説明

エレベータの制御装置及び制御方法、並びに既設エレベータの改修方法

【課題】携帯電話会社による緊急地震速報の一斉同報配信サービスを利用することにより、地震発生時により早く地震時管制運転に移行させることができる地震時管制システムを、簡単な構成で安価に構築できるようにする。
【解決手段】エレベータの設置現場ビル10に設けられ、それぞれ異なる携帯電話会社4、6から配信される緊急地震速報8、9を受信する複数の携帯電話端末17、18と、各携帯電話端末17、18に設けられ、携帯電話端末17、18が受信した緊急地震速報8、9を抽出してその携帯電話端末17、18の外部に出力する緊急地震速報抽出部と、各携帯電話端末17、18及びエレベータ制御盤11間に接続された制御端末19とを備える。そして、上記制御端末19は、各携帯電話端末17、18からの出力情報に基づいて、要時に、エレベータを地震時管制運転に移行させるための信号を制御盤11に対して出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、携帯電話会社による緊急地震速報の一斉同報配信サービスを利用してエレベータを制御する制御装置及び制御方法、並びに、上記一斉同報配信サービスを利用してエレベータの制御が行えるように既設エレベータを改修する改修方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
地震感知器を備えたエレベータでは、地震の揺れ(主要動・S波)を感知すると、その地震の規模に応じて最寄り階停止といった乗客を救出するための地震時管制運転が行われる。しかし、このようなエレベータでは、地震の揺れが実際に発生した後に地震時管制運転が開始されるため、地震の揺れによってロープ類の引っ掛かり等が生じると、機器類の破損や閉じ込めが発生する恐れがあった。
【0003】
これに対し、地震の初期微動(P波)を感知するP波センサをエレベータに設置することにより、S波が到達するよりも早く地震時管制運転に移行するように構成したエレベータも実現されている。しかし、P波センサが非常に高価であるため、上記動作を行わせる装置の装備率は、未だ低い状態にあるというのが現実である。また、急行ゾーンが設定されている(中間階に非停止階がある)エレベータでは、P波が感知されるよりも早く地震発生の情報を取得して、地震時管制運転に移行したいという要望も多い。
【0004】
一方、最近では、日本全国に張り巡らされた地震観測網によって得られた緊急地震速報を、地震発生直後にインターネットや衛星通信等を利用して各地に配信することにより、地震のS波到達前に当該地震への有効な対策を講じるといった様々な取り組みや提案が行われている。この緊急地震速報は地震発生直後に配信されるため、直下型地震が発生した場合には有効利用することはできないが、緊急地震速報を受信してからS波が到達するまでに比較的時間が掛かる場合、即ち、遠隔地で比較的大きな地震が発生した場合には、受信した緊急地震速報を有効利用することにより、地震災害を未然に防止することが可能となる。
【0005】
このような緊急地震速報を利用したエレベータの従来技術として、緊急地震速報を受信した場合に、この緊急地震速報に含まれる震源地及び地震発生時刻の情報から現在地における地震のS波の到達時刻を予想し、その予想結果に基づいて、エレベータの地震時管制運転を制御するようにしたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
なお、エレベータに関する従来技術ではないが、携帯電話等の端末を利用して上記緊急地震速報を受信するためのシステムや、その際に利用可能な課金システムも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0007】
【特許文献1】特開2004−224469号公報
【特許文献2】特開2006−145234号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1記載のものでは、震源地がエレベータ設置ビルから比較的離れた場所であれば、P波が到達するよりも早く地震時管制運転に移行することが可能となり、急行ゾーンが設定されているエレベータ等に対しては、有効な手段となり得る。しかし、特許文献1記載のシステムでは、緊急地震速報を受信するための専用の受信手段をエレベータに設置する必要があるとともに、この受信手段及びエレベータ周辺に、インターネット回線や衛星通信回線といった専用回線のための配線を行わなければならず、その工事に多大な時間と労力を要するという問題があった。また、緊急地震速報を受信するために、衛星通信回線等の専用回線の高価な使用料が発生し、ランニングコストが嵩むといった問題もあった。
【0009】
なお、特許文献2記載のものは、携帯電話等の利便性の高い端末を利用して上記緊急地震速報を受信するためのシステムや、その際に利用される課金システム等が記載されているのみであり、受信した緊急地震速報をエレベータ制御に利用するための具体的手段に関しては、何ら開示されていない。
