説明

エポキシ樹脂および複素多環式ポリアミンをベースとする硬化可能な組成物

本発明は、A)少なくとも1種のエポキシ樹脂、およびB)少なくとも2個のアミノ基を有する多環式複素環系を含む少なくとも1種の硬化剤を本質的に含有する、硬化可能な組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の技術分野
本発明の対象は、本質的に、A)少なくとも1種のエポキシ樹脂およびB)少なくとも2個のアミノ基を有する多環式複素環系を含む少なくとも1種の硬化剤を含有する、硬化可能な組成物である。
【0002】
技術水準
エポキシ樹脂は、1分子あたり2個またはそれ以上のエポキシ基を含有するプレポリマーである。この樹脂と一連の硬化剤との反応は、架橋性ポリマーを導く。このポリマーは、デュロプラスチック性であってもよく、これは、たとえば土木工学(土木建築)、複合材料(繊維補強材料)、流延材料、ラッカーおよび接着剤における使用を見出すことができる。樹脂および硬化剤ならびに土木工学分野におけるその使用に関する概要は、その特性も含めて、H.Schuhmann、"Handbuch Betonschutz durch Beschichtungen"、Expert Verlag 1992、第396頁〜第428頁に記載されている。複合材料分野に関する樹脂および硬化剤の使用は、P.K.Mallick、"Fiber-Reinforced Composites, Materials, Manufacturing, and Design"、CRC Press、第60頁〜第76頁に記載されている。
【0003】
たとえばWO/1998/013407、WO/2001/009221およびWO/2005/123802から、通常のエポキシ樹脂、たとえば、ビスフェノール−A−ジグリシジルエーテルまたはビスフェノール−F−ジグリシジルエーテルをベースとするエポキシ樹脂を、数多くの他のアミン系硬化剤および脂肪族ポリアミンまたは脂環式ポリアミン、たとえばジエチレントリアミン(DETA)またはイソホロンジアミン(IPD)に加えて使用することが知られている。このようなアミンは、得られるデュロプラスチック性エポキシド系が、優れた機械的性質(たとえば、高いガラス転移温度)を有するといった利点等を有する。
【0004】
通常、樹脂および硬化剤は、石油化学由来の源から製造され、これはUS 2008/0009599に、後洗浄された原料をベースとする硬化可能なエポキシ系が記載されており、この際、樹脂のエポキシ成分は、植物性の無水糖アルコールのグリシジルエーテルから構成されるものである。
【0005】
公知の硬化可能な系のすべてにおける欠点は、種々の使用、たとえば複合材料において頻発するあまりにも高い反応性またはあまりにも急速な硬化である。これは、加工性およびポットライフを顕著に低下させる。さらに、これに付随して生じる高い発熱量は、すべての系に対して、たとえばマトリックスの分解または内圧の発生の形での障害を招く。これらの欠点は、たとえば、インフュージョン法によるものに占められる、風力プラント用ローターブレードの製造の際の硬化可能な系の加工条件下で、あるいは硬化後の劣化した完成品の性質、たとえば変色において示される。
【0006】
よって、これらの背景から、少ない反応性を有する新規の硬化可能な系についての要求が高まった。
【0007】
したがって本発明の課題は、一方で技術水準から公知の機械的利点を示し、他方で、長い加工時間が可能な硬化可能な組成物を提供することである。
【0008】
発明の詳細な説明
驚くべきことに、以下に記載する樹脂および多環式ポリアミンを含む硬化剤を含有する硬化可能な系は、生じるデュロプラスチックの優れた機械的性質と同時に、減少した反応性または延長された加工時間を示す。
【0009】
本発明の対象は、本質的に、A)少なくとも1種のエポキシ樹脂およびB)少なくとも2個のアミノ基を有する多環式複素環系を含む少なくとも1種の硬化剤を含有する、硬化可能な組成物である。
【0010】
本発明のさらなる対象は、本発明による硬化可能な系の使用である。
【0011】
さらなる利点は、低い粘性を表す硬度、良好な表面特性および優れた化学薬品耐性で硬化した系である。
【0012】
