説明

オキシトシン受容体アゴニスト

本発明は、オキシトシン受容体アゴニスト化合物、それを含む医薬組成物、そのような化合物の、とりわけ、腹痛、過敏性腸症候群(IBS)、自閉症、勃起機能不全、女性の性的機能不全、陣痛誘発および維持、泌乳誘発および維持、分娩後出血、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、疼痛、不安ならびに他の状態の治療用薬剤の製造のための使用、加えて、そのような化合物が投与される、そのような状態の治療方法に関する。この化合物は、明細書においてさらに定義される通り、一般式(I)によって表される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オキシトシン受容体アゴニスト化合物、それを含む医薬組成物、そのような化合物の、とりわけ、腹痛、過敏性腸症候群(IBS)、自閉症、勃起機能不全、女性の性的機能不全、陣痛誘発および維持、泌乳誘発および維持、分娩後出血、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、疼痛、不安ならびに他の状態の治療用薬剤の製造のための使用、加えて、そのような化合物が投与される、そのような状態の治療方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ペプチド性オキシトシン受容体アゴニストは、天然ホルモンオキシトシンおよびカルベトシンを含む。
【0003】
【化1】

【0004】
オキシトシンは、陣痛を誘発するために臨床的に使用される強力な子宮収縮剤であり、泌乳の開始および維持を強化することが示されている(Gimplら、Physiol.Rev.、81、(2001)、629〜683;Ruisら、BMJ、283、(1981)、340〜342)。カルベトシン(1−デアミノ−1−カルバ−2−チロシン(O−メチル)−オキシトシン)も、子宮弛緩および出血多量の制御のために臨床的に使用される強力な子宮収縮剤である。さらなる研究は、オキシトシンアゴニストが、腹痛および腰痛(back pain)を含む炎症および疼痛(Yang、Spine、19、(1994)、867〜71);男性(Lidbergら、Pharmakopsychiat.、10、(1977)、21〜25)および女性(Anderson−Huntら、BMJ、309(1994)、929)両方の性的機能不全;過敏性腸症候群(IBS;Louvelら、Gut、39、(1996)、741〜47)、便秘および胃腸管閉塞(Ohlssonら、Neurogastroenterol.Motil.、17、(2005)、697〜704);自閉症(Hollanderら、Neuropsychopharm.、28、(2008)、193〜98)、ストレス(心的外傷後ストレス障害、PTSDを含む;Pitmanら、Psychiatry Research、48、107〜117)、不安(不安障害を含む)および鬱病(Kirschら、J.Neurosci.、25(49)、11489〜93;Waldherrら、PNAS、104、(2007)、16681〜84);外科失血、分娩後出血の制御(Fujimotoら、Acta Obstet.Gynecol.、85、(2006)、1310〜14)、陣痛誘発および維持(Flammら、Obstet.Gynecol.、70、(1987)709〜12)、創傷治癒および感染;乳腺炎および胎盤娩出;ならびに骨粗しょう症の治療に有用であることを示唆している。加えて、オキシトシンアゴニストは、がんおよび胎盤機能不全の両方の診断に有用であり得る。
【0005】
ヒトオキシトシン受容体において十分な効力を持つ化合物を同定および開発するための取り組みが続けられている。オキシトシンの類似体が合成されている。そのような類似体は、Grzonkaら、J.Med.Chem.、26、(1983)、555〜559およびJ.Med.Chem.、26、(1983)、1786〜1787において、ならびにEngstromら、E.J.Pharmacol.、355、(1998)、203〜210において記載されている。加えて、オキシトシン受容体におけるアンタゴニスト活性を持つオキシトシン類似体が、Fragiadakiら、E.J.Med.Chem.、(2007)、799〜806において記載されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、強力な長時間作用性化合物を提供することができ、例えば、腹痛、過敏性腸症候群(IBS)、自閉症、勃起機能不全、女性の性的機能不全、陣痛誘発および維持、泌乳誘発および維持、分娩後出血、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、疼痛、不安、外科失血、がん診断、便秘、鬱病、不眠症、乳腺炎、OB診断(胎盤機能不全について)、骨粗しょう症、胎盤娩出、ならびに創傷治癒/炎症の治療において実行可能な代替案および/または改善を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明は、構造式(I)によって表される化合物:
【0008】
【化2】

