オイルストレーナ
【課題】ストレーナ本体が比較的細い場合でも適用でき、また、フィルタユニットの構造の複雑化やコスト高を招くことなく、略管状で一体物のストレーナ本体の内部に、略平面状のフィルタを有し略板状のユニット本体を備えたフィルタユニットを挿入して配設することができるオイルストレーナを提供する。
【解決手段】フィルタユニットU2は、略平面状のフィルタFを有し全体形状が略板状のユニット本体11と、該ユニット本体の上流入側端末部にて一側が開放されたコ字状に形成された端末フレーム25とを備え、ユニット本体の上流入側端末部には、ストレーナ本体内部通路のフィルタのオイル流出側に対応する部分を遮る端末縦壁14が設けられ、端末フレームとストレーナ本体の間に、爪部16と嵌合穴とで構成された脱落防止手段が設けられている、ことを特徴とする。
【解決手段】フィルタユニットU2は、略平面状のフィルタFを有し全体形状が略板状のユニット本体11と、該ユニット本体の上流入側端末部にて一側が開放されたコ字状に形成された端末フレーム25とを備え、ユニット本体の上流入側端末部には、ストレーナ本体内部通路のフィルタのオイル流出側に対応する部分を遮る端末縦壁14が設けられ、端末フレームとストレーナ本体の間に、爪部16と嵌合穴とで構成された脱落防止手段が設けられている、ことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、オイルストレーナ、特に、略管状で一体物のストレーナ本体の内部にフィルタユニットが挿入して配設されるオイルストレーナに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば自動車等の車両用のオイルストレーナとして、例えば特許文献1に開示されているように、ストレーナ本体を一体物の管状体で構成し、このストレーナ本体の一端側からフィルタユニットを挿入し保持させることにより、ストレーナ本体の内部にフィルタユニットが配設されてなるものは公知である。
【0003】
かかる構成を採用することにより、ストレーナ本体を二つ割り等の分割体で形成し略板状のフィルタユニットを挟み込んで分割体を接合する場合(例えば特許文献2参照)に比して、ストレーナ本体の製作およびフィルタユニットの組み込み工程を大幅に簡略化することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−120920号公報
【特許文献2】特開平8−121138号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、この特許文献1に開示されたオイルストレーナでは、フィルタユニットをストレーナ本体の一端側(上流側)の開口部から挿入できるようにするために、フィルタはオイル流出側(下流側)の端末が閉塞された略筒状に形成されており、ストレーナ本体が比較的細い場合には適用し難く、また、フィルタユニットの構造も複雑化しコスト高になる、という難点があった。
【0006】
そこで、この発明は、略管状で一体物のストレーナ本体の内部に、略平面状のフィルタを有し全体形状が略板状のユニット本体を備えたフィルタユニットを挿入して配設することができるオイルストレーナを提供することを、基本的な目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このため、本願発明に係るオイルストレーナは、略管状で一体物のストレーナ本体の内部にフィルタユニットが挿入して配設されるオイルストレーナであって、前記フィルタユニットは、略平面状のフィルタを有し全体形状が略板状のユニット本体と、該ユニット本体のオイル流入側端末部の周縁の少なくとも一部に沿って形成された端末フレームとを備え、前記端末フレームは、一側が開放されたコ字状に形成されており、前記ユニット本体のオイル流入側端末部には、前記ストレーナ本体内部通路の前記フィルタのオイル流出側に対応する部分を遮る端末縦壁が設けられ、前記端末フレームは前記端末縦壁の周縁の一部に沿って形成されており、前記ユニット本体の側面部と前記端末フレームの外周部とは、前記フィルタユニットを前記ストレーナ本体内に挿入した際に、前記ストレーナ本体の内周部にガイドされてがたつき無く収容されるように、形状および寸法が設定されており、前記端末フレームと前記ストレーナ本体の間に、前記フィルタユニットの脱落を防止する脱落防止手段が設けられ、該脱落防止手段は、前記端末フレームの両側部にそれぞれ設けられた外方に突出する爪部と、前記ストレーナ本体の内周部に形成され、前記爪部がそれぞれ嵌合する嵌合穴と、で構成されている、ことを特徴としたものである。
【0008】
この場合において、前記端末縦壁の少なくとも一部をフィルタで構成してもよい。
【0009】
また、この場合において、前記端末フレームの各爪部に対応する部位の内面どうしを連結する連結壁部が設けられている、ことが好ましい。
【0010】
また、本願の今一つの発明に係るオイルストレーナは、略管状で一体物のストレーナ本体の内部にフィルタユニットが挿入して配設されるオイルストレーナであって、前記フィルタユニットは、略平面状のフィルタを有するユニット本体と、該ユニット本体のオイル流入側端末部の周縁の少なくとも一部に沿って形成された端末フレームとを備え、前記フィルタは、当該フィルタの外周を支持するための枠状のフィルタフレームに対して所定角度だけ傾斜して配置され、前記フィルタの周縁部と前記フィルタフレームとの間は連続したフィルタ側壁によって遮蔽され連結されており、前記端末フレームは、前記フィルタの上流端部の周縁と、そこから立ち下がる左右の前記フィルタ側壁の上流端部の周縁に沿って、前記フィルタの上流端部の反対側が開放されたコ字状に形成され、前記ユニット本体の側面部と前記端末フレームの外周部とは、前記フィルタユニットを前記ストレーナ本体内に挿入した際に、前記ストレーナ本体の内周部にガイドされてがたつき無く収容されるように、形状および寸法が設定されており、前記端末フレームと前記ストレーナ本体の間に、前記フィルタユニットの脱落を防止する脱落防止手段が設けられ、該脱落防止手段は、前記端末フレームの両側部にそれぞれ設けられた外方に突出する爪部と、前記ストレーナ本体の内周部に形成され、前記爪部がそれぞれ嵌合する嵌合穴と、で構成されている、ことを特徴としたものである。
【0011】
以上の場合において、前記ユニット本体の両側部に長手方向へ延びるリブが形成されると共に、前記ストレーナ本体の内周部の前記ユニット本体に対応する部位には、前記リブを係合させる長手方向に沿った係合溝部が設けられており、前記フィルタユニットが前記ストレーナ本体内に挿入される際には、前記ユニット本体の両側部のリブがそれぞれ前記係合溝部内に係合して挿入される、ようにしてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本願発明によれば、略平面状のフィルタを有し全体形状が略板状のユニット本体の側面部と端末フレームの外周部とはストレーナ本体の内周部にガイドされており、端末フレームとストレーナ本体の間にフィルタユニットの脱落を防止する脱落防止手段が設けられているので、略平面状のフィルタを有し全体形状が略板状のユニット本体を備えたフィルタユニットを、オイル流入側からストレーナ本体内に挿入し、脱落することなくストレーナ本体内に保持させることができる。従って、ストレーナ本体の製作およびフィルタユニットの組み込み工程の複雑化を伴うことなく、略平面状のフィルタを有し全体形状が略板状のユニット本体を備えた比較的簡素な構造のフィルタユニットをストレーナ本体内に組み込むことができる。また、ストレーナ本体が比較的細い場合にも、有効に適用することが可能になる。
