説明

エレベータ制御装置、人体通信端末、エレベータ制御システム、エレベータ制御方法及びプログラム

【課題】ユーザに特に意識させずに、エレベータの搭乗/降車に関する利便性を向上させる。
【解決手段】エレベータ乗場に設けられ、人体を介して情報を送受信するエレベータ乗場の人体通信部から受信した情報に基づき、エレベータの制御を行うエレベータ制御部を有することを特徴とするエレベータ制御装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレベータ制御システムに関し、特に、人体通信技術を利用したエレベータ制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来からエレベータの制御を行う様々なシステムが提案されている。
例えば、下記特許文献1は、ユーザの持つ端末からBluetooth(登録商標)などの近距離無線通信を用いてエレベータを制御するシステムを開示している。これにより、エレベータ前にユーザが辿り着く前にエレベータを呼び出すことができ、エレベータの待ち時間を短縮することができる。
【0003】
また、例えば混雑しているエレベータ内では、エレベータの行先階のボタン等の操作部が入口付近に設けられているため、エレベータ内の離れた場所から行先階のボタンを押しづらいなどの問題があった。
【0004】
そこで、人体通信機能を有するエレベータにユーザが搭乗すると、自動的に行き先階を設定する仕組みが提案されている(特許文献2参照)。
【0005】
さらに、エレベータ乗場で個人認証を行い、行先階テーブルを参照して行先階を自動設定する方法も考案されている(特許文献3参照)。
【0006】
また、RFIDなどの近距離無線を用いてエレベータを呼び出すシステムも考案されている(特許文献4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特表2008−504193号公報
【特許文献2】特開2010−39789号公報(0132段落)
【特許文献3】特開2001−302117号公報
【特許文献4】特開2005−145692号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献等に記載の技術のうち、エレベータの呼び出しに生態情報やRFIDを用いる方法では、ユーザは認証時にワンアクションをする必要がある。例えば、RFIDを用いる場合でも、RFIDをリーダに翳すアクションが必要になる。また、Bluetoothなどの無線通信を用いた方法では、エレベータ周辺にいる人(すなわち無線通信の範囲内にいる人)が本当にエレベータを利用したいのか否か、ユーザが本当に搭乗したか/降りたかどうか、などの判断が難しく、適切なエレベータ呼び出しや扉の開閉が行われない可能性があるという問題がある。
【0009】
さらに、特許文献2の人体通信機能を有するエレベータの場合には、エレベータ乗場で人体通信が行われるのではなく、エレベータに乗った後に人体通信を行うものであるため、エレベータへ搭乗する前(いわゆるエレベータ待ちの状態)に、行先階の設定、エレベータの呼び出しなどエレベータに働きかけることはできなかった。
【0010】
また、特許文献3の場合には、指紋、網膜、声紋、IDカード、暗証入力等で個人認証を行った後、スケジュール設定されている目的階へエレベータかごを移動させるものであるが、いずれも、認証にはユーザによるアクションが必要となるため、エレベータ乗場での作業としては繁雑であった。
【0011】
本発明は、ユーザに特に意識させずに、エレベータの搭乗/降車に関する利便性を向上することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、エレベータの動作を制御するエレベータ制御装置であって、エレベータ乗場(乗降口)に設けられ、人体を介して情報を送受信するエレベータ乗場の人体通信部から受信した情報に基づき、エレベータの制御を行うエレベータ制御部を有することを特徴とするエレベータ制御装置である。
【0013】
また、本発明は、人体を介して情報を送受信する人体通信端末であって、端末内人体通信部と、認証用IDとエレベータでの行先階とを記憶する記憶部と、を有することを特徴とする人体通信端末である。
【0014】
また、本発明は、エレベータ制御システムであって、人体を介して情報を送受信する人体通信端末であって、人体を介して情報を送受信する端末内人体通信部と、認証用IDとエレベータでの行先階とを記憶する記憶部と、を有する人体通信端末と、エレベータ乗場に設けられる人体を介して情報を送受信するエレベータ乗場の人体通信部と、エレベータの動作を制御するエレベータ制御装置と、を備え、前記人体通信端末の前記記憶部に記憶された認証用IDと行先階は、前記端末内人体通信部と、前記エレベータ乗場の人体通信部とを介して、前記エレベータ制御装置の搭乗予約登録記憶部に予約登録されることを特徴とするエレベータ制御システムである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、人体通信端末を所持したユーザは、エレベータ待ちの状態において、ノーアクションでエレベータの呼び出し/行先階の設定/扉の開閉を指示することができる。
【0016】
また、単なる通りすがりなど、意図しないエレベータの呼び出しを回避することができ、エレベータ乗場が混雑している時や両手が塞がっている時に、エレベータの呼び出しを含む操作ボタンを押すことが出来ないという問題も解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施の形態によるエレベータ制御システムの一構成例を示す機能ブロック図である。
【図2】図1のエレベータ制御システムにおける情報のやり取りの様子を示す図である。
【図3】エレベータ呼び出しのフローチャート図である。
