説明

オーディオ装置、タグ情報編集方法及びプログラム

【課題】楽曲データの内容を確認しながら所望の楽曲データを選択してタグ情報の編集作業の手間を軽減すること。
【解決手段】タグ情報が付加された楽曲データを複数記憶する記憶部11と、楽曲データを再生するDSP19と、再生されている楽曲データを選択する選択指示を入力し、また、楽曲データに付加されているタグ情報を編集する編集情報を入力する操作部13と、記憶部11に記憶されている各楽曲データを一部分だけ再生させ、当該再生中に選択指示が入力された又は選択指示が入力されていない楽曲データのいずれか一方に該当する楽曲データに対して、入力された編集情報にタグ情報を編集する制御部10と、を備えるオーディオ装置1。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オーディオ装置、タグ情報編集方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複数の楽曲データを記憶する記憶部(メモリ)を備え、当該記録部に記憶されている楽曲データを再生するオーディオ装置がある。
この楽曲データに関する複数の詳細情報(例えば、タイトル・アーティスト名・アルバム名・時間・ジャンル・コメント・トラックナンバー等)を含む楽曲情報は、予め付加されていたり、CDDB(CD DataBase)(登録商標)等のデータベースを利用して楽曲データに付加されるタグ情報として取得したりすることができる。
【0003】
しかし、CDDB等によりタグ情報を付加しても、タグ情報の整合性がとれない場合がある。例えば、アーティスト名の表記が、頭文字のみ大文字で残りを小文字とする表記に対して、全文字を大文字を用いて表記する場合などが混在することにより、タグ情報を用いた検索では同一アーティストとして扱われないことがある。
【0004】
さらに、ユーザの所望により、定義されているジャンル情報とは異なるジャンルに定義したい場合も考えられる。そのため、ユーザは楽曲データ毎にタグ情報を個別的に編集する煩雑な作業を行なう必要があった。
【0005】
そこで、ユーザによる楽曲情報(タグ情報)の付加作業を容易化するために、単一の音楽CDに記録されている全ての楽曲データのタグ情報に共通する値の指定を受け付け、当該音楽CDから読み出された楽曲データのタグ情報に指定された値を設定するオーディオ再生装置が開示されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−246937号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した技術は、編集すべき楽曲データを確実に選び出すためには、ユーザが記憶部に記憶されている楽曲データを一つずつ実際に再生して視聴して判別する必要があり、楽曲データ毎に再生操作、試聴、停止操作、編集操作等を繰り返さなくてはならず、ユーザによって煩雑な作業である。
【0007】
本発明の課題は、楽曲データの内容を確認しながら所望の楽曲データを選択してタグ情報の編集作業の手間を軽減することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は、タグ情報が付加された楽曲データを複数記憶する記憶手段と、前記楽曲データを再生する再生手段と、前記再生手段により再生されている楽曲データを選択する選択指示を入力する選択手段と、前記楽曲データに付加されているタグ情報を編集する編集情報を入力する編集情報入力手段と、前記記憶手段に記憶されている各楽曲データを前記再生手段に一部分だけ再生させ、当該再生中に前記選択手段により選択指示が入力された又は選択指示が入力されていない楽曲データのいずれか一方に該当する楽曲データに対して、前記編集情報入力手段により入力された編集情報にタグ情報を編集する制御手段と、を備えるオーディオ装置であること、を特徴としている。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のオーディオ装置において、前記編集情報入力手段は、前記複数の選択肢から選択された選択肢を前記編集情報として入力する、ことを特徴としている。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のオーディオ装置において、文字情報を入力する文字情報入力手段を備え、前記編集情報入力手段は、前記文字情報入力手段により入力された前記文字情報を前記編集情報として入力する、ことを特徴としている。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載のオーディオ装置において、前記再生手段により再生される前記楽曲データの指定を入力する再生楽曲選択手段を備え、前記制御手段は、前記再生楽曲選択手段により指定された楽曲データを前記再生手段に一部分ずつ再生させる、ことを特徴としている。