特に、ユニット本体のオイル流入側端末部にストレーナ本体内部通路の前記フィルタのオイル流出側に対応する部分を遮る端末縦壁が形成されているので、当該部分(ストレーナ本体内部通路のフィルタのオイル流出側に対応する部分)から、オイルがフィルタで濾過されることなく流出側に漏れ出ることを確実に防止できる。しかも、この場合において、ユニット本体のオイル流入側端末部に前記端末フレームを支障なく形成することができる。また、特に、脱落防止手段は、具体的には、端末フレームの両側部にそれぞれ設けられた外方に突出する爪部と、前記ストレーナ本体の内周部に形成され、前記爪部がそれぞれ嵌合する嵌合穴と、で構成されていることにより、フィルタユニットをストレーナ本体内に完全に挿入した際には、端末フレームの各爪部が対応する嵌合穴にそれぞれ嵌合して、フィルタユニットをストレーナ本体に対して確実に保持し、その脱落を防止することができる。
【0013】
この場合において、前記端末縦壁の少なくとも一部をフィルタで構成することにより、フィルタユニットの濾過面積を増大させることができる。或いは、この増大分に相当するだけユニット本体のフィルタ面積を小さくして、フィルタユニットを小型化し、ひいてはオイルストレーナ自体のコンパクト化を図ることもできる。
【0014】
以上の場合において、好ましくは、前記端末フレームの各爪部に対応する部位の内面どうしを連結する連結壁部を設けることにより、端末フレームの剛性を高めることができ、爪部と嵌合穴との係合が弱くなることを有効に抑制することができる。
【0015】
また、本願の今一つの発明によれば、略平面状のフィルタを有するユニット本体の側面部と端末フレームの外周部とはストレーナ本体の内周部にガイドされており、端末フレームとストレーナ本体の間にフィルタユニットの脱落を防止する脱落防止手段が設けられているので、略平面状のフィルタを有するユニット本体を備えたフィルタユニットを、オイル流入側からストレーナ本体内に挿入し、脱落することなくストレーナ本体内に保持させることができる。従って、ストレーナ本体の製作およびフィルタユニットの組み込み工程の複雑化を伴うことなく、略平面状のフィルタを有するユニット本体を備えたフィルタユニットをストレーナ本体内に組み込むことができる。また、ストレーナ本体が比較的細い場合にも、有効に適用することが可能になる。
特に、フィルタはフィルタフレームに対して所定角度だけ傾斜して配置され、フィルタの周縁部とフィルタフレームとの間は連続したフィルタ側壁によって遮蔽され連結されていることにより、フィルタユニットの上流側からフィルタの下方へ流入したオイルは、フィルタで濾過されて上方へ流出して行く。従って、ストレーナ本体内部通路のオイルの流れの一部を遮るために、フィルタユニットのユニット本体の上流側端末部に端末縦壁を設ける必要はない。また、特に、脱落防止手段は、具体的には、端末フレームの両側部にそれぞれ設けられた外方に突出する爪部と、前記ストレーナ本体の内周部に形成され、前記爪部がそれぞれ嵌合する嵌合穴と、で構成されていることにより、フィルタユニットをストレーナ本体内に完全に挿入した際には、端末フレームの各爪部が対応する嵌合穴にそれぞれ嵌合して、フィルタユニットをストレーナ本体に対して確実に保持し、その脱落を防止することができる。
【0016】
以上の場合において、前記ユニット本体の両側部に長手方向へ延びるリブを形成すると共に、前記ストレーナ本体の内周部の前記ユニット本体に対応する部位には、前記リブを係合させる長手方向に沿った係合溝部を設けておき、前記フィルタユニットを前記ストレーナ本体内に挿入する際には、前記ユニット本体の両側部のリブがそれぞれ前記係合溝部内に係合して挿入されるようにすることにより、フィルタユニットのストレーナ本体内への挿入作業がより容易かつ確実に行え、また、フィルタユニットをストレーナ本体内により安定して保持させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るオイルストレーナの正面図である。
【図2】図1におけるY2−Y2線に沿ったオイルストレーナの縦断面図である。
【図3】図1におけるY3−Y3線に沿って断面したオイルストレーナ断面の斜視図である。
【図4】図3の要部を拡大して示す説明図である。
【図5】前記オイルストレーナに組み込まれるフィルタユニットの斜視図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係るオイルストレーナに組み込まれるフィルタユニットの斜視図である。
【図7】図6のフィルタユニットのストレーナ本体への組み込み状態を示す断面図である。
【図8】本発明の第3の実施形態に係るオイルストレーナに組み込まれるフィルタユニットの斜視図である。
【図9】図8のフィルタユニットのストレーナ本体への組み込み状態を示す断面図である。
【図10】図8のフィルタユニットの端末フレーム及び端末縦壁のストレーナ本体への組み込み状態を示す断面図である。
【図11】本発明の第4の実施形態に係るオイルストレーナに組み込まれるフィルタユニットの端末フレーム及び端末縦壁のストレーナ本体への組み込み状態を示す断面図である。
【図12】本発明の第5の実施形態に係るオイルストレーナに組み込まれるフィルタユニットの斜視図である。
【図13】本発明の第6の実施形態に係るオイルストレーナに組み込まれるフィルタユニットの端末フレーム及び端末縦壁のストレーナ本体への組み込み状態を示す断面図である。
【図14】図13の要部を拡大して示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の第1の実施形態に係るオイルストレーナの正面図、図2は図1におけるY2−Y2線に沿った前記オイルストレーナの縦断面図、図3は図1におけるY3−Y3線に沿って断面したオイルストレーナ断面の斜視図、図4は図3の要部を拡大して示す説明図、図5は前記オイルストレーナに組み込まれるフィルタユニットの斜視図である。
【0019】
図1,図2及び図3から分かるように、本実施形態に係るオイルストレーナS1は、管状でストレーナ本体B1の内部にフィルタユニットU1を配設して構成されている。前記オイルストレーナS1は、例えば自動車のエンジンやトランスミッション等に付設されたオイルパンの上側に配置して用いられるもので、ストレーナ本体B1の上部はやや斜めに折り曲げられ、その先端(上端)にはオイル流出側(下流側)接続フランジ2が一体的に形成されている。オイルは、図1,図2及び図3における斜め下方から上方に向かって吸い上げられる(図2における破線矢印c参照)。
【0020】
前記ストレーナ本体B1は、好ましくは断面形状が略矩形の管状体で、より好ましくは合成樹脂材料を用いて例えば射出成形法により一体成形されており、フィルタユニットU1は、ストレーナ本体B1のオイル流入側(上流側)開口部3から長手方向軸線に沿って挿入されることにより、ストレーナ本体B1内に組み込まれている。
【0021】
フィルタユニットU1は、図3,図4及び図5に示されるように、所定メッシュの平面網状のフィルタFを有し全体形状が略板状に形成されたユニット本体11を備えている。フィルタFの外周は枠状のフィルタフレーム12で支持されており、該フィルタフレーム12の内側には多数の桟13が升目状に設けられ、略平面状のフィルタFを補強している。
【0022】
ユニット本体11のオイル流入側(上流側)端末部には、その周縁の少なくとも一部に沿ってフレーム体15(端末フレーム)が形成されている。より具体的に説明すれば、本実施形態では、ユニット本体11の上流側端末部には、ストレーナ本体B1の内部通路においてフィルタFのオイル流出側に対応する部分を遮る壁部14(端末縦壁)が形成されており、この端末縦壁14の周縁の一部(図5における下縁および左右の側縁)に沿って、上流側へ突出するように板状の端末フレーム15が形成されている。尚、フィルタユニットU1は、好ましくは、その全体が、合成樹脂材料を用いて例えば射出成形法により一体成形されている。尚、フィルタF部分を金属メッシュとし、フィルタフレーム12,桟13,端末縦壁14及び端末フレーム15を合成樹脂材料で成形することもできる。
