エルトロンボパグ及びエルトロンボパグ塩の多形体、並びにその調製方法
エルトロンボパグ及びエルトロンボパグ・エタノールアミン塩の新規多形体が得られ、特徴付けられた。これらの多形体及びそれらを含む医薬組成物は、例えば血小板減少症を引き起こす症状を処置するのに有用である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2009年4月1日に出願された米国特許仮出願番号第61/165,638号;2009年4月7日に出願された同第61/167,297号;2009年4月23日に出願された同第61/171,894号;2009年5月11日に出願された同第61/177,019号;2009年5月26日に出願された同第61/180,961号;2009年7月7日に出願された同第61/223,685号;及び2009年12月3日に出願された同第61/266,364号の利益を請求するものであり、その全てを本明細書中に援用する。
【0002】
本発明は、エルトロンボパグ及びエルトロンボパグ・エタノールアミン塩の多形体、これらの多形体の調製、並びにそれらを含んでなる医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
エルトロンボパグ、(Z)‐3’‐(2‐(1‐(3,4‐ジメチルフェニル)‐3‐メチル‐5‐オキソ‐1H‐ピラゾール‐4(5H)‐イリデン)ヒドラジニル)‐2’‐ヒドロキシビフェニル‐3‐カルボン酸は、下記の化学構造を持つ化合物である:
【0004】
【化1】
【0005】
それは、巨核細胞の増殖及び分化を刺激する小分子、非ペプチド型トロンボポエチン(TPO)受容体作動薬である。エルトロンボパグは、血小板減少症を引き起こす健康状態の処置のために、下記の化学構造のビスエタノールアミン塩としてGlaxoSmithKline及びLigand PharmaceuticalsによってPromacta(登録商標)という商標名で販売されている:
【0006】
【化2】
【0007】
エルトロンボパグは、米国特許番号第7,332,481号及び同第7,160,870号;WO特許出願第01/89457号;並びにEP特許番号第1294378号で開示されている。
【0008】
エルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩は、US 2006/0178518(WO 03/098992に相当)で開示されている。
【0009】
異なる結晶形の発生である多形性は、一部の分子及び分子複合体の特性である。単一分子は、異なる結晶構造及び融点、熱挙動(例えば熱重量分析‐「TGA」又は示差走査熱量測定‐「DSC」によって計測される)、X線回折パターン、赤外吸収フィンガープリント、及び固相NMRスペクトルのような物理特性を有するさまざまな多形体をもたらす可能性がある。化合物の異なる多形形態を識別するために、これらの技術のうちの1つ又は複数を使用することができる。
【0010】
医薬製品の新しい多形形態や溶媒和物を発見することで、例えば取扱いの容易さ、加工の容易さ、貯蔵安定性、及び精製の容易さなどの望ましい加工特性を有する材料を提供できるか、又は他の多形形態への転換を促進する望ましい中間体結晶形として提供できる。医薬的に有用な化合物又はその塩の新しい多形形態及び溶媒和物はさらに、医薬製品の性能特性を改善する機会を提供することもできる。それは、例えば異なる特性、例えばより良好な加工若しくは取扱い特徴、改善された溶解特性、又は改善された保管期限を有する生成物を提供することによって、製剤研究者が製剤を最適化するために利用可能な材料のレパートリーを広げる。少なくともこれらの理由で、エルトロンボパグとエルトロンボパグ・エタノールアミン塩のさらなる多形体が必要とされている。
【発明の概要】
【0011】
本発明は、結晶形のエルトロンボパグ、エルトロンボパグ・ビスエタノールアミン、モノエタノールアミン塩、及びそれらを調製方法を提供する。
【0012】
一実施形態において、本発明は、以下の:4.0、7.3、7.7、12.1及び16.1°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図1に示したPXRDパターン;166.9、155.4、134.1、125.7及び111.8±0.2ppmにピークを有する固相13C NMRスペクトル;図35に示した固相13C NMRスペクトル;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータを特徴とする、I型と命名された結晶性エルトロンボパグを包含する。
【0013】
他の実施形態において、本発明は、以下の:9.2、11.2、12、2及び14.0°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図3に示したPXRDパターン;170.6、128.7、124.2及び113.8±0.2ppmにピークを有する固相13C NMRスペクトル;図36に示した固相13C NMRスペクトル;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータを特徴とする、III型と命名された結晶性エルトロンボパグを包含する。
【0014】
さらに他の態様において、本発明は、以下の:5.9、8.2、10.5及び12.5°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図7に示したPXRDパターン;142.0、131.6、114.9及び67.8±0.2ppmにピークを有する固相13C NMRスペクトル;図37に示した固相13C NMRスペクトル;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータを特徴とする、V型と命名された結晶性エルトロンボパグを包含する。
【0015】
一実施形態において、本発明は、以下の:7.1、9.5、13.9、21.2及び25.5°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図20に示したPXRDパターン;168.7、156.7、127.6及び112.8±0.2ppmにピークを有する固相13C NMRスペクトル;図38に示した固相13C NMRスペクトル;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータを特徴とする、XVI型と命名された結晶性エルトロンボパグを包含する。
【0016】
他の実施形態において、本発明は、エルトロンボパグ・エタノールアミン塩又はその製剤を調製するための、先に記載した結晶形のエルトロンボパグのうちのいずれか1つ又はそれらの組合せ物の使用を包含する。
【0017】
さらに他の態様において、本発明は、以下のステップ:本発明の方法によって先に記載した結晶形のエルトロンボパグのうちのいずれか1つ又はそれらの組合せ物を調製し、そしてそれらをエルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩に変換する、を含むエルトロンボパグ・エタノールアミン塩の調製方法を包含する。
【0018】
さらに他の態様において、本発明は、以下の:9.3、11.8、13.2及び17.7°2θ±0、2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図24に示したPXRDパターン;174.9、147.1、135.4及び58.7±0.2ppmにピークを有する固相13C NMRスペクトル;図39に示した固相13C NMRスペクトル;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータを特徴とする、II型と命名された結晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩を包含する。
【0019】
一実施形態において、本発明は、血小板減少症を引き起こす健康状態の治療薬の製造の準備をするための以下に記載した結晶形のエルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩の使用を包含する。
【0020】
他の実施形態において、本発明は、以下の記載したエルトロンボパグ・モノエタノールアミン塩及びエルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩の多形体のうちの少なくとも1つ、並びに少なくとも1つの医薬的に許容し得る賦形剤を含んでなる医薬組成物を包含する。
【0021】
さらに他の態様において、本発明は、エルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩、及び/又はそれを含んでなる製剤を調製するための、以下の記載した結晶形のエルトロンボパグ・モノエタノールアミン塩のうちのいずれか1つ又はそれらの組合せ物の使用を包含する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】I型と命名された結晶性エルトロンボパグの粉末XRDパターンを示す。
【図2】I型と命名された結晶性エルトロンボパグのDSCサーモグラムを示す。
【図3】III型と命名された結晶性エルトロンボパグの粉末XRDパターンを示す。
【図4】III型と命名された結晶性エルトロンボパグのDSCサーモグラムを示す。
【図5】IV型と命名された結晶性エルトロンボパグの粉末XRDパターンを示す。
【図6】IV型と命名された結晶性エルトロンボパグのDSCサーモグラムを示す。
【図7】V型と命名された結晶性エルトロンボパグの粉末XRDパターンを示す。
【図8】V型と命名された結晶性エルトロンボパグのDSCサーモグラムを示す。
【図9】VI型と命名された結晶性エルトロンボパグの粉末XRDパターンを示す。
【図10】VII型と命名された結晶性エルトロンボパグの粉末XRDパターンを示す。
【図11】VIII型と命名された結晶性エルトロンボパグの粉末XRDパターンを示す。
【図12】VIII型と命名された結晶性エルトロンボパグのDSCサーモグラムを示す。
【図13】結晶性エルトロンボパグIX型の粉末XRDパターンを示す。
【図14】結晶性エルトロンボパグX型の粉末XRDパターンを示す。
【図15】結晶性エルトロンボパグXI型の粉末XRDパターンを示す。
【図16】結晶性エルトロンボパグXII型の粉末XRDパターンを示す。
【図17】結晶性エルトロンボパグXIII型の粉末XRDパターンを示す。
【図18】結晶性エルトロンボパグXIV型の粉末XRDパターンを示す。
【図19】結晶性エルトロンボパグXV型の粉末XRDパターンを示す。
【図20】結晶性エルトロンボパグXVI型の粉末XRDパターンを示す。
【図21】エルトロンボパグXVI型のDSCサーモグラムを示す。
【図22】非晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩の粉末XRDパターンを示す。
【図23】非晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩のDSCサーモグラムを示す。
【図24】II型と命名された結晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩の粉末XRDパターンを示す。
【図25】II型と命名された結晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩のDSCサーモグラムを示す。
【図26】III型と命名された結晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩の粉末XRDパターンを示す。
【図27】III型と命名された結晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩のDSCサーモグラムを示す。
【図28】I型と命名された結晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩の粉末XRDパターンを示す。
【図29】H型と命名された結晶性エルトロンボパグ・モノエタノールアミン塩の粉末XRDパターンを示す。
【図30】E型と命名された結晶性エルトロンボパグ・モノエタノールアミン塩の粉末XRDパターンを示す。
【図31】結晶性1‐(3,4‐ジメチルフェニル)‐3‐メチル‐1H‐ピラゾール‐5‐オール(「ピラゾール」)I型の粉末XRDパターンを示す。
【図32】結晶性3’‐アミノ‐2’‐ヒドロキシビフェニル‐3‐カルボン酸(「BPCA」)I型の粉末XRDパターンを示す。
【図33】結晶性1‐(3,4‐ジメチルフェニル)‐3‐メチル‐1H‐ピラゾール‐5‐オール(「ピラゾール」)II型の粉末XRDパターンを示す。
【図34】結晶性3’‐アミノ‐2’‐ヒドロキシビフェニル‐3‐カルボン酸(「BPCA」)II型の粉末XRDパターンを示す。
【図35】I型と命名された結晶性エルトロンボパグの固相13C NMRスペクトルを示す。
【図36】III型と命名された結晶性エルトロンボパグの固相13C NMRスペクトルを示す。
【図37】V型と命名された結晶性エルトロンボパグの固相13C NMRスペクトルを示す。
【図38】XVI型と命名された結晶性エルトロンボパグの固相13C NMRスペクトルを示す。
【図39】II型と命名された結晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩の固相13C NMRスペクトルを示す。
【図40】I型と命名された結晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩の固相13C NMRスペクトルを示す。
【0023】
発明の詳細な説明
本発明は、エルトロンボパグの多形体、エルトロンボパグ・エタノールアミン塩、これらの多形体の調製、及びそれらの医薬組成物に関する。特に、本願は、高い化学的純度を有する結晶形のエルトロンボパグを提供するが、それは高い化学的純度を有するエルトロンボパグ塩を調製するのに使用できる。
【0024】
本願は、結晶形でエルトロンボパグを提供するが、それは、低い純度が一般に実証されている従来技術で開示された非晶性形態と比較して、医薬製剤を作るのにひときわ魅力的である。
【0025】
本明細書中に使用される場合、且つ、別段の記述がない限り、XRPDピークは、1.54オングストロームにてCu照射を使用して計測されたピークを好ましくは指す。
【0026】
本明細書中に使用される「室温」という用語は、約20℃〜約30℃の温度を指す。通常、室温は約20℃〜約25℃の幅がある。
【0027】
本明細書中に使用される「一晩」という用語は、約15〜約20時間の期間を指し、通常、約16〜約20時間を指す。
【0028】
結晶形は、本明細書中では、図面「に示した」図示的データを特徴とするものと形容されることもできる。そういったデータには、例えば粉末X線回折図や固相NMRスペクトルが含まれる。当業者は、こうしたデータの図示的表示が、機器の応答のばらつき及びサンプル濃度や純度のばらつきなどの要因により、例えばピークの相対強度やピーク位置のわずかなばらつきにさらされる可能性があることを理解し、そのことは当業者にとって周知である。それにもかかわらず、当業者は、本明細書中の図面中のグラフデータを未知の結晶形について生じたグラフデータと容易に比較でき、そして二組のグラフデータが同じ結晶形を特徴づけているのか、又は2つの異なる結晶形を特徴づけているのか確認するであろう。
【0029】
結晶形(又は多形体)は、本明細書中では、他のいかなる結晶性(又は多形性)形態も実質的に含まないと見なされることもできる。これに関連して本明細書中に使用される場合、「他のいかなる形態も実質的に含まない」という表現は、その結晶形が、例えばXRPDによって計測した場合に、他のいずれか形態の対象化合物を20%以下、10%以下、5%以下、2%以下、又は1%以下しか含んでいないことを意味すると理解される。よって、他のいかなる多形形態も実質的に含まないと本明細書中に記述されているエルトロンボパグ及びエルトロンボパグ・エタノールアミン塩の多形体は、エルトロンボパグの対象の多形形態を80%(w/w)超、90%(w/w)超、95%(w/w)超、98%(w/w)超、又は99%(w/w)超含んでいることが理解される。従って、本発明のいくつかの実施形態において、記載したエルトロンボパグ及びエルトロンボパグ・エタノールアミン塩の多形体は、1%〜20%(w/w)、5%〜20%(w/w)、又は5%〜10%(w/w)の1若しくは複数の他の結晶形のエルトロンボパグを含んでいてもよい。
【0030】
本発明は、結晶性エルトロンボパグを提供する。
【0031】
一実施形態において、本発明は、以下の:4.0、7.3、7.7、12.1及び16.1°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図1に示したPXRDパターン;166.9、155.4、134.1、125.7及び111.8±0.2ppmにピークを有する固相13C NMRスペクトル;図35に示した固相13C NMRスペクトル;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータを特徴とする結晶性エルトロンボパグを包含する。この結晶形のエルトロンボパグは、本明細書中ではI型と命名されている。
【0032】
先のI型のエルトロンボパグは、以下の:8.8、14.6、17.6、24.3及び26.8°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図2に示したDSCサーモグラム;141.4、130.4、119.8及び117.8±0.2ppmにピークを有する固相13C NMRスペクトル;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータによってさらに特徴づけることができる。
【0033】
先の結晶性エルトロンボパグI型は無水形態である。
【0034】
本明細書中に使用される場合、且つ、別段の記述のない限り、結晶性エルトロンボパグと関連した「無水」という用語は、TGAによって計測した場合に水又は有機溶媒のいずれかを1%(w/w)以下しか含まない結晶性エルトロンボパグに関する。
【0035】
結晶性エルトロンボパグI型は、以下の:化学的純度、流動性、溶解性、形態学又は結晶性質、安定性、例えば貯蔵安定性、脱水に対する安定性、多形転換に対する安定性など、低い吸湿性、残留溶媒の少ない含有量、のうちの少なくとも1つから選択される有利な特性を有する。特に、本発明の結晶性エルトロンボパグI型は、有利な化学的純度と、熱力学的安定性及び溶解性を有し、且つ、それは、室温にて少なくとも10カ月間にわたって80%の相対湿度(「RH」)において100%非吸湿性である。
【0036】
本明細書中で使用される場合、結晶性エルトロンボパグと関連する非吸湿性という用語は、TGAによって計測した場合に、先の特定条件下、結晶性エルトロンボパグへの大気中の水分の吸収が0.2%(w/w)未満であることを指す。
【0037】
本明細書中で使用される場合、結晶性エルトロンボパグI型と関連する「熱力学的安定性」という用語は、XRPDによって計測した場合に、10℃/分の加熱速度にて200℃の温度までの加熱を受けて、結晶性エルトロンボパグI型から他のいずれかの固相形態のエルトロンボパグへの転換が20%未満、10%未満、5%未満、1%未満、又は0.5%未満であることを指す。いくつかの実施形態において、前記転換は、1%〜20%、1%〜10%又は1%〜5%である。
【0038】
好ましくは、本発明の結晶性エルトロンボパグI型は、他のいかなる多形体形態も実質的に含んでいない。
【0039】
前記I型は、以下のステップ:氷酢酸からエルトロンボパグを結晶化するか、あるいは、以下の:9.2、11.2、12.2及び14.0°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図3に示したPXRDパターン;170.6、128.7、124.2及び113.8±0.2ppmにピークを有する固相13C NMRスペクトル;図36に示した固相13C NMRスペクトル;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータを特徴とする結晶性エルトロンボパグIII型、又は以下の:7.1、9.5、13.9、21.2及び25.5°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図20に示したPXRDパターン;168.7、156.7、127.6及び112.8±0.2ppmにピークを有する固相13C NMRスペクトル;図38に示した固相13C NMRスペクトル;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータを特徴とする結晶性エルトロンボパグXVI型を氷酢酸中に懸濁する、を含む方法によって調製さできる。
【0040】
典型的には、前記方法は、以下のステップ:氷酢酸中にエルトロンボパグの溶液又は懸濁液を準備し、そして沈殿させて、I型を含んだ懸濁液を得る、を含み;ここで、懸濁液を準備する場合、出発エルトロンボパグが、結晶性エルトロンボパグIII型又は結晶性エルトロンボパグXVI型である。
【0041】
典型的には、溶液を準備する場合、エルトロンボパグを溶解するのに十分な量で氷酢酸を使用する。エルトロンボパグと氷酢酸の溶液又は懸濁液は、エルトロンボパグ又は結晶性エルトロンボパグIII型と、氷酢酸を組合せ、そしてその組合せ物を加熱することによって準備できる。前記組合せ物は、約96℃〜約118°の温度まで加熱される可能性があり、好ましくはそれは約114℃〜約118℃の温度まで加熱される。溶液又は懸濁液が形成された後、それを冷却して、その中にエルトロンボパグI型が沈殿している懸濁液を準備する。好適な冷却温度は、約40℃〜約0℃、室温〜約0℃、又は約23℃〜約0℃である。
【0042】
先のエルトロンボパグI型の調製方法は、得られたエルトロンボパグI型を回収するステップをさらに含むことができる。その回収方法は、例えば当該結晶形を濾過し、洗浄し、そして乾燥させるステップを含むこともできる。洗浄は、メタノールと水の混合物で行われ得る。乾燥は、減圧下、例えば約35℃〜約60℃などの温度にて、約2時間〜約12時間にわたって行われ得る。
【0043】
先に記載の方法は、好ましくは、HPLCによって計測した場合に、少なくとも約99%、少なくとも約99.5%、又は少なくとも約99.8%の領域パーセントの化学的純度にてエルトロンボパグI型を提供する。
【0044】
特定の実施形態において、先に記載したエルトロンボパグI型の調製方法は、エルトロンボパグを精製し、それにより化学的に純粋なエルトロンボパグ塩を製造するのに使用される。好ましい実施形態において、本発明は、エルトロンボパグを結晶化するステップ、あるいは、氷酢酸中に結晶性エルトロンボパグIII型又は結晶性エルトロンボパグXVI型を懸濁するステップを含むエルトロンボパグの精製方法を提供する。特に、先の化学的に純粋なエルトロンボパグI型は、以下の式:
【0045】
【化3】
【0046】
によって表される(Z)‐メチル3’‐(2‐(1‐(3,4‐ジメチルフェニル)‐3‐メチル‐5‐オキソ‐1H‐ピラゾール‐4(5H)‐イリデン)ヒドラジニル)‐2’‐ヒドロキシビフェニル‐3‐カルボキシラート(「EPT混入物1」)とも呼ばれる、及び以下の式:
【0047】
【化4】
【0048】
によって表される(Z)‐3’‐(2‐(1‐(3,4‐ジメチルフェニル)‐3‐メチル‐5‐オキソ‐1H‐ピラゾール‐4(5H)‐イリデン)‐ヒドラジニル)‐2’‐ヒドロキシビフェニル‐3‐カルボキサミド(「EPT混入物2」)とも呼ばれるから精製できる。
【0049】
好ましい実施形態において、精製エルトロンボパグ中に先のそれぞれ混入物が、HPLCによって計測した場合、約0%〜約0.1%、約0.01%〜約0.1%、約0.01%〜約0.07%、又は約0.01%〜約0.05%の量で存在してもよい。
【0050】
エルトロンボパグI型はさらに、アセトンと水の混合物中に結晶性エルトロンボパグI型と結晶性エルトロンボパグIII型の混合物を懸濁するステップを含む方法によっても調製できる。
【0051】
前記方法は、(水の添加前に加熱される)結晶性エルトロンボパグI型とIII型の混合物をアセトンと合わせて、第1懸濁液を得るステップを含む。前記第1懸濁液は、およそ還流温度、好ましくは約57℃の温度まで加熱され、それが第2懸濁液をもたらす。次いで、その第2懸濁液は、水と合わせられて、懸濁液を形成する。その懸濁液を冷却した後に、結晶性I型を回収することができる。好適な冷却温度は、室温くらいである。
【0052】
前記エルトロンボパグI型の調製方法には、得られたエルトロンボパグI型の回収がさらに含まれる。前記回収方法は、例えば結晶化形態を濾過し、そして乾燥させるステップを含むこともできる。乾燥は、減圧下、例えば約5mBarの圧力にて行われ得る。乾燥は、例えば約50℃の温度にて、約1時間にわたって行われ得る。
【0053】
結晶性エルトロンボパグI型は、他の形態のエルトロンボパグやエルトロンボパグ・エタノールアミン塩、特に、以下の:5.9、8.2、10.5及び12.5°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図7に示したPXRDパターン、から成る群から選択されるデータを特徴とする、V型と命名された結晶性エルトロンボパグを調製するのに使用できる。特定の実施形態において、本発明は、氷酢酸中でエルトロンボパグI型を結晶化させるか又は懸濁するステップを含む方法によって結晶性エルトロンボパグI型を調製し、そしてそれを、テトラヒドロフラン(「THF」)と水の混合物からエルトロンボパグV型を結晶化するステップを含む方法によって結晶性エルトロンボパグV型に変換するステップを含む、結晶性エルトロンボパグV型の調製方法を提供する。
【0054】
他の実施形態において、本発明は、以下の:9.2、11.2、12.2及び14.0°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図3に示したPXRDパターン;170.6、128.7、124.2及び113.8±0.2ppmにピークを有する固相13C NMRスペクトル;図36に示した固相13C NMRスペクトル;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータを特徴とする結晶性エルトロンボパグを包含する。この結晶形のエルトロンボパグは、本明細書中では、III型と命名されている。
【0055】
先のエルトロンボパグのIII型は、以下の:5.3、16.1、22.4及び24.3°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図4に示したDSCサーモグラム;155.0、141.0、136.6及び133.6±0.2ppmにピークを有する固相13C NMRスペクトル;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータをさらなる特徴とすることができる。
【0056】
前記結晶性エルトロンボパグIII型は、水和物である。
【0057】
結晶性エルトロンボパグIII型は、以下の:化学的純度、流動性、溶解性、形態学又は結晶性質、安定性、例えば貯蔵安定性、脱水に対する安定性、多形転換に対する安定性など、低い吸湿性、残留溶媒の少ない含有量、のうちの少なくとも1つから選択される有利な特性を有する。特に、本発明の結晶性エルトロンボパグIII型は、有利な化学的純度と医薬製剤に有益なものである素晴らしい流動特性を備えたバルク生成物をもたらす不規則粒子形状の形態学を有し、且つ、それは、室温にて少なくとも10カ月間にわたって80%の相対湿度(「RH」)において100%非吸湿性である。
【0058】
好ましくは、本発明の結晶性エルトロンボパグIII型には、他のいかなる多形体形態も実質的に含まれていない。
【0059】
先のIII型は、メタノール中で結晶性3’‐アミノ‐2’‐ヒドロキシビフェニル‐3‐カルボン酸(「BPCA」)I型と、結晶性1‐(3,4‐ジメチルフェニル)‐3‐メチル‐1H‐ピラゾール‐5‐オールI型(「ピラゾール」)を反応させて、エルトロンボパグIII型を得るステップを含む方法によって調製できる。
【0060】
先に記載した方法は、好ましくは、HPLCによって計測した場合、少なくとも約98%、好ましくは少なくとも約98.5の領域パーセントの化学的純度でエルトロンボパグIII型を提供する。
【0061】
結晶性ピラゾールI型は、以下の:10.72、12.93、17.95、20.96及び26.01°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末X線回折;図31に記載のPXRDパターン;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータを特徴とする。このピラゾール結晶形は、9.7、14.36、17.09、23.14及び27.84°2θ±0.2°2θにピークを有するPXRDをさらなる特徴とすることができる。
【0062】
結晶性BPCA I型は、以下の:8.51、14.87、19.66、26.19及び32.66°2θ±0、2°2θにピークを有する粉末X線回折;図32に記載のPXRDパターン;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータを特徴とする。このBPCA結晶形は、12.35、16.80、17.53、21.97及び25.18°2θ±0.2°2θにピークを有するPXRDをさらなる特徴とすることができる。
【0063】
先のIII型はさらに、酢酸エチル中にエルトロンボパグを溶解し、そして冷却して、結晶性エルトロンボパグIII型を沈殿させるステップを含む方法によっても調製できる。典型的には、前記方法は、酢酸エチル中、エルトロンボパグの溶液を調製し、そして沈殿させて、III型を含んでなる懸濁液を得るステップを含む。前記のエルトロンボパグと酢酸エチルの溶液は、エルトロンボパグと酢酸エチルを組合せ、そしてその組合せ物を加熱することによって提供できる。前記組合せ物は、約57℃〜約77℃、約73℃〜約77℃、又は約77℃の温度まで加熱されることがある。溶液が形成された後、それは冷却されて、その中にエルトロンボパグIII型が沈殿している懸濁液を生じる。冷却は、約0℃〜約5℃、又は約0℃といった温度までである。
【0064】
先のエルトロンボパグIII型の調製方法は、得られたエルトロンボパグIII型の回収をさらに含む。前記回収方法は、例えば結晶形を濾過し、そして乾燥させるステップを含むこともできる。乾燥は、例えば室温など、例えば約22℃の温度にて、およそ一晩にわたって行われ得る。
【0065】
結晶性エルトロンボパグIII型は、他の形態のエルトロンボパグ及びエルトロンボパグ・エタノールアミン塩、特に、結晶性エルトロンボパグI型を調製するのに使用できる。特定の実施形態において、本発明は、結晶性BPCA I型と結晶性ピラゾールI型を反応させて結晶性エルトロンボパグIII型を得るステップによって結晶性エルトロンボパグIII型を調製し、そして氷酢酸中でエルトロンボパグIII型を結晶化するか又は懸濁するステップを含む方法によって、得られた結晶性エルトロンボパグIII型を結晶性エルトロンボパグI型に変換するステップを含む結晶性エルトロンボパグI型の調製方法を提供する。前記方法は、エルトロンボパグIII型を結晶性エルトロンボパグI型に変換する前に、前記反応から得られたエルトロンボパグIII型を酢酸エチル中で再結晶化するステップをさらに含む。
【0066】
