説明

エレベータのドア装置

【課題】ガイドシューが移動可能に案内されるドアガイド装置内に異物が入り込んでドアの開閉動作が妨げられるという事態の発生を防止し、しかも、ドアガイド装置内に異物が入り込んでドアの開閉動作が妨げられるという事態の発生を安価な構成で防止する。
【解決手段】エレベータのドア装置において、エレベータ乗かご1又はエレベータ乗場に設けられ、戸閉位置と戸開位置との間を水平方向に移動可能なドア3と、戸開位置に移動したドア3が収納される戸袋4と、ドア3にこのドア3の戸袋4側端面より外側に位置させて設けられたドアガイドシュー5と、戸袋4におけるドア3に対向する側の側面に設けられ、ドアガイドシュー5を移動可能にガイドするドアガイド装置7と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレベータ乗かごに設けられているかごドアやエレベータ乗場に設けられている乗場ドア等のエレベータのドア装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エレベータ乗かごのかごドアやエレベータ乗場の乗場ドアは戸開位置と戸閉位置との間を水平方向に移動可能に設けられており、ドア上部が案内レールにより移動可能に吊り下げられ、ドア下部には下方へ突出したガイドシューが設けられている。かごドアやエレベータ乗場の出入口の床面には、ドアの移動方向に沿って延出したガイド溝が形成され、ガイドシューはガイド溝に嵌合されるとともにガイド溝内を摺動する。
【0003】
このようなエレベータのドア装置において、ガイド溝内に小石等の異物が入り込む場合がある。ガイド溝内に異物が入り込むと、ドアの円滑な開閉動作が妨げられ、甚だしい場合には開閉動作が不能となる。
【0004】
ガイド溝内への異物の入り込みを防止するようにしたエレベータのドア装置としては、例えば、下記特許文献1に記載されたものが知られている。
【0005】
特許文献1に記載されたエレベータのドア装置は、ゴムベルト等からなる閉塞帯と滑車とがドアに取付けられ、ドアの開放時にはガイド溝を閉塞帯によって閉塞し、ガイド溝内に異物が入り込まないようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平6−56377号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載されたエレベータのドア装置では、各階床の乗場ドアごとに閉塞帯と滑車とを設ける必要があり、コスト高となる。
【0008】
さらに、閉塞帯は磨耗しやすく、磨耗した閉塞帯を定期的に交換する必要があり、この点からもコスト高となる。
【0009】
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、その目的は、ガイドシューが嵌合されるガイド溝内に異物が入り込んでドアの開閉動作が妨げられるということを防止することができ、しかも、ガイド溝内に異物が入り込んでドアの開閉動作が妨げられるということを安価な構成で防止することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の実施の形態に係る第1の特徴は、エレベータのドア装置において、エレベータ乗かご又はエレベータ乗場に設けられ、戸閉位置と戸開位置との間を水平方向に移動可能なドアと、戸開位置に移動した前記ドアが収納される戸袋と、前記ドアにこのドアの前記戸袋側端面より外側に位置させて設けられたドアガイドシューと、前記戸袋における前記ドアに対向する側の側面に設けられ、前記ドアガイドシューを移動可能にガイドするドアガイド装置と、を備える。
【0011】
本発明の実施の形態に係る第2の特徴は、エレベータのドア装置において、エレベータ乗かご又はエレベータ乗場に設けられ、戸閉位置と戸開位置との間を水平方向及び同一方向に移動可能な手前側ドア及び奥側ドアと、戸開位置に移動した前記手前側ドアと前記奥側ドアとが前後に重ね合わせて収納される戸袋と、前記手前側ドアにこの手前側ドアの前記戸袋側端面より外側に位置させて設けられた手前側ドアガイドシューと、前記戸袋における前記手前側ドアに対向する側の側面に設けられ、前記手前側ドアガイドシューを移動可能にガイドするドアガイド装置と、前記奥側ドアにこの奥側ドアの前記戸袋側端面より外側に位置させて設けられた奥側ドアガイドシューと、前記手前側ドアにおける前記奥側ドアに対向する側の側面に設けられ、前記奥側ドアガイドシューを移動可能にガイドする奥側ドアガイド装置と、を備える。
【0012】
本発明の実施の形態に係る第3の特徴は、エレベータのドア装置において、エレベータ乗かご又はエレベータ乗場に設けられ、戸閉位置と戸開位置との間を水平方向及び同一方向に移動可能な手前側ドア、中間ドア及び奥側ドアと、戸開位置に移動した前記手前側ドアと前記中間ドアと前記奥側ドアとが前後に重ね合わせて収納される戸袋と、前記手前側ドアにこの手前側ドアの前記戸袋側端面より外側に位置させて設けられた手前側ドアガイドシューと、前記戸袋における前記手前側ドアに対向する側の側面に設けられ、前記手前側ドアガイドシューを移動可能にガイドするドアガイド装置と、前記中間ドアにこの中間ドアの前記戸袋側端面より外側に位置させて設けられた中間ドアガイドシューと、前記手前側ドアにおける前記中間ドアに対向する側の側面に設けられ、前記中間ドアガイドシューを移動可能にガイドする中間ドアガイド装置と、前記奥側ドアにこの奥側ドアの前記戸袋側端面より外側に位置させて設けられた奥側ドアガイドシューと、前記中間ドアにおける前記奥側ドアに対向する側の側面に設けられ、前記奥側ドアガイドシューを移動可能にガイドする奥側ドアガイド装置と、を備える。
【0013】
本発明の実施の形態に係る第4の特徴は、エレベータのドア装置において、エレベータ乗かご又はエレベータ乗場に設けられ、戸閉位置と戸開位置との間を水平方向に移動可能なドアと、戸開位置に移動した前記ドアが収納される戸袋と、前記ドアにこのドアの前記戸袋側端面より外側に位置させて設けられたドアガイドシューと、前記戸袋内の床面に設けられ、前記ドアガイドシューを移動可能にガイドするドアガイド装置と、を備える。