または薬学的に許容されるその塩
[式中、
WおよびXは、CH2およびSから独立に選択されるが、両方ともCH2であることはなく、
Aは、側鎖が5または6員の芳香族複素環で置換されているアラニン;チロシン;および、フェニル環が、例えばフェニル環の4位において、ハロゲン、C14アルコキシ、C14アルキルヒドロキシ、C14アルキルまたはアミノで置換されているフェニルアラニンから選択されるアミノ酸であり、
Bは、イソロイシン;およびα−炭素がC46シクロアルキルで置換されているグリシンから選択されるアミノ酸であり、
Cは、例えば側鎖の4位において、ヒドロキシル、C14アルコキシ、ハロゲンまたはアジドで置換されていてもよいプロリン;および側鎖がヘテロ原子によって中断されて(interrupted)いてもよく、この中断されていてもよい側鎖がC14アルキルで置換されていてもよいプロリンから選択されるアミノ酸であり、
Dは、ロイシン;ホモロイシン;イソロイシン;およびα−炭素がC46シクロアルキルで置換されているグリシンから選択されるアミノ酸であり、
Eは、グリシンおよびアザグリシンから選択されるアミノ酸であり、
但し、Cが4−ヒドロキシプロリンである場合には、Aは、フェニル環がハロゲンで置換されているフェニルアラニン、またはC14アルキルヒドロキシのいずれかでなければならず、Cが4−ヒドロキシプロリンでありかつAがフェニル環がハロゲンで置換されているフェニルアラニンである場合には、BまたはDのいずれかは、α−炭素がC46シクロアルキルで置換されているグリシンでなければならないか、あるいはDはイソロイシンでなければならないことを条件とし、
さらに、Aが、フェニル環がC14アルキルまたはハロゲンで置換されているフェニルアラニンである場合には、Cは、プロリン、または側鎖がハロゲンで置換されているプロリンでなければならないことを条件とし、
さらに、Aが、フェニル環がハロゲンで置換されているフェニルアラニンである場合には、BまたはDのいずれかは、α−炭素がC46シクロアルキルで置換されているグリシンでなければならないか、あるいはDはイソロイシンでなければならないことを条件とする]
に関する。
【0009】
上記の式Iによって表されるさらなる化合物[式中、Aは、4−ハロフェニルアラニン、例えばCpa(4−クロロフェニルアラニン);4−ブロモフェニルアラニンである、あるいは、式中、Aは、側鎖が5または6員の芳香族複素環で置換されているアラニン、例えば、Ala(2−Fur)(2−フリルアラニン)、Ala(3−Fur)(3−フリルアラニン);2−Thi(2−チエニルアラニン);3−Thi(3−チエニルアラニン);2−または3−ピロリルアラニン;2−、3−または4−ピリジルアラニン;2−、4−または5−イミダゾリルアラニン;2−、4−または5−チアゾリルアラニン;2−または5−チアジアゾリル;5−テトラゾリル等である]が、本発明において提供される。上記の式Iによって表されるさらなる化合物[式中、Aはチロシンであるか、あるいはAは、フェニル環の4位においてC14アルコキシ基またはアミノ基で置換されているフェニルアラニン、例えば、Tyr(Me)(4−メトキシフェニルアラニン);4−エトキシフェニルアラニン;Aph(4−アミノフェニルアラニン);4−N,N−ジメチルアミノフェニルアラニン等である]もまた本発明において提供される。上記の式Iによって表されるさらなる化合物[式中、Aは、フェニル環の4位においてC14アルキルヒドロキシル、C14アルキルまたはハロで置換されているフェニルアラニン、例えば、Phe(4−Et)(4−エチルフェニルアラニン);4−メチルフェニルアラニン;Phe(4−CH2OH)(4−ヒドロキシメチルフェニルアラニン);4−ヒドロキシエチルフェニルアラニン;Phe(Br)(4−ブロモフェニルアラニン);4−クロロフェニルアラニン;4−フルオロフェニルアラニン等である]もまた本発明において提供される。
【0010】
上記の式Iによって表されるさらなる化合物[式中、Bはイソロイシンであるか、または、Gly(cPe)(シクロペンチルグリシン)、Gly(cBu)(シクロブチルグリシン)、シクロヘキシルグリシン等、C46シクロアルキルで置換されているグリシンである]が、本発明において提供される。
【0011】
上記の式Iによって表されるさらなる化合物[式中、Cは、プロリン環の4位においてヒドロキシ、C14アルコキシ、ハロまたはアジド基で置換されていてもよいプロリン、例えば、Hyp(4−ヒドロキシプロリン);Hyp(Me)(4−メトキシプロリン);Pro(F)(4−フルオロプロリン);Pro(N3)(4−アジドプロリン)等である]が、本発明において提供される。上記の式Iによって表されるさらなる化合物[式中、Bは、プロリン環においてヘテロ原子で中断され、かつプロリン環をC14アルキルで置換されていてもよいプロリン、例えば、Thz(4−チアプロリン)またはDmt(5,5−ジメチルチアプロリン)等である]もまた、本発明において提供される。
【0012】
上記の式Iによって表されるさらなる化合物[式中、Dは、ロイシン、Hol(ホモロイシン)、イソロイシン、および、Gly(cPe)(シクロペンチルグリシン)、Gly(cBu)(シクロブチルグリシン)、シクロヘキシルグリシン等、C46シクロアルキルで置換されているグリシンである]が、本発明において提供される。
【0013】
上記の式Iによって表されるさらなる化合物[式中、EはグリシンまたはAzGly(アザグリシン)である]が、本発明において提供される。
【0014】
医薬品としての使用のための、一般構造式Iによって上記で記載した化合物およびその特定の構造変異体もまた、本発明において提供される。活性成分としての治療有効量の少なくとも1種の上記で記載した化合物を、少なくとも1種の薬学的に許容されるアジュバント、賦形剤または担体と併せて含む医薬組成物もまた、本発明において提供される。
【0015】
本発明の目的のために、下記の術語が使用される。
【0016】
14アルキルは、該表現が、問題となっているアルキル鎖の結合部位ともその構造異性体とも関係していない場合、iso−、sec−およびtert−立体配置を含む1から4個までの炭素原子を有する置換基を意味する。
【0017】
46シクロアルキルは、4から6個までの炭素原子を含有する炭素環系を意味する。該環系は、炭素原子間に不飽和結合を含有してもよく、例えば、シクロヘキセニル、シクロペンテニル、シクロヘキサジエニル等を含み得る。
【0018】
5員の芳香族複素環系は、5個の環原子を有する単環式芳香族環系であり、ここで、1、2、3または4個の環原子は、N、OおよびSから独立に選択される。そのような環系は、例えば、チエニル、フリル、イミダゾリル、ピロリル、ピラゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、テトラゾリル等であり得る。
【0019】
6員の芳香族複素環系は、6個の環原子を有する単環式芳香族環系であり、ここで、1、2、3または4個の環原子は、N、OおよびSから独立に選択される。そのような環系は、例えば、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル等であり得る。
【0020】
置換基部分は、例えば、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素)原子、およびアルキル、シクロアルキル、ヒドロキシ(−OH)、アルコキシ(−O−アルキル)、アルキルチオ(−S−アルキル)、アルキルヒドロキシ(−アルキル−OH)、アジド(N3)、アミノ(−NR12、ここで、R1およびR2は、独立に、水素またはC14アルキルであってよい)、または5もしくは6員の複素環式芳香族基であってよい。
【0021】
薬学的に許容される塩の例は、酸付加塩、例えば、塩酸等のヒドロハロゲン酸、ならびに硫酸、リン酸および硝酸等の鉱酸、ならびに、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、アスコルビン酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、ピルビン酸、p−ヒドロキシ安息香酸、エンボン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ヒドロキシエタンスルホン酸、ハロベンゼンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トルエンスルホン酸およびナフタレンスルホン酸等の、脂肪族、脂環式、芳香族または複素環式のスルホン酸またはカルボン酸との反応によって形成される塩を含む。
【0022】
特に、本明細書は、以下に開示するもの等の特に例示される化合物に関するが、これらに限定されない。
【0023】
【化3−1】