【0023】
このように、ユニット本体11の上流側端末部にストレーナ本体B1内部通路のフィルタFのオイル流出側に対応する部分を遮る端末縦壁14が形成されることにより、当該部分から、オイルがフィルタFで濾過されることなく流出側に漏れ出ることを確実に防止できる。しかも、この場合において、ユニット本体11の上流側端末部に端末フレーム15を支障なく形成することができる。
【0024】
ユニット本体11の側面部と端末フレーム15の外周部とは、フィルタユニットU1をストレーナ本体B1内に挿入した際に、ストレーナ本体B1の内周部にガイド(案内)されてがたつき無く収容されるように、形状および寸法が設定されている。
【0025】
本実施形態では、好ましくは、端末フレーム15はストレーナ本体B1の内周部に対応した環状に形成され、該環状の端末フレーム15の外周部全体がストレーナ本体B1の内周部にガイドされている。これにより、フィルタユニットU1のストレーナ本体B1内での保持状態をより一層安定したものとすることができる。
【0026】
図4に詳しく示すように、端末フレーム15の左右側面には、外方に突出する一対の爪部16が形成されている。一方、ストレーナ本体B1の対応部分には、前記爪部16と嵌合する一対の嵌合穴5が形成されている。そして、フィルタユニットU1をストレーナ本体B1内に完全に挿入した際には、端末フレーム15の各爪部16が対応する嵌合穴5に嵌合し、これにより、フィルタユニットU1がストレーナ本体B1に対して確実に保持され、その脱落が防止される。
【0027】
尚、ストレーナ本体B1の上部の折り曲げ部分の内部には、ユニット本体11の先端部17を係合させる凹部4が形成されており、フィルタユニットU1がストレーナ本体B1内に完全に挿入された際には、ユニット本体先端部17は前記凹部4に係合するようになっている。
【0028】
以上のように、端末フレーム15とストレーナ本体B1の間にフィルタユニットU1の脱落を防止する脱落防止手段としての爪部15と嵌合穴5が設けられているので、略平面状のフィルタを有し全体形状が略板状のユニット本体11を備えたフィルタユニットU1を、上流側からストレーナ本体B1内に挿入し、脱落することなくストレーナ本体B1内に保持させることができる。従って、ストレーナ本体B1の製作およびフィルタユニットU1の組み込み工程の複雑化を伴うことなく、略平面状のフィルタFを有し全体形状が略板状のユニット本体11を備えた比較的簡素な構造のフィルタユニットU1をストレーナ本体B1内に組み込むことができる。また、ストレーナ本体B1が比較的細い場合にも、有効に適用することができるのである。
【0029】
次に本発明の他の実施形態について説明する。尚、以下の説明において、第1の実施形態における場合と同様の構成を備え同様の作用をなすものについては、同一の符号を付し、それ以上の説明は省略する。
図6は本発明の第2の実施形態に係るオイルストレーナに組み込まれるフィルタユニットU2の斜視図、また、図7は図6に示したフィルタユニットU2のストレーナ本体B2への組み込み状態を示す断面図である。
【0030】
この第2の実施形態に係るフィルタユニットU2は、端末フレーム25が環状ではなく一側が開放されてコ字状に形成されている点が、第1の実施形態のものと異なっている。
また、ストレーナ本体B2の内周部には、フィルタユニットU2のユニット本体11に対応する部位に長手方向に沿った一対の係合溝部g2が設けられており、フィルタユニットU2がストレーナ本体B2内に挿入される際には、ユニット本体11の左右の側面部(つまり、フィルタフレーム12の左右側部)が前記係合溝部g2内に係合して挿入される。
【0031】
このように、ユニット本体11の側面部がストレーナ本体B2の内周部に形成された係合溝部g2に挿入されることにより、フィルタユニットU2のストレーナ本体B2内への挿入作業がより容易かつ確実に行え、また、フィルタユニットU2をストレーナ本体B2内により安定して保持させることができる。
【0032】
図8は本発明の第3の実施形態に係るオイルストレーナに組み込まれるフィルタユニットU3の斜視図、図9は図8に示したフィルタユニットU3のストレーナ本体B3への組み込み状態を示す断面図、また、図10は図8に示したフィルタユニットU3の端末フレーム及び端末縦壁のストレーナ本体B3への組み込み状態を示す断面図である。
【0033】
この第3の実施形態に係るフィルタユニットU3は、フィルタフレーム22の左右側部に長手方向に延びるリブ22rが形成されている点が、第2の実施形態のものと異なっている。これに伴って、ストレーナ本体B3の内周部には、フィルタユニットU3のユニット本体21に対応する部位には、前記リブ22rを係合させる長手方向に沿った一対の係合溝部g3が設けられており、フィルタユニットU3がストレーナ本体B3内に挿入される際には、ユニット本体21の左右の側面部(つまり、フィルタフレーム22の左右側部)のリブ22rが前記係合溝部g3内に係合して挿入される。
【0034】
以上の実施形態では何れも、端末縦壁14は、ストレーナ本体内部通路のフィルタFのオイル流出側に対応する部分を完全に遮るものであったが、前記端末縦壁14の少なくとも一部をフィルタFで構成してもよい。
図11は本発明の第4の実施形態に係るオイルストレーナに組み込まれるフィルタユニットU4の端末フレーム及び端末縦壁のストレーナ本体B3への組み込み状態を示す断面図である。この第4の実施形態に係るフィルタユニットU4では、端末壁部24はその周縁部分を除く領域が全てフィルタFで構成されている。
【0035】
このように、端末縦壁24の少なくとも一部をフィルタFで構成することにより、フィルタユニットU4の濾過面積を増大させることができる。或いは、この増大分に相当するだけユニット本体21のフィルタ面積を小さくして、フィルタユニットU4を小型化し、ひいてはオイルストレーナ自体のコンパクト化を図ることもできる。尚、この実施形態では、端末縦壁24をフィルタFで構成したことにより、端末フレーム25の剛性が低下して爪部16と嵌合穴5との係合が弱くなる怖れがあるので、爪部16,16に対応する部位の内面どうしを連結する連結壁29を設けることが好ましい。
【0036】
図12は、本発明の第5の実施形態に係るオイルストレーナに組み込まれるフィルタユニットU5の斜視図である。
この実施形態では、フィルタユニットU5のユニット本体31の上流側端末部に端末縦壁は設けられていない。フィルタFはフィルタフレーム32に対して所定角度だけ傾斜して配置され、フィルタFの周縁部とフィルタフレーム32との間は連続したフィルタ側壁38によって遮蔽され連結されている。
【0037】
端末フレーム35は、フィルタFの上流端部の周縁と、そこから立ち下がる左右のフィルタ側壁38の上流端部の周縁に沿ってコ字状に形成されている。
この場合には、図12において破線矢印dで示されるように、オイルは、端末縦壁で遮られることなくフィルタFの下方から流入し、フィルタFで濾過されて上方へ流出して行く。
【0038】
以上の実施形態は何れも、フィルタユニットの端末フレームに形成した爪部16をストレーナ本体に設けた嵌合穴5に嵌合させることで、フィルタユニットのストレーナ本体からの脱落を防止するようにしたものであったが、この代わりに、端末フレームをストレーナ本体に溶着固定するようにしてもよい。
図13は本発明の第6の実施形態に係るオイルストレーナに組み込まれるフィルタユニットU6の端末フレーム45及び端末縦壁44のストレーナ本体B6への組み込み状態を示す断面図、また、図14は図13の要部を拡大して示す断面図である。