本発明に関連して用語「多環式複素環系」とは、少なくとも2個の環を有する環系であり、これらがどのように結合されているかとは無関係であって(これに関して、例えばファン化合物、カテナン化合物およびスピロ化合物も同様)、その際、少なくとも1種の環形成原子は、炭素原子ではない。
【0013】
本発明に関連して用語「アミノ基」は、特に第1級アミンさらに第2級アミンである。
【0014】
本発明に関連して用語「脂環式化合物」は、環式化合物、その環が炭素原子のみから構成されているものであって、たとえばシクロアルカン、シクロアルケンおよびシクロアルキンを示す。
【0015】
記載されたすべての百分率(%)は、別記しない限りにおいて質量%である。
【0016】
エポキシ樹脂成分A)として、原則すべてのエポキシ樹脂を考慮することができ、これは、アミンを用いて硬化させることができる。エポキシ樹脂として、たとえばビスフェノールA−ジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテルまたは脂環式のタイプ、たとえば3,4−エポキシシクロヘキシル−エポキシエタンまたは3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−シクロヘキサンカルボキシレートが挙げられる。
【0017】
本発明によれば、好ましくは成分A)として、その良好な入手可能性に基づいて、石油化学性反応成分(Edukt)から製造されるエポキシ樹脂を使用する。
【0018】
特に、本発明による硬化可能な組成物中で、ビスフェノールA−ジグリシジルエーテルをベースとするエポキシ樹脂、ビスフェノールF−ジグリシジルエーテルをベースとするエポキシ樹脂および脂環式の型のエポキシ樹脂、たとえば3,4−エポキシシクロヘキシルエポキシエタンまたは3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−シクトヘキサンカルボキシレートからなる群から選択されるエポキシ樹脂を使用し、その際、ビスフェノールAをベースとするエポキシ樹脂およびビスフェノールFをベースとするエポキシ樹脂が特に好ましい。本発明によれば、成分A)としてさらにエポキシ樹脂の混合物を使用することもできる。
【0019】
成分B)の硬化剤として、少なくとも2個のアミノ基を有するすべての多環式複素環系を使用することができる。好ましい環系は2〜4個の、特に好ましくは2個の環を有する。多環式複素環系の環は、好ましくは互いに接して縮合されている。
【0020】
アミノ基は、特に、それぞれ異なる環に対して結合されている。好ましくは、環系は2〜4個の、特に好ましくは2個のアミノ基を有する。
【0021】
好ましくは、環中の非炭素原子、これはいわゆるヘテロ原子は、窒素、酸素、硫黄から成る群から選択され、その際、酸素が特に好ましい。
【0022】
特に好ましくは、多環式複素環系として、二無水物糖のポリアミンおよびその脱酸素化合物、好ましくは二無水物ヘキシトールのポリアミンを使用する。
【0023】
好ましくは、ここでジアミノ−ジアンヒドロ−ジデオキシ−ヘキシトール、特に好ましくは2,5−ジアミノ−1,4:3,6−ジアンヒドロ−2,5−ジデオキシ−D−ヘキシトールである。
【0024】
これに関して、今日まで、式(I)〜(III)の3個の立体異性体が示されており、これは、好ましくは使用される(たとえば、Bashford, V. G. and Wiggins, L. F. (1950) Anhydrides ofpolyhydric alcohols XII. The amino derivatives of 1,4:3,6-dianhydromannitol, -sorbitol, and L-iditol and their behavior towards nitrous acid. Journal of the Chemical Society 1950 371-374):2,5−ジアミノ−1,4:3,6−ジアンヒドロ−2,5−ジデオキシ−D−マンニトール(I)、2,5−ジアミノ−1,4:3,6−ジアンヒドロ−2,5−ジデオキシ−D−グルシトール(II)および2,5−ジアミノ−1,4:3,6−ジアンヒドロ−2,5−ジデオキシ−L−イジトール(III)。3個の立体異性体は、2位および5位のキラリティーにおいて異なる。ここで、アミノ基は、アニール化された5員環のいす型に対してendo, endo(I)、endo, exo(II)またはexo, exo(III)位で存在していてもよい。
