説明

オーディオデータ処理端末機器

【課題】
再生するためのプレイリストを作成している間、または選択されたオーディオデータファイルの一覧表を見ながら再生すべきオーディーデータファイルを選択している間、ユーザーがストレスを感じるという課題があった。
【解決手段】
プレイリストを作成している間、または選択されたオーディオデータファイルの一覧表を見ながら再生すべきオーディオデータファイルを選択している間も、適度な音量でBGMを再生し、かつBGMの楽曲名とアーティスト名を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オーディオデータ処理端末機器に関し、特にネットワーク接続された複数のサーバーに記憶されたオーディオデータファイルを再生するためのオーディオデータ処理端末機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年のデジタルオーディオプレーヤにおいて、サーバー機器にネットワーク接続してデジタル形式のオーディオデータファイルを容易に処理するための技術が開発されている。この技術は、パソコンやDVDプレーヤなどの家庭内にある機器自動車の中にある機器や、デジタルカメラ、ビデオカメラや携帯電話機などの様々な携帯機器などにも適用することが可能である。このような技術により、複数のサーバー機器に記憶された膨大な数のオーディオデータファイルを聞くことが可能になり、前記の膨大な数のオーディオデータファイルを簡単にユーザーが選択して再生する技術が必要とされている。
【0003】
特許文献1には、メタデータ作成ツールを用いて、ユーザーが入力した条件に従ってオーディオデータファイルに関連する書誌情報を参照し、任意の商業空間に最適なBGMを選択し、また、前記ユーザーが入力した条件と、選択された複数のオーディオ情報とを分析して決定したオーディオデータファイルプレイリストに従ってオーディオデータファイルを再生する技術が開示されている。
【特許文献1】特開2002−333892
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術では、膨大なオーディオデータファイルを処理しなければならないため、再生するためのプレイリストを作成している間、または選択されたオーディオデータファイルの一覧表を見ながら再生すべきオーディーデータファイルを選択している間、ユーザーがストレスを感じるという課題があった。
【0005】
本発明は前記課題を鑑み、ユーザーにストレスを与えないようなオーディオデータ処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、オーディオデータ処理端末機器において、複数のオーディオデータファイルから所望のオーディオデータファイルを選択するための選択基準を設定する選択基準設定手段と、前記選択基準設定手段によって設定された選択基準に従って前記オーディオデータファイルから所望のオーディオデータファイルを選択して特定のプレイリストを作成するプレイリスト作成手段と、前記プレイリスト作成手段によって作成された特定のプレイリストの各オーディオデータファイルの少なくとも楽曲名およびアーティスト名を表示するための信号を生成する楽曲データ表示信号生成手段と、前記オーディオデータファイルの複数から再生するオーディオデータファイルを選択するオーディオデータファイル選択画面を表示するための信号を生成するオーディオデータファイル選択画面表示信号生成手段と、前記オーディオデータファイル選択画面から選択されたオーディオデータファイルを再生する音量を調整するための第一の音量調節手段と、前記特定のプレイリストのオーディオデータファイルを再生する音量を調節するための第二の音量調節手段と、前記楽曲データ表示信号生成手段および前記オーディオデータファイル選択画面表示信号生成手段のうちの一つ、もしくは両方からの出力信号に従って映像信号を出力するためのOSD手段と、前記オーディオデータファイルを再生するためのオーディオデータファイル再生手段と、前記複数のオーディオデータファイルおよび該オーディオデータファイルに含まれるメタデータを蓄積するための複数のサーバー機器と接続されているルーターと接続するための接続端子と、を備えるユーザーが操作可能であって、前記接続端子は前記ルーターを介して前記オーディオデータファイルおよび該オーディオデータファイルに含まれるメタデータにアクセスし、前記選択基準設定手段は、前記オーディオファイルデータそれぞれの再生時刻、再生回数および前記メタデータからユーザーが所望する少なくとも一つのカテゴリーを選択基準として設定可能とし、前記オーディオデータファイル選択画面表示信号生成手段によってオーディオデータファイル選択画面が表示されている間、前記特定のプレイリストのオーディオデータファイルを先頭から所定時間の間、前記第二の音量調節手段によって予め決められた音量で順次再生すると同時に、前記楽曲データ表示信号生成手段によって現在再生されている特定のプレイリストのオーディオデータファイルの少なくとも楽曲名およびアーティスト名を表示するための信号を出力し、前記オーディオデータファイル選択画面からユーザーが所望のオーディオデータファイルを選択したときには前記特定のプレイリストのオーディオデータファイルの再生を停止すると同時に該オーディオデータファイルを前記第一の音量調節手段によって調節された音量によって再生を開始するよう制御する。