さらに他の態様において、本発明は、以下の:5.5、9.6、14.5、16.5及び19.3°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図5に示したPXRDパターン;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータを特徴とする結晶性エルトロンボパグを包含する。この結晶形のエルトロンボパグは、本明細書中では、IV型と命名されている。
【0067】
前記のエルトロンボパグのIV型は、以下の:8.4、11.0、13.1、21.1及び22.0°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図6に示したDSCサーモグラム;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータをさらなる特徴とすることができる。
【0068】
先のIV型は、メタノールと水の混合物中に結晶性エルトロンボパグI型を懸濁するステップを含む方法によって調製できる。前記方法は、結晶性エルトロンボパグI型と、メタノールと水の混合物を組合せて、第1懸濁液を得るステップを含むことがある。前記混合物におけるメタノールと水の好適な比は、例えば1:3 V/Vであり得る。次いで、前記第1懸濁液は、IV型の回収ステップに先立ち、加熱されることで懸濁液を提供する。加熱温度の例は、約80℃であり得る。
【0069】
先のエルトロンボパグIV型の調製方法は、得られたエルトロンボパグIV型の回収をさらに含むことができる。前記回収方法は、例えば加熱した懸濁液を、例えばおよそ室温、例えば約22℃まで冷却し、結晶化形態を濾過し、例えばメタノールで洗浄し、そして乾燥させるステップを含むこともできる。乾燥は、約一晩といった期間の風乾であり得る。
【0070】
一実施形態において、本発明は、以下の:5.9、8.2、10.5及び12.5°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図7に示したPXRDパターン;142.0、131.6、114、9及び67.8±0.2ppmにピークを有する固相13C NMRスペクトル;図37に示した固相13C NMRスペクトル;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータを特徴とする結晶性エルトロンボパグを包含する。この結晶形のエルトロンボパグは、本明細書中では、V型と命名されている。
【0071】
先のV型のエルトロンボパグは、以下の:5.3、9.2、14.0、23.5及び25.0°2θ±0、2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図8に示したDSCサーモグラム;171.9、155.4、136.3及び121.3±0.2ppmにピークを有する固相13C NMRスペクトル;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータをさらなる特徴とすることができる。
【0072】
先の結晶性エルトロンボパグV型は、テトラヒドロフラン/水の溶媒和物である。
【0073】
結晶性エルトロンボパグV型には、化学的純度、流動性、溶解性、形態又は結晶性質、安定性‐例えば貯蔵安定性、脱水に対する安定性、多形性転換に対する安定性など、及び低い吸湿性のうちの少なくとも1から選択される有利な特性を有する。特に、本発明の結晶性エルトロンボパグV型は、有利な化学的純度を有し、且つ、それは、室温にて少なくとも10カ月間にわたって、80%の相対湿度(「RH」)の中で100%非吸湿性である。
【0074】
好ましくは、本発明の結晶性エルトロンボパグV型には、他のいかなる多形体形態も実質的に含まれていない。
【0075】
先のV型は、テトラヒドロフラン(「THF」)と水の混合物からエルトロンボパグを結晶化するステップを含む方法によって調製できる。典型的には、前記結晶化は、THF中のエルトロンボパグの溶液を準備し、そして水を加えて、V型を含んでなる懸濁液を得るステップを含む。エルトロンボパグとTHFの溶液は、エルトロンボパグとTHFを組合せることによって準備できる。溶解を助けるために、前記組合せ物を、例えば約60℃〜還流温度の温度に加熱してもよい。溶液が形成された後、水又は、例えば約1:1V/Vの比の、水とメタノールの混合物をその溶液に、例えば滴下様式で、加えることで、結晶性エルトロンボパグV型を含んでなる懸濁液を準備する。その後、沈殿したエルトロンボパグV型を回収することができる。その回収方法は、例えば結晶形を濾過し、洗浄し、そして乾燥させるステップを含むこともできる。洗浄は、水又水とTHFの混合物のいずれかで行われ得る。乾燥を、減圧下、例えば約5mBarの圧力にて、約50℃の温度にて、約1時間などの期間にわたって行われ得る。
【0076】
先のエルトロンボパグの方法は、結晶化前にエルトロンボパグの精製をさらに含むことができる。前記精製は、エルトロンボパグを懸濁し、そして氷酢酸から結晶化するステップを含む。典型的には、前記精製ステップが、結晶性エルトロンボパグI型をもたらす。
【0077】
一実施形態において、本発明は、以下の:5.9、8.8、10.3及び11.7°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図9に示したPXRDパターン;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータを特徴とする結晶性エルトロンボパグを包含する。この結晶形のエルトロンボパグはVI型と命名され得る。
【0078】
先のエルトロンボパグのVI型は、8.4、14.7、16.2、23.5及び24.8°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターンをさらなる特徴とすることができる。
【0079】
先のVI型は、結晶性エルトロンボパグV型を約115℃〜約125℃、約118°〜約122℃、又は約120℃の温度まで加熱するステップを含む方法によって調製できる。加熱は、1分あたり10℃の速度にて行われ得る。先の方法は、窒素下で行われ得る。加熱後に、サンプルは、例えば約10℃/分の冷却速度にて、例えば約20°の温度まで冷却される。
【0080】
一実施形態において、本発明は、以下の:7.6、9.4、15.0及び16.0°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図10に示したPXRDパターン;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータを特徴とする結晶性エルトロンボパグを包含する。この結晶形のエルトロンボパグは、本明細書中では、VII型と命名されている。
【0081】
先のエルトロンボパグのVII型は、約7.3、12.5、18.8、22.5及び26.0°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターンをさらなる特徴とすることができる。
【0082】
先のVII型は、結晶性エルトロンボパグV型を約200℃〜約220℃、約211℃〜約215℃、又は213℃の温度まで加熱するステップを含む方法によって調製できる。加熱は、1分あたり10℃の速度にて行われ得る。先の方法は、窒素下で行われ得る。加熱後に、サンプルは、約10℃/分の冷却速度にて、例えば約20℃の温度まで冷却される。
【0083】
一実施形態において、本発明は、以下の:9.0、13.2、16.0及び24.0°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図11に示したPXRDパターン;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータを特徴とする結晶性エルトロンボパグを包含する。この結晶形のエルトロンボパグは、本明細書中では、VIII型と命名されている。
【0084】
先のエルトロンボパグのVIII型は、以下の:5.3、11.0、17.0、19.1及び28.2°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図12に示したDSCサーモグラム;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータをさらなる特徴とすることができる。
【0085】
先のVIII型は、ジクロロメタンと水の混合物中に結晶性エルトロンボパグIV型を懸濁するステップを含む方法によって調製できる。前記方法は、結晶性エルトロンボパグIV型と、ジクロロメタンと水の混合物を組合せ、そして水を加えて、エルトロンボパグI型を得るステップを含む。前記方法は、結晶形を回収する前に、懸濁液を塩基性化し、次いで、酸性化するステップを含むこともできる。塩基性化は、懸濁液に塩基を加えることによって行われ得る。塩基の例は、アルカリ金属塩基などの無機塩基、例えば水酸化ナトリウムなどであり得る。酸性化は、塩基性化した懸濁液に酸を加えることによって行われ得る。好適な酸は、無機酸、例えば塩酸であり得る。
【0086】
その後、エルトロンボパグVIII型を回収することができる。その回収方法は、相を分離し、有機相からエルトロンボパグVIII型を濾過し、そして例えば減圧下で、乾燥させるステップを含むこともできる。乾燥は、約5mBarの圧力にて、例えば約50℃の温度にて、約1/2時間にわたって行われ得る。
【0087】
さらに他の態様において、本発明は、以下の:4.5、14.2、17.4及び18.0°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図13に示したPXRDパターン;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータを特徴とする結晶性エルトロンボパグを包含する。この結晶形のエルトロンボパグは、本明細書中では、IX型と命名されている。
【0088】
先のエルトロンボパグのIX型は、8.8、10.9、13.4及び26.7°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターンをさらなる特徴とすることができる。
【0089】
先のIX型は、THFからエルトロンボパグを結晶化するステップを含む方法によって調製できる。前記結晶化は、THF中のエルトロンボパグの溶液を準備し、そして結晶形を沈殿させるステップを含む。前記溶液は、エルトロンボパグとTHFを組合せ;そしてその組合せ物を、例えば溶液が形成される温度まで加熱することによって準備できる。沈殿は、溶液を冷却して、結晶形を含んでなる懸濁液を得ることによって達成できる。冷却温度は、室温、すなわち約22℃であり得る。その後、得られた結晶形が、懸濁液から回収され得る。前記回収は、結晶形を濾過し、そして回収した固形物を、例えばおよそ室温の温度にて維持するステップを含むことができる。
【0090】
一実施形態において、本発明は、以下の:6.9、13、8、20.4及び24.7°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図14に示したPXRDパターン;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータを特徴とする結晶性エルトロンボパグを包含する。この結晶形のエルトロンボパグは、本明細書中では、X型と命名されている。先のエルトロンボパグのX型は、8.2、13.2、16.3及び25.3°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターンをさらなる特徴とすることができる。
【0091】
先のX型は、DMSOからエルトロンボパグを結晶化するステップを含む方法によって調製できる。前記結晶化は、DMSO中のエルトロンボパグの溶液を準備し、そして結晶形を沈殿させるステップを含む。前記溶液は、エルトロンボパグとDMSOを組合せ;そしてその組合せ物を、例えば溶液が形成される温度まで加熱するによって準備できる。沈殿は、例えば溶液を冷却して、結晶形を含んでなる懸濁液を得ることによって達成できる。好適な冷却温度は、例えばおよそ室温の温度、すなわち約22℃である。その後、得られた結晶形が、前記懸濁液から回収され得る。前記回収は、結晶形を濾過し、そして回収した固形物を、例えばおよそ室温の温度に維持するステップを含むことができる。
【0092】
他の実施形態において、本発明は、以下の:3.5、10.5、14.0及び28.4°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図15に示したPXRDパターン;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータを特徴とする結晶性エルトロンボパグを包含する。この結晶形のエルトロンボパグは、本明細書中では、XI型と命名されている。先のエルトロンボパグのXI型は、4.1、8.1、12.1及び16.2°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターンをさらなる特徴とすることができる。
【0093】
先のXI型は、アセトンからエルトロンボパグを結晶化するステップを含む方法によって調製できる。前記結晶化は、アセトン中のエルトロンボパグの溶液を準備し、そして結晶形を沈殿させるステップを含む。前記溶液は、エルトロンボパグとアセトンを組合せ;そしてその組合せ物を、例えば溶液が形成される温度まで加熱することによって準備できる。沈殿は、例えば溶液を冷却して、結晶形を含んでなる懸濁液を得ることによって達成できる。好適な冷却温度は、例えばおよそ室温の温度、すなわち約22℃であり得る。その後、得られた結晶形、懸濁液から回収され得る。前記回収は、結晶形を濾過し、そして回収した固形物を維持するステップを含む。前記維持は、およそ室温にて行われ得る。
【0094】
さらに他の態様において、本発明は、以下の:4.6、7.6、8.9及び16.2°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図16に示したPXRDパターン;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータを特徴とする結晶性エルトロンボパグを包含する。この結晶形のエルトロンボパグは、本明細書中では、XII型と命名されている。先のエルトロンボパグのXII型は、10.4、13.3、14.1、15.1及び23.9°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターンをさらなる特徴とすることができる。
【0095】
先のXII型は、メトキシベンゼンからエルトロンボパグを結晶化するステップ含む方法によって調製できる。前記結晶化は、メトキシベンゼン中のエルトロンボパグの溶液を準備し、そして結晶形を沈殿させるステップを含む。前記溶液は、エルトロンボパグとメトキシベンゼンを組合せ;そしてその組合せ物を、例えば溶液が形成される温度まで加熱することによって準備できる。沈殿は、例えば溶液を冷却して、結晶形を含んでなる懸濁液を得ることによって達成できる。好適な冷却温度は、例えばおよそ室温の温度、約22℃である。その後、得られた結晶形が、懸濁液から回収され得る。前記回収は、結晶形を濾過し、そして回収した固形物を、例えば室温の温度にて維持するステップを含む。
【0096】
一実施形態において、本発明は、以下の:3.9、7.8、11.7及び12.4°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図17に示したPXRDパターン;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータを特徴とする結晶性エルトロンボパグを包含する。この結晶形のエルトロンボパグは、本明細書中では、XIII型と命名されている。先のエルトロンボパグのXIII型は、15.5、20.5、23.0及び25.0°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターンをさらなる特徴とすることができる。
【0097】
先のXIII型は、ジエチルエーテルからエルトロンボパグを結晶化するステップを含む方法によって調製できる。前記結晶化は、ジエチルエーテル中のエルトロンボパグの溶液を調製し、そして結晶形を沈殿させるステップを含む。前記溶液は、エルトロンボパグとジエチルエーテルを組合せ;そしてその組合せ物を、例えば溶液が形成される温度まで加熱することによって調製できる。沈殿は、例えば溶液を冷却して、結晶形を含んでなる懸濁液を得ることによって達成できる。好適な冷却温度は、例えばおよそ室温、約22℃である。その後、得られた結晶形が、懸濁液から回収され得る。前記回収は、結晶形を濾過し、そして回収した固形物を維持するステップを含むことができる。維持は、およそ室温にて行うことができる。
【0098】
他の実施形態において、本発明は、以下の:5.0、10.7、19.0及び21.4°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図18に示したPXRDパターン;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータを特徴とする結晶性エルトロンボパグを包含する。この結晶形のエルトロンボパグは、本明細書中では、XIV型と命名されている。先のエルトロンボパグのXIV型は、4.0、7.9、9.1及び15.1°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターンをさらなる特徴とすることができる。
【0099】
先のXIV型は、酢酸エチルからエルトロンボパグを結晶化するステップを含む方法によって調製できる。前記結晶化は、酢酸エチル中のエルトロンボパグの溶液を準備し、そして結晶形を沈殿させるステップを含む。前記溶液は、エルトロンボパグと酢酸エチルを組合せ;そしてその組合せ物を、例えば溶液が形成される温度まで加熱することによって準備できる。沈殿は、例えば溶液を冷却して、結晶形を含んでなる懸濁液を得ることによって達成できる。冷却温度は、およそ室温といった温度、例えば約22℃であり得る。その後、得られた結晶形が、懸濁液から回収され得る。前記回収は、結晶形を濾過し、そして回収した固形物を維持するステップを含む。前記維持は、およそ室温にて行われ得る。
【0100】
さらに他の態様において、本発明は、以下の:11.5、12.0、12.5及び20.9°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図19に示したPXRDパターン;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータを特徴とする結晶性エルトロンボパグを包含する。この結晶形のエルトロンボパグは、本明細書中では、XV型と命名されている。先のエルトロンボパグのXV型は、4.0、8.1、9.4、16.2及び27.8°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターンをさらなる特徴とすることができる。
【0101】
先のXV型は、結晶性エルトロンボパグX型を約155℃〜約163°、又は約160°の温度まで加熱するステップを含む方法によって調製できる。好適な加熱速度は、1分あたり約10℃の速度であり得る。加熱は、例えば窒素下で行われ得る。
【0102】
一実施形態において、本発明は、以下の:7.1、9.5、13.9、21.2及び25.5°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図20に示したPXRDパターン;168.7、156.7、127.6及び112.8±0.2ppmにピークを有する固相13C NMRスペクトル;図38に示した固相13C NMRスペクトル;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータを特徴とする結晶性エルトロンボパグを包含する。この結晶形のエルトロンボパグは、本明細書中では、XVI型と命名されている。
【0103】
先のエルトロンボパグのXVI型は、以下の:5.9、11.2、15.4、17.4及び26.2°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図21に示したDSCサーモグラム;146.4、140.7、136.3及び117.3±0.2ppmにピークを有する固相13C NMRスペクトル;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータをさらなる特徴とすることができる。
【0104】
先の結晶性エルトロンボパグXVI型は、一水和物形態である。
【0105】
結晶性エルトロンボパグXVI型には、以下の:化学的純度、流動性、溶解性、形態又は結晶性質、安定性、例えば貯蔵安定性、脱水に対する安定性、多形性転換に対する安定性など、低い吸湿性、低い残留溶媒含量のうちの少なくとも1つから選択される有利な特性を有する。特に、本発明の結晶性エルトロンボパグXVI型は、有利な化学的純度を有し、且つ、それは、室温にて少なくとも5カ月間にわたって80%の相対湿度(「RH」)の中で100%非吸湿性であり、且つ、それは、高度に結晶性であり、高い粉末流動性を有する。
【0106】
好ましくは、本発明の結晶性エルトロンボパグXVI型には、他のいかなる多形体形態も実質的に含まれていない。
【0107】
先のXVI型は、メタノール中で結晶性3’‐アミノ‐2’‐ヒドロキシビフェニル‐3‐カルボン酸(「BPCA」)II型と、結晶性1‐(3,4‐ジメチルフェニル)‐3‐メチル‐1H‐ピラゾール‐5‐オール(「ピラゾール」)II型とを反応させて、エルトロンボパグXVI型を得るステップを含む方法によって調製できる。BCPAII型は、例えばTopharman Shangai Co., Ltd、バッチ番号:090921BPCAから入手することができる。ピラゾールII型は、例えばTopharman Shangai Co., Ltd、バッチ番号:090805PYRAZOLから入手することができる。
【0108】
本発明の結晶性エルトロンボパグXVI型は、他の形態のエルトロンボパグ及びエルトロンボパグ・エタノールアミン塩、特に、結晶性エルトロンボパグI型を調製するのに使用できる。特定の実施形態において、本発明は、結晶性BPCA II型と結晶性ピラゾールII型を反応させて結晶性エルトロンボパグXVI型を得るステップによって結晶性エルトロンボパグXVI型を調製し、そして得られた結晶性エルトロンボパグXVI型を、氷酢酸中でエルトロンボパグXVI型を結晶化又は懸濁するステップを含む方法によって、結晶性エルトロンボパグI型に変換するステップを含む結晶性エルトロンボパグI型の調製方法を提供する。
【0109】
本発明には、エルトロンボパグ中間体1‐(3,4‐ジメチルフェニル)‐3‐メチル‐1H‐ピラゾール‐5‐オール(「ピラゾール」)及び3’‐アミノ‐2’‐ヒドロキシビフェニル‐3‐カルボン酸(「BPCA」)の結晶形を記載する。
【0110】
結晶性ピラゾールII型は、図33に示したPXRDパターンを特徴とする。
【0111】
結晶性BPCA II型は、図34に記載のPXRDパターンを特徴とする。
【0112】
本発明は、a)結晶性エルトロンボパグIII型又は結晶性エルトロンボパグXVI型を準備し;b)ステップ(a)で得た結晶性エルトロンボパグIII型又は結晶性エルトロンボパグXVI型を結晶性エルトロンボパグI型に変換し;c)ステップ(b)で得た結晶性エルトロンボパグI型を結晶性エルトロンボパグV型に変換し;そしてd)任意に、ステップ(c)で得た結晶性エルトロンボパグV型をエルトロンボパグ・エタノールアミン塩に変換するステップを含むエルトロンボパグとエルトロンボパグ・エタノールアミン塩の調製方法を提供する。この前述の方法に記載したステップのそれぞれは、記載した多形体のそれぞれについて先に記載の方法に従って行われ得る。
【0113】
先の方法は、HPLCによって計測した場合に、少なくとも99%、99.5%、99.9又は99.95%の高い化学的純度でエルトロンボパグ・エタノールアミン塩を提供する。
【0114】
先に記載のエルトロンボパグの多形体のそれぞれが、医薬製剤を調製するために使用できる。
【0115】
本発明では、先に記載したエルトロンボパグの多形体のうちのいずれか1つ又はそれらの組合せ物、及び少なくとも1つの医薬的に許容し得る賦形剤を含む医薬製剤を提供する。
【0116】
先に記載した結晶形のそれぞれはまた、エルトロンボパグの形態は、先のエルトロンボパグの多形体のうちのいずれか1つ又はそれらの組合せ物とエタノールアミンを反応させることによって、エルトロンボパグ・ビスエタノールアミン又はモノエタノールアミン塩を調製するのに使用されることもできる。
【0117】
エルトロンボパグ・エタノールアミン塩の調製方法は、先のエルトロンボパグの多形体のうちのいずれか1つ又はそれらの組合せ物を調製し、そしてそれらをエルトロンボパグ・ビスエタノールアミン又はモノエタノールアミン塩に変換するステップを含むことができる。
【0118】
一実施形態において、本発明は、非晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩を包含する。その非晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩は、図22に示したPXRDパターンを特徴とすることができる。その非晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩は、図23に示したDSCサーモグラムをさらなる特徴とすることができる。
【0119】
先の非晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩は、溶媒の不存在下でエルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩を粉砕するステップ、すなわち、乾式粉砕ステップ、を含む方法によって調製できる。
【0120】
他の実施形態において、本発明は、以下の:9.3、11.8、13.2及び17.7°2θ±0.2°2θのピークを有する粉末XRDパターン;図24に示したPXRDパターン;174.9、147.1、135.4及び58.7±0.2ppmにピークを有する固相13C NMRスペクトル;図39に示した固相13C NMRスペクトル;;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータを特徴とする結晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩を包含する。この結晶形のエルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩は、本明細書中では、II型と命名されている。
【0121】
先のエルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩のII型は、以下の:8.1、15.2、22.6及び26.1°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図25に示したDSCサーモグラム;156.7、130.4、126.4及び113.9±0.2ppmにピークを有する固相13C NMRスペクトル;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータをさらなる特徴とすることができる。
【0122】
結晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミンII型には、以下の:化学的純度、流動性、溶解性、形態又は結晶性質、安定性‐例えば貯蔵安定性、脱水に対する安定性、多形性転換に対する安定性など、低い吸湿性、低い残留溶媒含量のうちの少なくとも1つから選択される有利な特性を有する。特に、本発明の結晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミンII型には、有利な化学的純度を有し、且つ、それは、水中に高可溶性である。
【0123】
好ましい実施形態において、先のII型は多形的に純粋である。本明細書中で使用される場合、多形的に純粋なII型という用語は、エルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩II型を含有し、且つ、ビスエタノールアミンのI型と命名されている7.5、8.3、14.0及び23.0°2θ±0.2°2θにピークを有するPXRDパターンを特徴とするビスエタノールアミン塩のI型を約10重量%以下、5重量%以下、特に1重量%以下、好ましくは1重量%〜10重量%、1重量%〜5重量%、特に1重量%以下しか含有していない組成物に相当する。
【0124】
組成物中のエルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩のI型とII型の量は、PXRDによって計測できる。例えば、I型の量は、7.5、8.3及び14.0°2θ±0.2°2θのピークのうちのいずれか1つによって計測でき;そしてII型の量は、9.3、11.8及び13.2°2θ±0.2°2θのピークのうちのいずれか1つによって計測できる。
【0125】
先のエルトロンボパグのビスエタノールアミン塩のII型は、メチルtert‐ブチルエーテル(MTBE)の存在下で非晶性エルトロンボパグがビスエタノールアミン塩を粉砕するステップを含む方法によって調製できる。II型を得るためには、十分な量のMTBEが加えられなくてはならない。好ましくは、収率を最大にするためには、固形物をペーストに変えることなく、できるだけ多量のMTBEが加えなくてはならない。例えば、実施例25を参照のこと。
【0126】
一実施形態において、本発明は、以下の:4.1、6.5、15.2及び18.1°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図26に示したPXRDパターン;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータを特徴とする結晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩を包含する。この結晶形のエルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩は、本明細書中では、III型と命名されている。
【0127】
先のエルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩のIII型は、以下の:11.9、13.5、14.6及び17.7°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図27に示したDSCサーモグラム;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータをさらなる特徴とすることができる。
【0128】
先のエルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩のIII型は、クメン、すなわち、イソプロピルベンゼン中に非晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩をスラリー化するステップを含む方法によって調製できる。スラリー化は、およそ1日間にわたって行われ得る。その後、III型は、例えば乾燥させることによって、例えば風乾によってスラリーから回収できる。
【0129】