【0039】
本実施形態では、ストレーナ本体B6の上流側(図13及び図14における右側)の開口部3から長手方向軸線に沿ってフィルタユニットU6を挿入し、図13及び図14に示すように、ストレーナ本体B6の上流側のボス部8にフィルタユニットU6の端末フレーム45を嵌合させた状態で、例えばレーザ溶着法あるいは超音波溶着法を適用することにより、端末フレーム45の外周部を前記ボス部8の内周部に固定するようにしている。これにより、フィルタユニットU6のストレーナ本体B6からの脱落が確実に防止される。
【0040】
尚、本実施形態では、端末フレーム45は、第1の実施形態におけるものと同様に、ユニット本体41の上流側端末側にて、端末縦壁44の周縁の一部に沿って上流側へ突出するように板状に形成され、また、ストレーナ本体B1の内周部に対応した環状に形成されており、該環状の端末フレーム45の外周部全体がストレーナ本体B1の内周部にガイドされている。
【0041】
図14に詳しく示されるように、前記ボス部8の内周部は、上流側から順に、第1内周面H1と、これよりも小さい第2内周面H2と、これよりも更に小さい第3内周面H3とを備え、第1内周面H1と第2内周面H2との間に斜面で連結された内周段部Hdが形成されている。また、前記第2内周面H2と第3内周面H3との間に、端末縦壁44を当て止める環状壁部9が形成されている。
【0042】
一方、前記端末フレーム45の外周部は、上流側から順に、第1外周面K1と、これよりも小さい第2外周面K2と、これよりも更に小さい第3外周面K3とを備え、第2外周面K2と第3外周面K3との間に斜面で連結された外周段部Kdが形成されている。尚、第3外周面K3は端末縦壁44の外周部に位置している。
【0043】
端末フレーム45の第1外周面K1は前記ボス部8の第1内周面H1と略等しいが僅かに小さく、端末フレーム45が支障なくボス部8内に挿入でき、且つ挿入状態でがたつくことがないように寸法設定されている。また、ボス部8の第3内周面H3は、端末フレーム45の第3外周面K3よりも小さく設定され、ストレーナ本体B6のボス部8にフィルタユニットU6の端末フレーム45を完全に挿入して嵌合させた際に、端末縦壁44を環状壁部9で確実に当て止めることができるようになっている。
【0044】
更に、端末フレーム45の第2外周面K2,第3外周面K3は、ボス部8の第1内周面H1,第2内周面H2よりもそれぞれ小さく設定されている。従って、ボス部8に端末フレーム45を完全に挿入して嵌合させた際には、端末フレーム45の第2外周面K2とボス部8の第1内周面H1の間に環状の第1空隙部J1が形成され、また、端末フレーム45の第3外周面K3とボス部8の第2内周面H2の間に環状の第2空隙部J2が形成されるようになっている。
【0045】
溶着は、端末フレーム45の外周段部Kd及びその近傍とボス部8の内周段部Hd及びその近傍とが突き当たった状態で行われ、主としてこの突き当たった部分Dが溶融する。しかし、この溶融部分Dの前後は環状の第1及び第2空隙部J1,J2で挟まれているので、余剰な溶融樹脂はこれら空隙部J1,J2内に溜まり、内側および外側に漏れ出ることはない。つまり、内外に溶着バリがはみ出ることがないようになっている。
【0046】
尚、本発明は、上記実施態様に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々の変更や改良等が可能であることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、オイルストレーナ、特に、略管状で一体物のストレーナ本体の内部にフィルタユニットが挿入して配設されるオイルストレーナに対して、有効に適用することができる。
【符号の説明】
【0048】
5 (ストレーナ本体の)嵌合穴
11,21,31 (フィルタユニットの)ユニット本体
12,22,32 フィルタフレーム
14,24 端末縦壁
25,35 端末フレーム
16 (端末フレームの)爪部
22r (ユニット本体の)リブ
29 連結壁部
38 フィルタ側壁
B2,B3 ストレーナ本体
F フィルタ
g2,g3 (ストレーナ本体の)係合溝部
S1 オイルストレーナ
U2,U3,U4,U5 フィルタユニット
【技術分野】
【0001】
この発明は、オイルストレーナ、特に、略管状で一体物のストレーナ本体の内部にフィルタユニットが挿入して配設されるオイルストレーナに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば自動車等の車両用のオイルストレーナとして、例えば特許文献1に開示されているように、ストレーナ本体を一体物の管状体で構成し、このストレーナ本体の一端側からフィルタユニットを挿入し保持させることにより、ストレーナ本体の内部にフィルタユニットが配設されてなるものは公知である。
【0003】
かかる構成を採用することにより、ストレーナ本体を二つ割り等の分割体で形成し略板状のフィルタユニットを挟み込んで分割体を接合する場合(例えば特許文献2参照)に比して、ストレーナ本体の製作およびフィルタユニットの組み込み工程を大幅に簡略化することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−120920号公報
【特許文献2】特開平8−121138号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、この特許文献1に開示されたオイルストレーナでは、フィルタユニットをストレーナ本体の一端側(上流側)の開口部から挿入できるようにするために、フィルタはオイル流出側(下流側)の端末が閉塞された略筒状に形成されており、ストレーナ本体が比較的細い場合には適用し難く、また、フィルタユニットの構造も複雑化しコスト高になる、という難点があった。
【0006】
そこで、この発明は、略管状で一体物のストレーナ本体の内部に、略平面状のフィルタを有し全体形状が略板状のユニット本体を備えたフィルタユニットを挿入して配設することができるオイルストレーナを提供することを、基本的な目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このため、本願発明に係るオイルストレーナは、略管状で一体物のストレーナ本体の内部にフィルタユニットが挿入して配設されるオイルストレーナであって、前記フィルタユニットは、略平面状のフィルタを有し全体形状が略板状のユニット本体と、該ユニット本体のオイル流入側端末部の周縁の少なくとも一部に沿って形成された端末フレームとを備え、前記端末フレームは、一側が開放されたコ字状に形成されており、前記ユニット本体のオイル流入側端末部には、前記ストレーナ本体内部通路の前記フィルタのオイル流出側に対応する部分を遮る端末縦壁が設けられ、前記端末フレームは前記端末縦壁の周縁の一部に沿って形成されており、前記ユニット本体の側面部と前記端末フレームの外周部とは、前記フィルタユニットを前記ストレーナ本体内に挿入した際に、前記ストレーナ本体の内周部にガイドされてがたつき無く収容されるように、形状および寸法が設定されており、前記端末フレームと前記ストレーナ本体の間に、前記フィルタユニットの脱落を防止する脱落防止手段が設けられ、該脱落防止手段は、前記端末フレームの両側部にそれぞれ設けられた外方に突出する爪部と、前記ストレーナ本体の内周部に形成され、前記爪部がそれぞれ嵌合する嵌合穴と、で構成されている、ことを特徴としたものである。
【0008】
この場合において、前記端末縦壁の少なくとも一部をフィルタで構成してもよい。
【0009】
また、この場合において、前記端末フレームの各爪部に対応する部位の内面どうしを連結する連結壁部が設けられている、ことが好ましい。