【化3−2】

【化3−3】

または薬学的に許容されるその塩。
【0024】
さらに、本発明は、医薬品としての使用のための上記で説明した化合物に関する。
【0025】
したがって、本発明は、活性成分としての上記で説明した化合物を、薬学的に許容されるアジュバント、賦形剤または担体と併せて含む医薬組成物にも関する。
【0026】
医薬組成物は、経口、静脈内、筋肉内、局所、腹腔内、経鼻、口腔内、眼内、耳内、舌下もしくは皮下投与用に、または、例えば、エアゾールもしくは空気懸濁微粉末の形態で、気道を介する投与用に適合され得る。故に、該組成物は、例えば、錠剤、カプセル剤、散剤、微粒子剤、顆粒剤、シロップ剤、懸濁剤、液剤、経皮パッチ剤または坐剤の形態であってよい。
【0027】
本発明による組成物は、上記で概説した化合物の2つ以上を含んでもよいことに留意すべきである。
【0028】
本医薬組成物は、例えば、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、香味剤、保存剤、着色剤およびそれらの任意の混合物から選択される少なくとも1種のさらなる添加物を含んでもよい。そのようなおよび他の添加物の例は、「Handbook of Pharmaceutical Excipients」;A.H.Kibbe編、第3版、American Pharmaceutical Association、USAおよびPharmaceutical Press UK、2000において見られる。
【0029】
本医薬組成物は、例えば、皮下、静脈内または筋肉内投与用に適合され得る。該組成物は、好ましくはレシピエントの血液と等張の、本発明の化合物の滅菌水性調製物を含み得る。この水性調製物は、適切な分散剤または浸潤剤および懸濁化剤を使用し、公知の方法に従って製剤化され得る。静脈内製剤DURATOCIN(登録商標)(カルベトシン)は、本明細書において開示される発明化合物にも適用可能である適切な医薬製剤の例示である。水、リンゲル液および等張塩化ナトリウム溶液は、例示的な許容される賦形剤である。調製物は、リン酸ナトリウム、クエン酸、塩化ナトリウム、グリセリン、ソルビトール溶液、メチルパラベン、プロピルパラベンおよびクロロブタノール等の添加剤も含み得る。
【0030】
加えて、本発明は、腹痛、過敏性腸症候群(IBS)、自閉症、勃起機能不全、女性の性的機能不全、陣痛誘発および維持、泌乳誘発および維持、分娩後出血、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、疼痛、不安、外科失血、がん診断、便秘、鬱病、不眠症、乳腺炎、OB診断(胎盤機能不全について)、骨粗しょう症、胎盤娩出、ならびに創傷治癒/炎症等の1つまたは複数の医学的状態の治療のための、またはその治療用薬剤の製造のための、上記で概説した化合物の使用に関する。本明細書において、不安という用語は不安障害を含む。不安障害は、副次的適応症(sub indication)である全般性不安障害、パニック障害、広場恐怖、恐怖症、社会不安障害、強迫神経障害、心的外傷後ストレス障害、および分離不安を含む。
【0031】
別の実施形態において、本発明は、腹痛、過敏性腸症候群(IBS)、自閉症、勃起機能不全、女性の性的機能不全、陣痛誘発および維持、泌乳誘発および維持、分娩後出血、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、疼痛、不安、外科失血、がん診断、便秘、鬱病、不眠症、乳腺炎、OB診断(胎盤機能不全について)、骨粗しょう症、胎盤娩出、ならびに創傷治癒/炎症の治療方法に関する。
【0032】
本発明による化合物の典型的な投薬量は、広範囲内で変動し、各患者の個々のニーズおよび投与経路等の種々の要因によって決まることになる。当技術分野において通常の技術を有する医師であれば、目の前の状況に合わせて投薬量を最適化することができよう。
【0033】
例えば、本発明の組成物が分娩後出血用(例えば、静脈内または筋肉内投与用)のものであれば、典型的な用量は、体重1kg当たり0.5から200μgの範囲内とすることができる。当業者または医師は、目の前の状況に適応させるために、この投薬量範囲および実用的な実施に関係する変形形態を考慮することができる。
【0034】
さらなる例において、本発明の組成物は、例えば、過敏性腸症候群、泌乳促進および維持、または性的機能不全の治療のために、鼻腔内剤形として投与され得る。この例において、該組成物は、例えば1、2または3回分の小用量(例えばパフ(puffs))に分割した投薬量で投与されてもよく、例えば、一方または両方の鼻孔に到達されてもよい。鼻腔内経路による投与の投薬量例は、体重1kg当たり0.05〜15.0μgとすることができる。
【0035】
