説明

オルガノポリシロキサン−ポリ尿素−コポリマー

本発明は、式Z[NH−C=O−N{CR12−SiR21/22z(I)の少なくとも1つの単位、場合により式O1/2−SiR2CR12NHCR12SiR2−O1/2(II)の単位、場合により式O1/2−SiR2−O1/2(III)の単位、場合により式R41/2(IV)の単位、場合により式R5nSiR3-n−O1/2(V)の単位、及び場合により式Z[NH−C=O−N{CR12−SiR21/22z-a(NCO)a(VI)の単位(式中、全ての基及び添え字は請求項1に記載の意味を有する)を有するオルガノポリシロキサン−ポリ尿素−コポリマー、その製造方法並びにその使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オルガノポリシロキサン−ポリ尿素−コポリマー、その製造方法並びにその使用に関する。
【0002】
超分枝化されたポリマーはデンドリマー状の巨大分子であり、この巨大分子は、線状の主鎖に主に一次分枝又は二次分枝を有する通常の分枝ポリマーよりも著しい分枝度を有する。しかしながら、これはあまり分枝されておらず、完璧に分枝されたデンドリマーのように規則的に構築されていない。
【0003】
超分枝化されたポリマーは、典型的な高分子の線状ポリマーと比べて異例な粘度プロフィール及び溶解挙動を示す。典型的な高分子の線状ポリマーとは反対に、官能性末端基の数は分子量に対して正比例している。高分枝化された巨大分子中での官能基の潜在的に高い数に基づき、これは表面活性、粘着性、レオロジー制御及び加硫のような特性に依存している適用において有利である。
【0004】
超分枝化されたポリマーは、その合成において及びその構造規則性の程度においてデンドリマーとは異なっている。これはより簡単に製造できるが、その分子量分布は高分子量の場合に極めて大きい。デンドリマーは、一般に、しばしば複数の遮断工程及び遮断解除工程及び費用のかかる精製法を用いて世代毎に手間をかけて合成し、このためこの分子量分布は理想的な場合に1である。
【0005】
超分枝化されたポリマーは低コストで製造することができ、従って商業的使用のために適している。
【0006】
今まではダイバージェント合成法が使用され、その際、モノマーは、互いに反応するが自身とは反応しない、厳密に2種の異なる種類の官能基を有し、その際、前記モノマーの官能価は全体で2より大きい。例えば、適当なモノマーは、1つの官能基Aと2つの官能基Bとを有するモノマーであり、つまりAB2−モノマーである。原則として、x>1のABxの全てのモノマーを使用することができる。
【0007】
超分枝化されたポリマーの他の観点は、この分枝度を官能基の間の自由な鎖長によって制御できることである。これは、立体的な問題を解消し、より高分子のポリマーの合成を可能にする。
【0008】
単分子重合におけるABx−モノマーの使用は、しかしながら、A基とB基とが初めて互いに反応する際に、これがポリマー合成において望ましい場合に、つまり触媒の添加により又は温度上昇による場合に可能であるだけである。これとは別に、従って超分枝化されたポリマーの合成は、2つのモノマータイプ、例えばin situでA2Bモノマー及びAB2モノマーに反応するA3及びB2を用いて行うこともできる(二分子重合:一般にAx及びBy、その際、x>1及びy>2である)。このような方法は一般に公知であり、例えばUS-B 6,534,600に記載されている。
【0009】
超分枝化されたポリマー中へのシロキサン単位の導入は、このポリマーにシリコーンの特別な特性を付与することができる。多様なシロキサン含有の超分枝化されたポリマーは公知である。Mathias及びCarothersはJ. Am. Chem. Soc. 113 (1991) 4043-4044に、ポリ(シロキシシラン)を記載している。式ViCH2Si(OSiMe2H)3のモノマーは、白金ヒドロシリル化触媒を用いて重合され、末端にSiH基を有する超分枝化されたポリマーが生じ、このポリマーはアリルフェニルエーテルを用いた末端ブロックにより安定化させることができる。J. Inorg. Organomet. Polym. 4(1) (1994) 61-77には、SiH官能性又はSi−ビニル官能性の超分枝化されたポリシロキサンを、ビニルトリス(ジメチルシロキシ)シラン又はトリス(ビニルジメチルシロキシ)シランの分子間ヒドロシリル化により得るために単一工程法が紹介されている。Si−H基及びSi−Vi基はこの方法の場合に互いに極めて近くに存在しているため、反応の進行が進むと共に立体障害が増大し、その結果、反応の完全な完了が不確かになってしまう。更に、この生成物はポリシロキサンの特徴的な特性を有していない、それというのこれはシルエチレンシロキサン構造(Silethylensiloxan-Struktur)を有しているためである。シロキサン部分を有するSi−H官能性の超分枝化されたポリマーは、US-B 6,307,081及びUS-A 6,140,525に記載されていて、この場合、もちろん必要なマクロモノマーの合成は複雑かつ多段階であり、前記反応は溶剤中で行われる。架橋可能な系中での、超分枝化された、同様にシロキサン含有のポリマーの使用は、US-A 2003/4293に記載されていて、この場合、超分枝化されたポリマーの反応基と反応する反応体はポリマーである。超分枝化された、シロキサン含有の、アミド結合を介して結合し、もちろん分枝箇所に加水分解に弱いSi−O−C−結合を有するポリマーは、例えばUS-A 6,001,945に記載されている。
【0010】
本発明の主題は、式
Z[NH−C=O−N{CR12−SiR21/22z (I)
の少なくとも1つの単位、
場合により式
1/2−SiR2CR12NHCR12SiR2−O1/2 (II)
の単位、
場合により式
1/2−SiR2−O1/2 (III)
の単位、
場合により式
41/2 (IV)
の単位、
場合により式
5nSiR3-n−O1/2 (V)
の単位、
及び場合により式
Z[NH−C=O−N{CR12−SiR21/22z-a(NCO)a (VI)
の単位、
[その際、
Rはそれぞれ同じ又は異なることができ、1価のSiC結合した、場合により置換された炭化水素基を表し、
1はそれぞれ同じ又は異なることができ、1価の有機基又は水素原子を表し、
4は同じ又は異なることができ、水素原子又は1価の、場合により置換された炭化水素基を表し、
5はそれぞれ同じ又は異なることができ、1価の加水分解可能な有機基又はヒドロキシル基を表し、
Zは同じ又は異なることができ、z価の、場合によりヘテロ原子で置換又は中断された1〜60個の炭素原子を有する炭化水素基を表し、
zは1より大きい整数であり、
nは0、1、2又は3を表し、及び
aはzより小さい整数を表す]を有するオルガノポリシロキサン−ポリ尿素−コポリマーである。
【0011】
本発明の範囲内で、オルガノポリシロキサン並びにポリマーの、オリゴマーの、並びに二量体のシロキサンの概念は一緒のものを含んでいる。
【0012】
