説明

エンボステープ

【課題】出荷・搬送時におけるTABテープへの保護を十分に確保しながら、TABテープを所望する巻き取り量で梱包する。
【解決手段】配線パターンが繰り返し形成されたフィルム101上に固着された複数の半導体チップ103を有するTABテープ100と、フィルム201の片面側かつ長尺方向に連続的に形成されたエンボス部202を有する導電性のエンボステープ200とが導電性リールに巻き付けられた梱包構造において、TABテープ100およびエンボステープ200は、フィルム101の半導体チップ103の固着面とフィルム201のエンボス部202の突出面とが向かい合うように重ね合わせられながらリールに巻き付けられており、半導体チップ103の厚みがt(0.2≦t≦0.625)mmであり、かつフィルム201の厚みが略0.125mmであるときに、エンボステープ200の総厚は、(t+0.4)mm以上かつ1.1mm以下である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テープ上に実装された半導体装置を、エンボステープとともにリールに巻き取った状態で出荷・搬送するための半導体装置の梱包構造に用いるエンボステープに関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイなどのドライバICやドライバLSIには、TCP(Tape Carrier Package)やCOF(Chip on Film)などの実装形態がある。これらは、それぞれTAB(Tape Automated Bonding)テープと呼ばれる。TABテープに実装される半導体チップには、フィルム実装型のICやLSIが用いられている。
【0003】
このようなTABテープは、テープ状のフィルムに、半導体チップが実装され配線パターンが形成された回路が設けられているものであるので、全体的に薄く、ある程度自由に任意の位置で折り曲げることができる。それゆえ、TABテープは、液晶ディスプレイの小型化および薄型化に貢献しているが、その背景では、近年の液晶ディスプレイを搭載するテレビなどの価格競争に勝ち抜くために、生産性を向上することが求められている。そこで、その生産性向上につながるひとつの方法として、TABテープの長尺化が求められている。
【0004】
従来、半導体チップ実装後のTABテープは、作業性や保管・搬送のし易さなどを考慮して、リールに巻き取られた状態に梱包されて出荷・搬送されている。このとき、TABテープは、緩衝材としての突起部が形成されたテープ(所謂、スペーサテープやエンボステープと呼ばれる。)と同時に巻き取られている。これは、リールに巻き取った状態のTABテープの回路面を保護するとともに、半導体チップを機械的に外力から保護するためである。
【0005】
図23は、従来のスペーサテープ500を用いて、TABテープ550をリールに巻き取ったときの状態を示す断面図である。
【0006】
従来のスペーサテープ500には、テープ501の一方の面側に形成されたエンボス502と、テープ501のもう一方の面側に形成されたエンボス503とが、テープ501の両端であって等間隔に設けられている。また、エンボス502とエンボス503とは交互に配置されている。エンボス502およびエンボス503の山高さはほぼ等しく、TABテープ550の回路面を保護するために、この山高さが十分に確保されていた。
【0007】
ところが、1つのリールに巻き付け可能なTABテープ550の長さは、エンボス502およびエンボス503の山高さを含めたスペーサテープ500の総厚によって左右される。スペーサテープ500の総厚が大きくなると、同じ長さのTABテープ550をリールに巻き取る場合であっても、巻き外形が大きくなってしまう。このため、大きなリールに変更しなければならない。
【0008】
しかし、出荷・搬送用のリールはそのサイズがほぼ標準化されており、小型のリールでφ405mmのサイズを有し、その次に大きなリールのサイズはφ530mmとなっている。そのため、リールのサイズを1つ上げるだけや、単に、TABテープの長尺化を実施しても、リールの大型化を招いてしまい、φ405mmサイズのリールに比べて大型であるため構造的強度を高めた高価なφ530mmサイズのリールのための設備改造投資が大きくなる。さらには、大型リールは、必要な保管スペースの増大、床面積当たりの生産性
の低下を引き起こし、輸送費の増大も生じる。ゆえに、これらのために生産性向上にはつながらない。よって、従来のスペーサテープ500では、TABテープ550の長尺化は困難であった。
【0009】
これに対し、TABテープの長尺化を実施するスペーサテープが、例えば、特許文献1および特許文献2に記載されている。
【0010】
図24は、特許文献1に記載のスペーサテープ600を用いて、TABテープ550をリールに巻き取ったときの状態を示す断面図である。
【0011】
スペーサテープ600には、テープ601の一方の面側に形成された凸部602と、テープ601のもう一方の面側に形成された凸部603とが、テープ601の両端であって等間隔に交互に設けられている。また、凸部602と凸部603とは交互に配置されている。凸部603の山高さは、凸部602の山高さよりも低い。これにより、TABテープ550の両面へのダメージを防止するとともに、TABテープ550の巻き取り量を増やしている。
【0012】
図25は、特許文献2に記載のスペーサテープ700を用いて、TABテープ750をリールに巻き取ったときの状態を示す断面図である。
【0013】
スペーサテープ700には、突起部702が、テープ701の片側の面のみの両端に等間隔に設けられている。スペーサテープ700は、半導体チップを実装する前のTABテープ750の片面側のみを保護すればよい場合に有効に用いられるものであり、突起部702が片側の面のみに形成されているので、TABテープ750の巻き取り量が増加する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2004−327550号公報(平成16年11月18日公開)
【特許文献2】特開平6−80177号公報(1994年3月22日公開)
【特許文献3】特開2006−310476号公報(平成18年11月9日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、特許文献1に記載のスペーサテープ600、および特許文献2に記載のスペーサテープ700では、出荷・搬送時におけるTABテープへの保護を十分に確保しながら、近年要望されるTABテープの巻き取り量を実現することができないという問題点を有している。
【0016】
つまりは、近年、φ405mmサイズの小型リールで、TABテープを約80m巻き取ることが要望されている。従来では、φ405mmサイズの小型リールには約40mのTABテープを巻き取ることが一般的とされており、特許文献1に記載のスペーサテープ600でも約60mしか巻き取ることができない。
【0017】
また、特許文献2に記載のスペーサテープ700は、半導体チップを実装する前のTABテープ750に対して使用することを目的としているので、半導体チップを実装したTABテープを出荷・搬送する際の保護対策が十分になされていない。出荷・搬送中は振動が生じるので、半導体チップなどへのダメージを防止するためには、突起部702の高さを十分に確保しておかなければならない。突起部の高さが小さいものというだけであれば、例えば、特許文献3に、回路製造工程用の、突起部の高さが小さい半導体実装回路テー
プ用ラミネートスペーサテープが記載されている。このラミネートスペーサテープは、回路を形成する前の生テープの状態から使用することを目的としているので、突起部の高さを小さくすることが可能となっている。