さらなる例において、本発明の組成物は、例えば不安障害または鬱病を治療するための、皮下(sc)、鼻腔内または口腔内投与用のものであってよい。皮下(sc)または口腔内投与の投薬量例は、体重1kg当たり0.5〜1000μgである。投薬量は、例えば、必要に応じて日に何度でも、例えば1日1回または2回投与するためのものであってよい。
【0036】
使用される略号は、
AcOH 酢酸
Boc tert−ブトキシカルボニル
Bua 酪酸
CH3CN アセトニトリル
DCC N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド
DCM ジクロロメタン
DIC N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド
DIPEA N,N−ジイソプロピルエチルアミン
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
Fmoc 9−フルオレニルメトキシカルボニル
h 時間(複数可)
HBTU O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート
HOBt 1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
MeOH メタノール
NMM 4−メチルモルホリン
PyBOP ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリスピロリジンホスホニウムヘキサフルオロホスフェート
tBu tert−ブチル
tBuOH tert−ブチルアルコール
TFA トリフルオロ酢酸
TIS トリイソプロピルシラン
Trt トリチル[トリフェニルメチル、(C653C−]
である。
【0037】
別段の指定がない限り、L−アミノ酸を使用し、従来のアミノ酸用語に準拠している。
【0038】
実験(合成)
アミノ酸誘導体および樹脂(resin)は、商業的供給業者(Bachem、BioQuadrant、ChemImpex、Novabiochem、Peptides International、RSP Amino AcidsおよびSynthetech)から購入した。Fmoc−Cys(t−ブトキシカルボニルプロピル)−OHおよびFmoc−Hcy(t−ブトキシカルボニルエチル)−OHは、文献[Prochazkaら、Collect.Czech.Chem.Commun.、57、(1992)、1335、およびWisniewskiら、WO03/072597]に従って合成した。他の化学物質および溶媒は、Sigma−Aldrich、FlukaおよびAcros Organicsから提供された。
【0039】
本明細書における化合物は、Fmoc方法論を利用する固相ペプチド化学において、標準的な方法により合成した。Fmoc保護アミノ酸のカップリングはすべて、DIC/HOBt/DMFで媒介した。Fmoc基の除去は、DMF中20%のピペリジンで実施した。
【0040】
別段の定めがない限り、反応はすべて室温で実施した。上で引用した参考文献に加えて、下記の標準的な参考文献が、一般的な実験設定について、ならびに必要とされる出発材料および試薬の有用性について、さらなるガイダンスを提供する。
KatesおよびAlbericio編、「Solid Phase Synthesis:A Practical Guide」、Marcel Dekker、New York、Basel、2000;
StewartおよびYoung、「Solid Phase Synthesis」、Pierce Chemical Company、1984;
Biselloら、J.Biol.Chem.、(1998)、273、22498〜22505;ならびに
Merrifield、J.Am.Chem.Soc.(1963)、85、2149〜2154。
【0041】
合成されたペプチドの純度は、分析用逆相HPLCによって決定できる。該ペプチドの構造的完全性(structural integrity)は、アミノ酸分析およびエレクトロスプレー質量分析を使用して確認できる。
【0042】
別段の指定がない限り、アミノ酸カップリングはすべてFmoc方法論に従った。
【0043】
6位に導入されたアミノ酸誘導体は、Fmoc−Cys(Trt)−OH;Fmoc−Hcy(t−ブトキシカルボニルエチル)−OHまたはFmoc−Cys(t−ブトキシカルボニルプロピル)−OHの1つであった。6位がFmoc−Cys(Trt)−OHであるペプチド類似体は、Mpa(Trt)−OHと樹脂に結合したオクタペプチド残基のN末端とのカップリングを必要とした。
【0044】
リンクアミド樹脂支持体を使用して合成したペプチドを、Boc、トリチルおよびt−ブチル等の酸に不安定な保護基と一緒に、TFA/TIS/H2O 95/2.5/2.5(v/v/v)溶液で樹脂から切断した。樹脂からの切断後、前記ペプチドを環化した。
【0045】
