説明

オブジェクトの画像データを検出し表示するための方法

【課題】本発明は、人間または動物の体(2)に関連する少なくとも一つのオブジェクト(31−33)の画像データを検出し表示するための方法を提供する。
【解決手段】この方法は、以下の方法ステップを含み、空間的な構造および/または前記オブジェクト(31−33)の位置を物理的空間検出により検出し(3−5,7−9)、この検出を基礎としてオブジェクト(31−33)の画像データを生成し、画像データを人間または動物の体(2)を表す人工体(30)に投影し、人工体(30)に投影されている画像データを用いてオブジェクト(31−33)を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人間または動物の体に関する一またはそれ以上のオブジェクトの画像データを検出し表示するための方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
金属検出器は、従来、人のセキュリティ監視のために、たとえば空港で用いられている。しかしながら、これらは金属で作られていないオブジェクト、たとえばセラミック製ナイフ、火器、あるいはセラミック材料から製造された爆発物は検出することができない。また、乗客の荷物は一般的にx線放射を用いて分析するが、電離x線放射は健康被害を理由に、乗客自体を監視するためには限られた範囲内でのみ使用することがでる。
【0003】
したがって、近年、マイクロ波放射に基づくシステムが開発されている。このシステムは、迅速および信頼性のある人のセキュリティ監視を、たとえば空港で実現している。そのようなマイクロ波放射に基づくシステムの一つが、たとえばUS6,965,340 B1(特許文献1)により知られている。このシステムは、検出すべきオブジェクトが周辺の空気に比較して、あるいは周辺の繊維(テキスタイル)と比較して著しく異なる誘電率を有しており、画像再生に重要なコントラストをもたらすという事実を基礎として形成されている。その事実は画像再生において際立った差異をもたらす。このような関係において、検出は、検査すべき人の皮膚表面にいたるまで実施される。なぜなら、循環血液を伴う皮膚組織はそこで全反射が起きる高い水分含有量を有しているからである。しかしながら、繊維(テキスタイル)あるいはレザー(革)で作製された衣類は、困難を伴うことなくマイクロ波放射によって通り抜けられる。したがって、繊維によって隠されるかあるいは体表面上のオブジェクトはそのシステムにより検出できる。しかしながら、これらのシステムの包括的な導入は、これまで成功にいたっていない。その理由は、責任当局が、検査下、特に顔と陰部領域における人のプライバシーが、画像再生によって侵害されると考えているからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】US6,965,340 B1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明は、したがって、人間または動物の体に関する一またはそれ以上のオブジェクトの画像データを検出し表示するための方法および装置を提供する目的に基づくものであり、ここで、画像再生は、検査すべき人のプライバシーが保護されるような方法で抽象化されている。
【0006】
この発明の目的は、請求項1の特徴による方法を参照して達成され、請求項12の特徴による装置を参照して達成される。従属請求項は、この発明の有益なさらなる発展(進化)の結果が含まれている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明によれば、検出された画像データは直接というよりむしろ間接的に、人間または動物の体を表す人工体上に投影することによって表示される。
【0008】
この人工体は、抽象的な方法で典型的な人体を表す形式のいわゆるアバターとすることができる。人工体(アバター)は、実際に人間の特徴をコンピュータアニメーションと類似の方法で提供され、典型的な物理的な身長の人間を示す。しかし、人工体(アバター)は、現在観察下にあるに人を具体的に再現していない。しかしながら、人工体もさらに抽象化された体(ボディ)とすることができる。たとえば、円柱あるいはいくつかの円筒状、円錐形の、切り捨てた円錐、あるいは球状の体(ボディ)が、画像データが投影されている人工体上に重ねることができる。顔の特徴やその他の体(ボディ)の典型的な形状(ジオメトリ)は、観察下にある人のプライバシーは保護されるような程度にこのコンテストでは歪んでいる。検出すべきオブジェクトは、実際には同様に歪んでいる。しかし、これらは(オブジェクトは)本システムでまだ検出され、まだそれらの粗い構造で検出可能である。疑惑の具体的な事例では、個々の身体の領域は選択でき、逆歪方法を適用することによって非歪化することができ、検出されたオブジェクトは、観察下にある人の身体領域の周辺にただちに一緒にそれらのオリジナル構造で表示できる。
【0009】