【0018】
ところが、例えば、単にスペーサテープの突起部の高さを小さくしたり、回路製造工程用の突起部の高さが小さいラミネートスペーサテープを出荷・搬送用として利用する場合、TABテープとともに巻き取った状態において、スペーサテープのフィルム面がTABテープと接触することがある。スペーサテープには、接触で擦れて帯電することにより生じるデバイス破壊を防止するために、導電材を練り込んだり、または、コーティングさせて、導電性を付与している。導電性を好適に与えるものとしては、一般的にカーボンが使用されている。しかし、カーボン単体は金属並みの抵抗値を有するため、擦れて発塵した場合、リーク不良に至る可能性が非常に高い。
【0019】
それゆえ、出荷・搬送時の製品保護の目的からは、単に、突起部の高さを低くすることができない。よって、特許文献2に記載のスペーサテープ700および特許文献3に記載のラミネートスペーサテープであっても、出荷・搬送時におけるTABテープへの保護を十分に確保しながら、φ405mmサイズの小型リールに約80mのTABテープを巻き取ることはできなかった。
【0020】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、出荷・搬送時におけるTABテープへの保護を十分に確保しながら、TABテープを所望する巻き取り量で梱包することができるエンボステープを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明のエンボステープは、テープ状の1層の導電フィルムと、上記導電フィルムの片面側であって、かつ長尺方向に連続的にエンボス加工により形成された突起部とによって構成される導電性のエンボステープであって、上記エンボステープにおける、総厚は0.6mm以上かつ1.1mm以下であり、および表面抵抗値は10Ω以上かつ10Ω以下であることを特徴としている。
【0022】
上記の構成によれば、出荷・搬送用のエンボステープとしての機能、すなわち半導体装置に対する緩衝材の役割を十分に果たすことが可能となる。また、1層であるので熱変形させやすくエンボス加工が容易であり、突起部の高さの調整も容易である。よって、共にリールに巻かれる半導体装置への保護を十分に確保しながら、半導体装置を所望する巻き取り量で梱包させることが可能となる。
【0023】
また、本発明のエンボステープは、上記エンボステープの長尺方向における上記突起部の配置ピッチは、当該エンボステープにおける長さが20mmの範囲内で、当該突起部が1.5個以上かつ3個以下設けられるように設定されていることが好ましい。これにより、半導体装置に対する緩衝材の役割としての強度を適正化させることが可能となる。
【発明の効果】
【0024】
本発明のエンボステープは、テープ状の1層の導電フィルムと、上記導電フィルムの片面側であって、かつ長尺方向に連続的にエンボス加工により形成された突起部とによって構成される導電性のエンボステープであって、上記エンボステープにおける、総厚は0.6mm以上かつ1.1mm以下であり、および表面抵抗値は10Ω以上かつ10Ω以下である、という構成である。
【0025】
それゆえ、出荷・搬送用のエンボステープとしての機能、すなわち半導体装置に対する緩衝材の役割を十分に果たすことができるとともに、1層であるので好適に突起部の形状
を形成するために熱変形させやすく、共にリールに巻かれる半導体装置への保護を十分に確保しながら、半導体装置を所望する巻き取り量で梱包させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】TABテープの構成を示す、(a)は上面図であり、(b)は側面図である。
【図2】本発明の梱包構造にて用いるエンボステープの構成を示す、(a)は上面図であり、(b)は側面図である。
【図3】上記エンボステープの製造工程を示す模式図である。
【図4】上記エンボステープの他の構成を示す、(a)は上面図であり、(b)は側面図である。
【図5】上記エンボステープのさらに他の構成を示す、(a)は上面図であり、(b)は側面図である。
【図6】上記エンボステープのさらに他の構成を示す、(a)は上面図であり、(b)は側面図である。
【図7】上記エンボステープを、上記TABテープとともにリールに巻き取ったときの状態を示す断面図である。
【図8】上記エンボステープのさらに他の構成を示す、(a)は上面図であり、(b)は側面図である。
【図9】リールの構成を示す、(a)は正面図であり、(b)は側面図である。
【図10】内装ケースの構成を示す斜視図である。
【図11】TABテープとエンボステープとをリールに巻き取る様子を示す模式図である。
【図12】本発明の梱包構造を示す断面図である。
【図13】(a)〜(e)は、TABテープおよびエンボステープを巻き取ったリールを、内装ケースに収めるまでの工程を示す図である。
【図14】(a),(b)は、上記内装ケースを外装ケースに収めるまでの工程を示す図である。
【図15】リードテープを含めたTABテープの巻き取りを説明するための模式図である。
【図16】(a)は両山のエンボステープを示す断面図であり、(b)は片山のエンボステープを示す側面図である。
【図17】リールの巻き外形寸法がφ380mmの場合における、エンボステープの総厚に応じたTABテープの巻き取り量を示す表である。
【図18】リールの巻き外形寸法がφ385mmの場合における、エンボステープの総厚に応じたTABテープの巻き取り量を示す表である。
【図19】半導体チップとエンボステープとの間の隙間を示す断面図である。
【図20】TABテープの反りによって、半導体チップとエンボステープとが接触する場合を示す断面図である。
【図21】半導体チップの厚みとエンボステープの総厚との組合せにおける、半導体チップとエンボステープとの間の隙間の寸法を示す表である。
【図22】半導体チップとエンボステープとの間の隙間に応じた、エンボステープへのキズの有無を示すグラフである。
【図23】従来のスペーサテープを用いて、TABテープをリールに巻き取ったときの状態を示す断面図である。
【図24】従来の他のスペーサテープを用いて、TABテープをリールに巻き取ったときの状態を示す断面図である。
【図25】従来のさらに他のスペーサテープを用いて、TABテープをリールに巻き取ったときの状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の一実施形態について図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0028】
本発明は、従来巻き取り不可能であった長さのTABテープを、エンボステープとともにリールに巻き取り、出荷・搬送用のケースに梱包(包装)した状態にするための技術である。以下では、始めに、本発明の好ましい形態における個々の部材の構成について順に説明し、その次に、それら部材を用いた梱包方法および梱包構造について説明する。
(TABテープの構成)
図1は、TABテープ100の一構成例を示す、(a)は上面図であり、(b)は側面図である。
【0029】
TABテープ100は、長尺のテープ形状のフィルム101(絶縁フィルム)の一方の面側に、一般的な回路製造工程により形成されたインナーリード102aなどを含む配線パターン102と、インナーリード102aに電気的に接続するように固着された半導体チップ103とを1つのパッケージとした半導体装置が長尺方向に沿って連続的に(繰り返し)設けられた構成を有している。ここで、TABテープ100における、配線パターン102が形成され、かつ半導体チップ103が実装されている面を半導体表面Aと称し、その反対側の面を半導体裏面Bと称する。