【0012】
請求項5に記載の発明は、タグ情報が付加された楽曲データを複数記憶する記憶手段に記憶されている当該楽曲データを一部分だけ再生手段により再生する工程と、楽曲データに付加されているタグ情報を編集する編集情報を入力する工程と、前記再生手段による楽曲データの再生中に選択手段により選択指示が入力された又は選択指示が入力されていない楽曲データのいずれか一方に該当する楽曲データに対して、前記編集情報にタグ情報を編集する工程と、を含むオーディオ装置におけるタグ情報編集方法であること、特徴としている。
【0013】
請求項6に記載の発明は、コンピュータを、タグ情報が付加された楽曲データを複数記憶する記憶手段、前記楽曲データを再生する再生手段、前記再生手段により再生されている楽曲データを選択する選択指示を入力する選択手段、前記楽曲データに付加されているタグ情報を編集する編集情報を入力する編集情報入力手段、前記記憶手段に記憶されている各楽曲データを前記再生手段に一部分だけ再生させ、当該再生中に前記選択手段により選択指示が入力された又は選択指示が入力されていない楽曲データのいずれか一方に該当する楽曲データに対して、前記編集情報入力手段により入力された編集情報にタグ情報を編集する制御手段、として機能させるためのプログラムであること、を特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、楽曲データの内容を確認しながら所望の楽曲データを選択してタグ情報の編集作業の手間を軽減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
まず、構成を説明する。
図1に、本実施の形態におけるオーディオ装置1のブロック構成図を示す。
【0016】
図1に示すように、オーディオ装置1は、制御部10、記憶部11、表示部12、操作部13、AUX(Auxiliary)端子14、チューナー部15、CD(Compact Disk)メカ部16、セレクタ17、ADC18、DSP(Digital Signal Processor)19、DAC(Digital Analog Converter)20、増幅部21、出力部22等を備えて構成されている。
【0017】
制御部10は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)10a及びRAM(Random Access Memory)10bを備え、ROM10a等から各種処理プログラムや各種データを読み出してRAM10bに展開し、当該プログラムとの協働によりオーディオ装置1内の各部を集中的に制御し、また各種演算を行う。
【0018】
また、本実施の形態における制御部10は、操作部13により指定された記憶部11に記憶されている各楽曲データをDSP19により一部分だけ再生(イントロ再生処理)させ、当該再生中の楽曲データに対して選択指示(マーク付け操作)の操作信号が入力された場合、当該マーク付け操作がなされたことを示す処理マーク(例えば、フラグ等)を当該楽曲データに付与し、処理マークが付与された楽曲データ又は処理マークが付与されていない楽曲データのいずれか一方に該当する楽曲データに対して、操作部13により入力された編集情報にタグ情報を編集(書き換え、修正又は追加)するタグ情報編集処理を実行する制御手段として機能する。
【0019】
なお、本実施の形態においては、操作指示(マーク付け操作)をタグ情報編集処理対象の楽曲データを示す指示とし、処理マークが付与された楽曲データのタグ情報を編集する処理として説明するが、操作指示をタグ情報編集処理対象から除外する楽曲データを示す指示とする場合には、処理マークが付与されていない楽曲データのタグ情報を編集する。