特に有益な方法において、アバターは直接的に表示されず、オブジェクトがそれに投影されたアバターの処理面(Abwicklung)だけで表示される。よって、体(ボディ)表面の表示のさらなる抽象化が達成される。たとえば、体の胴体はトラペジウム(不等辺四辺形)の形態で表示できる。腕と脚は長方形(矩形)として表示できる。頭部領域は円形として表示できる。個々の体領域は、観察者はパズルの個々のパーツを体の個々の領域に割り当てることができることなしに、観察者に対してパズルのように任意のピクセル化された方法で表示できる。仮に検出すべきオブジェクトが、プライベートな領域に関して特に保護すべき体の領域、たとえば陰部領域において配置された場合、これは観察者に直ちに明らかとはならない。なぜなら、この表示される体の細部(詳細)が、一方で非常に小さく、他方で大きく歪んで表示されるからである。検査下における人のプライバシーは、したがって保護されたままとなる。処理面は、たとえば仮想衣服のパターンとすることもできる。
【0010】
クリティカルなオブジェクトが自動的にあるいは人を監視する観察を通して検出された場合、このオブジェクトは、好ましくは、観察下の人の画像データと関連することなく表示される。しかし、アバター上において、監視している人が監視で検出されたオブジェクトが配置されている体の領域を確認できることから、さらにターゲットを絞った検査をそこに実施することができる。たとえばレーザポインタによって、オブジェクトの位置のみを示すことも可能である。オブジェクトの位置は、アバターでスクリーン上に表示でき、また、体の領域がレーザポインタを通して検査すべき人上に直接的に表示することができ、その結果、たとえばボディサーチを介して、さらに検査をそこに実施することができる。
【0011】
また、再投影画像データを人工体上に投影することが可能である。その結果、セキュリティ関連のオブジェクトが実際に発見されている場合にのみ、完全な画像データがセキュリティ担当者に示される。しかしながら、表示はオブジェクトが発見されている領域に限定することができる。したがって、投影に使用される変換は、再投影の再変換を使用して相対的な全単射とする必要があることから、1対1の対応を提供する必要がある。すなわち、投影に使用される変換は、投影の出発点の起点となる画像のポイントは、明確に再構築することができる程度に明確である必要がある。さらにデータ保護を改善するためには、再変換は許可された担当者のみが可能であるように、変換において暗号化を使用することに意味がある。投影された画像データの不正なデータ再生は、したがって、有害ではない。なぜなら、権限のない第三者が彼らの自由に鍵を持っていないからである。再変換を実施する制御チームの特別許可メンバーのみにキーを提供することが可能であり、彼らは検出されたオブジェクトの危険性を確信している場合にのみに再変換を実施する。


悪用を防止するために、制御チームのうちの少なくとも2人のメンバーが互いに独立してセキュリティリスクオブジェクトが検出されているという結論になった場合にのみ、再変換を解放することも可能である。
【0012】
この発明に係る方法は、マイクロ波スキャナのみならず、あらゆるタイプの画像生成検出器、たとえばx線スキャナにも適している。
【0013】
実際の画像変換前に、画像の品質を向上させるために様々な施策、たとえば、ノイズの抑制や、人間または動物の体の輪郭によって引き起こされる低周波信号成分を抑制することを実施することは有意義である。また、アウトラインの漫画のようなディスプレイに画像処理を制限することも有意義である。
【0014】
例として、次のセクションでは、図面を参照してより詳細に本発明の実施形態について説明する。図面は次のようである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、この発明に係る装置の代表的な実施形態のブロック−回路図を示す。
【図2】図2は、アバター上に投影されたオブジェクトを示す。
【図3】図3は、投影されたオブジェクトを伴う簡略化(単純化)処理面を示す。
【図4】図4は、投影されている検出されたオブジェクトの位置を示す検出マーカを伴うアバターを示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、本発明に係る装置1の簡略化したブロック−回路図を示す。信号記録システムは送信アンテナ4、受信アンテナ5および電動モータ3、好ましくはステップモータにより観察下で人の周りを移動することができ光学カメラ6を備えている。好みによって、信号記録システムは観察下で人2の周り360°を通して移動することができる。このサンプリング処理は好ましくはいくつかの面で実施される。しかしながら、複数のアンテナは、並列的な方法における観測下で人2をスキャンするために、行(row)またはマトリックス状に分散配置することもできる。
【0017】