【0010】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、その目的は、携帯電話会社による緊急地震速報の一斉同報配信サービスを利用することにより、地震発生時により早く地震時管制運転に移行させることができる地震時管制システムを、簡単な構成で安価に構築できるエレベータの制御装置及び制御方法、並びに、上記地震時管制システムが簡単な構成で安価に構築することができるように既設エレベータを改修する改修方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明に係るエレベータの制御装置は、エレベータの設置現場ビルに設けられ、それぞれ異なる携帯電話会社から配信される緊急地震速報を受信する複数の携帯電話端末と、各携帯電話端末に設けられ、携帯電話端末が受信した緊急地震速報を抽出してその携帯電話端末の外部に出力する緊急地震速報抽出部と、設置現場ビルに設けられるとともに、各携帯電話端末及びエレベータ制御盤間に接続され、各携帯電話端末の出力情報に基づいて、要時に、エレベータを地震時管制運転に移行させるための信号を制御盤に対して出力する制御端末と、を備えたものである。
【0012】
この発明に係るエレベータの制御方法は、エレベータの設置現場ビルに設けられ、それぞれ異なる携帯電話会社から配信される緊急地震速報を受信する複数の携帯電話端末と、設置現場ビルに設けられ、各携帯電話端末及びエレベータ制御盤間に接続された制御端末と、を備えたエレベータの制御方法であって、携帯電話端末が受信した緊急地震速報を抽出して制御端末に出力するステップと、各携帯電話端末の出力情報に基づいて、要時に、制御端末から制御盤に対して、エレベータを地震時管制運転に移行させるための信号を出力するステップと、を備えたものである。
【0013】
この発明に係る既設エレベータの改修方法は、それぞれ異なる携帯電話会社から配信される緊急地震速報を受信する複数の携帯電話端末に、携帯電話端末が受信した緊急地震速報を抽出してその携帯電話端末の外部に出力する緊急地震速報抽出部を付加するステップと、複数の携帯電話端末を、既設エレベータの設置現場ビルに設置するステップと、各携帯電話端末の出力情報に基づいて、要時に、エレベータを地震時管制運転に移行させるための信号を出力する制御端末を、各携帯電話端末及び既設エレベータの制御盤間に接続するステップと、制御端末を、設置現場ビルに設置するステップと、を備えたものである。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、携帯電話会社による緊急地震速報の一斉同報配信サービスを利用することにより、地震発生時により早く地震時管制運転に移行させることができる地震時管制システムを、簡単な構成で安価に構築できるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
緊急地震速報に関しては、2007年10月1日から一般向けのサービス提供が開始されると発表されている。これに伴い、各種携帯電話会社により、震度4以上の大きな揺れが予想される地域の携帯電話端末に対して、緊急地震速報を一斉同報配信するサービスが計画されている。本願の発明は、携帯電話会社による緊急地震速報の一斉同報配信サービスを利用してエレベータを制御することを特徴とする。
以下に、添付の図面に従って、本願の発明をより詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0016】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1における地震時管制システムを示す全体構成図、図2はこの発明の実施の形態1におけるエレベータの制御装置を示す構成図、図3はこの発明の実施の形態1におけるエレベータの制御装置の機能の一部を説明するための図である。
【0017】
図1及び図2において、1は気象庁2の緊急地震通報網であり、気象庁2は、各地に設置された地震計3からの地震情報に基づいて、緊急地震速報を発報する。4は1つの携帯電話会社であり、5はその携帯電話会社4の基地局を示している。また、6は携帯電話会社4とは異なる他の携帯電話会社であり、7はその携帯電話会社6の基地局を示している。携帯電話会社4及び6は、気象庁2から緊急地震速報を受信すると、緊急地震速報の一斉同報サービスをそれぞれ実施するため、例えば、震度4以上の大きな揺れが予想されている地域の基地局から、自社の携帯電話端末に対して緊急地震速報を一斉配信する。即ち、携帯電話会社4は、所定の基地局5から自社の携帯電話端末に対して緊急地震速報8を、携帯電話会社6は、所定の基地局7から自社の携帯電話端末に対して緊急地震速報9をそれぞれ一斉配信する。
【0018】