基Rの例は、アルキル基、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基;ヘキシル基、例えばn−ヘキシル基;ヘプチル基、例えばn−ヘプチル基;オクチル基、例えばn−オクチル基及びイソオクチル基、例えば2,2,4−トリメチルペンチル基;ノニル基、例えばn−ノニル基;デシル基、例えばn−デシル基;ドデシル基、例えばn−ドデシル基;オクタデシル基、例えばn−オクタデシル基;シクロアルキル基、例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基及びメチルシクロヘキシル基;アルケニル基、例えばビニル基、1−プロペニル基及び2−プロペニル基;アリール基、例えばフェニル基、ナフチル基、アントリル基及びフェナントリル基;アルカリール基、例えばo−、m−、p−トリル基、キシリル基及びエチルフェニル基、及びアラルキル基、例えばベンジル基、α−及びβ−フェニルエチル基である。
【0013】
置換された基Rの例は、メトキシエチル基、エトキシエチル基、(2−エトキシ)エトキシエチル基、3−クロロプロピル基、2−クロロエチル基、クロロメチル基及び3,3,3−トリフルオロプロピル基、アミノアルキル基、例えばアミノプロピル基、アミノメチル基、シクロヘキシルアミノプロピル基、シクロヘキシルアミノメチル基、ジエチルアミノプロピル基、ホスホナトアルキル基、例えばビス(エチルヘキシル)ホスホナトプロピル基、ビス(エチルヘキシル)ホスホナトメチル基、ジエチルホスホナトメチル基、アクリラトアルキル基、例えばアクリラトメチル基、アクリラトプロピル基、メタクリラトメチル基及びメタクリラトプロピル基、その際、アミノプロピル基、アミノメチル基、ビス(エチルヘキシル)ホスホナトメチル基、メタクリラトメチル基が有利であり、アミノメチル基、ビス(エチルヘキシル)ホスホナトメチル基及びメタクリラトメチル基が特に有利である。
【0014】
有利に、基Rは、1〜12個の炭素原子を有する炭化水素基であり、前記基は、場合により、ハロゲン原子、アミノ基、エーテル基、エステル基、エポキシ基、メルカプト基、シアノ基又は(ポリ)グリコール基により置換されていて、その際、この最後の基は、オキシエチレン単位及び/又はオキシプロピレン単位から構成されており、特に有利に、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基であり、特に、メチル基である。
【0015】
基R1の例は、基Rについて記載された例並びに水素原子である。
【0016】
有利に、基R1は水素原子並びに場合により置換された炭化水素基であり、特に有利に水素原子及び1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、殊に水素原子である。
【0017】
基R4の例は、基Rについて記載された例である。
【0018】
有利に、基R4は水素原子並びに1〜6個の炭素原子を有するアルキル基であり、その際、水素原子、メチル基又はエチル基が特に有利であり、殊に水素原子が有利である。
【0019】
基R5の例は、ヒドロキシル基及び今まで公知の全ての加水分解可能な基、例えば酸素原子又は窒素原子を介してケイ素原子に結合する、場合により置換された炭化水素基である。
【0020】
有利に、基R5はアルコキシ基、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基及び2−メトキシエトキシ基、アシルオキシ基、例えばアセトキシ基、アミノ基、例えばメチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基及びシクロヘキシルアミノ基、アミド基、例えばN−メチルアセトアミド基及びベンズアミド基、アミノキシ基、例えばジエチルアミノキシ基、オキシモ基、例えばメチルエチルケトキシモ基及びメチルイソブチルケトキシモ基、エノキシ基、例えば2−プロペノキシ基及びヒドロキシル基であり、特に有利にメトキシ基、エトキシ基、アセトキシ基、メチルエチルケトキシモ基、メチルイソブチルケトキシモ基、ジメチルアミノ基及びシクロヘキシルアミノ基及びヒドロキシル基であり、殊にメトキシ基又はエトキシ基及びヒドロキシル基である。
【0021】
z価の基Zの例は、アルキレン基、例えばメチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、イソブチレン基、t−ブチレン基、n−ペンチレン基、イソペンチレン基、ネオペンチレン基、t−ペンチレン基、ヘキシレン基、例えばn−ヘキシレン基、ヘプチレン基、例えばn−ヘプチレン基、オクチレン基、例えばn−オクチレン基及びイソオクチレン基、例えば2,2,4−トリメチルペンチレン基、ノニレン基、例えばn−ノニレン基、デシレン基、例えばn−デシレン基、ドデシレン基、例えばn−ドデシレン基;アルケニレン基、例えばビニレン基及びアリレン基;シクロアルキレン基、例えばシクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロヘプチレン基及びメチルシクロヘキシレン基;アリーレン基、例えばフェニレン基及びナフチレン基;アルカリーレン基、例えばo−、m−、p−トリレン基、キシリレン基及びエチルフェニレン基;アラルキレン基、例えばベンジレン基、αー及びβーフェニルエチレン基並びに4,4’−メチレンジフェニレン基;4,4′,4″−トリフェニレンメタン基、3価のイソシアヌラート基であり、前記基は三量化触媒の存在でジイソシアナート又はポリイソシアナート自身の反応により製造することができる。このようなイソシアヌラート基を有するイソシアナートは、例えば名目上の官能価3.0のイソホロンジイソシアナートのイソシアヌラート(Degussa AG社(Deutschland)により「Vestanat T1890」の商品名で市販)として、又は名目上の官能価3.0のヘキサメチレンジイソシアナートのイソシアヌラート(Bayer AG社(Deutschland)により「Desmodur N3600」の商品名で市販)として市販されている。
【0022】
有利に、基Zは1〜24個の炭素原子を有する2価のアルキレン基及び3価のトリアルキレンイソシアヌラート基であり、特に有利にヘキシレン基、4,4′−メチレン−ビスシクロヘキシレン基、3−メチレン−3,5,5−トリメチルシクロヘキシレン基及び3価のトリスヘキシルイソシアヌラート基である。
【0023】
有利にnは1又は2である。
【0024】
有利にzは2又は3であり、特に有利に2である。
【0025】
有利にaは1である。
【0026】
本発明によるシロキサンは、25℃で有利に102〜108mPasの粘度を有する液状で、又は有利に約0.5〜20MPaの引張強さ並びに有利に約50〜1000%の破断点伸びを有する室温でゴム弾性の固体であることができ、その際、後者の固体は有利に60〜200℃の温度で軟化し、かつその際にゴム弾性特性を失う。
【0027】
有利に、本発明によるシロキサン−コポリマーは、式
【化1】

