説明

エポキシ樹脂系用のハロゲンを含まない難燃剤

本開示は、エポキシ樹脂系に有用な難燃剤に関する。エポキシ樹脂及びリン酸塩含有難燃剤を含み、このリン酸塩含有難燃剤が、糖のリン酸の1族金属塩、グリセロリン酸の2族塩、及びポリリン酸の1族金属塩から選択されるコーティング組成物及び方法が提供される。提供される難燃剤は、毒性が低く、環境に優しい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エポキシ樹脂系に有用な難燃剤に関する。
【背景技術】
【0002】
樹脂は、多くの産業で、多くの異なる目的のために用いられている。樹脂は、例えば、電気及び電子産業で、スプライス及び他の設備用のシールとして、また加えて他の用途でも広く用いられている。かかる電気及び電子用途で用いられている樹脂は、一般的に、許容可能な一連の電気的特性、ある程度の耐燃性又は難燃性、及び許容可能な水準の加工性を有する必要がある。次第にデリケートになっている環境及び安全上の問題に対処するために、現在、ハロゲン化及びハロゲン含有化合物及び材料を実質的に含まない樹脂組成物を提供することが望まれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
現在利用可能な樹脂は、ハロゲン化及びハロゲン含有化合物及び材料を組み込まずに、所望の一連の電気的、生産、加工、及び耐燃特性を提供する能力を有していない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
有利なことに、本発明に係る難燃樹脂系は、難燃剤としてハロゲン化及びハロゲン含有化合物を含まない。また、毒性が低く、環境に優しい難燃剤を組み込んだエポキシ樹脂系を有することが有利である。これは、エポキシ樹脂系が、電気スプライスを接続及び/又は封止するために用いられる樹脂系のように環境と接触する場合特に重要である。
【0005】
1つの態様では、エポキシ樹脂及びリン酸塩含有難燃剤を含み、この難燃剤が、式:
【化1】

(式中、Aは、O、グリセロールの共役塩基、又は糖若しくは糖誘導体の共役塩基であってよく、n=0〜5であり、Qは、一価カチオン又は二価カチオンであり、Qが一価カチオンであるとき、m=n+2であり、Qが二価カチオンであるとき、n=0かつm=1である)を有するコーティング組成物が提供される。
【0006】
別の態様では、エポキシ樹脂及びリン酸塩含有難燃剤を含み、このリン酸塩含有難燃剤が、糖のリン酸の1族金属塩、グリセロリン酸の2族塩、リン酸の1族金属塩、及びポリリン酸の1族金属塩から選択されるコーティング組成物が提供される。
【0007】
更に別の態様では、エポキシ樹脂を提供することと、リン酸塩含有難燃剤に混合することとを含み、このリン酸塩含有難燃剤が、糖のリン酸の1族金属塩、グリセロリン酸の2族塩、リン酸の1族金属塩、及びポリリン酸の1族金属塩から選択されるコーティング組成物の製造方法が提供される。
【0008】
本明細書では、
「ASTM」は、米国材料試験協会により標準化されている試験方法を指し、
「共役塩基」は、少なくとも1つのOH基が脱プロトン化されている糖又はグリセリドを指し、
「ポリリン酸塩」は、カチオンにかかわらず、メタリン酸又はポリリン酸の塩を指し、
「UL」は、保険業者研究所及びそれにより開発され公開されている試験方法を指す。
【0009】
提供される組成物及び方法は、環境に優しく、毒性の低い難燃剤を含有するエポキシ樹脂系を提供する。難燃剤は、米国食品医薬品局により維持されている「一般的に安全と認められるもの(GRAS)」リストに掲載されているか、化学的に密接に関連するものである。例えば、後に地中に埋められる電気ケーブル用の封止剤として、提供されるエポキシ樹脂系を用いるとき、封止剤からブルームする提供される難燃剤はいずれも、環境に優しく、環境に対する毒性が低い傾向がある。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の説明において、本明細書の説明の一部を構成し、幾つかの特定の実施形態が例として示される添付の一連の図面を参照する。本発明の範囲又は趣旨を逸脱せずに、その他の実施形態が考えられ、実施され得ることを理解すべきである。したがって、以下の「発明を実施するための形態」は、限定する意味で理解すべきではない。
【0011】
