説明

エラストマー変性エポキシシロキサン組成物

【課題】可撓性、耐候性、および耐薬品性の改善された特性を有するエラストマー変性エポキシシロキサンポリマー組成物を提供すること。
【解決手段】エラストマー変性エポキシシロキサン組成物は、水の存在下で、(1)好ましくはアルコキシまたはシラノール官能性ポリシロキサンの形態にあるシリコーン中間体を、(2)好ましくは分子当り1個を超える1,2−エポキシド基、および100〜約5,000の範囲のエポキシド当量を有するエポキシ樹脂、(3)ヒドロキシル、イソシアネート、カルボキシル、エポキシ、メルカプタン、およびアミンからなる群から選択される官能基を有し、且つ、ブテン、ポリブテン、ブタジエン、ポリブタジエン、ニトリル、アクリロニトリル、ポリスルフィド、およびそれらの組合せからなる樹脂の群から選択されるエラストマー樹脂中間体、および(4)多官能性アミン硬化剤と、組合せすることによって調製される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保護コーティング等に有用なエポキシ樹脂系組成物、更に詳細には、可撓性、耐候性、および耐薬品性の改善された特性を有するエラストマー変性エポキシシロキサンポリマー組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
塗料としての用途に有用なエポキシシロキサン組成物は周知であり、保全、海事、建設、建築、航空機および製品仕上げ市場において、鋼、アルミニウム、亜鉛メッキ、木材およびコンクリート用の保護および装飾コーティングとしての商業的な支持を得てきた。エポキシ系組成物は、長い間、それらの基板への良好な接着性、耐食性および耐薬品性、および耐候性の望ましい特性で知られてきたが、一方で、それらは耐候性および関連する光沢保留性の理想的な性質からは劣ることに悩んできた。エポキシシロキサン組成物は、耐食性および耐薬品性の望ましい特性を犠牲にすることなく、改善された耐候性および光沢保留性を提供するために開発された。
【0003】
特許文献1には、相互に絡み合うエポキシポリマーおよびポリシロキサンポリマーの相互侵入高分子網目(IPN)を含む公知のエポキシシロキサン組成物が開示されている。組成物は、実質的にバランスのとれた反応速度でエポキシ樹脂およびシラン基の混合物を同時に重合させて、得られるコーティングを通しての重合エポキシおよびポリシロキサンの二つの絡まった網目を形成することにより調製される。アミン硬化剤は、重合化エポキシ網目を形成するために用いられ、水はシラン基の加水分解性重縮合を引き起こしてポリシロキサンを形成するために混合物を通して分配される。このエポキシシロキサン塗料組成物は、従来型の非シロキサン含有エポキシ樹脂組成物に比べて耐候性、耐食性および耐薬品性の改善された特性を示したが、一方で、一部の用途に対していくぶん脆く、望ましい段階の耐衝撃性、可撓性および耐磨耗性を欠くことは知られている。
【0004】
特許文献2には、塗料としての用途用の公知エポキシ・ポリシロキサン組成物が開示されている。組成物は、非芳香族エポキシ樹脂を2官能性アミノシラン硬化剤、有機スズ触媒、および任意のピグメントを組み合わせることにより調製される。そのように形成されるエポキシ・ポリシロキサン組成物は、従来型の非シロキサン含有エポキシ樹脂組成物に比べて耐候性、耐薬品性および耐食性、および耐衝撃性の改善された特性を提供した。このエポキシシロキサン塗料組成物は、上述のエポキシシロキサン組成物のように、こうした改善された性能特性を提供したが、一方で、一部の用途に対していくぶん脆く、望ましい段階の耐衝撃性、可撓性および耐磨耗性を欠くことも、また、知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第4,250,074号明細書
【特許文献2】米国特許第5,618,860号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、すでにエポキシシロキサン組成物と結び付いている耐候性、耐食性および耐薬品性の望ましい特性を提供し、一方で、また、耐衝撃性、可撓性および耐磨耗性の改善された特性を提供することの両方とも可能であるエポキシシロキサン組成物が開発されることは、望ましい。本発明のエポキシシロキサン組成物がコーティングの形態で塗布される場合、ひび割れおよび層間剥離に対する改善された耐性を提供することは望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
エラストマー変性エポキシシロキサン組成物(elastomer−modified epoxy siloxane composition)は、本発明の原理により、水の存在下で、(1)好ましくはアルコキシまたはシラノール官能性ポリシロキサンの形態にあるシリコーン中間体を、(2)好ましくは分子当り1個を超える1,2−エポキシド基、および100〜約5,000の範囲のエポキシド当量を有するエポキシ樹脂、(3)ヒドロキシル、イソシアネート、カルボキシル、エポキシ、メルカプタン、およびアミンからなる群から選択される官能基を有し、且つ、ブテン、ポリブテン、ブタジエン、ポリブタジエン、ニトリル、アクリロニトリル、ポリスルフィド、およびそれらの組合せからなる樹脂の群から選択されるエラストマー樹脂中間体、および(4)多官能性アミン硬化剤と、組合せすることによって調製される。任意の有機金属触媒は、周囲温度条件での硬化を容易にするために用いることができる。
【0008】
エラストマー変性エポキシシロキサン組成物は、約1〜40重量%の範囲のシリコーン中間体、1〜15重量%の多官能性アミン、5〜60重量%のエポキシ樹脂、および1〜25重量%のエラストマー樹脂中間体を含むことが可能である。
【0009】
これらの上記成分は、水の存在下で組合される場合、加水分解および重縮合反応を行って、ポリシロキサンポリマーおよび/またはエポキシポリマーと共重合して充分に硬化したエラストマー変性エポキシシロキサンポリマー組成物を形成するエラストマー樹脂中間体の選択に応じて決まる、エラストマー変性エポキシポリマーまたはエラストマー変性ポリシロキサンポリマーを形成する。結局、本発明のエラストマー変性エポキシシロキサン組成物の化学的および物理的特性は、エポキシ樹脂、シリコーン中間体、多官能性アミン硬化剤、およびピグメントの思慮深い選択により左右される。本発明のエラストマー変性エポキシシロキサン組成物は、従来型のエポキシ・ポリシロキサン組成物に比べて、組み込まれるエラストマーがそれから形成される最終的に硬化したコーティングに対して改善された段階の可撓性、耐衝撃性、割れ耐性、および耐磨耗性を提供するために役立つことにおいて独特である。これらの改善された特性は、耐候性、耐薬品性および耐食性の望ましい特性を失うことなく提供される。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明のエラストマー変性エポキシシロキサン組成物は、一つの実施例により、エポキシ含有成分をポリアミンまたはアミノシラン成分と反応させて硬化エポキシシランポリマーを形成させ、且つアミノシラン成分をシリコーン中間体と反応させてポリシロキサンポリマーを形成することにより調製される。本発明のエポキシシロキサン組成物は、エラストマー樹脂官能基の型に応じて決まるエラストマー樹脂のエポキシ含有成分、シリコーン中間体、またはアミノシランまたはポリアミンとの付加反応のせいで「エラストマー変性」されると言われる。本発明のエラストマー変性エポキシシロキサン組成物は、従来型の非エラストマー変性エポキシシロキサン組成物に比べて、耐衝撃性、可撓性、および耐磨耗性の改善された特性を提供する。