【0030】
フィルム101は、ポリイミドなどの有機樹脂材料からなる絶縁性のものである。フィルム101の厚みは30μm〜40μmであり、幅は48mmである。また、フィルム101の幅方向の両端には、スプロケットホールと呼ばれる搬送用の連続穴が形成された搬送部が設けられており、TABテープ100の個々のドライバICは、金型で打ち抜かれてドライバICの部分だけが使用される。
【0031】
配線パターン102は、銅からなる導電性の薄膜形状のリードで形成されており、その表面にはスズめっき、Biめっき(0.1〜0.5μmt)が施されている。リードは、その端部に、インナーリード102a、アウターリード、およびテストパッドなどが形成されている。ユーザが接合部分として使用するアウターリードおよび半導体チップを実装するインナーリード102a以外の配線はソルダレジスト(SR)で被覆されている。
【0032】
半導体チップ103は、一方の面に、電気信号の入出口となる金からなる金属突起電極(バンプ)(図示せず)が複数形成されている。この金属突起電極とインナーリード102aとが、熱と圧力よって圧着され金とスズが共晶を作って接合が完了する。これにより、半導体チップ103は、フィルム101上に固着されている。金属突起電極の材料としては、金が好ましいが、ニッケル、およびアルミなどの電気抵抗が低い他の金属であってもよい。また、半導体チップ103の厚みは、8インチウエハで約725μmから、6インチウエハで約625μmからを裏面研磨して、200μm〜625μmとする。
【0033】
なお、図1に示したTABテープ100はCOFであるので、フィルム101における半導体チップ103の搭載部分の開口部、および折り曲げ用のスリットなどは設けていないが、TABテープ100はCOFに限らず、TAB技術を用いた構造であればよく、例えばTCPなどでもよい。
(エンボステープの構成)
図2は、エンボステープ200の一構成例を示す、(a)は上面図であり、(b)は側面図である。
【0034】
エンボステープ200は、長尺のテープ形状のフィルム201(導電フィルム)の一方の面側に、エンボス加工により形成されたエンボス部202(突起部)が設けられた構成
を有している。ここで、エンボステープ200における、エンボス部202が形成されている面(エンボス部202の山が突出している側の面)をエンボス表面Cと称し、その反対側の面をエンボス裏面Dと称する。
【0035】
フィルム201は、ポリエチレンテレフタレート(PET)の樹脂からなり表面に導電性の材料をコートしたテープである。フィルム201の材料としては、好ましくは安定して成型可能なPETであるが、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリスルフォン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、またはポリエーテルスルフィンなどの樹脂であってもよい。
【0036】
また、フィルム201は、導電性高分子材料が塗布されて、その導電性(表面抵抗値)が10Ω〜10Ωに設定されており、10Ω〜10Ωが好ましい。フィルム201の厚みは125μmであり、幅は設計に応じて種々の変更が可能であるが、TABテープ100の幅と略同じが好ましい。例えば、TABテープ100のフィルム101の幅が48mmの場合、フィルム201の幅は48±0.5mmが望ましい。エンボス部202が形成される前のフィルム201は、その両面がフラットな面となっており、エンボス部202が形成された後のフィルム201においても、エンボス部202以外はフラットな面が維持されている。
【0037】
エンボス部202は、TABテープ100の半導体表面Aにエンボステープ200のエンボス表面Cを向かい合わせて重ね合わせながら共にリールに巻いた状態における、TABテープ100の配線パターン102および半導体チップ103への干渉を防止するための、TABテープ100の半導体表面Aとエンボステープ200のエンボス表面Cとの間のスペースを形成する機能を有している。すなわち、TABテープ100に対する緩衝材としての役割を果たす。エンボス部202は、フィルム201の幅方向の両端に、長尺方向に沿って等間隔で連続的に配置されている。
【0038】
エンボス部202の配置位置は、少なくとも、上記のようなTABテープ100をエンボステープ200と共にリールに巻いた状態において、TABテープ100の搬送部に、エンボス部202の頂部があたるような位置にすればよく、設計に応じて決めることができる。例えば、エンボス部202の配置間隔として、エンボス部202の底面の径がφ5mmのとき、幅方向のエンボス部202の形成位置はテープの中心から44±0.2mmであり、長尺方向の配置ピッチは10.5±0.5mmである。また、例えば、フィルム201の幅が35mm、70mmの場合、幅方向の配置ピッチは31mm、63mmとなる。なお、エンボス部202の長尺方向の配置ピッチは、エンボステープ200における長さが20mmの範囲内で、エンボス部202が1.5個以上かつ3個以下設けられるように設定されることが好ましい。これにより、緩衝材の役割としてのエンボス部202の強度を適正に規定することが可能となる。
【0039】
また、エンボス部202の形状は、半円球状(ドーム型)となっており、エンボス表面Cから頂部までの山高さhaは、一緒に巻き取るTABテープ100に実装された半導体チップ103の厚みに対して設定されたエンボステープ200の総厚h(=フィルム201の厚み+エンボス部202の山高さha)から算出される。例えば、半導体チップ103の厚みtが「200μm≦t≦625μm」の場合、エンボステープ200の総厚hは、「(t+0.4)mm以上かつ1.1mm以下」と規定されている。フィルム201の厚みは125μmであるので、エンボス表面Cから頂部までの山高さhaは、「(t+0.275)mm≦ha≦0.975mm」となる。
【0040】
エンボス部202は、例えば、図3に示すようなエンボス成型装置のギア290を回転させながらフィルム201を送ることによる、歯291の熱成型によって形成される。よ
って、歯291の先端の形状に応じてエンボス部202の形状を変更することが可能であり、歯291の先端が最も下に位置するときの位置に応じてエンボス部202の山高さhaを変更することが可能である。また、エンボステープ200のヤング率は、400〜700N/mmとなることが望ましい。
【0041】
このように、エンボステープ200は、1層のフィルム201の一方の面にエンボス加工により形成されたエンボス部202を有する長尺のテープであって、複数のエンボス部202が、フィルム201の幅方向の両端に、長尺方向に沿って等間隔で連続的に2列で配置されている構成を有している。
【0042】
なお、エンボステープ200は、図2に示した構成に限るわけではなく、上記機能を果たす範囲内であれば、エンボス部202の配置および形状は変更可能である。以下に、エンボステープ200の他の構成例をいくつか挙げる。
【0043】
図4(a)および(b)に示すエンボステープ210は、フィルム201の一方の面側に、ドーム型のエンボス部211と、円筒型のエンボス部212とが設けられた構成を有している。エンボス部211およびエンボス部212は、フィルム201の幅方向の両端に、長尺方向に沿って等間隔で交互に配置されている。これにより、エンボステープ210の波打ちを防止することが可能となる。
【0044】