他に指示がない限り、本明細書及び特許請求の範囲で使用される特徴の大きさ、量、物理特性を表わす数字はすべて、どの場合においても用語「約」によって修飾されるものとして理解されるべきである。それ故に、そうでないことが示されない限り、前述の明細書及び添付の特許請求の範囲で示される数値パラメータは、当業者が本明細書で開示される教示内容を用いて、目標対象とする所望の特性に応じて、変化し得る近似値である。端点による数値範囲の使用には、その範囲内に含まれるすべての数(例えば1〜5には、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、及び5が包含される)及びその範囲内のあらゆる範囲が包含される。
【0012】
提供されるコーティング組成物は、エポキシ樹脂を含む。エポキシ樹脂は、所望により有効な量の樹脂用硬化剤を含む、エポキシ樹脂系の一部であってもよい。エポキシ樹脂系は、一成分及び/又は二成分系を含んでもよい。望ましくは、電子用途では、エポキシ樹脂は電子グレードである。
【0013】
代表的なエポキシ樹脂系としては、Saint Paul,MNの3M Companyから3M SCOTCHCAST 4電気絶縁樹脂として入手可能な二成分エポキシ樹脂が挙げられる。有用なエポキシ樹脂の例としては、2,2−ビス[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]プロパン(ビスフェノールAのジグリシジルエーテル)、並びにHexion Specialty Chemicals Co.,Houston,TXからEPON 828、EPON 1004、及びEPON 1001Fとして入手可能な材料、SPI−Chem,West Chester,PAから入手可能なDER−331、DER−332、及びDER−334が挙げられる。他の好適なエポキシ樹脂としては、フェノールホルムアルデヒドノボラックのグリシジルエーテル(例えば、SPI−Chem.から入手可能なDEN−43及びDEN−428)が挙げられる。
【0014】
所望により、エポキシ樹脂系は、典型的には、熱硬化性樹脂の化学的架橋に有効な量(即ち、硬化剤の有効量)の1つ以上の固化剤、反応開始剤、及び/又は触媒(本明細書では「硬化剤」と総称する)を含有してもよい。硬化剤の選択及び使用量は、典型的には、選択される熱硬化性樹脂の種類に依存し、当業者に周知である。代表的なエポキシ樹脂用の硬化剤としては、アミン(イミダゾールを含む)、メルカプタン、及びルイス酸が挙げられる。
【0015】
提供されるコーティング組成物はまた、リン酸塩含有難燃剤を含む。難燃剤は、式:
【化2】

(式中、Aは、O、グリセロールの共役塩基、又は糖若しくは糖誘導体の共役塩基であってよく、n=0〜5であり、Qは、一価カチオン又は二価カチオンであり、Qが一価カチオンであるとき、m=n+2であり、Qが二価カチオンであるとき、n=0かつm=1である)を有する。Aが、Oであるとき、難燃剤は、メタリン酸塩又はポリリン酸塩である。Aが、Oであるリン酸塩含有難燃剤の例としては、メタリン酸カリウム又はナトリウム、トリリン酸カリウム又はナトリウム、及びヘキサメタリン酸カリウム又はナトリウムが挙げられる。典型的には、AがOであるとき、Qは、ナトリウム又はカリウムから選択される。
【0016】
幾つかの実施形態では、Aは、グリセロールの共役塩基であってよい。これらの実施形態の代表的な難燃剤としては、例えば、グリセロリン酸カルシウム、グリセロリン酸マグネシウム、及びグリセロリン酸マンガンが挙げられる。また、Aは、糖又は置換糖の共役塩基であってもよい。典型的には、糖は、例えば、五炭糖及び六炭糖等の単糖である。難燃剤として有用である代表的な単糖としては、アルドース及びケトースが挙げられる。アルドースとしては、リボース、アラビノース、キシロース等のアルドペントース、並びにアロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、及びタロース等のアルドヘキソースが挙げられる。アルドースに由来する代表的な難燃剤としては、D−グルコース−1−リン酸二ナトリウム塩及びD−グルコース−1−リン酸二カリウム塩が挙げられる。これらの塩、及び式(I)により想到される塩の全ては、水和物として存在してもよい。ケトースとしては、リブロース及びキシルロース等のケトペントース、並びにプシコース、フルクトース、ソルボース、及びタガトース等のケトヘキソースが挙げられる。二糖類、オリゴ糖類、及び多糖類の共役塩基も、Aについて想到される。