【0020】
記憶部11は、HDD(Hard Disk Drive)等の大容量の不揮発メモリや、外部メモリ(メモリカード、USBメモリ、外付けHDD等)であり、オーディオ装置1が再生可能なタグ情報付きの楽曲データを、MP3(MPEG-1 Audio Layer-3)やWMA(Windows Media(登録商標) Audio)などの圧縮ファイル等の形式で記憶する記憶手段として機能する。
【0021】
タグ情報には、楽曲情報が含まれる。
この楽曲情報には、楽曲データに関する複数の詳細情報を含む。この詳細情報としては、例えば、アルバム名、アルバム名の読み仮名、アーティスト名、アーティスト名の読み仮名、ジャンル、ディスクナンバー、トラック名、トラック名の読み仮名、トラックナンバー等がある。
【0022】
表示部12は、制御部10からの表示信号に応じて、オーディオ装置1の動作モード情報、プレイリスト情報、楽曲データの楽曲情報等の各種情報を表示する。
【0023】
操作部13は、各種操作キーを備え、オーディオ装置1のユーザによる操作キーの操作に応じた操作信号を制御部10へ出力する。
操作部13は、特に、DSP19によりイントロ再生処理の実行対象となる楽曲データの指定として、イントロ再生処理される楽曲データの指定の操作信号を入力する再生楽曲選択手段と、DSP19によりイントロ再生処理されている楽曲データを選択するマーク付け操作の操作信号を入力する選択手段、としての機能を実現する。
【0024】
また、操作部13は、文字情報を入力する文字情報入力手段として機能すると共に、表示部12との協働により、楽曲データに付加されているタグ情報を編集する編集情報を入力する編集情報入力手段として機能する。編集情報としては、複数の選択肢から選択された選択肢であったり、入力された文字情報であったりする。
【0025】
AUX端子14は、図示しない外部機器を接続する入力端子であり、接続された外部機器からの音声信号をセレクタに入力する。
【0026】
チューナー部15は、図示しないアンテナ等を介して受信したラジオ等のキャリア放送電波を選択し、選択したキャリア放送電波を音声信号としてセレクタに入力する回路である。
【0027】
CDメカ部16は、CDドライブ等の装置であり、CDに記録された楽曲データを読み取り、セレクタ17又はDSP19へ出力する。
【0028】
セレクタ17は、オーディオ装置1が再生等する楽曲データの種類(ソース)の選択を行う回路である。制御部10から入力された制御信号に応じてソースの選択が切り替えられる。
【0029】
ADC18は、入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換して出力するA/D変換回路である。
【0030】
DSP19は、デジタル信号処理用のマイクロプロセッサであり、エンコーダ19a及びデコーダ19bを備える。エンコーダ19aは、CDメカ部16又はADC18から入力された楽曲データをエンコードしてMP3方式やWMAの圧縮ファイルを記憶部11に出力する。デコーダ19bは、記憶部11からの圧縮ファイルをデコードして再生処理を行い、楽曲データをDAC20に出力する。
【0031】
DAC20は、DSP19から入力される楽曲データをアナログ信号に変換して出力するD/A変換回路である。
【0032】
増幅部21は、DAC20から入力されるアナログ信号を増幅して出力部22に出力する回路である。
【0033】
出力部22は、スピーカやヘッドホン、外部出力端子等、増幅部21から入力されるアナログ信号を外部に出力する装置である。
【0034】
次に、本実施の形態の動作を説明する。
図2に、本実施の形態におけるタグ情報編集処理のフローチャートを示す。
【0035】
制御部10は、操作部13からイントロ再生処理の実行により再生される楽曲データの指定の操作指示、例えば、楽曲データのジャンル名、アーティスト名、フォルダ名等を指定する操作指示が入力されると、当該操作指示に従って、イントロ再生処理対象となる楽曲データをDSP19により記憶部11から読み出させ、イントロ再生処理の実行を開始させる(ステップS1)。
【0036】
ステップS1において実行されるイントロ再生処理とは、指定された各楽曲データの一部分を順次再生させる処理であり、例えば各楽曲データの開始から予め設定された時間(イントロ再生時間)が経過するまで再生させたり、楽曲データの開始から所定の時間が経過した時点から予め設定された時間(イントロ再生時間)を再生させたりする処理である。