ジスルフィド(環)形成を経由する直鎖状ノナペプチドの環化は、10%TFA(水溶液)に溶解した直鎖状ペプチドの、ヨウ素での酸化によって実現した。アミド結合形成を経由する直鎖状ノナペプチドの環化は、高希釈のHBTU/DIPEA/DMFまたはPyBOP/DIPEA/DMFでの媒介によって実現した。
【0046】
トリエチルアンモニウムリン酸緩衝液(水溶液)中での分取HPLCによってペプチドを精製し、酢酸(水溶液)/アセトニトリル緩衝系で脱塩した。97%を超える純度を持つ画分をプールし、凍結乾燥させた。
【0047】
すべての合成において、分析用HPLCは、Vydac C18、5μm、4.6×250mmカラムを使用するwaters600液体クロマトグラフにおいて、2ml/分の流速で実施した。分取HPLCは、プレパック47×300mmカートリッジを使用するWaters2000液体クロマトグラフにおいて、100ml/分の流速で実施した。最終化合物分析は、Vydac C18、5μm、2.1×250mmカラムを使用する1100Agilent液体クロマトグラフにおいて、0.3ml/分の流速で実施した。質量スペクトルは、Finnigan MAT分光計で記録した。
【0048】
合成をさらに例証するために、下記の詳細な例が提供される。
【0049】
化合物7;カルバ−1−[Cpa2,Pro(4−F)7]dOTの調製:
使用したアミノ酸誘導体は、Fmoc−Gly−OH、Fmoc−Leu−OH、Fmoc−Pro(4−F)−OH(BioQuadrant)、Fmoc−Cys(t−ブトキシカルボニルプロピル)−OH、Fmoc−Asn(Trt)−OH、Fmoc−Gln(Trt)−OH、Fmoc−Ile−OHおよびBoc−Cpa−OH(Synthetech)であった。製造業者が明記されていない誘導体は、Peptide Internationalから入手したものである。Fmoc−Cys(t−ブトキシカルボニルプロピル)−OHを上記の通りに合成した。
【0050】
完全に保護されたペプチド樹脂は、0.5g(0.125mmol)のテンタゲルリンクアミド樹脂(Peptide International)から出発し、手作業により合成した。3倍過剰のアミノ酸誘導体とのDIC/HOBt/DMFに媒介される単一カップリングを実施した。Fmoc基をDMF中20%のピペリジンで除去した。固相合成が完了したら、樹脂をTFA/TIS/H2O 96/2.5/1.5(v/v/v)溶液(30ml)で1.5時間処理し、濾過除去した。濾液を真空濃縮し、粗製の直鎖状ペプチドをジエチルエーテルで沈殿させた。沈殿物をDMF(150ml)に溶解し、DIPEA(0.174ml)およびHBTU(50mg)を、激しく撹拌した溶液に添加した。反応を分析用HPLCによってモニターした。反応溶液を真空濃縮し、残渣をAcOH/CH3CN/H2Oに溶解した。混合物をHPLCカラムに注入し(loaded onto)、pH5.2のトリエチルアンモニウムリン酸緩衝液を使用して精製した。化合物をアセトニトリルの勾配で溶出した。97%を超える純度を持つ画分をプールし、水(2倍量)で希釈し、2%AcOH(水溶液)で予め平衡させたカラムに注入した。所望の化合物をCH3CNの高速(3%/分)勾配で溶出した。所望の生成物を含有する画分をプールし、凍結乾燥させた。57.9mg(約40%収率;出発樹脂の注入量(loading)に基づく、およびペプチド含有量85%と推定)の白色非晶質粉末が得られた。HPLC:Rt=12.4分、勾配:0.5分間5%B、0.5分以内5→40%B、20分にわたって40→60%B、および5分間100%B、t=40℃、溶媒A 0.01%TFA(水溶液)、溶媒B 70%CH3CN、0.01%TFA(水溶液);純度:99.6%;MS(M+H+):予測値1010.4、観測値1010.5。
【0051】
化合物12;カルバ−6−[Cpa2,Hyp7,Gly(cPe)8]dOTの調製:
使用したアミノ酸誘導体は、Fmoc−Gly−OH、Fmoc−Gly(cPe)−OH、Fmoc−Hyp(tBu)−OH(Novabiochem)、Fmoc−Hcy(t−ブトキシカルボニルエチル)−OH、Fmoc−Asn(Trt)−OH、Fmoc−Gln(Trt)−OH、Fmoc−Ile−OHおよびBoc−Cpa−OH(Synthetech)であった。製造業者が明記されていない誘導体は、Peptide Internationalから入手した。Fmoc−Hcy(t−ブトキシカルボニルエチル)−OHは上記の通りに合成した。
【0052】