例えば、幾つかの実施形態では、Aは、ラクトース、マルトース、スクロース、又はセルビオース等の二糖類の共役塩基であってもよい。他の実施形態では、Aは、アミラーゼ、アミロペクチン、グルコーゲン、又はセルロース等の多糖類の共役塩基であってもよい。糖類の誘導体の共役塩基も、提供される組成物中の難燃剤として想到される。かかる誘導体としては、糖アルコール、糖酸、アミノ糖、及びN−アセチルノイラミン酸塩(N-acetylneuaminate)が挙げられる。代表的な糖アルコールとしては、グリコール、グリセロール、エリスリトール、トレイトール、アラビトール、キシリトール、レビトール(rebitol)、マンニトール、ソルビトール、ズルシトール、イジトール、イソマルト、マルチトール(amltitol)、及びラクチトールが挙げられる。代表的な糖酸としては、アルドン酸、ウロソン酸(ulosonic acid)、ウロン酸、及びアルダル酸が挙げられる。典型的なアルドン酸は、アスコルビン酸である。典型的なウロソン酸としては、ノイラミン酸、ケトデオキシオクツロソン酸、グルコン酸、及びグルクロン酸(glucoronic acid)が挙げられる。アミノ糖としては、例えば、グルコサミンが挙げられる。シアル酸等のN−アセチルノイラミン酸も、有用な糖誘導体の範囲内である。
【0017】
式(I)により示されるように、提供される難燃剤は、少なくとも1つのポリリン酸部分を有する。ポリリン酸塩は、1つのリン酸塩(n=0)から最高6つのリン酸塩(n=5)を有してもよい。幾つかの実施形態では、難燃剤は、2つ又は更にはそれ以上のポリリン酸部分を有してもよい。有用な二リン酸塩の例は、フルクトース−1,6−二リン酸塩である。
【0018】
提供される組成物のリン酸塩含有難燃剤は、糖のリン酸の1族金属塩、グリセロリン酸の2族塩、及びポリリン酸の1族金属塩から選択することができる。典型的には、1族金属塩は、ナトリウム及びカリウムから選択され、2族塩は、カルシウム及びマグネシウムから選択される。また、他の二価カチオンが存在してもよく、例えば、遷移金属の二価イオンから選択することができる。典型的に、遷移金属二価イオンは、マンガンである。
【0019】
リン含有難燃剤は、本開示に係る硬化性及び/又は硬化組成物中に任意の量用いてもよい。例えば、リン含有難燃剤は、硬化性及び/又は硬化組成物の総重量に基づいて、1〜20重量%、典型的には5〜20重量%、より典型的には10〜15重量%の範囲の量で存在してもよい。
【0020】
硬化性組成物は、単純に混合することにより形成することができるが、一般的に、均一な分散液を形成することができる技術を用いることが望ましい。1つの技術では、難燃剤及び/又はリン含有難燃剤は、例えば、Landrum,South CarolinaのFlackTek,Inc.からSPEEDMIXER DAC 150FVZとして入手可能な高速ミキサ等の高剪断ミキサを用いて熱硬化性樹脂に混合される。
【0021】
硬化性組成物は、例えば、硬化性組成物をもたらす混合(二成分熱硬化性樹脂の場合)、加熱、化学線若しくは熱放射への曝露、又はこれらの任意の組み合わせを含む、当該技術分野において周知の従来の方法により硬化させることができる。上述の通り、硬化性組成物は、当業者に周知の熱又は紫外線/可視光線重合開始剤のいずれかである重合開始剤(硬化剤)を含有してもよい。
【0022】
典型的には、提供される硬化性組成物は、二成分エポキシ樹脂系であってもよい。二成分エポキシ樹脂系の各成分は、例えば、二区画ポリエチレンバッグの別々の区画に、別々に包装してもよい。エポキシ系の1つの反応性成分、例えば、オキシラン含有化合物は、二区画ポリエチレンバッグの1つの区画に分離してもよい。他の反応性成分、例えば、ジオールは、二区画ポリエチレンバッグの他の区画に分離してもよい。酸触媒等の硬化剤は、バッグのジオール収容部に含んでもよい。リン含有難燃剤は、バッグ内に共存する他の成分と反応しない限り、二区画ポリエチレンバッグのいずれかの区画又は両方に存在してもよい。提供される硬化性組成物が用いられるとき、二区画ポリエチレンバッグを裂き、2つの成分を混合し、数分間〜数時間にわたって組成物を硬化させる。
【0023】