【0007】
オーディオデータ処理端末機器において、前記メタデータは、前記オーディオファイルに付帯し、前記オーディオデータファイルそれぞれの特徴を示すキーワードまたはカテゴリーである。
【0008】
オーディオデータ処理端末機器において、前記所定時間はユーザーの所望の時間に設定可能である。
【0009】
前記の通り構成することにより、プレイリストを作成している間、または選択されたオーディオデータファイルの一覧表を見ながら再生すべきオーディオデータファイルを選択している間も、適度な音量で特定のプレイリストをBGMとして再生し、かつその特定のプレイリストの楽曲名とアーティスト名を表示することでユーザーに退屈感を与えず、気分を高揚させるよう作用する。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、ユーザーが複数のオーディオデータファイルから再生すべきものを選択している時に、ユーザーが設定した選択基準に従って作成された特定のプレイリストのオーディオデータファイルを所定時間のあいだ順次再生し、音量を通常のオーディオファイル再生時とは異なる音量で再生すると同時に再生中の特定のプレイリストの楽曲名とアーティスト名を表示することによってユーザーに退屈感を与えず、気分を高揚させるオーディオデータ処理端末機器を構成することが可能となる。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、前記メタデータは、前記オーディオファイルに付帯し、前記オーディオデータファイルそれぞれの特徴を示すキーワードまたはカテゴリーであるため、前記メタデータを選択基準に用いることによってユーザーの好みにより適応した特定のプレイリストを作成することが可能となる。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、特定のプレイリストを順次再生する所定時間をユーザーが設定することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1は本発明に係るオーディオデータ処理システムのブロック図を表す。図1を用いて本発明に係るオーディオデータ処理システムの構成を説明する。
【0014】
端末機器100は、複数のオーディオデータファイルから所望のオーディオデータファイルを選択するための選択基準を設定する選択基準設定手段101と、選択基準設定手段101によって設定された選択基準に従って前記オーディオデータファイルから所望のオーディオデータファイルを選択して特定のプレイリストを作成するプレイリスト作成手段103、プレイリスト作成手段103によって作成された特定のプレイリストのオーディオデータファイルそれぞれの少なくとも楽曲名およびアーティスト名を表示するための信号を生成する楽曲データ表示信号生成手段105、前記オーディオデータファイルの複数から再生するオーディオデータファイルを選択するオーディオデータファイル選択画面をサムネール表示するための信号を生成するオーディオデータファイル選択画面信号生成手段107、前記オーディオデータファイル選択画面から選択されたオーディオデータファイルを再生する音量を調整するための第一の音量調節手段109、前記特定のプレイリストのオーディオデータファイルを再生する音量を調節するための第二の音量調節手段111、オーディオデータファイル選択画面表示信号生成手段107と楽曲データ表示信号生成手段105のうちの一つ、もしくは両方からの出力信号に従って映像信号を出力するためのOSD手段113、および前記オーディオデータファイルを再生するためのオーディオデータファイル再生手段115から構成される。
【0015】
複数のオーディオデータファイルおよび該オーディオデータファイルに含まれるメタデータそれぞれを蓄積するためのサーバー機器117、119、121および123と、前記サーバー機器の複数と端末機器100を接続するためのルーター125は、端末機器100の接続端子102によって接続され、オーディオシステムを構成する。
【0016】
OSD手段113は文字および図形信号を表示手段127に出力し、表示手段127は文字および図形信号を表示する。また、オーディオデータファイル再生手段115は、音声信号をスピーカ129に出力し、スピーカ129は音声を出力する。
【0017】
図2は本発明に係る選択基準を設定するためのフローチャートを表す。また図3は本発明に係る選択基準を設定するための設定画面を表す。図2を元に、図1および図3を参照しながら選択基準の設定動作を説明する。図示しないユーザーインターフェースによって選択基準設定画面を起動する指令が選択基準設定手段101に送られる(ステップS201)。選択基準設定手段101から選択基準設定画面を表示するための信号がOSD手段113に送られ、表示装置127に図3の選択基準設定画面が表示される。図3の301に示すように、再生時刻を現在時刻から過去のいつまでの間に再生したオーディオデータファイルを選択するために過去の時刻を入力する(ステップS202)。次に、図3の303に示すように、再生頻度によってオーディオデータファイルを選択するために、これまでの再生回数を入力する(ステップS203)。次に図3の305に示すように、オーディオデータファイルに付帯しているメタ情報、例えば、アーティスト名、ジャンル名等、ユーザーが選択条件を絞り込むための情報を入力する(ステップS204)。次に、図3の307に示すように、特定のプレイリストを再生するときの、各オーディオデータファイルの先頭から再生する時間を入力する(ステップS205)。最後に、図3の309に示すように、特定のプレイリストを再生するときの音量値を第二の音量調節手段によって調節する(ステップS206)なお、本実施例ではステップS202からステップS206の5項目すべてに対して入力する場合を説明したが、入力する項目は1項目でも2項目でも動作は可能である。