完全に保護されたペプチド樹脂は、0.2gのテンタゲルリンク樹脂(0.05mmol、Peptide International)から出発し、手作業により合成した。3倍過剰のアミノ酸誘導体とのDIC/HOBt/DMFに媒介される単一カップリングを実施した。Fmoc基をDMF中20%のピペリジンで除去した。固相合成が完了したら、樹脂をTFA/TIS/H2O 96/2.5/1.5(v/v/v)溶液(20ml)で1.5時間処理し、濾過除去した。濾液を真空濃縮し、粗製の直鎖状ペプチドをジエチルエーテルで沈殿させた。沈殿物をDMF(100ml)に溶解し、DIPEA(0.07ml)およびHBTU(20mg)を、激しく撹拌した溶液に添加した。反応を分析用HPLCによってモニターした。反応溶液を真空濃縮し、残渣をAcOH/CH3CN/H2Oに溶解した。混合物をHPLCカラムに注入し、pH5.2のトリエチルアンモニウムリン酸緩衝液を使用して精製した。化合物をアセトニトリルの勾配で溶出した。97%を超える純度を持つ画分をプールし、水(2倍量)で希釈し、2%AcOH(水溶液)で予め平衡させたカラムに注入した。所望の化合物を高速(3%/分)勾配で溶出した。所望の生成物を含有する画分をプールし、凍結乾燥させた。
【0053】
40.0mg(約66%収率;出発樹脂の注入量に基づく、およびペプチド含有量85%と推定)の白色非晶質粉末が得られた。HPLC:Rt=10.8分、勾配:0.5分間5%B、0.5分以内5→40%B、20分にわたって40→60%B、および5分間100%B、t=40℃、溶媒A 0.01%TFA(水溶液)、溶媒B 70%CH3CN、0.01%TFA(水溶液);純度:100.0%;MS(M+H+):予測値1020.5、観測値1020.1。
【0054】
化合物20;[AzGly9]dOTの調製:
化合物は、完全に保護されたN末端ヘプタペプチドカルボン酸およびC末端ジペプチドH−Leu−AzGly−NH2のフラグメント縮合によって得られた。使用したアミノ酸誘導体は、ヘプタペプチドにはFmoc−Cys(Trt)−OH、Fmoc−Asn(Trt)−OH、Fmoc−Gln(Trt)−OH、Fmoc−Ile−OH、Fmoc−Tyr(tBu)−OHおよびMpa(Trt)−OH(Peptides International)、ならびにC末端ジペプチドにはBoc−Leu−OH(Bachem)であった。製造業者が明記されていない誘導体は、Peptide Internationalから入手した。
【0055】
完全に保護されたヘプタペプチド樹脂は、1.5g(0.9mmol)のH−Pro−2−ClTrt樹脂(Novabiochem)から出発し、手作業により合成した。3倍過剰のアミノ酸誘導体とのDIC/HOBt/DMFに媒介される単一カップリングを実施した。Fmoc基をDMF中20%のピペリジンで除去した。保護された(1〜7)ペプチドを、30%HFIP/DCM(60ml)で1.5時間、樹脂から切断した。溶媒を蒸発させ、生成物をジエチルエーテルで沈殿させ、それ以上精製することなくその後のフラグメント縮合において使用した。C末端ジペプチドは、Boc−Leu−OHの、DCC/DCM/DIPEAによって媒介されるセミカルバジド(H2N−NH−CO−NH2・HCl、Aldrich)とのカップリングにより、Boc−Leu−AzGly−NH2として合成した。ジペプチド(0.46g)を、TFA/DCM(40ml)で1時間処理した。溶媒を蒸発させ、残渣をDMF(5ml)に溶解した。次いで、DMF(10ml)中のヘプタペプチド(1.67g)の溶液、続いてDIPEA(3ml)およびPyBOP(0.546g)を添加した。1時間後、溶媒を蒸発させ、残渣をTIS/TFA 98/2(v/v)カクテル(50ml)で1時間処理した。反応混合物を真空濃縮し、粗製の直鎖状ペプチドをジエチルエーテルで沈殿させた。沈殿物を未希釈のTFA(50ml)に溶解し、磁気撹拌した5%アセトニトリル水溶液(500ml)に注ぎ、メタノール中0.1MのI2を黄色が持続するまで添加することによってペプチドを酸化させた。過剰のヨウ素を固体アスコルビン酸(Sigma−Aldrich)で還元し、濃アンモニア(水溶液)を添加することによって溶液のpHを約4に調整した。混合物をHPLCカラムに注入し、pH5.2のトリエチルアンモニウムリン酸緩衝液を使用して精製した。化合物をアセトニトリルの勾配で溶出した。97%を超える純度を持つ画分をプールし、水(2倍量)で希釈し、2%AcOH(水溶液)で予め平衡させたカラムに注入した。所望の化合物をアセトニトリルの高速(3%/分)勾配で溶出した。所望の生成物を含有する画分をプールし、凍結乾燥させた。411.9mg(約39%収率;使用したN末端ヘプタペプチドの量に基づき、およびペプチド含有量85%と推定)の白色非晶質粉末が得られた。HPLC:Rt=17.3分、勾配:1分以内0→20%B、20分にわたって20→40%B、および5分間100%B、t=40℃、溶媒A 0.01%TFA(水溶液)、溶媒B 70%CH3CN、0.01%TFA(水溶液);純度:100.0%;MS(M+H+):予測値993.4、観測値993.2。
【0056】
他の化合物は、これらの合成手順の類似の変形形態によって調製した。
【0057】
【表1−1】