【図4】エレベータ前からユーザが立ち去った場合の処理を示すフローチャート図である。
【図5】ユーザが実際にエレベータに搭乗したか否かの確認をエレベータ制御部が行う処理の流れを示すフローチャート図である。
【図6】ユーザがエレベータに搭乗したか否かの確認を行う処理の流れを示すフローチャート図であり、図5のフローチャート図の変形例である。
【図7】ユーザがエレベータに搭乗したか否かの確認処理の別の例を示すフローチャート図であり、図5のフローチャートの変形例である。
【図8】エレベータが行先階(目的階)に到着した場合に、ユーザが降りたか否かを確認する処理の流れを示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本明細書において、人体通信とは、手足などの体の一部を通信媒体として利用して情報をやり取りする通信形態を称する。人体通信の方式としては、例えば、人体の表面に微弱な電界を発生させ、この電界を使って通信を行う電流方式や、人体表面に微電流を流す電流方式などがある。人体通信インターフェイス(IF)は人体通信用の通信機と電極とから構成されている。通信機(送信機)からの送信信号により電極において生じた電界が人体の表面に微弱な電界を誘起する。この電界を、もう一方の人体通信インターフェイス(IF)の電極を介して通信機(受信機)に送り電気信号に変換することで、送信機から受信機に信号を通信することができる。
【0019】
本明細書では、人体通信端末が第1の人体通信インターフェイス(IF)として、人体を介して情報を送受信する端末内人体通信部を有しており、その人体通信端末を所持するユーザが、エレベータ乗場に設けられた第2の人体通信IFとして、人体を介して情報を送受信するエレベータ乗場の人体通信部上に乗ると、人体通信端末の第1の人体通信インターフェイス(IF)からの信号が第2の人体通信IFを介してエレベータを制御するエレベータ制御部に伝わる。これにより、例えば、「行先階が11Fである」などの信号が、エレベータ制御部に伝わり、行先階へのエレベータの移動が予約登録されることになる。
【0020】
以下、本発明の一実施の形態によるエレベータ制御システムについて図面を参照しながら説明を行う。図1は、本実施の形態によるエレベータ制御システムの一構成例を示す機能ブロック図である。図1に示すエレベータ制御システムAは、人体通信端末100と、人体通信インターフェイスを備えたエレベータ乗場200と、エレベータの昇降や扉の開閉などを制御するエレベータ制御部300と、エレベータかごとエレベータ駆動機構等とを有する一般的なエレベータ400と、から構成されている。
【0021】
人体通信端末100は、携帯電話やPDAなどの一般的な通信端末の機能に加えて、上記のような人体通信のインターフェイスを有している。もちろん、人体通信端末100は、エレベータ呼び出しのための専用器であっても良い。
【0022】
端末制御部101は、一般的にはCPUで構成され、バッテリなどにより駆動され、メモリ112に格納されているアプリケーションプログラムなどを実行させることにより、携帯電話の通信・メール、カメラなどの一般的な機能を実行するとともに、人体通信機能も実行する。その他、人体通信とは異なる通信機能である無線LANや携帯電話網を利用した通信を行うための通信部103と、アンテナ105と、ディスプレイやバイブレータなどのユーザに対してエレベータに関する予約状況や行先階への到着などを報知する報知部113と、を有している。メモリ112には、例えばテーブルのような形式で行先情報が格納されている(行先情報テーブル111)。
【0023】
報知部113に報知される内容としては、例えば以下の内容がある。
1)行先階がエレベータ制御部300に予約登録された旨を報知する。これにより、ユーザは、行先階へのエレベータの予約登録がされた旨を知ることができ、ユーザに安心感を与えることができる。
2)エレベータが搭乗階に到着しつつあること、到着したことを報知する。これにより、ユーザは、自分が呼び出したエレベータが到着することを知ることができ、エレベータに乗るための心の準備をすることができる。
3)エレベータが行先階へ到着しつつあること、到着したことを報知する。これにより、ユーザはエレベータから降車する心の準備をすることができる。
4)搭乗が許可されていないエレベータに乗ったことを検出したことを報知する。これにより、ユーザは、自分が予約したエレベータ以外のエレベータに乗ってしまったことを知り、例えば途中の階で降りるなどの行動をとることができる。
【0024】
【表1】

【0025】
表1は、行先情報テーブル111の一構成例を示すものである。表1に示すように、行先情報テーブルは、人体通信端末を一意に特定する端末IDと、ユーザが利用するビルの階である利用階(利用不可能階でも良い)と、利用階の中からユーザが目的とする階である目的階と、このテーブルの有効期限と、を有している。
【0026】
目的階は、時間帯毎に設定することができ、例えば、ある日の午前中は1Fと15F、午後は1Fと11F、夜間は1Fと18Fなどのように設定することができる。この設定は、例えば端末の機能としては一般的なスケジュール機能やカレンダー機能等と関連付けされるようにしても良い。また、例えば、ユーザの人体通信端末のスケジュール表によれば、ある日の午前は15Fで会議があるため15Fが目的階となり、午後は11Fで作業があるため11Fが目的階となり、夜は18Fで会議があるため18Fが目的階となるというように、スケジュール表から目的階を自動的に抽出することができる。尚、搭乗階毎に行先階を異なるように設定しても良い。
【0027】
表1に示す行先情報テーブルは、各ユーザが所持する人体通信端末100に設けている例を示したが、そのデータの全部又は一部が、エレベータ制御部300内の記憶部311内に記憶されていても良い。エレベータ制御部300内の記憶部311で、多くのユーザの行く先を一括して記憶し、制御部で管理することができる。