高周波ユニット7は、送信装置8を通して送信アンテナ4に接続されている。並行して、高周波ユニット7は、受信ユニット9を通して受信アンテナ5に接続されている。高周波ユニット7から受信された信号はコントロールユニット10にルーティングされる。コントロールユニット10は受信されたデータから画像データを照合する。コントロールユニット10は、またモータ3および光学カメラ6の制御を実施する。いくつかのアンテナがマトリクス状に分散して提供されている場合、送信アンテナ4と受信アンテナ5の調整は不要である。各ケースにおいて、アンテナは次々と常に送信アンテナとして連続して動作し、信号が他のすべてのアンテナによって受信される。アンテナ4と5の配列の空間的な調整のためのモータ3は不要とすることができる。
【0018】
本発明は、この種のマイクロ波スキャナ、特に、テラヘルツのスキャナに限定されるものではない。対応するデータレコードボリュームを提供する他の方法は、すなわち、ボクセル(voxel)(離散空間的要素)ごとに係数と位相によるデータは、人間や動物の体の3次元面表示させることができる方法に適して提供される。x線放射を用いるx線スキャナも適している。対応するステレオの評価方法により二次的にのみ三次元情報を生成するスキャナも、また含まれる。
【0019】
これに続いて、画像記録によって生成される生画像データの対応する前処理が実施される。生画像データは、好適には画質を改善するために初期的に調整されている。このために、生画像データは最初にコントロールユニット10から、対応するノイズ抑制を実施するノイズ抑制プロセッサ11へのルートが設定されている。人または動物の体の輪郭における反射は、低ローカル周波数を伴う信号成分を生成する。低ローカル周波数はこれら低周波数信号成分を抑制するためにフィルタデバイス12によりフィルタリングすることができる。これに続いて、個々の記録された画像の1つまたは複数の特徴画像の生成が、好ましくは実施される。このために、カメラ6のデータ(たとえば、RGBデータ)も使用できる。このリビジョン(改訂)は画像抽象プロセッサ13において実施される。その結果は、アウトラインの漫画のような表示にすることができる。カメラ6の光学的RGBデータのクロスフェージングも考えられる。奥行き画像を伴うカメラ、たとえば、いわゆるTOEカメラは、特に奥行き情報の光学的測定に適している。
【0020】
これに続いて、アバター、すなわち、空間的に限られたディテール(詳細)を伴う人体の標準モデルは、好ましくは制限変形のみを許容するユニット14において、カメラ6によって供給される深さ(深度)マップと照合される。このような関係において、アバターは、検査期間に精密に占有する観察下の人2の体の位置に対応する体の位置に取り込まれる。このことは、アバターの観察者が、対応する体の部分を検出することができる任意のオブジェクトのより良い画面上の割り当てで観察できることを許容する。なぜなら、観察者は観察下の人と同じ体の位置にアバターを見るからである。
【0021】
これに続いて、オブジェクトあるいはオブジェクトに伴う特徴画像のアバター表面への投影は、ユニット15において実施される。このような関係において、特徴画像の非剛体変形が、過度的なアーチファクト(人工物)となることを避けるために、エッジ領域に必要になることがある。アバターのある表面上の点のいくつかの測定値が、異なる特徴画像あるいは連続して実施された測定に由来する場合、使用される投影値は別の方法で決定することができる。最もシンプルなケースにおいては、平均、好ましくはさまざまな測定による測定値の加重平均が実施される。しかしながら、測定値あるいはコントラストが最適に示された状態の特徴画像の選択も考えられる。最適な特徴画像は主として記録角度に依存する。信号記録システムが観察中に人2の周囲を移動する場合、一般的に、最適なコントラストを伴って再生される関連する画象ポイントである一またはそれ以上のアンテナ位置が存在する。そして、この測定の画像データはこの画像ポイントに使用される一方、他の測定による他の画像データは他の画像ポイントに使用してもよい。
【0022】
アバター上に投影されているオブジェクトを伴う画像は画像ディスプレイデバイス16、好適にはコンピュータスクリーンに出力することができる。この種の画像が図2に示されている。アウトライン(輪郭)の状態で表示されている漫画のようなアバター30はそれに投影されている画像データを伴って見ることができる。その画像データでは、オブジェクト31が腕領域で識別可能であり、オブジェクト32が胴体領域で識別可能であり、オブジェクト33が大腿部(太もも)領域で識別可能である。アバターが非常に抽象的に示された状態であることから、観察されている人2のプライバシーが侵害されないことは明らかである。
【0023】
好みによって、一層の抽象化は、指定されたジオメトリ、好ましくは、その3次元表示のアバターの代わりに、長さの誤差と角度誤差の最小化を伴う平面的なジオメトリにアバターの処理面を生成することによって達成される。このような関係において、たとえば、フラットマップ、仮想衣服のためのパターン、あるいは部分的投影が適している。仮想衣服の使用とともに、異なる体の領域のセグメントまたは断片化によって匿名とすることに貢献できる。
【0024】