又は
【化2】

[その際、Z、R、R5及びnはそれぞれ同じ又は異なることができ、これについて前記した意味を表し、pは1〜100、有利に3〜50の整数を表し、rは1〜200の整数を表し、その際、p<rである]のコポリマーである。
【0028】
本発明によるシロキサン−コポリマーの例は、
【化3】

[式中、Z、R5、n、p、a及びrは同じ又は異なることができ、これについて前記した意味を表し、並びにMeはメチル基を表す]である。
【0029】
本発明によるシロキサン−コポリマーの更なる例は、
【化4】

【化5】

[式中、Meはメチル基を表す]である。
【0030】
本発明によるシロキサン−コポリマーは、
【化6】

【化7】

【化8】

[式中、Meはメチル基を表す]であるのが特に有利である。
【0031】
本発明によるオルガノポリシロキサンは、これを架橋可能な材料、特に可塑剤を含有しないRTV1−材料を製造するために使用することができるという利点を有する。
【0032】
更に、これは官能基の数が分子量に依存しないという利点を有する。
【0033】
本発明によるオルガノポリシロキサンは、これが良好な加工特性を有するという利点を有する。
【0034】
本発明によるオルガノポリシロキサン−ポリ尿素−コポリマーは、ケイ素化学及びポリウレタン化学において任意の自体公知の方法により、例えば有機ケイ素化合物の加水分解及び縮合によりもしくはアミン基又はヒドロキシ基と例えばブロックされたジイソシアナート(イソシアナートと、例えばフェノール、ケトキシム、マロンエステル、窒素含有複素環との熱的に安定な反応生成物)との反応により製造される。
【0035】
本発明によるオルガノポリシロキサン−ポリ尿素−コポリマーは、多工程の方法で、OH末端のポリジオルガノシロキサン、塩基性窒素を有する有機ケイ素化合物及びイソシアナートから出発して有利に製造される。
【0036】
本発明による更なる主題は、本発明によるオルガノポリシロキサン−ポリ尿素−コポリマーの製造方法において、
工程Aにおいて、OH末端のポリジオルガノシロキサンを、式
4O−SiR2CR12NHCR12SiR2−OR4 (IX)
の有機ケイ素化合物と反応させ、
工程Bにおいて、前記工程で得られた化合物を、式
Z(NCO)z (X)
のポリイソシアナートと反応させ、並びに
場合により工程Cにおいて、前記工程で得られた化合物を、式
5n'SiR4-n' (XII)
のシランと反応させ、
その際、R、R1、R4、R5、Z及びzは前記した意味を表し、n’は1、2、3又は4であり、
ただし、工程Cは工程Bの前又は後で行うことができることを特徴とする本発明によるオルガノポリシロキサン−ポリ尿素−コポリマー製造方法である。
【0037】
本発明により使用されるOH末端のポリジオルガノシロキサンの例は、HO(SiMe2O)30-1000H、HO(SiMe2O)30-500(SiMe(C65)O)30-500H及びHO(SiMe2O)30-800(SiMe(C23)O)30-200Hであり、その際OH(SiMe2O)30-200Hが有利であり、HO(SiMe2O)40Hが特に有利であり、その際、Meはメチル基を表す。
【0038】
式(IX)の本発明により使用可能な化合物の例は、
MeO−SiMe2CH2NHCH2SiMe2−OMe、
MeO−SiMe(C65)CH2NHCH2SiMe(C65)−OMe、
MeO−SiMe(C23)CH2NHCH2SiMe(C23)−OMe、
EtO−SiMe2CH2NHCH2SiMe2−OEt、
EtO−SiMe(C65)CH2NHCH2SiMe(C65)−OEt及び
EtO−SiMe(C23)CH2NHCH2SiMe(C23)−OEtであり、その際、
MeO−SiMe2CH2NHCH2SiMe2−OMe及びMeO−SiMe(C65)CH2NHCH2SiMe(C65)−OMeが有利であり、
MeO−SiMe2CH2NHCH2SiMe2−OMeが特に有利であり、その際、Mはメチル基を表し、Etはエチル基を表す。
【0039】
式(X)の本発明により使用される化合物の例は、ヘキシレンジイソシアナート、4,4′−メチレンジシクロヘキシレンジイソシアナート、4,4′−メチレンジフェニレンジイソシアナート、1,3−ジアゼチジン−2,4−ジオン−ビス(4,4′−メチレンジシクロヘキシル)ジイソシアナート、1,3−ジアゼチジン−2,4−ジオン−ビス(4,4′−メチレンジフェニル)ジイソシアナート、テトラメチレンキシレンジイソシアナート及びイソホロンジイソシアナートであり、その際、ヘキシレンジイソシアナート、4,4′−メチレンジシクロヘキシレンジイソシアナート、4,4′−メチレンジフェニレンジイソシアナート、テトラメチレンキシリレンジイソシアナート及びイソホロンジイソシアナートが有利であり、並びにヘキシレンジイソシアナート、4,4′−メチレンジシクロヘキシレンジイソシアナート及びイソホロンジイソシアナートが特に有利である。
【0040】
式(XII)の本発明による場合により使用される化合物の例は、メトキシトリメチルシラン、メチルトリメトキシシラン、アクリルオキシメチルトリメトキシシラン、ホスホナトメチルトリメトキシシラン、アクリルオキシメチルメトキシジメチルシラン、ホスホナトメチルメトキシジメチルシラン、アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノメチルトリメトキシシラン、アミノプロピルメトキシジメチルシラン及びアミノメチルメトキシジメチルシランであり、その際、メチルトリメトキシシラン、アクリルオキシメチルトリメトキシシラン、ホスホナトメチルトリメトキシシラン、アクリルオキシメチルメトキシジメチルシラン、ホスホナトメチルメトキシジメチルシラン、アミノプロピルトリメトキシシラン及びアミノメチルトリメトキシシランが有利であり、メチルトリメトキシシラン、アクリルオキシメチルトリメトキシシラン、ホスホナトメチルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリメトキシシラン及びアミノメチルトリメトキシシランが特に有利である。
【0041】
本発明による方法の変法(変法1)によると、工程A、次いで工程B及び引き続き場合により工程Cが実施される。
【0042】
本発明による方法の変法(変法2)によると、工程A、次いで場合により工程C及び引き続き工程Bが実施される。
【0043】
本発明による方法において工程Cを実施する場合には、本発明によるコポリマーは有利に方法変法1により製造される。
【0044】
本発明による方法は、有利に0〜100℃の温度で、特に有利に20〜80℃で、周囲雰囲気の圧力で、つまり約900〜1100hPaで実施される。本発明による方法は、しかしながら高めた圧力又は低めた圧力で実施することもできる。
【0045】