本発明では、以下の:7.5、8.3、14.0及び23.0°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図28に示したPXRDパターン;図40に示した固相13C NMRスペクトル;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータを特徴とする結晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩を記載している。この結晶形のエルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩は、本明細書中では、I型と命名されている。先のエルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩のI型は、5.7、11.4、17.2及び26.7°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターンをさらなる特徴とすることができる。
【0130】
より好ましい実施形態において、先のI型は、多形的に純粋である。本明細書中で使用される場合、多形的に純粋なI型という用語は、エルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩I型を含有し、且つ、II型のビスエタノールアミン塩と命名されている9.3、11.8、13.2及び17.7°2θ±0.2°2θにピークを有するPXRDパターンを特徴とするII型のビスエタノールアミン塩を約10重量%以下、5重量%以下、特に、1重量%以下しか含有していない組成物に相当する。
【0131】
組成物中のエルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩I型及びII型の量は、PXRDによって計測できる。例えば、I型の量は、7.5、8.3及び14.0°2θ±0.2°2θのピークのうちのいずれか1つによって計測でき;そしてII型の量は、9.3、11.8及び13.2°2θ±0.2°2θのピークのうちのいずれか1つによって計測できる。
【0132】
先のエルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩のI型は、以下の:エタノール、メタノール、テトラヒドロフラン(THF)、及びTHFと水の混合物から成る群から選択される溶媒中で、エルトロンボパグとエタノールアミンを反応させるステップを含む方法によって調製できる。その方法は、溶媒中でエルトロンボパグとエタノールアミンの反応混合物を準備し、そして結晶形を沈殿させるステップを含む。
【0133】
前記反応混合物は、エルトロンボパグ又は溶媒中のエルトロンボパグの懸濁液と、エタノールアミン又は溶媒中のエタノールアミンの溶液を組合せることによって準備できるが、ここで、前記のエルトロンボパグ及びエタノールアミンの溶媒は、同じであっても異なっていてもよい。エルトロンボパグの懸濁液とエタノールアミンの溶液は、組合せステップ前に、例えば還流温度などの温度まで加熱されることもある。例えばエルトロンボパグ及びエタノールアミンの溶媒としてエタノールやメタノールを使用する場合、エルトロンボパグの懸濁液及びエタノールアミンの溶液は加熱され、そしてTHF又はTHFと水の混合物を使用する場合、組合せステップは、およそ室温の温度にて、すなわち、エルトロンボパグの懸濁液及びエタノールアミンの溶液は加熱されることなく行われる。
【0134】
反応混合物を準備した後、それは、例えば組合せステップと同じ温度にて、約30分間〜約45分間にわたりさらに維持され得る。沈殿は、例えば反応混合物を冷却して結晶形を含んでなる懸濁液を得ることによって達成される。温度には冷却は、およそ室温〜約0℃の範囲まで、約0.5時間〜約19時間にわたり行われ得る。例えば、エタノールを使用している場合、冷却は約1.5時間〜約2時間にわたり行われ、そしてメタノールを使用している場合、冷却は約0.5時間〜約19時間にわたり行われる。その後、エルトロンボパグ・ビスエタノールアミンI型が、回収され得る。
【0135】
前記回収は、例えば得られた固形物を懸濁液から濾過し、洗浄し、そして乾燥させるステップを含むことができる。洗浄は、エルトロンボパグの懸濁液又はエタノールアミンの溶液で使用した溶媒を用いて行われ得る。乾燥は、減圧下、例えば約5mBarなどの圧力にて行われ得る。乾燥は、約20℃〜約50℃の温度にて、例えば約1.5時間〜約18時間にわたり行われ得る。任意には、前記乾燥は、2ステップ、例えば約20℃の温度にて乾燥させ、次いで、約50℃の温度にてさらに乾燥させるステップを含むことができる。メタノールからエルトロンボパグ・ビスエタノールアミンI型を結晶化する方法は、それが形成された反応混合物からエルトロンボパグを回収することなく、エルトロンボパグの合成に続けて行われ得る。
【0136】
前記合成は、例えば、塩酸、メタノール、2’,3’‐ジヒドロキシビフェニル‐3‐カルボン酸(BPCA)及び亜硝酸ナトリウムを組合せて第1の溶液を得、スルファミン酸を加えて反応混合物を得、そしてさらにピラゾールを加えて溶液を得るステップを含む方法によって行われ得る。スルファミン酸の添加前、前記第1の溶液は、例えば約5℃〜約0℃の温度にて維持され得る。前記スルファミン酸は、それが前記第1の溶液に添加される前に、水中に溶解され得る。スルファミン酸添加後、得られた反応混合物は、例えば撹拌しながら、約5℃〜約25℃の温度にて、約45分間にわたり維持され得る。次いで、1‐(3,4‐ジメチルフェニル)‐3‐メチル‐1H‐ピラゾール‐5‐オール(「ピラゾール」)が反応混合物に追加され、そして溶液が形成される。その溶液は、例えば撹拌しながら、およそ室温の温度にて約10分間〜約15分間にわたり維持され得る。
【0137】
次いで、エルトロンボパグを含む溶液は、エルトロンボパグ・ビスエタノールアミンI型を調製するために使用できる。その方法は、前記溶液とエタノールアミンを組合せて、結晶形がそこから沈殿する懸濁液を得るステップを含む。その懸濁液は、例えば撹拌してから、約45分間にわたり維持され得る。その後、エルトロンボパグ・ビスエタノールアミンI型は、例えば得られた固形を前記懸濁液から濾過することによって回収され得る。
【0138】
本発明はさらに、約0.5重量%(5000ppm)未満、0.25重量%(2500ppm)未満、又は約0.24重量%(2400ppm)未満の低いエタノール含量しかない結晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミンI型を包含する。
【0139】
低いエタノール含量を有する結晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミンI型は、以下の:a)エタノール中のエタノールアミンの混合物に準備し;b)その混合物を約65℃〜還流温度の温度まで加熱し;c)固形のエルトロンボパグをその混合物に加え;d)還流温度まで加熱し;そして任意に、e)結晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミンI型を回収するステップを含む方法によって調製できる。
【0140】
本発明はさらに、結晶性エルトロンボパグ・モノエタノールアミン塩も提供する。エルトロンボパグ・モノエタノールアミン塩は、以下の化学構造:
【化5】
によって示されることができる。
【0141】
一実施形態において、本発明は、以下の:4.9、6.9、15.1及び23.0°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図29に示したPXRDパターン;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータを特徴とする結晶性エルトロンボパグ・モノエタノールアミン塩を包含する。この結晶形のエルトロンボパグ・モノエタノールアミン塩は、本明細書中では、H型と命名されている。先のH型のエルトロンボパグ・モノエタノールアミン塩は、9.9、12.7、24.0及び27.1°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターンをさらなる特徴とすることができる。
【0142】
先のH型は、1‐ブタノール又は1‐ペンタノールから成る群から選択される溶媒からエルトロンボパグ・モノエタノールアミンを結晶化するステップを含む方法によって調製できる。前記結晶化は、1‐ブタノール又は1‐ペンタノールのいずれかの中でエルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩の溶液を準備し、そして結晶形を沈殿させるステップを含む。その溶液は、エルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩と1‐ブタノール又は1‐ペンタノールを組合せ;そしてその組合せ物を約40℃〜還流温度など、若しくは70℃の温度まで加熱することによって準備できる。沈殿は、例えば前記溶液を冷却して、結晶形を含んでなる懸濁液を得ることによって達成できる。好適な冷却温度は、例えばおよそ室温の温度、すなわち約22℃である。その後、得られた結晶形が、懸濁液から回収され得る。前記回収は、例えば結晶形を濾過し、そして分離した固形物を、例えば室温の温度にて維持するステップを含む。
【0143】
他の実施形態において、本発明は、以下の:10.5、13.4、19.5及び21.7°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図30に示したPXRDパターン;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータを特徴とする結晶性エルトロンボパグ・モノエタノールアミン塩を包含する。この結晶形のエルトロンボパグ・モノエタノールアミン塩は、本明細書中では、E型と命名されている。先のエルトロンボパグ・モノエタノールアミン塩のE型は、8.3、14.1、18.3、25.5及び26.4°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターンをさらなる特徴とすることができる。
【0144】
先の結晶性エルトロンボパグ・モノエタノールアミンE型は、非晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミンを乾燥させるステップを含む方法によって調製できる。前記乾燥方法は、非晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミンを2,2,2‐トリフルオロエタノールに晒し、さらに空気に晒すステップを含む。非晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミン、を2,2,2‐トリフルオロエタノールに晒すステップは、約7日間にわたり行われ得る。空気に非晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミンを晒すステップは、例えば約24時間にわたり、約25℃の温度にて行われる。
【0145】
先に記載した結晶形のエルトロンボパグ・モノエタノールアミン及びエルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩は、当該技術分野で知られているいずれかの方法によって、医薬製剤を調製するのに使用できる。
【0146】
本発明は、先に記載したエルトロンボパグ・ビスエタノールアミンの多形体及びエルトロンボパグ・モノエタノールアミン塩のうちのいずれか1つ、又はそれらの組合せ物、並びに少なくとも1つの医薬的に許容し得る賦形剤を含んでなる医薬製剤を提供する。
A.PXRD法
【0147】
サンプルを、乳鉢と乳棒で粉末化した後、シリコン・プレート・ホルダー上に直接付ける。粉末X線回折パターンを、Cu照射源=1.54184Å(オングストローム)、X’Celerator(2.022°2θ)検出装置を備えたPhilips X’Pert PRO X-ray powder diffractometerを用いて計測した。スキャン条件:角度範囲:3〜40度、ステップサイズ0.0167、1ステップあたりの時間50秒又は100秒、連続走査。ピーク位置の精度は、機器及びサンプル調製のような実験的差異のため±0.2度と規定した。スキャン条件は、以下のとおりであった:
【0148】
【表1】
【0149】
B.DSC法
DSC分析を、50ml/分の窒素流下、10℃/分の加熱速度を用いてQ 1000 MDSC(TA instruments)により実施した。標準的なアルミニウム製の(くぼみのある)密封型パンを使用し、サンプル質量は約1〜5mgであった。
C.GC法
(i)機材
【0150】
装置:オートサンプラー、スプリット/スプリットレス・インジェクター及び炎イオン化検出器を備えたキャピラリーガスクロマトグラフィー機器
キャピラリーカラム:DB-WAX(USP G14)、30m×0.53mm、1μm又は実証済みの同等物
好適なデータ収集システム
分析用はかり0.01mg
(ii)試薬と標準物質
【0151】
全ての試薬と標準物質は、クロマトグラフィー・グレードである。クロマトグラフィー・グレードが入手できない場合には、A.C.S.グレード又は入手可能ないずれかの好適なグレードを使用することもできる。
ジメチルスルホキシド(DMSO)、p.a.
テトラヒドロフラン、p.a.
メタノール、p.a.
エタノール、p.a.
酢酸、p.a.
GC条件
カラム温度:
50℃の等温、5分間
20℃/分にて50℃→230℃
230℃の等温、40分間
インジェクター温度:250℃
検出装置温度:280℃
検出装置:FID
キャリア:4mL/分のHe(又はN2)(約10psiの定圧)
分割比:2:1
(iii)溶液の調製:
【0152】
ブランク溶液(B):バイアル内にDMSOを入れる。
作業用標準溶液(WS):10mLのメスフラスコ内にDMSOの一部を入れる。0.01mgの精度を有するはかりにより、メスフラスコ内の約150mg(190μL)のメタノール、約36mg(41μL)のテトラフラン標準、約250mg(316μL)のエタノール標準、及び約250mg(316μL)の酢酸標準を秤量した。DMSOを用いて体積に対して希釈し、そして十分に混合する。
標準溶液(STD):100mLのメスフラスコ内にDMSOの一部を入れる。先に調製した作業用標準溶液(WS)1.0mLをピペットで計り取り、体積に対して希釈し、そして十分に混合する。標準溶液(STD)をバイアル内にピペットで計り取る。
試験溶液(T):0.01mgの精度を有するはかりにより、5mLのメスフラスコ内に約250mgのサンプルを計り取り、そして体積に対して希釈する。溶液をバイアル内にピペットで計り取る。
D.固相13C NMR法
【0153】
Bruker Avance II+ 500を使用した125MHzの13C NMR。
4mmローターを使用したSBプローブ。
KBrを使用してマジック角を設定した。
磁場の均一性をアダマンタンを使用して確認した。
交差分極に関するパラメーターをグリシンを使用することで最適化した。
波長別基準を外部標準のグリシンに従って設定した(低磁場カルボキシル・シグナルに関して176.03ppm)。
【実施例】
【0154】
実施例1:未精製エルトロンボパグの調製
3’‐アミノ‐2’‐ヒドロキシビフェニル‐3‐カルボン酸(「BPCA」)I型(90g、392.6mmol)を、室温にて撹拌しながら、3Lの反応器内のtech.メタノール(1.8L)と4Mの塩酸(0.245L、981.5mmol)の溶媒混合物にゆっくり加えた。得られた赤色の溶液を30分間撹拌した。次いで、その溶液を0〜5℃に冷却し、そして90mLの水中の亜硝酸ナトリウム(27g、391.3mmol)の冷たい溶液を、反応混合物温度が10℃より高く上昇しないように、20分間にわたって加えた。反応混合物を、5〜10℃にて1時間撹拌した。90mLの水中のスルファミン酸(4g、41.2mmol)を5℃にて加え、そして得られた混合物を同じ温度にてさらに1時間撹拌した。反応混合物を室温に暖め、トリエチルアミン(約104mL)を加えて、pH7〜8に調整した。1‐(3,4‐ジメチルフェニル)‐3‐メチル‐1H‐ピラゾール‐5‐オール(「ピラゾール」)I型(72g、357.8mmol)を、前記反応混合物に一度に加え、そして得られた混合物を室温にてさらに2時間撹拌した。塩酸(4M、約140mL)を、撹拌しながら20分間にわたってゆっくり加えて、pHを1.8に調整した。固形物を沈殿させ、そして濾過によって回収し、MeOH:水(1:1、100mL)混合物で洗浄し、減圧下、40℃/0barにて約18時間乾燥させ、151gのI型の未精製(XRPD:わずかなパーセンテージ(10%未満)のIII型)のオレンジ〜褐色の結晶のエルトロンボパグ未精製物を得た(HPLC:98.5%、収率=95.4%)。
実施例2:結晶性エルトロンボパグI型の調製
【0155】
エルトロンボパグI型とIII型の混合物(500mg)を、アセトン(30mL)中に懸濁し、そして57℃に暖めた。水(10mL)を加え、そして得られた懸濁液を22℃の温度に達するまで冷却したままにした。沈殿物を、濾過し、そして50℃/5mbarにて1時間乾燥させて、314mgを得た。
実施例3:結晶性エルトロンボパグI型の調製
【0156】
エルトロンボパグI型とIII型の混合物(230mg)を、加熱しながら、25mLの氷酢酸(99.5%)中に溶解した。次いで、熱い溶液を、濾過し、氷浴中で冷却しながら結晶化させておいた。得られた生成物を濾過によって回収し、そして減圧下で35℃にて乾燥させた。139mgの明るいオレンジ色の生成物を得た。
実施例4:結晶性エルトロンボパグI型の調製
【0157】
エルトロンボパグIII型(96mg)を、氷酢酸の沸点(118℃)まで加熱しながら、10mLの氷酢酸(99.5%)中に溶解した。次いで、その熱い溶液を、濾過し、室温(23℃)に冷ましながら結晶化させておく。得られた生成物を、濾過によって回収し、そして減圧下で35℃で乾燥させた。40mgの明るいオレンジ色の生成物を得た。
実施例5:化学的に純粋な結晶性エルトロンボパグI型の調製
【0158】
エルトロンボパグIII型(24.42g、HPLC純度:98%)を、1Lの反応器内で470mlの氷酢酸(>99.5%)中に懸濁した。その懸濁液を、還流温度下で5時間撹拌し、次いで、40℃に冷却し、そして同じ温度にて1時間撹拌した。結晶が形成されるので、それを、濾別し、100mLのメタノール:水(1:1)で洗浄し、そして60℃/0mbarにて12時間乾燥させ、20.49gのオレンジ色の固形物のエルトロンボパグI型(収率=88%;HPLC純度:99.94%)を得た。
実施例6:化学的に純粋な結晶性エルトロンボパグI型の調製‐大規模
【0159】
未精製のエルトロンボパグ(151g、HPLC純度:98.5%)を、3Lの反応器内で2.9Lの氷酢酸中に懸濁した。その懸濁液を、還流温度下で5時間撹拌し、そして40℃に冷却した。結晶が形成されるので、それを、濾別し、そして200mLのメタノール:水(1:1)で洗浄し、そして60℃/0mbarにて一晩乾燥させ、133gのオレンジ色の固形物の純粋な3’‐{N’‐[1‐(3,4‐ジメチルフェニル)‐3‐メチル‐5‐オキソ‐1,5‐ジヒドロ‐ピラゾール‐4‐イリデン]ヒドラジノ}‐2’‐ヒドロキシビフェニル‐3‐カルボン酸(HPLC:99.8%;XRPD:I型)(収率=88%)。PXRD分析は、図1に示した回折図を提供した。DSC分析は、図2に示した示差熱図を提供した。
実施例7:結晶性エルトロンボパグIII型の調製
【0160】
エルトロンボパグ(210mg)を、還流温度(77℃)にて加熱しながら、15mLのEtOAc中に溶解した。次いで、その熱い溶液を濾過し、氷浴(0〜5℃)中で冷却しながら、結晶化させておいた。得られた生成物を、濾過によって回収し、そして22℃にて一晩乾燥させた。82mgの明るいオレンジ色の生成物を得た。PXRD分析は、図3に示した回折図を提供した。DSC分析は、図4に示した示差熱図を提供した。
実施例8:結晶性エルトロンボパグIV型の調製
【0161】
エルトロンボパグ(500mg)I型を、MeOH/水混合物1:3(40mL)中に懸濁し、そして80℃まで加熱した。その懸濁液を、22℃に冷却しておいた。沈殿物を、濾過し、MeOHで洗浄し、そして大気中で一晩風乾して、321mgを得た。PXRD分析は、図5に示した回折図を提供した。
実施例9:結晶性エルトロンボパグV型の調製
【0162】
エルトロンボパグI型とIII型(500mg)の混合物を、THF(10mL)中に溶解し、そして水/MeOH(1:1、10mL)の混合物を滴下して加えた。その沈殿物を、濾過し、そして50℃/5mbarにて2時間乾燥させて、340mgを得た。
実施例10:結晶性エルトロンボパグV型の調製
【0163】
エルトロンボパグI型とIII型(500mg)の混合物を、THF(10mL)中に溶解し、そして水(10mL)を滴下して加えた。その溶液を、1時間撹拌し、その間に沈殿を形成させた。沈殿物を、濾過し、THF/水(1:1、10mL)で洗浄し、そして50℃/5mbarにて2時間乾燥させて、423mgを得た。
実施例11:結晶性エルトロンボパグV型の調製
【0164】
エルトロンボパグ(8.65g)を、還流温度に加熱しながらTHF(50mL)中に溶解した。水(50mL)を滴下して加え、そして溶液を、22℃にて1時間撹拌し、その間に沈殿を形成させた。沈殿物を、濾過し、水で洗浄し、そして50℃/5mbarにて2時間乾燥させて、7.70gを得た。PXRD分析は、図7に示した回折図を提供した。DSC分析は、図8に示した示差熱図を提供した。
実施例12:結晶性エルトロンボパグV型の調製
【0165】
エルトロンボパグVIII型(1.092g)を、60℃に加熱しながら、6.4mLのTHF中に溶解した。透明な溶液を得たら、6.4mlのH2Oを加え、そして反応混合物を22℃にて1時間撹拌した。固形物を、沈殿させ、そしてそれを濾過し、H2Oで洗浄し、そして減圧下で50℃にて1時間乾燥させた。1.023gの明るいオレンジ色の生成物を得た。
実施例13:結晶性エルトロンボパグVI型の調製
【0166】
エルトロンボパグV型(2mg)を、35ml/分の流量の窒素流入下、リッド上に小さなくぼみのあるアルミニウム製サンプルパンの中に入れた。サンプルを、20℃にて平衡化し、1分あたり10℃の加熱速度で120℃に至るまで加熱した。そのサンプルを、10℃/分の速度で20℃に至るまで冷却した。調製したサンプルを、XRPDによって計測し、そして特徴的なパターンを得た。PXRD分析は、図9に示した回折図を提供した。
実施例14:結晶性エルトロンボパグVII型の調製
【0167】
エルトロンボパグV型(2mg)を、35ml/分の流量の窒素流入下、リッド上に小さなくぼみのあるアルミニウム製サンプルパンの中に入れた。サンプルを、20℃にて平衡化し、そして1分あたり10℃の加熱速度で213℃に至るまで加熱した。DSCをインジウムによって較正した。サンプルを、10℃/分の速度で20℃に至るまで冷却した。調製したサンプルをXRPDによって計測し、そして特徴的なパターンを得た。PXRD分析は、図10に示した回折図を提供した。
実施例15:結晶性エルトロンボパグVIII型の調製
【0168】
エルトロンボパグIV型(500mg)を、ジクロロメタン(10mL)及び水(5mL)中に懸濁した。その懸濁液を、NaOH、1M(2.5mL)で塩基性化し、次いで、HCl、1M(2.5mL)で酸性化した。固形物を濾過し、そして真空オーブン内で50℃/5mbarにて1/2時間乾燥させた。PXRD分析は、図11に示した回折図を提供した。DSC分析は、図12に示した示差熱図を提供した。
実施例16:US 2006/0178518A1、実施例1によるエルトロンボパグ・エタノールアミンの調製
【0169】
エルトロンボパグの未精製のオレンジ色の固形物(1g)を、約30℃にて16.75mlのTHF中で撹拌した。水(2.0ml)を、28℃より高い温度を維持するようにゆっくり加えた。添加が完了したら、温度を30℃に戻し、そしてその溶液を、グラスファイバーパッド(2×Whatman GFCフィルター)を通して濾過して、粒状物質を取り除いた。フィルターをTHF(2、0ml)で洗い流し、それも濾液に加えた。濾液を、室温まで冷ました。エタノールアミン(0.324g2.35mol当量)を、22℃にてIMS(26ml)中に溶解し、そして窒素雰囲気下で22℃にて撹拌した。遊離酸を含む濾液を、20〜30分間かけてエタノールアミン溶液に加えた。得られた暗赤色の懸濁液を、3時間撹拌し、そして固形物を、濾過によって分離し、そして真空オーブン内で50℃にて一晩乾燥させて、1.22g(96%)の表題化合物を得た。
実施例17:結晶性エルトロンボパグIX型の調製
【0170】
エルトロンボパグI型(15〜20mg)を、加熱しながらTHF(2mL)中に溶解し、そして22℃にて静置した。得られた結晶を、XRD散剤分析によって分析した。PXRD分析は、図13に示した回折図を提供した。
実施例18:結晶性エルトロンボパグX型の調製
【0171】
エルトロンボパグI型(15〜20mg)を、加熱しながらDMSO(2mL)中に溶解し、そして22℃にて静置した。得られた結晶を、粉末XRD分析によって分析した。PXRD分析は、図14に示した回折図を提供した。
実施例19:結晶性エルトロンボパグXI型の調製
【0172】
エルトロンボパグI型(15〜20mg)を、加熱しながらアセトン(6mL)中に溶解し、濾過し、そして22℃にて静置した。得られた結晶を、粉末XRDによって分析した。PXRD分析は、図15に示した回折図を提供した。
実施例20:結晶性エルトロンボパグXII型の調製
【0173】
エルトロンボパグI型(15〜20mg)を、加熱しながらメトキシベンゼン(アニソール)(6mL)中に溶解した。溶液を22℃にて静置した。得られた結晶を、粉末XRDによって分析した。PXRD分析は、図16に示した回折図を提供した。
実施例21:結晶性エルトロンボパグXIII型の調製
【0174】
エルトロンボパグI型(15〜20mg)を、加熱しながらジエチルエーテル(6mL)中に溶解し、濾過し、そして22℃にて静置した。得られた結晶を、粉末XRDによって分析した。PXRD分析は、図17に示した回折図を提供した。
実施例22:結晶性エルトロンボパグXIV型の調製
【0175】
エルトロンボパグI型(15〜20mg)を、加熱しながら酢酸エチル(6mL)中に溶解し、濾過し、そして22℃にて静置した。得られた結晶を、粉末XRDによって分析した。PXRD分析は、図18に示した回折図を提供した。
実施例23:結晶性エルトロンボパグXV型の調製
【0176】
エルトロンボパグX型(2mg)を、DSC内に置き、そしてN2下で160℃の温度まで加熱した。調製したサンプルを、XRPDによって計測した。PXRD分析は、図19に示した回折図を提供した。
実施例24:非晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩の調製
【0177】
約0.1gのエルトロンボパグ・ビスエタノールアミンを、Fritsch Pulverisette7、ボール・ミルにより粉砕した。サンプルを、650rpmの速度率で、7個のメノウボール(直径10mm)の入った12mLのメノウコンテナ内で粉砕した。1時間、2時間及び3時間の乾性粉砕後に非晶性サンプルを得た。XRPD及びDSCを、図22及び図23に示す。
実施例25:結晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩II型の調製
【0178】
約0.1gの非晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミンを、Fritsch Pulverisette7、ボール・ミルにより追加の0.5mlのメチルtert‐ブチルエーテルと共に粉砕した。サンプルを、700rpmの速度率で6個のメノウボール(直径10mm)の入った12mLのメノウコンテナ内で粉砕した。結晶サンプルを、1時間の粉砕後に得た。実験を続ける中で、材料の結晶性を上げるために1時間の粉砕後、そしてさらに2時間の粉砕後に、追加の0.5mlのメチルtert‐ブチルエーテルを、同じコンテナ内に加えた。3時間の粉砕後に得たサンプルのXRPD及びDSC測定の未加工データを、それぞれ図24及び図25に示す。
実施例26:結晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩III型の調製
【0179】
約0.2gの非晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミンを、約1日間、約3mlのクメン溶媒と共にスラリー化した。得られた赤色の懸濁液を、空気中で約25℃の周囲温度にて乾燥させた。得られたサンプルのXRPD及びDSC測定の未加工データを、それぞれ図24及び図25に示す。
実施例27:結晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩I型の調製
【0180】
エルトロンボパグ(2.48g)を、50mlのエタノール中に懸濁した。反応混合物を還流し、そして3.4mlのエタノールアミンを、滴下してその懸濁液に加えた。混合物を45分間還流し、そして1.5時間かけて0℃まで冷却した。得られた結晶を濾別した。2.9gの紫色の結晶を得た。収率91.0%。
実施例28:結晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩I型の調製
【0181】
エタノールアミン(3.1ml)を、55mlの無水エタノールに加え、そして還流した。2.27gのエルトロンボパグを分割して10分間かけて加えた。得られた混合物を、30分間還流し、そしてその後、1.5時間かけて0℃まで冷却した。得られた懸濁液を、20℃にて一晩撹拌した。結晶を、形成させ、そして濾別した。2.75gの紫色の結晶を得た。収率94.8%。
実施例29:結晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩I型の調製
【0182】
メタノールHCl酸(22ml、1.25M)、50mlのメタノール及び2.5gのBPCA(2’,3’‐ジヒドロキシビフェニル‐3‐カルボン酸)を、撹拌し、そして0〜5℃まで冷却し、その時点で(3mlの水中に溶解した)0.770gのNaNO2を滴下して加えた。得られた溶液を、0〜5℃にて30分間撹拌し、そしてその後、2mlの濃HCl酸を滴下して加えた。(3mlの水中に溶解した)40mgのスルファミン酸の添加に続いて、得られた溶液を0〜5℃にて30分間撹拌した。2.2gの1‐(3,4‐ジメチルフェニル)‐3‐メチル‐1,2‐ジヒドロピラゾール‐5‐オンの添加に続いて、得られた反応混合物を5〜25℃にて45分間撹拌した。得られた溶液を、室温にて10〜15分間撹拌し、そして4mlのエタノールアミンを加えた。濾過に続いて、得られた懸濁液を45分間撹拌した。4.56gの紫色の粉末を得た。収率74.15%。
実施例30:結晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩I型の調製
【0183】
エルトロンボパグ(1.0g;2.26mmol)を、室温にてTHF(17mL)中に溶解した。水(2mL)と追加のTHF(2mL)を加え、そしてその溶液を濾過した。エタノールアミン(0.32mL;5、31mmol)をエタノール、p.a.(26mL)中に溶解し、そしてN2雰囲気下で撹拌した。エルトロンボパグ溶液を、滴下して25〜30分間かけてエタノールアミン/エタノール混合物に加えた。得られた反応混合物を、N2雰囲気下で3時間撹拌した。沈殿物を、濾過し、そして50℃/5mbarにて3時間乾燥させて、1.01g(79%)のこげ茶色の固形物を得た。
実施例31:結晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩I型の調製