【0018】
次に、図4は本発明に係るオーディオ処理システムの動作フローチャートを表す。また図5は本発明に係るオーディオデータファイル選択画面を表す。図4を元に図1および図5を参照しながら本発明の動作処理を説明する。
【0019】
まず端末機器100の選択基準設定手段101によって選択基準を設定し(ステップS401)、選択基準に従ってプレイリスト作成手段103よって特定のプレイリストが作成される(ステップS402)。次にオーディオデータファイル選択画面信号生成手段107によってオーディオファイルデータ選択画面を表す信号が生成され、作成された信号がOSD手段113に出力され、OSD手段113から映像信号が表示装置127に出力され、図5に示すようにオーディオデータファイル選択画面が表示装置127に表示される(ステップS403)。
【0020】
図5の503に示すA〜Lがサーバー機器117、119、121および123に記録されているオーディオデータファイルを表す画像が表示される。前記オーディオデータファイルを表す画像は、オーディオデータファイルのメタデータに含まれる映像情報を表示しても良いし、ユーザーの好みによってオリジナルの画像を設定することも可能である。
図5の503に示すA〜Lのうち、外枠が太字で囲われているAのオーディオデータファイルが現在選択可能であり、オーディオデータファイルAに関する楽曲データである、タイトル、記録した日付けおよび記録されているサーバー名が505に表示されている。
【0021】
次に第二の音量調節手段111によって所定の音量データがオーディオデータファイル再生手段115に出力され(ステップS404)、オーディオデータファイル作成手段115によって前記ステップS402で作成された特定のプレイリストが再生され(ステップS405)、再生された音声信号がスピーカ129によって出力される。次いで、楽曲データ表示信号生成手段105によって楽曲名/アーティスト名を表す信号がOSD手段113に出力され、OSD手段113から楽曲名/アーティスト名を表す映像信号が表示装置127に出力され、表示装置127に楽曲名/アーティスト名が図5の501のように表示される(S406)。
【0022】
次にオーディオデータファイル選択画面からユーザーが所望のオーディオデータファイルを選択した場合(ステップS407)には、オーディオデータファイル再生手段115によって特定のプレイリストのオーディオデータファイルの再生が停止される(ステップS408)。次に、第一の音量調節手段109によって音量が調節される(ステップS409)。次いでユーザーが選択したオーディオデータファイルがオーディオデータファイル再生手段115によって再生され(ステップS410)、オーディオデータファイル再生手段115で再生され、音声信号がスピーカ129から出力される。
【0023】
なお、ステップS407でユーザーが所望のオーディオデータファイルを選択しない場合、すなわち図5のオーディオデータファイル選択画面上で所望のオーディオファイルを選択中の間は、ステップS403に戻り、BGM用オーディオデータファイルを再生する処理を再度行う。
【0024】
なお、図4の動作フローチャートでは、ステップS403からステップS406は直列で処理を行っているが、並列に処理しても良い。また同様に、ステップS408からステップS409の並列に処理しても良い。
【0025】
なお、BGM用プレイリストを再生する際、BGM用プレイリストの複数のオーディオデータファイルを再生する順番を、BGM用プレイリストの作成された時点での順番で再生するか、ユーザーの所望の順番に並べ替えるためのステップを設けても良い。
【0026】
前述のように、本発明によって、プレイリストを作成している間、または選択されたオーディオデータファイルの一覧表を見ながら再生すべきオーディオデータファイルを選択している間も、ユーザーが任意で設定した選択基準によって選択された特定のプレイリストを通常のオーディオデータファイルを再生するための音量値とは別に設定された適度な音量でBGMとして再生し、かつ特定のプレイリストのオーディオデータファイルの楽曲名とアーティスト名を表示することでユーザーに退屈感を与えず、気分を高揚させることが出来る。
【0027】