【0037】
制御部10は、再生中の楽曲データに対して操作部13からマーク付け操作の操作信号が入力されたか否かを判別する(ステップS2)。このマーク付け操作は、ユーザがイントロ再生処理により再生中の楽曲データを聴きながら操作部13を操作して、タグ情報を編集すべき楽曲データに印を付ける操作である。
【0038】
制御部10は、マーク付け操作の操作信号の入力がない場合(ステップS2;No)、再生中の楽曲データのイントロ再生時間が経過したか否かを判別し(ステップS3)、イントロ再生時間が経過していない場合(ステップS3;No)、ステップS2に戻る。
【0039】
制御部10は、再生中の楽曲データに対して操作部13からマーク付け操作の操作信号が入力された場合(ステップS2;Yes)、楽曲データのファイルに処理マーク(例えば、フラグ)を付与する(ステップS4)。
【0040】
制御部10は、指定された全楽曲データのイントロ再生処理が終了したか否かを判別し(ステップS5)、指定された全楽曲データのイントロ再生処理が終了していない場合、即ち、未再生の楽曲データがある場合(ステップS5;No)、未再生の楽曲データ、即ち、次に指定された楽曲データのイントロ再生処理を開始し(ステップS6)ステップS2に戻る。
【0041】
制御部10は、指定された全楽曲データのイントロ再生処理が終了した場合(ステップS5;Yes)、処理マークが付与された楽曲データがあるか否かを判別し(ステップS7)、処理マークが付与された楽曲データがない場合(ステップS7;No)、本処理を終了する。
【0042】
制御部10は、処理マークが付与された楽曲データがある場合(ステップS7;Yes)、処理マークが付与された各楽曲データに対して、後述するタグ情報一括処理の実行を開始する(ステップS8)。
【0043】
制御部10は、処理マークが付与された全楽曲データのタグ情報一括処理が終了したか否かを判別し(ステップS9)、処理マークが付与された全楽曲データのタグ情報一括編集処理が終了していない場合、即ち、未処理の処理マークが付与された楽曲データがある場合(ステップS9;No)、ステップS9に戻る。
【0044】
制御部10は、処理マークが付与された全楽曲データのタグ情報一括処理が終了した場合(ステップS9;Yes)、本処理を終了する。
【0045】
図3〜5に、タグ情報編集処理が実行される際に表示部12に表示される画面例を示し、タグ情報編集処理を具体的に説明する。
【0046】
図3に示す画面例は、タグ情報として含まれる楽曲情報のジャンル名を他の複数のジャンル名から選択されたジャンル名に編集する場合の例である。
まず、メインメニュー画面G1において、再生される楽曲データのジャンル指定の操作指示が操作部13により入力される。
【0047】
ジャンル指定の操作指示が入力されると、ジャンル画面G2aが表示される。
当該ジャンル画面G2aには、複数のジャンル名が選択可能に一覧表示されており、当該複数のジャンル名のうちいずれかのジャンル名(例えば「Rock」)指定の操作信号が操作部13により入力される。
【0048】
ジャンル名指定の操作指示が入力されると、アーティスト画面G3が表示される。
アーティスト画面G3は、指定されたジャンル名の楽曲情報のタグ情報が付加されたアーティスト名が選択可能に一覧表示されており、当該複数のアーティスト名のうちいずれかのアーティスト名(例えば「AAA」)指定の操作信号が操作部13により入力される。
【0049】
アーティスト名指定の操作信号が入力されると、再生モード画面G4が表示される。
再生モード画面G4は、指定されたジャンル名及びアーティスト名の楽曲データの再生モードが選択可能に一覧表示されており、当該複数の再生モードのうちいずれかの再生モード(本処理では、イントロ再生)指定の操作信号が操作部13により入力され、指定された楽曲データ(ここでは、ジャンル「Rock」のアーティスト「AAA」の楽曲データ)のイントロ再生処理の実行が開始される。即ち、メインメニュー画面G1から再生モード画面G4までの処理がステップS1に相当する。
また、楽曲データの再生モード選択画面による再生モード選択は、メインメニュー画面G1により再生される楽曲を指定する以前に行ってもよい。