本発明による方法の場合に、工程Aは使用されたOH末端のポリジオルガノシロキサン中のOH基(OH基の数=nOH)対式(IX)の有機ケイ素化合物(この化合物の数=nIX)のモル比が有利に高くてもnOH=2(nIX+1)である。4:1と等しい又はより小さいモル比から2:1より大きいモル比まででは、単に計算上で純粋なOH末端基を有するシロキサンが形成され、その際、通常では多重に反応したOHポリマーと反応されないOHポリマーとの混合物が形成される。2:1より低いモル比から1:1のモル比まででは、有機ケイ素化合物(IX)から誘導される末端基を有するシロキサンが形成される。1:1より小〜1:10のモル比の場合には、有機ケイ素化合物(IX)は過剰量で存在し、従って部分的に反応せずに残留する。OH基対有機ケイ素化合物(IX)のモル比が正確に2:1である場合には、少なくとも理論上では末端基を有していない極めて高粘性のポリマーが形成される。しかしながら、この後者の場合は有利ではない。
【0046】
方法工程Aの生成物として、平均して2〜6個のSiR2CR12NHCR12SiR2単位を有する、特に2〜3個の前記の単位を有する生成物が特に有利である。
【0047】
本発明による方法の工程Aにおいて、所望の場合に、他の物質、例えば溶剤を使用することができる。
【0048】
工程Aにおいて使用されたOH末端のポリジオルガノシロキサンと、式(IX)の有機ケイ素化合物との本発明の場合の反応は、塊状でも溶剤中でも行うことができる。適当な溶剤として、この場合に成分の反応を妨げない溶剤が選択される。
【0049】
場合により工程Aにおいて使用される溶剤の例は、有機溶剤又は有機ケイ素系の溶剤、例えばトリメチルシリル末端のポリジメチルシロキサン、例えば25℃で5〜1000mPasの粘度を有するトリメチルシリル末端のポリジメチルシロキサン並びに約16〜30個の炭素原子を有する炭化水素である。
【0050】
本発明による方法は、反応が行われた後に分離する必要がないように溶剤が選択さる場合を除き、溶剤の不在で実施するのが有利である。本発明によるシロキサンの簡単な継続する処理のために、OH末端のポリジオルガノシロキサンと式(IX)の化合物との反応を、後の順番で並びに架橋可能な混合物の製造のために添加される成分、例えば架橋可能な材料中で可塑剤として使用されるトリメチルシリル末端のポリジメチルシロキサン又は約16〜30個の炭素原子を有する炭化水素の存在で実施することが有利である。このように、特に、極めて高粘度のポリマーを用いなければならないことは回避される。
【0051】
使用されたOH末端のポリジオルガノシロキサンと式(IX)の有機ケイ素化合物との本発明による反応は、有利に触媒の不在で実施され、これは極めて有利である。
【0052】
本発明による方法の場合に、工程Bにおいて反応体の化学量論は、有利に式(X)の化合物からなるイソシアナート基対先行する工程で製造された化合物からの前記イソシアナート基と反応性のNH基の合計のモル比が、有利に0.1〜2、特に0.5〜1.5、殊に0.5〜1の範囲内にあるように選択される。イソシアナート基対反応性の基の比が1より大きい場合には、つまりイソシアナート基が過剰量である場合には、単位(VI)を有する本発明によるポリマーが生じる。1より小さい比の場合には、つまりイソシアナート基が不足量である場合には、単位(II)を有する本発明によるポリマーが生じる。
【0053】
本発明による方法の工程Bにおいて、所望の場合に、他の物質、例えば溶剤及び触媒を使用することができる。
【0054】
本発明による方法の工程Bにおいて、工程Aに記載されたのと同じ溶剤を使用することができる。
【0055】
工程Bにおいて場合により使用される触媒の例は、一般式(X)の化合物のイソシアナート基が先行する方法工程からの化合物の活性基に付加されるのを促進する今まで公知の全ての触媒、例えばジオルガノスズ化合物及びビスマス化合物である。
【0056】
本発明による方法の工程Bにおいて触媒を使用しないのが特に有利である。
【0057】
本発明による方法において触媒を使用する場合には、工程Bにおける全体の混合物100質量部に対してそれぞれ、有利に0.000001〜1質量部、特に有利に0.0001〜0.1質量部の量である。
【0058】
本発明による方法の場合に、工程Aの後に又は工程Bの後に、付加的工程Cを実施することができる。
【0059】
場合により実施される工程Cにおいて、特にこの工程において使用される式(XII)のシランのR5がオルガニルオキシ基である場合に、触媒の使用が有利である。この通常の「エンドキャッピング」と称される反応のための触媒の種類及び使用量は、多数のものが既に記載されている。
【0060】
本発明による方法の工程Cにおいて場合により使用される触媒の例は、ブレンステッド酸又はルイス酸又はブレンステッド塩基又はルイス塩基、例えば亜鉛アセチルアセトナート、チタンキレート、酸性のリン酸エステル、アミン、オキシム、酢酸、ギ酸、アンモニウム塩、例えばジブチルアンモニウムホルマート、水酸化リチウム及びフッ化物である。
【0061】
本発明による方法は、有利に湿分の遮断下に実施される。
【0062】
本発明による方法は、不連続的に又は連続的に実施することができる。
【0063】
本発明による方法において使用される出発物質及び他の物質は、それぞれ市販の製品であるかもしくは化学において慣用の方法により製造可能である。
【0064】
本発明による方法において使用される成分は、それぞれ、前記成分の1種類でも、それぞれの成分の少なくとも2種類の混合物であることができる。
【0065】
本発明による方法は、簡単に実施可能でありかつ化学量論比の厳格な維持は必要ないという利点を有する。
【0066】
更に、有利に触媒を必要としない迅速な反応であり、それにより連続的な製造方法が容易に可能であることが有利である。
【0067】
複雑な構成成分の合成は必要ない。シロキサン化学及びポリウレタン化学の標準方法により、更なる誘導化もしくは官能化又は架橋は、例えばケイ素に存在する加水分解可能な基の加水分解により又は場合により存在するイソシアナート基と水分との反応により簡単に可能である。
【0068】
更に、本発明による方法は、コポリマーを良好に定義することができかつ高い可変性と共に著しい多様性で製造することができるという利点を有する。
【0069】
本発明によるコポリマーは、今までにもオルガノポリシロキサン−ポリ尿素−コポリマーが使用されてきた全ての分野で使用することができる。
【0070】
本発明によるコポリマー又は本発明により製造されたコポリマーの使用は、数多くの用途において考えられ、例えばシーラント、接着剤中で、繊維を変性するための材料として、プラスチック添加剤として、例えば耐衝撃性改善剤又は難燃剤として、消泡調製物のための材料として、高性能ポリマー(熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、エラストマー)として、電子部材のためのパッケージング材料として、絶縁材料又はシールド材料中で、ケーブル被覆中で、防汚材料中で、洗浄剤、清浄剤又は手入れ剤のための添加剤として、ボディーケア剤のための添加剤として、木材、紙及び段ボールのための被覆材料として、離型剤として、医療的適用における生体親和性材料、例えばコンタクトレンズとして、テキスタイル繊維又はテキスタイル織布のための被覆材料として、天然素材、例えば皮革及び毛皮のための被覆材料として、膜のための材料として、及び光活性系のため、例えばリソグラフィー法、フレキソ印刷板、光学的データ保護又は光学的データ転写のための材料として考えられる。