図5(a)および(b)に示すエンボステープ220は、フィルム201の一方の面側に、円錐型のエンボス部221と、ドーム型のエンボス部222とが設けられた構成を有している。エンボス部221およびエンボス部222は、フィルム201の幅方向の両端に、長尺方向に沿って等間隔で、エンボス部221が一定間隔lを空けるように配置されている。すなわち、エンボス部221、エンボス部222、エンボス部222、エンボス部222、エンボス部221…という配置パターンに沿って配置されている。これにより、エンボス部221間を確認すればその間隔を知ることが可能となるので、エンボステープ220の長さの管理を行うことが可能となる。
【0045】
図6(a)および(b)に示すエンボステープ230は、フィルム201の一方の面側に、ドーム型のエンボス部231と、鍋型のエンボス部232とが設けられた構成を有している。エンボス部231およびエンボス部232は、フィルム201の幅方向の両端に、エンボス部232の配置幅が狭くなるように、長尺方向に沿って等間隔で交互に配置されている。また、エンボス部232の山高さは、エンボス部231の山高さよりも小さくなっている。
【0046】
これは、図20に示すように、エンボス部202の間隔が大きいと、TABテープ100と巻き取った状態のときに半導体チップ103付近を中心にしてフィルム101が変形する場合があるが、図7に示すように、エンボステープ230であれば、エンボス部232をSRに接触させることにより、フィルム101の変形を防止することが可能となる。なお、エンボス部232の山高さは、フィルム製品の総厚(PI基材+配線厚+SR厚)の厚みに応じて決定すればよいが、エンボス部231の山高さよりも約100μm低くすることが好ましい。
【0047】
図8(a)および(b)に示すエンボステープ240は、フィルム201の一方の面側に、ドーム(円錐)型のエンボス部241が、フィルム201の幅方向の両端に、長尺方向に沿って等間隔で連続的に配置された構成を有している。そして、エンボス部241間に、エンボステープ240の材質名(一例としてPET)が記された材質表示部242が形成されている。材質表示部242は、エンボス部241が形成されている側に凸となるように、従来ある一般的な方法で成型すればよく、その高さおよび位置も他の部材に干渉
しないようにすれば特に限定されない。これにより、エンボス加工時や廃棄時に、目視だけで材質を認識することが可能となる。
(梱包用の部材)
TABテープ100が出荷・搬送用の梱包形態となるために、いくつかの部材(副資材)が用いられる。ここでは、代表的なものについて説明する。
【0048】
まず、TABテープ100を巻き取るリールがある。図9(a)および(b)に、リール310の外形形状を示す。リール310は、PS(ポリスチレン)やABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)の樹脂により成型されており、帯電防止のため導電性が付与されている。リール310は、テープを巻き付ける中芯部311を有しており、最外形Xrがφ405mmサイズ、φ530mmサイズなどが一般的に流通している。例えば、最外形Xrがφ405mmサイズのリール310は、中芯部311の外形Yrがφ125mmであり、中芯部311の幅Zrが49mmである。リールの詳細な形状は、本発明において重要な点ではないので省略するが、本発明で用いるリールとしては、このような従来あるリールを使用すればよい。一から製作するよりも、コストを低く抑えることができる。
【0049】
また、リール310には、巻き取っているものに関する情報、例えば、TABテープ100に設けられている半導体装置の機種名、数量、および出荷日付などを明記した、出荷ラベル315が見え易い箇所に貼られる。
【0050】
次いで、TABテープ100およびエンボステープ200を巻き取った状態のリール310を入れる帯電防止袋がある。図13(b)および(c)に、帯電防止袋320の外形形状を示す。帯電防止袋320は、アルミラミネートからなる袋であり、リール310の外形サイズに対応したサイズのものを用いる。なお、必要に応じて、帯電防止袋320の替わりに、アルミラミネートからなる防湿用の袋を用いることもできる。アルミラミネートからなる袋は、帯電防止と防湿とを両立でき、好ましい。
【0051】
次いで、リール310を封入した帯電防止袋320を収納する内装ケースがある。図10に、内装ケース330の外形形状を示す。内装ケース330(第1の箱)は、ダンボール箱であり、リール310の外形サイズに対応したサイズのものを用いる。例えば、最外形がφ405mmサイズのリール310を収納する場合、縦幅Lnが420mm、横幅Wnが420mm、高さHnが65mmのサイズの内装ケース330を用いる。また、内装ケース330には、内装しているものに関する情報を明示するために、出荷ラベル335が見え易い箇所に貼られる。
【0052】
次いで、内装ケース330を出荷・搬送用に収納する外装ケースがある。図14(b)に、外装ケース340の外形形状を示す。外装ケース340(第2の箱)は、ダンボール箱であり、内装ケース330の外形サイズに対応したサイズのものであって、内装ケース330を複数収納可能なサイズを有している。従来使用されている外装ケース340は、35mm幅のリールの場合は5個、48mm幅のリールの場合は4個、70mm幅のリールの場合は3個入るようになっている。これにより、出荷・搬送の効率化を実現し、生産性を向上している。
【0053】
なお、帯電防止袋320、内装ケース330、および外装ケース340などの副資材は、流通しているリール310の外形サイズに対応するものがあるので、それを使用すればよい。一から製作するよりも、コストを低く抑えることができる。
(TABテープの梱包方法および梱包構造)
次に、図1に示したTABテープ100を、図2に示したエンボステープ200とともに図9に示したリール310に巻き付けて、出荷・搬送用の梱包形態にするまでの処理フ
ローについて説明する。
【0054】
なお、以下に説明する処理フローでは、TABテープ100は、フィルム101の厚みが38+8μm(46μm)および幅が48mmであり、半導体チップ103の厚みが625μmであるとする。エンボステープ200は、フィルム201の厚みが125μmおよび幅が48mmであり、エンボス部202の山高さが975μmであるとする。すなわち、エンボステープ200の総厚は1.1mmである。リール310はφ405mmのサイズのものを使用し、帯電防止袋320および内装ケース330は、リール310のサイズにあったものを使用する。また、外装ケース340は、上記使用する内装ケース330(高さH:65mm)を4つ入れることができるサイズのものを使用する。
【0055】
図11は、リール310に、TABテープ100およびエンボステープ200を巻き取る状態を示す図である。
【0056】
まず、リール310の中芯部311に、重ね合わせたTABテープ100およびエンボステープ200を引っ掛けた後、リール310の方を回転させる。そして、図11に示すように、TABテープ100とエンボステープ200とを、リール310に重ね合わせながら巻き取っていく。このとき、TABテープ100の半導体表面Aと、エンボステープ200のエンボス表面Cとを向かい合わせて重ねる。
【0057】
また、この巻き取っていく際、各テープの長尺方向にテンション(巻き圧力)を与えて(長尺方向に引っ張りながら)、TABテープ100の半導体裏面Bとエンボステープ200のエンボス裏面Dとをできる限り、好ましくは80%以上面接触させながら巻き付けていく。テンションとして、好ましくは10gf〜300gfであり、より好ましくは50gf〜200gfである。なお、テンションが10gf以下の場合は、輸送中の振動により各テープの巻きずれが発生して、各テープがよじれ曲がってしまうため好ましくない。このため、ユーザ使用時、液晶パネルに実装するための装置に取り付けて取り出そうとした際、取り出すことができなかった。また、テンションが200gf以上の場合は、半導体チップを実装したTABテープが、エンボス部の形状に変形する不具合が発生するため好ましくない。