【0014】
本発明の実施の形態に係る第5の特徴は、エレベータのドア装置において、エレベータ乗かご又はエレベータ乗場に設けられ、戸閉位置と戸開位置との間を水平方向及び同一方向に移動可能な手前側ドア及び奥側ドアと、戸開位置に移動した前記手前側ドアと前記奥側ドアとが前後に重ね合わせて収納される戸袋と、前記手前側ドアにこの手前側ドアの前記戸袋側端面より外側に位置させて設けられた手前側ドアガイドシューと、前記戸袋内の床面に設けられ、前記手前側ドアガイドシューを移動可能にガイドするドアガイド装置と、前記奥側ドアにこの奥側ドアの前記戸袋側端面より外側に位置させて設けられた奥側ドアガイドシューと、前記手前側ドアにおける前記奥側ドアに対向する側の側面に設けられ、前記奥側ドアガイドシューを移動可能にガイドする奥側ドアガイド装置と、を備える。
【0015】
本発明の実施の形態に係る第6の特徴は、エレベータのドア装置において、エレベータ乗かご又はエレベータ乗場に設けられ、戸閉位置と戸開位置との間を水平方向及び同一方向に移動可能な手前側ドア、中間ドア及び奥側ドアと、戸開位置に移動した前記手前側ドアと前記中間ドアと前記奥側ドアとが前後に重ね合わせて収納される戸袋と、前記手前側ドアにこの手前側ドアの前記戸袋側端面より外側に位置させて設けられた手前側ドアガイドシューと、前記戸袋内の床面に設けられ、前記手前側ドアガイドシューを移動可能にガイドするドアガイド装置と、前記中間ドアにこの中間ドアの前記戸袋側端面より外側に位置させて設けられた中間ドアガイドシューと、前記手前側ドアにおけるの前記中間ドアに対向する側の側面に設けられ、前記中間ドアガイドシューを移動可能にガイドする中間ドアガイド装置と、前記奥側ドアにこの奥側ドアの前記戸袋側端面より外側に位置させて設けられた奥側ドアガイドシューと、前記中間ドアにおける前記奥側ドアに対向する側の側面に設けられ、前記奥側ドアガイドシューを移動可能にガイドする奥側ドアガイド装置と、を備える。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ドアガイド装置内に異物が入り込むことを防止することができ、ドアガイド装置内に異物が入り込んだためにドアの開閉動作が妨げられるという事態の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるドアが戸閉位置に位置する場合の平面図である。
【図2】その正面図である。
【図3】ドアが戸開位置に位置する場合の平面図である。
【図4】その正面図である。
【図5】図2におけるA−A線断面図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態における手前側ドアと奥側ドアとが戸閉位置に位置する場合の平面図である。
【図7】その正面図である。
【図8】手前側ドアと奥側ドアとが戸開位置に位置する場合の平面図である。
【図9】その正面図である。
【図10】図7におけるB−B線断面図である。
【図11】図7におけるC−C線断面図である。
【図12】本発明の第3の実施の形態における手前側ドアと奥側ドアとが戸閉位置に位置する場合の平面図である。
【図13】その正面図である。
【図14】手前側ドアと奥側ドアとが戸開位置に位置する場合の平面図である。
【図15】本発明の第4の実施の形態における手前側ドアと中間ドアと奥側ドアとが戸閉位置に位置する場合の平面図である。
【図16】その正面図である。
【図17】手前側ドアと中間ドアと奥側ドアとが戸開位置に位置する場合の平面図である。
【図18】図16におけるD−D線断面図である。
【図19】本発明の第5の実施の形態におけるドアが戸閉位置に位置する場合の平面図である。
【図20】その正面図である。
【図21】図20におけるE−E線断面図である。
【図22】本発明の第6の実施の形態における手前側ドアと奥側ドアとが戸閉位置に位置する場合の平面図である。
【図23】その正面図である。
【図24】図23におけるF−F線断面図である。
【図25】本発明の第7の実施の形態における手前側ドアと中間ドアと奥側ドアとが戸閉位置に位置する場合の平面図である。
【図26】その正面図である。
【図27】図26におけるG−G線断面図である。
【図28】本発明の第8の実施の形態におけるドアが戸閉位置に位置する場合の平面図である。
【図29】その正面図である。
【図30】図29におけるH−H線断面図である。
【図31】本発明の第9の実施の形態における乗場ドアが戸閉位置に位置する場合の平面図である。
【図32】乗場ドアが戸開位置に位置する場合の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
【0019】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態を、図1ないし図5に基づいて説明する。エレベータ昇降路100内にはエレベータ乗りかご1が昇降可能に設置されている。このエレベータ乗かご1の出入口2には、センターオープン方式の二枚のドア3が設けられており、これらのドア3は、図1及び図2に示す戸閉位置と、図3及び図4に示す戸開位置との間を水平方向に移動可能に設けられている。
【0020】
エレベータ乗かご1の出入口2の左右両側には、戸開位置に移動したドア3が収納される戸袋4が設けられている。戸袋4は、下端部がエレベータ乗りかご1の床面1aに固定されるとともに上端部がエレベータ乗りかご1の天井面(図示せず)に固定された戸袋側板4aを有しており、この戸袋側板4aと、エレベータ昇降路100の内周面とにより囲まれた空間が、戸閉位置に移動したドア3が収納される空間とされている。
【0021】
ドア3は矩形形状に形成されており、ドア3の下端部にはドア3の補強部材として機能するドアフレーム3aが固定されている。ドアフレーム3aにおける戸袋4側の一端は、ドア3の戸袋4側の端面より外側に延出している。
【0022】
ドアフレーム3aにおけるドア3の戸袋4側の端面より外側に延出した部分には、上向きに突出した一対のドアガイドシュー5が固定されている。
【0023】