10は各ビル等からなるエレベータの設置現場を示している。このエレベータ設置現場10には、エレベータの各種制御を司る制御盤11や、P波センサ12及び低感知地震計13からなる地震計14が設置されている。P波センサ12は、地震のP波を感知することにより、動作接点15を閉成して、制御盤11にP波信号を入力させる。また、低感知地震計13は、所定値以上の地震の揺れ(S波)を感知することにより、動作接点16を閉成して、制御盤11に低感知地震計信号を入力させる。なお、地震計14が動作した際の制御盤11の制御は従来と同様であり、例えば、P波信号が入力された場合には、最寄り階停止後、所定時間(例えば、1分)待機した後にエレベータを通常運転に復帰させる地震時管制運転を実施する。また、低感知地震計信号が入力された場合は、最寄り階停止後、エレベータを運転休止状態とする地震時管制運転を実施する。
【0019】
エレベータの設置現場10には、上記制御盤11及び地震計14の他にも、複数(実施の形態1では2台)の携帯電話端末17及び18、制御端末19が設置されている。設置現場10に設置されたこれらの携帯電話端末17及び18は、それぞれ異なる携帯電話会社の端末であり、それぞれ異なる携帯電話会社から配信された緊急地震速報を、この設置現場10において受信することができるように構成されている。
【0020】
即ち、一方の携帯電話端末17は、携帯電話会社4から配信される緊急地震速報8を受信できる機能を、他方の携帯電話端末18は、携帯電話会社6から配信される緊急地震速報9を受信することができる機能を有している。そして、携帯電話端末17及び18は、例えば、エレベータの機械室や昇降路内、乗場、ピット等の電波状態の良い位置にそれぞれ配置される。なお、携帯電話端末17及び18は携帯電話会社がそれぞれ異なるため、同じ位置(場所)に設置しても双方の電波状態が良いとは限らない。したがって、携帯電話端末17及び18は、それぞれの電波状態に合わせて、別の位置(場所)に設置されていても良い。
【0021】
制御端末19は、携帯電話端末17及び18と制御盤11との間に接続されており、携帯電話端末17及び18による緊急地震速報8及び9の受信状態に基づいて、要時に、制御盤11に対して、エレベータを地震時管制運転に移行させるための所定の信号を出力する機能を有する。制御端末19は、各携帯電話端末17及び18の出力情報に基づいて緊急地震速報8及び9の受信状態を判断し、例えば、携帯電話端末17が緊急地震速報8を受信した場合、及び/又は、携帯電話端末18が緊急地震速報9を受信した場合に、上記所定の信号を制御盤11に対して出力する。なお、図2には、制御端末19内の動作接点20が閉成されることにより、制御盤11にP波信号が入力される構成が示されている。
【0022】
次に、上記携帯電話端末17及び18の具体的構成について説明する。なお、携帯電話端末17及び18は、基本的に同じ構成を有しているため、以下においては一方の携帯電話端末17の構成についてのみ説明し、他方の携帯電話端末18の構成については、その説明を省略する。
【0023】
携帯電話端末17は、例えば、携帯電話用の電波を送受信するための無線送受信部21と、各種制御を行う制御部22と、緊急地震速報受信部23と、緊急地震速報抽出部24及びログ記憶部25、ログ要求抽出部26、ログ処理部27、メール送信部28、ヘルスチェック部29を有する追加機能部30と、外部I/Fからなる送受信部31とを備えている。なお、上記無線送受信部21、制御部22、送受信部31は、従来から備えられている機能であるため、その詳細な説明は省略する。
【0024】
緊急地震速報受信部23は、無線送受信部21を介して携帯電話端末17が受信した各種情報の中から、携帯電話会社4から配信された緊急地震速報8を特定する機能を有している。なお、緊急地震速報受信部23が有する上記機能は、如何なる方法によるものであっても構わない。例えば、受信メールのアドレス検索等によって緊急地震速報8であるか否かを判定しても良いし、所定の付加情報の有無によって緊急地震速報8であるか否かを判定しても良い。
【0025】
追加機能部30は、携帯電話端末17をエレベータ制御用に利用するために、市販の携帯電話端末に新たに付加されるものであり、例えば、その全てがソフトウェアによって構成される。緊急地震速報抽出部24は、携帯電話端末17が緊急地震速報8を受信した際に、例えば、緊急地震速報受信部23から、受信された緊急地震速報8を抽出し、制御端末19に対してその情報(緊急地震速報8自体、或いは、緊急地震速報8に関する情報)を出力する機能を有する。なお、携帯電話端末17と制御端末19とは、各送受信部31及び32を介して専用線33で接続されており、携帯電話端末17からの上記出力情報は、この専用線33を介して制御端末19に入力される。
【0026】
ログ記憶部25は、緊急地震速報抽出部24から制御端末19に対して出力された上記情報を、携帯電話端末17内に記憶させる機能を有する。即ち、上記出力情報が携帯電話端末17から送信されることによって、携帯電話端末17内にログを残すことができる。
【0027】
なお、ログ記憶部25に記憶される情報は、携帯電話端末17が受信した緊急地震速報8の内容と、その内容の情報を制御端末19に送信したという事実とが含まれる。したがって、ログ記憶部25の記憶情報を確認すれば、その直後に行われたエレベータの動作を間接的に知ることができる。なお、緊急地震速報8には、実際に地震が発生した際に配信される情報の他、例えば、誤報を取り消すためのキャンセル報や、動作確認をするためのテスト報等も含まれる。