【0028】
エレベータ乗場200には、人体通信IF(人体通信部)201が、エレベータ乗場の床などに貼り付けられるように設置されており、ユーザがその床を踏むことで、人体通信端末100からの信号を人体通信IF201を介してエレベータ制御部(エレベータ制御装置)300に伝えることができる。人体通信IF201とエレベータ乗場200の制御部203との間、エレベータ乗場200の制御部203とエレベータ制御部300との間は、有線又は無線で接続されている。尚、制御部203は、人体通信IF201からの信号をエレベータ制御部に伝える処理などを制御する。
【0029】
エレベータ制御部300は、エレベータ制御部300を制御する制御部301と、後述する搭乗予約登録テーブル303、搭乗テーブル315などを格納する記憶部311と、計時部(タイマ)307と、を有している。ここでは、端末IDを認証用IDとして用いる例を示しているが、端末IDとの別途、認証用に専用のIDを設けても良い。
【0030】
エレベータ400は、エレベータかご401と、例えば、エレベータかご401内に設けられるエレベータかご内人体通信部である第3の人体通信IF(人体通信部)403と、図示しないエレベータかご駆動機構と、エレベータ内における制御を行う制御部405と、扉411の開閉等の制御をする扉制御部407と、を有している。
【0031】
尚、人体通信端末100は、エレベータ乗場にいる時には、人体通信IF107と人体通信IF201とを介してエレベータ制御部300に信号を送信し、エレベータかご401に載った場合には、人体通信IF(人体通信部)107と人体通信IF403とを介してエレベータ400の制御部405に信号を送信するようになっている。エレベータ400の制御部405とエレベータ制御部300との間は、例えば有線のケーブルや無線などにより信号がやり取りされる。
【0032】
図2は、図1のエレベータ制御システムAにおける情報のやり取りの様子を示す図である。まず、1)人体通信端末100を持つ人が、例えば1Fのエレベータ乗場に立つと、2)人体通信IF107・201を介してエレベータ制御部300に、行先情報テーブルの目的階を通知し、3)エレベータ制御部300は、1F(呼び出した階)のエレベータ乗場にエレベータ400を呼び出す。4)人体通信端末100が実際にエレベータに載ると、5)人体通信IF403を介して搭乗予約登録テーブル303を参照して、端末IDにより搭乗確認を行うとともに、6)エレベータの運転、扉の開閉を行い、7)降車後に8)降車を確認する。ここで、午後であれば、目的階は1Fと11Fであるが、現在1Fのエレベータ乗場に立っているので、目的階は11Fとなる。この目的階が、エレベータ制御部300にとっては行先階となる。
以下に、エレベータ制御部300における処理の流れについてのより詳細な説明を行う。
【0033】
図3は、エレベータ乗場におけるエレベータ呼び出しの処理の流れを示すフローチャート図である。上記のように、エレベータ乗場(エレベータ前)の床に、人体通信IF201が備えられており、エレベータ制御部300は、ユーザが所持する人体通信端末100との間で、人体通信IF107を介して通信する。まず、エレベータ前に人体通信端末100を所持したユーザが立つと(ステップS1:開始)、計時部(タイマ)307のプリセット及び計時開始(スタート)が行われる(ステップS2)。この動作はエレベータ制御部からのトリガ信号を受信することによって開始されても良い。ステップS3で、人体通信IF107・201を介して、人体通信端末100がエレベータ制御部300に登録済みの正規の端末であるか否かに関する認証処理が行われ、ステップS4で認証結果が認証可(OK)であるかどうかが判断される。
【0034】
ここで、認証結果が不可である場合には(NO)、不正なユーザと判断され、ステップS8でエレベータ呼び出しの処理を終了する。認証に成功すると(YES)、正当なユーザと判断され、ステップS5でタイマ計時開始時点から所定時間が経過しているか否かが判定され、判定結果がNOであればステップS3に戻り、再度端末の認証を行う。当該認証は上記タイマによる時間のカウントではなく、認証回数をカウントすることで認証を行ってもよい。判定結果がYESであればステップS6で端末IDを搭乗予約登録テーブルに登録する。次いで、ステップS7において、エレベータの呼び出し及び行先階の設定(搭乗予約登録テーブルへの行先階の設定)が行われる。ステップS7の設定は、ステップS4でYESの後に設定するようにしても良い。行先階の設定に基づいて、エレベータは行先階への移動と扉を開く動作を行う。エレベータ乗場の人体通信IF201から受信した情報が搭乗予約登録記憶テーブル303に記憶された際に、情報記憶完了信号がエレベータ乗場の人体通信IF201に出力される。
【0035】
【表2】

【0036】
表2は、エレベータ乗場で行われるエレベータへの搭乗予約登録を示す搭乗予約登録テーブルの一構成例を示す図であり、搭乗予約登録テーブルには、人体通信端末100の端末IDと行先階情報とが登録予約される。これにより、この端末IDを有する端末が、ある行先階(例えば11F)に行きたいことがエレベータ制御部300に登録される。この搭乗予約登録に基づいて、エレベータ制御部300がエレベータを、乗り場の階へ導く。
【0037】
尚、タイマを用いて所定時間経過しているか否かを判定したのは、一度エレベータ前に立ったが、搭乗前にユーザがその場を立ち去ったり、別のエレベータに乗ったりして、ユーザがその場からいなくなる場合を想定したものである。例えば、エレベータ前にユーザ(人体通信端末)がいるかどうかを定期的に確認し、もし、ユーザがいないのであれば、搭乗予約をキャンセルする。これにより、実際にそのエレベータに乗りたい人だけについて搭乗予約をすることができる。
【0038】