【0010】
また、本願の今一つの発明に係るオイルストレーナは、略管状で一体物のストレーナ本体の内部にフィルタユニットが挿入して配設されるオイルストレーナであって、前記フィルタユニットは、略平面状のフィルタを有するユニット本体と、該ユニット本体のオイル流入側端末部の周縁の少なくとも一部に沿って形成された端末フレームとを備え、前記フィルタは、当該フィルタの外周を支持するための枠状のフィルタフレームに対して所定角度だけ傾斜して配置され、前記フィルタの周縁部と前記フィルタフレームとの間は連続したフィルタ側壁によって遮蔽され連結されており、前記端末フレームは、前記フィルタの上流端部の周縁と、そこから立ち下がる左右の前記フィルタ側壁の上流端部の周縁に沿って、前記フィルタの上流端部の反対側が開放されたコ字状に形成され、前記ユニット本体の側面部と前記端末フレームの外周部とは、前記フィルタユニットを前記ストレーナ本体内に挿入した際に、前記ストレーナ本体の内周部にガイドされてがたつき無く収容されるように、形状および寸法が設定されており、前記端末フレームと前記ストレーナ本体の間に、前記フィルタユニットの脱落を防止する脱落防止手段が設けられ、該脱落防止手段は、前記端末フレームの両側部にそれぞれ設けられた外方に突出する爪部と、前記ストレーナ本体の内周部に形成され、前記爪部がそれぞれ嵌合する嵌合穴と、で構成されている、ことを特徴としたものである。
【0011】
以上の場合において、前記ユニット本体の両側部に長手方向へ延びるリブが形成されると共に、前記ストレーナ本体の内周部の前記ユニット本体に対応する部位には、前記リブを係合させる長手方向に沿った係合溝部が設けられており、前記フィルタユニットが前記ストレーナ本体内に挿入される際には、前記ユニット本体の両側部のリブがそれぞれ前記係合溝部内に係合して挿入される、ようにしてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本願発明によれば、略平面状のフィルタを有し全体形状が略板状のユニット本体の側面部と端末フレームの外周部とはストレーナ本体の内周部にガイドされており、端末フレームとストレーナ本体の間にフィルタユニットの脱落を防止する脱落防止手段が設けられているので、略平面状のフィルタを有し全体形状が略板状のユニット本体を備えたフィルタユニットを、オイル流入側からストレーナ本体内に挿入し、脱落することなくストレーナ本体内に保持させることができる。従って、ストレーナ本体の製作およびフィルタユニットの組み込み工程の複雑化を伴うことなく、略平面状のフィルタを有し全体形状が略板状のユニット本体を備えた比較的簡素な構造のフィルタユニットをストレーナ本体内に組み込むことができる。また、ストレーナ本体が比較的細い場合にも、有効に適用することが可能になる。
特に、ユニット本体のオイル流入側端末部にストレーナ本体内部通路の前記フィルタのオイル流出側に対応する部分を遮る端末縦壁が形成されているので、当該部分(ストレーナ本体内部通路のフィルタのオイル流出側に対応する部分)から、オイルがフィルタで濾過されることなく流出側に漏れ出ることを確実に防止できる。しかも、この場合において、ユニット本体のオイル流入側端末部に前記端末フレームを支障なく形成することができる。また、特に、脱落防止手段は、具体的には、端末フレームの両側部にそれぞれ設けられた外方に突出する爪部と、前記ストレーナ本体の内周部に形成され、前記爪部がそれぞれ嵌合する嵌合穴と、で構成されていることにより、フィルタユニットをストレーナ本体内に完全に挿入した際には、端末フレームの各爪部が対応する嵌合穴にそれぞれ嵌合して、フィルタユニットをストレーナ本体に対して確実に保持し、その脱落を防止することができる。
【0013】
この場合において、前記端末縦壁の少なくとも一部をフィルタで構成することにより、フィルタユニットの濾過面積を増大させることができる。或いは、この増大分に相当するだけユニット本体のフィルタ面積を小さくして、フィルタユニットを小型化し、ひいてはオイルストレーナ自体のコンパクト化を図ることもできる。
【0014】
以上の場合において、好ましくは、前記端末フレームの各爪部に対応する部位の内面どうしを連結する連結壁部を設けることにより、端末フレームの剛性を高めることができ、爪部と嵌合穴との係合が弱くなることを有効に抑制することができる。
【0015】
また、本願の今一つの発明によれば、略平面状のフィルタを有するユニット本体の側面部と端末フレームの外周部とはストレーナ本体の内周部にガイドされており、端末フレームとストレーナ本体の間にフィルタユニットの脱落を防止する脱落防止手段が設けられているので、略平面状のフィルタを有するユニット本体を備えたフィルタユニットを、オイル流入側からストレーナ本体内に挿入し、脱落することなくストレーナ本体内に保持させることができる。従って、ストレーナ本体の製作およびフィルタユニットの組み込み工程の複雑化を伴うことなく、略平面状のフィルタを有するユニット本体を備えたフィルタユニットをストレーナ本体内に組み込むことができる。また、ストレーナ本体が比較的細い場合にも、有効に適用することが可能になる。
特に、フィルタはフィルタフレームに対して所定角度だけ傾斜して配置され、フィルタの周縁部とフィルタフレームとの間は連続したフィルタ側壁によって遮蔽され連結されていることにより、フィルタユニットの上流側からフィルタの下方へ流入したオイルは、フィルタで濾過されて上方へ流出して行く。従って、ストレーナ本体内部通路のオイルの流れの一部を遮るために、フィルタユニットのユニット本体の上流側端末部に端末縦壁を設ける必要はない。また、特に、脱落防止手段は、具体的には、端末フレームの両側部にそれぞれ設けられた外方に突出する爪部と、前記ストレーナ本体の内周部に形成され、前記爪部がそれぞれ嵌合する嵌合穴と、で構成されていることにより、フィルタユニットをストレーナ本体内に完全に挿入した際には、端末フレームの各爪部が対応する嵌合穴にそれぞれ嵌合して、フィルタユニットをストレーナ本体に対して確実に保持し、その脱落を防止することができる。
【0016】
以上の場合において、前記ユニット本体の両側部に長手方向へ延びるリブを形成すると共に、前記ストレーナ本体の内周部の前記ユニット本体に対応する部位には、前記リブを係合させる長手方向に沿った係合溝部を設けておき、前記フィルタユニットを前記ストレーナ本体内に挿入する際には、前記ユニット本体の両側部のリブがそれぞれ前記係合溝部内に係合して挿入されるようにすることにより、フィルタユニットのストレーナ本体内への挿入作業がより容易かつ確実に行え、また、フィルタユニットをストレーナ本体内により安定して保持させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るオイルストレーナの正面図である。
【図2】図1におけるY2−Y2線に沿ったオイルストレーナの縦断面図である。
【図3】図1におけるY3−Y3線に沿って断面したオイルストレーナ断面の斜視図である。
【図4】図3の要部を拡大して示す説明図である。
【図5】前記オイルストレーナに組み込まれるフィルタユニットの斜視図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係るオイルストレーナに組み込まれるフィルタユニットの斜視図である。
【図7】図6のフィルタユニットのストレーナ本体への組み込み状態を示す断面図である。
【図8】本発明の第3の実施形態に係るオイルストレーナに組み込まれるフィルタユニットの斜視図である。
【図9】図8のフィルタユニットのストレーナ本体への組み込み状態を示す断面図である。
【図10】図8のフィルタユニットの端末フレーム及び端末縦壁のストレーナ本体への組み込み状態を示す断面図である。
