説明

エレベータ安全装置及びその制御方法

【課題】 防水性が高く、動作の安定性が高いエレベータ安全装置1を提供する。さらに、既設のエレベータに、容易な作業で、かつ低コストで適用することを可能とするエレベータ安全装置1を提供する。
【解決手段】 乗場側扉5とかご側扉4に、それぞれ挟み込み検知センサ12を備えたエレベータ安全装置1であって、前記かご側扉4に設置した1次コイル10から、乗場側扉5に設置した2次コイル11に非接触で給電する非接触給電装置7を備え、前記非接触給電装置7により前記乗場側扉5の前記挟み込み検知センサ12に給電を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレベータ戸の挟み込み及び引き込み事故を防止するための装置(エレベータ安全装置)及びその制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在のエレベータには、乗客が扉に指を挟まれたりする事故を防止するための安全装置として、扉の縁部にセーフティーシュー20が設置されている(図5)。
【0003】
一般的なエレベータは、箱状の乗りかご2Xが、各階の乗場3Xまで移動して停止し、乗客を乗り降りさせるように構成されている。乗りかご2Xと乗場3Xの間は、かご側扉4Xと乗場側扉5Xとで二重に隔てられており、この2組の扉は、連動して開閉するようになっている。なお、図5は、便宜上この2つの扉の間の距離を離して記載しており、2枚の扉を片側へスライドさせて閉じるタイプを示している。
【0004】
図6は、図5の平面図を示しており、かご側扉4Xと乗場側扉5Xの間にはギャップd2(隙間)があり、このギャップd2のかご側扉4Xに、安全装置であるセーフティーシュー20が設置されており、セーフティーシュー20に、乗客や荷物が触れるとスイッチが入り、かご側扉4X及び乗場側扉5Xが、再開して、挟み込み位置T1への挟み込み事故を防止するようにしている。なお、図6は、それぞれの扉を両側からスライドさせて閉じるタイプを示している。
【0005】
前述の一般的なエレベータは、エレベータドアが開く際に、かご側扉4Xと乗りかご2Xの間や、乗場側扉5Xと柱6の間の引き込み位置T2に、乗客の手や衣類が引き込まれてしまう引き込み事故が発生することがあった。これを防止するために、エレベータの出入り口の両側(柱6等)に光学式センサを設置し、扉近傍におけるモノの有無を通して、引き込まれの有無を検知する構成のエレベータが提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0006】
しかしながら、近年、バリアフリー化が進み、陸橋等に設置されたエレベータのように、乗場3Xが屋外となることが増えてきており、設置する光学式センサ等の装置の防水性が問題となっている。つまり、挟み込み事故に加えて、引き込み事故を防止して、エレベータの安全性を向上するためには、例えば、センサを図6に示す様に柱6の側面の位置S1に、新たに設置していく必要があり、このセンサの追加により、電源や信号のための新たな配線が必要となる。
【0007】
ここで、特に乗場が屋外となるエレベータでは、乗場側に設置したセンサや配線等が風雨や湿気、太陽光の紫外線等に長時間曝されることで劣化が促進され、加えて劣化したセンサや配線等に雨がかかると、センサ等が故障又は誤作動を起こす可能性があり、安定的に安全装置が作動しないという問題がある。この問題がエレベータの安全性向上のネックとなっている。また、屋内に設置されるエレベータであっても、雨漏りや、配管の漏水や、火災消火の放水などにより、故障又は誤作動を起こす可能性がある。
【0008】
特許文献1には光学センサを利用した安全装置が記載されているが、この光学センサを屋外の乗場に設置した場合、光学センサの受光部に直接太陽光が当たり誤作動が発生する可能性があり、また、発光部側のセンサのレンズ部に水滴が付き、光軸がずれて誤作動が発生する可能性がある。
【0009】
加えて、既設のエレベータに、前述したセンサを設置するためには、柱6をセンサが組み込まれた柱への交換する、もしくは、柱6への配線及びセンサの設置が必要だが、乗場3X側で検知した引き込み発生の信号を、昇降路内に設置している制御装置に伝達するための装置(通信装置等)の設置や配線等の、大規模な工事も必要となり、高コストとなる問題がある。つまり、柱6に新たにセンサを設置する場合には、このセンサへ電気を供給する必要があり、さらに、このセンサで感知した信号を乗りかご2Xに伝達して、扉を再開するための制御等を行う必要がある。ここで、エレベータのほとんどの制御は、昇降路に設置した制御装置により行っているため、乗場側で検出した信号等は全て、昇降路に送信する必要がある。なお、昇降路とは、乗りかご2Xが移動する空間を示す。