戸袋側板4aにおけるエレベータ昇降路100の内周面に対向する内側側面には、二つのブラケット6が固定され、これらのブラケット6によりドアガイド装置7が保持されている。ドアガイド装置7にはガイド溝8が形成され、このガイド溝8はドア3の移動方向に沿って延出するとともに下向きに開口され、ガイド溝8にはドアガイドシュー5が移動可能に嵌合されている。
【0024】
ドアガイドシュー5とガイド溝8との嵌合は、図1及び図2に示すようにドア3が戸閉位置に位置する場合と、図3及び図4に示すようにドア3が戸開位置に位置する場合とのいずれの場合にも維持されている。
【0025】
このような構成において、ドア3は、ドア上部が案内レール(図示せず)により移動可能に吊り下げられ、ドア下部はドアガイドシュー5がドアガイド装置7のガイド溝8に移動可能に嵌合されている。これにより、ドア3は、戸閉位置と戸開位置との間を水平方向に移動し、開閉される。
【0026】
ここで、ドアガイド装置7は戸袋4における戸袋側板4aの内側側面に取付けられ、しかも、ドアガイド装置7のガイド溝8が下向きに開口している。このため、エレベータ利用者がエレベータ乗かご1に乗降りする際に、ガイド溝8内に小石等の異物が入り込むということを防止することができ、ガイド溝8内に異物が入り込んだためにドア3の開閉動作が妨げられるという事態の発生を防止することができる。
【0027】
また、このドア装置によれば、エレベータ乗かご1における出入口2が位置する床面1aにドア3を移動可能にガイドするためのガイド溝を設ける必要がない。これにより、エレベータ利用者がエレベータ乗かご1に乗降りする際に、杖の先端部やハイヒールの踵がガイド溝に嵌り込んで転倒する等の事故の発生を無くすことができ、さらに、ガイド溝内に入り込んだゴミを清掃する手間を省くことができる。
【0028】
なお、本実施の形態では、ドア3の下部にドアフレーム3aを固定した場合を例に挙げて説明したが、ドアフレーム3aの固定位置としてはドア3の下部に限らず、ドア3の下端部より上側となる箇所、例えば、ドア3の上下方向の中央部に固定した構造であってもよい。この点については、以下に説明する他の実施の形態でも同様である。
【0029】
また、本実施の形態では、エレベータのドアとしてドア3を例に挙げて説明したが、本発明が適用されるエレベータのドアとしては、エレベータ乗場に設けられている乗場ドアも対象となるものである。この点については、以下に説明する他の実施の形態でも同様である。
【0030】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態を図6ないし図11に基づいて説明する。なお、本実施の形態及び以下に説明する他の実施の形態において、第1の実施の形態で説明した構成要素と同じ構成要素には同じ符号を付し、重複する説明は省略する。
【0031】
第2の実施の形態では、エレベータ乗かご1Aの出入口2には、センターオープン方式の片側二枚ずつのドア(手前側ドア11と奥側ドア12)が設けられており、同一側に位置する手前側ドア11と奥側ドア12とは、図6及び図7に示す戸閉位置と、図8及び図9に示す戸開位置との間を水平方向及び同一方向に移動可能に設けられている。
【0032】
エレベータ乗かご1Aの出入口2の左右両側には、戸開位置に移動した手前側ドア11と奥側ドア12とが前後に重ね合わせて収納される戸袋4が設けられている。
【0033】
手前側ドア11は、エレベータ乗かご1A内から見て手前側に位置するドアであり、奥側ドア12は、エレベータ乗かご1A内から見て奥側に位置するドアであり、これらの手前側ドア11と奥側ドア12とは、戸閉時において一部が重なるように配置されている。
【0034】
手前側ドア11は矩形形状に形成されており、手前側ドア11の下端部には手前側ドア11の補強部材として機能するドアフレーム11aが固定されている。ドアフレーム11aにおける戸袋4側の一端は、手前側ドア11の戸袋4側の端面より外側に延出している。
【0035】
奥側ドア12は矩形形状に形成されており、奥側ドア12の下端部には奥側ドア12の補強部材として機能するドアフレーム12aが固定されている。ドアフレーム12aにおける戸袋4側の一端は、奥側ドア12の戸袋4側の端面より外側に延出している。
【0036】
ドアフレーム11aにおける手前側ドア11の戸袋4側の端面より外側に延出した部分には、上向きに突出した一対の手前側ドアガイドシュー13が固定されている。
【0037】
戸袋側板4aにおけるエレベータ昇降路100の内周面に対向する内側側面には、二つのブラケット6が固定され、これらのブラケット6により手前側ドアガイド装置14が保持されている。手前側ドアガイド装置14にはガイド溝15が形成され、このガイド溝15は手前側ドア11の移動方向に沿って延出するとともに下向きに開口され、ガイド溝15には手前側ドアガイドシュー13が移動可能に嵌合されている。
【0038】
手前側ドアガイドシュー13とガイド溝15との嵌合は、図6及び図7に示すように手前側ドア11が戸閉位置に位置する場合と、図8及び図9に示すように手前側ドア11が戸開位置に位置する場合とのいずれの場合にも維持されている。
【0039】
ドアフレーム12aにおける奥側ドア12の戸袋4側の端面より外側に延出した部分には、上向きに突出した一対の奥側ドアガイドシュー16が固定されている。
【0040】
手前側ドア11における奥側ドア12と対向する側の側面には、奥側ドアガイド装置17が固定されている。奥側ドアガイド装置17にはガイド溝18が形成され、このガイド溝18は奥側ドア12の移動方向に沿って延出するとともに下向きに開口され、ガイド溝18には奥側ドアガイドシュー16が移動可能に嵌合されている。
【0041】
このような構成において、手前側ドア11と奥側ドア12とは、ドア上部が案内レール(図示せず)により移動可能に吊り下げられ、ドア下部は手前側ドアガイドシュー13が手前側ドアガイド装置14のガイド溝15に移動可能に嵌合され、及び、奥側ドアガイドシュー16が奥側ドアガイド装置17のガイド溝18に移動可能に嵌合されている。これにより、手前側ドア11と奥側ドア12とは、戸閉位置と戸開位置との間を水平方向に及び同一方向に移動し、開閉される。
【0042】