【0011】
エラストマー変性エポキシシロキサン組成物は、本発明の原理により、水の存在下、
(a)少なくとも二つの1,2−エポキシド基を有する芳香族または非芳香族エポキシ
樹脂を、
(b)アルコキシまたはシラノール官能性シリコーン中間体、
(c)多官能性アミン、
(d)反応性エラストマー樹脂中間体、および
(e)任意の有機金属触媒、
と組合せることにより、調製される。
【0012】
本発明のエラストマー変性エポキシシロキサン組成物は、また、使用者により求められる望ましい特性を達成するために、任意のピグメントおよび/または溶媒、レオロジー変性剤、可塑剤、チキソトロープ剤、消泡剤および溶媒等の他の成分を含有することが可能である。
【0013】
エポキシ樹脂成分に関して、有用なエポキシ樹脂は、分子当り1個を超える1,2−エポキシ基を含み、飽和または不飽和、脂肪族、脂環式、または複素環式であることが可能である。エポキシド樹脂は、一般に、グリシジル・エステルまたはグリシジル・エーテル基を含み、100〜5,000のエポキシド当りの重量(すなわち、エポキシド当量)を有し、且つ、約2の反応性(reactivity)を有する。エポキシ樹脂は、好ましくは、固形よりもむしろ液体で提供される。
【0014】
本発明の組成物を形成するために有用なエポキシ樹脂の例には、エピハロヒドリン、例えば、エピクロルヒドリンおよび多価フェノールから誘導される多価フェノールのグリシジル・ポリエーテルが挙げられる。こうした多価フェノールの例には、レゾルシノール、ヒドロキノン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2,2−プロパン、または一般に4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノンと呼ばれるビスフェノールA、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−エタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−イソブタン、ビス(4−ヒドロキシ−フェニル)−2,2−ブタン、ビス(2−ジヒドロキシナフチル)メタン、フロログルシノール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホンが挙げられる。追加の多価フェノールには、2個を超えるフェノールまたは置換フェノール、メチレン橋を通して結合される部分およびハロゲン化、例えば、臭素化および塩素化フェノール化合物を含むノボラック樹脂が挙げられる。
【0015】
追加の有用なエポキシ樹脂には、酸性触媒、例えば、3フッ化ホウ素を用いて多価アルコールをエピハロヒドリンと反応させ、次に、得られる生成物をアルカリ性の脱水ハロゲン化剤により処理することにより調製される、多価アルコールのグリシジル・ポリエーテルが挙げられる。これらのポリエポキシドの調製において用いることができる多価アルコールには、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ヘキサンジオール、ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、およびペンタエリスリトールが挙げられる。
【0016】
エポキシ樹脂およびそれらの調製は、本明細書において参考のために包含される、米国特許第2,467,171号、第2,615,007号、第2,615,008号、第2,801,227号、第2,538,072号および第3,033,803号に記載されている。
【0017】
なお他の例のエポキシ樹脂には、本明細書において参考のために包含される米国特許第3,859,314号および第3,576,827号に記載されている手順を用いて、エピハロヒドリンおよびポリカルボン酸から誘導されるポリカルボン酸のグリシジル・エステルが挙げられる。ポリカルボン酸の例には、フタル酸またはその無水物、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、アジピン酸、2量化脂肪酸、および不飽和脂肪酸およびアクリル酸から製造される2塩基酸等が挙げられる。
【0018】
耐候性塗料組成物を形成するために有用なエポキシ樹脂には、ケンタッキー州、ルイビルにあるロ−ヌプーランク(Rhone−Poulenc)からのエピレッツ(Epirez)505;テキサス州、ヒューストンのレゾルーション・パフォーマンス・プロダクツ(Resolution Performance Products)からのエポン(Epon)DPL−862、エポネックス(Eponex)1510およびエポネックス1513(水素化ビスフェノールA−エピクロルヒドリン・エポキシ樹脂);マサチューセッツ州、スプリングフィールドにあるモンサント(Monsanto)からのサントリンク(Santolink)LSE−120;ペンシルバニア州、アレンタウンにあるエア・プロダクツ・アンド・ケミカルズ(Air Products and Chemicals)からのエポジル(Epodil)757(シクロヘキサン・ジメタノール・ジグリシジル・エーテル);ニューヨーク州、ホーソンにあるバンチコ(Vantico)からのアラルダイト(Araldite)XUGY358およびPY327;ノースカロライナ州、ダラムにあるライヒホールド(Reichhold)からのアロフリント(Aloflint)393および607;およびニューヨーク州、タリタウンにあるユニオン・カーバイド(Union Carbide)からのERL4221が挙げられる。
【0019】
耐薬品性塗料を形成するために有用なエポキシ樹脂には、レゾルーションのエポン828(ビスフェノールA−エピクロルヒドリン・エポキシ樹脂)とネオペンチルグリコール・ジグリシジルエーテル、レゾルシノール・ジグリシジルエーテルおよびシクロヘキサンジメタノール・ジグリシジルエーテル等の2官能性エポキシド反応性希釈剤との混合物、ビスフェノールFエポキシ樹脂、すなわち、レゾルーションのエポンDPL−862(ビスフェノールF−エピクロルヒドリン・エポキシ樹脂)およびニュージャージー州、チェリーヒルにあるCVCからのエパロイ(Epalloy)8250(エポキシ・ノバラック樹脂)、バンチコからのアラルダイトEPN1139、およびダウ・ケミカル(Dow Chemical)からのDEN432およびDEN438等のエポキシ・フェノール・ノバラック樹脂が挙げられる。
【0020】
好ましいエポキシ樹脂には、エピクロルヒドリン−ビスフェノールA・エポキシ樹脂、エピクロルヒドリン・ビスフェノールF・エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールA・エピクロルヒドリン・エポキシ樹脂、メタクリル酸グリシジル樹脂、グリシジル・エステル、フェノール・ノボラック・エポキシ樹脂および分子中に少なくとも二つのエポキシ基を有するレゾルシノール変性エポキシ樹脂が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、それらがアミノ官能性化合物または後により詳しく記載される化合物との反応により3次元架橋網目の形成を可能とするので好ましい。