【0028】
一方、ログ要求抽出部26、ログ処理部27、メール送信部28は、特定の者(例えば、エレベータ保守員)が、ログ記憶部25に記憶された各種情報を、携帯電話端末17から(自分の端末に)取得することができるように備えられた機能である。具体的に、上記ログ要求抽出部26は、携帯電話端末17が受信したメールの中から、ログ記憶部25内の情報提供を要求するメール(以下、「ログ要求」ともいう)を抽出する機能を有する。このログ要求抽出部26は、例えば、予め設定されているアドレス及び件名と一致する受信メールを、保守員等からのログ要求として抽出する。
【0029】
そして、ログ要求抽出部26によってログ要求が抽出されると、ログ処理部27及びメール送信部28は、ログ記憶部25内の情報を付加したメールを、上記抽出されたメールに対して返信する。ここで、ログ処理部27は、例えば、所定の条件に基づいて、返信メールに添付するログを作成(或いは、ログをメールの本文に記載)する機能を、メール送信部28は、送信者にメールを返信するための機能を有している。
【0030】
また、ヘルスチェック部29は、専用線33を利用した携帯電話端末17及び制御端末19間の通信状態を判定するための機能、即ち、携帯電話端末17が緊急地震速報8を受信した際に、緊急地震速報抽出部24からの出力情報が制御端末19に確実に送信されるか否かを常時に判定するための機能を有している。具体的に、ヘルスチェック部29は、制御端末19から送信された、携帯電話端末17及び制御端末19間の通信状態を判定するための信号(以下、「ヘルスチェック要求」ともいう)を受信すると、このヘルスチェック要求に対する応答(以下、「ヘルスチェック応答」ともいう)を、専用線33を介して制御端末19に対して送信する。
【0031】
また、ヘルスチェック部29は、制御端末19から送信された、他の携帯電話端末(実施の形態1においては携帯電話端末18)及び制御端末19間で通信エラーが発生した旨の信号(以下、「通報要求」ともいう)を受信すると、その通信エラー発生の旨の情報を、無線送受信部21を介して外部の監視センター等へ送信する。
【0032】
なお、上述した通り、携帯電話端末18も上記携帯電話端末17と同様の構成を有している。この携帯電話端末18は、専用線34により、送受信部35を介して制御端末19に接続され、制御端末19との間で各種情報の送受信、ヘルスチェックが行われる。
【0033】
一方、制御端末19には、上記送受信部32及び35の他、判定部36、ヘルスチェック部37が備えられている。判定部36は、エレベータを地震時管制運転に移行させるための信号を制御盤11に対して出力するか否かを判定する機能を有する。即ち、判定部36は、携帯電話端末17及び18の各緊急地震速報抽出部24から入力される情報に基づいて、動作接点20のON/OFF制御を行う。
【0034】
例えば、判定部36は、携帯電話端末17及び18の双方から緊急地震速報8及び9を受信した旨の情報が入力された場合に、地震時管制運転に移行させるための信号を制御盤11に対して出力する。これは、エレベータが、誤報や悪戯等によって地震時管制運転に移行してしまうことを防止するための設定であり、システムの確実性、信頼性を考慮したものである。一方、携帯電話端末17及び18の何れか一方から緊急地震速報8又は9を受信した旨の情報が入力された場合に、地震時管制運転に移行させるための信号を制御盤11に対して出力するように、上記判定部36を構成しても良い。このような設定により、エレベータを可能な限り早く地震時管制運転に移行させることができるようになる。
【0035】
ヘルスチェック部37は、専用線33及び34を利用した、各携帯電話端末17及び18と制御端末19との間の通信状態を判定するための機能を有する。例えば、ヘルスチェック部37は、所定期間毎に各携帯電話端末17及び18に対してヘルスチェック要求を出力し、ヘルスチェック応答に基づいて、通報要求の要否を判断する。即ち、携帯電話端末17及び18の一方からヘルスチェック要求に対する応答がない場合には、携帯電話端末17及び18の他方に対して通報要求を出力する。また、ヘルスチェック部37は、携帯電話端末17及び18の双方からヘルスチェック要求に対する応答がない場合には、携帯電話端末17及び18を使用せずに通信エラーの発生を外部に報知するため、例えば、動作接点20を閉成して、P波信号を制御盤11に入力させる。
【0036】
また、制御端末19には、携帯電話端末17及び18の各緊急地震速報抽出部24から送信されてきた情報を記憶する手段を有している。図3はそのログイメージを示したものであり、例えば、日付時間、イベント内容、S波到達予想時刻、予想される震度、緊急地震速報を配信した携帯電話会社、地震が予想されるエリア情報等がそれぞれ関連付けて記憶される。これらの記憶情報は、例えば、エレベータの保守点検時等に利用される。
【0037】
次に、上記構成を有するエレベータの制御装置の具体的な動作について説明する。