ここで、手前側ドアガイド装置14が戸袋4における戸袋側板4aの内側側面に取付けられ、及び、奥側ドアガイド装置17が手前側ドア11の側面に固定され、しかも、手前側ドアガイド装置14のガイド溝15及び奥側ドアガイド装置17のガイド溝18が下向きに開口されている。このため、エレベータ利用者がエレベータ乗かご1Aに乗降りする際に、ガイド溝15、18内に小石等の異物が入り込むということを防止することができ、ガイド溝15、18内に異物が入り込んだために手前側ドア11や奥側ドア12の開閉動作が妨げられるという事態の発生を防止することができる。
【0043】
また、このドア装置によれば、エレベータ乗りかご1Aにおける出入口2が位置する床面1aに手前側ドア11及び奥側ドア12を移動可能にガイドするためのガイド溝を設ける必要がない。これにより、エレベータ利用者がエレベータ乗りかご1Aに乗降りする際に、杖の先端部やハイヒールの踵がガイド溝に嵌り込んで転倒する等の事故の発生を無くすことができ、さらに、ガイド溝内に入り込んだゴミを清掃する手間を省くことができる。
【0044】
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態を図12ないし図14に基づいて説明する。
【0045】
第3の実施の形態の基本的な構成は第2の実施の形態と同じである。第2の実施の形態に対して第3の実施の形態が異なる点は、エレベータ乗かご1Bの出入口2に、サイドオープン方式の二枚のドア(手前側ドア11と奥側ドア12)が一組設けられている点、エレベータ乗かご1Bの出入口2の片側にのみ戸袋4が設けられている点、及び、エレベータ乗かご1Bの出入口2の他方の片側には戸閉位置に移動した奥側ドア12の端面が当接される戸当り側板21が設けられている点である。
【0046】
手前側ドア11及び奥側ドア12には、第2の実施の形態で説明したようにドアフレーム11a、12aが固定され、ドアフレーム11aには手前側ドアガイドシュー13が固定され、ドアフレーム12aには奥側ドアガイドシュー16が固定されている。
【0047】
このような構成において、手前側ドア11と奥側ドア12とは、第2の実施の形態と同様に、ドア上部が案内レール(図示せず)により移動可能に吊り下げられ、ドア下部は手前側ドアガイドシュー13が手前側ドアガイド装置14のガイド溝15に移動可能に嵌合され、及び、奥側ドアガイドシュー16が奥側ドアガイド装置17のガイド溝18に移動可能に嵌合されている。これにより、手前側ドア11と奥側ドア12とは、戸閉位置と戸開位置との間を水平方向に及び同一方向に移動し、開閉される。
【0048】
また、手前側ドアガイド装置14が戸袋4における戸袋側板4aの内側側面に取付けられ、及び、奥側ドアガイド装置17が手前側ドア11の側面に固定され、しかも、手前側ドアガイド装置14のガイド溝15及び奥側ドアガイド装置17のガイド溝18が下向きに開口している。このため、エレベータ利用者がエレベータ乗かご1Bに乗降りする際に、ガイド溝15、18内に小石等の異物が入り込むということを防止することができ、ガイド溝15、18内に異物が入り込んだために手前側ドア11や奥側ドア12の開閉動作が妨げられるという事態の発生を防止することができる。
【0049】
また、このドア装置によれば、エレベータ乗りかご1Bにおける出入口2が位置する床面1aに手前側ドア11及び奥側ドア12を移動可能にガイドするためのガイド溝を設ける必要がない。これにより、エレベータ利用者がエレベータ乗りかご1Bに乗降りする際に、杖の先端部やハイヒールの踵がガイド溝に嵌り込んで転倒する等の事故の発生を無くすことができ、さらに、ガイド溝内に入り込んだゴミを清掃する手間を省くことができる。
【0050】
(第4の実施の形態)
本発明の第4の実施の形態を図15ないし図18に基づいて説明する。
【0051】
第4の実施の形態の基本的な構成は第3の実施の形態と同じである。第3の実施の形態に対して第4の実施の形態が異なる点は、エレベータ乗かご1Cの出入口2に、サイドオープン方式の三枚のドア(手前側ドア11と中間ドア31と奥側ドア12)が一組設けられている点、及び、これらの手前側ドア11と中間ドア31と奥側ドア12とは戸開位置に移動した場合に前後に重ね合わせて戸袋4に収納される点である。
【0052】
中間ドア31は、エレベータ乗かご1C内から見て手前側ドア11と奥側ドア12との間に位置するドアである。
【0053】
中間ドア31は、手前側ドア11及び奥側ドア12と同様に矩形形状に形成されており、中間ドア31の下端部には中間ドア31の補強部材として機能するドアフレーム31aが固定されている。ドアフレーム31aにおける戸袋4側の一端は、中間ドア31の戸袋4側の端面より外側に延出している。
【0054】
ドアフレーム31aにおける中間ドア31の戸袋4側の端面より延出した部分には、上向きに突出した一対の中間ドアガイドシュー32が固定されている。
【0055】
手前側ドア11における中間ドア31と対向する側の側面には、中間ドアガイド装置33が固定されている。中間ドアガイド装置33にはガイド溝34が形成され、このガイド溝34は中間ドア31の移動方向に沿って延出するとともに下向きに開口され、ガイド溝34には中間ドアガイドシュー32が移動可能に嵌合されている。
【0056】
中間ドア31における奥側ドア12と対向する側の側面には、奥側ドアガイド装置17が固定されている。奥側ドアガイド装置17にはガイド溝18が形成され、ガイド溝18には奥側ドアガイドシュー16が移動可能に嵌合されている。
【0057】
このような構成において、手前側ドア11と中間ドア31と奥側ドア12とは、第3の実施の形態と同様に、ドア上部が案内レール(図示せず)により移動可能に吊り下げられ、ドア下部は手前側ドアガイドシュー13が手前側ドアガイド装置14のガイド溝15に移動可能に嵌合され、中間ドアガイドシュー32が中間ドアガイド装置33のガイド溝34に移動可能に嵌合され、及び、奥側ドアガイドシュー16が奥側ドアガイド装置17のガイド溝18に移動可能に嵌合されている。これにより、手前側ドア11と中間ドア31と奥側ドア12とは、戸閉位置と戸開位置との間を水平方向に及び同一方向に移動し、開閉される。