【0021】
耐薬品性組成物を提供するために有用な好ましいエポキシ樹脂には、標準のエピクロルヒドリン−ビスフェノールA・エポキシ樹脂とフェノール・ノボラック・エポキシ樹脂の組合せであるものが挙げられる。良好な耐候性、光沢保留性、および色保留性を提供するために有用な好ましいエポキシ樹脂には、水素化ビスフェノールA・エピクロルヒドリン樹脂およびメタクリル酸グリシジル系アクリル樹脂が挙げられる。
【0022】
組成物全体重量に対して5〜60重量%の範囲のエポキシ樹脂成分が、本発明のエラストマー変性エポキシシロキサン組成物を調製するために用いられる。この量が、単一のエポキシ樹脂成分または2以上の異なるエポキシ樹脂成分の組合せを含むことができる、組成物を調製するために用いられるエポキシ樹脂成分の全体量を反映していることは理解されるべきである。
【0023】
約5重量%未満のエポキシ樹脂を用いることは、多くの塗料用途のための望ましくない段階の耐薬品性および/または耐候性を有する最終組成物を生成する。約60重量%を超えるエポキシ樹脂を用いることは、エラストマー成分の限定量のせいで、望ましくない段階の可撓性、耐衝撃性、および耐磨耗性を有する最終組成物を生成する。エポキシ樹脂成分のための好ましい重量%範囲は、10〜30の間である。特に好ましいエラストマー変性エポキシシロキサン組成物は、組成物全体重量に対して約20重量%のエポキシ成分を用いることにより調製される。
【0024】
樹脂成分を作製するために用いられるシリコーン中間体に関して、好ましいシリコーン中間体には、以下の式を有するものが挙げられるがそれらに限定されない:
【0025】
【化1】

【0026】
式中、各Rはヒドロキシ基、酸素、および6個以下の炭素原子を有するアルキル、アリール、およびアルコキシ基からなる群から選択される。各Rは水素および6個以下の炭素原子を有するアルキルおよびアリール基からなる群から選択される。その反応が加水分解のアルコール類似生成物の揮発度により促進される、シリコーン中間体の急速な加水分解を容易にするために、6個未満の炭素原子を有する基をRおよびRが含むことは好ましい。6個を超える炭素原子を有するRおよびR基は、各アルコール類似物の比較的低い揮発度のせいでシリコーン中間体の加水分解を損傷する傾向にある。
【0027】
「n」、すなわち、分子主鎖中の反復Si−O基の数が、シリコーン中間体成分が約400〜約10,000の範囲内の重量平均分子量を有するように選択されることは好ましい。約400未満の重量平均分子量を有するシリコーン中間体成分は、実際の塗料用途にはあまりにも脆すぎる組成物を生成することができる。約10,000を超える重量平均分子量を有するシリコーン中間体成分は、現在の揮発性有機化合物含量(VOC)の要求事項を超える溶媒を添加することなしでは塗布用にはあまりにも粘性が強すぎる組成物にしてしまう、望ましい範囲の20℃で約1,000〜15,000センチポアズ(cP)を外れる粘度を有する組成物を生成することができる。
【0028】
好ましいシリコーン中間体成分は、アルコキシまたはシラノール官能性である。特に好ましいアルコキシ官能性シリコーン中間体はメトキシ官能性ポリシロキサンであり、ダウ・コーニング(Dow Corning)からのDC−3074およびDC−3037、ミシガン州アドリアンにあるワッカー(Wacker)からのGE・SR191、SY−550、およびSY−231が挙げられるがそれらに限定されない。好ましいシラノール官能性シリコーン中間体には、ダウ・コーニングのDC840、Z6018、Q1−2530および6−2230が挙げられるがそれらに限定されない。
【0029】
組成物全体重量に対して1〜40重量%の範囲のシリコーン中間体成分が、本発明のエラストマー変性エポキシシロキサン組成物を調製するために用いられる。この量が、単一のシリコーン中間体成分または2以上の各種シリコーン中間体成分の組合せを含むことができる組成物を調製ために用いられるシリコーン中間体成分の全体量を反映していることは、理解されるべきである。約1重量%未満のシリコーン中間体を用いることは、多くの塗料用途のための望ましくない段階の耐薬品性および/または耐候性を有する最終組成物を生成する。約40重量%を超えるシリコーン中間体を用いることは、硬化フィルムにおいて、望ましくない段階の脆さ、すなわち低耐衝撃性を有する最終組成物を生成する。
【0030】
シリコーン中間体成分に対する好ましい重量%範囲は、2〜20の間である。特に好ましいエラストマー変性エポキシシロキサン組成物は、組成物全体重量に対して約5重量%のシリコーン中間体成分を用いることにより調製される。
【0031】
多官能性アミン成分に関して、本発明のエラストマー変性エポキシシロキサン組成物を形成するための有用な多官能性アミン成分には、アミノ官能性シリコーン化合物およびアミン官能性化合物が挙げられ、一般部類の脂肪族アミンおよびポリアミン、脂肪族アミン付加物、ポリアミドアミン、脂環式アミンおよびポリアミン、および脂環式アミン付加物、芳香族アミン、マンニッヒ塩基、ケチミン、およびノベオン(Noveon)から市販されているATBN等のアミン官能性ブタジエン・アクリロニトリルから選択することができる。
【0032】
好ましいアミン成分は、少なくとも2官能性の、すなわち、少なくとも二つの活性水素を有するアミノシランであり、これは以下の式を有することが可能である:
Y−Si−(O−X)
式中、YはH(HNR)であり、式中「a」は1〜6の整数であり、各Rはアリール、アルキル、ジアルキルアリール、アルコキシアルキル、およびシクロアルキル基からなる群から独立に選択される2官能性有機ラジカルであり、且つ式中Rは各Y分子内で変わることができる。各Xは同じであるかまたは異なることができるが、約6個未満の炭素原子を含有するアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキルおよびヒドロキシアルコキシアルキル基に限定される。エポキシ当量当り少なくとも0.7当量のアミンまたは0.2モルのアミノシランは、アミン成分中に存在することが可能である。アミノシランは、全体または部分を有機アミン硬化剤と置き換えることができる。
【0033】
好ましいアミノシランには、アミノエチル・アミノプロピル・トリエトキシシラン、n−フェニルアミノプロピル・トリメトキシシラン、トリメトキシシリルプロピル・ジエチレン・トリアミン、3−(3−アミノフェノキシ)プロピル・トリメトキシ・シラン、アミノ・エチル・アミノ・メチル・フェニル・トリメトキシ・シラン、2アミノ・エチル・3アミノプロピル、トリス2エチル・ヘキソキシシラン、n−アミノヘキシル・アミノプロピル・トリメトキシシラン、トリスアミノプロピル・トリスメトキシ・エトキシ・シラン、ガンマ−アミノプロピルトリメトキシシラン、ガンマ−アミノプロピルトリエトキシシラン、ガンマ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−ベータ−(アミノエチル)−ガンマ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベータ−(アミノエチル)−ガンマ−アミノプロピルトリエトキシシラン、およびN−ベータ−(アミノエチル)−ガンマ−アミノプロピルメチルジメトキシシランが挙げられるがそれらに限定されない。これらのアミノ−官能性化合物は、単独で、または1以上の他のアミノ官能性化合物と組合せて用いることができる。