【0058】
図12に、各テープを巻き取った状態の断面図を示す。エンボス部202の作用により、TABテープ100の半導体表面Aと、エンボステープ200のエンボス表面Cとの間に、空間が形成されている。これにより、半導体チップ103がエンボステープ200に接触して擦れることを防止している。
【0059】
なお、φ405mmサイズのリール310を使用する場合、後の工程の作業性を考慮し、製品の巻き外周は最大φ380mmが適している。これにより、巻き外周がφ380mmとなるまで、TABテープ100およびエンボステープ200を巻き取る。この結果、φ405mmサイズのリール310に、TABテープ100を82m巻くことができる。
【0060】
そして、TABテープ100およびエンボステープ200を巻き取ったリール310に、図13(a)に示すように、出荷ラベル315を貼る。
【0061】
次いで、図13(a)〜(b)に示すように、各テープを巻き取ったリール310を、帯電防止袋320に入れる。そして、リール310を帯電防止袋320に入れた後、袋の内部を真空状態にしてから、窒素を封入する。そして、袋の入り口を熱圧着して、図13(c)に示すように、リール310を密閉する。その後、リール310を密閉した帯電防止袋320に、図13(c)に示すように、出荷ラベル325を貼る。
【0062】
次いで、図13(c)〜(d)に示すように、リール310を密閉した帯電防止袋320を、内装ケース330に入れる。そして、図13(e)に示すように、内装ケース330の蓋を閉めた後、出荷ラベル335を、内装ケース330に貼る。なお、内装ケース330は続く処理にて、外装ケース340に入れられるので、外装ケース340に入れたときに見え易い位置に出荷ラベル335を貼ることが望ましい。
【0063】
次いで、図14(a)〜(b)に示すように、4つの内装ケース330を、外装ケース340に入れる。そして、図14(b)に示すように、ガムテープなどで外装ケース340を封止した後、内装しているものに関する情報を明記した出荷ラベル345を、外装ケース340に貼る。
【0064】
以上のように、TABテープ100は梱包され、図14(b)に示した状態で、出荷・搬送される。
【0065】
従来では、φ405mmサイズの小型リールには約40mのTABテープを巻き取ることが一般的とされており、出荷・搬送時におけるTABテープへの保護を十分に確保しながら、φ405mmサイズの小型リールに約80mのTABテープを巻き取ることはできなかった。
【0066】
これに対し、本実施形態の梱包構造では、φ405mmサイズのリール310に、TABテープ100を82m巻き取ることができる。つまりは、本実施形態の梱包構造では、エンボステープ200の総厚が、出荷・搬送時におけるTABテープ100への保護を十分に確保するように、半導体チップ103の厚みおよびフィルム201の厚みに応じて規定されている。すなわち、半導体チップ103の厚みtが「200μm≦t≦625μm」であり、かつフィルム201の厚みが0.125mmである場合、エンボステープの総厚は、「(t+0.4)mm以上かつ1.1mm以下」と設定されている。しかも、本願発明者らは、実験の結果、片側のみにエンボス部202が設けられたエンボステープ200であっても、出荷・搬送時の梱包構造に問題がないことを確認した。
【0067】
また、φ405mmサイズのリール310に限らず、他のサイズのリール310であっても、TABテープ100を従来よりも長く巻き付けることが可能なことは言うまでもない。本実施形態の梱包構造では、φ405mmサイズのリールで、TABテープ100を約2倍長尺化することが可能となっているので、例えば、φ350mm〜420mmサイズのリール310で、50m〜100mのTABテープ100を巻き取ることが可能となったり、従来ではφ530mmサイズのリールで最大80m程度のTABテープを巻き取り可能であったのが、本実施形態の梱包構造では最大160m程度のTABテープ100を巻き取ることが可能である。
【0068】
また、従来では、リールが大型化すると生産性が向上しないという問題があったが、本実施形態の梱包構造では、TABテープ100の約2倍の長尺化を実現しても、リール310を大型化する必要がない。それゆえ、長尺化実施前と同一のリールを使用するので、リール310、帯電防止袋320、内装ケース330、および外装ケース340などの副資材は、長尺化実施前の現行品を使用することが可能となる。よって、副資材を新規に作製する必要はないので、コストの増加を抑えることが可能になる。
【0069】
さらに、従来では必要であった外装ケースの保管場所が、本実施形態の梱包構造では半分で済む。言い換えると、従来外装ケースを保管していた保管場所に、約2倍のTABテープ100を保管することが可能となる。それゆえ、床面積当たりの生産性を向上することが可能となる。また、出荷時の重量も17kgから13kgへと、1出荷当り4kg軽減することができ、荷出し作業の軽減も併せて奏する。さらには、出荷輸送コストを削減
することも可能となる。
【0070】
また、TABテープ100およびエンボステープ200を巻き取る際、各テープの長尺方向にテンションを与えて、TABテープ100の半導体裏面Bとエンボステープ200のエンボス裏面Dとをできる限り密着させている。これにより、各テープを巻き取ったリール310は、TABテープ100とエンボステープ200との間の擦れが抑制され、発塵しにくい形態となっている。例え発塵してTABテープ100にゴミが付着したとしても、エンボステープ200に、除電効果がある抵抗値の高い特定の材料を使用しているので、リーク不良にはならない。
【0071】
また、本実施形態の梱包構造では、TABテープ100の半導体裏面Bと、エンボステープ200のエンボス裏面Dとの間の摩擦係数(ASTMD1894に準拠)は、0.3〜0.5の範囲になるように設定されるとともに、TABテープ100の半導体表面Aと、エンボステープ200のエンボス部202の表面との間の摩擦係数(ASTMD1894に準拠)は、0.3以下になるように設定されることが好ましい。これにより、TABテープ100の半導体裏面Bと、エンボステープ200のエンボス裏面Dとの間において、輸送時の振動で各テープの巻きずれが発生することを抑制すると共に、TABテープ100の半導体表面Aと、エンボステープ200のエンボス部202の表面との間は滑りやすくなっているので、リール310に巻き取った状態において各テープが波打つことを防止することが可能となる。
【0072】
なお、上記摩擦係数は、静摩擦係数のことである。ASTMD1894に準拠した摩擦係数測定方法により、ポリエチレンテレフタレートからなる片山のエンボステープ200のエンボス裏面Dと、TABテープ100のポリイミドからなる半導体裏面Bとの間の静摩擦係数を測定すると、0.3〜0.5であった。また、エンボステープ200のエンボス部202の表面と、TABテープ100の半導体表面Aとの間の静摩擦係数を測定すると、0.2〜0.001であった。さらに比較のため、エンボス部が両側の面に設けられた両山のエンボステープの場合においても、TABテープ100との間の静摩擦係数を測定すると、両側の面ともに0.2〜0.001であった。
【0073】
両山のエンボステープでは、両側の面ともに摩擦係数が小さいため、輸送時の振動で各テープの巻きずれが発生しやすかった。一方、片山のエンボステープ200は、片側の面の摩擦係数が高いので、ずれに対して強いという特性がある。また、片山のエンボステープ200は、導電性部分がTABテープ100のポリイミド面と接触しているので、帯電性が少ないという利点もある。