【0025】
【化1】

【0026】
特に好ましくは、硬化剤として、式(II)の化合物を使用し、この場合、これはさらにジアミノイソソルビッド(DAS)と呼称される。
【0027】
本発明によれば、さらに成分B)として硬化剤の混合物を使用することもできる。
【0028】
硬化可能な組成物は、さらなるポリアミンを、少なくとも2個またはそれ以上の第1級および/または第2級アミノ基を含有するアミン硬化剤として有していてよい。このようなポリアミンは、たとえばジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、メチレンジアニリン、ビス(アミノシクロヘキシル)メタン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、トリシクロドデカンジアミン、ノルボルナンジアミン、N−アミノエチルピペラジン、イソホロンジアミン、m−フェニレンビス(メチルアミン)、1,3および/または1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、ポリオキシアルキレンアミン、ポリアミノアミド、アミンとアクリルニトリルとの反応生成物およびマンニッヒ塩基である。さらなるポリアミンとして、好ましくは、イソホロンジアミン、ジエチレントリアミン、トリメチレンヘキサメチレンジアミン、m−フェニレンビス(メチルアミン)、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、メチレン−ビス(4−アミノシクロヘキサン)、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシル−メタン、N−アミノエチルピペラジン、ポリオキシアルキレンアミン、ポリアミノアミド、アミンとアクリルニトリルとの反応生成物およびマンニッヒ塩基から選択されるポリアミンが好ましくは使用され、その際、イソホロンジアミン、ポリオキシアルキレンアミン、ビス(アミノシクロヘキシル)メタン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、N−アミノエチルピペラジン、m−フェニレンビス(メチルアミン)およびジエチレントリアミンが特に好ましい。
【0029】
これは、使用したすべてのアミンに対して0.5〜95質量%の量で、好ましくは10〜90質量%の量で、および特に好ましくは20〜60質量%の量で使用する。
【0030】
成分A)および成分B)ならびに場合によってはさらなるアミンは、一般に化学量論比で硬化する。しかしながらこれとは異なり、硬化剤の型および用途に依存して、望ましい範囲で可能である。
【0031】
これに関して樹脂および硬化剤を当量で使用する。しかしながらさらに、化学量論比とは異なる量も可能である。
【0032】
相当する使用分野に応じて、エポキシ樹脂配合物は、さらにエポキシ基を1個またはそれ以上含有する樹脂および1種またはそれ以上の硬度改質剤、反応促進剤、反応性希釈剤、溶剤および/または添加剤、たとえば消泡剤、充填剤および/または顔料を含有する。繊維補強材料の場合には、この配合剤はさらにたとえば相当する繊維および/または不織布を含有する。
【0033】
改質剤として、特別な化合物、たとえばベンジルアルコール、アルキルフェノールまたは炭化水素樹脂、特にベンジルアルコールが適している。
【0034】
反応促進剤として、たとえば有機酸、たとえば乳酸およびサリチル酸、あるいは第3級アミンの化合物、たとえばトリス(ジメチルアミノメチル)フェノールおよびベンジルジメチルアミンが挙げられる。
【0035】
適した反応性希釈剤は、たとえば単官能性または多官能性の、液体エポキシド化合物、たとえば2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、ヘキサンジオールジグリシジルエーテルおよびトリメチロールプロパントリグリシジルエーテルである。
【0036】
