェブの基底織り糸が交換する、請求項1記載のウェビング。
【請求項12】
前記ウェビングの上側は、左ウェブ端と右ウェブ端を有し、
前記ウェビングの下側は、左ウェブ端と右ウェブ端を有し、
前記上側の左右のウェブ端が互いに繋がれ、
前記下側の左右のウェブ端が互いに繋がれた、
請求項11記載のウェビング。
【請求項13】
前記第一および第二の負荷耐性ウェブに繋がれた繋ぎ部材の量が、前記エネルギー吸収部分にそって変化する、請求項1記載のウェビング。
【請求項14】
前記エネルギー吸収部分は、断片化開始位置と断片化終了位置を有し、断片化開始位置に隣接する前記第一および第二の負荷耐性ウェブに繋がれた繋ぎ部材が、断片化終了位置に隣接する前記第一および第二の負荷耐性ウェブに繋がれた繋ぎ部材よりも少ない、請求項13記載のウェビング。
【請求項15】
前記第一および第二の負荷耐性ウェブが、織物、編物およびその組み合わせからなるグループから選択されたものである、請求項1記載のウェビング。
【請求項16】
織り糸を有する上層の負荷耐性ウェブと、
織り糸を有する下層の負荷耐性ウェブと、
前記上層および下層の負荷耐性ウェブをウェビングのエネルギー吸収部分において繋げている繋ぎ織り糸であって、前記上層および下層の負荷耐性ウェブは、該繋ぎ織り糸の開放によって該エネルギー吸収部分において互いに分離されているものからなり、
前記上層および下層の負荷耐性ウェブと前記繋ぎ織り糸が共に一体のウェビングを構成しているウェビング。
【請求項17】
前記上層および下層の負荷耐性ウェブが、織物、編物およびその組み合わせからなるグループから選択されたものである、請求項16記載のウェビング。
【請求項18】
前記繋ぎ織り糸は、前記上層および下層の負荷耐性ウェブの織り糸に織り込まれたものである、請求項16記載のウェビング。
【請求項19】
十分な負荷がウェビングにかけられると前記繋ぎ部材が断片化することによってエネルギー吸収部分において前記上層および下層の負荷耐性ウェブが互いに分離されて、前記上層および下層の負荷耐性ウェブの両方がウェビングにかけられた負荷を支える、請求項16記載のウェビング。
【請求項20】
前記上層の負荷耐性ウェブの織り糸はウェビングの上側からウェビングの下側に変化し、前記下層の負荷耐性ウェブの織り糸はウェビングの下側からウェビングの上側に変化するように、前記上層の負荷耐性ウェブと前記下層の負荷耐性ウェブが互いに交換する、請求項16記載のウェビング。
【請求項21】
前記上層と下層の負荷耐性ウェブは前記エネルギー吸収部分内で交換する、請求項20記載のウェビング。
【請求項22】
左ウェブ端と右ウェブ端を有する第一の負荷耐性ウェブと、
左ウェブ端と右ウェブ端を有する第二の負荷耐性ウェブと、
前記第一および第二の負荷耐性ウェブをティアアウェイ式ウェビングのエネルギー吸収部分において開放可能に繋げる繋ぎ部材とからなり、
前記第一の負荷耐性ウェブの左ウェブ端が前記第二の負荷耐性ウェブの右ウェブ端と繋がれ、
前記第一の負荷耐性ウェブの右ウェブ端が前記第二の負荷耐性ウェブの左ウェブ端と繋がれた、ティアアウェイ式ウェビング。
【請求項23】
前記第一および第二の負荷耐性ウェブと前記繋ぎ部材は一体のウェビングとして一体的に構成されたものである、請求項22記載のティアアウェイ式ウェビング。
【請求項24】
前記繋ぎ部材は、断片化可能な織り糸である、請求項22記載のティアアウェイ式ウェビング。
【請求項25】
前記繋ぎ部材は、前記第一および第二の負荷耐性ウェブに織り込まれた繋ぎ織り糸である、請求項22記載のウェビング。
【請求項26】
左ウェブ端と右ウェブ端を有する上側の負荷耐性ウェブと、
左ウェブ端と右ウェブ端を有する下側の負荷耐性ウェブと、
前記上側負荷耐性ウェブの一部と前記下側負荷耐性ウェブの一部が交換をする交換部と、
前記上側および下側の負荷耐性ウェブをティアアウェイ式ウェビングのエネルギー吸収部分において開放可能に繋げる繋ぎ部材とからなり、
前記上側の負荷耐性ウェブの左ウェブ端が前記上側の負荷耐性ウェブの右ウェブ端と繋がれ、
前記下側の負荷耐性ウェブの右ウェブ端が前記下側の負荷耐性ウェブの左ウェブ端と繋がれた、ティアアウェイ式ウェビング。
【請求項27】
前記交換部は、前記エネルギー吸収部分内である、請求項26記載のティアアウェイ式ウェビング。
【請求項28】
前記上側および下側の負荷耐性ウェブの交換をする部分は、前記上側および下側の負荷耐性ウェブの織り糸である、請求項26記載のティアアウェイ式ウェビング。
【請求項29】
前記上側および下側の負荷耐性ウェブと前記繋ぎ部材は一体のウェビングとして一体的に構成されたものである、請求項26記載のティアアウェイ式ウェビング。
【請求項30】
前記繋ぎ部材は、断片化可能な織り糸である、請求項26記載のティアアウェイ式ウェビング。
【請求項31】
前記繋ぎ部材は、前記上側および下側の負荷耐性ウェブの織り糸に織り込まれた繋ぎ織り糸である、請求項26記載のウェビング。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2009−504312(P2009−504312A)
【公表日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−526913(P2008−526913)
【出願日】平成17年8月16日(2005.8.16)
【国際出願番号】PCT/US2005/029140
【国際公開番号】WO2007/021278
【国際公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【出願人】(508049422)ワイケイケイ コーポレーション オブ アメリカ (3)
【Fターム(参考)】