【0071】
更に有利に、本発明のコポリマーの、接着テープ及びラベルのための剥離被覆として、例えばテキスタイルのための繊維被覆として、熱可塑性樹脂加工のための押出成形助剤として、医療用品、例えばカテーテル、輸液用バッグ又は輸液用チューブとして、溶融接着剤、PSA被覆、自動車工業用の上塗り及びオーバーコート可能な部材、ポリマー変性のための添加剤、例えば可塑剤又は耐衝撃性変性剤、積層安全ガラスのためのシートか又は建設工業のための継ぎ目シーリング材としての使用である。
【0072】
特に、本発明によるコポリマーは、架橋可能な組成物中で、有利に放射線により架橋可能な組成物中で又は縮合反応により架橋可能な材料中で使用するためにも適している。
【0073】
本発明の範囲内で、「縮合反応」との呼称は、場合により先行する加水分解工程をも包含される。
【0074】
本発明の更なる主題は、本発明によるコポリマー又は本発明により製造されたコポリマーを含有する架橋可能な材料である。
【0075】
本発明の更なる主題は、本発明による材料の架橋により製造された成形品である。
【0076】
架橋可能な材料中で本発明によるポリマーに対して付加的に含まれる成分は、今までにそれぞれの架橋タイプの架橋可能な材料中にも使用されてきた任意の成分であることができる。
【0077】
縮合反応により架橋可能な材料は、
(a) 本発明によるコポリマー、
場合により
(b) 架橋剤、
場合により
(c) 触媒、
場合により
(d) 充填剤、
場合により
(e) 定着剤、
場合により
(f) 可塑剤、安定剤、酸化防止剤、難燃剤、光保護剤及び顔料を有するグループから選択される他の材料
及び場合により
(g) (a)とは異なる架橋可能なポリマー
を有する材料であるのが有利である。本発明による架橋可能な材料を準備するために、それぞれ使用される構成成分を今まで公知の任意の方法により互いに混合することができる。この混合は、有利に室温でもしくは前記成分を室温で混合する際に付加的な加熱又は冷却なしに生じる温度で、かつ周囲大気の圧力、つまり約900〜1100hPaで行なわれる。しかしながら、所望の場合に、前記混合をより高い圧力又はより低い圧力で、例えばガスを取り込むことを回避するために低い圧力で実施することもできる。
【0078】
本発明による材料の製造及びその貯蔵は有利に主に水不含の条件下で実施し、この材料の予定前の反応を回避する。
【0079】
本発明による架橋可能な材料の個々の成分は、このような成分の1種類ならびにこの種の成分の少なくとも2種の異なる種類の成分からの混合物であることができる。
【0080】
特に、本発明による材料は、成分(a)、場合により(b)、(c)、(d)、(e)、(f)及び(g)の他に、他の成分を含有しない。
【0081】
本発明による架橋可能な材料の製造は、当業者に公知の方法で、例えば押出機、混練機、ロールミル、ダイナミックミキサー又はスタティックミキサーを用いて行なわれる。本発明による材料の製造は、連続的に又は非連続的に行なうことができる。この製造は連続的に行なうことが好ましい。
【0082】
本発明による材料の加硫物は、加水分解し、引き続き生じたシラノール基を縮合することにより得られる。この加水分解は、空気湿分によるか又は水蒸気、水浴もしくは水を含有する溶液により、本発明によるコポリマーと接触させて実施することができる。
【0083】
本発明による、縮合反応により架橋可能な材料の架橋のためには、有利に通常の空気の含水量で十分である。この本発明による材料の架橋は、有利に室温で実施する。この架橋は、所望の場合には室温より高いか又は低い温度で、例えば−5〜15℃で、又は30〜50℃で、例えば通常の空気の含水量を上回る水の濃度を用いて実施することもできる。有利に、この架橋は100〜1100hPaの圧力、殊に周囲大気の圧力、つまり約900〜1100hPaで実施される。
【0084】
放射線により架橋可能な材料は、
(i) 本発明によるコポリマー、
場合により
(ii) 少なくとも1種の架橋剤、
場合により
(iii) 光重合開始剤、
場合により
(iv) 充填剤、
場合により
(v) 定着剤、
場合により
(vi) 可塑剤、安定剤、酸化防止剤、難燃剤、光保護剤及び顔料を有するグループから選択される他の材料、
場合により
(vii) (i)とは異なる架橋可能なポリマー、
及び場合により
(viii) 重合阻害剤
を有する材料であるのが有利である。
【0085】
本発明による材料を準備するために、それぞれ使用される構成成分を今まで公知の任意の方法により互いに混合することができる。この混合は、有利に室温でもしくは前記成分を室温で混合する際に付加的な加熱又は冷却なしに生じる温度で、かつ周囲大気の圧力、つまり約900〜1100hPaで行なわれる。しかしながら、所望の場合に、前記混合をより高い圧力又はより低い圧力で、例えばガスを取り込むことを回避するために低い圧力で実施することもできる。
【0086】
本発明による材料の製造及びこの貯蔵は、有利に主に放射線を用いない、場合によっては無水の条件下で行なわれ、この材料の予定前の反応を回避する。
【0087】
本発明による架橋可能な材料の個々の成分は、このような成分の1種類ならびにこの種の成分の少なくとも2種の異なる種類の成分からの混合物であることができる。
【0088】
特に、本発明による材料は、成分(i)、場合により(ii)、(iii)、(iv)、(v)、(vi)及び(vii)の他に、他の構成成分は含有しない。
【0089】
本発明による架橋可能な材料の製造は、当業者に公知の方法で、例えば押出機、混練機、ロールミル、ダイナミックミキサー又はスタティックミキサーを用いて行なわれる。本発明による材料の製造は、連続的に又は非連続的に行なうことができる。この製造は連続的に行なうことが好ましい。
【0090】
本発明による材料は、紫外線(UV線)、レーザー又は太陽光の照射により架橋させることができる。有利に、本発明による材料はUV線により架橋される。UV線として、200〜400nmの範囲内の波長を有するものが有利である。このUV線は、例えばキセノンランプ、水銀低圧ランプ、水銀中圧ランプ、水銀高圧ランプ又はエキシマランプにより作成できる。光による架橋のために、400〜600nmの波長を有する光、つまりいわゆる「ハロゲン光」も適している。
【0091】
本発明による材料の架橋のために適したエネルギー源は、X線、ガンマ線又は電子線であるか、又はこのような放射線の少なくとも2つの異なる種類の同時の適用であることができる。高エネルギー放射線に対して付加的に、赤外線を用いた熱供給を含めた熱供給を適用することができる。しかしながらこのような熱供給は決して必要ではなく、有利にエネルギーコストの低減のために行われない。
【0092】