【0050】
イントロ再生処理が開始されると、イントロ再生画面G5が楽曲データ毎に表示される。イントロ再生画面G5は、イントロ再生されている楽曲データのタグ情報(例えば、アルバム名、トラック名、アーティスト名等)が表示される表示エリアE1と、イントロ再生モードを示すイントロマークM1が表示されていると共に、処理マークM2が表示可能となっている。処理マークM2は、操作部13からのマーク付け操作の操作信号に応じて表示されるものであり、当該処理マークM2が表示される楽曲データのファイルに当該処理マークを示すフラグが付与される。即ち、イントロ再生画面G5は、ステップS2〜S6の実行中に表示される画面である。
【0051】
指定された全楽曲データのイントロ再生処理が終了すると、メインメニュー画面G1が再度表示され、ユーザにより設定画面G6を表示させる操作指示が操作部13により入力され、設定画面G6が表示される。設定画面G6は、楽曲データに対して設定可能な項目が一覧表示される画面であり、処理マークが付与された楽曲データがある場合には、タグ情報編集項目が表示され、ステップS8におけるタグ情報一括処理の実行が開始される。
【0052】
タグ情報一括処理は、まず、設定画面G6のタグ情報編集項目を指定する操作信号が操作部13により入力されると、タグ情報編集画面G7aが表示される。タグ情報編集画面G7aは、処理マークが付与された楽曲データのタグ情報において、編集可能な項目が一覧表示されており、当該一覧表示された項目(編集対象候補項目)のうちいずれかの項目(例えば、ジャンル)指定の操作信号が操作部13により入力される。
【0053】
項目指定の操作指示が入力されると、タグ情報編集画面G7bが表示される。
このタグ情報編集画面G7bは、指定された項目(編集対象項目、例えば、ジャンル)の編集情報として複数の選択肢から選択する指示を示す一覧選択ボタンB1a、編集情報として文字情報を入力する指示を示す入力ボタンB1bのいずれか一方の選択指示の入力を受け付ける画面である。
【0054】
一覧選択ボタンB1aが選択されるとタグ情報編集画面G7cが表示される。
タグ情報編集画面G7cは、編集対象項目(例えば、ジャンル)の編集情報として複数の選択肢(例えば「Jazz」、「Latin」、「Pops」、「Rock」等)が一覧表示されており、当該複数の選択肢のうちいずれかの選択肢(例えば「Jazz」)指定の操作信号が操作部13により入力される。
【0055】
選択肢指定の操作信号が入力されると、タグ情報編集画面G7dが表示される。
タグ情報編集画面G7dは、タグ情報編集画面G7cにおいて選択された選択肢を編集情報としてタグ情報の編集を実行するYesボタンB1cと編集を実行しないNoボタンB1dのいずれか一方の選択指示の入力を受け付ける画面である。
【0056】
タグ情報編集画面G7dのYesボタンB1cの選択指示の操作信号が入力されると、処理マークが付与された全楽曲データのタグ情報の編集対象項目がタグ情報編集画面G7cにより選択された選択肢が編集情報として編集される。処理マークが付与された全楽曲データの一括処理が終了すると、メインメニュー画面G1が表示される。
【0057】
図3に示す画面例は、例えば、ユーザがジャンル「Rock」のアーティスト「AAA」の楽曲データを再生させて視聴していた場合、アーティスト「AAA」の楽曲データのうち一部の楽曲データを、ユーザの独自の分類として「Rock」ではなく「Jazz」のジャンルとして分類したい場合がある。
そこで、ユーザはオーディオ装置1に対して、ジャンル「Rock」のアーティスト「AAA」の楽曲データをイントロ再生させ、ジャンルを変更したい楽曲データにマーク付与操作を行い、処理マークを付与した楽曲データのジャンル「Rock」から複数のジャンルのうち選択した「Jazz」に編集する操作をタグ情報編集画面G7cにおいて入力する。オーディオ装置1は、処理マークが付与された楽曲データのジャンル名を「Rock」から「Jazz」に一括編集する。
以上のことから、ユーザは楽曲データを聴きながら所望する楽曲データのジャンルを一括編集することができる。
【0058】
図4に示す画面例は、タグ情報として含まれる楽曲情報のアーティスト名をユーザが入力した文字情報が示すアーティスト名に編集する場合の例である。