【表1−2】

【0058】
実験(生物学的試験)
インビトロ受容体アッセイ:
hOT受容体に対する例示化合物のアゴニスト活性は、蛍ルシフェラーゼの発現を調節する細胞内カルシウム応答性プロモーター要素を含有するレポーターDNAとともに、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞株にhOT受容体発現DNAを一過性にトランスフェクトすること、またはhOT受容体を安定発現しているCHO細胞株に同じレポーターDNA構成をトランスフェクトすることのいずれかによる、転写レポーター遺伝子アッセイにおいて決定した。このアッセイについてのさらなるガイダンスは、例えば、Bossら、J.Biol.Chem.、(1996)、271(18)、10429〜10432を参照されたい。細胞を、用量当たり10倍に希釈した化合物の連続希釈物に5時間暴露し、続いて、細胞の溶解、ルシフェラーゼ活性の決定、ならびに非線形回帰により化合物の効能およびEC50値の決定を行った。各実験において、カルベトシンを内部標準として使用した。データは、実施した個々のアッセイにおいて正規変動(normal variation)を示した。
【0059】
本明細書において具体的に記載されている化合物についてのインビトロアッセイ結果(ナノモル/l(nM)で表現される幾何平均としてのhOT効力を表すEC50値)は、約0.01nMから約3.90nMまで、例えば約0.01nMから約0.75nMまで、または、例えば約0.01nMから約0.50nMまで、または約0.01nMから約0.25nMまで、または約0.01nMから約0.10nMまでの範囲内であった。試験した各化合物は、これらのアッセイで、hOTにおいてカルベトシンよりも強力であった。
【0060】
前述の結果は、本明細書において開示される化合物が本発明の範囲内であり、例えば、腹痛、過敏性腸症候群(IBS)、自閉症、勃起機能不全、女性の性的機能不全、陣痛誘発および維持、泌乳誘発および維持、分娩後出血、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、疼痛、不安、外科失血、がん診断、便秘、鬱病、不眠症、乳腺炎、OB診断(胎盤機能不全について)、骨粗しょう症、胎盤娩出、ならびに創傷治癒/炎症を含む状態について、ヒトの安全かつ効果的な治療において有用となり得ることを示している。
【0061】
本発明の範囲を、下記の請求項においてさらに定義する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造式Iによって表される化合物:
【化1】