尚、エレベータがエレベータ乗場200に到着すると、人体通信端末100がその旨を報知するようにすると、ユーザにエレベータの到着を知らせることができるため便利である。報知の方法としては、人体通信端末100がバイブレータ等音声によりユーザに報知する方法、表示部に表示させる方法などがある。エレベータ制御部300から人体通信端末100への通知方法としては、人体通信IF201・107を介したエレベータ制御部200から人体通信端末100への人体通信による通知方法の他に、エレベータ制御部200が備える図示しない通信部から人体通信端末100の通信部103への無線通信などを用いることもできる。
【0039】
図4は、エレベータ乗場の前からユーザが立ち去った場合の処理を示すフローチャート図である。エレベータ呼び出し中において、ステップS11で、エレベータ乗場の人体通信IFを介して端末認証を行う。ステップS12で認証できた場合には(YES)、ステップS13でエレベータが到着するまで認証を繰り返し(NO)、YESの場合には、エレベータが到着したと判断でき、ステップS14でエレベータの扉が開く。ステップS12で認証できない場合(NO)は、ステップS15に進み、エレベータの呼び出し、行先階の設定(表2)をキャンセルし、処理を終了する(ステップS16)。このように、エレベータ待ちの間に認証(人体通信端末100の検出)処理を定期的(間欠的)に繰り返すことで、エレベータが到着する前にその場からいなくなったユーザの人体通信端末の搭乗予約登録テーブルへの予約登録をキャンセルし、無駄な予約登録に基づくエレベータの制御及び動作を排除することができる。複数回の検出が確認されると、実際に搭乗したいユーザであると推定される。
【0040】
ここで、人体通信端末100とエレベータ制御部300との人体通信IF107・201を介した通信について簡単に説明する。
【0041】
まず、人体通信端末100からエレベータ制御部300に対して、応答を求める送信を行い、これに対して、エレベータ制御部300からはAckが返信される。これにより、人体通信端末100とエレベータ制御部300との間における通信経路が確立する。一方、Ackが返信されない場合には、Ackが返信されるまで応答を求める送信が予め設定された回数だけ継続されることになる。人体通信端末100とエレベータ制御部300との通信経路が確立すると、人体通信端末100からエレベータ制御部300へのデータ送信等が可能になる。ここで、端末内人体通信IF107が、エレベータ乗り場の人体通信IF201からの信号を受信することをトリガとして、認証用IDと行先階情報とをエレベータ制御部300に出力するようにする。
【0042】
尚、エレベータ制御部300は、エレベータ乗場200の人体通信IF201から受信した情報が搭乗予約登録テーブル303に記憶された際に情報記憶が完了した旨の情報記録完了信号をエレベータ乗場200の人体通信IF201に出力するようにすると良い。
【0043】
応答を求める信号は、上記のように人体通信端末100からエレベータ制御部300へ送っても良いし、エレベータ制御部300から人体通信IF201、403を介して送り、人体通信端末からAckを返す構成にしても良い。
【0044】
ところで、例えば、エレベータ乗場200において、それぞれ人体通信端末を所持した複数のユーザがエレベータ待ちをしている場合には、複数の人体通信端末から同時に信号が送信される可能性がある。その場合、信号が衝突することになり、正しい通信ができないことになる。そこで、通信の衝突検出と回避のため、人体通信端末またはエレベータ制御部が衝突を検出した場合には、ランダムな時間を待ってから再度応答を求める送信を行う。或いは、エレベータ乗場の人体通信IF201の電極を電気的に分離して(ブロック化して)、異なる通信経路でそれぞれの人体通信端末からの送信を行うようにしても良い。以上のようにすることで、複数のユーザがエレベータ待ちをしている場合でも、通信の衝突をせずに人体通信を行うことが可能である。
【0045】
以上のように、人体通信を用いることで、特別なアクションなしに、エレベータの呼び出しと、行先階への移動を制御させることができる。
【0046】
図5は、ユーザが実際にエレベータに搭乗したか否かの確認をエレベータ制御部300が行う処理の流れを示すフローチャート図である。ここで、エレベータかごの床には、人体通信IF403が備えられており、エレベータ制御部300はユーザが所持する人体通信端末100と人体通信IF107を介して通信するようになっている。
【0047】
図4のステップS14から、すなわち、エレベータ扉が開くと、ステップS21において、エレベータ内で人体通信IF107・403を介して端末IDの認証を行う。すなわち、搭乗予約登録テーブルに登録されているユーザ端末が、エレベータに搭乗したユーザであるか否かを、エレベータかご内人体通信IF403から受信した情報と搭乗予約登録記憶テーブル303に予約登録されている情報とを比較することによりステップS22において確認する。ステップS22で比較の結果が不一致(NO)の場合には、再度ステップS21の処理を繰り返すことで、端末IDが一致するまで待つ。ステップS22でYESの場合(比較の結果が一致している場合)には、搭乗予約された人体通信端末がエレベータかご内に搭乗したものと判断し、ステップS23に進み、エレベータの扉をクローズし、ステップS24で行先階の設定を行う。但し、搭乗前に既に行先階の設定がなされている場合には、この処理をスキップするか再確認の意味でこの処理を行うようにしても良い。エレベータかご401内で、エレベータ制御部300が搭乗を許可されていない人体通信端末100や予約登録されていない人体通信端末100を検出した場合には、図1に示すエレベータかご内の報知部415や人体通信端末の報知部113で、その旨を報知してもよい。すなわち、エレベータかご401内に設けられ、人体を介して情報を送受信するエレベータかご内人体通信IF403が端末内人体通信IF107を介して取得した認証用IDと搭乗予約登録記憶部(テーブル)303に記憶されている認証用IDとを比較し、端末内人体通信IF107を介して取得した認証用IDが搭乗予約登録記憶部303に記憶されていない場合に、エレベータかご内の報知部415で報知するようにしても良い。これにより、搭乗間違い又は認証されていないユーザのエレベータかごへの乗り込みについて警告することができる。当該報知は比較の結果が一致した場合に行っても良い。その後、エレベータは、行先階へ向けて移動する。尚、比較の結果、エレベータかご内人体通信IF403から受信した情報と搭乗予約登録テーブル303に予約登録されている情報が不一致の場合、搭乗予約登録テーブル303内の不一致情報を削除する。その場合に、不一致である旨の不一致情報を搭乗予約登録テーブル303に登録する。