【0184】
エルトロンボパグ(1.0g;2.26mmol)を、N2雰囲気下で室温にて撹拌しながらTHF(30mL)中に溶解した。エタノールアミン(1.4mL;23mmol)をTHF溶液に加え、そして得られた反応混合物をN2雰囲気下で1.5h時間撹拌した。沈殿物を形成させ、そして濾過し、THF(2×2mL)で洗浄し、そして50℃/5mbarにて3時間乾燥させて、1.20g(94%)の紫色がかった茶色の固形物を得た。
実施例32:結晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩I型の調製
【0185】
エルトロンボパグ(9g;20mmol)を、RTにてN2雰囲気下で撹拌しながらTHF(270mL)中に溶解した。エタノールアミン(3.0mL;50mmol)をTHF溶液に加え、そして得られた反応混合物をN2雰囲気下で1.5時間撹拌した。沈殿物を形成させ、そして濾過し、THFで洗浄し、そして20℃/5mbarにて3時間及び50℃/5mbarにて18時間乾燥させて、10.0g(89%)の紫色がかった茶色の固形物を得た。
実施例33:結晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩I型の調製
【0186】
エルトロンボパグ(1.67g;3.78mmol)をTHF(30mL)中に溶解し、そしてその溶液を濾過した。エタノールアミン(2.28mL;37.8mmol)をエタノール、p.a.(50mL)中に溶解し、そして還流温度に加熱した。エタノールが蒸留し始めると、THF溶液を、エタノールアミン溶液に添加漏斗によって20分間かけて滴下して加えた。添加物をTHF(2×1.7mL)でさらに洗浄した。得られた反応混合物をN2雰囲気下で0.5時間還流した。加熱を中止し、そして撹拌を5時間続けた。沈殿物を形成させ、そして濾過し、EtOH(2×4mL)で洗浄し、そして22℃/5mbarにて18時間及び50℃/5mbarにて2時間乾燥させて、1.4g(66%)のコハク色の固形物を得た。
実施例34:結晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩I型の調製
【0187】
エルトロンボパグIII型(1.0g;2.26mmol)を、MeOH(20mL)中に懸濁し、そして還流温度に加熱した。エタノールアミン(1.36mL;22.6mmol)を得られた懸濁液に加え、そして得られた反応混合物を還流温度にて0.5時間撹拌した。加熱を中止し、そして反応混合物を25℃にて2時間撹拌した。その懸濁液を、0℃に冷却し、そして0.5時間撹拌した。沈殿物を、濾過し、冷MeOH(2×5mL)で洗浄し、そして50℃/5mbarにて15時間乾燥させて、1.06g(83%)の紫色の結晶を得た。
実施例35:結晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩I型の調製
【0188】
エルトロンボパグI型(5.7g;12.9mmol)をMeOH(114mL)中に懸濁し、そして還流温度に加熱した。エタノールアミン(7.8mL;129mmol)をMeOH(28.5mL)中に溶解し、そしてエルトロンボパグ懸濁液に5分間かけて滴下して加えた。得られた反応混合物を、還流温度にて0.5時間、そして室温にて19時間撹拌した。沈殿物を、濾過し、MeOH(100mL)で洗浄し、そして50℃/5mbarにて2時間乾燥させて、5.39g(74%)の紫色の結晶を得た。
実施例36:結晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩I型の調製
【0189】
エルトロンボパグI型V型の混合物(3.5g;7.92mmol)を、EtOH(70mL)中に懸濁し、そして還流温度に加熱した。エタノールアミン(4.8mL;79、6mmol)を、EtOH(17.5mL)中に溶解し、そして前記エルトロンボパグ懸濁液に15分間かけて滴下して加えた。得られた反応混合物を、還流温度にて0.5時間撹拌し、1.5時間のうちに0℃に冷却し、そしてさらに0.5時間撹拌した。沈殿物を、濾過し、EtOH(3×10mL)で洗浄し、そして50℃/5mbarにて1.5時間乾燥させて、3.71g(83%)の紫色の結晶を得た。
実施例37:結晶性エルトロンボパグ・モノエタノールアミン塩H型の調製
【0190】
エルトロンボパグ・ビスエタノールアミン(15〜20mg)を、70℃に加熱しながら5mLの1‐ブタノール中に溶解し、そして22℃にて結晶化させておく。沈殿を分析した。
実施例38:結晶性エルトロンボパグ・モノエタノールアミン塩H型の調製
【0191】
エルトロンボパグ(15〜20mg)ビスエタノールアミンを、70℃に加熱しながら5mLの1‐ペンタノール中に溶解し、次いで、22℃にて結晶化させておく。沈殿物を、形成させ、そして濾過によって分離し、そして分析した。PXRD分析は、図29に示した回折図を提供した。
実施例39:結晶性エルトロンボパグ・モノエタノールアミン塩E型の調製
【0192】
非晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミン(0.5g)を、2,2,2‐トリフルオロエタノール雰囲気の入ったデシケータ内に入れた。7日後に、黄色〜オレンジ色のサンプルを、前記デシケータから取り出し、そして約25℃の温度にて約24時間風乾した。PXRD分析は、図30に示した回折図を提供した。
実施例40:エルトロンボパグ・ビスエタノールアミンI型との混合物の状態の結晶性II型のエルトロンボパグ・ビスエタノールアミンの調製
【0193】
エタノールアミン(1.0mL;16.6mmol)を、室温にて酢酸n‐プロピル中に溶解した。エルトロンボパグ(1.5g;3.39mmol)を、室温にてTHF(20mL)中に溶解し、得られた溶液は、添加漏斗の中に濾過され、そしてその結果、エタノールアミン溶液に加えられた。前記添加漏斗を、THF(10mL)でさらに洗浄した。反応混合物を、室温にて1時間撹拌した。固形物を、形成させ、そして濾過し、及び反応器をTHF(30mL)で洗浄した。沈殿物を、THF(10mL)で洗浄し、そして50℃/5mbarにて2.5時間乾燥させて、1.78g(93%)の紫色の固形のEBPオールアミンを得た。
実施例41:エルトロンボパグ・ビスエタノールアミンI型との混合物の状態の結晶性II型のエルトロンボパグ・ビスエタノールアミンの調製
【0194】
エルトロンボパグ、V型(50mg)を、加熱しながら1,4‐ジオキサン(3mL)中に溶解した。エタノールアミン(0.05mL)を加え、そしてフラスコを閉じ、静置した。沈殿物を、形成させ、そしてXRPDによって分析した。
実施例42:エルトロンボパグ・ビスエタノールアミンI型との混合物の状態の結晶性II型のエルトロンボパグ・ビスエタノールアミンの調製
【0195】
非晶性エルトロンボパグ・エタノールアミンを、tert‐ブチルメチルエーテル(TMBE)と共に1時間にわたってスラリー化した。エルトロンボパグ・ビスエタノールアミンII型と非晶質を検出した。その混合物をさらにスラリー化し、そしてエルトロンボパグ・ビスエタノールアミンI型がさらに検出された。スラリー化の3日後に、より多量のI型及びII型を含むエルトロンボパグ・ビスエタノールアミンI型とIIの安定した懸濁液を得た。
実施例43:エルトロンボパグ・ビスエタノールアミンI型との混合物の状態の結晶性II型のエルトロンボパグ・ビスエタノールアミンの調製
【0196】
エルトロンボパグ・ビスエタノールアミンのII型とI型の混合物を、約12日間にわたる、1‐オクタノール雰囲気中での非晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミンの緩やかな結晶化によって調製した。
実施例44:エルトロンボパグ・ビスエタノールアミンI型との混合物の状態の結晶性II型のエルトロンボパグ・ビスエタノールアミンの調製
【0197】
エルトロンボパグ・ビスエタノールアミンのII型とI型の混合物を、1‐オクタノールとの非晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミンの溶媒ドロップ粉砕によって調製した。約0.1gの非晶性エルトロンボパグ・オールアミンを、Fritsch Pulverisette7、ボール・ミルにより追加の数滴の1‐オクタノールと共に粉砕した。サンプルを、6個のメノウボール(直径10mm)の入った12mLのメノウコンテナ内で粉砕した。2時間の粉砕(700rpm)後に、II型を検出した。
実施例45:エルトロンボパグ・ビスエタノールアミンI型との混合物の状態の結晶性II型のエルトロンボパグ・ビスエタノールアミンの調製
【0198】
非晶質エルトロンボパグ・ビスエタノールアミンとの混合物の状態のエルトロンボパグ・ビスエタノールアミンII型を、数滴の水との非晶性EBPの非常に強い粉砕によって、3時間の粉砕後に得た。約0.1gの非晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミンを、Fritsch Pulverisette7、ボール・ミルにより、追加の0.5mlの水と共に粉砕した。サンプルを、6個のメノウボール(直径10mm)の入った12mLのメノウコンテナ内で粉砕した。粉砕時間:1時間(650rpm)+1時間(800rpm)+1時間(800rpm)→XRPD。
実施例46:純粋な結晶性II型のエルトロンボパグ・ビスエタノールアミンの調製
【0199】
純粋なII型のエルトロンボパグ・ビスエタノールアミンを、室温にて1カ月以上にわたるTMBE雰囲気中での非晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミンの緩やかな結晶化によって調製した。
実施例47:結晶性エルトロンボパグXVI型の調製
【0200】
結晶性3’‐アミノ‐2’‐ヒドロキシビフェニル‐3‐カルボキシル酸II型(50g、218mmol、図34のPXRDパターン)(供給業者:Topharman Shangai Co., Ltd;バッチ番号:BPCA:090921BPCA)を、室温(約22℃)にて撹拌しながら1Lの反応器内で、メタノール(1L)と塩酸、4M(137mL)の溶媒混合物中に加えた。得られた溶液を、1/2時間撹拌し、次いで、0〜5℃に冷却した。水(50mL)中の亜硝酸ナトリウム(15g、217mmol)の保冷した溶液を、(反応温度を10℃未満に維持しながら)20分間かけて前記反応混合物に加え、そして撹拌を1時間続けた。水(50mL)中のスルファミン酸(2.22g、23mmol)の溶液を、前記反応混合物に加え、そして5℃にて1時間撹拌した。得られた反応混合物を、室温まで加熱し、そしてトリエチルアミン(約80mL)を加えて、pH7〜8に調整した。結晶性1‐(3,4‐ジメチルフェニル)‐3‐メチル‐1H‐ピラゾール‐5‐オール(「ピラゾール」)II型(44g、218mmol、図33のPXRDパターン)(供給業者:Topharman Shangai Co., Ltd;バッチ番号:090805PYRAZOL)を、前記反応混合物に一度に加え、そしてpH7〜8を維持しながら室温にて2時間撹拌した。塩酸(4M、約40mL)を撹拌しながら20分間かけて加えて、pHを1.8に調整した。沈殿した固形物を、濾過し、MeOH:水(1:1、60mL)の混合物で洗浄し、そして40℃/5barにて約18時間乾燥させて、明るいオレンジ色の粉末として100g(90%)のEBPを得た。PXRD分析は、図20に示した回折図を提供した。DSC分析は、図21に示した示差熱図を提供した。
実施例48:IPCOM000180992Dによる結晶性3’‐アミノ‐2’‐ヒドロキシビフェニル‐3‐カルボン酸(「BPCA」)I型の調製
【0201】
メタノール(5L)中の2’‐ヒドロキシ‐3’‐ニトロビフェニル‐3‐カルボン酸(800g、3.2mol)の溶液を、室温にて8時間、5%Pd/C(160g)上で水素化した。反応混合物を、濾過し、濃縮し、そしてTHF(2.5L)中でスラリー化して、茶色の固形物として3’‐アミノ‐2’‐ヒドロキシビフェニル‐3‐カルボン酸(690g、50.5%)を得た。PXRD分析は、図32に示した回折図を提供した。
実施例49:IPCOM000180992Dによる結晶性1‐(3,4‐ジメチルフェニル)‐3‐メチル‐1H‐ピラゾール‐5‐オール(「ピラゾール」)I型の調製
【0202】
2‐(3,4‐ジメチルフェニル)塩化ヒドラジニウム(900g、5.21mol)、アセト酢酸エチル(678g、5.21mol)、酢酸ナトリウム(428g、5.21mol)及び氷酢酸(10L)を、118℃にて約24時間撹拌した。得られた混合物を、冷却し、濃縮し、そして残渣を、ジクロロメタン(10L)中に溶解し、飽和重炭酸ナトリウム(3×3L)で慎重に洗浄した。有機層を濃縮して、固形物を得た。その固形物を、還流下でエタノール(450mL)中に溶解した。石油エーテル(7.2L)をゆっくり加え、そして得られた混合物を冷却し、濾過して、表題化合物(748g、71%)を得た。PXRD分析は、図31に示した回折図を提供した。
実施例50:エタノール含量の低いエルトロンボパグ・ビスエタノールアミンI型の調製
【0203】
エタノールアミン(24mL、0.4mol)を、1Lの反応器内でエタノール(600mL)と混合した。混合物を65℃に加熱し、そして結晶性エルトロンボパグ(40g、0.08mol)を加えた。得られた反応混合物を、還流温度に加熱し、そして30分間撹拌した。次いで、懸濁液を25℃に冷却した。沈殿物を、形成させ、濾別し、そしてエタノール(100mL)で洗浄した。次いで、固形物を、重量損失<0.5%まで50℃/5mbarにて乾燥させることで、42gのEBPオールアミン(XRPD:I型)(収率=92%;GC残留EtOH=0.24%)の黒紫色の結晶を得た。
実施例51:(Z)‐メチル3’‐(2‐(1‐(3,4‐ジメチルフェニル)‐3‐メチル‐5‐オキソ‐1H‐ピラゾール‐4(5H)‐イリデン)ヒドラジニル)‐2’‐ヒドロキシビフェニル‐3‐カルボキシラート(ETP混入物1)の調製
【0204】
純粋は3’‐{N’‐[1‐(3,4‐ジメチルフェニル)‐3‐メチル‐5‐オキソ‐1、5‐ジヒドロピラゾール‐4‐イリデン]ヒドラジノ}‐2’‐ヒドロキシビフェニル‐3‐カルボン酸(エルトロンボパグ)(20g、0.045mol)を、MeOH/THF=1/1(400mL)の混合物中に懸濁した。懸濁液を、還流温度に加熱し、そして硫酸(5mL)を滴下して加えた。反応混合物を、一晩還流し、室温に冷却し、そして留去して、油状残渣を得た。水(200ml)をそれに加え、そして粘度の高い懸濁液を形成した。EtOAc(200ml)を加えて、2相系を形成させ、そして層を分離した。有機層を室温にて30分間静置することで、オレンジ色の結晶の形成を結果的に得た。その結晶を、濾過し、2×20mLのEtOAcで洗浄し、そして真空オーブン内で35℃/0barにて2時間乾燥させて、17.17gの(Z)‐メチル‐3’‐(2‐(1‐(3,4‐ジメチルフェニル)‐3‐メチル‐5‐オキソ‐1H‐ピラゾール‐4(5H)‐イリデン)ヒドラジニル)‐2’‐ヒドロキシビフェニル‐3‐カルボキシラート(収率:83.3%);(HPLC:>95%)
実施例52:((Z)‐3’‐(2‐(1‐(3,4‐ジメチルフェニル)‐3‐メチル‐5‐オキソ‐1H‐ピラゾール‐4(5H)‐イリデン)ヒドラジニル)‐2’‐ヒドロキシビフェニル‐3‐カルボキサミド(ETP混入物2)の調製
【0205】
ステップa:(Z)‐3’‐(2‐(1‐(3,4‐ジメチルフェニル)‐3‐メチル‐5‐オキソ‐1H‐ピラゾール‐4(5H)‐イリデン)ヒドラジニル)‐2’‐ヒドロキシビフェニル‐3‐カルボニルクロリドの調製
【0206】
三つ口フラスコ内で室温にて、塩化チオニル(5mL、68.5mmol)を、乾燥THF(75mL)中の純粋な3’‐{N’‐[1‐(3,4‐ジメチルフェニル)‐3‐メチル‐5‐オキソ‐1,5‐ジヒドロ‐ピラゾール‐4‐イリデン]ヒドラジノ}‐2’‐ヒドロキシビフェニル‐3‐カルボン酸(エルトロンボパグI型)(5g、11mmol)の溶液に添加し、続いてDMF(0.5mL)を添加した。反応混合物を1時間撹拌し、そして追加の塩化チオニル(5mL、68.5mmol)とDMF(0.5mL)を加えた。塩化アシルの沈殿を30分以内に開始させ、そしてヘプタン(90mL)を加えた。粘度の高い反応懸濁液を、さらに30分間撹拌し、濾過し、2×50mLのヘプタンで洗浄して、5gの(Z)‐3’‐(2‐(1‐(3,4‐ジメチルフェニル)‐3‐メチル‐5‐オキソ‐1H‐ピラゾール‐4(5H)‐イリデン)ヒドラジニル)‐2’‐ヒドロキシビフェニル‐3‐カルボニルクロリド(収率:96%);(HPLC:95%)を得、それをすぐに次のステップに使用した。
【0207】
ステップb:Z)‐3’‐(2‐(1‐(3,4‐ジメチルフェニル)‐3‐メチル‐5‐オキソ‐1H‐ピラゾール‐4(5H)‐イリデン)ヒドラジニル)‐2’‐ヒドロキシビフェニル‐3‐カルボキサミド(ETP混入物2)の調製
【0208】
(Z)‐3’‐(2‐(1‐(3,4‐ジメチルフェニル)‐3‐メチル‐5‐オキソ‐1H‐ピラゾール‐4(5H)‐イリデン)ヒドラジニル)‐2’‐ヒドロキシビフェニル‐3‐カルボニルクロリド(5g、10.9mmol)を、NH3/NMP溶液(120mL)に(1時間かけて)分割して加え、そして得られた反応混合物を0℃に冷却した。冷却した反応混合物を、1時間撹拌し、次いで、室温まで温め、そしてEtOH(50mL)を加え、続いて4MのHCl(100mL)を滴下して加えた。得られたオレンジ色の懸濁液を、30分間撹拌し、濾過し、2×50mLのEtOHで洗浄した。濾過したオレンジ色の結晶を、EtOAc(50mL)中に懸濁し、4時間還流し、次いで、室温に冷却し、そして20mLのMeOH/H2O(1/1)を加えた。得られたオレンジ色の懸濁液を、濾過し、MeOH/H2O=1/1(30mL)で洗浄し、そして真空オーブン(0bar/50℃)内で4時間乾燥させて、2.54gのZ)‐3’‐(2‐(1‐(3,4‐ジメチルフェニル)‐3‐メチル‐5‐オキソ‐1H‐ピラゾール‐4(5H)‐イリデン)ヒドラジニル)‐2’‐ヒドロキシビフェニル‐3‐カルボキサミドの蛍光オレンジ色の結晶を得た(収率:50.9%;HPLC純度:98%)。
実施例53:エルトロンボパグXVI型からのエルトロンボパグI型の調製
【0209】
エルトロンボパグ酸、XVI型(27.3g)を、525mLの氷酢酸中に懸濁した。その懸濁液を、還流温度まで加熱し、そして還流温度にて2.5時間撹拌した。次いで、その懸濁液を40℃に冷却した。この方法の中で形成された結晶を、濾別し、メタノール:水(1:1、100mL)で洗浄し、そして50℃にて一晩真空乾燥させた。この方法で、22.08gのエルトロンボパグ酸I型(収率=80.9%)のオレンジ色の固形物を得た。
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2009年4月1日に出願された米国特許仮出願番号第61/165,638号;2009年4月7日に出願された同第61/167,297号;2009年4月23日に出願された同第61/171,894号;2009年5月11日に出願された同第61/177,019号;2009年5月26日に出願された同第61/180,961号;2009年7月7日に出願された同第61/223,685号;及び2009年12月3日に出願された同第61/266,364号の利益を請求するものであり、その全てを本明細書中に援用する。
【0002】
本発明は、エルトロンボパグ及びエルトロンボパグ・エタノールアミン塩の多形体、これらの多形体の調製、並びにそれらを含んでなる医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
エルトロンボパグ、(Z)‐3’‐(2‐(1‐(3,4‐ジメチルフェニル)‐3‐メチル‐5‐オキソ‐1H‐ピラゾール‐4(5H)‐イリデン)ヒドラジニル)‐2’‐ヒドロキシビフェニル‐3‐カルボン酸は、下記の化学構造を持つ化合物である:
【0004】
【化1】
【0005】
それは、巨核細胞の増殖及び分化を刺激する小分子、非ペプチド型トロンボポエチン(TPO)受容体作動薬である。エルトロンボパグは、血小板減少症を引き起こす健康状態の処置のために、下記の化学構造のビスエタノールアミン塩としてGlaxoSmithKline及びLigand PharmaceuticalsによってPromacta(登録商標)という商標名で販売されている:
【0006】
【化2】
【0007】
エルトロンボパグは、米国特許番号第7,332,481号及び同第7,160,870号;WO特許出願第01/89457号;並びにEP特許番号第1294378号で開示されている。
【0008】
エルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩は、US 2006/0178518(WO 03/098992に相当)で開示されている。
【0009】
異なる結晶形の発生である多形性は、一部の分子及び分子複合体の特性である。単一分子は、異なる結晶構造及び融点、熱挙動(例えば熱重量分析‐「TGA」又は示差走査熱量測定‐「DSC」によって計測される)、X線回折パターン、赤外吸収フィンガープリント、及び固相NMRスペクトルのような物理特性を有するさまざまな多形体をもたらす可能性がある。化合物の異なる多形形態を識別するために、これらの技術のうちの1つ又は複数を使用することができる。
【0010】
医薬製品の新しい多形形態や溶媒和物を発見することで、例えば取扱いの容易さ、加工の容易さ、貯蔵安定性、及び精製の容易さなどの望ましい加工特性を有する材料を提供できるか、又は他の多形形態への転換を促進する望ましい中間体結晶形として提供できる。医薬的に有用な化合物又はその塩の新しい多形形態及び溶媒和物はさらに、医薬製品の性能特性を改善する機会を提供することもできる。それは、例えば異なる特性、例えばより良好な加工若しくは取扱い特徴、改善された溶解特性、又は改善された保管期限を有する生成物を提供することによって、製剤研究者が製剤を最適化するために利用可能な材料のレパートリーを広げる。少なくともこれらの理由で、エルトロンボパグとエルトロンボパグ・エタノールアミン塩のさらなる多形体が必要とされている。
【発明の概要】
【0011】
本発明は、結晶形のエルトロンボパグ、エルトロンボパグ・ビスエタノールアミン、モノエタノールアミン塩、及びそれらを調製方法を提供する。
【0012】
一実施形態において、本発明は、以下の:4.0、7.3、7.7、12.1及び16.1°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図1に示したPXRDパターン;166.9、155.4、134.1、125.7及び111.8±0.2ppmにピークを有する固相13C NMRスペクトル;図35に示した固相13C NMRスペクトル;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータを特徴とする、I型と命名された結晶性エルトロンボパグを包含する。
【0013】
他の実施形態において、本発明は、以下の:9.2、11.2、12、2及び14.0°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図3に示したPXRDパターン;170.6、128.7、124.2及び113.8±0.2ppmにピークを有する固相13C NMRスペクトル;図36に示した固相13C NMRスペクトル;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータを特徴とする、III型と命名された結晶性エルトロンボパグを包含する。
【0014】
さらに他の態様において、本発明は、以下の:5.9、8.2、10.5及び12.5°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図7に示したPXRDパターン;142.0、131.6、114.9及び67.8±0.2ppmにピークを有する固相13C NMRスペクトル;図37に示した固相13C NMRスペクトル;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータを特徴とする、V型と命名された結晶性エルトロンボパグを包含する。
【0015】
一実施形態において、本発明は、以下の:7.1、9.5、13.9、21.2及び25.5°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図20に示したPXRDパターン;168.7、156.7、127.6及び112.8±0.2ppmにピークを有する固相13C NMRスペクトル;図38に示した固相13C NMRスペクトル;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータを特徴とする、XVI型と命名された結晶性エルトロンボパグを包含する。
【0016】
他の実施形態において、本発明は、エルトロンボパグ・エタノールアミン塩又はその製剤を調製するための、先に記載した結晶形のエルトロンボパグのうちのいずれか1つ又はそれらの組合せ物の使用を包含する。
【0017】
さらに他の態様において、本発明は、以下のステップ:本発明の方法によって先に記載した結晶形のエルトロンボパグのうちのいずれか1つ又はそれらの組合せ物を調製し、そしてそれらをエルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩に変換する、を含むエルトロンボパグ・エタノールアミン塩の調製方法を包含する。
【0018】
さらに他の態様において、本発明は、以下の:9.3、11.8、13.2及び17.7°2θ±0、2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図24に示したPXRDパターン;174.9、147.1、135.4及び58.7±0.2ppmにピークを有する固相13C NMRスペクトル;図39に示した固相13C NMRスペクトル;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータを特徴とする、II型と命名された結晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩を包含する。
【0019】
一実施形態において、本発明は、血小板減少症を引き起こす健康状態の治療薬の製造の準備をするための以下に記載した結晶形のエルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩の使用を包含する。
【0020】
他の実施形態において、本発明は、以下の記載したエルトロンボパグ・モノエタノールアミン塩及びエルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩の多形体のうちの少なくとも1つ、並びに少なくとも1つの医薬的に許容し得る賦形剤を含んでなる医薬組成物を包含する。
【0021】
さらに他の態様において、本発明は、エルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩、及び/又はそれを含んでなる製剤を調製するための、以下の記載した結晶形のエルトロンボパグ・モノエタノールアミン塩のうちのいずれか1つ又はそれらの組合せ物の使用を包含する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】I型と命名された結晶性エルトロンボパグの粉末XRDパターンを示す。
【図2】I型と命名された結晶性エルトロンボパグのDSCサーモグラムを示す。
【図3】III型と命名された結晶性エルトロンボパグの粉末XRDパターンを示す。
【図4】III型と命名された結晶性エルトロンボパグのDSCサーモグラムを示す。
【図5】IV型と命名された結晶性エルトロンボパグの粉末XRDパターンを示す。
【図6】IV型と命名された結晶性エルトロンボパグのDSCサーモグラムを示す。
【図7】V型と命名された結晶性エルトロンボパグの粉末XRDパターンを示す。
【図8】V型と命名された結晶性エルトロンボパグのDSCサーモグラムを示す。
【図9】VI型と命名された結晶性エルトロンボパグの粉末XRDパターンを示す。
【図10】VII型と命名された結晶性エルトロンボパグの粉末XRDパターンを示す。
【図11】VIII型と命名された結晶性エルトロンボパグの粉末XRDパターンを示す。
【図12】VIII型と命名された結晶性エルトロンボパグのDSCサーモグラムを示す。
【図13】結晶性エルトロンボパグIX型の粉末XRDパターンを示す。
【図14】結晶性エルトロンボパグX型の粉末XRDパターンを示す。
【図15】結晶性エルトロンボパグXI型の粉末XRDパターンを示す。
【図16】結晶性エルトロンボパグXII型の粉末XRDパターンを示す。
【図17】結晶性エルトロンボパグXIII型の粉末XRDパターンを示す。
【図18】結晶性エルトロンボパグXIV型の粉末XRDパターンを示す。
【図19】結晶性エルトロンボパグXV型の粉末XRDパターンを示す。
【図20】結晶性エルトロンボパグXVI型の粉末XRDパターンを示す。
【図21】エルトロンボパグXVI型のDSCサーモグラムを示す。
【図22】非晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩の粉末XRDパターンを示す。
【図23】非晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩のDSCサーモグラムを示す。
【図24】II型と命名された結晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩の粉末XRDパターンを示す。
【図25】II型と命名された結晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩のDSCサーモグラムを示す。
【図26】III型と命名された結晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩の粉末XRDパターンを示す。
【図27】III型と命名された結晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩のDSCサーモグラムを示す。
【図28】I型と命名された結晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩の粉末XRDパターンを示す。
【図29】H型と命名された結晶性エルトロンボパグ・モノエタノールアミン塩の粉末XRDパターンを示す。
【図30】E型と命名された結晶性エルトロンボパグ・モノエタノールアミン塩の粉末XRDパターンを示す。
【図31】結晶性1‐(3,4‐ジメチルフェニル)‐3‐メチル‐1H‐ピラゾール‐5‐オール(「ピラゾール」)I型の粉末XRDパターンを示す。
【図32】結晶性3’‐アミノ‐2’‐ヒドロキシビフェニル‐3‐カルボン酸(「BPCA」)I型の粉末XRDパターンを示す。
【図33】結晶性1‐(3,4‐ジメチルフェニル)‐3‐メチル‐1H‐ピラゾール‐5‐オール(「ピラゾール」)II型の粉末XRDパターンを示す。
【図34】結晶性3’‐アミノ‐2’‐ヒドロキシビフェニル‐3‐カルボン酸(「BPCA」)II型の粉末XRDパターンを示す。
【図35】I型と命名された結晶性エルトロンボパグの固相13C NMRスペクトルを示す。
【図36】III型と命名された結晶性エルトロンボパグの固相13C NMRスペクトルを示す。
【図37】V型と命名された結晶性エルトロンボパグの固相13C NMRスペクトルを示す。
【図38】XVI型と命名された結晶性エルトロンボパグの固相13C NMRスペクトルを示す。