【0034】
本発明において有用な一部のアミノシランの製造業者および商品名を表1に一覧する。
【0035】
【表1】

【0036】
好ましいアミン成分は、少なくとも2官能性のシランである。特に好ましい2官能性シランは、N−ベータ−(アミノエチル)−ガンマ−アミノプロピルトリメトキシシランである。二つの反応性を有する、すなわち、二つだけのアミン水素を有するアミノシランの組合せが、また二つの反応性を有する非芳香族エポキシと反応して、改善された耐候性を示す線状の非架橋エポキシポリマーを形成することが見出されてきたので、2官能性アミノシランは望ましい。アミノシラン成分の使用は、最終的に硬化したコーティングに対して、硫酸および酢酸等の酸への耐薬品特性を提供するために望ましい。
【0037】
こうした好ましいアミンおよびアミノシランは、基板コーティングとして塗布される場合、色および光沢両方の保留性の面で優れた耐候性を示すエラストマー変性エポキシシロキサン組成物を生成する。組成物の全体重量に対して1〜25重量%の範囲のアミン成分は、本発明のエラストマー変性エポキシシロキサン組成物を調製するために用いられる。この量が、単一のアミン成分または2以上の異なるアミン成分の組合せを含むことができる組成物を調製するために用いられるアミン成分の全体量を反映することは、理解されるべきである。
【0038】
約1重量%未満のアミン成分を用いることは、多くの塗料用途のために望ましくない段階の耐薬品性および/または耐候性を有する最終組成物を生成する。約25重量%を超えるアミン成分を用いることは、望ましくない段階のアミンブラッシュを有する最終組成物を生成する。ブラッシュの形成(時にはブルーミングまたは白班と呼ばれる)は、通常、それが光沢低減、黄変増大、再コーティング不良、およびコーティング間接着問題を引き起こすことができるので、コーティング性能への有害な影響を有する。25重量%を超えるアミン成分を用いることは、また、コーティング表面でのアミン、二酸化炭素および水の領域からのカルバミン酸塩形成および水腐れを助長することができる。アミン成分に対する好ましい重量%範囲は、2〜20の間にある。特に好ましいエラストマー変性エポキシシロキサン組成物は、組成物の全体重量に対して約7重量%のアミン成分を用いることにより調製される。
【0039】
本発明のエラストマー変性エポキシシロキサン組成物を調製することにおいて、アミン成分対エポキシ樹脂の比率は、アミンが多官能性アミンの一般部類、または上の一般式で表される多官能性アミノシラン、またはそれらのあらゆる組合せのどれから選ばれるかには無関係に、広い範囲にわたり変動することができる。一般に、エポキシ樹脂成分は、エポキシド1当量当り少なくとも約0.7〜約1.2のアミン当量、またはエポキシド当量当り少なくとも0.2モルのアミノシランを提供するのに充分なアミン成分により硬化する。添加アミン量がエポキシド当量当り0.7未満のアミン当量を提供する場合、その結果生成されるコーティング生成物は、ゆっくりした硬化時間を示し、劣った耐候性および耐薬品性を示すことができる。添加アミン量がエポキシド当量当り1.2を超えるアミン当量を提供する場合、得られるコーティング組成物は表面白化またはグリース化を現すことができる。
【0040】
反応性エラストマー樹脂中間体成分に関して、適する反応性エラストマー樹脂中間体には、ヒドロキシル、エポキシ、イソシアネート、カルボキシル、エポキシ、メルカプタン、またはアミン官能基を有するものが挙げられる。反応性エラストマー樹脂中間体の例には、ヒドロキシル官能性ポリブテン;例えば、商品名Poly−BDで市販されている、ペンシルバニア州、ニュータウン・スクエアのライオンデル(Lyondell)のARCOから入手可能なヒドロキシおよびイソシアネート官能性ポリブタジエン樹脂;例えば、商品名エポタフ(Epotuf)95−472で市販されている、ノースカロライナ州、ダラムのライヒホールド(Reichhold)から入手可能なウレタン変性エポキシ樹脂;例えば、商品名ユーレダー(Euredur)70で市販されている、テキサス州、ヒューストンのレゾルーション・パーフォーマンス・プロダクツ(Resolution Performance Products)から入手可能なウレタン変性アミン硬化剤;例えば、スイス、バーゼルのバンチコ(Vantico)から市販されているアラダー(Aradur)70;例えば、商品名ATBNおよびCTBNで市販されている、オハイオ州、ブレックスヴィルのノベオン・スペシャリティ・ケミカルズ(Noveon Speciality Chemicals)から入手可能なアミンおよびカルボキシ官能性ブタジエン−アクリロニトリル樹脂;例えば、商品名エポン(Epon)58005、58006、58042、および58901で市販されているレゾルーションから、商品名ケルポキシ(Kelpoxy)519−K2−70、ケルポキシG−272、およびケルポキシG293で市販されているライヒホールドから、および商品名エリシス(Erisys)EMR−95、エリシスEMRA−1340およびエリシスEMRF−1320で市販されている、ニュージャージー州、メープルシェードのCVCスペシャルティ・ケミカルズ(Specialty Chemicals)から入手可能なアミンおよびカルボキシ官能性ブタジエン−アクリロニトリル樹脂のエポキシ付加物;および例えば、商品名チオコール(Thiokol)LPで市販されている、ペンシルバニア州、フィラデルフィアのローム・アンド・ハース(Rohm & Haas)から入手可能なメルカプタンおよびエポキシ官能性ポリスルフィド樹脂が挙げられる。本発明の実施において有用と見出される他のエラストマー樹脂成分には、レゾルーション・パーフォーマンス・プロダクツからのアミン官能性樹脂エピ−キュア(Epi−Cure)DPC−3163、エピ−キュア3164およびエピ−キュア3260が挙げられる。
【0041】
好ましい反応性エラストマー樹脂中間体には、アミンおよびカルボキシ官能性ブタジエン−アクリロニトリル樹脂のエポキシ付加物(例えば、レゾルーションのエポン58005およびライヒホールドのケルポキシG272)が挙げられる。これらの特定反応性エラストマー樹脂中間体は、それらが充分なエラストマー含量およびコーティング組成物に対する可撓性および粘度の最適特性を提供するための付加樹脂の重量平均分子量を有するので好ましい。
【0042】
組成物の全体重量に対して1〜25重量%範囲内の反応性エラストマー樹脂中間体は、本発明のエラストマー変性エポキシシロキサン組成物を調製するために用いられる。この量が、単一の反応性エラストマー樹脂中間体成分または2以上の異なる反応性エラストマー樹脂中間体成分の組合せを含むことができる組成物を調製するために用いられる反応性エラストマー樹脂中間体成分の全体量を反映することは、理解されるべきである。
【0043】