【0074】
なお、40mのTABテープ100における半導体チップ103の配列ピッチが19mm(4ピッチ、1ピッチは4.75mm)のとき、概算で、φ405サイズの1つのリール310に、半導体チップ103は、max2100個含まれている。また、テープの歩留まりが90%の場合では1900個あまりが含まれる。
【0075】
これにより、TABテープ100およびエンボステープ200を巻きつけたリール310、帯電防止袋320、および内装ケース330を複数収めた外装ケース340の重さは、1.7kg〜2.5kgとなっている。
【実施例】
【0076】
(実施例1)
図2に示したエンボステープ200(フィルム201の厚み:0.125mm)の総厚に応じて、図1に示したTABテープ100(フィルム101の厚み:0.04mm、半導体チップ103の厚み:0.625mm)を、φ405mmサイズのリール310にど
れくらいの長さを巻き取ることができるのかを検証した。
【0077】
なお、TABテープ100には、製造工程での作業性を良くするために、実際には、その前後にリードテープが設けられている。図15に、リードテープを設けたTABテープ100を示す。TABテープ100の前に接続されたリードテープは、例えば、リール310の中芯部311に形成されたスリットに通して、巻き始めの固定として利用される。TABテープ100の後に接続されたリードテープは、例えば、テープ巻き出し部やテープ処理部まで残すことにより、TABテープ100を巻き取った状態を安定させるために利用される。
【0078】
なお、このリードテープは、業界標準の長さが、片側3mずつの6mとなっている。よって、本実施例では、リードテープの長さが6mのものを用いて検証するとともに、種々の設計に応じてその前後の長さのリードテープが用いられることもあるため、リードテープの長さが8m、4mのものを用いてさらに検証した。
【0079】
また、φ405mmサイズのリール310を使用する場合、工程の作業性を考慮し、製品の巻き外周Sは、最大φ380mmが適している。これにより、図15に示すように、リードテープを設けたTABテープ100とエンボステープ200とを重ね合わせて、巻き外周Sをφ380mmとした場合のTABテープ100の巻き取り長さを計測した。このとき、TABテープ100を安定してリール310に巻くために、巻きテンションは50gf〜200gfの範囲で実施した。
【0080】
結果データを図17に示す。
【0081】
両山は、図16(a)に示すような、両面側にエンボス部202aとエンボス部202bとが設けられたエンボステープ200A(フィルム201aの厚み:0.125mm、総厚h:2.275mm)を、TABテープ100とともにリール310に巻いたときの結果を示す。エンボステープ200Aでは、リードテープの長さが8m、6m、4mのとき、TABテープ100を36m、38m、40m巻くことができた。この結果は従来の巻き取り量を再現している。
【0082】
片山は、図16(b)に示すような、エンボス部202が設けられたエンボステープ200を、TABテープ100とともにリール310に巻いたときの結果を示す。総厚hが1.2mmでは、リードテープの長さが8m、6m、4mのとき、TABテープ100を73m、75m、77m巻くことができた。総厚が1.1mmでは、リードテープの長さが8m、6m、4mのとき、TABテープ100を80m、82m、84m巻くことができた。よって、これらの結果データにより、エンボステープ200の総厚hが、1.1m以下の場合において、TABテープ100を80m以上巻くことができることがわかった。
【0083】
また、図17に示す結果データを測定した条件において、限界値を検証するため、さらに、リール310の巻き外周Sをφ380mmからφ385mmに変更したときについても検証した。
【0084】
結果データを図18に示す。エンボステープ200Aでは、リードテープの長さが8m、6m、4mのとき、TABテープ100を37m、39m、41m巻くことができた。
【0085】
これに対し、総厚が1.2mmのエンボステープ200では、リードテープの長さが8m、6m、4mのとき、TABテープ100を75m、77m、79m巻くことができた。総厚が1.1mmのエンボステープ200では、リードテープの長さが8m、6m、4
mのとき、TABテープ100を82m、84m、86m巻くことができた。よって、これらの結果データにより、エンボステープ200の総厚hが、1.1m以下の場合において、TABテープ100を80m以上巻くことができることがわかった。
(実施例2)
TABテープ100とエンボステープ200とを重ね合わせて巻き付けた場合、図19に示すように、半導体チップ103とエンボステープ200との間に隙間gを形成させている。しかし、TABテープ100やエンボステープ200の反りによって、図20に示すように、半導体チップ103とエンボステープ200とが接触し、エンボステープ200に擦れ傷が転写する場合がある。
【0086】
そこで、半導体チップ103とエンボステープ200との間の隙間に応じた、擦れ傷の有無について検証した。図21は、エンボステープ200の総厚および実質山高さと、半導体チップ103の厚みとの組合せに応じた隙間の寸法を示している。半導体チップ103の厚みは、0.4mm、0.625mm、0.725mmのものを用いた。エンボステープ200の総厚は、0.8mmから0.1mm毎に1.2mmまでのものを用いた。また、半導体チップ103のバンプの高さと配線パターン102の厚み(8μm)との総厚20μmを加味した。
【0087】
図21に示すように、例えば、半導体チップ103の厚みが0.4mmでエンボステープ200の実質山高さが0.675mm(総厚0.8mm)のときでは、半導体チップ103とエンボステープ200との隙間gは、0.263mmとなる。
【0088】
そして、図21に示した各組合せのサンプルを作製し、実際に、エンボステープ200に擦れ傷が生じているか否かを確認した。この結果を図22に示す。図22に示すように、半導体チップ103の厚みが0.4mmの場合、エンボステープ200の実質山高さが0.675mm(総厚0.8mm)のものであっても擦れ傷は無かった。
【0089】
また、半導体チップ103の厚みが0.625mmの場合、エンボステープ200の実質山高さが0.875mm(総厚1.0mm)のものでは擦れ傷は無かったが、エンボステープ200の実質山高さが0.775mm(総厚0.9mm)のものでは擦れ傷が有った。また、半導体チップ103の厚みが0.725mmの場合、エンボステープ200の実質山高さが0.875mm(総厚1.0mm)のものでは擦れ傷は無かったが、エンボステープ200の実質山高さが0.775mm(総厚0.9mm)のものでは擦れ傷が有った。
【0090】
これらの結果により、図22のグラフに示すように、製品として問題なく使用可能な領域、製品として使用するには注意が必要な危険領域、製品としては使用不可能な領域がわかった。
【0091】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0092】
本発明の半導体装置の梱包構造は、上記課題を解決するために、配線パターンが繰り返し形成されたテープ状の絶縁フィルム上に、上記各配線パターンと電気的に接続するように固着された複数の半導体チップを有する半導体装置と、テープ状の導電フィルムの片面側であって、かつ長尺方向に連続的に形成された突起部を有する導電性のエンボステープと、が導電性のリールに巻き付けられた半導体装置の梱包構造において、上記半導体装置および上記エンボステープは、上記絶縁フィルムの上記半導体チップが固着されている側の面と上記導電フィルムの上記突起部が突出している側の面とが向かい合うように重ね合