難燃剤の有効性を試験するための多数の方法が存在する。典型的に用いられる1つの標準は、2008年1月1日に承認されたASTM E 1354−08「Standard Test Method for Heat and Visible Smoke release Rates for Materials and Products Using an Oxygen Consumption Calorimeter」である。この試験法は、有炎燃焼の持続時間、熱放出速度(HRR)、ピーク、及び合計熱放出の測定値を提供する。異なる加熱流(heating flux)における熱放出データも、この方法により得ることができる。サンプルは、水平に配向され、火花点火源が用いられる。コーン熱量測定法は、長い間、物質の燃焼性を定量するために有用なツールである。UL−94 V−ratedプラスチックのコーン熱量測定は、例えば、A.Morgan及びM.Bundy,Fire Mater,31,257〜283(2007)に記載されている。難燃性の別の重要な測定値は、以下のように算出されるFIGRA、即ち火炎成長速度により提供される:
(FIGRA)=ピークHRR/ピークHRRに達するまでの時間(kW/m・秒)
【0024】
実施例のデータは、これらの測定値を用いて表される。
【0025】
提供される組成物の1つの有用な実施形態は、地下電気スプライスを作製するための二成分エポキシ絶縁及び封入樹脂として使用するためのものである。難燃剤は、例えば、電気的短絡によりスプライスが突然熱くなる場合、火炎の形成を防ぐために、かかる製剤において望ましい。提供されるリン酸塩含有難燃剤の使用は、実施例に示すように熱放出速度及び火炎成長速度に対する耐性を提供する。更に、提供される難燃剤の大部分は、GRASリストに掲載されているか、GRASリストに掲載されている物質と構造的に類似しているので、これら物質は、経時的に硬化性組成物から漏出した場合、環境に対する毒性が著しく低いと考えられる。
【0026】
本発明の目的及び利点は、以下の実施例によって更に例示されるが、これらの実施例において列挙された特定の材料及びその量は、他の諸条件及び詳細と同様に、本発明を過度に制限するものと解釈されるべきではない。
【実施例】
【0027】
メタリン酸ナトリウム、トリリン酸カリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、及びグリセロリン酸カルシウムは、VWR International,West Chester,PAから入手した。トリリン酸ナトリウム、D−グルコース−1−リン酸二ナトリウム塩水和物、及びD−グルコース−1−リン酸二カリウム塩水和物は、Sigma Aldrich,Milwaukee,WIから入手した。グリセロリン酸マグネシウム及びグリセロリン酸マンガンは、Spectrum Chemicals,Gardena,CAから入手した。Scotchcast 4は、3M,Saint Paul,MNから入手可能なエポキシ樹脂系である。
【0028】
実施例1〜10の難燃剤充填剤を、先ず、3000rpmで1分間Flack Tek Inc.,Landrum,S.C.から入手可能なSPEEDMIXER DAC 150FVZを用いてScotchcast 4樹脂のB部に混合し、次いで、3000rpmで1分間SPEEDMIXER DAC 150FVZを用いてScotchcast 4樹脂のA部も混合した。混合した樹脂中の難燃剤の総重量%は、15%であった。A部/B部の重量比は、1.34であった。混合したScotchcast 4樹脂を、5.0cm×5.0cm×0.5cmの成形型に注ぎ、次いで50℃で1時間硬化させた。比較例として、任意の難燃剤を添加することなく、Scotchcast 4樹脂を混合した。
【0029】
上記のように差がサンプルの大きさだけである比較例1及び実施例1〜10の硬化樹脂を、ASTM E1354−08を用いて評価に供した。試験結果(熱放出速度(ピーク及び平均))及びFIGRA、即ち火炎成長速度を表1に示す。
【0030】
全ての実施例で、難燃剤の濃度は15重量パーセント(wt%)であった。
【0031】
【表1−1】

【表1−2】

CE−比較例−難燃剤を添加していないSC−4
【0032】
表1のデータは、提供される難燃剤が、ピーク加熱放出速度、平均熱放出速度、火炎成長速度(FIGRA)、及び合計熱放出に関して、SCOTCHCAST 4エポキシ樹脂系の燃焼性を著しく低下させ得ることを示した。
【0033】