約1重量%未満の反応性エラストマー樹脂中間体成分を用いることは、多くの塗料用途のために望ましくない段階の可撓性、耐衝撃性、および耐磨耗性を有する最終組成物を生成する。約25重量%を超える反応性エラストマー樹脂中間体成分を用いることは、極めて粘性の高い最終組成物を生成し、25%を超えるこうした塗料は塗布することを極めて難しくする。
【0044】
反応性エラストマー樹脂中間体成分に対する好ましい重量%範囲は、2〜20の間である。特に好ましいエラストマー変性エポキシシロキサン組成物は、組成物の全体重量に対して約4重量%の反応性エラストマー樹脂中間体成分を用いることにより調製される。
【0045】
本発明のエラストマー変性エポキシシロキサン組成物は、従来型の空気、空気なし、空気補助空気なしおよび静電コーティング装置、はけ、またはローラーによる塗布用に配合される。組成物は、鋼、亜鉛メッキ、アルミニウム、コンクリートおよび他の基板用の保護コーティングとして、25マイクロメートル〜約2ミリメートルの範囲のドライフィルム厚さで用いられるように意図し、約15〜200ミリメートルの範囲のドライフィルム厚さでコンベンション・フロア表面用の保護床張りとして塗布することができる。
【0046】
ピグメントおよび/またはフィラーは、必要ならば、着色されたまたは織り目をつけた塗料組成物を提供するために用いることができる。有用な着色ピグメントは、二酸化チタン、カーボンブラック、ランプブラック、酸化亜鉛、天然および合成の赤、黄、茶および黒の酸化鉄、トルイジンおよびベンジジン黄、フタロシアニン青および緑、およびカルバゾールのスミレを含むことが可能である有機および無機着色ピグメント、および粉末および結晶のシリカ、硫酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、マイカ、雲母を含んだ酸化鉄、炭酸カルシウム、亜鉛粉末、アルミニウムおよびケイ酸アルミニウム、石膏および長石等を含む体質ピグメントから選択することが可能である。有用なフィラーには、シリカ粉末、タルク(ケイ酸マグネシウム)、陶土(ケイ酸アルミニウム)等の粘土、珪灰石(ケイ酸カルシウム)、炭酸カルシウム、重晶石(硫酸バリウム)、メタホウ酸バリウム、アルミニウム三水和物、グラファイト、亜鉛、アルミニウム、および銅等の塗料業界に公知の従来型フィラーが挙げられる。
【0047】
組成物を形成するために用いられるピグメントの量は、特定の組成物用途、基板または下塗り上に隠す要件に応じて変わると理解され、透明なまたは無色の組成物が望まれる場合にはゼロであることができる。灰色コーティングが望まれる実施形態例において、二つの異なるピグメント、例えば、ランプブラックおよび二酸化チタンの組合せは、用いることができる。エラストマー変性エポキシシロキサン組成物の例は、組成物の全体重量に対して約70重量%以下のピグメントおよび/またはフィラーを含むことが可能である。70重量%を超えるピグメントおよび/またはフィラーを用いることは、塗布には粘性の強すぎる組成物を生成することができる。
【0048】
ピグメントおよび/またはフィラーは、組成物を形成するために用いられる樹脂成分の一部として、例えば、エポキシ樹脂、シリコーン中間体、および反応性エラストマー樹脂中間体と一緒に添加することができ、および/または別個の粉末成分として添加することができる。樹脂成分の一部として添加する場合、ピグメントおよび/またはフィラーは、コールズ(Cowles)ミキサーにより少なくとも3ヘグマン(Hegman)微粉度まで分散されるか、または、代りに同じ微粉度までボールミルまたはサンドミルにより粉末化される。ピグメントおよび/またはフィラーの微粉粒径の選択、および約3ヘグマン微粉までの分散または粉砕は、混合樹脂および硬化成分の従来型の空気、空気補助空気なし、空気なしおよび静電コーティング装置による塗布用の噴霧化を可能とし、塗布後の滑らかで均一な表面外観を提供する。
【0049】
水は本発明の重要な成分であり、シリコーン中間体の加水分解および続くシラノール基の凝縮の両方をもたらすに充分な量で存在することが好ましい。水の源は主として大気中の湿気およびピグメント材料上に吸着される水分である。追加の「自由」水は、乾燥環境下での塗料および床張り組成物の使用等、周囲条件に応じて硬化を加速するために添加することが可能である。好ましいエラストマー変性エポキシシロキサン組成物は、加水分解を容易にするために化学量論量までの水を含む。添加水なしで調製される組成物は、加水分解および凝縮反応に要求される水分量を含有する必要がない場合があり、従って、不充分な段階の紫外線耐性、耐食性、および耐薬品性を有する組成物産物を生成することが可能である。約1重量%を超える水を用いて調製される組成物は、加水分解し重合して、塗布前に望ましくないゲルを形成する傾向がある。
【0050】
必要な場合、水はエポキシド樹脂成分または多官能性アミン成分のいずれかに添加することが可能である。水の他の源には、エポキシド樹脂成分、多官能性アミン成分、シニング溶媒、または他の溶媒中に存在する微量分が含まれ得る。水は、また、本明細書において参考のために包含される米国特許第4,250,074号に記載されているように、ケチミンまたはアルコール−溶媒−水混合物を使用することにより組み込むことが可能である。
【0051】
その源とは無関係に、用いられる水の全体量は、加水分解反応を容易にするために必要とされる化学量論量であることが好ましい。化学量論量を超える水は、過剰の水が最終的に硬化した組成物製品の表面光沢を低下させるように機能するので、望ましくない。本発明の塗料組成物が約15〜約200ミリメートル厚さで床張りコーティング用に塗布することができるので、充分な量の水を添加し、より高い厚さの塗布のための適正な乾燥および硬化を確保するために組合せ材料中に均一に同じものを分配することは重要である。特に好ましいエラストマー変性エポキシシロキサン組成物は、約0.1重量%未満の水を用いることにより調製される。
【0052】
任意の有機金属触媒に関して、本発明のエラストマー変性エポキシシロキサン組成物を形成するために有用な、適する有機金属触媒には、塗料業界において周知の金属塩類、例えば、それぞれがオクチル酸塩、ネオデカン酸塩およびナフテン酸塩の形態にある、亜鉛、マンガン、ジルコニウム、チタン、コバルト、鉄、鉛およびスズが挙げられる。適する触媒には、以下の一般式を有する有機スズ触媒が挙げられる:
【0053】
【化2】

【0054】
式中、RおよびRはそれぞれ11個以下の炭素原子を有するアルキル、アリール、およびアルコキシ・エステル基からなる群から選択され、式中RおよびRはそれぞれRおよびRと同じ基、またはハロゲン、硫黄または酸素等の無機原子からなる群から選択される。ジブチル・スズ・ジラウレート、ジブチル・スズ・ジアセテート、ジブチル・スズ・ジアセチルアセトネート、ジブチル・スズ・ジエチルヘキサオエート、有機チタン酸塩、酢酸ナトリウム、およびプロピルアミン、エチルアミノエタノール、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、およびメチルジエタノールアミンを含む脂肪族第2級または第3級ポリアミンは、シリコーン中間体およびシランの加水分解性重縮合を加速するために単独でまたは組合せて用いることが可能である。好ましい触媒はジブチル・スズ・ジラウレートである。
【0055】