使用可能な溶剤として、たとえば芳香族炭化水素、たとえばキシレン、またはアルコール、たとえばエタノール、プロパノールまたはブタノールが挙げられる。
【0037】
さらに、被覆のための典型的な顔料、たとえば二酸化チタン、酸化鉄顔料およびカーボンブラックおよび充填剤、たとえば滑石、重晶石およびベントナイト(Bentonen)ならびに添加剤、たとえば、特に消泡剤およびレベリング剤を使用する。
【0038】
使用目的に応じて、このような系は種々の温度で硬化する。したがって、たとえば建築化学および腐食保護の分野においては、たいていは周囲温度で硬化し、その一方でたとえば繊維補強材料の場合には、より高い温度で硬化する(いわゆる熱硬化)。
【0039】
したがって本発明の対象はさらに、本発明による硬化可能な組成物の使用であり、その際、硬化可能な組成物は周囲温度で硬化し、好ましくは10〜35℃、特に好ましくは15〜30℃で硬化する。
【0040】
本発明による硬化可能な組成物は、さらに高められた温度であっても均一な硬化において優れていることから、本発明の対象はさらに、好ましくは40〜180℃で、好ましくは40〜180℃、特に好ましくは50〜130℃で熱硬化する、硬化可能な組成物の使用である。
【0041】
硬化可能な組成物は被覆のため、特に金属、無機下地およびプラスチック上への被覆のために、ならびにフロアコーティング剤、ラッカー、ポリマーコンクリート、修繕剤系、アンカー材料(Ankermassen)、接着剤、流延材料および含浸剤のため、および特に繊維補強材料のために使用される。
【0042】
本発明による硬化可能な組成物の接着剤としての使用は、特に、金属、プラスチック、木材、ガラス、MDF及び皮革のための接着剤組成物における使用を含む。
【0043】
本発明のさらなる使用は、本発明による硬化可能な組成物の、被覆方法、修繕方法、接着方法、流延方法および含浸方法における使用、特に土木工学分野における使用である。典型的な加工方法は、たとえば教科書der Lehrbuch der Lacke und Beschichtungen、第7巻上製本第2版、2005年およびH. Schuhmann、"Handbuch Betonschutz durch Beschichtungen"、Expert Verlag 1992年から見出され、たとえば、セルフレベリングフロアコーティング系のための方法、亀裂注入法(Rissinjektionsverfahren)である。
【0044】
同様に、本発明のさらなる対象は、対象物、特に繊維補強材料を、インフュージョン法、インジェクション法、特にバキュームインジェクション/インフュージョン法、プレプレグ法、レジントランシファー成形法(RTM)、バキュームアシストレジントランスファー成形法(VARTM)、構造用リアクティブインジェクション成形法(SRIM)、フィラメントワインディング法、バッグ成形法、プルトルーション法およびハンドレイアップ法から成る群から選択される方法によって製造するための、本発明による硬化可能な組成物の使用であり、この際、プレプレグ法が特に好ましい。対象物を製造するための前記加工方法の種々の実施は、当業者に知られており、かつ特に"Composites Technologien",Skript zur ETH-Vorlesung 151-0307-OOL, Version 4.0, Paolo Ermanni, Zurich, 2007年8月およびP.K.Mallick、"Fiber-Reinforced Composites, Materials, Manufacturing, and Design"CRC Pressで見出される。
【0045】
以下の実施例において、本発明は、本願明細書中のすべての記載および特許請求の範囲からもたらされる本発明およびその使用範囲を実施例に挙げられた実施形態に限定することなしに例証される。
【0046】
実施例:
例1:土木工学のための系における結果
本発明による硬化可能な組成物1(hZ1)、本発明によらない比較組成物1(VZ1)を製造し、かつ、ここで以下に示す硬化後の種々の性質について試験した。
【0047】
これに関して、硬化剤成分を製造するために、アミンおよびベンジルアルコールを最初に室温(25℃)で混合し、その後に少量ずつエポキシ樹脂を添加した。
【0048】