本発明の範囲及び趣旨から逸脱しない本発明の様々な変更や改変は、当業者には明らかとなるであろう。本発明は、本明細書で述べる例示的な実施形態及び実施例によって不当に限定されるものではないこと、また、こうした実施例及び実施形態は、本明細書において以下に記述する「特許請求の範囲」によってのみ限定されると意図する本発明の範囲に関する例示のためにのみ提示されることを理解すべきである。本文書に引用した全ての参考文献は、その全文を参照することにより本明細書に組み込むものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コーティング組成物であって、
エポキシ樹脂と、
リン酸塩含有難燃剤と、を含み、前記難燃剤が、式:
【化1】

(式中、Aは、O、グリセロールの共役塩基(1,2,3−トリヒドロキシプロパン)、又は糖若しくは糖誘導体の共役塩基であってよく、n=0〜5であり、Qは、一価カチオン又は二価カチオンであり、Qが一価カチオンであるとき、m=n+2であり、Qが二価カチオンであるとき、n=0かつm=1である)を有する、組成物。
【請求項2】
Aが糖の共役塩基を含み、前記糖がグルコースから誘導される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
Aが1,2,3−トリヒドロキシプロパンの共役塩基を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
Qがマンガンを含む、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
エポキシ樹脂と、
リン酸塩含有難燃剤と、を含み、
前記リン酸塩含有難燃剤が、糖のリン酸の1族金属塩、グリセロリン酸の2族塩、及びポリリン酸の1族金属塩から選択される、コーティング組成物。
【請求項6】
前記エポキシ樹脂が熱硬化性エポキシ樹脂系を含む、請求項5に記載のコーティング組成物。
【請求項7】
前記エポキシ樹脂が二成分エポキシ樹脂系を含む、請求項5に記載のコーティング組成物。
【請求項8】
前記難燃剤が単糖を含む、請求項5に記載のコーティング組成物。
【請求項9】
前記単糖が1つのリン酸塩部分を含む、請求項8に記載のコーティング組成物。
【請求項10】
前記リン酸塩部分が一リン酸塩である、請求項9に記載のコーティング組成物。
【請求項11】
前記難燃剤がD−グルコース−1−リン酸二ナトリウム塩を含む、請求項5に記載のコーティング組成物。
【請求項12】
前記難燃剤が1,2,3−トリヒドロキシプロパンのリン酸塩を含む、請求項5に記載のコーティング組成物。
【請求項13】
前記リン酸塩が、グリセロリン酸カルシウム、グリセロリン酸マグネシウム、又はこれらの組み合わせを含む、請求項12に記載のコーティング組成物。
【請求項14】
前記難燃剤が、ポリリン酸ナトリウム、ポリリン酸カリウム、又はこれらの組み合わせを含む、請求項5に記載のコーティング組成物。
【請求項15】
請求項1に記載のコーティング組成物を含む物品。
【請求項16】
請求項5に記載のコーティング組成物を含む物品。
【請求項17】
請求項1に記載の組成物を含む地下電気スプライス。
【請求項18】
コーティング組成物の製造方法であって、
エポキシ樹脂を提供することと、
リン酸塩含有難燃剤に混合することと、を含み、
前記リン酸塩含有難燃剤が、糖のリン酸の1族金属塩、グリセロリン酸の2族塩、リン酸の1族金属塩、及びポリリン酸の1族金属塩から選択される、方法。
【請求項19】
前記エポキシ樹脂が二成分エポキシ樹脂系を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
二区画ポリエチレンバッグを更に含み、前記エポキシ樹脂系の1つの成分が前記バッグの1つの区画に存在し、前記エポキシ樹脂系の他の成分が前記バッグの他の区画に存在し、前記難燃剤が前記バッグの1つの区画又は前記バッグの両方の区画に存在する、請求項19に記載の方法。

【公表番号】特表2012−511083(P2012−511083A)
【公表日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−539590(P2011−539590)
【出願日】平成21年11月24日(2009.11.24)
【国際出願番号】PCT/US2009/065624
【国際公開番号】WO2010/077493
【国際公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】