組成物全体量に対して約5重量%以下の有機金属触媒は、本発明のエラストマー変性エポキシシロキサン組成物の乾燥および硬化を急がせるために用いられる。有機金属触媒は、樹脂成分に添加することができるか、または、全く別の成分として添加することが可能である。この量が、単一の有機金属触媒成分または2以上の異なる有機金属触媒成分の組合せを含むことができる組成物を調製するために用いられる有機金属触媒成分の全体量を反映することは、理解されるべきである。約5重量%を超える有機金属触媒成分を用いることは、実用にはあまりにも短すぎることが可能であるポット・ライフまたは実働時間を有する最終組成物を生成する。
【0056】
本発明のエラストマー変性エポキシシロキサン組成物は、一般に、粘度が低く、溶媒の添加なしで吹き付け塗布をすることができる。しかし、有機溶媒は、静電コーティング装置による噴霧化および塗布を改善するか、または、はけ、ローラー、または標準空気および空気なし吹き付け装置により塗布される場合、流れ、水平化、および/または外観を改善するために添加することが可能である。この目的のために有用な代表的な溶媒には、エステル、エーテル、アルコール、ケトン、およびグリコール等が挙げられる。本発明の組成物に添加される溶媒の最大量は、クリーンエア法下の政府規制により、組成物リットル当り約420グラムの溶媒に限定される。
【0057】
本発明のエラストマー変性エポキシシロキサン組成物は、また、レオロジー変性剤、可塑剤、消泡剤、流量調整剤、滑りおよび損傷剤、チキソトロープ剤、ピグメント湿潤剤、ビチューメンおよびアスファルト増量剤、不安定剤、希釈剤、紫外線安定剤、空気放出剤および分散補助剤を含有することが可能である。好ましいエラストマー変性エポキシシロキサン組成物は、約10重量%以下のこうした変性剤および薬剤を含むことが可能である。
【0058】
本発明のエラストマー変性エポキシシロキサン組成物は、一つの包装が樹脂成分、すなわち、エポキシ樹脂、シリコーン中間体、および反応性エラストマー樹脂中間体、および必要な場合あらゆるピグメントおよび/またはフィラー、添加剤および溶媒を含有する、防湿容器中の2−包装系として供給することができる。第2の包装は、多官能性アミン成分およびあらゆる任意の触媒または加速剤を含有する。あるいは、本発明の組成物は、第1の包装が樹脂成分を含有し、第2の包装が多官能性アミン成分を含有し、第3包装が粉末成分、すなわち、ピグメントおよび/またはフィラーを含有する3−包装系として供給することができる。
【0059】
本発明のエラストマー変性エポキシシロキサン組成物は塗布され、約−6℃〜50℃の範囲の周囲温度条件で充分に硬化することができる。−18℃未満の温度での硬化は、大きく遅れる。しかし、本発明の組成物は、150℃〜200℃までの焼きまたは硬化温度下で塗布することが可能である。
【0060】
いかなる特定の理論または機構によっても拘束されようとは望まないが、一方で、本発明のエラストマー変性エポキシシロキサン組成物が以下の反応により形成されることは信じられる。エポキシ樹脂成分は、多官能性アミンまたはアミノシラン成分のアミン部分を反応させ、エポキシ−アミン付加反応を行って3次元架橋網目を形成する。
【0061】
シリコーン中間体がアルコキシ官能性である場合には、水の存在下で加水分解反応を行ってシラノール官能性シリコーン中間体を形成することは信じられる。次に、シラノール官能性シリコーン中間体は、加水分解性重縮合を行ってアルコールおよびポリシロキサンポリマーを生成する。
【0062】
反応性エラストマー樹脂中間体は、以下のやり方で反応すると信じられる。エラストマー樹脂中間体がヒドロキシまたはカルボニル官能性である場合、それはシリコーン中間体のシラノール基と反応し、ポリシロキサンポリマーの一部を形成する。エラストマー樹脂成分がエポキシ官能性である場合、それは多官能性アミンまたはアミノシラン成分と反応し、エポキシ−シランポリマーの一部を形成する。エラストマー樹脂成分がメルカプタンまたはアミン官能性である場合、それはエポキシ樹脂成分と反応し、エポキシ−シランポリマーの一部を形成する。
【0063】
そのように形成されるエラストマー変性エポキシポリマーまたはエラストマー変性ポリシロキサンポリマーは共重合する、すなわち、アミノシランのシラン部分は、ポリシロキサンとの、ポリシロキサンポリマー以外すなわちエポキシポリマーとの加水分解性重縮合を行って、充分に硬化したエラストマー変性エポキシシロキサンポリマー組成物を形成する。その硬化形態において、エラストマー変性エポキシシロキサンポリマー組成物は、連続ポリシロキサンポリマー鎖に架橋する線状エポキシ鎖フラグメントの均一に分散した配列として存在し、それによって、従来型のエポキシ・ポリシロキサン系に対して実質的な利点を有する非相互侵入エラストマー変性ポリマー網目(IPN)化学構造を形成する。
【0064】
成分が組合せられる場合、アミノシラン成分のシラン部分がシリコーン中間体成分と縮合し、エポキシ樹脂がシリコーン中間体ポリシロキサンから垂れ下がったアミノ基との反応による鎖拡張を行って、充分に硬化したエラストマー変性エポキシシロキサン組成物を形成することは信じられる。上述のように、ポリシロキサンポリマーまたはエポキシ−シランポリマーのいずれかは、エラストマー官能基の特定の型に応じてエラストマー変性をすることが可能である。こうした反応において、エポキシ樹脂が、ポリシロキサンの有益な特徴を低減させることなく組成物の架橋密度に拍車をかける架橋促進剤として機能することは信じられる。
【0065】
結局、本発明のエラストマー変性エポキシシロキサン組成物の化学的および物理的特性は、エポキシ樹脂、シリコーン中間体、多官能性アミン硬化剤、およびピグメントの賢明な選択により左右される。本発明のエラストマー変性エポキシシロキサン組成物は、従来型のエポキシ・ポリシロキサン組成物に比べて、組み込まれるエラストマーが、それから形成される最終的に硬化したコーティングに対する改善された段階の可撓性、ひび割れ耐性、耐衝撃性および耐磨耗性を提供するために役立つことにおいて独特である。これらの改善された特性は、耐候性、耐薬品性および耐食性の望ましい特性を失うことなしに提供される。
【0066】
加えて、本発明のエラストマー変性エポキシシロキサン組成物は、従来型のエポキシ・ポリシロキサン組成物に比べて、低減された収縮および改善されたひび割れおよび層間剥離に対する耐性等の、改善された硬化フィルム特性を提供する。従来型のエポキシ・ポリシロキサン組成物は高度に架橋され、充分に硬化される場合、鋼またはコンクリート基板上のコーティングまたは床張り配合物のひび割れまたは層間剥離をもたらすことができる高収縮を示す。
【0067】
本発明のこれらおよび他の特徴は、以下の実施例を考慮すると、更に明らかになる。
【実施例】
【0068】
実施例1
樹脂成分を、エポキシ・フェノール・ノバラック樹脂(エパロイ8250またはEPN9850CH)約10グラム、添加剤(BYKO80消泡剤)0.14グラム、二酸化チタンピグメント3グラム、ランプブラックピグメント0.1グラム、シリコーン中間体(DC−3074、SY231アルコキシ官能性シリコーン中間体)4グラム、ビスフェノールAエポキシ樹脂(DER331)9グラム、エラストマー変性樹脂(ケルポキシG272−100エポキシ末端エラストマー共重合体)3グラム、および脱イオン水0.04グラムを組合せることにより調製した。樹脂成分に、約7グラムのアミノシラン(Z6020アミノシラン)形態の硬化成分、および45グラムのシリカ形態の粉末成分、およびタルク19グラムを添加した。樹脂、硬化剤、および粉末成分を1または2分間にわたり手で組合せ、混合した。