照射波長及び照射時間は、使用される光重合開始剤及び重合させるべき化合物に合わせられている。
【0093】
本発明よる材料の架橋は有利に室温で行われる。この架橋は、所望の場合に、室温よりも高い温度で又は低い温度で、例えば−50℃〜15℃又は30〜150℃で実施することができる。有利に、この架橋は100〜1100hPaの圧力、殊に周囲大気の圧力、つまり約900〜1100hPaで実施される。
【0094】
次に記載する実施例において、粘度の記載は全て25℃の温度でのものである。別記しない限り、次の実施例は、周囲大気の圧力、つまり約1000hPaで、かつ室温で、つまり約23℃で、もしくは反応体が室温で付加的な加熱又は冷却をせずに合わせる場合に生ずる温度で、かつ約50%の相対空気湿分で実施する。更に、部及び%の全ての記載は、別記しない限り、質量に関連するものである。
【0095】
ショアA硬度はDIN(ドイツ工業規格)53505(2000年8月発行)により測定された。
【0096】
引張強さ、破断点伸び及びモジュラス(100%の伸びの際の応力)をDIN53504(1994年5月発行)により、試験体S2型に対して測定した。
【0097】
以後、Meはメチル基を表す。
【0098】
実施例1
6000mPasの粘度を有するα,ω−ジヒドロキシポリジメチルシロキサン3600gを、脂肪族炭化水素混合物(ExxonMobil Chemical社(D-50735 Koeln)の商品名Exxsol DSP100/120で市販されている)800ml中に溶かし、ビス(メトキシジメチルシリルメチル)アミン11gを混合した。
【0099】
この場合、平均して、式OH(SiMe2O)33-45(SiMe2CH2NHCH2SiMe2O)(SiMe2O)33-45Hを有するシロキサンが生成された。イソホロンジイソシアナート5.55gを添加した。その後、N−アミノプロピルジメチルシリル−1−アザ−2−ジメチルシラシクロペンタン11.5gを添加した。無色の溶液が得られ、これを平坦なPTFEシャーレに注ぎ込んだ。溶剤の蒸発後に、無色の透明な生成物が得られ、この生成物の温度依存性の粘度推移を測定した:30℃で粘度η*=80Pa・s、損失正接tan(δ)=7、150℃で粘度η*=10Pa・s、損失正接tan(δ)=85。 .
実施例2
50mPasの粘度を有するα,ω−ジヒドロキシポリジメチルシロキサン300gを、脂肪族炭化水素混合物(ExxonMobil Chemical社(D-50735 Koeln)の商品名Exxsol DSP100/120で市販されている)800ml中に溶かし、ビス(メトキシジメチルシリルメチル)アミン14.7gを混合した。この場合、平均して、式OH(SiMe2O)33-45(SiMe2CH2NHCH2SiMe2O)(SiMe2O)33-45Hを有するシロキサンが生成された。イソホロンジイソシアナート7.4gを添加した。その後で、メタクリルオキシメチルジメチルメトキシシラン6.3gを添加し、50℃で5h加熱した。無色の溶液が得られ、これを平坦なPTFEシャーレに注ぎ込んだ。溶剤の蒸発後に、無色の透明な生成物が得られ、この生成物の粘度推移を測定した:30℃で粘度η*=7000Pa・s、損失正接tan(δ)=0.007。
【0100】
実施例3
20000mPasの粘度を有するα,ω−ジヒドロキシポリジメチルシロキサン4600gを、脂肪族炭化水素混合物(ExxonMobil Chemical社(D-50735 Koeln)の商品名Exxsol DSP100/120で市販されている)800ml中に溶かし、ビス(メトキシジメチルシリルメチル)アミン14.7gを混合した。この場合、平均して、式OH(SiMe2O)33-45(SiMe2CH2NHCH2SiMe2O)(SiMe2O)33-45Hを有するシロキサンが生成された。イソホロンジイソシアナート3.7gを添加した。その後で、メタクリルオキシメチルジメチルメトキシシラン6.3gを添加し、50℃で5h加熱した。無色の溶液が得られ、これを平坦なPTFEシャーレに注ぎ込んだ。溶剤の蒸発後に、無色の透明な生成物が得られ、この生成物の温度依存性の粘度推移を測定した:70〜130℃の温度で粘度η*=120〜60Pa・s、損失正接tan(δ)=3.7、150℃で粘度η*=50Pa・s、損失正接tan(δ)=4.3。
【0101】
実施例4
50mPasの粘度を有するα,ω−ジヒドロキシポリジメチルシロキサン300gを、脂肪族炭化水素混合物(ExxonMobil Chemical社(D-50735 Koeln)の商品名Exxsol DSP100/120で市販されている)800ml中に溶かし、ビス(メトキシジメチルシリルメチル)アミン14.7gを混合した。この場合、平均して、式OH(SiMe2O)33-45(SiMe2CH2NHCH2SiMe2O)(SiMe2O)33-45Hを有するシロキサンが生成された。イソホロンジイソシアナート3.7gを添加した。その後で、ジメチルホスホナトメチルジメチルメトキシシラン7.1gを添加し、50℃で5h加熱した。無色の溶液が得られ、これを平坦なPTFEシャーレに注ぎ込んだ。溶剤の蒸発後に、無色の透明な生成物が得られ、この生成物の温度依存性の粘度推移を測定した:30〜110℃の温度で粘度η*=400〜300Pa・s、損失正接tan(δ)=0.09〜0.2、150℃で粘度η*=0.5Pa・s、損失正接tan(δ)=50。
【0102】
実施例5
遊星型ミキサー中で、6000mPasの粘度を有するα,ω−ジヒドロキシポリジメチルシロキサン310質量部(GT)を、ビス(メトキシジメチルシリルメチル)アミン1.1質量部と混合し、15分後に80000mPasの粘度を有するα,ω−ジヒドロキシポリジメチルシロキサン700GTを添加し、次いで10min後にメチルトリメトキシシランとビニルトリメトキシシランとからなる2:1混合物50GT及び亜鉛アセチルアセトナート1GTを添加した。この混合物を室温で12時間放置した。イソホロンジイソシアナート0.55GTを添加した。
【0103】
こうして得られたポリマー混合物に、3−アミノプロピルトリメトキシシラン10GT、オクチルホスホン酸3GTg、150m2/gの比表面積を有する熱分解シリカ(Wacker-Chemie GmbH社(ドイツ連邦共和国)の商品名HDK(R) V15で市販)80GT、テトラエトキシシラン4部とジブチルスズアセタート2.2部との反応により得られた亜鉛触媒3GTを添加した。
【0104】
こうして得られた架橋可能な材料を、湿分を通さない容器に充填した。
【0105】
こうして得られた材料を用いて、前記材料を2mmの厚さの層としてポリエチレンからなる基材上に塗布し、引き続き50%の相対空気湿度で23℃で7日間架橋させることにより試験体を製造した。
【0106】
引き続き、このプレートからDIN53504による型S2の試験体を打ち抜いた。
【0107】
こうして得られた試験体を、その機械的値に関して試験した。この結果を表1に記載した。
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】