この種の表現は、図3の例によって示される。これは実際には、直接仮想衣服のパターンではなく、異なる体領域に対応する部分領域である。たとえば、領域40および41は腕領域に対応し、部分領域42は胴体および首領域に対応し、部分領域43は頭領域に対応し、部分領域44は脚および腰領域に対応する。各ケースにおいて、投影されているオブジェクト31、32および33は、オブジェクト31が右腕領域の部分領域41に配置されるようになり、オブジェクト32が胴体領域の部分領域42に配置されるようになり、オブジェクト33が脚領域の部分領域44に配置されるようになることは明白である。それでも、観察下にある人2のプライバシーは完全に保護されたままである。なぜなら、表示から、人の個々の体の部分に関連するあらゆる種類の推測ができなくなるからである。それはまだセキュリティ担当者が明確に認識することができ、検出されたオブジェクト31〜33は観察下の人2の体上に配置される。
【0025】
この処理面(Abwicklung)の実現のために、処理面(Abwicklung)プロセッサ17が図1に概略的に示されているデバイス1に設けられている。処理面プロセッサ17によって生成された処理面画像データはディスプレイデバイス16上の画像として呼び出すこともできる。
【0026】
まだ十分に体部位が歪曲しないために、図2に示す周囲の体部位の画像データと一緒にオブジェクト31〜33の直接表示することが望ましくない場合、代わりに、唯一の抽象化された処理面が、図3の例のように可視化して、提示され、それは、検出されたオブジェクト31〜33のアバター30上に配置されて少なくとも体領域をマークすることが有意義である。これは、たとえば観察下にある人のボディサーチを通して、以降の検査を容易にする。
【0027】
オブジェクト31〜33が配置されている体領域のマーキングは、図4の例のように示される。図2とは対照的に、画像データはアバター上に全く投影されていない。対応する体領域のみ、たとえば矢印51〜53によってマークされている。このような関係において、矢印51がオブジェクト31に対応し、矢印52がオブジェクト32に対応し、矢印53がオブジェクト33に対応する。このため、対応するマーキングデバイス18(アバターポインター)が図1の代表的な実施形態において設けられている。ディスプレイデバイス16において、これらのマーキング51〜53は代替画像としてアバター30上に表示される。
【0028】
さらに、オブジェクト31〜33の位置が観察下の人2上に直接的に、たとえば方向付けされた発光によって、特に、レーザビーム25によって指し示される場合は、意味があると。セキュリティ担当者は、そのオブジェクトが配置されている場所を正確に知り、たとえば、あるターゲットを絞ったボディサーチを実施することができる。このため、図1に概略的に示されているデバイスとともに、画像データを体位置データに変換するボディ(体)マーカデバイス19(人ポインター)10が設けられている。これらの体位置データはその後レーザコントローラ20にルーティングできる。レーザコントローラ20は、代表的な実施形態において、レーザビーム25のポジショニングのための対応するレーザ21および対応するモータ22を制御する。そして、レーザビーム25は、対応するオブジェクト31が検出された対応する体領域にターゲットを絞った方法で向けられ、そこに光スポットを生成する。
【0029】
代替の手段として、音響オーディオ信号を介して検出されたオブジェクト31,32および33の位置を出力することも可能である。このため、図1に示される装置1は言語コントロールデバイス23(言語コントローラ)を備えている。この言語コントロールデバイス23はラウドスピーカ24あるいはヘッドフォンあるいはヘッドセットに接続される。代表的なケースにおいては、コントロール担当者は、言語出力「右上腕上のオブジェクト」「腹部の左手側にあるオブジェクト」および「左大腿部上のオブジェクト」を介して対応する指示を与えることができる。
【0030】
その出力は、カメラ6を通して得られる観察下の人2の光学画像上にマッチングされているマイクロ波スキャナによって生成される検出されたオブジェクト31〜33のマイクロ波画像のような方法による画像の形でも実施できる。このような関係において、観察下にある人2の全体は好ましくは示されず、オブジェクト31〜33が検出されているそれらの体領域の細部のみ示される。
【0031】
体に似たアバター30に代えて、よりシンプルな投影ジオメトリを人工体として使用することもできる。たとえば、腕などのような体の部分領域のためのシリンダや、胴体のための円錐などである。個々の特徴画像ごと、たとえばカメラ6で記録された光学画像のそれぞれの平滑化の高さプロファイルから個々の投影ジオメトリを使用することも考えられる。投影ジオメトリ上の画像内のいずれのあいまいさも排除される。しかしながら、各個々の結果画像は、また、フィルムシーケンス内においてインタラクティブ(相互)に評価する必要がある。
【0032】
処理面の提示による一つの利点は、全身の表面、すなわち、観察下にある人2の前側と背面側(後ろ側)の両方を同時に提示できることでもある。
【0033】