なお、本発明における選択基準は、オーディオファイルデータそれぞれの再生時刻、再生回数および前記サーバーに蓄積されたメタデータに限らず、オーディオファイルデータに関連する情報すべてを選択基準とすることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明は、記録機能と音声出力機能を有する電子機器すべてに適用可能で有り、特に直接にインターネットなどのネットワークの音楽データにアクセス可能な機器、例えばパーソナルコンピュータ、テレビ、またこれらの機器に接続可能な据え置きか携帯用のオーディオレコーダ、あるいは公衆電話回線を通じて音楽データにアクセス可能な携帯電話端末等の電子機器に対しても好適である。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明に係るオーディオデータ処理システムのブロック図を表す。
【図2】本発明に係る選択基準設定のフローチャートを表す。
【図3】本発明に係る選択基準設定画面を表す。
【図4】本発明に係るオーディオ処理システムの動作フローチャートを表す。
【図5】本発明に係るオーディオデータファイル選択画面を表す。
【符号の説明】
【0030】
100 端末機器
101 選択基準設定手段
102 接続端子
103 プレイリスト作成手段
105 楽曲データ表示信号生成手段
107 オーディオデータファイル選択画面信号生成手段
109 第一の音量調節手段
111 第二の音量調節手段
113 OSD手段
115 オーディオデータファイル再生手段
117、119、121、123 サーバー機器
125 ルーター
















【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のオーディオデータファイルから所望のオーディオデータファイルを選択するための選択基準を設定する選択基準設定手段と、前記選択基準設定手段によって設定された選択基準に従って前記オーディオデータファイルから所望のオーディオデータファイルを選択して特定のプレイリストを作成するプレイリスト作成手段と、前記プレイリスト作成手段によって作成された特定のプレイリストの各オーディオデータファイルの少なくとも楽曲名およびアーティスト名を表示するための信号を生成する楽曲データ表示信号生成手段と、
前記オーディオデータファイルの複数から再生するオーディオデータファイルを選択するオーディオデータファイル選択画面を表示するための信号を生成するオーディオデータファイル選択画面表示信号生成手段と、前記オーディオデータファイル選択画面から選択されたオーディオデータファイルを再生する音量を調整するための第一の音量調節手段と、前記特定のプレイリストのオーディオデータファイルを再生する音量を調節するための第二の音量調節手段と、前記楽曲データ表示信号生成手段および前記オーディオデータファイル選択画面表示信号生成手段のうちの一つ、もしくは両方からの出力信号に従って映像信号を出力するためのOSD手段と、前記オーディオデータファイルを再生するためのオーディオデータファイル再生手段と、前記複数のオーディオデータファイルおよび該オーディオデータファイルに含まれるメタデータを蓄積するための複数のサーバー機器と接続されているルーターと接続するための接続端子と、を備えるユーザーが操作可能なオーディオデータ処理端末機器において、
前記接続端子は前記ルーターを介して前記オーディオデータファイルおよび該オーディオデータファイルに含まれるメタデータにアクセスし、前記選択基準設定手段は、前記オーディオファイルデータそれぞれの再生時刻、再生回数および前記メタデータからユーザーが所望する少なくとも一つのカテゴリーを選択基準として設定可能とし、前記オーディオデータファイル選択画面表示信号生成手段によってオーディオデータファイル選択画面が表示されている間、前記特定のプレイリストのオーディオデータファイルを先頭から所定時間の間、前記第二の音量調節手段によって予め決められた音量で順次再生すると同時に、前記楽曲データ表示信号生成手段によって現在再生されている特定のプレイリストのオーディオデータファイルの少なくとも楽曲名およびアーティスト名を表示するための信号を出力し、前記オーディオデータファイル選択画面からユーザーが所望のオーディオデータファイルを選択したときには前記特定のプレイリストのオーディオデータファイルの再生を停止すると同時に該オーディオデータファイルを前記第一の音量調節手段によって調節された音量によって再生を開始するよう制御することを特徴とするオーディオデータ処理端末機器。
【請求項2】
前記メタデータは、前記オーディオファイルに付帯し、前記オーディオデータファイルそれぞれの特徴を示すキーワードまたはカテゴリーである請求項1に記載のオーディオデータ処理端末機器。
【請求項3】
前記所定時間はユーザーの所望の時間に設定可能である請求項2乃至3に記載のオーディオデータ処理端末機器。










【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図1】
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【公開番号】特開2009−20941(P2009−20941A)
【公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−181671(P2007−181671)
【出願日】平成19年7月11日(2007.7.11)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】