【0010】
上記のように、エレベータの乗場側に安全装置を設置するには、新たに電源を設けたり、配線を行ったり、信号の送受信を行うための装置を設置したりする必要があり、エレベータ全体を改造又は交換する必要がある。この作業には、多大な費用が必要となるため、エレベータの安全性を向上する際に問題となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2008−230839号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、たとえ屋外に設置したエレベータであっても、防水性を高めることで風雨等の影響をなくし、挟み込み事故等の検出を安定的に行えるエレベータ安全装置を提供することにある。さらに、従来のエレベータに、容易な作業で、かつ低コストで適用することを可能とするエレベータ安全装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の目的を達成するための本発明に係るエレベータ安全装置は、乗場側扉とかご側扉に、それぞれ挟み込み検知センサを備えたエレベータ安全装置であって、前記かご側扉に設置した1次コイルから、乗場側扉に設置した2次コイルに非接触で給電する非接触給電装置を備え、前記非接触給電装置により前記乗場側扉の前記挟み込み検知センサに給電を行うことを特徴とする。
【0014】
この構成により、乗場側の挟み込み検知センサに給電するための給電設備及び配線を行う必要がなくなる。また、コイル全体を樹脂等で覆う防水加工により、容易に雨や漏水による故障及び誤作動を防止することができ、これによりエレベータの安全性を向上させることができる。
【0015】
また、2つのコイルを対向させて給電を行う非接触給電装置は、構成上、2つのコイルの位置が合わない限り給電が開始されない。つまり、給電の有無によってかご側扉と乗場側扉の上下方向のずれを検知することができる。そのため、従来のプログラムによる制御で発生していた、乗りかごがずれた状態、又は、乗りかごのない状態で、乗場側扉が開いてしまう事故を無くすことができる。
【0016】
上記のエレベータ安全装置において、前記非接触給電装置は、電気の給電に加えて、前記乗場側扉の前記挟み込み検知センサのオン及びオフを検知可能な構成であり、前記挟み込み検知センサのオン又はオフにより2次コイルの電圧が変化し、2次コイルの電圧変化が1次コイルの電圧変化となり、前記1次コイルの電圧変化を信号として検出する構成としたことを特徴とする。
【0017】
この構成により、乗場側扉のセンサで検知した信号を、乗りかごに伝達するための装置を別途設置する必要がないため、エレベータ安全装置の構成が簡略化され、簡易な構成とすることで防水加工を容易かつ確実に行うことができる。この防水加工によりエレベータの故障や誤動作を防止して、安全性を向上することができる。
【0018】
なお、非接触給電装置を利用せずに、無線信号の送受信機を用いて、通路側からかご側に信号を送信することもできるが、ノイズ等による誤作動の恐れも考えられるため、挟み込み又は引き込み事故等の発生を検知した信号の送受信は、非接触給電装置を利用することが望ましい。
【0019】
上記のエレベータ安全装置は、前記乗場側扉及び前記かご側扉が、柱に引き込まれる位置の柱側に、引き込み検知センサを備えたことを特徴とする。この構成により、引き込み事故が発生した場合に、引き込み検知センサにより検知して、扉の再開を制御することができるため、エレベータの安全性を向上することができる。
【0020】
上記のエレベータ安全装置において、前記挟み込み検知センサ又は引き込み検知センサは、弾性体からなるホース状又はチューブ状の本体が変形すると、この変形を信号として出力するラインセンサであって、前記本体の内部にテープ状の2つの電極を配置し、前記本体の変形に伴い、前記電極が接触又は近接して、この接触又は近接により信号を出力する構成としたことを特徴とする。
【0021】
この構成により、故障の多いセーフティーシューから、動作の安定性の高いラインセンサに変更されるため、エレベータの安全性を向上することができる。つまり、従来はセーフティーシューが十分押込まれると、安全装置のスイッチが入り、扉が再開される制御が行われていたが、前述の構成により、変形が容易な弾性体の本体を、変形させて挟み込み事故や引き込み事故を検出するため、検出の感度を向上させることができる。