【0058】
また、手前側ドアガイド装置14は戸袋4における戸袋側板4aの内側側面に取付けられ、中間ドアガイド装置33が手前側ドア11の側面に固定され、及び、奥側ドアガイド装置17が中間ドア31の側面に固定されており、しかも、手前側ドアガイド装置14のガイド溝15、中間ドアガイド装置33のガイド溝34、及び、奥側ドアガイド装置17のガイド溝18が下向きに開口している。このため、エレベータ利用者がエレベータ乗かご1Cに乗降りする際に、ガイド溝15、34、18内に小石等の異物が入り込むということを防止することができ、ガイド溝15、34、18内に異物が入り込んだために手前側ドア11や中間ドア31や奥側ドア12の開閉動作が妨げられるという事態の発生を防止することができる。
【0059】
また、このドア装置によれば、エレベータ乗かご1Cにおける出入口2が位置する床面1aに手前側ドア11、中間ドア31及び奥側ドア12を移動可能にガイドするためのガイド溝を設ける必要がない。これにより、エレベータ利用者がエレベータ乗かご1Cに乗降りする際に、杖の先端部やハイヒールの踵がガイド溝に嵌り込んで転倒する等の事故の発生を無くすことができ、さらに、ガイド溝内に入り込んだゴミを清掃する手間を省くことができる。
【0060】
(第5の実施の形態)
本発明の第5の実施の形態を、図19ないし図21に基づいて説明する。
【0061】
エレベータ乗かご1Dの出入口2には、第2の実施の形態と同様に、ドアであるセンターオープン方式の二枚のドア3が設けられており、これらのドア3は、戸閉位置と戸開位置との間を水平方向に移動可能に設けられている。
【0062】
エレベータ乗かご1Dの出入口2の左右両側には、戸開位置に移動したドア3が収納される戸袋4が設けられている。
【0063】
ドア3の下端部にはドアフレーム3aが固定され、ドアフレーム3aの戸袋4側の一端はドア3の戸袋4側の端面より外側に延出し、この延出した部分には下向きに突出した一対のドアガイドシュー41が固定されている。
【0064】
エレベータ乗かご1Dにおける戸袋4内の床面1aには、ドアガイド装置42が設けられている。ドアガイド装置42は、このドアガイド装置42の表面がエレベータ乗かご1Dの床面1aと面一となるように設置された長尺部材43と、この長尺部材43にドア3の移動方向に沿って延出させて形成されたガイド溝44とにより構成されている。ガイド溝44は上向きに開口され、ガイド溝44にはドアガイドシュー41が移動可能に嵌合されている。なお、ガイド溝44は戸袋4内に位置しており、エレベータ乗かご1Dに乗降りするエレベータ利用者からは見えない位置に位置している。
【0065】
このような構成において、ドア3は、ドア上部が案内レール(図示せず)により移動可能に吊り下げられ、ドア下部はドアガイドシュー41がドアガイド装置42のガイド溝44に移動可能に嵌合されている。これにより、ドア3は、戸閉位置と戸開位置との間を水平方向に移動し、開閉される。
【0066】
ここで、ドアガイド装置42は戸袋4の内側に配置されており、ガイド溝44はエレベータ乗かご1Dに乗降りするエレベータ利用者から見えない位置、及び、小石等の異物が入り込みにくい位置に位置している。このため、ガイド溝44への異物の入り込みを防止することができ、ガイド溝44内に異物が入り込んだためにドア3の開閉動作が妨げられるという事態の発生を防止することができる。
【0067】
また、このドア装置によれば、エレベータ乗かご1Dにおける出入口2が位置する床面1aにドア3を移動可能にガイドするためのガイド溝を設ける必要がない。これにより、エレベータ利用者がエレベータ乗かご1Aに乗降りする際に、杖の先端部やハイヒールの踵がガイド溝に嵌り込んで転倒する等の事故の発生を無くすことができ、さらに、ガイド溝内に入り込んだゴミを清掃する手間を省くことができる。
【0068】
(第6の実施の形態)
本発明の第6の実施の形態を図22ないし図24に基づいて説明する。
【0069】
エレベータ乗かご1Eの出入口2には、第2の実施の形態と同様に、センターオープン方式の片側二枚ずつのドア(手前側ドア11と奥側ドア12)が設けられており、同一側に位置する手前側ドア11と奥側ドア12とは、戸閉位置と戸開位置との間を水平方向及び同一方向に移動可能に設けられている。
【0070】
エレベータ乗かご1Eの出入口2の左右両側には、戸開位置にした手前側ドア11と奥側ドア12とが前後に重ね合わせて収納される戸袋4が設けられている。
【0071】
手前側ドア11の下端部にはドアフレーム11aが固定され、ドアフレーム11aの戸袋4側の一端は手前側ドア11の戸袋4側の端面より外側に延出し、この延出した部分には下向きに突出した一対の手前側ドアガイドシュー41Aが固定されている。
【0072】
戸袋4内の床面1aには、第5の実施の形態で説明したように、ドアガイド装置42が設けられている。ドアガイド装置42のガイド溝44は上向きに開口され、ガイド溝44には手前側ドアガイドシュー41Aが移動可能に嵌合されている。なお、ガイド溝44は戸袋4内に位置しており、エレベータ乗かご1Dに乗降りするエレベータ利用者からは見えない位置に位置している。
【0073】
奥側ドア12の下端部にはドアフレーム12aが固定され、ドアフレーム12aの戸袋4側の一端は奥側ドア12の戸袋4端面より外側に延出し、この延出した部分には上向きに突出した一対の奥側ドアガイドシュー16が固定されている。
【0074】
手前側ドア11における奥側ドア12と対向する側の側面には、奥側ドアガイド装置17が固定されている。奥側ドアガイド装置17にはガイド溝18が形成され、このガイド溝18は奥側ドア12の移動方向に沿って延出されるとともに下向きに開口され、ガイド溝18には奥側ドアガイドシュー16が移動可能に嵌合されている。
【0075】
このような構成において、手前側ドア11と奥側ドア12とは、ドア上部が案内レール(図示せず)により移動可能に吊り下げられ、ドア下部は手前側ドアガイドシュー41Aがドアガイド装置42のガイド溝44に移動可能に嵌合され、及び、奥側ドアガイドシュー16が奥側ドアガイド装置17のガイド溝18に移動可能に嵌合されている。これにより、手前側ドア11と奥側ドア12とは、戸閉位置と戸開位置との間を水平方向に及び同一方向に移動し、開閉される。