【図11】本発明の第4の実施形態に係るオイルストレーナに組み込まれるフィルタユニットの端末フレーム及び端末縦壁のストレーナ本体への組み込み状態を示す断面図である。
【図12】本発明の第5の実施形態に係るオイルストレーナに組み込まれるフィルタユニットの斜視図である。
【図13】本発明の第6の実施形態に係るオイルストレーナに組み込まれるフィルタユニットの端末フレーム及び端末縦壁のストレーナ本体への組み込み状態を示す断面図である。
【図14】図13の要部を拡大して示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の第1の実施形態に係るオイルストレーナの正面図、図2は図1におけるY2−Y2線に沿った前記オイルストレーナの縦断面図、図3は図1におけるY3−Y3線に沿って断面したオイルストレーナ断面の斜視図、図4は図3の要部を拡大して示す説明図、図5は前記オイルストレーナに組み込まれるフィルタユニットの斜視図である。
【0019】
図1,図2及び図3から分かるように、本実施形態に係るオイルストレーナS1は、管状でストレーナ本体B1の内部にフィルタユニットU1を配設して構成されている。前記オイルストレーナS1は、例えば自動車のエンジンやトランスミッション等に付設されたオイルパンの上側に配置して用いられるもので、ストレーナ本体B1の上部はやや斜めに折り曲げられ、その先端(上端)にはオイル流出側(下流側)接続フランジ2が一体的に形成されている。オイルは、図1,図2及び図3における斜め下方から上方に向かって吸い上げられる(図2における破線矢印c参照)。
【0020】
前記ストレーナ本体B1は、好ましくは断面形状が略矩形の管状体で、より好ましくは合成樹脂材料を用いて例えば射出成形法により一体成形されており、フィルタユニットU1は、ストレーナ本体B1のオイル流入側(上流側)開口部3から長手方向軸線に沿って挿入されることにより、ストレーナ本体B1内に組み込まれている。
【0021】
フィルタユニットU1は、図3,図4及び図5に示されるように、所定メッシュの平面網状のフィルタFを有し全体形状が略板状に形成されたユニット本体11を備えている。フィルタFの外周は枠状のフィルタフレーム12で支持されており、該フィルタフレーム12の内側には多数の桟13が升目状に設けられ、略平面状のフィルタFを補強している。
【0022】
ユニット本体11のオイル流入側(上流側)端末部には、その周縁の少なくとも一部に沿ってフレーム体15(端末フレーム)が形成されている。より具体的に説明すれば、本実施形態では、ユニット本体11の上流側端末部には、ストレーナ本体B1の内部通路においてフィルタFのオイル流出側に対応する部分を遮る壁部14(端末縦壁)が形成されており、この端末縦壁14の周縁の一部(図5における下縁および左右の側縁)に沿って、上流側へ突出するように板状の端末フレーム15が形成されている。尚、フィルタユニットU1は、好ましくは、その全体が、合成樹脂材料を用いて例えば射出成形法により一体成形されている。尚、フィルタF部分を金属メッシュとし、フィルタフレーム12,桟13,端末縦壁14及び端末フレーム15を合成樹脂材料で成形することもできる。
【0023】
このように、ユニット本体11の上流側端末部にストレーナ本体B1内部通路のフィルタFのオイル流出側に対応する部分を遮る端末縦壁14が形成されることにより、当該部分から、オイルがフィルタFで濾過されることなく流出側に漏れ出ることを確実に防止できる。しかも、この場合において、ユニット本体11の上流側端末部に端末フレーム15を支障なく形成することができる。
【0024】
ユニット本体11の側面部と端末フレーム15の外周部とは、フィルタユニットU1をストレーナ本体B1内に挿入した際に、ストレーナ本体B1の内周部にガイド(案内)されてがたつき無く収容されるように、形状および寸法が設定されている。
【0025】
本実施形態では、好ましくは、端末フレーム15はストレーナ本体B1の内周部に対応した環状に形成され、該環状の端末フレーム15の外周部全体がストレーナ本体B1の内周部にガイドされている。これにより、フィルタユニットU1のストレーナ本体B1内での保持状態をより一層安定したものとすることができる。
【0026】
図4に詳しく示すように、端末フレーム15の左右側面には、外方に突出する一対の爪部16が形成されている。一方、ストレーナ本体B1の対応部分には、前記爪部16と嵌合する一対の嵌合穴5が形成されている。そして、フィルタユニットU1をストレーナ本体B1内に完全に挿入した際には、端末フレーム15の各爪部16が対応する嵌合穴5に嵌合し、これにより、フィルタユニットU1がストレーナ本体B1に対して確実に保持され、その脱落が防止される。
【0027】
尚、ストレーナ本体B1の上部の折り曲げ部分の内部には、ユニット本体11の先端部17を係合させる凹部4が形成されており、フィルタユニットU1がストレーナ本体B1内に完全に挿入された際には、ユニット本体先端部17は前記凹部4に係合するようになっている。
【0028】
以上のように、端末フレーム15とストレーナ本体B1の間にフィルタユニットU1の脱落を防止する脱落防止手段としての爪部15と嵌合穴5が設けられているので、略平面状のフィルタを有し全体形状が略板状のユニット本体11を備えたフィルタユニットU1を、上流側からストレーナ本体B1内に挿入し、脱落することなくストレーナ本体B1内に保持させることができる。従って、ストレーナ本体B1の製作およびフィルタユニットU1の組み込み工程の複雑化を伴うことなく、略平面状のフィルタFを有し全体形状が略板状のユニット本体11を備えた比較的簡素な構造のフィルタユニットU1をストレーナ本体B1内に組み込むことができる。また、ストレーナ本体B1が比較的細い場合にも、有効に適用することができるのである。
【0029】
次に本発明の他の実施形態について説明する。尚、以下の説明において、第1の実施形態における場合と同様の構成を備え同様の作用をなすものについては、同一の符号を付し、それ以上の説明は省略する。
図6は本発明の第2の実施形態に係るオイルストレーナに組み込まれるフィルタユニットU2の斜視図、また、図7は図6に示したフィルタユニットU2のストレーナ本体B2への組み込み状態を示す断面図である。
【0030】
この第2の実施形態に係るフィルタユニットU2は、端末フレーム25が環状ではなく一側が開放されてコ字状に形成されている点が、第1の実施形態のものと異なっている。
また、ストレーナ本体B2の内周部には、フィルタユニットU2のユニット本体11に対応する部位に長手方向に沿った一対の係合溝部g2が設けられており、フィルタユニットU2がストレーナ本体B2内に挿入される際には、ユニット本体11の左右の側面部(つまり、フィルタフレーム12の左右側部)が前記係合溝部g2内に係合して挿入される。
【0031】
このように、ユニット本体11の側面部がストレーナ本体B2の内周部に形成された係合溝部g2に挿入されることにより、フィルタユニットU2のストレーナ本体B2内への挿入作業がより容易かつ確実に行え、また、フィルタユニットU2をストレーナ本体B2内により安定して保持させることができる。
【0032】
図8は本発明の第3の実施形態に係るオイルストレーナに組み込まれるフィルタユニットU3の斜視図、図9は図8に示したフィルタユニットU3のストレーナ本体B3への組み込み状態を示す断面図、また、図10は図8に示したフィルタユニットU3の端末フレーム及び端末縦壁のストレーナ本体B3への組み込み状態を示す断面図である。
【0033】