【図39】II型と命名された結晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩の固相13C NMRスペクトルを示す。
【図40】I型と命名された結晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩の固相13C NMRスペクトルを示す。
【0023】
発明の詳細な説明
本発明は、エルトロンボパグの多形体、エルトロンボパグ・エタノールアミン塩、これらの多形体の調製、及びそれらの医薬組成物に関する。特に、本願は、高い化学的純度を有する結晶形のエルトロンボパグを提供するが、それは高い化学的純度を有するエルトロンボパグ塩を調製するのに使用できる。
【0024】
本願は、結晶形でエルトロンボパグを提供するが、それは、低い純度が一般に実証されている従来技術で開示された非晶性形態と比較して、医薬製剤を作るのにひときわ魅力的である。
【0025】
本明細書中に使用される場合、且つ、別段の記述がない限り、XRPDピークは、1.54オングストロームにてCu照射を使用して計測されたピークを好ましくは指す。
【0026】
本明細書中に使用される「室温」という用語は、約20℃〜約30℃の温度を指す。通常、室温は約20℃〜約25℃の幅がある。
【0027】
本明細書中に使用される「一晩」という用語は、約15〜約20時間の期間を指し、通常、約16〜約20時間を指す。
【0028】
結晶形は、本明細書中では、図面「に示した」図示的データを特徴とするものと形容されることもできる。そういったデータには、例えば粉末X線回折図や固相NMRスペクトルが含まれる。当業者は、こうしたデータの図示的表示が、機器の応答のばらつき及びサンプル濃度や純度のばらつきなどの要因により、例えばピークの相対強度やピーク位置のわずかなばらつきにさらされる可能性があることを理解し、そのことは当業者にとって周知である。それにもかかわらず、当業者は、本明細書中の図面中のグラフデータを未知の結晶形について生じたグラフデータと容易に比較でき、そして二組のグラフデータが同じ結晶形を特徴づけているのか、又は2つの異なる結晶形を特徴づけているのか確認するであろう。
【0029】
結晶形(又は多形体)は、本明細書中では、他のいかなる結晶性(又は多形性)形態も実質的に含まないと見なされることもできる。これに関連して本明細書中に使用される場合、「他のいかなる形態も実質的に含まない」という表現は、その結晶形が、例えばXRPDによって計測した場合に、他のいずれか形態の対象化合物を20%以下、10%以下、5%以下、2%以下、又は1%以下しか含んでいないことを意味すると理解される。よって、他のいかなる多形形態も実質的に含まないと本明細書中に記述されているエルトロンボパグ及びエルトロンボパグ・エタノールアミン塩の多形体は、エルトロンボパグの対象の多形形態を80%(w/w)超、90%(w/w)超、95%(w/w)超、98%(w/w)超、又は99%(w/w)超含んでいることが理解される。従って、本発明のいくつかの実施形態において、記載したエルトロンボパグ及びエルトロンボパグ・エタノールアミン塩の多形体は、1%〜20%(w/w)、5%〜20%(w/w)、又は5%〜10%(w/w)の1若しくは複数の他の結晶形のエルトロンボパグを含んでいてもよい。
【0030】
本発明は、結晶性エルトロンボパグを提供する。
【0031】
一実施形態において、本発明は、以下の:4.0、7.3、7.7、12.1及び16.1°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図1に示したPXRDパターン;166.9、155.4、134.1、125.7及び111.8±0.2ppmにピークを有する固相13C NMRスペクトル;図35に示した固相13C NMRスペクトル;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータを特徴とする結晶性エルトロンボパグを包含する。この結晶形のエルトロンボパグは、本明細書中ではI型と命名されている。
【0032】
先のI型のエルトロンボパグは、以下の:8.8、14.6、17.6、24.3及び26.8°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図2に示したDSCサーモグラム;141.4、130.4、119.8及び117.8±0.2ppmにピークを有する固相13C NMRスペクトル;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータによってさらに特徴づけることができる。
【0033】
先の結晶性エルトロンボパグI型は無水形態である。
【0034】
本明細書中に使用される場合、且つ、別段の記述のない限り、結晶性エルトロンボパグと関連した「無水」という用語は、TGAによって計測した場合に水又は有機溶媒のいずれかを1%(w/w)以下しか含まない結晶性エルトロンボパグに関する。
【0035】
結晶性エルトロンボパグI型は、以下の:化学的純度、流動性、溶解性、形態学又は結晶性質、安定性、例えば貯蔵安定性、脱水に対する安定性、多形転換に対する安定性など、低い吸湿性、残留溶媒の少ない含有量、のうちの少なくとも1つから選択される有利な特性を有する。特に、本発明の結晶性エルトロンボパグI型は、有利な化学的純度と、熱力学的安定性及び溶解性を有し、且つ、それは、室温にて少なくとも10カ月間にわたって80%の相対湿度(「RH」)において100%非吸湿性である。
【0036】
本明細書中で使用される場合、結晶性エルトロンボパグと関連する非吸湿性という用語は、TGAによって計測した場合に、先の特定条件下、結晶性エルトロンボパグへの大気中の水分の吸収が0.2%(w/w)未満であることを指す。
【0037】
本明細書中で使用される場合、結晶性エルトロンボパグI型と関連する「熱力学的安定性」という用語は、XRPDによって計測した場合に、10℃/分の加熱速度にて200℃の温度までの加熱を受けて、結晶性エルトロンボパグI型から他のいずれかの固相形態のエルトロンボパグへの転換が20%未満、10%未満、5%未満、1%未満、又は0.5%未満であることを指す。いくつかの実施形態において、前記転換は、1%〜20%、1%〜10%又は1%〜5%である。
【0038】
好ましくは、本発明の結晶性エルトロンボパグI型は、他のいかなる多形体形態も実質的に含んでいない。
【0039】
前記I型は、以下のステップ:氷酢酸からエルトロンボパグを結晶化するか、あるいは、以下の:9.2、11.2、12.2及び14.0°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図3に示したPXRDパターン;170.6、128.7、124.2及び113.8±0.2ppmにピークを有する固相13C NMRスペクトル;図36に示した固相13C NMRスペクトル;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータを特徴とする結晶性エルトロンボパグIII型、又は以下の:7.1、9.5、13.9、21.2及び25.5°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図20に示したPXRDパターン;168.7、156.7、127.6及び112.8±0.2ppmにピークを有する固相13C NMRスペクトル;図38に示した固相13C NMRスペクトル;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータを特徴とする結晶性エルトロンボパグXVI型を氷酢酸中に懸濁する、を含む方法によって調製さできる。
【0040】
典型的には、前記方法は、以下のステップ:氷酢酸中にエルトロンボパグの溶液又は懸濁液を準備し、そして沈殿させて、I型を含んだ懸濁液を得る、を含み;ここで、懸濁液を準備する場合、出発エルトロンボパグが、結晶性エルトロンボパグIII型又は結晶性エルトロンボパグXVI型である。
【0041】
典型的には、溶液を準備する場合、エルトロンボパグを溶解するのに十分な量で氷酢酸を使用する。エルトロンボパグと氷酢酸の溶液又は懸濁液は、エルトロンボパグ又は結晶性エルトロンボパグIII型と、氷酢酸を組合せ、そしてその組合せ物を加熱することによって準備できる。前記組合せ物は、約96℃〜約118°の温度まで加熱される可能性があり、好ましくはそれは約114℃〜約118℃の温度まで加熱される。溶液又は懸濁液が形成された後、それを冷却して、その中にエルトロンボパグI型が沈殿している懸濁液を準備する。好適な冷却温度は、約40℃〜約0℃、室温〜約0℃、又は約23℃〜約0℃である。
【0042】
先のエルトロンボパグI型の調製方法は、得られたエルトロンボパグI型を回収するステップをさらに含むことができる。その回収方法は、例えば当該結晶形を濾過し、洗浄し、そして乾燥させるステップを含むこともできる。洗浄は、メタノールと水の混合物で行われ得る。乾燥は、減圧下、例えば約35℃〜約60℃などの温度にて、約2時間〜約12時間にわたって行われ得る。
【0043】
先に記載の方法は、好ましくは、HPLCによって計測した場合に、少なくとも約99%、少なくとも約99.5%、又は少なくとも約99.8%の領域パーセントの化学的純度にてエルトロンボパグI型を提供する。
【0044】
特定の実施形態において、先に記載したエルトロンボパグI型の調製方法は、エルトロンボパグを精製し、それにより化学的に純粋なエルトロンボパグ塩を製造するのに使用される。好ましい実施形態において、本発明は、エルトロンボパグを結晶化するステップ、あるいは、氷酢酸中に結晶性エルトロンボパグIII型又は結晶性エルトロンボパグXVI型を懸濁するステップを含むエルトロンボパグの精製方法を提供する。特に、先の化学的に純粋なエルトロンボパグI型は、以下の式:
【0045】
【化3】
【0046】
によって表される(Z)‐メチル3’‐(2‐(1‐(3,4‐ジメチルフェニル)‐3‐メチル‐5‐オキソ‐1H‐ピラゾール‐4(5H)‐イリデン)ヒドラジニル)‐2’‐ヒドロキシビフェニル‐3‐カルボキシラート(「EPT混入物1」)とも呼ばれる、及び以下の式:
【0047】
【化4】
【0048】
によって表される(Z)‐3’‐(2‐(1‐(3,4‐ジメチルフェニル)‐3‐メチル‐5‐オキソ‐1H‐ピラゾール‐4(5H)‐イリデン)‐ヒドラジニル)‐2’‐ヒドロキシビフェニル‐3‐カルボキサミド(「EPT混入物2」)とも呼ばれるから精製できる。
【0049】
好ましい実施形態において、精製エルトロンボパグ中に先のそれぞれ混入物が、HPLCによって計測した場合、約0%〜約0.1%、約0.01%〜約0.1%、約0.01%〜約0.07%、又は約0.01%〜約0.05%の量で存在してもよい。
【0050】
エルトロンボパグI型はさらに、アセトンと水の混合物中に結晶性エルトロンボパグI型と結晶性エルトロンボパグIII型の混合物を懸濁するステップを含む方法によっても調製できる。
【0051】
前記方法は、(水の添加前に加熱される)結晶性エルトロンボパグI型とIII型の混合物をアセトンと合わせて、第1懸濁液を得るステップを含む。前記第1懸濁液は、およそ還流温度、好ましくは約57℃の温度まで加熱され、それが第2懸濁液をもたらす。次いで、その第2懸濁液は、水と合わせられて、懸濁液を形成する。その懸濁液を冷却した後に、結晶性I型を回収することができる。好適な冷却温度は、室温くらいである。
【0052】
前記エルトロンボパグI型の調製方法には、得られたエルトロンボパグI型の回収がさらに含まれる。前記回収方法は、例えば結晶化形態を濾過し、そして乾燥させるステップを含むこともできる。乾燥は、減圧下、例えば約5mBarの圧力にて行われ得る。乾燥は、例えば約50℃の温度にて、約1時間にわたって行われ得る。
【0053】
結晶性エルトロンボパグI型は、他の形態のエルトロンボパグやエルトロンボパグ・エタノールアミン塩、特に、以下の:5.9、8.2、10.5及び12.5°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図7に示したPXRDパターン、から成る群から選択されるデータを特徴とする、V型と命名された結晶性エルトロンボパグを調製するのに使用できる。特定の実施形態において、本発明は、氷酢酸中でエルトロンボパグI型を結晶化させるか又は懸濁するステップを含む方法によって結晶性エルトロンボパグI型を調製し、そしてそれを、テトラヒドロフラン(「THF」)と水の混合物からエルトロンボパグV型を結晶化するステップを含む方法によって結晶性エルトロンボパグV型に変換するステップを含む、結晶性エルトロンボパグV型の調製方法を提供する。
【0054】
他の実施形態において、本発明は、以下の:9.2、11.2、12.2及び14.0°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図3に示したPXRDパターン;170.6、128.7、124.2及び113.8±0.2ppmにピークを有する固相13C NMRスペクトル;図36に示した固相13C NMRスペクトル;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータを特徴とする結晶性エルトロンボパグを包含する。この結晶形のエルトロンボパグは、本明細書中では、III型と命名されている。
【0055】
先のエルトロンボパグのIII型は、以下の:5.3、16.1、22.4及び24.3°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図4に示したDSCサーモグラム;155.0、141.0、136.6及び133.6±0.2ppmにピークを有する固相13C NMRスペクトル;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータをさらなる特徴とすることができる。
【0056】
前記結晶性エルトロンボパグIII型は、水和物である。
【0057】
結晶性エルトロンボパグIII型は、以下の:化学的純度、流動性、溶解性、形態学又は結晶性質、安定性、例えば貯蔵安定性、脱水に対する安定性、多形転換に対する安定性など、低い吸湿性、残留溶媒の少ない含有量、のうちの少なくとも1つから選択される有利な特性を有する。特に、本発明の結晶性エルトロンボパグIII型は、有利な化学的純度と医薬製剤に有益なものである素晴らしい流動特性を備えたバルク生成物をもたらす不規則粒子形状の形態学を有し、且つ、それは、室温にて少なくとも10カ月間にわたって80%の相対湿度(「RH」)において100%非吸湿性である。
【0058】
好ましくは、本発明の結晶性エルトロンボパグIII型には、他のいかなる多形体形態も実質的に含まれていない。
【0059】
先のIII型は、メタノール中で結晶性3’‐アミノ‐2’‐ヒドロキシビフェニル‐3‐カルボン酸(「BPCA」)I型と、結晶性1‐(3,4‐ジメチルフェニル)‐3‐メチル‐1H‐ピラゾール‐5‐オールI型(「ピラゾール」)を反応させて、エルトロンボパグIII型を得るステップを含む方法によって調製できる。
【0060】
先に記載した方法は、好ましくは、HPLCによって計測した場合、少なくとも約98%、好ましくは少なくとも約98.5の領域パーセントの化学的純度でエルトロンボパグIII型を提供する。
【0061】
結晶性ピラゾールI型は、以下の:10.72、12.93、17.95、20.96及び26.01°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末X線回折;図31に記載のPXRDパターン;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータを特徴とする。このピラゾール結晶形は、9.7、14.36、17.09、23.14及び27.84°2θ±0.2°2θにピークを有するPXRDをさらなる特徴とすることができる。
【0062】
結晶性BPCA I型は、以下の:8.51、14.87、19.66、26.19及び32.66°2θ±0、2°2θにピークを有する粉末X線回折;図32に記載のPXRDパターン;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータを特徴とする。このBPCA結晶形は、12.35、16.80、17.53、21.97及び25.18°2θ±0.2°2θにピークを有するPXRDをさらなる特徴とすることができる。
【0063】
先のIII型はさらに、酢酸エチル中にエルトロンボパグを溶解し、そして冷却して、結晶性エルトロンボパグIII型を沈殿させるステップを含む方法によっても調製できる。典型的には、前記方法は、酢酸エチル中、エルトロンボパグの溶液を調製し、そして沈殿させて、III型を含んでなる懸濁液を得るステップを含む。前記のエルトロンボパグと酢酸エチルの溶液は、エルトロンボパグと酢酸エチルを組合せ、そしてその組合せ物を加熱することによって提供できる。前記組合せ物は、約57℃〜約77℃、約73℃〜約77℃、又は約77℃の温度まで加熱されることがある。溶液が形成された後、それは冷却されて、その中にエルトロンボパグIII型が沈殿している懸濁液を生じる。冷却は、約0℃〜約5℃、又は約0℃といった温度までである。
【0064】
先のエルトロンボパグIII型の調製方法は、得られたエルトロンボパグIII型の回収をさらに含む。前記回収方法は、例えば結晶形を濾過し、そして乾燥させるステップを含むこともできる。乾燥は、例えば室温など、例えば約22℃の温度にて、およそ一晩にわたって行われ得る。
【0065】
結晶性エルトロンボパグIII型は、他の形態のエルトロンボパグ及びエルトロンボパグ・エタノールアミン塩、特に、結晶性エルトロンボパグI型を調製するのに使用できる。特定の実施形態において、本発明は、結晶性BPCA I型と結晶性ピラゾールI型を反応させて結晶性エルトロンボパグIII型を得るステップによって結晶性エルトロンボパグIII型を調製し、そして氷酢酸中でエルトロンボパグIII型を結晶化するか又は懸濁するステップを含む方法によって、得られた結晶性エルトロンボパグIII型を結晶性エルトロンボパグI型に変換するステップを含む結晶性エルトロンボパグI型の調製方法を提供する。前記方法は、エルトロンボパグIII型を結晶性エルトロンボパグI型に変換する前に、前記反応から得られたエルトロンボパグIII型を酢酸エチル中で再結晶化するステップをさらに含む。
【0066】
さらに他の態様において、本発明は、以下の:5.5、9.6、14.5、16.5及び19.3°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図5に示したPXRDパターン;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータを特徴とする結晶性エルトロンボパグを包含する。この結晶形のエルトロンボパグは、本明細書中では、IV型と命名されている。
【0067】
前記のエルトロンボパグのIV型は、以下の:8.4、11.0、13.1、21.1及び22.0°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図6に示したDSCサーモグラム;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータをさらなる特徴とすることができる。
【0068】
先のIV型は、メタノールと水の混合物中に結晶性エルトロンボパグI型を懸濁するステップを含む方法によって調製できる。前記方法は、結晶性エルトロンボパグI型と、メタノールと水の混合物を組合せて、第1懸濁液を得るステップを含むことがある。前記混合物におけるメタノールと水の好適な比は、例えば1:3 V/Vであり得る。次いで、前記第1懸濁液は、IV型の回収ステップに先立ち、加熱されることで懸濁液を提供する。加熱温度の例は、約80℃であり得る。
【0069】
先のエルトロンボパグIV型の調製方法は、得られたエルトロンボパグIV型の回収をさらに含むことができる。前記回収方法は、例えば加熱した懸濁液を、例えばおよそ室温、例えば約22℃まで冷却し、結晶化形態を濾過し、例えばメタノールで洗浄し、そして乾燥させるステップを含むこともできる。乾燥は、約一晩といった期間の風乾であり得る。
【0070】
一実施形態において、本発明は、以下の:5.9、8.2、10.5及び12.5°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図7に示したPXRDパターン;142.0、131.6、114、9及び67.8±0.2ppmにピークを有する固相13C NMRスペクトル;図37に示した固相13C NMRスペクトル;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータを特徴とする結晶性エルトロンボパグを包含する。この結晶形のエルトロンボパグは、本明細書中では、V型と命名されている。
【0071】
先のV型のエルトロンボパグは、以下の:5.3、9.2、14.0、23.5及び25.0°2θ±0、2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図8に示したDSCサーモグラム;171.9、155.4、136.3及び121.3±0.2ppmにピークを有する固相13C NMRスペクトル;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータをさらなる特徴とすることができる。
【0072】
先の結晶性エルトロンボパグV型は、テトラヒドロフラン/水の溶媒和物である。
【0073】
結晶性エルトロンボパグV型には、化学的純度、流動性、溶解性、形態又は結晶性質、安定性‐例えば貯蔵安定性、脱水に対する安定性、多形性転換に対する安定性など、及び低い吸湿性のうちの少なくとも1から選択される有利な特性を有する。特に、本発明の結晶性エルトロンボパグV型は、有利な化学的純度を有し、且つ、それは、室温にて少なくとも10カ月間にわたって、80%の相対湿度(「RH」)の中で100%非吸湿性である。
【0074】
好ましくは、本発明の結晶性エルトロンボパグV型には、他のいかなる多形体形態も実質的に含まれていない。
【0075】
先のV型は、テトラヒドロフラン(「THF」)と水の混合物からエルトロンボパグを結晶化するステップを含む方法によって調製できる。典型的には、前記結晶化は、THF中のエルトロンボパグの溶液を準備し、そして水を加えて、V型を含んでなる懸濁液を得るステップを含む。エルトロンボパグとTHFの溶液は、エルトロンボパグとTHFを組合せることによって準備できる。溶解を助けるために、前記組合せ物を、例えば約60℃〜還流温度の温度に加熱してもよい。溶液が形成された後、水又は、例えば約1:1V/Vの比の、水とメタノールの混合物をその溶液に、例えば滴下様式で、加えることで、結晶性エルトロンボパグV型を含んでなる懸濁液を準備する。その後、沈殿したエルトロンボパグV型を回収することができる。その回収方法は、例えば結晶形を濾過し、洗浄し、そして乾燥させるステップを含むこともできる。洗浄は、水又水とTHFの混合物のいずれかで行われ得る。乾燥を、減圧下、例えば約5mBarの圧力にて、約50℃の温度にて、約1時間などの期間にわたって行われ得る。
【0076】
先のエルトロンボパグの方法は、結晶化前にエルトロンボパグの精製をさらに含むことができる。前記精製は、エルトロンボパグを懸濁し、そして氷酢酸から結晶化するステップを含む。典型的には、前記精製ステップが、結晶性エルトロンボパグI型をもたらす。
【0077】
一実施形態において、本発明は、以下の:5.9、8.8、10.3及び11.7°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図9に示したPXRDパターン;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータを特徴とする結晶性エルトロンボパグを包含する。この結晶形のエルトロンボパグはVI型と命名され得る。
【0078】
先のエルトロンボパグのVI型は、8.4、14.7、16.2、23.5及び24.8°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターンをさらなる特徴とすることができる。
【0079】
先のVI型は、結晶性エルトロンボパグV型を約115℃〜約125℃、約118°〜約122℃、又は約120℃の温度まで加熱するステップを含む方法によって調製できる。加熱は、1分あたり10℃の速度にて行われ得る。先の方法は、窒素下で行われ得る。加熱後に、サンプルは、例えば約10℃/分の冷却速度にて、例えば約20°の温度まで冷却される。
【0080】
一実施形態において、本発明は、以下の:7.6、9.4、15.0及び16.0°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図10に示したPXRDパターン;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータを特徴とする結晶性エルトロンボパグを包含する。この結晶形のエルトロンボパグは、本明細書中では、VII型と命名されている。
【0081】
先のエルトロンボパグのVII型は、約7.3、12.5、18.8、22.5及び26.0°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターンをさらなる特徴とすることができる。
【0082】
先のVII型は、結晶性エルトロンボパグV型を約200℃〜約220℃、約211℃〜約215℃、又は213℃の温度まで加熱するステップを含む方法によって調製できる。加熱は、1分あたり10℃の速度にて行われ得る。先の方法は、窒素下で行われ得る。加熱後に、サンプルは、約10℃/分の冷却速度にて、例えば約20℃の温度まで冷却される。
【0083】
一実施形態において、本発明は、以下の:9.0、13.2、16.0及び24.0°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図11に示したPXRDパターン;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータを特徴とする結晶性エルトロンボパグを包含する。この結晶形のエルトロンボパグは、本明細書中では、VIII型と命名されている。
【0084】
先のエルトロンボパグのVIII型は、以下の:5.3、11.0、17.0、19.1及び28.2°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図12に示したDSCサーモグラム;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータをさらなる特徴とすることができる。
【0085】
先のVIII型は、ジクロロメタンと水の混合物中に結晶性エルトロンボパグIV型を懸濁するステップを含む方法によって調製できる。前記方法は、結晶性エルトロンボパグIV型と、ジクロロメタンと水の混合物を組合せ、そして水を加えて、エルトロンボパグI型を得るステップを含む。前記方法は、結晶形を回収する前に、懸濁液を塩基性化し、次いで、酸性化するステップを含むこともできる。塩基性化は、懸濁液に塩基を加えることによって行われ得る。塩基の例は、アルカリ金属塩基などの無機塩基、例えば水酸化ナトリウムなどであり得る。酸性化は、塩基性化した懸濁液に酸を加えることによって行われ得る。好適な酸は、無機酸、例えば塩酸であり得る。
【0086】
その後、エルトロンボパグVIII型を回収することができる。その回収方法は、相を分離し、有機相からエルトロンボパグVIII型を濾過し、そして例えば減圧下で、乾燥させるステップを含むこともできる。乾燥は、約5mBarの圧力にて、例えば約50℃の温度にて、約1/2時間にわたって行われ得る。
【0087】
さらに他の態様において、本発明は、以下の:4.5、14.2、17.4及び18.0°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図13に示したPXRDパターン;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータを特徴とする結晶性エルトロンボパグを包含する。この結晶形のエルトロンボパグは、本明細書中では、IX型と命名されている。
【0088】
先のエルトロンボパグのIX型は、8.8、10.9、13.4及び26.7°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターンをさらなる特徴とすることができる。
【0089】
先のIX型は、THFからエルトロンボパグを結晶化するステップを含む方法によって調製できる。前記結晶化は、THF中のエルトロンボパグの溶液を準備し、そして結晶形を沈殿させるステップを含む。前記溶液は、エルトロンボパグとTHFを組合せ;そしてその組合せ物を、例えば溶液が形成される温度まで加熱することによって準備できる。沈殿は、溶液を冷却して、結晶形を含んでなる懸濁液を得ることによって達成できる。冷却温度は、室温、すなわち約22℃であり得る。その後、得られた結晶形が、懸濁液から回収され得る。前記回収は、結晶形を濾過し、そして回収した固形物を、例えばおよそ室温の温度にて維持するステップを含むことができる。
【0090】
一実施形態において、本発明は、以下の:6.9、13、8、20.4及び24.7°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図14に示したPXRDパターン;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータを特徴とする結晶性エルトロンボパグを包含する。この結晶形のエルトロンボパグは、本明細書中では、X型と命名されている。先のエルトロンボパグのX型は、8.2、13.2、16.3及び25.3°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターンをさらなる特徴とすることができる。
【0091】
先のX型は、DMSOからエルトロンボパグを結晶化するステップを含む方法によって調製できる。前記結晶化は、DMSO中のエルトロンボパグの溶液を準備し、そして結晶形を沈殿させるステップを含む。前記溶液は、エルトロンボパグとDMSOを組合せ;そしてその組合せ物を、例えば溶液が形成される温度まで加熱するによって準備できる。沈殿は、例えば溶液を冷却して、結晶形を含んでなる懸濁液を得ることによって達成できる。好適な冷却温度は、例えばおよそ室温の温度、すなわち約22℃である。その後、得られた結晶形が、前記懸濁液から回収され得る。前記回収は、結晶形を濾過し、そして回収した固形物を、例えばおよそ室温の温度に維持するステップを含むことができる。
【0092】
他の実施形態において、本発明は、以下の:3.5、10.5、14.0及び28.4°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図15に示したPXRDパターン;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータを特徴とする結晶性エルトロンボパグを包含する。この結晶形のエルトロンボパグは、本明細書中では、XI型と命名されている。先のエルトロンボパグのXI型は、4.1、8.1、12.1及び16.2°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターンをさらなる特徴とすることができる。
【0093】