まず、メインメニュー画面G1において、再生される楽曲データのフォルダ指定の操作指示が操作部13により入力される。
【0059】
フォルダ指定の操作指示が入力されると、フォルダ画面G2bが表示される。
フォルダ画面G2bには、複数のフォルダ名が選択可能に一覧表示されており、当該複数のフォルダ名のうちいずれかのフォルダ名(例えば「AAA」)指定の操作信号が操作部13により入力される。
ここでのフォルダ名は、アーティスト名に該当し、フォルダ名「AAA」に対応するアーティスト名「AAA」の楽曲が記憶されている。
【0060】
フォルダ名指定の操作信号が入力されると、再生モード画面G4が表示され、イントロ再生モードの指定の操作信号が操作部13により入力され、指定された楽曲データ(ここでは、フォルダ「AAA」の楽曲データ)のイントロ再生処理の実行が開始される。即ち、メインメニュー画面G1から再生モード画面G4までの処理がステップS1に相当する。
【0061】
なお、イントロ再生処理が開始される際に表示されるイントロ再生画面G5、イントロ再生処理が終了した際に表示されるメインメニュー画面G1及び設定画面G6、タグ情報一括処理が開始される際に表示されるタグ情報編集画面G8aは、図3に示すイントロ再生画面G5、メインメニュー画面G1及び設定画面G6、タグ情報編集画面G7aと同様であるため、説明は省略する。
【0062】
設定画面G6にタグ情報編集項目が表示され、ステップS8におけるタグ情報一括処理の実行が開始される。タグ情報編集画面G8aにおいて、編集対象候補項目のうちいずれかの項目(例えば、アーティスト名)指定の操作信号が操作部13により入力されると、タグ情報編集画面G8b1が表示される。
【0063】
このタグ情報編集画面G8b1は、指定された項目(編集対象項目、例えば、アーティスト名)の編集情報として文字情報の入力を受け付ける入力エリアE2を備えた画面である。入力エリアE2には、編集対象項目の情報が書き換え可能に表示されており、この入力エリアE2に表示されている情報をユーザ任意の文字情報に操作部13を介して入力され書き換えられる。タグ情報編集画面G8b2は、入力エリアE2の情報がユーザ任意の文字情報に書き換えられた画面である。ここでは、アーティスト名「Aaa」が「AAA」に書き換えられた例を示している。
【0064】
編集対象項目の情報の書き換えが行なわれた後、タグ情報編集画面G8cが表示される。タグ情報編集画面G8cは、図3に示すタグ情報編集画面G7dと同様であるため、説明は省略する。
【0065】
タグ情報編集画面G8cのYesボタンB1cの選択指示の操作信号が入力されると、処理マークが付与された全楽曲データのタグ情報の編集対象項目がタグ情報編集画面G8b2により書き換えられた文字情報を編集情報として編集される。処理マークが付与された全楽曲データの一括処理が終了すると、メインメニュー画面G1が表示される。
【0066】
図4に示す画面例は、例えば、同一アーティストであっても、「Aaa」や「AAA」のように文字形式(大文字、小文字等)の違いにより、同一アーティストとしてみなされず検索できない場合がある。
そこで、ユーザはオーディオ装置1に対して、アーティスト名毎に分類されたフォルダ内の楽曲データをイントロ再生させながら、楽曲データ毎に表示部12に表示されるイントロ再生画面に表示されるタグ情報を視認して、アーティスト名を変更したい楽曲データにマーク付与操作を行い、処理マークを付与された楽曲データのアーティスト名の小文字の「a」を大文字の「A」に書き換えて、「Aaa」から「AAA」に編集する操作をタグ情報編集画面G8b1において入力する。オーディオ装置1は、処理マークが付与された楽曲データのアーティスト名を「Aaa」から「AAA」に一括編集する。
以上のことから、ユーザは楽曲データを聴きながら所望する楽曲データのアーティスト名を一括編集することができる。
【0067】
図5に示す画面例は、CDDB等のデータベースから取得すべき楽曲情報が付加されておらず予め設定された仮の楽曲情報が付加されているタグ情報において、仮の楽曲情報をユーザが入力した編集情報に編集する場合の例である。
まず、メインメニュー画面G1において、再生される楽曲データのアーティスト名の操作指示が操作部13により入力される。
【0068】