この第3の実施形態に係るフィルタユニットU3は、フィルタフレーム22の左右側部に長手方向に延びるリブ22rが形成されている点が、第2の実施形態のものと異なっている。これに伴って、ストレーナ本体B3の内周部には、フィルタユニットU3のユニット本体21に対応する部位には、前記リブ22rを係合させる長手方向に沿った一対の係合溝部g3が設けられており、フィルタユニットU3がストレーナ本体B3内に挿入される際には、ユニット本体21の左右の側面部(つまり、フィルタフレーム22の左右側部)のリブ22rが前記係合溝部g3内に係合して挿入される。
【0034】
以上の実施形態では何れも、端末縦壁14は、ストレーナ本体内部通路のフィルタFのオイル流出側に対応する部分を完全に遮るものであったが、前記端末縦壁14の少なくとも一部をフィルタFで構成してもよい。
図11は本発明の第4の実施形態に係るオイルストレーナに組み込まれるフィルタユニットU4の端末フレーム及び端末縦壁のストレーナ本体B3への組み込み状態を示す断面図である。この第4の実施形態に係るフィルタユニットU4では、端末壁部24はその周縁部分を除く領域が全てフィルタFで構成されている。
【0035】
このように、端末縦壁24の少なくとも一部をフィルタFで構成することにより、フィルタユニットU4の濾過面積を増大させることができる。或いは、この増大分に相当するだけユニット本体21のフィルタ面積を小さくして、フィルタユニットU4を小型化し、ひいてはオイルストレーナ自体のコンパクト化を図ることもできる。尚、この実施形態では、端末縦壁24をフィルタFで構成したことにより、端末フレーム25の剛性が低下して爪部16と嵌合穴5との係合が弱くなる怖れがあるので、爪部16,16に対応する部位の内面どうしを連結する連結壁29を設けることが好ましい。
【0036】
図12は、本発明の第5の実施形態に係るオイルストレーナに組み込まれるフィルタユニットU5の斜視図である。
この実施形態では、フィルタユニットU5のユニット本体31の上流側端末部に端末縦壁は設けられていない。フィルタFはフィルタフレーム32に対して所定角度だけ傾斜して配置され、フィルタFの周縁部とフィルタフレーム32との間は連続したフィルタ側壁38によって遮蔽され連結されている。
【0037】
端末フレーム35は、フィルタFの上流端部の周縁と、そこから立ち下がる左右のフィルタ側壁38の上流端部の周縁に沿ってコ字状に形成されている。
この場合には、図12において破線矢印dで示されるように、オイルは、端末縦壁で遮られることなくフィルタFの下方から流入し、フィルタFで濾過されて上方へ流出して行く。
【0038】
以上の実施形態は何れも、フィルタユニットの端末フレームに形成した爪部16をストレーナ本体に設けた嵌合穴5に嵌合させることで、フィルタユニットのストレーナ本体からの脱落を防止するようにしたものであったが、この代わりに、端末フレームをストレーナ本体に溶着固定するようにしてもよい。
図13は本発明の第6の実施形態に係るオイルストレーナに組み込まれるフィルタユニットU6の端末フレーム45及び端末縦壁44のストレーナ本体B6への組み込み状態を示す断面図、また、図14は図13の要部を拡大して示す断面図である。
【0039】
本実施形態では、ストレーナ本体B6の上流側(図13及び図14における右側)の開口部3から長手方向軸線に沿ってフィルタユニットU6を挿入し、図13及び図14に示すように、ストレーナ本体B6の上流側のボス部8にフィルタユニットU6の端末フレーム45を嵌合させた状態で、例えばレーザ溶着法あるいは超音波溶着法を適用することにより、端末フレーム45の外周部を前記ボス部8の内周部に固定するようにしている。これにより、フィルタユニットU6のストレーナ本体B6からの脱落が確実に防止される。
【0040】
尚、本実施形態では、端末フレーム45は、第1の実施形態におけるものと同様に、ユニット本体41の上流側端末側にて、端末縦壁44の周縁の一部に沿って上流側へ突出するように板状に形成され、また、ストレーナ本体B1の内周部に対応した環状に形成されており、該環状の端末フレーム45の外周部全体がストレーナ本体B1の内周部にガイドされている。
【0041】
図14に詳しく示されるように、前記ボス部8の内周部は、上流側から順に、第1内周面H1と、これよりも小さい第2内周面H2と、これよりも更に小さい第3内周面H3とを備え、第1内周面H1と第2内周面H2との間に斜面で連結された内周段部Hdが形成されている。また、前記第2内周面H2と第3内周面H3との間に、端末縦壁44を当て止める環状壁部9が形成されている。
【0042】
一方、前記端末フレーム45の外周部は、上流側から順に、第1外周面K1と、これよりも小さい第2外周面K2と、これよりも更に小さい第3外周面K3とを備え、第2外周面K2と第3外周面K3との間に斜面で連結された外周段部Kdが形成されている。尚、第3外周面K3は端末縦壁44の外周部に位置している。
【0043】
端末フレーム45の第1外周面K1は前記ボス部8の第1内周面H1と略等しいが僅かに小さく、端末フレーム45が支障なくボス部8内に挿入でき、且つ挿入状態でがたつくことがないように寸法設定されている。また、ボス部8の第3内周面H3は、端末フレーム45の第3外周面K3よりも小さく設定され、ストレーナ本体B6のボス部8にフィルタユニットU6の端末フレーム45を完全に挿入して嵌合させた際に、端末縦壁44を環状壁部9で確実に当て止めることができるようになっている。
【0044】
更に、端末フレーム45の第2外周面K2,第3外周面K3は、ボス部8の第1内周面H1,第2内周面H2よりもそれぞれ小さく設定されている。従って、ボス部8に端末フレーム45を完全に挿入して嵌合させた際には、端末フレーム45の第2外周面K2とボス部8の第1内周面H1の間に環状の第1空隙部J1が形成され、また、端末フレーム45の第3外周面K3とボス部8の第2内周面H2の間に環状の第2空隙部J2が形成されるようになっている。
【0045】
溶着は、端末フレーム45の外周段部Kd及びその近傍とボス部8の内周段部Hd及びその近傍とが突き当たった状態で行われ、主としてこの突き当たった部分Dが溶融する。しかし、この溶融部分Dの前後は環状の第1及び第2空隙部J1,J2で挟まれているので、余剰な溶融樹脂はこれら空隙部J1,J2内に溜まり、内側および外側に漏れ出ることはない。つまり、内外に溶着バリがはみ出ることがないようになっている。
【0046】
尚、本発明は、上記実施態様に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々の変更や改良等が可能であることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、オイルストレーナ、特に、略管状で一体物のストレーナ本体の内部にフィルタユニットが挿入して配設されるオイルストレーナに対して、有効に適用することができる。
【符号の説明】
【0048】
5 (ストレーナ本体の)嵌合穴
11,21,31 (フィルタユニットの)ユニット本体
12,22,32 フィルタフレーム
14,24 端末縦壁
25,35 端末フレーム
16 (端末フレームの)爪部
22r (ユニット本体の)リブ
29 連結壁部
38 フィルタ側壁
B2,B3 ストレーナ本体
F フィルタ
g2,g3 (ストレーナ本体の)係合溝部
S1 オイルストレーナ
U2,U3,U4,U5 フィルタユニット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
略管状で一体物のストレーナ本体の内部にフィルタユニットが挿入して配設されるオイルストレーナであって、
前記フィルタユニットは、略平面状のフィルタを有し全体形状が略板状のユニット本体と、該ユニット本体のオイル流入側端末部の周縁の少なくとも一部に沿って形成された端末フレームとを備え、
前記端末フレームは、一側が開放されたコ字状に形成されており、