先のXI型は、アセトンからエルトロンボパグを結晶化するステップを含む方法によって調製できる。前記結晶化は、アセトン中のエルトロンボパグの溶液を準備し、そして結晶形を沈殿させるステップを含む。前記溶液は、エルトロンボパグとアセトンを組合せ;そしてその組合せ物を、例えば溶液が形成される温度まで加熱することによって準備できる。沈殿は、例えば溶液を冷却して、結晶形を含んでなる懸濁液を得ることによって達成できる。好適な冷却温度は、例えばおよそ室温の温度、すなわち約22℃であり得る。その後、得られた結晶形、懸濁液から回収され得る。前記回収は、結晶形を濾過し、そして回収した固形物を維持するステップを含む。前記維持は、およそ室温にて行われ得る。
【0094】
さらに他の態様において、本発明は、以下の:4.6、7.6、8.9及び16.2°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図16に示したPXRDパターン;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータを特徴とする結晶性エルトロンボパグを包含する。この結晶形のエルトロンボパグは、本明細書中では、XII型と命名されている。先のエルトロンボパグのXII型は、10.4、13.3、14.1、15.1及び23.9°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターンをさらなる特徴とすることができる。
【0095】
先のXII型は、メトキシベンゼンからエルトロンボパグを結晶化するステップ含む方法によって調製できる。前記結晶化は、メトキシベンゼン中のエルトロンボパグの溶液を準備し、そして結晶形を沈殿させるステップを含む。前記溶液は、エルトロンボパグとメトキシベンゼンを組合せ;そしてその組合せ物を、例えば溶液が形成される温度まで加熱することによって準備できる。沈殿は、例えば溶液を冷却して、結晶形を含んでなる懸濁液を得ることによって達成できる。好適な冷却温度は、例えばおよそ室温の温度、約22℃である。その後、得られた結晶形が、懸濁液から回収され得る。前記回収は、結晶形を濾過し、そして回収した固形物を、例えば室温の温度にて維持するステップを含む。
【0096】
一実施形態において、本発明は、以下の:3.9、7.8、11.7及び12.4°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図17に示したPXRDパターン;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータを特徴とする結晶性エルトロンボパグを包含する。この結晶形のエルトロンボパグは、本明細書中では、XIII型と命名されている。先のエルトロンボパグのXIII型は、15.5、20.5、23.0及び25.0°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターンをさらなる特徴とすることができる。
【0097】
先のXIII型は、ジエチルエーテルからエルトロンボパグを結晶化するステップを含む方法によって調製できる。前記結晶化は、ジエチルエーテル中のエルトロンボパグの溶液を調製し、そして結晶形を沈殿させるステップを含む。前記溶液は、エルトロンボパグとジエチルエーテルを組合せ;そしてその組合せ物を、例えば溶液が形成される温度まで加熱することによって調製できる。沈殿は、例えば溶液を冷却して、結晶形を含んでなる懸濁液を得ることによって達成できる。好適な冷却温度は、例えばおよそ室温、約22℃である。その後、得られた結晶形が、懸濁液から回収され得る。前記回収は、結晶形を濾過し、そして回収した固形物を維持するステップを含むことができる。維持は、およそ室温にて行うことができる。
【0098】
他の実施形態において、本発明は、以下の:5.0、10.7、19.0及び21.4°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図18に示したPXRDパターン;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータを特徴とする結晶性エルトロンボパグを包含する。この結晶形のエルトロンボパグは、本明細書中では、XIV型と命名されている。先のエルトロンボパグのXIV型は、4.0、7.9、9.1及び15.1°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターンをさらなる特徴とすることができる。
【0099】
先のXIV型は、酢酸エチルからエルトロンボパグを結晶化するステップを含む方法によって調製できる。前記結晶化は、酢酸エチル中のエルトロンボパグの溶液を準備し、そして結晶形を沈殿させるステップを含む。前記溶液は、エルトロンボパグと酢酸エチルを組合せ;そしてその組合せ物を、例えば溶液が形成される温度まで加熱することによって準備できる。沈殿は、例えば溶液を冷却して、結晶形を含んでなる懸濁液を得ることによって達成できる。冷却温度は、およそ室温といった温度、例えば約22℃であり得る。その後、得られた結晶形が、懸濁液から回収され得る。前記回収は、結晶形を濾過し、そして回収した固形物を維持するステップを含む。前記維持は、およそ室温にて行われ得る。
【0100】
さらに他の態様において、本発明は、以下の:11.5、12.0、12.5及び20.9°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図19に示したPXRDパターン;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータを特徴とする結晶性エルトロンボパグを包含する。この結晶形のエルトロンボパグは、本明細書中では、XV型と命名されている。先のエルトロンボパグのXV型は、4.0、8.1、9.4、16.2及び27.8°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターンをさらなる特徴とすることができる。
【0101】
先のXV型は、結晶性エルトロンボパグX型を約155℃〜約163°、又は約160°の温度まで加熱するステップを含む方法によって調製できる。好適な加熱速度は、1分あたり約10℃の速度であり得る。加熱は、例えば窒素下で行われ得る。
【0102】
一実施形態において、本発明は、以下の:7.1、9.5、13.9、21.2及び25.5°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図20に示したPXRDパターン;168.7、156.7、127.6及び112.8±0.2ppmにピークを有する固相13C NMRスペクトル;図38に示した固相13C NMRスペクトル;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータを特徴とする結晶性エルトロンボパグを包含する。この結晶形のエルトロンボパグは、本明細書中では、XVI型と命名されている。
【0103】
先のエルトロンボパグのXVI型は、以下の:5.9、11.2、15.4、17.4及び26.2°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図21に示したDSCサーモグラム;146.4、140.7、136.3及び117.3±0.2ppmにピークを有する固相13C NMRスペクトル;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータをさらなる特徴とすることができる。
【0104】
先の結晶性エルトロンボパグXVI型は、一水和物形態である。
【0105】
結晶性エルトロンボパグXVI型には、以下の:化学的純度、流動性、溶解性、形態又は結晶性質、安定性、例えば貯蔵安定性、脱水に対する安定性、多形性転換に対する安定性など、低い吸湿性、低い残留溶媒含量のうちの少なくとも1つから選択される有利な特性を有する。特に、本発明の結晶性エルトロンボパグXVI型は、有利な化学的純度を有し、且つ、それは、室温にて少なくとも5カ月間にわたって80%の相対湿度(「RH」)の中で100%非吸湿性であり、且つ、それは、高度に結晶性であり、高い粉末流動性を有する。
【0106】
好ましくは、本発明の結晶性エルトロンボパグXVI型には、他のいかなる多形体形態も実質的に含まれていない。
【0107】
先のXVI型は、メタノール中で結晶性3’‐アミノ‐2’‐ヒドロキシビフェニル‐3‐カルボン酸(「BPCA」)II型と、結晶性1‐(3,4‐ジメチルフェニル)‐3‐メチル‐1H‐ピラゾール‐5‐オール(「ピラゾール」)II型とを反応させて、エルトロンボパグXVI型を得るステップを含む方法によって調製できる。BCPAII型は、例えばTopharman Shangai Co., Ltd、バッチ番号:090921BPCAから入手することができる。ピラゾールII型は、例えばTopharman Shangai Co., Ltd、バッチ番号:090805PYRAZOLから入手することができる。
【0108】
本発明の結晶性エルトロンボパグXVI型は、他の形態のエルトロンボパグ及びエルトロンボパグ・エタノールアミン塩、特に、結晶性エルトロンボパグI型を調製するのに使用できる。特定の実施形態において、本発明は、結晶性BPCA II型と結晶性ピラゾールII型を反応させて結晶性エルトロンボパグXVI型を得るステップによって結晶性エルトロンボパグXVI型を調製し、そして得られた結晶性エルトロンボパグXVI型を、氷酢酸中でエルトロンボパグXVI型を結晶化又は懸濁するステップを含む方法によって、結晶性エルトロンボパグI型に変換するステップを含む結晶性エルトロンボパグI型の調製方法を提供する。
【0109】
本発明には、エルトロンボパグ中間体1‐(3,4‐ジメチルフェニル)‐3‐メチル‐1H‐ピラゾール‐5‐オール(「ピラゾール」)及び3’‐アミノ‐2’‐ヒドロキシビフェニル‐3‐カルボン酸(「BPCA」)の結晶形を記載する。
【0110】
結晶性ピラゾールII型は、図33に示したPXRDパターンを特徴とする。
【0111】
結晶性BPCA II型は、図34に記載のPXRDパターンを特徴とする。
【0112】
本発明は、a)結晶性エルトロンボパグIII型又は結晶性エルトロンボパグXVI型を準備し;b)ステップ(a)で得た結晶性エルトロンボパグIII型又は結晶性エルトロンボパグXVI型を結晶性エルトロンボパグI型に変換し;c)ステップ(b)で得た結晶性エルトロンボパグI型を結晶性エルトロンボパグV型に変換し;そしてd)任意に、ステップ(c)で得た結晶性エルトロンボパグV型をエルトロンボパグ・エタノールアミン塩に変換するステップを含むエルトロンボパグとエルトロンボパグ・エタノールアミン塩の調製方法を提供する。この前述の方法に記載したステップのそれぞれは、記載した多形体のそれぞれについて先に記載の方法に従って行われ得る。
【0113】
先の方法は、HPLCによって計測した場合に、少なくとも99%、99.5%、99.9又は99.95%の高い化学的純度でエルトロンボパグ・エタノールアミン塩を提供する。
【0114】
先に記載のエルトロンボパグの多形体のそれぞれが、医薬製剤を調製するために使用できる。
【0115】
本発明では、先に記載したエルトロンボパグの多形体のうちのいずれか1つ又はそれらの組合せ物、及び少なくとも1つの医薬的に許容し得る賦形剤を含む医薬製剤を提供する。
【0116】
先に記載した結晶形のそれぞれはまた、エルトロンボパグの形態は、先のエルトロンボパグの多形体のうちのいずれか1つ又はそれらの組合せ物とエタノールアミンを反応させることによって、エルトロンボパグ・ビスエタノールアミン又はモノエタノールアミン塩を調製するのに使用されることもできる。
【0117】
エルトロンボパグ・エタノールアミン塩の調製方法は、先のエルトロンボパグの多形体のうちのいずれか1つ又はそれらの組合せ物を調製し、そしてそれらをエルトロンボパグ・ビスエタノールアミン又はモノエタノールアミン塩に変換するステップを含むことができる。
【0118】
一実施形態において、本発明は、非晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩を包含する。その非晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩は、図22に示したPXRDパターンを特徴とすることができる。その非晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩は、図23に示したDSCサーモグラムをさらなる特徴とすることができる。
【0119】
先の非晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩は、溶媒の不存在下でエルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩を粉砕するステップ、すなわち、乾式粉砕ステップ、を含む方法によって調製できる。
【0120】
他の実施形態において、本発明は、以下の:9.3、11.8、13.2及び17.7°2θ±0.2°2θのピークを有する粉末XRDパターン;図24に示したPXRDパターン;174.9、147.1、135.4及び58.7±0.2ppmにピークを有する固相13C NMRスペクトル;図39に示した固相13C NMRスペクトル;;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータを特徴とする結晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩を包含する。この結晶形のエルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩は、本明細書中では、II型と命名されている。
【0121】
先のエルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩のII型は、以下の:8.1、15.2、22.6及び26.1°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図25に示したDSCサーモグラム;156.7、130.4、126.4及び113.9±0.2ppmにピークを有する固相13C NMRスペクトル;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータをさらなる特徴とすることができる。
【0122】
結晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミンII型には、以下の:化学的純度、流動性、溶解性、形態又は結晶性質、安定性‐例えば貯蔵安定性、脱水に対する安定性、多形性転換に対する安定性など、低い吸湿性、低い残留溶媒含量のうちの少なくとも1つから選択される有利な特性を有する。特に、本発明の結晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミンII型には、有利な化学的純度を有し、且つ、それは、水中に高可溶性である。
【0123】
好ましい実施形態において、先のII型は多形的に純粋である。本明細書中で使用される場合、多形的に純粋なII型という用語は、エルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩II型を含有し、且つ、ビスエタノールアミンのI型と命名されている7.5、8.3、14.0及び23.0°2θ±0.2°2θにピークを有するPXRDパターンを特徴とするビスエタノールアミン塩のI型を約10重量%以下、5重量%以下、特に1重量%以下、好ましくは1重量%〜10重量%、1重量%〜5重量%、特に1重量%以下しか含有していない組成物に相当する。
【0124】
組成物中のエルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩のI型とII型の量は、PXRDによって計測できる。例えば、I型の量は、7.5、8.3及び14.0°2θ±0.2°2θのピークのうちのいずれか1つによって計測でき;そしてII型の量は、9.3、11.8及び13.2°2θ±0.2°2θのピークのうちのいずれか1つによって計測できる。
【0125】
先のエルトロンボパグのビスエタノールアミン塩のII型は、メチルtert‐ブチルエーテル(MTBE)の存在下で非晶性エルトロンボパグがビスエタノールアミン塩を粉砕するステップを含む方法によって調製できる。II型を得るためには、十分な量のMTBEが加えられなくてはならない。好ましくは、収率を最大にするためには、固形物をペーストに変えることなく、できるだけ多量のMTBEが加えなくてはならない。例えば、実施例25を参照のこと。
【0126】
一実施形態において、本発明は、以下の:4.1、6.5、15.2及び18.1°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図26に示したPXRDパターン;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータを特徴とする結晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩を包含する。この結晶形のエルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩は、本明細書中では、III型と命名されている。
【0127】
先のエルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩のIII型は、以下の:11.9、13.5、14.6及び17.7°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図27に示したDSCサーモグラム;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータをさらなる特徴とすることができる。
【0128】
先のエルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩のIII型は、クメン、すなわち、イソプロピルベンゼン中に非晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩をスラリー化するステップを含む方法によって調製できる。スラリー化は、およそ1日間にわたって行われ得る。その後、III型は、例えば乾燥させることによって、例えば風乾によってスラリーから回収できる。
【0129】
本発明では、以下の:7.5、8.3、14.0及び23.0°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図28に示したPXRDパターン;図40に示した固相13C NMRスペクトル;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータを特徴とする結晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩を記載している。この結晶形のエルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩は、本明細書中では、I型と命名されている。先のエルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩のI型は、5.7、11.4、17.2及び26.7°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターンをさらなる特徴とすることができる。
【0130】
より好ましい実施形態において、先のI型は、多形的に純粋である。本明細書中で使用される場合、多形的に純粋なI型という用語は、エルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩I型を含有し、且つ、II型のビスエタノールアミン塩と命名されている9.3、11.8、13.2及び17.7°2θ±0.2°2θにピークを有するPXRDパターンを特徴とするII型のビスエタノールアミン塩を約10重量%以下、5重量%以下、特に、1重量%以下しか含有していない組成物に相当する。
【0131】
組成物中のエルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩I型及びII型の量は、PXRDによって計測できる。例えば、I型の量は、7.5、8.3及び14.0°2θ±0.2°2θのピークのうちのいずれか1つによって計測でき;そしてII型の量は、9.3、11.8及び13.2°2θ±0.2°2θのピークのうちのいずれか1つによって計測できる。
【0132】
先のエルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩のI型は、以下の:エタノール、メタノール、テトラヒドロフラン(THF)、及びTHFと水の混合物から成る群から選択される溶媒中で、エルトロンボパグとエタノールアミンを反応させるステップを含む方法によって調製できる。その方法は、溶媒中でエルトロンボパグとエタノールアミンの反応混合物を準備し、そして結晶形を沈殿させるステップを含む。
【0133】
前記反応混合物は、エルトロンボパグ又は溶媒中のエルトロンボパグの懸濁液と、エタノールアミン又は溶媒中のエタノールアミンの溶液を組合せることによって準備できるが、ここで、前記のエルトロンボパグ及びエタノールアミンの溶媒は、同じであっても異なっていてもよい。エルトロンボパグの懸濁液とエタノールアミンの溶液は、組合せステップ前に、例えば還流温度などの温度まで加熱されることもある。例えばエルトロンボパグ及びエタノールアミンの溶媒としてエタノールやメタノールを使用する場合、エルトロンボパグの懸濁液及びエタノールアミンの溶液は加熱され、そしてTHF又はTHFと水の混合物を使用する場合、組合せステップは、およそ室温の温度にて、すなわち、エルトロンボパグの懸濁液及びエタノールアミンの溶液は加熱されることなく行われる。
【0134】
反応混合物を準備した後、それは、例えば組合せステップと同じ温度にて、約30分間〜約45分間にわたりさらに維持され得る。沈殿は、例えば反応混合物を冷却して結晶形を含んでなる懸濁液を得ることによって達成される。温度には冷却は、およそ室温〜約0℃の範囲まで、約0.5時間〜約19時間にわたり行われ得る。例えば、エタノールを使用している場合、冷却は約1.5時間〜約2時間にわたり行われ、そしてメタノールを使用している場合、冷却は約0.5時間〜約19時間にわたり行われる。その後、エルトロンボパグ・ビスエタノールアミンI型が、回収され得る。
【0135】
前記回収は、例えば得られた固形物を懸濁液から濾過し、洗浄し、そして乾燥させるステップを含むことができる。洗浄は、エルトロンボパグの懸濁液又はエタノールアミンの溶液で使用した溶媒を用いて行われ得る。乾燥は、減圧下、例えば約5mBarなどの圧力にて行われ得る。乾燥は、約20℃〜約50℃の温度にて、例えば約1.5時間〜約18時間にわたり行われ得る。任意には、前記乾燥は、2ステップ、例えば約20℃の温度にて乾燥させ、次いで、約50℃の温度にてさらに乾燥させるステップを含むことができる。メタノールからエルトロンボパグ・ビスエタノールアミンI型を結晶化する方法は、それが形成された反応混合物からエルトロンボパグを回収することなく、エルトロンボパグの合成に続けて行われ得る。
【0136】
前記合成は、例えば、塩酸、メタノール、2’,3’‐ジヒドロキシビフェニル‐3‐カルボン酸(BPCA)及び亜硝酸ナトリウムを組合せて第1の溶液を得、スルファミン酸を加えて反応混合物を得、そしてさらにピラゾールを加えて溶液を得るステップを含む方法によって行われ得る。スルファミン酸の添加前、前記第1の溶液は、例えば約5℃〜約0℃の温度にて維持され得る。前記スルファミン酸は、それが前記第1の溶液に添加される前に、水中に溶解され得る。スルファミン酸添加後、得られた反応混合物は、例えば撹拌しながら、約5℃〜約25℃の温度にて、約45分間にわたり維持され得る。次いで、1‐(3,4‐ジメチルフェニル)‐3‐メチル‐1H‐ピラゾール‐5‐オール(「ピラゾール」)が反応混合物に追加され、そして溶液が形成される。その溶液は、例えば撹拌しながら、およそ室温の温度にて約10分間〜約15分間にわたり維持され得る。
【0137】
次いで、エルトロンボパグを含む溶液は、エルトロンボパグ・ビスエタノールアミンI型を調製するために使用できる。その方法は、前記溶液とエタノールアミンを組合せて、結晶形がそこから沈殿する懸濁液を得るステップを含む。その懸濁液は、例えば撹拌してから、約45分間にわたり維持され得る。その後、エルトロンボパグ・ビスエタノールアミンI型は、例えば得られた固形を前記懸濁液から濾過することによって回収され得る。
【0138】
本発明はさらに、約0.5重量%(5000ppm)未満、0.25重量%(2500ppm)未満、又は約0.24重量%(2400ppm)未満の低いエタノール含量しかない結晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミンI型を包含する。
【0139】
低いエタノール含量を有する結晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミンI型は、以下の:a)エタノール中のエタノールアミンの混合物に準備し;b)その混合物を約65℃〜還流温度の温度まで加熱し;c)固形のエルトロンボパグをその混合物に加え;d)還流温度まで加熱し;そして任意に、e)結晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミンI型を回収するステップを含む方法によって調製できる。
【0140】
本発明はさらに、結晶性エルトロンボパグ・モノエタノールアミン塩も提供する。エルトロンボパグ・モノエタノールアミン塩は、以下の化学構造:
【化5】
によって示されることができる。
【0141】
一実施形態において、本発明は、以下の:4.9、6.9、15.1及び23.0°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図29に示したPXRDパターン;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータを特徴とする結晶性エルトロンボパグ・モノエタノールアミン塩を包含する。この結晶形のエルトロンボパグ・モノエタノールアミン塩は、本明細書中では、H型と命名されている。先のH型のエルトロンボパグ・モノエタノールアミン塩は、9.9、12.7、24.0及び27.1°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターンをさらなる特徴とすることができる。
【0142】
先のH型は、1‐ブタノール又は1‐ペンタノールから成る群から選択される溶媒からエルトロンボパグ・モノエタノールアミンを結晶化するステップを含む方法によって調製できる。前記結晶化は、1‐ブタノール又は1‐ペンタノールのいずれかの中でエルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩の溶液を準備し、そして結晶形を沈殿させるステップを含む。その溶液は、エルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩と1‐ブタノール又は1‐ペンタノールを組合せ;そしてその組合せ物を約40℃〜還流温度など、若しくは70℃の温度まで加熱することによって準備できる。沈殿は、例えば前記溶液を冷却して、結晶形を含んでなる懸濁液を得ることによって達成できる。好適な冷却温度は、例えばおよそ室温の温度、すなわち約22℃である。その後、得られた結晶形が、懸濁液から回収され得る。前記回収は、例えば結晶形を濾過し、そして分離した固形物を、例えば室温の温度にて維持するステップを含む。
【0143】
他の実施形態において、本発明は、以下の:10.5、13.4、19.5及び21.7°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図30に示したPXRDパターン;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータを特徴とする結晶性エルトロンボパグ・モノエタノールアミン塩を包含する。この結晶形のエルトロンボパグ・モノエタノールアミン塩は、本明細書中では、E型と命名されている。先のエルトロンボパグ・モノエタノールアミン塩のE型は、8.3、14.1、18.3、25.5及び26.4°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターンをさらなる特徴とすることができる。
【0144】
先の結晶性エルトロンボパグ・モノエタノールアミンE型は、非晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミンを乾燥させるステップを含む方法によって調製できる。前記乾燥方法は、非晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミンを2,2,2‐トリフルオロエタノールに晒し、さらに空気に晒すステップを含む。非晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミン、を2,2,2‐トリフルオロエタノールに晒すステップは、約7日間にわたり行われ得る。空気に非晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミンを晒すステップは、例えば約24時間にわたり、約25℃の温度にて行われる。
【0145】
先に記載した結晶形のエルトロンボパグ・モノエタノールアミン及びエルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩は、当該技術分野で知られているいずれかの方法によって、医薬製剤を調製するのに使用できる。
【0146】
本発明は、先に記載したエルトロンボパグ・ビスエタノールアミンの多形体及びエルトロンボパグ・モノエタノールアミン塩のうちのいずれか1つ、又はそれらの組合せ物、並びに少なくとも1つの医薬的に許容し得る賦形剤を含んでなる医薬製剤を提供する。
A.PXRD法
【0147】
サンプルを、乳鉢と乳棒で粉末化した後、シリコン・プレート・ホルダー上に直接付ける。粉末X線回折パターンを、Cu照射源=1.54184Å(オングストローム)、X’Celerator(2.022°2θ)検出装置を備えたPhilips X’Pert PRO X-ray powder diffractometerを用いて計測した。スキャン条件:角度範囲:3〜40度、ステップサイズ0.0167、1ステップあたりの時間50秒又は100秒、連続走査。ピーク位置の精度は、機器及びサンプル調製のような実験的差異のため±0.2度と規定した。スキャン条件は、以下のとおりであった:
【0148】
【表1】
【0149】
B.DSC法
DSC分析を、50ml/分の窒素流下、10℃/分の加熱速度を用いてQ 1000 MDSC(TA instruments)により実施した。標準的なアルミニウム製の(くぼみのある)密封型パンを使用し、サンプル質量は約1〜5mgであった。
C.GC法
(i)機材
【0150】
装置:オートサンプラー、スプリット/スプリットレス・インジェクター及び炎イオン化検出器を備えたキャピラリーガスクロマトグラフィー機器
キャピラリーカラム:DB-WAX(USP G14)、30m×0.53mm、1μm又は実証済みの同等物
好適なデータ収集システム
分析用はかり0.01mg
(ii)試薬と標準物質
【0151】
全ての試薬と標準物質は、クロマトグラフィー・グレードである。クロマトグラフィー・グレードが入手できない場合には、A.C.S.グレード又は入手可能ないずれかの好適なグレードを使用することもできる。
ジメチルスルホキシド(DMSO)、p.a.