図1に示されているブロック回路図の場合において、投影プロセッサ15の出力が接続された再投影プロセッサ26が有益に提供されている。再投影プロセッサ26は、観察下にある人の体の輪郭を伴う元の画像データを利用できるように、必要に応じて、人工体、たとえばアバター30上に投影されている画像データを再投影するために使用される。この再投影はセキュリティ関連オブジェクト31〜33が検出されている場合にのみ実施される。このような関係において、マイクロ波画像記録ユニット3−4,7−9によって記録されたマイクロ波画像を、カメラ6によって既に記録されている光学画像上に配置することが可能である。この場合、場所(ロケーション)の再投影にも十分である。すなわち、最初、画像情報自体も変換される必要はない。
【0034】
投影プロセッサ15が投影中に暗号化された変換を実施し、再投影プロセッサ26が投影プロセッサ15によって実施された変換に関して全単射である再投影のために再変換を使用する場合、データの悪用を避けるために、それは意味がある。このような関係において、暗号化は、再変換が、再変換のための許可が、セキュリティチームの特別に許可されたメンバーに制限することができるように、鍵の知識がなくては不可能であることが保証される。
【0035】
この発明は、提示した代表的な実施形態に制限されない。記述したあるいは図解した上述のすべての要素は、本発明の枠組みの中で必要に応じて組み合わせることができる。上述したように、光TOF測定(深さ方向分布の測定)を伴う物理的空間検出(高周波数またはx線放射(x線)による)の組み合わせも考えられる。このような関係において、TOFは、たとえばいくつかの視点から、アバターを生成するために直接使用することができる。さらなる利点は、ターゲットボリュームを制限することによって導出される。したがって、記録および/または演算時間は、画像データの再構築に担保することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人間または動物の体(2)に関連する少なくとも一つのオブジェクト(31−33)の画像データを検出し表示するための方法であって、以下の方法ステップを含み、
空間的な構造および/または前記オブジェクト(31−33)の位置を物理的空間検出により検出し、この検出を基礎として前記オブジェクト(31−33)の画像データを生成し、
前記画像データを前記人または動物の体(2)を表す人工体(30)に投影し、
前記人工体(30)に投影されている前記画像データを用いて前記オブジェクト(31−33)を表示する方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法は、
前記人工体が抽象的な方法で人間または動物の体を表す形式のアバター(30)である
ことを特徴とする。
【請求項3】
請求項2に記載の方法は、
前記オブジェクト(31−33)が投影された前記アバター(30)から、簡略化された処理面(vereinfachte Abwicklung)(40−44)が表示される
ことを特徴とする。
【請求項4】
請求項3に記載の方法は、
簡略化された処理面(40−44)が仮想衣服のためのパターンで、および/または前記簡略化された処理面は、体の異なる領域に対応する部分領域に切り分けされている
ことを特徴とする。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一に記載の方法は、
前記オブジェクト(31−33)それ自体、あるいは人工体(30)上の前記オブジェクト(31−33)の位置のいずれかは、画像ディスプレイデバイス(16)に表示される
ことを特徴とする。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一に記載の方法は、
人間または動物の体(2)上の前記オブジェクト(31−33)の位置は、特に方向付けされた発光によって、特にレーザポインタ(21)によって表示(ディスプレイ)される
ことを特徴とする。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一に記載の方法は、
前記人工体(30)上に投影される画像データは再投影され、人間または動物の体(2)の光学画像上に表示される
ことを特徴とする。
【請求項8】
請求項7に記載の方法は、
投影において、変換が使用され、再投影において、再投影は、相互に全単射であるために使用される
ことを特徴する。
【請求項9】
請求項8に記載の方法は、
前記変換において、暗号化が、前記再変換が不可能または、少なくとも困難に行われるという知識なしで使用される
ことを特徴とする。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一に記載の方法は、
物理的空間検出のために、マイクロ波放射を用いたマイクロ波スキャナ(3−4,7−9)および/またはx線放射を用いたx線スキャナが使用される
ことを特徴とする。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一に記載の方法は、