粘度は、DIN53019にしたがって測定した。
【0049】
ピーク温度は、温度センサ用いて等温で200gの試料について測定した。
【0050】
ゲル化時間は、同一の200gの試料について流動性を算出することによって測定した。
【0051】
ガラス転移温度(Tg)は、示差走査型熱量計を用いて算出し、そのショアー硬度はDIN53505による。
【0052】
以下の表は、測定結果を示す。
【0053】
【表1】

【0054】
DASは、土木工学分野におけるエポキシ樹脂のためのアミン系硬化剤成分として良好に適している。より長い加工時間、良好な表面、良好な機械的特性および良好な化学薬品耐性を有する配合物が得られた。
【0055】
例2:複合材料用途のための系における結果
本発明による硬化可能な組成物2(hZ2)、本発明によらない比較組成物2(VZ2)を、前記に示したようにして製造し、かつ以下の示す硬化後の種々の性質(必要に応じて例1に記載された)について試験した。
【0056】
熱成形安定性は、DIN EN ISO 75に基づいて測定した。
【0057】
変換率は、示差走査型熱量計を用いて測定した。
【0058】
以下の表は、測定結果を示す。
【0059】
【表2】

【0060】
DASは、その少ない反応性および優れた機械的特性に基づいて、複合材に極めて良好に適している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
A)少なくとも1種のエポキシ樹脂
および
B)少なくとも2個のアミノ基を有する多環式複素環系を含む少なくとも1種の硬化剤
を本質的に含有する、硬化可能な組成物。
【請求項2】
成分A)として、石油化学性反応成分から製造されるエポキシ樹脂を使用する、請求項1に記載の硬化可能な組成物。
【請求項3】
成分A)として、ビスフェノールA−ジグリシジルエーテルをベースとするエポキシ樹脂、ビスフェノールF−ジグリシジルエーテルをベースとするエポキシ樹脂および脂環式の型のエポキシ樹脂から成る群から選択される、エポキシ樹脂を使用する、請求項1または2に記載の硬化可能な組成物。
【請求項4】
多環式複素環系が2〜4個、特に好ましくは2個の環を有する、請求項1から3までのいずれか1項に記載の硬化可能な組成物。
【請求項5】
多環式複素環系の環が互いに接して縮合されている、請求項1から4までのいずれか1項に記載の硬化可能な組成物。
【請求項6】
多環式複素環系中のヘテロ原子が、窒素、酸素および硫黄から成る群から選択される、請求項1から5までのいずれか1項に記載の硬化可能な組成物。
【請求項7】
多環式複素環系として、二無水糖のポリアミンおよびその脱酸素化合物、好ましくは二無水ヘキシトールのポリアミンを使用する、請求項1から6までのいずれか1項に記載の硬化可能な組成物。
【請求項8】
多環式複素環系として、2,5−ジアミノ−1,4:3,6−ジアンヒドロ−2,5−ジデオキシ−D−ヘキシトールを使用する、請求項1から7までのいずれか1項に記載の硬化可能な組成物。
【請求項9】
式(I)の2,5−ジアミノ−1,4:3,6−ジアンヒドロ−2,5−ジデオキシ−D−マンニトール、式(II)の2,5−ジアミノ−1,4:3,6−ジアンヒドロ−2,5−ジデオキシ−D−グルシトールおよび式(III)の2,5−ジアミノ−1,4:3,6−ジアンヒドロ−2,5−ジデオキシ−L−イジトール
【化1】

を、単独でまたは混合物の形で使用し、好ましくはジアミノイソソルビッド(II)である、請求項1から8までのいずれか1項に記載の硬化可能な組成物。
【請求項10】
改質剤を含む、請求項1から9までのいずれか1項に記載の硬化可能な組成物。
【請求項11】
改質剤として、ベンジルアルコール、アルキルフェノールおよび炭化水素系樹脂から成る群から選択される少なくとも1種を含む、請求項10に記載の硬化可能な組成物。
【請求項12】
反応促進剤を含む、請求項1から11までのいずれか1項に記載の硬化可能な組成物。
【請求項13】
反応促進剤として、乳酸および/またはサリチル酸を含む、請求項12に記載の硬化可能な組成物。
【請求項14】
反応促進剤として、第3級アミンを含む、請求項12に記載の硬化可能な組成物。
【請求項15】
反応性希釈剤を含む、請求項1から14までのいずれか1項に記載の硬化可能な組成物。