テトラヒドロフラン、p.a.
メタノール、p.a.
エタノール、p.a.
酢酸、p.a.
GC条件
カラム温度:
50℃の等温、5分間
20℃/分にて50℃→230℃
230℃の等温、40分間
インジェクター温度:250℃
検出装置温度:280℃
検出装置:FID
キャリア:4mL/分のHe(又はN2)(約10psiの定圧)
分割比:2:1
(iii)溶液の調製:
【0152】
ブランク溶液(B):バイアル内にDMSOを入れる。
作業用標準溶液(WS):10mLのメスフラスコ内にDMSOの一部を入れる。0.01mgの精度を有するはかりにより、メスフラスコ内の約150mg(190μL)のメタノール、約36mg(41μL)のテトラフラン標準、約250mg(316μL)のエタノール標準、及び約250mg(316μL)の酢酸標準を秤量した。DMSOを用いて体積に対して希釈し、そして十分に混合する。
標準溶液(STD):100mLのメスフラスコ内にDMSOの一部を入れる。先に調製した作業用標準溶液(WS)1.0mLをピペットで計り取り、体積に対して希釈し、そして十分に混合する。標準溶液(STD)をバイアル内にピペットで計り取る。
試験溶液(T):0.01mgの精度を有するはかりにより、5mLのメスフラスコ内に約250mgのサンプルを計り取り、そして体積に対して希釈する。溶液をバイアル内にピペットで計り取る。
D.固相13C NMR法
【0153】
Bruker Avance II+ 500を使用した125MHzの13C NMR。
4mmローターを使用したSBプローブ。
KBrを使用してマジック角を設定した。
磁場の均一性をアダマンタンを使用して確認した。
交差分極に関するパラメーターをグリシンを使用することで最適化した。
波長別基準を外部標準のグリシンに従って設定した(低磁場カルボキシル・シグナルに関して176.03ppm)。
【実施例】
【0154】
実施例1:未精製エルトロンボパグの調製
3’‐アミノ‐2’‐ヒドロキシビフェニル‐3‐カルボン酸(「BPCA」)I型(90g、392.6mmol)を、室温にて撹拌しながら、3Lの反応器内のtech.メタノール(1.8L)と4Mの塩酸(0.245L、981.5mmol)の溶媒混合物にゆっくり加えた。得られた赤色の溶液を30分間撹拌した。次いで、その溶液を0〜5℃に冷却し、そして90mLの水中の亜硝酸ナトリウム(27g、391.3mmol)の冷たい溶液を、反応混合物温度が10℃より高く上昇しないように、20分間にわたって加えた。反応混合物を、5〜10℃にて1時間撹拌した。90mLの水中のスルファミン酸(4g、41.2mmol)を5℃にて加え、そして得られた混合物を同じ温度にてさらに1時間撹拌した。反応混合物を室温に暖め、トリエチルアミン(約104mL)を加えて、pH7〜8に調整した。1‐(3,4‐ジメチルフェニル)‐3‐メチル‐1H‐ピラゾール‐5‐オール(「ピラゾール」)I型(72g、357.8mmol)を、前記反応混合物に一度に加え、そして得られた混合物を室温にてさらに2時間撹拌した。塩酸(4M、約140mL)を、撹拌しながら20分間にわたってゆっくり加えて、pHを1.8に調整した。固形物を沈殿させ、そして濾過によって回収し、MeOH:水(1:1、100mL)混合物で洗浄し、減圧下、40℃/0barにて約18時間乾燥させ、151gのI型の未精製(XRPD:わずかなパーセンテージ(10%未満)のIII型)のオレンジ〜褐色の結晶のエルトロンボパグ未精製物を得た(HPLC:98.5%、収率=95.4%)。
実施例2:結晶性エルトロンボパグI型の調製
【0155】
エルトロンボパグI型とIII型の混合物(500mg)を、アセトン(30mL)中に懸濁し、そして57℃に暖めた。水(10mL)を加え、そして得られた懸濁液を22℃の温度に達するまで冷却したままにした。沈殿物を、濾過し、そして50℃/5mbarにて1時間乾燥させて、314mgを得た。
実施例3:結晶性エルトロンボパグI型の調製
【0156】
エルトロンボパグI型とIII型の混合物(230mg)を、加熱しながら、25mLの氷酢酸(99.5%)中に溶解した。次いで、熱い溶液を、濾過し、氷浴中で冷却しながら結晶化させておいた。得られた生成物を濾過によって回収し、そして減圧下で35℃にて乾燥させた。139mgの明るいオレンジ色の生成物を得た。
実施例4:結晶性エルトロンボパグI型の調製
【0157】
エルトロンボパグIII型(96mg)を、氷酢酸の沸点(118℃)まで加熱しながら、10mLの氷酢酸(99.5%)中に溶解した。次いで、その熱い溶液を、濾過し、室温(23℃)に冷ましながら結晶化させておく。得られた生成物を、濾過によって回収し、そして減圧下で35℃で乾燥させた。40mgの明るいオレンジ色の生成物を得た。
実施例5:化学的に純粋な結晶性エルトロンボパグI型の調製
【0158】
エルトロンボパグIII型(24.42g、HPLC純度:98%)を、1Lの反応器内で470mlの氷酢酸(>99.5%)中に懸濁した。その懸濁液を、還流温度下で5時間撹拌し、次いで、40℃に冷却し、そして同じ温度にて1時間撹拌した。結晶が形成されるので、それを、濾別し、100mLのメタノール:水(1:1)で洗浄し、そして60℃/0mbarにて12時間乾燥させ、20.49gのオレンジ色の固形物のエルトロンボパグI型(収率=88%;HPLC純度:99.94%)を得た。
実施例6:化学的に純粋な結晶性エルトロンボパグI型の調製‐大規模
【0159】
未精製のエルトロンボパグ(151g、HPLC純度:98.5%)を、3Lの反応器内で2.9Lの氷酢酸中に懸濁した。その懸濁液を、還流温度下で5時間撹拌し、そして40℃に冷却した。結晶が形成されるので、それを、濾別し、そして200mLのメタノール:水(1:1)で洗浄し、そして60℃/0mbarにて一晩乾燥させ、133gのオレンジ色の固形物の純粋な3’‐{N’‐[1‐(3,4‐ジメチルフェニル)‐3‐メチル‐5‐オキソ‐1,5‐ジヒドロ‐ピラゾール‐4‐イリデン]ヒドラジノ}‐2’‐ヒドロキシビフェニル‐3‐カルボン酸(HPLC:99.8%;XRPD:I型)(収率=88%)。PXRD分析は、図1に示した回折図を提供した。DSC分析は、図2に示した示差熱図を提供した。
実施例7:結晶性エルトロンボパグIII型の調製
【0160】
エルトロンボパグ(210mg)を、還流温度(77℃)にて加熱しながら、15mLのEtOAc中に溶解した。次いで、その熱い溶液を濾過し、氷浴(0〜5℃)中で冷却しながら、結晶化させておいた。得られた生成物を、濾過によって回収し、そして22℃にて一晩乾燥させた。82mgの明るいオレンジ色の生成物を得た。PXRD分析は、図3に示した回折図を提供した。DSC分析は、図4に示した示差熱図を提供した。
実施例8:結晶性エルトロンボパグIV型の調製
【0161】
エルトロンボパグ(500mg)I型を、MeOH/水混合物1:3(40mL)中に懸濁し、そして80℃まで加熱した。その懸濁液を、22℃に冷却しておいた。沈殿物を、濾過し、MeOHで洗浄し、そして大気中で一晩風乾して、321mgを得た。PXRD分析は、図5に示した回折図を提供した。
実施例9:結晶性エルトロンボパグV型の調製
【0162】
エルトロンボパグI型とIII型(500mg)の混合物を、THF(10mL)中に溶解し、そして水/MeOH(1:1、10mL)の混合物を滴下して加えた。その沈殿物を、濾過し、そして50℃/5mbarにて2時間乾燥させて、340mgを得た。
実施例10:結晶性エルトロンボパグV型の調製
【0163】
エルトロンボパグI型とIII型(500mg)の混合物を、THF(10mL)中に溶解し、そして水(10mL)を滴下して加えた。その溶液を、1時間撹拌し、その間に沈殿を形成させた。沈殿物を、濾過し、THF/水(1:1、10mL)で洗浄し、そして50℃/5mbarにて2時間乾燥させて、423mgを得た。
実施例11:結晶性エルトロンボパグV型の調製
【0164】
エルトロンボパグ(8.65g)を、還流温度に加熱しながらTHF(50mL)中に溶解した。水(50mL)を滴下して加え、そして溶液を、22℃にて1時間撹拌し、その間に沈殿を形成させた。沈殿物を、濾過し、水で洗浄し、そして50℃/5mbarにて2時間乾燥させて、7.70gを得た。PXRD分析は、図7に示した回折図を提供した。DSC分析は、図8に示した示差熱図を提供した。
実施例12:結晶性エルトロンボパグV型の調製
【0165】
エルトロンボパグVIII型(1.092g)を、60℃に加熱しながら、6.4mLのTHF中に溶解した。透明な溶液を得たら、6.4mlのH2Oを加え、そして反応混合物を22℃にて1時間撹拌した。固形物を、沈殿させ、そしてそれを濾過し、H2Oで洗浄し、そして減圧下で50℃にて1時間乾燥させた。1.023gの明るいオレンジ色の生成物を得た。
実施例13:結晶性エルトロンボパグVI型の調製
【0166】
エルトロンボパグV型(2mg)を、35ml/分の流量の窒素流入下、リッド上に小さなくぼみのあるアルミニウム製サンプルパンの中に入れた。サンプルを、20℃にて平衡化し、1分あたり10℃の加熱速度で120℃に至るまで加熱した。そのサンプルを、10℃/分の速度で20℃に至るまで冷却した。調製したサンプルを、XRPDによって計測し、そして特徴的なパターンを得た。PXRD分析は、図9に示した回折図を提供した。
実施例14:結晶性エルトロンボパグVII型の調製
【0167】
エルトロンボパグV型(2mg)を、35ml/分の流量の窒素流入下、リッド上に小さなくぼみのあるアルミニウム製サンプルパンの中に入れた。サンプルを、20℃にて平衡化し、そして1分あたり10℃の加熱速度で213℃に至るまで加熱した。DSCをインジウムによって較正した。サンプルを、10℃/分の速度で20℃に至るまで冷却した。調製したサンプルをXRPDによって計測し、そして特徴的なパターンを得た。PXRD分析は、図10に示した回折図を提供した。
実施例15:結晶性エルトロンボパグVIII型の調製
【0168】
エルトロンボパグIV型(500mg)を、ジクロロメタン(10mL)及び水(5mL)中に懸濁した。その懸濁液を、NaOH、1M(2.5mL)で塩基性化し、次いで、HCl、1M(2.5mL)で酸性化した。固形物を濾過し、そして真空オーブン内で50℃/5mbarにて1/2時間乾燥させた。PXRD分析は、図11に示した回折図を提供した。DSC分析は、図12に示した示差熱図を提供した。
実施例16:US 2006/0178518A1、実施例1によるエルトロンボパグ・エタノールアミンの調製
【0169】
エルトロンボパグの未精製のオレンジ色の固形物(1g)を、約30℃にて16.75mlのTHF中で撹拌した。水(2.0ml)を、28℃より高い温度を維持するようにゆっくり加えた。添加が完了したら、温度を30℃に戻し、そしてその溶液を、グラスファイバーパッド(2×Whatman GFCフィルター)を通して濾過して、粒状物質を取り除いた。フィルターをTHF(2、0ml)で洗い流し、それも濾液に加えた。濾液を、室温まで冷ました。エタノールアミン(0.324g2.35mol当量)を、22℃にてIMS(26ml)中に溶解し、そして窒素雰囲気下で22℃にて撹拌した。遊離酸を含む濾液を、20〜30分間かけてエタノールアミン溶液に加えた。得られた暗赤色の懸濁液を、3時間撹拌し、そして固形物を、濾過によって分離し、そして真空オーブン内で50℃にて一晩乾燥させて、1.22g(96%)の表題化合物を得た。
実施例17:結晶性エルトロンボパグIX型の調製
【0170】
エルトロンボパグI型(15〜20mg)を、加熱しながらTHF(2mL)中に溶解し、そして22℃にて静置した。得られた結晶を、XRD散剤分析によって分析した。PXRD分析は、図13に示した回折図を提供した。
実施例18:結晶性エルトロンボパグX型の調製
【0171】
エルトロンボパグI型(15〜20mg)を、加熱しながらDMSO(2mL)中に溶解し、そして22℃にて静置した。得られた結晶を、粉末XRD分析によって分析した。PXRD分析は、図14に示した回折図を提供した。
実施例19:結晶性エルトロンボパグXI型の調製
【0172】
エルトロンボパグI型(15〜20mg)を、加熱しながらアセトン(6mL)中に溶解し、濾過し、そして22℃にて静置した。得られた結晶を、粉末XRDによって分析した。PXRD分析は、図15に示した回折図を提供した。
実施例20:結晶性エルトロンボパグXII型の調製
【0173】
エルトロンボパグI型(15〜20mg)を、加熱しながらメトキシベンゼン(アニソール)(6mL)中に溶解した。溶液を22℃にて静置した。得られた結晶を、粉末XRDによって分析した。PXRD分析は、図16に示した回折図を提供した。
実施例21:結晶性エルトロンボパグXIII型の調製
【0174】
エルトロンボパグI型(15〜20mg)を、加熱しながらジエチルエーテル(6mL)中に溶解し、濾過し、そして22℃にて静置した。得られた結晶を、粉末XRDによって分析した。PXRD分析は、図17に示した回折図を提供した。
実施例22:結晶性エルトロンボパグXIV型の調製
【0175】
エルトロンボパグI型(15〜20mg)を、加熱しながら酢酸エチル(6mL)中に溶解し、濾過し、そして22℃にて静置した。得られた結晶を、粉末XRDによって分析した。PXRD分析は、図18に示した回折図を提供した。
実施例23:結晶性エルトロンボパグXV型の調製
【0176】
エルトロンボパグX型(2mg)を、DSC内に置き、そしてN2下で160℃の温度まで加熱した。調製したサンプルを、XRPDによって計測した。PXRD分析は、図19に示した回折図を提供した。
実施例24:非晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩の調製
【0177】
約0.1gのエルトロンボパグ・ビスエタノールアミンを、Fritsch Pulverisette7、ボール・ミルにより粉砕した。サンプルを、650rpmの速度率で、7個のメノウボール(直径10mm)の入った12mLのメノウコンテナ内で粉砕した。1時間、2時間及び3時間の乾性粉砕後に非晶性サンプルを得た。XRPD及びDSCを、図22及び図23に示す。
実施例25:結晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩II型の調製
【0178】
約0.1gの非晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミンを、Fritsch Pulverisette7、ボール・ミルにより追加の0.5mlのメチルtert‐ブチルエーテルと共に粉砕した。サンプルを、700rpmの速度率で6個のメノウボール(直径10mm)の入った12mLのメノウコンテナ内で粉砕した。結晶サンプルを、1時間の粉砕後に得た。実験を続ける中で、材料の結晶性を上げるために1時間の粉砕後、そしてさらに2時間の粉砕後に、追加の0.5mlのメチルtert‐ブチルエーテルを、同じコンテナ内に加えた。3時間の粉砕後に得たサンプルのXRPD及びDSC測定の未加工データを、それぞれ図24及び図25に示す。
実施例26:結晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩III型の調製
【0179】
約0.2gの非晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミンを、約1日間、約3mlのクメン溶媒と共にスラリー化した。得られた赤色の懸濁液を、空気中で約25℃の周囲温度にて乾燥させた。得られたサンプルのXRPD及びDSC測定の未加工データを、それぞれ図24及び図25に示す。
実施例27:結晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩I型の調製
【0180】
エルトロンボパグ(2.48g)を、50mlのエタノール中に懸濁した。反応混合物を還流し、そして3.4mlのエタノールアミンを、滴下してその懸濁液に加えた。混合物を45分間還流し、そして1.5時間かけて0℃まで冷却した。得られた結晶を濾別した。2.9gの紫色の結晶を得た。収率91.0%。
実施例28:結晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩I型の調製
【0181】
エタノールアミン(3.1ml)を、55mlの無水エタノールに加え、そして還流した。2.27gのエルトロンボパグを分割して10分間かけて加えた。得られた混合物を、30分間還流し、そしてその後、1.5時間かけて0℃まで冷却した。得られた懸濁液を、20℃にて一晩撹拌した。結晶を、形成させ、そして濾別した。2.75gの紫色の結晶を得た。収率94.8%。
実施例29:結晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩I型の調製
【0182】
メタノールHCl酸(22ml、1.25M)、50mlのメタノール及び2.5gのBPCA(2’,3’‐ジヒドロキシビフェニル‐3‐カルボン酸)を、撹拌し、そして0〜5℃まで冷却し、その時点で(3mlの水中に溶解した)0.770gのNaNO2を滴下して加えた。得られた溶液を、0〜5℃にて30分間撹拌し、そしてその後、2mlの濃HCl酸を滴下して加えた。(3mlの水中に溶解した)40mgのスルファミン酸の添加に続いて、得られた溶液を0〜5℃にて30分間撹拌した。2.2gの1‐(3,4‐ジメチルフェニル)‐3‐メチル‐1,2‐ジヒドロピラゾール‐5‐オンの添加に続いて、得られた反応混合物を5〜25℃にて45分間撹拌した。得られた溶液を、室温にて10〜15分間撹拌し、そして4mlのエタノールアミンを加えた。濾過に続いて、得られた懸濁液を45分間撹拌した。4.56gの紫色の粉末を得た。収率74.15%。
実施例30:結晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩I型の調製
【0183】
エルトロンボパグ(1.0g;2.26mmol)を、室温にてTHF(17mL)中に溶解した。水(2mL)と追加のTHF(2mL)を加え、そしてその溶液を濾過した。エタノールアミン(0.32mL;5、31mmol)をエタノール、p.a.(26mL)中に溶解し、そしてN2雰囲気下で撹拌した。エルトロンボパグ溶液を、滴下して25〜30分間かけてエタノールアミン/エタノール混合物に加えた。得られた反応混合物を、N2雰囲気下で3時間撹拌した。沈殿物を、濾過し、そして50℃/5mbarにて3時間乾燥させて、1.01g(79%)のこげ茶色の固形物を得た。
実施例31:結晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩I型の調製
【0184】
エルトロンボパグ(1.0g;2.26mmol)を、N2雰囲気下で室温にて撹拌しながらTHF(30mL)中に溶解した。エタノールアミン(1.4mL;23mmol)をTHF溶液に加え、そして得られた反応混合物をN2雰囲気下で1.5h時間撹拌した。沈殿物を形成させ、そして濾過し、THF(2×2mL)で洗浄し、そして50℃/5mbarにて3時間乾燥させて、1.20g(94%)の紫色がかった茶色の固形物を得た。
実施例32:結晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩I型の調製
【0185】
エルトロンボパグ(9g;20mmol)を、RTにてN2雰囲気下で撹拌しながらTHF(270mL)中に溶解した。エタノールアミン(3.0mL;50mmol)をTHF溶液に加え、そして得られた反応混合物をN2雰囲気下で1.5時間撹拌した。沈殿物を形成させ、そして濾過し、THFで洗浄し、そして20℃/5mbarにて3時間及び50℃/5mbarにて18時間乾燥させて、10.0g(89%)の紫色がかった茶色の固形物を得た。
実施例33:結晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩I型の調製
【0186】
エルトロンボパグ(1.67g;3.78mmol)をTHF(30mL)中に溶解し、そしてその溶液を濾過した。エタノールアミン(2.28mL;37.8mmol)をエタノール、p.a.(50mL)中に溶解し、そして還流温度に加熱した。エタノールが蒸留し始めると、THF溶液を、エタノールアミン溶液に添加漏斗によって20分間かけて滴下して加えた。添加物をTHF(2×1.7mL)でさらに洗浄した。得られた反応混合物をN2雰囲気下で0.5時間還流した。加熱を中止し、そして撹拌を5時間続けた。沈殿物を形成させ、そして濾過し、EtOH(2×4mL)で洗浄し、そして22℃/5mbarにて18時間及び50℃/5mbarにて2時間乾燥させて、1.4g(66%)のコハク色の固形物を得た。
実施例34:結晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩I型の調製
【0187】
エルトロンボパグIII型(1.0g;2.26mmol)を、MeOH(20mL)中に懸濁し、そして還流温度に加熱した。エタノールアミン(1.36mL;22.6mmol)を得られた懸濁液に加え、そして得られた反応混合物を還流温度にて0.5時間撹拌した。加熱を中止し、そして反応混合物を25℃にて2時間撹拌した。その懸濁液を、0℃に冷却し、そして0.5時間撹拌した。沈殿物を、濾過し、冷MeOH(2×5mL)で洗浄し、そして50℃/5mbarにて15時間乾燥させて、1.06g(83%)の紫色の結晶を得た。
実施例35:結晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩I型の調製
【0188】
エルトロンボパグI型(5.7g;12.9mmol)をMeOH(114mL)中に懸濁し、そして還流温度に加熱した。エタノールアミン(7.8mL;129mmol)をMeOH(28.5mL)中に溶解し、そしてエルトロンボパグ懸濁液に5分間かけて滴下して加えた。得られた反応混合物を、還流温度にて0.5時間、そして室温にて19時間撹拌した。沈殿物を、濾過し、MeOH(100mL)で洗浄し、そして50℃/5mbarにて2時間乾燥させて、5.39g(74%)の紫色の結晶を得た。
実施例36:結晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩I型の調製
【0189】
エルトロンボパグI型V型の混合物(3.5g;7.92mmol)を、EtOH(70mL)中に懸濁し、そして還流温度に加熱した。エタノールアミン(4.8mL;79、6mmol)を、EtOH(17.5mL)中に溶解し、そして前記エルトロンボパグ懸濁液に15分間かけて滴下して加えた。得られた反応混合物を、還流温度にて0.5時間撹拌し、1.5時間のうちに0℃に冷却し、そしてさらに0.5時間撹拌した。沈殿物を、濾過し、EtOH(3×10mL)で洗浄し、そして50℃/5mbarにて1.5時間乾燥させて、3.71g(83%)の紫色の結晶を得た。
実施例37:結晶性エルトロンボパグ・モノエタノールアミン塩H型の調製
【0190】
エルトロンボパグ・ビスエタノールアミン(15〜20mg)を、70℃に加熱しながら5mLの1‐ブタノール中に溶解し、そして22℃にて結晶化させておく。沈殿を分析した。
実施例38:結晶性エルトロンボパグ・モノエタノールアミン塩H型の調製
【0191】
エルトロンボパグ(15〜20mg)ビスエタノールアミンを、70℃に加熱しながら5mLの1‐ペンタノール中に溶解し、次いで、22℃にて結晶化させておく。沈殿物を、形成させ、そして濾過によって分離し、そして分析した。PXRD分析は、図29に示した回折図を提供した。
実施例39:結晶性エルトロンボパグ・モノエタノールアミン塩E型の調製
【0192】
非晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミン(0.5g)を、2,2,2‐トリフルオロエタノール雰囲気の入ったデシケータ内に入れた。7日後に、黄色〜オレンジ色のサンプルを、前記デシケータから取り出し、そして約25℃の温度にて約24時間風乾した。PXRD分析は、図30に示した回折図を提供した。
実施例40:エルトロンボパグ・ビスエタノールアミンI型との混合物の状態の結晶性II型のエルトロンボパグ・ビスエタノールアミンの調製
【0193】
エタノールアミン(1.0mL;16.6mmol)を、室温にて酢酸n‐プロピル中に溶解した。エルトロンボパグ(1.5g;3.39mmol)を、室温にてTHF(20mL)中に溶解し、得られた溶液は、添加漏斗の中に濾過され、そしてその結果、エタノールアミン溶液に加えられた。前記添加漏斗を、THF(10mL)でさらに洗浄した。反応混合物を、室温にて1時間撹拌した。固形物を、形成させ、そして濾過し、及び反応器をTHF(30mL)で洗浄した。沈殿物を、THF(10mL)で洗浄し、そして50℃/5mbarにて2.5時間乾燥させて、1.78g(93%)の紫色の固形のEBPオールアミンを得た。
実施例41:エルトロンボパグ・ビスエタノールアミンI型との混合物の状態の結晶性II型のエルトロンボパグ・ビスエタノールアミンの調製
【0194】
エルトロンボパグ、V型(50mg)を、加熱しながら1,4‐ジオキサン(3mL)中に溶解した。エタノールアミン(0.05mL)を加え、そしてフラスコを閉じ、静置した。沈殿物を、形成させ、そしてXRPDによって分析した。
実施例42:エルトロンボパグ・ビスエタノールアミンI型との混合物の状態の結晶性II型のエルトロンボパグ・ビスエタノールアミンの調製
【0195】
非晶性エルトロンボパグ・エタノールアミンを、tert‐ブチルメチルエーテル(TMBE)と共に1時間にわたってスラリー化した。エルトロンボパグ・ビスエタノールアミンII型と非晶質を検出した。その混合物をさらにスラリー化し、そしてエルトロンボパグ・ビスエタノールアミンI型がさらに検出された。スラリー化の3日後に、より多量のI型及びII型を含むエルトロンボパグ・ビスエタノールアミンI型とIIの安定した懸濁液を得た。
実施例43:エルトロンボパグ・ビスエタノールアミンI型との混合物の状態の結晶性II型のエルトロンボパグ・ビスエタノールアミンの調製
【0196】
エルトロンボパグ・ビスエタノールアミンのII型とI型の混合物を、約12日間にわたる、1‐オクタノール雰囲気中での非晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミンの緩やかな結晶化によって調製した。
実施例44:エルトロンボパグ・ビスエタノールアミンI型との混合物の状態の結晶性II型のエルトロンボパグ・ビスエタノールアミンの調製
【0197】
エルトロンボパグ・ビスエタノールアミンのII型とI型の混合物を、1‐オクタノールとの非晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミンの溶媒ドロップ粉砕によって調製した。約0.1gの非晶性エルトロンボパグ・オールアミンを、Fritsch Pulverisette7、ボール・ミルにより追加の数滴の1‐オクタノールと共に粉砕した。サンプルを、6個のメノウボール(直径10mm)の入った12mLのメノウコンテナ内で粉砕した。2時間の粉砕(700rpm)後に、II型を検出した。
実施例45:エルトロンボパグ・ビスエタノールアミンI型との混合物の状態の結晶性II型のエルトロンボパグ・ビスエタノールアミンの調製
【0198】
非晶質エルトロンボパグ・ビスエタノールアミンとの混合物の状態のエルトロンボパグ・ビスエタノールアミンII型を、数滴の水との非晶性EBPの非常に強い粉砕によって、3時間の粉砕後に得た。約0.1gの非晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミンを、Fritsch Pulverisette7、ボール・ミルにより、追加の0.5mlの水と共に粉砕した。サンプルを、6個のメノウボール(直径10mm)の入った12mLのメノウコンテナ内で粉砕した。粉砕時間:1時間(650rpm)+1時間(800rpm)+1時間(800rpm)→XRPD。
実施例46:純粋な結晶性II型のエルトロンボパグ・ビスエタノールアミンの調製
【0199】
純粋なII型のエルトロンボパグ・ビスエタノールアミンを、室温にて1カ月以上にわたるTMBE雰囲気中での非晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミンの緩やかな結晶化によって調製した。
実施例47:結晶性エルトロンボパグXVI型の調製
【0200】