【0022】
さらに、ラインセンサは構造が単純なため故障が少なく、特に、ゴム等の弾性体で覆われた本体を持つラインセンサであれば、防水性が高く、極めて安定的に作動する。加えて、ラインセンサは、形状がホース状又はチューブ状であるため、乗場側扉とかご側扉の先端部にそれぞれ取り付けることができて、セーフティーシューには触れずにどちらかの扉に挟まれる事故も回避することができる。
【0023】
上記のエレベータ安全装置において、前記乗場側扉と前記かご側扉に、扉を再開するための扉再開スイッチを設置したことを特徴とする。挟み込み事故や引き込み事故が発生する場合、被害にあっている乗客は、エレベータの扉を再開するための、通常のスイッチを押せない場合が多い。このような状況であっても、乗場側扉及びかご側の扉に設置した扉再開スイッチを押すことで、扉を再開することができるため、エレベータの安全性を向上することができる。
【0024】
上記の目的を達成するための本発明に係るエレベータ安全装置の制御方法は、乗場側扉とかご側扉に、それぞれ挟み込み検知センサを備えたエレベータ安全装置の制御方法であって、前記かご側扉に設置した1次コイルから、乗場側扉に設置した2次コイルに非接触で給電する非接触給電装置により給電を行う給電制御と、前記乗場側扉の前記挟み込み検知センサのオン及びオフにより前記1次コイルに発生する電圧変化を信号として検出する検出制御と、前記信号又は前記扉再開スイッチの信号により、前記乗場側扉及びかご側扉の再開制御を行うことを特徴とする。この構成により、前述したエレベータと同様の作用効果を得ることができる。
【0025】
また、1次コイル及び2次コイルを、同一面で偏平に渦巻状に巻回した構造であるフラットコイルタイプとすることで、既存の扉の狭いスペースに組み込むことができるため、従来のエレベータの扉に、容易に設置することができる。
【0026】
さらに、ラインセンサが、棒状で弾性体の本体の内部に空洞を形成し、本体の変形に伴い、空洞内部の圧力が変化して、この圧力変化により信号を出力する構成としてもよい。この構成により、本体の硬度を調整することで、センサの感度を変更することができ、信号を出力する際の圧力の閾値を調整することで、同様の作用効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明に係るエレベータ安全装置及びその制御方法によれば、かご側扉から乗場側扉へ非接触で給電を行う非接触給電装置を用いることで、乗場側の装置を簡易に構成して、防水性の高い安全装置として、雨や漏水による故障及び誤作動を防止でき、これにより、エレベータの安全性を向上することが可能となる。
【0028】
さらに、センサと給電コイルを設置する、又は扉を交換する等の簡単な作業で、既設のエレベータに、安全装置を適用することができ、エレベータの安全性を向上することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明に係る実施の形態のエレベータ安全装置の構成を示す図である。
【図2】本発明に係る実施の形態のエレベータ安全装置の構成を示す図である。
【図3】本発明に係る実施の形態のエレベータ安全装置の制御を示す図である。
【図4】エレベータ安全装置の回路の1例を示す回路図である。
【図5】従来のエレベータ戸の構成を示す図である。
【図6】従来のエレベータ戸の構成を示す図である。
【図7】非接触給電装置の1例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明に係る実施の形態のエレベータ安全装置及びその制御方法について、図面を参照しながら説明する。本発明に係る実施の形態のエレベータ安全装置1は、図1に示す様に、乗りかご2のかご側扉4と、乗場3の乗場側扉5に、それぞれ挟み込み検知センサ12を備えており、かご側扉4に設置した1次コイル10から、乗場側扉5に設置した2次コイル11に非接触で給電する非接触給電装置7を備えている。また、引き込み事故を防止するために、乗りかご2とかご側扉4の隙間、及び柱6と乗場側扉5の隙間である引き込み位置T2に、引き込み検知センサ13を設置している。
【0031】
また、乗りかご2の挟み込み検知センサ12と引き込み検知センサ13と、乗客が緊急時に押して扉を開くための扉再開スイッチ14は、昇降路に設置した制御装置(図示しない)に接続し、電源及び信号の授受を行う構成としている。