Z[NH−C=O−N{CR12−SiR21/22z (I)
の少なくとも1つの単位、
場合により式
1/2−SiR2CR12NHCR12SiR2−O1/2 (II)
の単位、
場合により式
1/2−SiR2−O1/2 (III)
の単位、
場合により式
41/2 (IV)
の単位、
場合により式
5nSiR3-n−O1/2 (V)
の単位、
及び場合により式
Z[NH−C=O−N{CR12−SiR21/22z-a(NCO)a (VI)
の単位、
[その際、
Rはそれぞれ同じ又は異なることができ、1価のSiC結合した、場合により置換された炭化水素基を表し、
1はそれぞれ同じ又は異なることができ、1価の有機基又は水素原子を表し、
4は同じ又は異なることができ、水素原子又は1価の、場合により置換された炭化水素基を表し、
5はそれぞれ同じ又は異なることができ、1価の加水分解可能な有機基又はヒドロキシル基を表し、
Zは同じ又は異なることができ、z価の、場合によりヘテロ原子で置換又は中断された1〜60個の炭素原子を有する炭化水素基を表し、
zは1より大きい整数であり、
nは0、1、2又は3を表し、及び
aはzより小さい整数を表す]
を有するオルガノポリシロキサン−ポリ尿素−コポリマー。
【請求項2】