結晶性3’‐アミノ‐2’‐ヒドロキシビフェニル‐3‐カルボキシル酸II型(50g、218mmol、図34のPXRDパターン)(供給業者:Topharman Shangai Co., Ltd;バッチ番号:BPCA:090921BPCA)を、室温(約22℃)にて撹拌しながら1Lの反応器内で、メタノール(1L)と塩酸、4M(137mL)の溶媒混合物中に加えた。得られた溶液を、1/2時間撹拌し、次いで、0〜5℃に冷却した。水(50mL)中の亜硝酸ナトリウム(15g、217mmol)の保冷した溶液を、(反応温度を10℃未満に維持しながら)20分間かけて前記反応混合物に加え、そして撹拌を1時間続けた。水(50mL)中のスルファミン酸(2.22g、23mmol)の溶液を、前記反応混合物に加え、そして5℃にて1時間撹拌した。得られた反応混合物を、室温まで加熱し、そしてトリエチルアミン(約80mL)を加えて、pH7〜8に調整した。結晶性1‐(3,4‐ジメチルフェニル)‐3‐メチル‐1H‐ピラゾール‐5‐オール(「ピラゾール」)II型(44g、218mmol、図33のPXRDパターン)(供給業者:Topharman Shangai Co., Ltd;バッチ番号:090805PYRAZOL)を、前記反応混合物に一度に加え、そしてpH7〜8を維持しながら室温にて2時間撹拌した。塩酸(4M、約40mL)を撹拌しながら20分間かけて加えて、pHを1.8に調整した。沈殿した固形物を、濾過し、MeOH:水(1:1、60mL)の混合物で洗浄し、そして40℃/5barにて約18時間乾燥させて、明るいオレンジ色の粉末として100g(90%)のEBPを得た。PXRD分析は、図20に示した回折図を提供した。DSC分析は、図21に示した示差熱図を提供した。
実施例48:IPCOM000180992Dによる結晶性3’‐アミノ‐2’‐ヒドロキシビフェニル‐3‐カルボン酸(「BPCA」)I型の調製
【0201】
メタノール(5L)中の2’‐ヒドロキシ‐3’‐ニトロビフェニル‐3‐カルボン酸(800g、3.2mol)の溶液を、室温にて8時間、5%Pd/C(160g)上で水素化した。反応混合物を、濾過し、濃縮し、そしてTHF(2.5L)中でスラリー化して、茶色の固形物として3’‐アミノ‐2’‐ヒドロキシビフェニル‐3‐カルボン酸(690g、50.5%)を得た。PXRD分析は、図32に示した回折図を提供した。
実施例49:IPCOM000180992Dによる結晶性1‐(3,4‐ジメチルフェニル)‐3‐メチル‐1H‐ピラゾール‐5‐オール(「ピラゾール」)I型の調製
【0202】
2‐(3,4‐ジメチルフェニル)塩化ヒドラジニウム(900g、5.21mol)、アセト酢酸エチル(678g、5.21mol)、酢酸ナトリウム(428g、5.21mol)及び氷酢酸(10L)を、118℃にて約24時間撹拌した。得られた混合物を、冷却し、濃縮し、そして残渣を、ジクロロメタン(10L)中に溶解し、飽和重炭酸ナトリウム(3×3L)で慎重に洗浄した。有機層を濃縮して、固形物を得た。その固形物を、還流下でエタノール(450mL)中に溶解した。石油エーテル(7.2L)をゆっくり加え、そして得られた混合物を冷却し、濾過して、表題化合物(748g、71%)を得た。PXRD分析は、図31に示した回折図を提供した。
実施例50:エタノール含量の低いエルトロンボパグ・ビスエタノールアミンI型の調製
【0203】
エタノールアミン(24mL、0.4mol)を、1Lの反応器内でエタノール(600mL)と混合した。混合物を65℃に加熱し、そして結晶性エルトロンボパグ(40g、0.08mol)を加えた。得られた反応混合物を、還流温度に加熱し、そして30分間撹拌した。次いで、懸濁液を25℃に冷却した。沈殿物を、形成させ、濾別し、そしてエタノール(100mL)で洗浄した。次いで、固形物を、重量損失<0.5%まで50℃/5mbarにて乾燥させることで、42gのEBPオールアミン(XRPD:I型)(収率=92%;GC残留EtOH=0.24%)の黒紫色の結晶を得た。
実施例51:(Z)‐メチル3’‐(2‐(1‐(3,4‐ジメチルフェニル)‐3‐メチル‐5‐オキソ‐1H‐ピラゾール‐4(5H)‐イリデン)ヒドラジニル)‐2’‐ヒドロキシビフェニル‐3‐カルボキシラート(ETP混入物1)の調製
【0204】
純粋は3’‐{N’‐[1‐(3,4‐ジメチルフェニル)‐3‐メチル‐5‐オキソ‐1、5‐ジヒドロピラゾール‐4‐イリデン]ヒドラジノ}‐2’‐ヒドロキシビフェニル‐3‐カルボン酸(エルトロンボパグ)(20g、0.045mol)を、MeOH/THF=1/1(400mL)の混合物中に懸濁した。懸濁液を、還流温度に加熱し、そして硫酸(5mL)を滴下して加えた。反応混合物を、一晩還流し、室温に冷却し、そして留去して、油状残渣を得た。水(200ml)をそれに加え、そして粘度の高い懸濁液を形成した。EtOAc(200ml)を加えて、2相系を形成させ、そして層を分離した。有機層を室温にて30分間静置することで、オレンジ色の結晶の形成を結果的に得た。その結晶を、濾過し、2×20mLのEtOAcで洗浄し、そして真空オーブン内で35℃/0barにて2時間乾燥させて、17.17gの(Z)‐メチル‐3’‐(2‐(1‐(3,4‐ジメチルフェニル)‐3‐メチル‐5‐オキソ‐1H‐ピラゾール‐4(5H)‐イリデン)ヒドラジニル)‐2’‐ヒドロキシビフェニル‐3‐カルボキシラート(収率:83.3%);(HPLC:>95%)
実施例52:((Z)‐3’‐(2‐(1‐(3,4‐ジメチルフェニル)‐3‐メチル‐5‐オキソ‐1H‐ピラゾール‐4(5H)‐イリデン)ヒドラジニル)‐2’‐ヒドロキシビフェニル‐3‐カルボキサミド(ETP混入物2)の調製
【0205】
ステップa:(Z)‐3’‐(2‐(1‐(3,4‐ジメチルフェニル)‐3‐メチル‐5‐オキソ‐1H‐ピラゾール‐4(5H)‐イリデン)ヒドラジニル)‐2’‐ヒドロキシビフェニル‐3‐カルボニルクロリドの調製
【0206】
三つ口フラスコ内で室温にて、塩化チオニル(5mL、68.5mmol)を、乾燥THF(75mL)中の純粋な3’‐{N’‐[1‐(3,4‐ジメチルフェニル)‐3‐メチル‐5‐オキソ‐1,5‐ジヒドロ‐ピラゾール‐4‐イリデン]ヒドラジノ}‐2’‐ヒドロキシビフェニル‐3‐カルボン酸(エルトロンボパグI型)(5g、11mmol)の溶液に添加し、続いてDMF(0.5mL)を添加した。反応混合物を1時間撹拌し、そして追加の塩化チオニル(5mL、68.5mmol)とDMF(0.5mL)を加えた。塩化アシルの沈殿を30分以内に開始させ、そしてヘプタン(90mL)を加えた。粘度の高い反応懸濁液を、さらに30分間撹拌し、濾過し、2×50mLのヘプタンで洗浄して、5gの(Z)‐3’‐(2‐(1‐(3,4‐ジメチルフェニル)‐3‐メチル‐5‐オキソ‐1H‐ピラゾール‐4(5H)‐イリデン)ヒドラジニル)‐2’‐ヒドロキシビフェニル‐3‐カルボニルクロリド(収率:96%);(HPLC:95%)を得、それをすぐに次のステップに使用した。
【0207】
ステップb:Z)‐3’‐(2‐(1‐(3,4‐ジメチルフェニル)‐3‐メチル‐5‐オキソ‐1H‐ピラゾール‐4(5H)‐イリデン)ヒドラジニル)‐2’‐ヒドロキシビフェニル‐3‐カルボキサミド(ETP混入物2)の調製
【0208】
(Z)‐3’‐(2‐(1‐(3,4‐ジメチルフェニル)‐3‐メチル‐5‐オキソ‐1H‐ピラゾール‐4(5H)‐イリデン)ヒドラジニル)‐2’‐ヒドロキシビフェニル‐3‐カルボニルクロリド(5g、10.9mmol)を、NH3/NMP溶液(120mL)に(1時間かけて)分割して加え、そして得られた反応混合物を0℃に冷却した。冷却した反応混合物を、1時間撹拌し、次いで、室温まで温め、そしてEtOH(50mL)を加え、続いて4MのHCl(100mL)を滴下して加えた。得られたオレンジ色の懸濁液を、30分間撹拌し、濾過し、2×50mLのEtOHで洗浄した。濾過したオレンジ色の結晶を、EtOAc(50mL)中に懸濁し、4時間還流し、次いで、室温に冷却し、そして20mLのMeOH/H2O(1/1)を加えた。得られたオレンジ色の懸濁液を、濾過し、MeOH/H2O=1/1(30mL)で洗浄し、そして真空オーブン(0bar/50℃)内で4時間乾燥させて、2.54gのZ)‐3’‐(2‐(1‐(3,4‐ジメチルフェニル)‐3‐メチル‐5‐オキソ‐1H‐ピラゾール‐4(5H)‐イリデン)ヒドラジニル)‐2’‐ヒドロキシビフェニル‐3‐カルボキサミドの蛍光オレンジ色の結晶を得た(収率:50.9%;HPLC純度:98%)。
実施例53:エルトロンボパグXVI型からのエルトロンボパグI型の調製
【0209】
エルトロンボパグ酸、XVI型(27.3g)を、525mLの氷酢酸中に懸濁した。その懸濁液を、還流温度まで加熱し、そして還流温度にて2.5時間撹拌した。次いで、その懸濁液を40℃に冷却した。この方法の中で形成された結晶を、濾別し、メタノール:水(1:1、100mL)で洗浄し、そして50℃にて一晩真空乾燥させた。この方法で、22.08gのエルトロンボパグ酸I型(収率=80.9%)のオレンジ色の固形物を得た。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
4.0、7.3、7.7、12.1及び16.1°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図1に示したPXRDパターン;166.9、155.4、134.1、125.7及び111.8±0.2ppmにピークを有する固相13C NMRスペクトル;図35に示した固相13C NMRスペクトル;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータを特徴とする結晶性エルトロンボパグI型。
【請求項2】
8.8、14.6、17.6、24.3及び26.8°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図2に示したDSCサーモグラム;141.4、130.4、119.8及び117.8±0.2ppmにピークを有する固相13C NMRスペクトル;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータをさらなる特徴とする、請求項1に記載の結晶性エルトロンボパグ。
【請求項3】
前記結晶性エルトロンボパグが無水物である、請求項1に記載の結晶性エルトロンボパグ。
【請求項4】
4.0、7.3、7.7、12.1及び16.1°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターンを特徴とする、請求項1に記載の結晶性エルトロンボパグI型。
【請求項5】
9.2、11.2、12.2及び14.0°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図3に示したPXRDパターン;170.6、128.7、124.2及び113.8±0.2ppmにピークを有する固相13C NMRスペクトル;図36に示した固相13C NMRスペクトル;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータを特徴とする結晶性エルトロンボパグIII型。
【請求項6】
5.3、16.1、22.4及び24.3°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図4に示したDSCサーモグラム;155.0、141.0、136.6及び133.6±0.2ppmにピークを有する固相13C NMRスペクトル;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータをさらなる特徴とする、請求項5に記載の結晶性エルトロンボパグ。
【請求項7】
9.2、11.2、12.2及び14.0°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターンを特徴とする、請求項5に記載の結晶性エルトロンボパグIII型。
【請求項8】
5.9、8.2、10.5及び12.5°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図7に示したPXRDパターン;142.0、131.6、114.9及び67.8±0.2ppmにピークを有する固相13C NMRスペクトル;図37に示した固相13C NMRスペクトル;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータを特徴とする結晶性エルトロンボパグV型。
【請求項9】
5.3、9.2、14.0、23.5及び25.0°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図8に示したDSCサーモグラム;171.9、155.4、136.3及び121.3±0.2ppmにピークを有する固相13C NMRスペクトル;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータをさらなる特徴とする、請求項8に記載の結晶性エルトロンボパグ。
【請求項10】
5.9、8.2、10.5及び12.5°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターンを特徴とする、請求項8に記載の結晶性エルトロンボパグV型。
【請求項11】
7.1、9.5、13.9、21.2及び25.5°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図20に示したPXRDパターン;168.7、156.7、127.6及び112.8±0.2ppmにピークを有する固相13C NMRスペクトル;図38に示した固相13C NMRスペクトル;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータを特徴とする結晶性エルトロンボパグXVI型。
【請求項12】
5.9、11.2、15.4、17.4及び26.2°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図21に示したDSCサーモグラム;146.4、140.7、136.3及び117.3±0.2ppmにピークを有する固相13C NMRスペクトル;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータを特徴とする、請求項11に記載の結晶性エルトロンボパグ。
【請求項13】
7.1、9.5、13.9、21.2及び25.5°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターンを特徴とする、請求項11に記載の結晶性エルトロンボパグXVI型。
【請求項14】
エルトロンボパグ・エタノールアミン塩を調製するのに使用する、請求項1、5、8又は11のいずれか1項に記載の結晶形。
【請求項15】
エルトロンボパグ・エタノールアミン塩を調製するための、請求項1、5、8又は11のいずれか1項に記載の結晶形の使用。
【請求項16】
以下のステップ:請求項1、5、8又は11のいずれか1項に記載の結晶性エルトロンボパグのいずれか1つ又はそれらの組合せ物を調製し、そしてそれをエルトロンボパグ・エタノールアミン塩に変換する、を含むエルトロンボパグ・エタノールアミン塩の調製方法。
【請求項17】
少なくとも約99%の総純度を有するエルトロンボパグ又はエルトロンボパグ・エタノールアミン塩を調製するのに使用する、請求項1又は8に記載の結晶形のエルトロンボパグ。
【請求項18】
HPLCによって計測した場合に、約0.01%〜約0.1%の量で、混入物:(Z)‐メチル3’‐(2‐(1‐(3,4‐ジメチルフェニル)‐3‐メチル‐5‐オキソ‐1H‐ピラゾール‐4(5H)‐イリデン)ヒドラジニル)‐2’‐ヒドロキシビフェニル‐3‐カルボキシラート及び(Z)‐3’‐(2‐(1‐(3,4‐ジメチルフェニル)‐3‐メチル‐5‐オキソ‐1H‐ピラゾール‐4(5H)‐イリデン)ヒドラジニル)‐2’‐ヒドロキシビフェニル‐3‐カルボキサミド、のうちのいずれか一方を含むエルトロンボパグ又はエルトロンボパグ・エタノールアミン塩を調製するのに使用する、請求項1又は8に記載の結晶形のエルトロンボパグ。
【請求項19】
請求項1、5、8又は11のいずれか1項に記載の結晶形のエルトロンボパグ、並びに少なくとも1つの医薬的に許容し得る賦形剤を含んでなる医薬製剤。
【請求項20】
医薬製剤として使用する、請求項1、5、8又は11のいずれか1項に記載の結晶形のエルトロンボパグ。
【請求項21】
薬剤の製造のための、請求項1、5、8又は11のいずれか1項に記載の多形体の使用。
【請求項22】
9.3、11.8、13.2及び17.7°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図24に示したPXRDパターン;174.9、147.1、135.4及び58.7±0.2ppmにピークを有する固相13C NMRスペクトル;図39に示した固相13C NMRスペクトル;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータを特徴とする結晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミンII型。
【請求項23】
8.1、15.2、22.6及び26.1°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図25に示したDSCサーモグラム;156.7、130.4、126.4及び113.9±0.2ppmにピークを有する固相13C NMRスペクトル;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータをさらなる特徴とする、請求項22に記載の結晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩。
【請求項24】
請求項22に記載の結晶形のエルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩、並びに少なくとも1つの医薬的に許容し得る賦形剤を含んでなる医薬製剤。
【請求項25】
医薬製剤として使用する、請求項22に記載の結晶形のエルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩。
【請求項26】
9.3、11.8、13.2及び17.7°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターンを特徴とする、請求項22に記載の結晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミンII型。
【請求項27】
薬剤の製造のための、請求項22に記載の結晶形のビスエタノールアミン塩の使用。
【請求項1】
4.0、7.3、7.7、12.1及び16.1°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図1に示したPXRDパターン;166.9、155.4、134.1、125.7及び111.8±0.2ppmにピークを有する固相13C NMRスペクトル;図35に示した固相13C NMRスペクトル;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータを特徴とする結晶性エルトロンボパグI型。
【請求項2】
8.8、14.6、17.6、24.3及び26.8°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図2に示したDSCサーモグラム;141.4、130.4、119.8及び117.8±0.2ppmにピークを有する固相13C NMRスペクトル;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータをさらなる特徴とする、請求項1に記載の結晶性エルトロンボパグ。
【請求項3】
前記結晶性エルトロンボパグが無水物である、請求項1に記載の結晶性エルトロンボパグ。
【請求項4】
4.0、7.3、7.7、12.1及び16.1°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターンを特徴とする、請求項1に記載の結晶性エルトロンボパグI型。
【請求項5】
9.2、11.2、12.2及び14.0°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図3に示したPXRDパターン;170.6、128.7、124.2及び113.8±0.2ppmにピークを有する固相13C NMRスペクトル;図36に示した固相13C NMRスペクトル;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータを特徴とする結晶性エルトロンボパグIII型。
【請求項6】
5.3、16.1、22.4及び24.3°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図4に示したDSCサーモグラム;155.0、141.0、136.6及び133.6±0.2ppmにピークを有する固相13C NMRスペクトル;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータをさらなる特徴とする、請求項5に記載の結晶性エルトロンボパグ。
【請求項7】
9.2、11.2、12.2及び14.0°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターンを特徴とする、請求項5に記載の結晶性エルトロンボパグIII型。
【請求項8】
5.9、8.2、10.5及び12.5°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図7に示したPXRDパターン;142.0、131.6、114.9及び67.8±0.2ppmにピークを有する固相13C NMRスペクトル;図37に示した固相13C NMRスペクトル;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータを特徴とする結晶性エルトロンボパグV型。
【請求項9】
5.3、9.2、14.0、23.5及び25.0°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図8に示したDSCサーモグラム;171.9、155.4、136.3及び121.3±0.2ppmにピークを有する固相13C NMRスペクトル;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータをさらなる特徴とする、請求項8に記載の結晶性エルトロンボパグ。
【請求項10】
5.9、8.2、10.5及び12.5°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターンを特徴とする、請求項8に記載の結晶性エルトロンボパグV型。
【請求項11】
7.1、9.5、13.9、21.2及び25.5°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図20に示したPXRDパターン;168.7、156.7、127.6及び112.8±0.2ppmにピークを有する固相13C NMRスペクトル;図38に示した固相13C NMRスペクトル;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータを特徴とする結晶性エルトロンボパグXVI型。
【請求項12】
5.9、11.2、15.4、17.4及び26.2°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図21に示したDSCサーモグラム;146.4、140.7、136.3及び117.3±0.2ppmにピークを有する固相13C NMRスペクトル;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータを特徴とする、請求項11に記載の結晶性エルトロンボパグ。
【請求項13】
7.1、9.5、13.9、21.2及び25.5°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターンを特徴とする、請求項11に記載の結晶性エルトロンボパグXVI型。
【請求項14】
エルトロンボパグ・エタノールアミン塩を調製するのに使用する、請求項1、5、8又は11のいずれか1項に記載の結晶形。
【請求項15】
エルトロンボパグ・エタノールアミン塩を調製するための、請求項1、5、8又は11のいずれか1項に記載の結晶形の使用。
【請求項16】
以下のステップ:請求項1、5、8又は11のいずれか1項に記載の結晶性エルトロンボパグのいずれか1つ又はそれらの組合せ物を調製し、そしてそれをエルトロンボパグ・エタノールアミン塩に変換する、を含むエルトロンボパグ・エタノールアミン塩の調製方法。
【請求項17】
少なくとも約99%の総純度を有するエルトロンボパグ又はエルトロンボパグ・エタノールアミン塩を調製するのに使用する、請求項1又は8に記載の結晶形のエルトロンボパグ。
【請求項18】
HPLCによって計測した場合に、約0.01%〜約0.1%の量で、混入物:(Z)‐メチル3’‐(2‐(1‐(3,4‐ジメチルフェニル)‐3‐メチル‐5‐オキソ‐1H‐ピラゾール‐4(5H)‐イリデン)ヒドラジニル)‐2’‐ヒドロキシビフェニル‐3‐カルボキシラート及び(Z)‐3’‐(2‐(1‐(3,4‐ジメチルフェニル)‐3‐メチル‐5‐オキソ‐1H‐ピラゾール‐4(5H)‐イリデン)ヒドラジニル)‐2’‐ヒドロキシビフェニル‐3‐カルボキサミド、のうちのいずれか一方を含むエルトロンボパグ又はエルトロンボパグ・エタノールアミン塩を調製するのに使用する、請求項1又は8に記載の結晶形のエルトロンボパグ。
【請求項19】
請求項1、5、8又は11のいずれか1項に記載の結晶形のエルトロンボパグ、並びに少なくとも1つの医薬的に許容し得る賦形剤を含んでなる医薬製剤。
【請求項20】
医薬製剤として使用する、請求項1、5、8又は11のいずれか1項に記載の結晶形のエルトロンボパグ。
【請求項21】
薬剤の製造のための、請求項1、5、8又は11のいずれか1項に記載の多形体の使用。
【請求項22】
9.3、11.8、13.2及び17.7°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図24に示したPXRDパターン;174.9、147.1、135.4及び58.7±0.2ppmにピークを有する固相13C NMRスペクトル;図39に示した固相13C NMRスペクトル;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータを特徴とする結晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミンII型。
【請求項23】
8.1、15.2、22.6及び26.1°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;図25に示したDSCサーモグラム;156.7、130.4、126.4及び113.9±0.2ppmにピークを有する固相13C NMRスペクトル;並びにそれらのあらゆる組合せ、から成る群から選択されるデータをさらなる特徴とする、請求項22に記載の結晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩。
【請求項24】
請求項22に記載の結晶形のエルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩、並びに少なくとも1つの医薬的に許容し得る賦形剤を含んでなる医薬製剤。
【請求項25】
医薬製剤として使用する、請求項22に記載の結晶形のエルトロンボパグ・ビスエタノールアミン塩。
【請求項26】
9.3、11.8、13.2及び17.7°2θ±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターンを特徴とする、請求項22に記載の結晶性エルトロンボパグ・ビスエタノールアミンII型。
【請求項27】
薬剤の製造のための、請求項22に記載の結晶形のビスエタノールアミン塩の使用。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【公表番号】特表2012−522792(P2012−522792A)
【公表日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−503683(P2012−503683)
【出願日】平成22年4月1日(2010.4.1)
【国際出願番号】PCT/US2010/029532
【国際公開番号】WO2010/114943
【国際公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【出願人】(509152127)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月1日(2010.4.1)
【国際出願番号】PCT/US2010/029532
【国際公開番号】WO2010/114943
【国際公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【出願人】(509152127)
【Fターム(参考)】
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