【0048】
さらに、エレベータ制御部300に搭乗予約登録テーブル303以外に、例えばビルやマンションであれば、ビル管理会社又はマンションの管理組合からエレベータの利用そのものを許可するような利用許可の認証用IDを格納する利用許可の認証用IDテーブル316を設け、エレベータかご内人体通信IF403を介して検出した認証用IDが利用許可認証用IDのテーブルに未登録か否かを判断し、未登録の場合には、元来利用が許可されていないとして報知するようにすることもできる。
【0049】
また、認証用IDは、エレベータかご内人体通信IF403経由で取得するだけではなく、エレベータ乗場200の人体通信IF201から取得しても良い。エレベータ乗場200の人体通信IF201から取得した認証用IDを認証することで、搭乗を許可されていないユーザ(人体通信端末)がエレベータに搭乗した場合や、使用を許可されていない階に降車したことを検知できる。
また、エレベータ制御システムの管理者に報知するために、エレベータ制御部300に報知手段を設けても良い。
【0050】
図6は、ユーザがエレベータに搭乗したか否かの確認を行う処理の流れを示すフローチャート図であり、図5のフローチャート図の変形例である。図6と図5との相違点は、図6では、ステップS25でタイマのプリセットとスタートを行い、搭乗予約登録テーブルの登録端末を確認する処理において(ステップS27)、所定時間を経過しても確認できない場合には(ステップS29)タイムアウトとなり、ユーザがエレベータに搭乗したか否かの確認処理を終了する(ステップS30)点である。これにより、いつまでも搭乗しないユーザを待ち続ける無駄な処理を排除することができる。
【0051】
図7は、ユーザがエレベータに搭乗したか否かの確認処理の別の例を示すフローチャート図であり、図5のフローチャートの変形例である。図7と図5との相違点は、ステップS32における、搭乗予約登録テーブルに登録されている人体通信端末100が、エレベータに搭乗したか否かを確認するステップであり、ここの判断処理でNOの場合に、ステップS34に進み、エレベータ乗場の人体通信IF201を介して人体通信端末100を確認し、エレベータ前にまだユーザが残っているか否かを確かめ、ステップS35で確認できた場合には(YES)、ステップS31の端末認証ステップに戻り、ステップS35で確認できない場合には(NO)、エレベータに乗らなかった人がいると判断して処理を終了する(ステップS36)。エレベータ到着後にエレベータ前から立ち去ることも想定されるため、このような処理を行わせるようにしても良い。
【0052】
尚、行先階よりも前の階で人体通信端末がエレベータを降りた場合には、搭乗予約登録記憶部に予約登録された行先階を削除することで、無駄な扉の開閉動作を防止することができる。
【0053】
また、エレベータ制御部300は、エレベータかご内人体通信IF403から受信した情報と搭乗予約登録テーブル303に予約登録されている情報が不一致の場合には、エレベータかご内人体通信IF403から受信した不一致情報を搭乗予約登録テーブル303に登録するようにする。これにより、何らかの都合で、エレベータ乗場の人体通信部で予約登録できなかった人体通信端末がエレベータかごに搭乗した場合に、追加で登録することができる。
【0054】
図8は、エレベータが行先階(目的階)に到着した場合に、ユーザが降りたか否かを確認する処理の流れを示すフローチャート図である。エレベータが行先階に到着すると、ステップS41において、エレベータの扉が開く。ここで、表2の搭乗予約登録テーブルを用いて、エレベータ内人体通信IFを介して端末ID認証処理を行う(ステップS42)。降車すべき人体通信端末がまだエレベータ内にあるか否かを表2を参照してステップS43で確認し、YESの場合には、ステップS42に戻り、NOの場合には、降りるべき端末が全て降りたと判断して、ステップS44でエレベータの扉をクローズし、ステップS45で処理を終了する。
【0055】
エレベータ制御部300は、エレベータかご401が行先階に到着したときに、搭乗予約登録テーブル303に記憶されている行先階情報とそれに関連する情報を削除するようにする。これにより、不要な記録を削除し、メモリの占有容量を削減することができる。
【0056】
さらに、エレベータ制御部300は、エレベータかご内人体通信IF403が検知しなくなった人体通信端末100に関する情報を搭乗予約登録テーブル303から削除するようにすると良い。
【0057】
また、エレベータ制御部300は、搭乗予約登録テーブル303に予約登録されている情報に基づき、エレベータかご401が行先階に到着時もしくは到着する前に、到着信号をエレベータかご内人体通信IF403に出力する制御を行うことで、行先階への到着又は到着が迫っていることをエレベータかごの制御部405に知らせることができる。
【0058】
また、エレベータ制御部300は、エレベータかご401が行先階に到着したときに、搭乗予約登録テーブル303に記憶されている当該行先階情報とそれに関連する既に不要になった情報を削除する。さらに、エレベータ制御部300は、エレベータかご内人体通信IF403が検知しなくなった人体通信端末100に関する情報を搭乗予約登録テーブル303から削除する。