アーティスト名指定の操作指示が入力されると、アーティスト画面G3が表示される。
アーティスト画面G3は、アーティスト名が選択可能に一覧表示されている。
仮の楽曲情報が付加されているタグ情報のアーティスト名は、他のアーティスト名と識別するための仮のアーティスト名(例えば「ARTIST01」)が付加されている。従って、アーティスト画面G3には、仮のアーティスト名も表示される。
複数のアーティスト名のうち仮のアーティスト名(例えば「ARTIST01」)指定の操作信号が操作部13により入力される。
【0069】
アーティスト名指定の操作信号が入力されると、再生モード画面G4が表示され、イントロ再生モードの指定の操作信号が操作部13により入力され、指定された楽曲データ(ここでは、アーティスト名「ARTIST01」の楽曲データ)のイントロ再生処理の実行が開始される。即ち、メインメニュー画面G1から再生モード画面G4までの処理がステップS1に相当する。
【0070】
イントロ再生処理が開始される際に表示されるイントロ再生画面G5、イントロ再生処理が終了した際に表示されるメインメニュー画面G1及び設定画面G6、タグ情報一括処理が開始される際に表示されるタグ情報編集画面G9aは、図3に示すイントロ再生画面G5、メインメニュー画面G1及び設定画面G6、タグ情報編集画面G7aと同様であるため、説明は省略する。
【0071】
設定画面G6にタグ情報編集項目が表示され、ステップS8におけるタグ情報一括処理の実行が開始される。タグ情報編集画面G9aにおいて、編集対象候補項目のうちいずれかの項目(例えば、アーティスト名)指定の操作信号が操作部13により入力されると、タグ情報編集画面G9bが表示される。このタグ情報編集画面G9bは、図3に示すタグ情報編集画面G7bと同様であるため、説明は省略する。
【0072】
タグ情報編集画面G9bにおいて、入力ボタンB1bの選択指示の操作信号が入力されると、タグ情報編集画面G9cが表示される。このタグ情報編集画面G9cは、図4に示すタグ情報編集画面G8b1と同様であるため、説明は省略する。
このタグ情報編集画面G9cの入力エリアE2に表示されている情報がユーザ任意の文字情報に操作部13を介して入力され書き換えられる。
【0073】
編集対象項目の情報の書き換えが行なわれた後、タグ情報編集画面G9dが表示される。タグ情報編集画面G9dは、図3に示すタグ情報編集画面G7dと同様であるため、説明は省略する。
【0074】
タグ情報編集画面G9dのYesボタンB1cの選択指示の操作信号が入力されると、処理マークが付与された全楽曲データのタグ情報の編集対象項目がタグ情報編集画面G9cにより書き換えられた文字情報を編集情報として編集される。処理マークが付与された全楽曲データの一括処理が終了すると、メインメニュー画面G1が表示される。
【0075】
図5に示す画面例は、例えば、CDDB等のデータベースから楽曲情報を取得できない楽曲データのファイルは、仮の楽曲情報が付加されたタグ情報が付加されている。
仮の楽曲情報は、例えば、ジャンル名「Unkown」、アーティスト名「ARTIST01」、アルバム名「ALBUM01」、トラック名「01Track1.mp3」・・・のように、他の楽曲情報と識別可能な情報が付与されている。
このような場合、アーティスト名やアルバム名等、複数の楽曲データに共通の情報を一括して編集することが作業付加の低減を図ることができる。
そこで、ユーザはオーディオ装置1に対して、仮のアーティスト名毎に分類された楽曲データをイントロ再生させながら、アーティスト名を変更したい楽曲データにマーク付与操作を行い、処理マークを付与された楽曲データのアーティスト名「ARTIST01」をユーザが所望するアーティスト名「BBB」に書き換えて、「ARTIST01」から「BBB」に編集する操作をタグ情報編集画面G9cにおいて入力する。オーディオ装置1は、処理マークが付与された楽曲データのアーティスト名を「ARTIST01」から「BBB」に一括編集する。同様に、仮のアルバム名等も一括編集ができる。
以上のことから、ユーザは楽曲データを聴きながら所望する楽曲データの仮のアーティスト名を一括編集することができる。
【0076】