【請求項16】
反応性希釈剤として、単官能性または多官能性エポキシ化合物を含む、請求項15に記載の硬化可能な組成物。
【請求項17】
溶剤を含む、請求項1から16までのいずれか1項に記載の硬化可能な組成物。
【請求項18】
さらに顔料および/または充填剤を含む、請求項1から17までのいずれか1項に記載の硬化可能な組成物。
【請求項19】
さらに添加剤を含む、請求項1から18までのいずれか1項に記載の硬化可能な組成物。
【請求項20】
さらなるポリアミンを含む、請求項1から19までのいずれか1項に記載の硬化可能な組成物。
【請求項21】
さらなるポリアミンとして、イソホロンジアミン、ジエチレントリアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、m−フェニレンビス(メチルアミン)、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、メチレン−ビス(4−アミノシクロヘキサン)、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシル−メタン、N−アミノエチルピペラジン、ポリオキシアルキレンアミン、ポリアミノアミド、アミンとアクリルニトリルとの反応生成物およびマンニッヒ塩基から成る群から選択されるポリアミンを使用する、請求項20に記載の硬化可能な組成物。
【請求項22】
さらなるポリアミンを、使用された全アミンに対して0.5〜95質量%の量で含む、請求項20または21に記載の硬化可能な組成物。
【請求項23】
硬化可能な組成物を、周囲温度で硬化させる、請求項1から22までのいずれか1項に記載の硬化可能な組成物の使用。
【請求項24】
硬化温度が10〜35℃である、請求項23に記載の使用。
【請求項25】
硬化可能な組成物を、熱硬化させる、請求項1から22までのいずれか1項に記載の硬化可能な組成物の使用。
【請求項26】
硬化温度が40〜180℃である、請求項25に記載の使用。
【請求項27】
被覆剤における、請求項1から22までのいずれか1項に記載の硬化可能な組成物の使用。
【請求項28】
金属、無機下地およびプラスチックを被覆するための、請求項27に記載の使用。
【請求項29】
フロアコーティング剤、ラッカー、ポリマーコンクリート、修繕剤系、アンカー材料、接着剤、流延材料および含浸剤のための、請求項1から22までのいずれか1項に記載の硬化可能な組成物の使用。
【請求項30】
繊維補強材料のための、請求項1から22までのいずれか1項に記載の硬化可能な組成物の使用。
【請求項31】
被覆方法、修繕方法、接着方法、流延方法および含浸方法における、請求項1から22までのいずれか1項に記載の硬化可能な組成物の使用。
【請求項32】
インフュージョン法、インジェクション法、プレプレグ法、レジントランスファー成形法(RTM)、バキュームアシストレジントランスファー成形法(VARTM)、構造用リアクティブインジェクション成形法(SRIM)、フィラメントワインディング法、バッグ成形法、プルトルーション法およびハンド−レイアップ法から成る群から選択される方法によって、対象物、特に繊維補強材料を製造するための、請求項1から22までのいずれか1項に記載の硬化可能な組成物の使用。

【公表番号】特表2012−516917(P2012−516917A)
【公表日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−548550(P2011−548550)
【出願日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際出願番号】PCT/EP2009/066276
【国際公開番号】WO2010/088981
【国際公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【出願人】(501073862)エボニック デグサ ゲーエムベーハー (837)
【氏名又は名称原語表記】Evonik Degussa GmbH
【住所又は居所原語表記】Rellinghauser Strasse 1−11, D−45128 Essen, Germany
【Fターム(参考)】