【0076】
ここで、ドアガイド装置42は戸袋4の内側に配置されており、ガイド溝44はエレベータ乗かご1Eに乗降りするエレベータ利用者からは見えない位置、及び、小石等の異物が入り込みにくい位置に位置している。また、奥側ドアガイド装置17が手前側ドア11の側面に固定され、しかも、奥側ドアガイド装置17のガイド溝18が下向きに開口している。このため、ガイド溝44、18への異物の入り込みを防止することができ、ガイド溝44、18内に異物が入り込んだために手前側ドア11や奥側ドア12の開閉動作が妨げられるという事態の発生を防止することができる。
【0077】
また、このドア装置によれば、エレベータ乗かご1Eにおける出入口2が位置する床面1aにドア3を移動可能にガイドするためのガイド溝を設ける必要がない。これにより、エレベータ利用者がエレベータ乗かご1Eに乗降りする際に、杖の先端部やハイヒールの踵がガイド溝に嵌り込んで転倒する等の事故の発生を無くすことができ、さらに、ガイド溝内に入り込んだゴミを清掃する手間を省くことができる。
【0078】
(第7の実施の形態)
本発明の第7の実施の形態を図25ないし図27に基づいて説明する。
【0079】
エレベータ乗かご1Fの出入口2には、第4の実施の形態と同様に、サイドオープン方式の三枚のドア(手前側ドア11と中間ドア31と奥側ドア12)が設けられており、これらの手前側ドア11と中間ドア31と奥側ドア12とは、戸閉位置と戸開位置との間を水平方向及び同一方向に移動可能に設けられている。
【0080】
手前側ドア11の下端部に固定されたはドアフレーム11aの一端は手前側ドア11の戸袋4側の端面より外側に延出し、この延出した部分には下向きに突出した一対の手前側ドアガイドシュー41Aが固定されている。
【0081】
戸袋4内の床面1aには、第5の実施の形態で説明したように、ドアガイド装置42が設けられている。ドアガイド装置42のガイド溝44は上向きに開口され、ガイド溝44には手前側ドアガイドシュー41Aが移動可能に嵌合されている。なお、ガイド溝44は戸袋4内に位置しており、エレベータ乗かご1Dに乗降りするエレベータ利用者からは見えない位置に位置している。
【0082】
中間ドア31の下端部に固定されたドアフレーム31aにおける戸袋4側の一端は中間ドア31の戸袋4側端面より外側に延出し、この延出した部分には上向きに突出した一対の中間ドアガイドシュー32が固定されている。
【0083】
手前側ドア11における中間ドア31と対向する側の側面には、中間ドアガイド装置33が固定されている。中間ドアガイド装置33にはガイド溝34が形成され、このガイド溝34は中間ドア31の移動方向に沿って延出するとともに下向きに開口され、ガイド溝34には中間ドアガイドシュー32が移動可能に嵌合されている。
【0084】
奥側ドア12の下端部に固定されたドアフレーム12aにおける戸袋4側の一端は奥側ドア12の戸袋4側端面より外側に延出し、この延出した部分には上向きに突出した一対の奥側ドアガイドシュー16か固定されている。
【0085】
中間ドア31における奥側ドア12と対向する側の側面には、奥側ドアガイド装置には奥側ドアガイド装置17が固定されている。奥側ドアガイド装置17にはガイド溝18が形成され、ガイド溝18には奥側ドアガイドシュー16が移動可能に嵌合されている。
【0086】
このような構成において、手前側ドア11と中間ドア31と奥側ドア12とは、ドア上部が案内レール(図示せず)により移動可能に吊り下げられ、ドア下部は手前側ドアガイドシュー41Aがドアガイド装置42のガイド溝44に移動可能に嵌合され、及び、中間ドアガイドシュー32が中間ドアガイド装置33のガイド溝34に移動可能に嵌合され、奥側ドアガイドシュー16が奥側ドアガイド装置17のガイド溝18に移動可能に嵌合されている。これにより、手前側ドア11と中間ドア31と奥側ドア12とは、戸閉位置と戸開位置との間を水平方向に及び同一方向に移動し、開閉される。
【0087】
ここで、ドアガイド装置42は戸袋4の内側に配置されており、ガイド溝44はエレベータ乗かご1Fに乗降りするエレベータ利用者からは見えない位置、及び、小石等の異物が入り込みにくい位置に位置している。また、中間ドアガイド装置33が手前側ドア11の側面に固定され、奥側ドアガイド装置17が中間ドア31の側面に固定され、しかも、中間ドアガイド装置33のガイド溝34、及び、奥側ドアガイド装置17のガイド溝18が下向きに開口している。このため、エレベータ利用者がエレベータ乗かご1Fに乗降りする際に、ガイド溝44、34、18内に小石等の異物が入り込むということを防止することができ、ガイド溝44、34、18内に異物が入り込んだために手前側ドア11や中間ドア31や奥側ドア12の開閉動作が妨げられるという事態の発生を防止することができる。
【0088】
また、このドア装置によれば、エレベータ乗かご1Fにおける出入口2が位置する床面1aに手前側ドア11、中間ドア31及び奥側ドア12を移動可能にガイドするためのガイド溝を設ける必要がない。これにより、エレベータ利用者がエレベータ乗かご1Fに乗降りする際に、杖の先端部やハイヒールの踵がガイド溝に嵌り込んで転倒する等の事故の発生を無くすことができ、さらに、ガイド溝内に入り込んだゴミを清掃する手間を省くことができる。
【0089】
(第8の実施の形態)
本発明の第8の実施の形態を図28ないし図30に基づいて説明する。
【0090】
エレベータ乗かご1Gの出入口2には、戸閉位置と戸開位置とに移動可能にドア3が設けられており、出入口2の両側は戸開位置に移動したドア3が収納される戸袋4が設けられている。
【0091】
ドア3に固定されたドアフレーム3aにおけるドア3の戸袋4側端面より外側へ延出した部分には、一対のドアガイド装置51が固定されている。ドアガイド装置51には、上方向きに開口したガイド溝52が形成されている。なお、ドアガイド装置51は、ドア3が戸閉位置と戸開位置との間のいずれの位置に位置する場合にも、戸袋4内に位置するように位置決めされている。