前記画像データはノイズ抑制(11)および/または人間または動物の体の輪郭によって生じる低周波信号成分(12)の抑制を通して、および/または、アウトラインおよび/またはフラット(平坦な)構造、特に充填された輪郭の、漫画のような提示(13)を通して修正される
ことを特徴とする。
【請求項12】
人間または動物の体(2)に関連する少なくとも一つのオブジェクト(31−33)の画像データを検出し表示するための装置(1)であって、
空間的な構造および/または前記オブジェクト(31−33)の位置を物理的空間検出により検出し、この検出を基礎として前記オブジェクト(31−33)の画像データを生成する検出デバイス(3−4,7−9,10)、
前記画像データを前記人間または動物の体(2)を表す人工体(30)上に投影する投影プロセッサ(15)、および、
前記人工体(30)上に投影されている前記画像データを用いて前記オブジェクト(31−33)を表示する表示デバイス(16,20)
を有する装置。
【請求項13】
請求項12に記載の装置は、
前記人工体が抽象的な方法で人間または動物の体を表す形式のアバター(30)である
ことを特徴とする。
【請求項14】
請求項13に記載の装置は、
処理面(Abwicklung)プロセッサ(17)が、前記オブジェクト(31−33)が投影されているアバター(30)から、簡略化された処理面を生成する
ことを特徴とする。
【請求項15】
請求項14に記載の装置は、
前記処理面プロセッサ(17)が、簡略化された処理面(40−44)が仮想衣服のためのパターンを提供し、および/または前記簡略化された処理面は、体の異なる領域に対応する部分領域に切り分けされるような方法をもって形成されている
ことを特徴とする。
【請求項16】
請求項12から15のいずれか一に記載の装置は、
前記表示デバイス(16,20−22)が、前記オブジェクト(31−33)それ自体、あるいは人工体(30)上の前記オブジェクト(31−33)の位置のいずれかを表示する、画像ディスプレイデバイス(16)を提供する
ことを特徴とする。
【請求項17】
請求項12から16のいずれか一に記載の装置は、
前記表示デバイス(16,20−22)が、人間または動物の体(2)上の前記オブジェクト(31−33)の位置を、特に方向付けされた発光によって、特にレーザビーム(25)によって表示する、体ディスプレイデバイス(20−22)、特にレーザポインタを備えている
ことを特徴とする。
【請求項18】
請求項12から17のいずれか一に記載の装置は、
再投影プロセッサ(26)が、前記人工体(30)上に投影された画像データは再投影し、前記表示デバイス(16)が、カメラ(6)によって検出された人間または動物の体(2)の光学画像上に再投影された画像を表示する
ことを特徴とする。
【請求項19】
請求項18に記載の装置は、
投影において、前記投影プロセッサ(15)が変換を使用し、再投影において、前記再変換プロセッサ(26)が相互に全単射である再変換を使用する
ことを特徴する。
【請求項20】
請求項19に記載の装置は、
前記変換において、前記投影プロセッサ(15)は前記再変換が不可能または、少なくとも困難に行われるという知識なしで暗号化を使用する
ことを特徴とする。
【請求項21】
請求項12から20のいずれか一に記載の装置は、
前記検出デバイスが、マイクロ波放射を用いたマイクロ波スキャナ(3−5,7−9)またはx線放射を用いたx線スキャナを提供する
ことを特徴とする。
【請求項22】
請求項12から21のいずれか一に記載の装置は、
ノイズ抑制プロセッサ(11)が、前記画像データに、ノイズ抑制を行い、および/または、フィルタデバイス(12)が、人間または動物の体の輪郭によって生じる低周波信号成分(12)の抑制を行い、および/または画像抽象化プロセッサ(13)が、アウトラインおよび/またはフラット(平坦な)構造、特に充填された輪郭の、漫画のような表示を提供するために画像データを修正する
ことを特徴とする。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公表番号】特表2012−524921(P2012−524921A)
【公表日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−506378(P2012−506378)
【出願日】平成22年4月14日(2010.4.14)
【国際出願番号】PCT/EP2010/002298
【国際公開番号】WO2010/121744
【国際公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(501172372)ローデ ウント シュワルツ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディット ゲゼルシャフト (39)
【氏名又は名称原語表記】Rohde & Schwarz GmbH & Co.KG
【出願人】(599041949)トムテック イメージング システムズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (4)
【Fターム(参考)】