[式中、WおよびXは、CH2およびSから独立に選択されるが、両方ともCH2であることはなく、
Aは、側鎖が5または6員の芳香族複素環で置換されているアラニン;チロシン;およびフェニル環がハロゲン、C14アルコキシ、C14アルキルヒドロキシ、C14アルキルまたはアミノで置換されているフェニルアラニンから選択されるアミノ酸であり、
Bは、イソロイシン;およびα−炭素がC46シクロアルキルで置換されているグリシンから選択されるアミノ酸であり、
Cは、側鎖がヒドロキシル、C14アルコキシ、ハロゲンまたはアジドで置換されていてもよいプロリン、および側鎖がヘテロ原子によって中断されていてもよく、この中断されていてもよい側鎖がC14アルキルで置換されていてもよいプロリンから選択されるアミノ酸であり、
Dは、ロイシン;ホモロイシン;イソロイシン;およびα−炭素がC46シクロアルキルで置換されているグリシンから選択されるアミノ酸であり、
Eは、グリシンおよびアザグリシンから選択されるアミノ酸であり、
但し、Cが4−ヒドロキシプロリンである場合には、Aは、フェニル環がハロゲンで置換されているフェニルアラニン、またはC14アルキルヒドロキシのいずれかでなければならず、Cが4−ヒドロキシプロリンでありかつAがフェニル環がハロゲンで置換されているフェニルアラニンである場合には、BまたはDのいずれかは、α−炭素がC46シクロアルキルで置換されているグリシンでなければならないか、あるいはDはイソロイシンでなければならないことを条件とし、
さらに、Aが、フェニル環がC14アルキルまたはハロゲンで置換されているフェニルアラニンである場合には、Cは、プロリン、または側鎖がハロゲンで置換されているプロリンでなければならないことを条件とし、
さらに、Aが、フェニル環がハロゲンで置換されているフェニルアラニンである場合には、BまたはDのいずれかは、α−炭素がC46シクロアルキルで置換されているグリシンでなければならないか、あるいはDはイソロイシンでなければならないことを条件とする]。
【請求項2】
Aが4−ハロフェニルアラニンである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Aが、側鎖が5または6員の芳香族複素環で置換されているアラニンである、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
Aがチロシンである、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
Aが、4−メトキシで置換されているフェニルアラニンである、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
Aが、4−ヒドロキシメチルで置換されているフェニルアラニンである、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
Bがイソロイシンである、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
Bが、シクロブチルまたはシクロペンチルで置換されているグリシンである、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
Cが4−ヒドロキシプロリンである、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
Cが4−フルオロプロリンである、請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
Cがプロリンである、請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
Dがロイシンである、請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
Dがイソロイシンである、請求項1に記載の化合物。
【請求項14】
Dが、シクロブチルまたはシクロペンチルで置換されているグリシンである、請求項1に記載の化合物。
【請求項15】
Eがグリシンである、請求項1に記載の化合物。
【請求項16】
Eがアザグリシンである、請求項1に記載の化合物。
【請求項17】
【化2−1】

【化2−2】

【化2−3】

【化2−4】

からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項18】
医薬品としての使用のための、請求項1から17のいずれかに記載の化合物。
【請求項19】
活性成分としての治療有効量の請求項1から17のいずれかに記載の化合物を、薬学的に許容されるアジュバント、賦形剤または担体と併せて含む、医薬組成物。
【請求項20】
腹痛、過敏性腸症候群(IBS)、自閉症、勃起機能不全、女性の性的機能不全、陣痛誘発および維持、泌乳誘発および維持、分娩後出血、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、疼痛、不安、外科失血、がん診断、便秘、鬱病、不眠症、乳腺炎、OB診断(胎盤機能不全について)、骨粗しょう症、胎盤娩出、ならびに創傷治癒/炎症の1つまたは複数の治療のための、請求項1から17のいずれかに記載の化合物。

【公表番号】特表2013−505269(P2013−505269A)
【公表日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−529981(P2012−529981)
【出願日】平成22年9月21日(2010.9.21)
【国際出願番号】PCT/US2010/049714
【国際公開番号】WO2011/035330
【国際公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(508265619)フェリング インターナショナル センター エス.アー. (6)
【Fターム(参考)】