【0092】
戸袋側板4aにおけるエレベータ昇降路100の内周面に対向する内側側面には、二つのブラケット6が固定され、これらのブラケット6によりドアガイドシュー53が保持されている。ドアガイドシュー53は下向きに突出して長尺状に形成され、ドアガイド装置51のガイド溝52に移動可能に嵌合されている。
【0093】
このような構成において、ドア3は、ドア上部が案内レール(図示せず)により移動可能に吊り下げられ、ドア下部はドアガイド装置51のガイド溝52にドアガイドシュー53が移動可能に嵌合されている。これにより、ドア3は、戸閉位置と戸開位置との間を水平方向に移動し、開閉される。
【0094】
ここで、ドアガイド装置51は、ドア3が戸閉位置と戸開位置との間のいずれの位置に位置する場合にも戸袋4内に位置するように位置決めされているため、エレベータ利用者がエレベータ乗かご1Gに乗降りする際にガイド溝52内に小石等の異物が入り込むということを防止することができ、ガイド溝52内に異物が入り込んだためにドア3の開閉動作が妨げられるという事態の発生を防止することができる。
【0095】
また、このドア装置によれば、エレベータ乗かご1Gにおける出入口2が位置する床面1aにドア3を移動可能にガイドするためのガイド溝を設ける必要がない。これにより、エレベータ利用者がエレベータ乗かご1Gに乗降りする際に、杖の先端部やハイヒールの踵がガイド溝に嵌り込んで転倒する等の事故の発生を無くすことができ、さらに、ガイド溝内に入り込んだゴミを清掃する手間を省くことができる。
【0096】
(第9の実施の形態)
本発明の第9の実施の形態を、図31及び図32に基づいて説明する。第9の実施の形態は、本発明をエレベータ乗場の乗場ドアに適用したものである。
【0097】
各階床のエレベータ乗場200にはエレベータ乗りかご1に乗降りするための出入口201が形成されており、この出入口201にはセンターオープン方式の二枚のドアである乗場ドア202が設けられている。これらの乗場ドア202は、図31に示す戸閉位置と、図32に示す戸開位置との間を水平方向に移動可能に設けられている。
【0098】
エレベータ乗場200の出入口201の左右両側には、戸開位置に移動した乗場ドア202が収納される戸袋203が設けられている。戸袋203は、下端部がエレベータ乗場200の床面200aに固定されるとともに上端部がエレベータ乗場200の天井面(図示せず)に固定された戸袋側板203aを有しており、一側が戸袋側板203aにより遮蔽されるとともに他側がエレベータ昇降路100に向けて解放された空間が、戸閉位置に移動した乗場ドア202が収納される空間とされている。
【0099】
乗場ドア202の構造は第1の実施の形態で説明したドア3と同じであり、乗場ドア202は矩形形状に形成され、乗場ドア202の下端部には乗場ドア202の補強部材として機能するドアフレーム202aが固定されている。ドアフレーム202aにおける戸袋203側の一端は、乗場ドア202の戸袋203側の端面より外側に延出している。
【0100】
ドアフレーム202aにおける乗場ドア202の戸袋203側の端面より外側に延出した部分には、上向きに突出した一対のドアガイドシュー5が固定されている。
【0101】
戸袋側板203aにおけるエレベータ昇降路100に対向する内側側面には、二つのブラケット6が固定され、これらのブラケット6によりドアガイド装置7が保持されている。ドアガイド装置7にはガイド溝8が形成され、このガイド溝8は乗場ドア202の移動方向に沿って延出するとともに下向きに開口され、ガイド溝8にはドアガイドシュー5が移動可能に嵌合されている。
【0102】
ドアガイドシュー5とガイド溝8との嵌合は、図31に示すように乗場ドア202が戸閉位置に位置する場合と、図32に示すように乗場ドア202が戸開位置に位置する場合とのいずれの場合にも維持されている。
【0103】
このような構成において、乗場ドア202は、ドア上部が案内レール(図示せず)により移動可能に吊り下げられ、ドア下部はドアガイドシュー5がドアガイド装置7のガイド溝8に移動可能に嵌合されている。これにより、乗場ドア202は、戸閉位置と戸開位置との間を水平方向に移動し、開閉される。
【0104】
ここで、ドアガイド装置7は戸袋203における戸袋側板203aの内側側面に取付けられ、しかも、ドアガイド装置7のガイド溝8が下向きに開口している。このため、エレベータ利用者がエレベータ乗かご1に乗降りする際に、ガイド溝8内に小石等の異物が入り込むということを防止することができ、ガイド溝8内に異物が入り込んだために乗場ドア202の開閉動作が妨げられるという事態の発生を防止することができる。
【0105】
また、このドア装置によれば、エレベータ乗場200における出入口201が位置する床面200aに乗場ドア202を移動可能にガイドするためのガイド溝を設ける必要がない。これにより、エレベータ利用者がエレベータ乗かご1に乗降りする際に、杖の先端部やハイヒールの踵がガイド溝に嵌り込んで転倒する等の事故の発生を無くすことができ、さらに、ガイド溝内に入り込んだゴミを清掃する手間を省くことができる。
【0106】
なお、本実施の形態では、乗場ドア202の下部にドアフレーム202aを固定した場合を例に挙げて説明したが、ドアフレーム202aの固定位置としては乗場ドア202の下部に限らず、乗場ドア202の下端部より上側となる箇所、例えば、乗場ドア202の上下方向の中央部に固定した構造であってもよい。
【0107】
なお、本実施の形態では、センターオープン方式の二枚の乗場ドア202が設けられている場合を例に挙げて説明したが、乗場ドアとしてはこの方式に限られるものではなく、第2の実施の形態で説明したようにセンターオープン方式の片側二枚ずつの乗場ドア、第3の実施の形態で説明したようにサイドオープン方式の二枚の乗場ドア、第4の実施の形態で説明したようなサイドオープン方式の三枚の乗場ドアの場合等にも適用できるものである。
【符号の説明】
【0108】
1,1A,1B,1C,1D,1E,1F,1G エレベータ乗りかご
3 ドア
4 戸袋
5 ドアガイドシュー
7 ドアガイド装置
11 手前側ドア
12 奥側ドア