【0032】
2次コイル11は、乗場側の挟み込み検知センサ12と扉再開スイッチ14と、さらに引き込み検知センサ13と接続されており、電源及び信号の授受を1次コイル10と行う構成としている。なお、かご側扉4と乗場側扉5の間の距離は、便宜上、広げて示しており、また、一部を透視図として図示している。
【0033】
エレベータ安全装置1は、図2の平面図に示す様に、かご側扉4と乗場側扉5にそれぞれ設置された1次コイル10と2次コイル11は、ギャップd1を隔てた状態で、非接触給電を行える構成としている。
【0034】
なお、図1は片側に2枚の扉を収納し、スライドさせながら閉じるタイプであり、図2は両側に1枚ずつの扉を収納し、両側から中心に向かって閉じるタイプの扉を示している。
【0035】
図3に、本発明に係る実施の形態のエレベータ安全装置1の制御フローを示す。まず、乗りかご2が、行き先である階に到着すると、その階の乗場側扉5に備えた2次コイル11と、かご側扉4に備えた1次コイル10が相対する位置となり、1次コイル10から2次コイル11への給電が開始される。この給電開始を検知することで、乗りかご2が、その階に確実に存在していることを確認することができる。つまり、この給電が開始されない限り、乗場側扉5は開かないようにすることで、乗りかご2と乗場3の床の位置のずれで発生する事故を防止することができる。
【0036】
また、一旦、乗りかご2が正常に停止した後に、乗りかご2のずれ下がりが発生した場合、警告音等で注意を促す構成としてもよい。つまり、給電が途中で中断された場合も、事故の発生と認識し、警告を発する等の対応を取り、事故の拡大を防止することができる。
【0037】
かご側扉4が開くと同時に、連動して乗場側扉5が開き、乗客の乗り降りが終了した後、扉の閉止作業が開始される。この時、乗場側扉5の挟み込み検知センサ12又は引き込み検知センサ13に異常が検知されると、センサ本体の変形に伴い、オフがオンとなり、この抵抗の変化が2次コイル11の電圧を変化させ、これを1次コイル10の電圧変化として検出して、乗りかご2の制御装置に信号として送られる。この信号を受けて制御装置は、挟み込み、又は引き込みの発生を検知し、扉を再開する制御を行う。
【0038】
かご側扉4のセンサに異常が検知された場合は、この異常は、直接、制御装置に信号として送られ、制御装置により扉を再開する制御となっている。
【0039】
そして、センサ12、13に異常が検出されず、無事に扉の閉止作業が完了したことを制御装置で確認すると、乗りかご移動制御に移る。また、閉止作業中に、扉再開スイッチ14が押された場合は、扉は再開され、予め定められた時間の後に、扉の閉止作業を再開する。なお、扉の閉止作業の完了の確認は、従来のエレベータにおける方法で行ってもよいし、挟み込み検知センサ12又は引き込み検知センサ13を利用してもよく、扉が完全に閉まっていることを検知し、制御装置にこの信号を送る構成であればよい。
【0040】
図4に、本発明に係る実施の形態のエレベータ安全装置1の回路の1例を示す。図4左方は乗りかご側の回路2であって、電源21から配線15を介して、1次コイル10に給電し、乗場側の回路3(図4右方)である2次コイル11へ給電するように構成している。
【0041】
乗場側の回路3(図4右方)は、挟み込み検知センサ12及び引き込み検知センサ13と接続されており、乗客が挟まれる等によりセンサのスイッチが入ると、2次コイル11の電圧が変化し、この電圧の変化により1次コイル10の電圧が変化し、整流回路22を経て、信号レベル判定回路23で判定する。信号レベル判定回路23では、予め定められた電圧となった信号を検出すると、出力信号27として、エレベータの制御装置(図示しない)に出力する。
【0042】
出力信号27には、断線検出作動24の信号、挟み込み検知作動25の信号、引き込み検知作動26の信号があり、さらに、扉再開スイッチ14を設置している場合には、この信号も加えられる。ここで、1次及び2次コイル10、11の結合(電圧レベル)を大きくするため、共振コンデンサ28を設置しており、また、エレベータ安全装置1の乗場側
の回路に断線が発生した場合に、この断線を検出する終端抵抗30を設置している。この回路に断線が発生した場合には、断線検出作動24により信号が制御装置に出力され、この制御装置はエレベータを停止したり、修理作業を要請する信号を外部に送信したりして、事故を回避するための制御を行う。