わせられながら上記リールに巻き付けられており、上記半導体チップの厚みがt(0.2≦t≦0.625)mmであり、かつ上記導電フィルムの厚みが略0.125mmであるときに、上記エンボステープの総厚は、(t+0.4)mm以上かつ1.1mm以下である構成であってもよい。
【0093】
上記の構成によれば、エンボステープの総厚は、半導体チップの厚みおよび導電フィルムの厚みに応じて規定されていることにより、出荷・搬送時における半導体装置への保護が十分に確保されている。また、例えば、従来では、φ405mmサイズの小型リールには約40mの半導体装置を巻き取ることが一般的とされており、近年所望される約80mの半導体装置を巻き取ることはできなかったが、上記の構成によれば、φ405mmサイズのリールに、半導体装置を約80m巻き取ることができる。よって、出荷・搬送時における半導体装置への保護を十分に確保しながら、半導体装置を所望する巻き取り量で梱包することが可能となる。
【0094】
また、本発明の半導体装置の梱包構造は、上記絶縁フィルムの上記半導体チップが固着されている側の面と反対側の面と、上記導電フィルムの上記突起部が突出している側の面と反対側の面とは、80パーセント以上の面積が密着していることが好ましい。これにより、上記2つの面の間の突起部の山による局部的な擦れが抑制され、発塵しにくい形態とすることが可能であり、さらには導電性のエンボステープが半導体チップが固着されている側の面と反対側の面と80%以上が接触することで、輸送時に生じる振動などで発生する半導体チップが固着した絶縁フィルムの帯電量も減少し、半導体チップへの静電気によるダメージも減少することが可能となる。
【0095】
また、例え発塵して半導体装置にゴミが付着したとしても、エンボステープに、高い導電性を付与することにより、リーク不良にはならない。これを実現するものとして、本発明の半導体装置の梱包構造は、上記エンボステープの表面抵抗値は、10Ω以上かつ10Ω以下であることが望ましく、特に、上記エンボステープは、固有抵抗値10Ω〜10Ωで安定した高分子材料(例えば、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニソン)でコーティングされ、発塵したとしても、初期の抵抗値を有していることが望ましい。高い導電性(10Ω未満)のエンボステープは、帯電したらすぐに電荷が移動するので、大きな電流が半導体チップに流れ、半導体チップを静電気で破壊してしまうことがある。また、1012Ωを超える絶縁性のエンボステープの場合は、いつまでもテープに電荷が溜まっているので、そのテープに半導体チップが接触すると、帯電による静電破壊が半導体チップに起こる。
【0096】
また、本発明の半導体装置の梱包構造は、上記エンボステープは、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリスルフォン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、またはポリエーテルスルフィンの樹脂からなることが望ましい。これにより、エンボステープを安定して成型することが可能となる。
【0097】
また、本発明の半導体装置の梱包構造は、上記絶縁フィルムの上記半導体チップが固着されている側の面と反対側の面と、上記導電フィルムの上記突起部が突出している側の面と反対側の面との間は、摩擦係数が0.3以上かつ0.5以下に設定されており、上記絶縁フィルムの上記半導体チップが固着されている側の面と、上記突起部の表面との間は、摩擦係数が0.3以下に設定されていることが好ましい。
【0098】
上記の構成によれば、絶縁フィルムの半導体チップが固着されている側の面と反対側の面と、導電フィルムの突起部が突出している側の面と反対側の面との間において、輸送時の振動で各テープの巻きずれが発生することを抑制すると共に、絶縁フィルムの半導体チ
ップが固着されている側の面と、突起部の表面との間は滑りやすくなっているので、リールに巻き取った状態において各テープが波打つことを防止することが可能となる。
【0099】
また、本発明の半導体装置の梱包構造は、上記突起部は、上記エンボステープの長尺方向における長さが20mmの範囲内で、1.5個以上かつ3個以下設けられていることが好ましい。これにより、半導体装置に対する緩衝材の役割としての強度を適正化することが可能となる。
【0100】
また、本発明の半導体装置の梱包構造は、上記半導体装置および上記エンボステープが巻き付けられた上記リールが入れられる帯電防止用または防湿用の袋と、上記リールが入れられた袋が収められる第1の箱と、上記第1の箱が複数収められる、上記第1の箱よりも大きいサイズの第2の箱とを備えていることが好ましい。上記帯電防止用または防湿用の袋としては、例えばアルミラミネート袋がある。アルミラミネート袋は、帯電防止と防湿とを両立でき、好ましい。
【0101】
上記の構成によれば、出荷・搬送用として好適な形態に梱包することが可能となる。また、半導体装置およびエンボステープが巻き付けられたリールでは、半導体装置が長尺化、例えば、φ405mmサイズのリールで従来の約40mから約80m巻かれている。それゆえ、第2の箱に梱包した状態では、従来と比較して約2倍の半導体装置が梱包されているので、従来第2の箱を保管していた保管場所に、約2倍の半導体装置を保管することが可能となる。よって、床面積当たりの生産性を向上することが可能となる。また、出荷時の重量も17kgから13kgへと、1出荷当り4kg軽減することができ、荷出し作業の軽減も併せて奏する。さらには、出荷輸送コストを削減することも可能となる。
【0102】
また、本発明の半導体装置の梱包方法は、配線パターンが繰り返し形成されたテープ状の絶縁フィルム上に、上記各配線パターンと電気的に接続するように固着された複数の半導体チップを有する半導体装置と、テープ状の導電フィルムの片面側であって、かつ長尺方向に連続的に形成された突起部を有する導電性のエンボステープと、を導電性のリールに巻き付ける半導体装置の梱包方法において、上記半導体装置および上記エンボステープを、上記絶縁フィルムの上記半導体チップが固着されている側の面と上記導電フィルムの上記突起部が突出している側の面とが向かい合うように重ね合わせながら上記リールに巻き付ける第1のステップを含み、上記エンボステープとして、上記半導体チップの厚みがt(0.2≦t≦0.625)mmであり、かつ上記導電フィルムの厚みが略0.125mmであるときに、上記エンボステープの総厚が、(t+0.4)mm以上かつ1.1mm以下であるものを用いる方法であってもよい。
【0103】
上記の構成によれば、半導体チップの厚みおよび導電フィルムの厚みに応じて規定されている総厚を有するエンボステープを用いることにより、出荷・搬送時における半導体装置への保護が十分に確保されている。また、例えば、従来では、φ405mmサイズの小型リールには約40mの半導体装置を巻き取ることが一般的とされており、近年所望される約80mの半導体装置を巻き取ることはできなかったが、上記構成によれば、φ405mmサイズのリールに、半導体装置を約80m巻き取ることができる。よって、出荷・搬送時における半導体装置への保護を十分に確保しながら、半導体装置を所望する巻き取り量で梱包することが可能となる。
【0104】
また、本発明の半導体装置の梱包方法は、上記半導体装置および上記エンボステープを上記リールに巻き付ける際、10gf以上かつ200gf以下のテンションをかけて、上記絶縁フィルムの上記半導体チップが固着されている側の面と反対側の面と、上記導電フィルムの上記突起部が突出している側の面と反対側の面とを、80パーセント以上の面積が密着するように巻き付けることが好ましい。これにより、上記2つの面の間の突起部の