図4はこの発明の実施の形態1における携帯電話端末の動作フローを示す図であり、一方の携帯電話端末17の動作フローを示している。なお、携帯電話端末18の動作フローも携帯電話端末17と同様であるため、その詳細な説明は省略する。また、図5はこの発明の実施の形態1における制御端末の動作フローを示す図である。
【0038】
携帯電話端末17では、先ず、緊急地震速報抽出部24により、緊急地震速報8の受信チェックが行われる(S101)。ここで、緊急地震速報8の受信が確認されると(S102)、次に、受信した緊急地震速報8がキャンセル報であるか否かが判断される(S103)。S103において緊急地震速報8がキャンセル報ではないと判断された場合、携帯電話端末17によって受信された緊急地震速報8が緊急地震速報抽出部24によって抽出され、制御端末19に対して送信される(S104)。また、制御端末19への送信が行われることによって、ログが保存される(S105)。即ち、制御端末19に対する緊急地震速報抽出部24からの出力情報が、ログ記憶部25に記憶される。なお、この時、タイマー(図示せず)のカウントが開始される(S106)。
【0039】
一方、S103において緊急地震速報8がキャンセル報であると判断されると、制御端末19に対してキャンセル報である旨の情報が送信される(S107)。また、制御端末19に対して上記情報の送信が行われることによってログが保存され(S108)、タイマーのカウントが停止される(S109)。
【0040】
S102において緊急地震速報8の受信が確認できない場合、次に、タイマーのカウントを所定値と比較することによって、タイムアウトの有無が判定される(S110)。ここで、タイムアウト有り、即ち緊急地震速報8の受信から所定時間経過したことが判定されると、制御端末19に対してキャンセル報が送信され、ログが保存される(S111)。
【0041】
また、S110においてタイムアウト無しが判定されると、次に、ログ要求の受信チェックが行われる(S112)。即ち、先ず、メールの受信状態が確認され(S113)、受信メールがある場合には、そのメールがログ要求であるかが判定される。具体的には、上述したように、アドレス(送信者)及び件名が予め設定されているものと一致するか否かが判断される(S114)。そして、条件に該当するものをログ要求として抽出し、ログ記憶部25内の情報を付加したメールを、上記抽出されたメールに対して返信する(S115)。
【0042】
S113においてメールの受信を確認できない場合、次に、ヘルスチェック要求の受信チェックが行われる(S116)。即ち、ヘルスチェック部29により、制御端末19からのヘルスチェック要求の有無が判断される(S117)。ここで、ヘルスチェック要求の受信が確認された場合には、制御端末19に対してヘルスチェック応答を送信する(S118)。
【0043】
S117においてヘルスチェック要求の受信を確認できない場合、次に、通報要求の受信チェックが行われる(S119)。即ち、ヘルスチェック部29により、制御端末19からの通報要求の有無が判断される(S120)。ここで、通報要求の受信が確認された場合には、外部の監視センターに対して所定のメールを送信し(S121)、他の携帯電話端末、即ち、もう1つの携帯電話端末18に通信エラーが発生した旨を通報する。
【0044】
一方、制御端末19では、携帯電話端末17及び18が緊急地震速報8及び9を受信したか否かを常時判定し、また、各携帯電話端末17及び18との通信状態のチェック(ヘルスチェック)を所定期間毎に実施している。
【0045】
具体的に、制御端末19では、先ず、ヘルスチェックを所定期間毎に行うためのヘルスチェック間隔タイマー(以下、単に「タイマーa」ともいう)のカウントを開始する(S201)。次に、各携帯電話端末17及び18の出力情報の受信チェックを行う(S202)。ここで、上記出力情報に基づいて携帯電話端末17又は18による緊急地震速報8又は9の受信が確認されると(S203)、次に、その緊急地震速報8又は9がキャンセル報であるか否かが判断される(S204)。なお、以下においては、説明を容易にするため、S203において、携帯電話端末17による緊急地震速報8の受信が確認されたものとする。制御端末19では、S204において緊急地震速報8がキャンセル報であると判断されると、動作接点20を開成して、制御盤11へのP波信号の入力を遮断する。
【0046】
一方、S204において緊急地震速報8がキャンセル報ではないと判断されると、次に、2重チェックの要否が判断される(S206)。なお、ここで言う2重チェックとは、緊急地震速報の受信を、携帯電話端末17及び18の双方によって確認することを意味する。そして、2重チェックが不要、即ち、携帯電話端末17及び18の何れか一方が緊急地震速報8又は9を受信した際に、地震時管制運転に移行させるための信号を制御盤11に対して出力するように設定されている場合、判定部36は、動作接点20を閉成して制御盤11にP波信号を入力させる(S207)。また、動作接点20の動作タイマー(以下、単に「タイマーc」ともいう)のカウントを開始する(S208)。
【0047】