13 手前側ドアガイドシュー
14 手前側ドアガイド装置
16 奥側ドアガイドシュー
17 奥側ドアガイド装置
31 中間ドア
32 中間ドアガイドシュー
33 中間ドアガイド装置
41 ガイドシュー
41A 手前側ドアガイドシュー
42 ドアガイド装置
51 ドアガイド装置
53 ドアガイドシュー
200 エレベータ乗場
202 ドア(乗場ドア)
203 戸袋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータ乗かご又はエレベータ乗場に設けられ、戸閉位置と戸開位置との間を水平方向に移動可能なドアと、
戸開位置に移動した前記ドアが収納される戸袋と、
前記ドアにこのドアの前記戸袋側端面より外側に位置させて設けられたドアガイドシューと、
前記戸袋における前記ドアに対向する側の側面に設けられ、前記ドアガイドシューを移動可能にガイドするドアガイド装置と、
を備えることを特徴とするエレベータのドア装置。
【請求項2】
エレベータ乗かご又はエレベータ乗場に設けられ、戸閉位置と戸開位置との間を水平方向及び同一方向に移動可能な手前側ドア及び奥側ドアと、
戸開位置に移動した前記手前側ドアと前記奥側ドアとが前後に重ね合わせて収納される戸袋と、
前記手前側ドアにこの手前側ドアの前記戸袋側端面より外側に位置させて設けられた手前側ドアガイドシューと、
前記戸袋における前記手前側ドアに対向する側の側面に設けられ、前記手前側ドアガイドシューを移動可能にガイドするドアガイド装置と、
前記奥側ドアにこの奥側ドアの前記戸袋側端面より外側に位置させて設けられた奥側ドアガイドシューと、
前記手前側ドアにおける前記奥側ドアに対向する側の側面に設けられ、前記奥側ドアガイドシューを移動可能にガイドする奥側ドアガイド装置と、
を備えることを特徴とするエレベータのドア装置。
【請求項3】
エレベータ乗かご又はエレベータ乗場に設けられ、戸閉位置と戸開位置との間を水平方向及び同一方向に移動可能な手前側ドア、中間ドア及び奥側ドアと、
戸開位置に移動した前記手前側ドアと前記中間ドアと前記奥側ドアとが前後に重ね合わせて収納される戸袋と、
前記手前側ドアにこの手前側ドアの前記戸袋側端面より外側に位置させて設けられた手前側ドアガイドシューと、
前記戸袋における前記手前側ドアに対向する側の側面に設けられ、前記手前側ドアガイドシューを移動可能にガイドするドアガイド装置と、
前記中間ドアにこの中間ドアの前記戸袋側端面より外側に位置させて設けられた中間ドアガイドシューと、
前記手前側ドアにおける前記中間ドアに対向する側の側面に設けられ、前記中間ドアガイドシューを移動可能にガイドする中間ドアガイド装置と、
前記奥側ドアにこの奥側ドアの前記戸袋側端面より外側に位置させて設けられた奥側ドアガイドシューと、
前記中間ドアにおける前記奥側ドアに対向する側の側面に設けられ、前記奥側ドアガイドシューを移動可能にガイドする奥側ドアガイド装置と、
を備えることを特徴とするエレベータのドア装置。
【請求項4】
エレベータ乗かご又はエレベータ乗場に設けられ、戸閉位置と戸開位置との間を水平方向に移動可能なドアと、
戸開位置に移動した前記ドアが収納される戸袋と、
前記ドアにこのドアの前記戸袋側端面より外側に位置させて設けられたドアガイドシューと、
前記戸袋内の床面に設けられ、前記ドアガイドシューを移動可能にガイドするドアガイド装置と、
を備えることを特徴とするエレベータのドア装置。
【請求項5】
エレベータ乗かご又はエレベータ乗場に設けられ、戸閉位置と戸開位置との間を水平方向及び同一方向に移動可能な手前側ドア及び奥側ドアと、
戸開位置に移動した前記手前側ドアと前記奥側ドアとが前後に重ね合わせて収納される戸袋と、
前記手前側ドアにこの手前側ドアの前記戸袋側端面より外側に位置させて設けられた手前側ドアガイドシューと、
前記戸袋内の床面に設けられ、前記手前側ドアガイドシューを移動可能にガイドするドアガイド装置と、
前記奥側ドアにこの奥側ドアの前記戸袋側端面より外側に位置させて設けられた奥側ドアガイドシューと、
前記手前側ドアにおける前記奥側ドアに対向する側の側面に設けられ、前記奥側ドアガイドシューを移動可能にガイドする奥側ドアガイド装置と、
を備えることを特徴とするエレベータのドア装置。
【請求項6】
エレベータ乗かご又はエレベータ乗場に設けられ、戸閉位置と戸開位置との間を水平方向及び同一方向に移動可能な手前側ドア、中間ドア及び奥側ドアと、
戸開位置に移動した前記手前側ドアと前記中間ドアと前記奥側ドアとが前後に重ね合わせて収納される戸袋と、
前記手前側ドアにこの手前側ドアの前記戸袋側端面より外側に位置させて設けられた手前側ドアガイドシューと、
前記戸袋内の床面に設けられ、前記手前側ドアガイドシューを移動可能にガイドするドアガイド装置と、
前記中間ドアにこの中間ドアの前記戸袋側端面より外側に位置させて設けられた中間ドアガイドシューと、
前記手前側ドアにおけるの前記中間ドアに対向する側の側面に設けられ、前記中間ドアガイドシューを移動可能にガイドする中間ドアガイド装置と、
前記奥側ドアにこの奥側ドアの前記戸袋側端面より外側に位置させて設けられた奥側ドアガイドシューと、
前記中間ドアにおける前記奥側ドアに対向する側の側面に設けられ、前記奥側ドアガイドシューを移動可能にガイドする奥側ドアガイド装置と、
を備えることを特徴とするエレベータのドア装置。
【請求項7】
前記ドアガイドシューに代えて前記ドアガイド装置が設けられ、
前記ドアガイド装置に代えて前記ドアガイドシューが設けられていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一項に記載のエレベータのドア装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【公開番号】特開2011−190087(P2011−190087A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−59448(P2010−59448)
【出願日】平成22年3月16日(2010.3.16)
【出願人】(390025265)東芝エレベータ株式会社 (2,543)
【Fターム(参考)】