山による局部的な擦れを抑制し、発塵しにくい形態とすることが可能であり、さらには導電性のエンボステープが半導体チップが固着されている側の面と反対側の面と80%以上が接触することで、輸送時に生じる振動などで発生する半導体チップが固着した絶縁フィルムの帯電量も減少し、半導体チップへの静電気によるダメージも減少することが可能となる。
【0105】
また、本発明の半導体装置の梱包方法は、上記半導体装置および上記エンボステープを巻き付けた上記リールを、帯電防止用または防湿用の袋に入れる第2のステップと、上記リールを入れた袋を、第1の箱に収める第3のステップと、上記第1の箱を、上記第1の箱よりも大きいサイズの第2の箱に複数収める第4のステップとを含むことが好ましい。上記帯電防止用または防湿用の袋としては、例えばアルミラミネート袋がある。アルミラミネート袋は、帯電防止と防湿とを両立でき、好ましい。
【0106】
上記の構成によれば、出荷・搬送用として好適な形態に梱包することが可能となる。また、半導体装置およびエンボステープを巻き付けたリールでは、半導体装置が長尺化、例えば、φ405mmサイズのリールで従来の約40mから約80m巻かれている。それゆえ、第2の箱に梱包した状態では、従来と比較して約2倍の半導体装置を梱包するので、従来第2の箱を保管していた保管場所に、約2倍の半導体装置を保管することが可能となる。よって、床面積当たりの生産性を向上することが可能となり、荷出し作業の軽減も併せて奏する。さらには、出荷輸送コストを削減することも可能となる。
【0107】
以上のように、本発明の半導体装置の梱包構造は、配線パターンが繰り返し形成されたテープ状の絶縁フィルム上に、上記各配線パターンと電気的に接続するように固着された複数の半導体チップを有する半導体装置と、テープ状の導電フィルムの片面側であって、かつ長尺方向に連続的に形成された突起部を有する導電性のエンボステープと、が導電性のリールに巻き付けられた半導体装置の梱包構造において、上記半導体装置および上記エンボステープは、上記絶縁フィルムの上記半導体チップが固着されている側の面と上記導電フィルムの上記突起部が突出している側の面とが向かい合うように重ね合わせられながら上記リールに巻き付けられており、上記半導体チップの厚みがt(0.2≦t≦0.625)mmであり、かつ上記導電フィルムの厚みが略0.125mmであるときに、上記エンボステープの総厚は、(t+0.4)mm以上かつ1.1mm以下である、という構成であってもよい。
【0108】
それゆえ、エンボステープの総厚は、半導体チップの厚みおよび導電フィルムの厚みに応じて規定されていることにより、出荷・搬送時における半導体装置への保護が十分に確保されている。また、例えば、従来では、φ405mmサイズの小型リールには約40mの半導体装置を巻き取ることが一般的とされており、近年所望される約80mの半導体装置を巻き取ることはできなかったが、上記の構成によれば、φ405mmサイズのリールに、半導体装置を約80m巻き取ることができる。よって、出荷・搬送時における半導体装置への保護を十分に確保しながら、半導体装置を所望する巻き取り量で梱包することができる半導体装置の梱包構造を実現するという効果を奏する。
【0109】
また、本発明の半導体装置の梱包方法は、配線パターンが繰り返し形成されたテープ状の絶縁フィルム上に、上記各配線パターンと電気的に接続するように固着された複数の半導体チップを有する半導体装置と、テープ状の導電フィルムの片面側であって、かつ長尺方向に連続的に形成された突起部を有する導電性のエンボステープと、を導電性のリールに巻き付ける半導体装置の梱包方法において、上記半導体装置および上記エンボステープを、上記絶縁フィルムの上記半導体チップが固着されている側の面と上記導電フィルムの上記突起部が突出している側の面とが向かい合うように重ね合わせながら上記リールに巻き付ける第1のステップを含み、上記エンボステープとして、上記半導体チップの厚みが
t(0.2≦t≦0.625)mmであり、かつ上記導電フィルムの厚みが略0.125mmであるときに、上記エンボステープの総厚が、(t+0.4)mm以上かつ1.1mm以下であるものを用いる、という方法であってもよい。
【0110】
それゆえ、半導体チップの厚みおよび導電フィルムの厚みに応じて規定されている総厚を有するエンボステープを用いることにより、出荷・搬送時における半導体装置への保護が十分に確保されている。また、例えば、従来では、φ405mmサイズの小型リールには約40mの半導体装置を巻き取ることが一般的とされており、近年所望される約80mの半導体装置を巻き取ることはできなかったが、上記構成によれば、φ405mmサイズのリールに、半導体装置を約80m巻き取ることができる。よって、出荷・搬送時における半導体装置への保護を十分に確保しながら、半導体装置を所望する巻き取り量で梱包することができる半導体装置の梱包方法を提供するという効果を奏する。
【産業上の利用可能性】
【0111】
本発明は、半導体装置がテープ上に連続的に設けられたTABテープを、エンボステープとともにリールに巻き取って梱包する梱包構造に好適に用いることができるだけでなく、TABテープの梱包方法に関する分野、上記梱包構造にて用いる部材の製造に関する分野にも広く用いることができる。
【符号の説明】
【0112】
100 TABテープ(半導体装置)
101 フィルム(絶縁フィルム)
102 配線パターン
103 半導体チップ
200,210,220,230,240 エンボステープ
201 フィルム(導電フィルム)
202 エンボス部(突起部)
211,212,221,222,231,232,241 エンボス部(突起部)
242 材質表示部
310 リール
311 中芯部
320 帯電防止袋(袋)
330 内装ケース(第1の箱)
340 外装ケース(第2の箱)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テープ状の1層の導電フィルムと、上記導電フィルムの片面側であって、かつ長尺方向に連続的にエンボス加工により形成された突起部とによって構成される導電性のエンボステープであって、
上記エンボステープは、配線パターンが繰り返し形成されたテープ状の絶縁フィルム上に、上記各配線パターンと電気的に接続するように固着された複数の半導体チップを有するCOFタイプの半導体装置とともに、導電性のリールに巻き付けられるためのものであり、
上記エンボステープにおける、総厚は0.6mm以上かつ1.1mm以下であり、および表面抵抗値は10Ω以上かつ10Ω以下であることを特徴とするエンボステープ。
【請求項2】
上記エンボステープの長尺方向における上記突起部の配置ピッチは、当該エンボステープにおける長さが20mmの範囲内で、当該突起部が1.5個以上かつ3個以下設けられるように設定されていることを特徴とする請求項1に記載のエンボステープ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2010−89841(P2010−89841A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−5349(P2010−5349)
【出願日】平成22年1月13日(2010.1.13)
【分割の表示】特願2008−285554(P2008−285554)の分割
【原出願日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】