一方、S206において2重チェックが必要、即ち、携帯電話端末17及び18の双方が緊急地震速報8及び9を受信した際に、制御盤11に対する上記所定の情報を出力するように設定されている場合、判定部36は、先ず、所定時間内に携帯電話端末17及び18の双方が緊急地震速報8及び9を受信したかを判断するための2重チェック待ちタイマー(以下、単に「タイマーb」ともいう)のカウントを開始させる(S209)。そして、タイマーbがタイムアウトするまで、各携帯電話端末17及び18の出力情報の受信チェックを行う(S210)。
【0048】
タイマーbがタイムアウトするまでの間に携帯電話端末17又は18からの出力情報を受信した場合には、先ず、受信した情報がキャンセル報であるか否かを判断し(S211)、キャンセル報である場合には、動作接点20を開成して、タイマーb及びcのカウントを停止させる(S212、S213)。また、S211において受信した情報がキャンセル報ではない場合、その情報が他回線からのものであるか否か(本実施の形態においては、受信した情報が携帯電話端末18からの出力情報であるか否か)が判断される(S214)。
【0049】
ここで、S214において他回線からの出力情報を受信した、即ち、携帯電話端末18が緊急地震速報9を受信したと判断されると、動作接点20が閉成され(S215)、エレベータを地震時管制運転に移行させるための信号が制御盤11に対して出力される。また、タイマーbのカウントが停止され、タイマーcのカウントが開始される(S216)。なお、S214において他回線からの出力情報の受信が確認できなければ、タイマーbがタイムアウトするまで、S210に戻って上記動作が繰り返される(S217)。
【0050】
一方、S203において携帯電話端末17又は18による緊急地震速報8又は9の受信が確認されない場合、次に、タイマーcがタイムアウトしたか否か、即ち、動作接点20が動作してから所定時間経過したか否かが判断される(S218)。ここで、タイマーbがタイムアウトしている場合には、動作接点20が開成されて、制御盤11へのP波信号の入力が遮断される(S219)。
【0051】
S218においてタイマーcがタイムアウトしていない場合、次に、タイマーaがタイムアウトしたか否かが判断される(S220)。S220においてタイマーaがタイムアウトしている場合、制御端末19では、各携帯電話端末17及び18との通信状態のチェック(ヘルスチェック)を開始する。具体的に、制御端末19は、先ず、携帯電話端末17(図5において携帯17と表示)との通信状態を確認するため、携帯電話端末17に対してヘルスチェック要求を出力する(S221)。
【0052】
携帯電話端末17に対してヘルスチェック要求を出力した後、携帯電話端末17からのヘルスチェック応答がない場合には(S222)、携帯電話端末17との間で何らかの通信トラブルが発生した可能性が高い。かかる場合、制御端末19は、もう1つの携帯電話端末18に対して通報要求を出力し(S223)、センターに対する通報を携帯電話端末18に実施させる。なお、携帯電話端末18への通報要求が完了しない場合には(S224)、携帯電話端末18との間にも何らかの通信トラブルが発生している可能性が高い。このため、制御端末19は、動作接点20を閉成してエレベータを最寄り階停止させることにより、異常の発生を外部に報知する(S225)。また、タイマーcのカウントを停止する(S226)。
【0053】
S222において携帯電話端末17からヘルスチェック応答を受信した場合、制御端末19は、携帯電話端末17との間の通信状態は正常であると判断して、次に、携帯電話端末18との通信状態を確認する。即ち、携帯電話端末18に対してヘルスチェック要求を出力し、その後、携帯電話端末18からのヘルスチェック応答の有無を判断する(S227、S228)。ここで、携帯電話端末18からのヘルスチェック応答を確認することができれば、携帯電話端末18との通信状態も正常であると判断する。かかる場合には、タイマーcの動作状態を判断した後(S229)、タイマーcが動作していなければ動作接点20をOFF状態にしておく(S230)。
【0054】
また、S228において携帯電話端末18からのヘルスチェック応答がない場合には、携帯電話端末18との間で何らかの通信トラブルが発生した可能性が高い。かかる場合、制御端末19は、携帯電話端末17に対して通報要求を出力し(S231)、センターに対する通報を携帯電話端末17に実施させる。なお、携帯電話端末17への通報要求が完了しない場合の動作はS224乃至S226と同様である(S232乃至S234)。
【0055】
この発明の実施の形態1によれば、携帯電話会社4及び6による緊急地震速報8及び9の一斉同報配信サービスを利用することにより、エレベータを地震発生時により早く地震時管制運転に移行させることができる地震時管制システムを、簡単な構成で安価に構築できるようになる。
【0056】