【0059】
尚、人体通信端末を所持したユーザが目的階以外で降車することもあり得る。「目的階以外で人体通信端末がエレベータを降りた」ということは、定期的またはエレベータが各階に停止したときにエレベータかご内人体通信IF403を介して通信可能な人体通信端末の存在の有無を確認することにより知ることができる。すなわち、搭乗予約テーブルに記憶されている人体通信端末の端末IDをエレベータかご内人体通信IF403から出力し、該当する人体通信端末から応答があれば未だエレベータかご内にユーザが搭乗していると判定し、応答が無ければ降車したと判定できる。また、目的階の手前で降車したことをエレベータ乗場の人体通信部が検知した場合には、当該人体通信端末に警告をしたり、目的階を過ぎた後でも乗車している場合には、当該人体通信端末が警告をしたり目的階を設定し直しても良い。
【0060】
また、人体通信端末はエレベータ乗場の人体通信部やエレベータかご内人体通信部と端末内人体通信部が通信を行うことによって、エレベータ制御部からの信号を受信することができ、その信号を基に、端末の認証用IDや行先階の登録がされたこと、エレベータかごが搭乗階に到着しつつあることや到着したこと、エレベータかごが目的階に到着しつつあることや到着したこと、目的階以外の階で降りてしまったこと等を報知してもよい。
以下に、本実施の形態の変形例について説明する。
【0061】
【表3】

【0062】
表3は搭乗テーブルの内容を示す図であり、端末IDと、行先階情報と、実際に人体通信端末がエレベータに載ったか否かを示すフラグと、人体通信端末がエレベータを降りたか否かを示すフラグとを有している。この搭乗テーブルは、実際にユーザが人体通信端末100とともにエレベータに載ったことが確認された場合に作成され、端末IDと、行先階と、エレベータに載ったか否かを示す搭乗フラグと、エレベータを降りたか否かを示す降車フラグと、を有している。
【0063】
表3の搭乗テーブルを利用して降車すべき人体通信端末がまだエレベータ内にあるか否かをステップS43で確認し、YESの場合には、ステップS42に戻り、NOの場合には、降りるべき端末が全て降りたと判断して、ステップS44でエレベータの扉をクローズし、ステップS45で処理を終了する。この際、表3のテーブルの降りたか否かを示すフラグを「降りた」にして、全ての工程が終了したことを確認した後、この搭乗テーブルを削除する。搭乗テーブルを記録として残しておいても良いが、残す場合でも期限付きで残すことが好ましい。
【0064】
尚、「人体通信端末がエレベータを降りた」ということは、エレベータが各階に停止したときにエレベータかご内人体通信IF403を介して通信可能な人体通信端末を確認することにより知ることができる。
【0065】
尚、降車したユーザの人体通信端末は、降車した階では一定期間もしくはエレベータ乗場の人体通信IF201から一旦離れるまで予約登録されないようにすることが好ましい。降車した人の端末は、もはやエレベータの制御とは無関係であるからである。そのための具体的な方法としては、エレベータの扉411が閉まるまで表3の降車フラグを有効とし、エレベータ乗場の人体通信IF201が降車した人体通信端末の端末IDを検知したとしても予約登録をせず、扉411が閉じた後に搭乗テーブルから該当するデータを削除する方法や、表3の降車フラグを人体通信端末側でも取得して保持し、この降車フラグを有する人体通信端末100はエレベータ乗場の人体通信IF201と人体通信端末100の人体通信IF107とが通信を行わないようにするためのフラグとする方法などが考えられる。以上のような構成によって、降車した人体通信端末を誤って予約登録することを防ぐことができる。尚、エレベータを降りた後に、再度、エレベータ乗場にたった場合には、人体通信端末100側の降車フラグは自動的に削除されるようにすることが好ましい。
【0066】
尚、降車したユーザの人体通信端末100が余計な通信を行わないために、エレベータ制御部300は、各階にエレベータかご401が停止している場合や扉が開いている場合には、エレベータ乗場200の人体通信IF201が通信を行わないように制御する(人体通信IF201の動作を止める)ようにしても良い。これにより、目的階に到着したユーザ以外であっても、降りる意思が無く、たまたま扉付近に乗車していて、エレベータの奥の方に乗っている人が降車するときに、一時的に降りることがある場合などに余計な通信を回避することができる。
【0067】
以上に説明したように、本実施の形態によるエレベータ制御技術によれば、単なる通りすがりなど、意図しないエレベータの呼び出しを回避しつつ、ユーザはノーアクションでエレベータの呼び出し/行先階の設定/扉の開閉ができる。混雑時や両手が塞がっている時にエレベータ乗場やエレベータ内で操作ボタンを押すことが出来ないという問題も解消できる。
【0068】
また、ユーザの乗降を確認の上で扉を開閉するので安全が保てるため、行動の遅い人や老人にも適している。人体通信端末は、盲導犬や車椅子にも付けることが可能であるため、便利である。この場合には、盲導犬や車椅子を介してエレベータ乗場200の人体通信IF201と通信を行うことが可能である。
【0069】
本実施の形態には、以下のような変形例がある。
1)ユーザの人体通信端末100が端末IDなどの認証用IDを有していない場合には、エレベータ制御部200から人体通信機能を介して臨時IDを発行することも可能である。これにより、人体通信端末が臨時IDを保持できるので、たまたま認証用IDを保持していない場合でも、上記の制御の恩恵を受けることができる。また、人体通信端末100に人体通信以外の通信機能が搭載されている場合には、当該通信機能を介して臨時で期限付き認証用IDを発行することもできる。