【0069】
実施例2
樹脂成分を、エポキシ・フェノール・ノバラック樹脂(エパロイ8250またはEPN9850CH)約10グラム、添加剤(BYKO80消泡剤)0.14グラム、二酸化チタンピグメント3グラム、ランプブラックピグメント0.1グラム、シリコーン中間体(DC−3074、SY231アルコキシ官能性シリコーン中間体)4グラム、ビスフェノールAエポキシ樹脂(DER331)7グラム、エラストマー変性樹脂(ケルポキシG272−100エポキシ末端エラストマー共重合体)7グラム、および脱イオン水0.04グラムを組合せることにより調製した。樹脂成分に、約7グラムのアミノシラン(Z6020アミノシラン)形態の硬化成分、および45グラムのシリカ形態の粉末成分、およびタルク19グラムを添加した。成分を1または2分間にわたり手で組合せ、混合した。組成物は、それが低下したエポキシ樹脂量およびほぼ2倍量のエラストマー樹脂中間体成分を含むことを除いて、実施例1により調製されたものに類似していた。
【0070】
1”直径かける1”高さの寸法を有する円筒型圧縮強度試験片を用いて、実施例1および2のエラストマー変性エポキシシロキサン組成物を調製した。試験片を14日間にわたり室温で硬化させ、次に、7日間にわたり濃硫酸、濃塩酸、メタノールおよび水酸化アンモニウムの溶液中に完全に浸漬した。後に、各試験片のコーティング完全性を評価し、満足の行くコーティング完全性が示された。圧縮強度を上述の化学薬品中への浸漬の前後でASTM・C579により測定した。すべての試験片は、それらの浸漬後の初期圧縮強度の90%を超えて保持した。これらの結果は、技術上公知の他の従来型エポキシ−シロキサン組成物に比べて匹敵するかまたはより優れている。
【0071】
実施例1および2のエラストマー変性エポキシシロキサン組成物を、また、繰り返し温度周期の目的のために80〜120ミリメートルのフィルム厚さでコンクリートブロックの表面に塗布した。コンクリートブロックを、また、比較目的のために同じコーティング厚さで従来型のエポキシ・ポリシロキサン組成物により被覆した。被覆されたブロックを7日間にわたり周囲温度で硬化し、7日間にわたり60℃の温度にさらした。被覆ブロックの一つがコンクリートからのひび割れまたは剥離を起こすまで、この温度周期を繰り返した。実施例1および2のエラストマー変性エポキシシロキサン組成物は、それが従来型のエポキシ・ポリシロキサンにより被覆されたブロックをひび割れまたは層間剥離により損傷させるのと同じ数の温度周期回数内でひび割れまたは層間剥離の兆候を全く示さないことにより、優れたひび割れおよび層間剥離耐性を示した。
【0072】
本発明のエラストマー変性エポキシシロキサン組成物は、それらの一部の好ましい変形物に関して比較的詳細に記載してきたが、他の変形物も可能である。従って、添付クレームの精神および範囲は、本明細書において記載される好ましい変形に限定されるべきではない。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明により、以下が提供される:
(項1)
水、
式中、各Rがヒドロキシ基および6個以下の炭素原子を有するアルキル、アリール、およびアルコキシ基からなる群から選択され、各Rが水素および6個以下の炭素原子を有するアルキルおよびアリール基からなる群から選択され、式中nがポリシロキサンの重量平均分子量が約400〜10,000の範囲内にあるように選択される式、
【0074】
【化3】

【0075】
を有するシリコーン中間体、
多官能性アミン硬化剤、
少なくとも二つの1,2−エポキシド基を有するエポキシ樹脂、および
ヒドロキシル、エポキシ、イソシアネート、カルボキシル、メルカプタン、およびアミンからなる群から選択される官能基を有し、且つ、ブテン、ポリブテン、ブタジエン、ポリブタジエン、ニトリル、アクリロニトリル、ポリスルフィド、およびそれらの組合せからなる樹脂の群から選択されるエラストマー樹脂中間体、
を組合せることにより調製される(prepared)エラストマー変性エポキシシロキサン組成物。
【0076】
(項2)
多官能性アミン硬化剤が、式中YがH(HNR)であり、式中「a」が1〜6の整数であり、Rがアリール、アルキル、ジアルキルアリール、アルコキシアルキル、およびシクロアルキル基からなる群から独立に選択される2官能性有機ラジカルであり、且つXが約6個未満の炭素原子を含有するアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキルまたはヒドロキシアルコキシアルキル基に限定される一般式、
Y−Si−(O−X)
を有するアミノシランである、項1に記載のエラストマー変性エポキシシロキサン組成物。
【0077】
(項3)
触媒がそれぞれオクチル酸塩、ネオデカン酸塩またはナフテン酸塩の形態にある、亜鉛、マンガン、ジルコニウム、チタン、コバルト、鉄、鉛およびスズからなる群から選択される、周囲温度での硬化を容易にするための少なくとも一つの金属触媒を追加的に含む、項1に記載のエラストマー変性エポキシシロキサン組成物。
【0078】
(項4)
約1〜40重量%の範囲のシリコーン中間体、1〜15重量%の多官能性アミン、5〜60重量%のエポキシ樹脂、および1〜25重量%のエラストマー樹脂中間体を含む、項1に記載のエラストマー変性エポキシシロキサン組成物。
【0079】
(項5)
シリコーン中間体が20℃で約3,000〜15,000センチポアズ(cP)の粘度を有するアルコキシおよびシラノール官能性ポリシロキサンからなる群から選択される、項1に記載のエラストマー変性エポキシシロキサン組成物。
【0080】
(項6)
エポキシ樹脂成分が、エピクロルヒドリン−ビスフェノールA・エポキシ樹脂、エピクロルヒドリン・ビスフェノールF・エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールA・エピクロルヒドリン・エポキシ樹脂、メタクリル酸グリシジル樹脂、グリシジル・エステル、フェノール・ノバラック・エポキシ樹脂、レゾルシノール変性エポキシ樹脂、およびそれらの組合せからなる群から選択される、項1に記載のエラストマー変性エポキシシロキサン組成物。
【0081】
(項7)
約400〜10,000の範囲の重量平均分子量を有するアルコキシおよびシラノール官能性ポリシロキサンからなる群から選択されるシリコーン中間体、
式中、YがH(HNR)であり、式中「a」が1〜6の範囲の整数であり、Rがアリール、アルキル、ジアルキルアリール、アルコキシアルキル、およびシクロアルキル基からなる群から独立に選択される2官能性有機ラジカルであり、且つ式中、Xが約6個未満の炭素原子を含有するアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキルまたはヒドロキシアルコキシアルキル基に限定される一般式、
Y−Si−(O−X)
を有するアミノシラン硬化剤、
少なくとも二つの1,2−エポキシド基を有するエポキシ樹脂、および