また、複数の携帯電話端末17及び18による緊急地震速報8及び9の受信状態に基づいて、エレベータの地震時管制運転を制御することにより、システムの信頼性を向上させたり、迅速な対応を図ったりする等、様々な対応を図ることができるようになる。なお、実施の形態1においては、2台の携帯電話端末17及び18を設置現場10に設置した場合について説明したが、3台以上の携帯電話端末を用いて実施の形態1と同様の動作を行うようにしても良い。かかる場合には、制御端末19は、全台よりも少ない所定の複数台(例えば、3台の携帯電話端末が設置されている場合には2台、4台の携帯電話端末が設置されている場合には2台或いは3台)の携帯電話端末が緊急地震速報を受信した場合に、地震時管制運転に移行させるための信号を制御盤11に対して出力するように構成しても良い。かかる構成によれば、1台(或いは複数台)の携帯電話端末に故障や通信障害等が発生した場合であっても、エレベータを地震時管制運転に移行させることが可能となり、システムの信頼性をより向上させることができるようになる。
【0057】
また、各携帯電話端末17及び18と制御端末19との通信状態を判定するヘルスチェック機能を備えることにより、システムの信頼性を更に向上させることが可能となる。更に、このヘルスチェックによって、制御端末19と携帯電話端末17及び18の一方との間の通信エラーが発見されても、携帯電話端末17及び18の他方によって外部のセンターに通報することができるため、保守性も向上する。制御端末19と携帯電話端末17及び18の双方との間に通信エラーが生じた場合であっても、かごを最寄り階停止させる等の通常時にはない動作をエレベータに行わせることにより、上記通信エラーの発生を外部に報知することができる。なお、3台以上の携帯電話端末が制御端末19に接続されている場合であっても、実施の形態1と同様に、携帯電話端末による緊急地震速報の受信チェックや、各携帯電話端末と制御端末との間のヘルスチェックが実施できることは言うまでもない。
【0058】
また、各携帯電話端末17及び18への追加機能部30の付加、各携帯電話端末17及び18並びに制御端末19の設置、各配線といった簡単な作業のみによって、上記構成の地震時管制システムの構築が可能となる。したがって、新規エレベータへの適用は当然のこと、既設エレベータへの適用も容易である。
【0059】
即ち、既設エレベータに適用して上記地震時管制システムを構築する場合には、先ず、市販されている携帯電話端末であって、それぞれ異なる携帯電話会社から配信される緊急地震速報を受信可能なものを複数用意し、その複数の携帯電話端末に、追加機能部30の機能をそれぞれ付加する。そして、追加機能部30が付加された携帯電話端末を、それぞれの電波状態に合わせて、既設エレベータの設置現場10に設置する。また、上記構成の制御端末19を、上記各携帯電話端末と既設エレベータの制御盤11との間に適切に接続し、その制御端末19を既設エレベータの設置現場10に設置する。かかる作業のみによって、上記効果を奏することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】この発明の実施の形態1における地震時管制システムを示す全体構成図である。
【図2】この発明の実施の形態1におけるエレベータの制御装置を示す構成図である。
【図3】この発明の実施の形態1におけるエレベータの制御装置の機能の一部を説明するための図である。
【図4】この発明の実施の形態1における携帯電話端末の動作フローを示す図である。
【図5】この発明の実施の形態1における制御端末の動作フローを示す図である。
【符号の説明】
【0061】
1 緊急地震通報網、 2 気象庁、 3 地震計、 4 携帯電話会社、
5 基地局、 6 携帯電話会社、 7 基地局、 8 緊急地震速報、
9 緊急地震速報、 10 設置現場、 11 制御盤、 12 P波センサ、
13 低感知地震計、 14 地震計、 15 動作接点、 16 動作接点、
17 携帯電話端末、 18 携帯電話端末、 19 制御端末、 20 動作接点、
21 無線送受信部、 22 制御部、 23 緊急地震速報受信部、
24 緊急地震速報抽出部、 25 ログ記憶部、 26 ログ要求抽出部、
27 ログ処理部、 28 メール送信部、 29 ヘルスチェック部、
30 追加機能部、 31 送受信部、 32 送受信部、 33 専用線、
34 専用線、 35 送受信部、 36 判定部、 37 ヘルスチェック部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータの設置現場ビルに設けられ、それぞれ異なる携帯電話会社から配信される緊急地震速報を受信する複数の携帯電話端末と、
前記各携帯電話端末に設けられ、前記携帯電話端末が受信した緊急地震速報を抽出してその携帯電話端末の外部に出力する緊急地震速報抽出部と、
前記設置現場ビルに設けられるとともに、前記各携帯電話端末及びエレベータ制御盤間に接続され、前記各携帯電話端末の出力情報に基づいて、要時に、エレベータを地震時管制運転に移行させるための信号を前記制御盤に対して出力する制御端末と、
を備えたことを特徴とするエレベータの制御装置。
【請求項2】
制御端末は、前記制御端末に接続された複数の携帯電話端末の何れか1つが緊急地震速報を受信した場合に、地震時管制運転に移行させるための信号をエレベータ制御盤に対して出力することを特徴とする請求項1に記載のエレベータの制御装置。
【請求項3】