2)一方、ビル利用者やマンションの住人に対してのみ、人体通信端末を供給することで、無関係な人の利用を回避し、セキュリティー面での強化を行うこともできる。
【0070】
また、上記の実施の形態において、添付図面に図示されている構成等については、これらに限定されるものではなく、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
【0071】
また、本実施の形態で説明した機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各部の処理を行ってもよい。尚、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0072】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
【0073】
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また前記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明は、エレベータ制御システムに利用することができる。
【符号の説明】
【0075】
100…人体通信端末、101…端末制御部、103…通信部、105…アンテナ、107…第1の人体通信IF(端末内人体通信部)、111…行先情報テーブル、200…エレベータ乗場、201…第2の人体通信IF(エレベータ乗場の人体通信部)、203…制御部、300…エレベータ制御部、301…制御部、303…搭乗予約登録テーブル、307…計時部(タイマ)、311…記憶部、315…搭乗テーブル、316…認証用IDテーブル、400…エレベータ、401…エレベータかご、403…第3の人体通信IF(エレベータかご内の人体通信部)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータの動作を制御するエレベータ制御装置であって、
エレベータ乗場に設けられ、人体を介して情報を送受信するエレベータ乗場の人体通信部と、前記エレベータ乗場の人体通信部から受信した情報に基づき、エレベータの制御を行うエレベータ制御部を有することを特徴とするエレベータ制御装置。
【請求項2】
前記エレベータ乗場の人体通信部から受信した情報を予約登録する搭乗予約登録記憶部を有することを特徴とする請求項1に記載のエレベータ制御装置。
【請求項3】
前記エレベータ乗場の人体通信部から受信する情報を一定時間又は複数回確認できたことを条件に前記予約登録を行うことを特徴とする請求項2に記載のエレベータ制御装置。
【請求項4】
前記エレベータ乗場の人体通信部から受信する情報を検知できなくなった場合には、前記搭乗予約登録記憶部から当該予約登録を削除することを特徴とする請求項2に記載のエレベータ制御装置。
【請求項5】
前記搭乗予約登録記憶部に予約登録される情報は、
認証用IDであることを特徴とする請求項2に記載のエレベータ制御装置。
【請求項6】
前記搭乗予約登録記憶部に予約登録される情報は、
行先階情報であることを特徴とする請求項2又は5に記載のエレベータ制御装置。
【請求項7】
前記行先階情報は、時間帯毎に設定されることを特徴とする請求項6に記載のエレベータ制御装置。
【請求項8】
前記エレベータ制御部は、
前記エレベータ乗場の人体通信部から受信した情報が前記搭乗予約登録記憶部に記憶された際に情報記憶完了信号を前記エレベータ乗場の人体通信部より出力することを特徴とする請求項2に記載のエレベータ制御装置。
【請求項9】
エレベータかご内に設けられ、人体を介して情報を送受信するエレベータかご内人体通信部を備え、
前記エレベータ制御部は、
前記エレベータかご内人体通信部から受信した情報と前記搭乗予約登録記憶部に予約登録されている情報とを比較することを特徴とする請求項5又は6に記載のエレベータ制御装置。
【請求項10】
前記エレベータ制御部は、
前記比較の結果、前記エレベータかご内人体通信部から受信した情報と前記搭乗予約登録記憶部に予約登録されている情報が一致した場合に、エレベータの扉を閉める制御を行うことを特徴とする請求項9に記載のエレベータ制御装置。
【請求項11】
前記エレベータ制御部は、
前記比較の結果、前記エレベータかご内人体通信部から受信した情報と前記搭乗予約登録記憶部に予約登録されている情報が不一致の場合、前記搭乗予約登録記憶部内の不一致情報を削除することを特徴とする請求項9に記載のエレベータ制御装置。
【請求項12】
前記エレベータ制御部は、
前記比較の結果、前記エレベータかご内人体通信部から受信した情報と前記搭乗予約登録記憶部に予約登録されている情報が不一致の場合、前記エレベータかご内人体通信部から受信した不一致情報を前記搭乗予約登録記憶部に登録することを特徴とする請求項9に記載のエレベータ制御装置。
【請求項13】
エレベータかご内に設けられ、人体を介して情報を送受信するエレベータかご内人体通信部を備え、
前記エレベータ制御部は、
前記搭乗予約登録記憶部に予約登録されている情報に基づき、
前記エレベータかごが行先階に到着時もしくは到着前に到着信号を前記エレベータかご内人体通信部より出力する制御を行うことを特徴とする請求項6に記載のエレベータ制御装置。
【請求項14】
前記エレベータ制御部は、前記エレベータかごが行先階に到着したときに、前記搭乗予約登録記憶部に記憶されている当該行先階情報とそれに関連する情報を削除することを特徴とする請求項13に記載のエレベータ制御装置。
【請求項15】
エレベータかご内に設けられ、人体を介して情報を送受信するエレベータかご内人体通信部を備え、
前記エレベータ制御部は、
前記搭乗予約登録記憶部に予約登録されている情報に基づき、
前記エレベータかご内人体通信部より出力される信号に対しての応答が無い場合に、当該予約登録されている情報を前記搭乗予約登録記憶部から削除することを特徴とする請求項6に記載のエレベータ制御装置。