前記ユニット本体のオイル流入側端末部には、前記ストレーナ本体内部通路の前記フィルタのオイル流出側に対応する部分を遮る端末縦壁が設けられ、前記端末フレームは前記端末縦壁の周縁の一部に沿って形成されており、
前記ユニット本体の側面部と前記端末フレームの外周部とは、前記フィルタユニットを前記ストレーナ本体内に挿入した際に、前記ストレーナ本体の内周部にガイドされてがたつき無く収容されるように、形状および寸法が設定されており、
前記端末フレームと前記ストレーナ本体の間に、前記フィルタユニットの脱落を防止する脱落防止手段が設けられ、該脱落防止手段は、前記端末フレームの両側部にそれぞれ設けられた外方に突出する爪部と、前記ストレーナ本体の内周部に形成され、前記爪部がそれぞれ嵌合する嵌合穴と、で構成されている、
ことを特徴とするオイルストレーナ。
【請求項2】
前記端末縦壁の少なくとも一部をフィルタで構成した、ことを特徴とする請求項1に記載のオイルストレーナ。
【請求項3】
前記端末フレームの各爪部に対応する部位の内面どうしを連結する連結壁部が設けられている、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のオイルストレーナ。
【請求項4】
略管状で一体物のストレーナ本体の内部にフィルタユニットが挿入して配設されるオイルストレーナであって、
前記フィルタユニットは、略平面状のフィルタを有するユニット本体と、該ユニット本体のオイル流入側端末部の周縁の少なくとも一部に沿って形成された端末フレームとを備え、
前記フィルタは、当該フィルタの外周を支持するための枠状のフィルタフレームに対して所定角度だけ傾斜して配置され、前記フィルタの周縁部と前記フィルタフレームとの間は連続したフィルタ側壁によって遮蔽され連結されており、
前記端末フレームは、前記フィルタの上流端部の周縁と、そこから立ち下がる左右の前記フィルタ側壁の上流端部の周縁に沿って、前記フィルタの上流端部の反対側が開放されたコ字状に形成され、
前記ユニット本体の側面部と前記端末フレームの外周部とは、前記フィルタユニットを前記ストレーナ本体内に挿入した際に、前記ストレーナ本体の内周部にガイドされてがたつき無く収容されるように、形状および寸法が設定されており、
前記端末フレームと前記ストレーナ本体の間に、前記フィルタユニットの脱落を防止する脱落防止手段が設けられ、該脱落防止手段は、前記端末フレームの両側部にそれぞれ設けられた外方に突出する爪部と、前記ストレーナ本体の内周部に形成され、前記爪部がそれぞれ嵌合する嵌合穴と、で構成されている、
ことを特徴とするオイルストレーナ。
【請求項5】
前記ユニット本体の両側部に長手方向へ延びるリブが形成されると共に、前記ストレーナ本体の内周部の前記ユニット本体に対応する部位には、前記リブを係合させる長手方向に沿った係合溝部が設けられており、前記フィルタユニットが前記ストレーナ本体内に挿入される際には、前記ユニット本体の両側部のリブがそれぞれ前記係合溝部内に係合して挿入される、ことを特徴とする請求項1から4の何れかに記載のオイルストレーナ。
【請求項1】
略管状で一体物のストレーナ本体の内部にフィルタユニットが挿入して配設されるオイルストレーナであって、
前記フィルタユニットは、略平面状のフィルタを有し全体形状が略板状のユニット本体と、該ユニット本体のオイル流入側端末部の周縁の少なくとも一部に沿って形成された端末フレームとを備え、
前記端末フレームは、一側が開放されたコ字状に形成されており、
前記ユニット本体のオイル流入側端末部には、前記ストレーナ本体内部通路の前記フィルタのオイル流出側に対応する部分を遮る端末縦壁が設けられ、前記端末フレームは前記端末縦壁の周縁の一部に沿って形成されており、
前記ユニット本体の側面部と前記端末フレームの外周部とは、前記フィルタユニットを前記ストレーナ本体内に挿入した際に、前記ストレーナ本体の内周部にガイドされてがたつき無く収容されるように、形状および寸法が設定されており、
前記端末フレームと前記ストレーナ本体の間に、前記フィルタユニットの脱落を防止する脱落防止手段が設けられ、該脱落防止手段は、前記端末フレームの両側部にそれぞれ設けられた外方に突出する爪部と、前記ストレーナ本体の内周部に形成され、前記爪部がそれぞれ嵌合する嵌合穴と、で構成されている、
ことを特徴とするオイルストレーナ。
【請求項2】
前記端末縦壁の少なくとも一部をフィルタで構成した、ことを特徴とする請求項1に記載のオイルストレーナ。
【請求項3】
前記端末フレームの各爪部に対応する部位の内面どうしを連結する連結壁部が設けられている、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のオイルストレーナ。
【請求項4】
略管状で一体物のストレーナ本体の内部にフィルタユニットが挿入して配設されるオイルストレーナであって、
前記フィルタユニットは、略平面状のフィルタを有するユニット本体と、該ユニット本体のオイル流入側端末部の周縁の少なくとも一部に沿って形成された端末フレームとを備え、
前記フィルタは、当該フィルタの外周を支持するための枠状のフィルタフレームに対して所定角度だけ傾斜して配置され、前記フィルタの周縁部と前記フィルタフレームとの間は連続したフィルタ側壁によって遮蔽され連結されており、
前記端末フレームは、前記フィルタの上流端部の周縁と、そこから立ち下がる左右の前記フィルタ側壁の上流端部の周縁に沿って、前記フィルタの上流端部の反対側が開放されたコ字状に形成され、
前記ユニット本体の側面部と前記端末フレームの外周部とは、前記フィルタユニットを前記ストレーナ本体内に挿入した際に、前記ストレーナ本体の内周部にガイドされてがたつき無く収容されるように、形状および寸法が設定されており、
前記端末フレームと前記ストレーナ本体の間に、前記フィルタユニットの脱落を防止する脱落防止手段が設けられ、該脱落防止手段は、前記端末フレームの両側部にそれぞれ設けられた外方に突出する爪部と、前記ストレーナ本体の内周部に形成され、前記爪部がそれぞれ嵌合する嵌合穴と、で構成されている、
ことを特徴とするオイルストレーナ。
【請求項5】
前記ユニット本体の両側部に長手方向へ延びるリブが形成されると共に、前記ストレーナ本体の内周部の前記ユニット本体に対応する部位には、前記リブを係合させる長手方向に沿った係合溝部が設けられており、前記フィルタユニットが前記ストレーナ本体内に挿入される際には、前記ユニット本体の両側部のリブがそれぞれ前記係合溝部内に係合して挿入される、ことを特徴とする請求項1から4の何れかに記載のオイルストレーナ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−50983(P2012−50983A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−230878(P2011−230878)
【出願日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【分割の表示】特願2007−164712(P2007−164712)の分割
【原出願日】平成19年6月22日(2007.6.22)
【出願人】(390026538)ダイキョーニシカワ株式会社 (492)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【分割の表示】特願2007−164712(P2007−164712)の分割
【原出願日】平成19年6月22日(2007.6.22)
【出願人】(390026538)ダイキョーニシカワ株式会社 (492)
【Fターム(参考)】
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