【化1】

[式中、Z、R、R5及びnはそれぞれ同じ又は異なることができかつ前記した意味を表し、rは1〜200の整数を表す]であることを特徴とする、請求項1記載のコポリマー。
【請求項3】

【化2】

[式中、Z、R、R5及びnはそれぞれ同じ又は異なることができかつ前記した意味を表し、pは1〜100の整数を表し、rは1〜200の整数を表し、ただし、p<rである]であることを特徴とする、請求項1記載のコポリマー。
【請求項4】
工程Aにおいて、OH末端のポリジオルガノシロキサンを、式
4O−SiR2CR12NHCR12SiR2−OR4 (IX)
の有機ケイ素化合物と反応させ、
工程Bにおいて、前記工程で得られた化合物を、式
Z(NCO)z (X)
のポリイソシアナートと反応させ、並びに
場合により工程Cにおいて、前記工程で得られた化合物を、式
5n'SiR4-n' (XII)
のシランと反応させ、
その際、R、R1、R4、R5、Z及びzは前記した意味を表し、n’は1、2、3又は4であり、
ただし、工程Cは工程Bの前又は後で行うことができることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載のコポリマーの製造方法。
【請求項5】
工程A、その後で工程B、及び引き続き場合により工程Cを実施することを特徴とする、請求項4記載の方法。
【請求項6】
工程A、その後で場合により工程C、及び引き続き工程Bを実施することを特徴とする、請求項4記載の方法。
【請求項7】
請求項1から3までのいずれか1項記載の又は請求項4から6までのいずれか1項記載の方法により製造されたコポリマーを有する、架橋可能な材料。
【請求項8】
放射線により架橋可能な材料であることを特徴とする、請求項7記載の架橋可能な材料。
【請求項9】
縮合反応により架橋可能な材料であることを特徴とする、請求項7記載の架橋可能な材料。
【請求項10】
請求項7から9までのいずれか1項記載の本発明による材料の架橋によって製造される成形品。

【公表番号】特表2008−525543(P2008−525543A)
【公表日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−547290(P2007−547290)
【出願日】平成17年12月15日(2005.12.15)
【国際出願番号】PCT/EP2005/013501
【国際公開番号】WO2006/069639
【国際公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【出願人】(390008969)ワッカー ケミー アクチエンゲゼルシャフト (417)
【氏名又は名称原語表記】Wacker Chemie AG
【住所又は居所原語表記】Hanns−Seidel−Platz 4, D−81737 Muenchen, Germany
【Fターム(参考)】