【請求項16】
エレベータかご内に設けられ、人体を介して情報を送受信するエレベータかご内人体通信部と、エレベータ又は各階の利用を許可する利用許可認証用IDを記憶する認証用ID記憶部を備え、
前記エレベータ制御部は、
前記エレベータかご内人体通信部から受信した情報と前記利用許可認証用IDとを比較することを特徴とする請求項1に記載のエレベータ制御装置。
【請求項17】
前記エレベータかごの内部にエレベータかご内報知部を備え、
前記エレベータ制御部は、
前記比較の結果を、前記エレベータかご内報知部で報知することを特徴とする請求項9又は16に記載のエレベータ制御装置。
【請求項18】
エレベータ又は各階の利用を許可する利用許可認証用IDを記憶する認証用ID記憶部を備え、
前記エレベータ制御部は、
前記エレベータ乗場の人体通信部から受信した情報と前記利用許可認証用IDとを比較することを特徴とする請求項1に記載のエレベータ制御装置。
【請求項19】
前記エレベータ制御部は、
前記比較の結果を、前記エレベータかご内人体通信部又は前記エレベータ乗場の人体通信部より警告信号を出力することを特徴とする請求項17又は18に記載のエレベータ制御装置。
【請求項20】
認証用IDと、前記行先階情報と、前記認証用IDに該当する人体通信端末が前記エレベータに載ったか否かを示す搭乗フラグと、前記認証用IDに該当する人体通信端末がエレベータを降りたか否かを示す降車フラグとを記憶する搭乗テーブル記憶部を有することを特徴とする請求項6に記載のエレベータ制御装置。
【請求項21】
前記エレベータ制御部は、各階にエレベータかごが停止している場合又はエレベータの扉が開いている場合には、前記エレベータ乗場の人体通信部が通信しないように制御することを特徴とする請求項1に記載のエレベータ制御装置。
【請求項22】
前記エレベータ乗場の人体通信部が、複数の電気的に分離されたブロックにより形成されていることを特徴とする請求項1から19までのいずれか1項に記載のエレベータ制御装置。
【請求項23】
人体を介して情報を送受信する人体通信端末であって、
端末内人体通信部と、認証用IDとエレベータでの行先階情報とを記憶する記憶部と、を有することを特徴とする人体通信端末。
【請求項24】
前記認証用IDおよび/又は前記行先階情報を、前記端末内人体通信部から出力することを特徴とする請求項23に記載の人体通信端末。
【請求項25】
前記端末内人体通信部が、信号を受信することをトリガとして前記認証用IDと前記行先階情報とを出力することを特徴とする請求項23に記載の人体通信端末。
【請求項26】
前記行先階情報は、時間帯毎に設定されていることを特徴とする請求項24に記載の人体通信端末。
【請求項27】
時間帯毎のスケジュールを時間帯と利用する階との対応関係で示すスケジュール機能を有しており、前記スケジュール機能に基づいて、前記行先階情報を時間帯毎に設定して前記記憶部に記憶させることを特徴とする請求項23に記載の人体通信端末。
【請求項28】
前記行先階情報は、搭乗階毎に行先設定が異なって設定されることを特徴とする請求項23に記載の人体通信端末。
【請求項29】
さらに、前記端末内人体通信部が受信した信号を基に報知する報知手段を有し、
前記報知手段の報知内容は、
端末の前記認証用ID又は前記行先階の登録がされたこと、エレベータかごが搭乗階に到着しつつあること又は到着したこと、エレベータかごが目的階に到着しつつあること又到着したこと、許可されている又は許可されていないエレベータに搭乗したこと、目的階又は目的階以外の階で降りたこと、許可されている又は許可されていないエレベータかごに搭乗したこと、許可されている又は許可されていない階に降車したこと、のうち少なくとも一以上を含むことを特徴とする請求項23に記載の人体通信端末。
【請求項30】
エレベータ制御システムであって、
人体を介して情報を送受信する人体通信端末であって、人体を介して情報を送受信する端末内人体通信部と、認証用IDおよび/又はエレベータでの行先階情報とを記憶する搭乗テーブル記憶部と、を有する人体通信端末と、
エレベータ乗場に設けられる人体を介して情報を送受信するエレベータ乗場の人体通信部と、
エレベータの動作を制御するエレベータ制御装置と、を備え、
前記人体通信端末の前記搭乗テーブル記憶部に記憶された認証用IDおよび/又は行先階情報は、前記端末内人体通信部と、前記エレベータ乗場の人体通信部とを介して、前記エレベータ制御装置の搭乗予約登録記憶部に予約登録されることを特徴とするエレベータ制御システム。
【請求項31】
前記エレベータから降車した前記人体通信端末においては、前記端末内人体通信部と前記エレベータかご内人体通信部とを介して前記搭乗テーブル記憶部の記憶内容が記憶され、
前記人体通信端末がエレベータを降りたか否かを示すフラグに基づいて、前記エレベータ乗場の人体通信部を介した通信が抑制されることを特徴とする請求項30に記載のエレベータ制御システム。
【請求項32】
エレベータの動作を制御するエレベータ制御方法であって、
エレベータ乗場に設けられるエレベータ乗場の人体通信部が、人体を介して情報を送受信するステップと、
エレベータ制御部が、前記エレベータ乗場の人体通信部から受信した情報に基づき、エレベータの制御を行うエレベータ制御ステップと、を有することを特徴とするエレベータ制御方法。
【請求項33】
請求項32に記載のエレベータ制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−131607(P2012−131607A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−284929(P2010−284929)
【出願日】平成22年12月21日(2010.12.21)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】