ヒドロキシル、エポキシ、イソシアネート、カルボキシル、エポキシ、メルカプタン、およびアミンからなる群から選択される官能基を有し、且つ、ブテン、ポリブテン、ブタジエン、ポリブタジエン、ニトリル、アクリロニトリル、ポリスルフィド、およびそれらの組合せからなる樹脂の群から選択されるエラストマー樹脂中間体、
を組合せることにより調製されるエラストマー変性エポキシシロキサン組成物。
【0082】
(項8)
シリコーン中間体が、式中、各Rがヒドロキシ基および6個以下の炭素原子を有するアルキル、アリール、およびアルコキシ基からなる群から選択され、各Rが水素および6個以下の炭素原子を有するアルキルおよびアリール基からなる群から選択される式、
【0083】
【化4】

【0084】
を有する、項7に記載のエラストマー変性エポキシシロキサン組成物。
【0085】
(項9)
エポキシ樹脂成分がエピクロルヒドリン−ビスフェノールA・エポキシ樹脂、エピクロルヒドリン・ビスフェノールF・エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールA・エピクロルヒドリン・エポキシ樹脂、メタクリル酸グリシジル樹脂、グリシジル・エステル、フェノール・ノバラック・エポキシ樹脂、レゾルシノール変性エポキシ樹脂、およびそれらの組合せからなる群から選択される、項7に記載のエラストマー変性エポキシシロキサン組成物。
【0086】
(項10)
触媒がそれぞれオクチル酸塩、ネオデカン酸塩またはナフテン酸塩の形態にある、亜鉛、マンガン、ジルコニウム、チタン、コバルト、鉄、鉛およびスズからなる群から選択される、周囲温度での硬化を容易にするための少なくとも一つの金属触媒を追加的に含む、項7に記載のエラストマー変性エポキシシロキサン組成物。
【0087】
(項11)
約1〜40重量%の範囲のシリコーン中間体、1〜15重量%の多官能性アミン、5〜60重量%のエポキシ樹脂、および1〜25重量%のエラストマー樹脂中間体を含む、項7に記載のエラストマー変性エポキシシロキサン組成物。
【0088】
(項12)
水、
式中、各Rがヒドロキシ基および6個以下の炭素原子を有するアルキル、アリール、およびアルコキシ基からなる群から選択され、各Rが水素および6個以下の炭素原子を有するアルキルおよびアリール基からなる群から選択され、式中nがポリシロキサンの重量平均分子量が約400〜10,000の範囲内にあるように選択される式、
【0089】
【化5】

【0090】
を有するシリコーン中間体、
式中、YがH(HNR)であり、式中「a」が1〜6の範囲の整数であり、Rがアリール、アルキル、ジアルキルアリール、アルコキシアルキル、およびシクロアルキル基からなる群から独立に選択される2官能性有機ラジカルであり、且つ式中、Xが約6個未満の炭素原子を含有するアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキルまたはヒドロキシアルコキシアルキル基に限定される一般式、
Y−Si−(O−X)
を有するアミノシラン硬化剤、
100〜約5,000の範囲のエポキシド当量を有する分子当り1個を超える1,2−エポキシド基を有するエポキシ樹脂、および
ヒドロキシル、エポキシ、イソシアネート、カルボキシル、エポキシ、メルカプタン、およびアミンからなる群から選択される官能基を有し、且つ、ブテン、ポリブテン、ブタジエン、ポリブタジエン、ニトリル、アクリロニトリル、ポリスルフィド、およびそれらの組合せからなる群から選択されるエラストマー樹脂中間体、
を組合せることにより調製されるエラストマー変性エポキシシロキサン組成物。
【0091】
(項13)
触媒がそれぞれオクチル酸塩、ネオデカン酸塩およびナフテン酸塩の形態にある、亜鉛、マンガン、ジルコニウム、チタン、コバルト、鉄、鉛およびスズからなる群から選択される、周囲温度での硬化を容易にするための少なくとも一つの金属触媒を追加的に含む、項12に記載のエラストマー変性エポキシシロキサン組成物。
【0092】
(項14)
エポキシ樹脂成分がエピクロルヒドリン−ビスフェノールA・エポキシ樹脂、エピクロルヒドリン・ビスフェノールF・エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールA・エピクロルヒドリン・エポキシ樹脂、メタクリル酸グリシジル樹脂、グリシジル・エステル、フェノール・ノバラック・エポキシ樹脂、レゾルシノール変性エポキシ樹脂、およびそれらの組合せからなる群から選択される、項12に記載のエラストマー変性エポキシシロキサン組成物。
【0093】
(項15)
約1〜40重量%の範囲のシリコーン中間体、1〜15重量%の多官能性アミン、5〜60重量%のエポキシ樹脂、および1〜25重量%のエラストマー樹脂中間体を含む、項12に記載のエラストマー変性エポキシシロキサン組成物。
【0094】
(項16)
アルコキシまたはシラノール官能性ポリシロキサンを、
エポキシ樹脂、および
ヒドロキシル、エポキシ、イソシアネート、カルボキシル、エポキシ、メルカプタン、およびアミンからなる群から選択される官能基を有し、且つ、ブテン、ポリブテン、ブタジエン、ポリブタジエンからなる樹脂の群から選択されるエラストマー樹脂中間体、
と組合せることにより樹脂成分を形成し;および
多官能性アミン成分、および
有機スズ触媒、
をそれに添加することにより周囲温度で水の存在下において樹脂成分を硬化する、
段階を含む充分に硬化した熱硬化性エラストマー変性エポキシシロキサン組成物を製造するための方法。
【0095】
(項17)
式中、各Rがヒドロキシ基および6個以下の炭素原子を有するアルキル、アリール、およびアルコキシ基からなる群から選択され、各Rが水素および6個以下の炭素原子を有するアルキルおよびアリール基からなる群から選択され、式中nがポリシロキサンの重量平均分子量が約400〜10,000の範囲内にあるように選択される式、
【0096】
【化6】

【0097】
を有するポリシロキサンを、
分子当り1個を超える1,2−エポキシド基を有し、100〜約5,000の範囲のエポキシド当量を有するエポキシ樹脂、および
ヒドロキシル、エポキシ、イソシアネート、カルボキシル、エポキシ、メルカプタン、およびアミンからなる群から選択される官能基を有し、且つ、ブテン、ポリブテン、ブタジエン、ポリブタジエンからなる樹脂の群から選択されるエラストマー樹脂中間体、
と組合せることにより樹脂成分を形成し;および
有機スズ触媒、および
アミノシラン硬化剤、
をそれに添加することにより周囲温度で水の存在下において樹脂成分を硬化する、
段階を含む充分に硬化したエラストマー変性エポキシシロキサン組成物を製造するための方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本明細書に記載の組成物および方法。

【公開番号】特開2009−114466(P2009−114466A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−48663(P2009−48663)
【出願日】平成21年3月2日(2009.3.2)
【分割の表示】特願2003−566100(P2003−566100)の分割
【原出願日】平成15年1月29日(2003.1.29)
【出願人】(599087017)ピーピージー インダストリーズ オハイオ, インコーポレイテッド (267)
【Fターム(参考)】