制御端末は、前記制御端末に接続された複数の携帯電話端末の全てが緊急地震速報を受信した場合に、地震時管制運転に移行させるための信号をエレベータ制御盤に対して出力することを特徴とする請求項1に記載のエレベータの制御装置。
【請求項4】
3台以上の携帯電話端末が制御端末に接続され、
前記制御端末は、全台よりも少ない所定の複数台の前記携帯電話端末が緊急地震速報を受信した場合に、地震時管制運転に移行させるための信号をエレベータ制御盤に対して出力することを特徴とする請求項1に記載のエレベータの制御装置。
【請求項5】
制御端末に設けられ、前記制御端末及びこの制御端末に接続された各携帯電話端末の間の通信状態を判定するヘルスチェック部と、
を備えたことを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載のエレベータの制御装置。
【請求項6】
ヘルスチェック部は、制御端末に接続された各携帯電話端末に対して、通信状態を判定するためのヘルスチェック要求を出力し、このヘルスチェック要求に対する応答がない携帯電話端末がある場合に、前記応答がない携帯電話端末とは異なる携帯電話端末に対して、通信エラーが生じた旨を外部に通報させるための通報要求を出力することを特徴とする請求項5に記載のエレベータの制御装置。
【請求項7】
ヘルスチェック部は、制御端末に接続された全ての携帯電話端末との間に通信エラーが生じた場合に、エレベータ制御盤に対して、地震時管制運転に移行させるための信号を出力することを特徴とする請求項5又は請求項6に記載のエレベータの制御装置。
【請求項8】
エレベータの設置現場ビルに設けられ、それぞれ異なる携帯電話会社から配信される緊急地震速報を受信する複数の携帯電話端末と、
前記設置現場ビルに設けられ、前記各携帯電話端末及びエレベータ制御盤間に接続された制御端末と、
を備えたエレベータの制御方法であって、
前記携帯電話端末が受信した緊急地震速報を抽出して前記制御端末に出力するステップと、
前記各携帯電話端末の出力情報に基づいて、要時に、前記制御端末から前記制御盤に対して、エレベータを地震時管制運転に移行させるための信号を出力するステップと、
を備えたことを特徴とするエレベータの制御方法。
【請求項9】
制御端末から前記制御端末に接続された各携帯電話端末に対して、通信状態を判定するためのヘルスチェック要求を出力するステップと、
前記各携帯電話端末から前記制御端末に対して、前記ヘルスチェック要求に対する応答を出力するステップと、
前記制御端末に対して、前記ヘルスチェック要求に対する応答がない携帯電話端末がある場合に、前記制御端末から、前記応答がない携帯電話端末とは異なる携帯電話端末に対して、通信エラーが生じた旨を外部に通報させるための通報要求を出力するステップと、
を備えたことを特徴とする請求項8に記載のエレベータの制御方法。
【請求項10】
制御端末から前記制御端末に接続された各携帯電話端末に対して、通信状態を判定するためのヘルスチェック要求を出力するステップと、
前記各携帯電話端末から前記制御端末に対して、前記ヘルスチェック要求に対する応答を出力するステップと、
前記制御端末に対して、前記ヘルスチェック要求に対する応答が、前記制御端末に接続された全ての携帯電話端末からない場合に、前記制御端末からエレベータの制御盤に対して、エレベータを地震時管制運転に移行させるための信号を出力するステップと、
を備えたことを特徴とする請求項8に記載のエレベータの制御方法。
【請求項11】
それぞれ異なる携帯電話会社から配信される緊急地震速報を受信する複数の携帯電話端末に、前記携帯電話端末が受信した緊急地震速報を抽出してその携帯電話端末の外部に出力する緊急地震速報抽出部を付加するステップと、
前記複数の携帯電話端末を、既設エレベータの設置現場ビルに設置するステップと、
前記各携帯電話端末の出力情報に基づいて、要時に、エレベータを地震時管制運転に移行させるための信号を出力する制御端末を、前記各携帯電話端末及び既設エレベータの制御盤間に接続するステップと、
前記制御端末を、前記設置現場ビルに設置するステップと、
を備えたことを特徴とする既設エレベータの改修方法。
【請求項12】
制御端末に接続された各携帯電話端末に対して、通信状態を判定するためのヘルスチェック要求を出力し、このヘルスチェック要求に対する応答がない携帯電話端末がある場合に、前記応答がない携帯電話端末とは異なる携帯電話端末に対して、通信エラーが生じた旨を外部に通報させるための通報要求を出力するヘルスチェック部を、前記制御端末に付加するステップと、
を備えたことを特徴とする請求項11に記載の既設エレベータの改修方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−46289(P2009−46289A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−216205(P2007−216205)
【出願日】平成19年8月22日(2007.8.22)
【出願人】(000236056)三菱電機ビルテクノサービス株式会社 (1,792)
【Fターム(参考)】