【0043】
図7に、非接触給電装置7の1次コイル10及び2次コイル11の1例の概略図を示す。非接触給電装置7のコイルは、望ましくはフラットタイプを使用する。このフラットタイプのコイルは、同一面で偏平に渦巻きに巻回した構造の平面コイル31であり、コイルが配設される磁心コアは、平板状のフェライト板32により構成されている。このフラットタイプのコイルは、平板状の磁心コアであるフェライト板32と、偏平渦巻き状の平面コイル31を組み合わせて採用している。空心コイルでは給電時に、磁束が平行に、一様で、疎に分布して、磁束密度が低くなるため、磁束形成用の起磁力そして励磁電流が小さくてすみ、ジュール熱損失も低減される。
【0044】
偏平状のコイルを使用することで、かご側扉4と乗場側扉5の間の狭いギャップにも容易に取り付けられる。また、既設のエレベータを改造して、エレベータ安全装置1を適用する場合には、セーフティーシュー20の厚さ分のギャップが残るが、このギャップがあっても給電することが可能となる。
【0045】
本発明をエレベータに適用する場合には、いくつかの方法があるが、最も容易な方法として、かご側扉及び乗場側扉を交換する方法がある。それぞれの扉に予め挟み込み検知センサ12、非接触給電用コイル11を設置し、防水加工を施し、その扉を、従来の扉と交換するとよい。望ましくは、扉再開スイッチ14も予め扉に設置し、扉の交換作業と共に引き込み検知センサ13の設置及び配線を行う。これにより、さらに安全性の高いエレベータを提供することが可能となる。
【符号の説明】
【0046】
1 エレベータ安全装置
2 乗りかご
3 乗場
4 かご側扉
5 乗場側扉
6 柱
7 非接触給電装置
10 1次コイル
11 2次コイル
12 挟み込み検知センサ
13 引き込み検知センサ
14 扉再開スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗場側扉とかご側扉に、それぞれ挟み込み検知センサを備えたエレベータ安全装置であって、
前記かご側扉に設置した1次コイルから、乗場側扉に設置した2次コイルに非接触で給電する非接触給電装置を備え、前記非接触給電装置により前記乗場側扉の前記挟み込み検知センサに給電を行うことを特徴とするエレベータ安全装置。
【請求項2】
前記非接触給電装置は、電気の給電に加えて、前記乗場側扉の前記挟み込み検知センサのオン及びオフを検知可能な構成であり、前記挟み込み検知センサのオン又はオフにより前記2次コイルの電圧が変化し、前記2次コイルの電圧変化が前記1次コイルの電圧変化となり、前記1次コイルの電圧変化を信号として検出する構成としたことを特徴とする請求項1に記載のエレベータ安全装置。
【請求項3】
前記乗場側扉及び前記かご側扉が、柱に引き込まれる位置の柱側に、引き込み検知センサを備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載のエレベータ安全装置。
【請求項4】
前記挟み込み検知センサ又は引き込み検知センサは、弾性体からなるホース状又はチューブ状の本体が変形すると、この変形を信号として出力するラインセンサであって、前記本体の内部にテープ状の2つの電極を配置し、前記本体の変形に伴い、前記電極が近接して、この近接により信号を出力する構成としたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載のエレベータ安全装置。
【請求項5】
前記乗場側扉と前記かご側扉に、扉を再開するための扉再開スイッチを設置したことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載のエレベータ安全装置。
【請求項6】
乗場側扉とかご側扉に、それぞれ挟み込み検知センサを備えたエレベータ安全装置の制御方法であって、
前記かご側扉に設置した1次コイルから、乗場側扉に設置した2次コイルに非接触で給電する非接触給電装置により給電を行う給電制御と、前記乗場側扉の前記挟み込み検知センサのオン及びオフにより前記1次コイルに発生する電圧変化を信号として検出する検出制御と、前記信号又は前記扉再開スイッチの信号により、前記乗場側扉及びかご側扉の再開制御を行うことを特徴とするエレベータ安全装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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