以上のように、本実施形態によれば、記憶部に記憶されている各楽曲データを一部分だけ再生させ(イントロ再生処理を実行)、当該イントロ再生中にマーク付け操作がされた楽曲データに対して、操作部13から入力された編集情報にタグ情報を編集することができるため、楽曲データの内容を確認しながら所望の楽曲データを選択してタグ情報の編集作業の手間を軽減することができる。
【0077】
なお、本発明は、上記実施形態に限らず、適宜変更可能であるのは勿論である。
例えば、本実施の形態態のオーディオ装置として、ポータブルオーディオ装置、据え置き型のオーディオ装置であっても良く、楽曲データを記憶及び再生可能な携帯電話であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】オーディオ装置のブロック構成図である。
【図2】タグ情報編集処理のフローチャートである。
【図3】タグ情報編集処理が実行される際に表示部に表示される画面例を示す図である。
【図4】タグ情報編集処理が実行される際に表示部に表示される画面例を示す図である。
【図5】タグ情報編集処理が実行される際に表示部に表示される画面例を示す図である。
【符号の説明】
【0079】
1 オーディオ装置
10 制御部
10a ROM
10b RAM
11 記憶部
12 表示部
13 操作部
14 AUX端子
15 チューナー部
16 CDメカ部
17 セレクタ
18 ADC
19 DSP
19a エンコーダ
19b デコーダ
20 DAC
21 増幅部
22 出力部
B1a 一覧選択ボタン
B1b 入力ボタン
B1c Yesボタン
B1d Noボタン
E1 表示エリア
E2 入力エリア
G1 メインメニュー画面
G2a ジャンル画面
G2b フォルダ画面
G3 アーティスト画面
G4 再生モード画面
G5 イントロ再生画面
G6 設定画面
G7a、G7b、G7c、G7d タグ情報編集画面
G8a、G8b1、G8b2、G8c タグ情報編集画面
G9a、G9b、G9c、G9d タグ情報編集画面
M1 イントロマーク
M2 処理マーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タグ情報が付加された楽曲データを複数記憶する記憶手段と、
前記楽曲データを再生する再生手段と、
前記再生手段により再生されている楽曲データを選択する選択指示を入力する選択手段と、
前記楽曲データに付加されているタグ情報を編集する編集情報を入力する編集情報入力手段と、
前記記憶手段に記憶されている各楽曲データを前記再生手段に一部分だけ再生させ、
当該再生中に前記選択手段により選択指示が入力された又は選択指示が入力されていない楽曲データのいずれか一方に該当する楽曲データに対して、前記編集情報入力手段により入力された編集情報にタグ情報を編集する制御手段と、
を備えるオーディオ装置。
【請求項2】
前記編集情報入力手段は、前記複数の選択肢から選択された選択肢を前記編集情報として入力する、
請求項1に記載のオーディオ装置。
【請求項3】
文字情報を入力する文字情報入力手段を備え、
前記編集情報入力手段は、前記文字情報入力手段により入力された前記文字情報を前記編集情報として入力する、
請求項1に記載のオーディオ装置。
【請求項4】
前記再生手段により再生される前記楽曲データの指定を入力する再生楽曲選択手段を備え、
前記制御手段は、前記再生楽曲選択手段により指定された楽曲データを前記再生手段に一部分ずつ再生させる、
請求項1から3のいずれか一項に記載のオーディオ装置。
【請求項5】
タグ情報が付加された楽曲データを複数記憶する記憶手段に記憶されている当該楽曲データを一部分だけ再生手段により再生する工程と、
楽曲データに付加されているタグ情報を編集する編集情報を入力する工程と、
前記再生手段による楽曲データの再生中に選択手段により選択指示が入力された又は選択指示が入力されていない楽曲データのいずれか一方に該当する楽曲データに対して、前記編集情報にタグ情報を編集する工程と、
を含むオーディオ装置におけるタグ情報編集方法。
【請求項6】
コンピュータを、
タグ情報が付加された楽曲データを複数記憶する記憶手段、
前記楽曲データを再生する再生手段、
前記再生手段により再生されている楽曲データを選択する選択指示を入力する選択手段、
前記楽曲データに付加されているタグ情報を編集する編集情報を入力する編集情報入力手段、
前記記憶手段に記憶されている各楽曲データを前記再生手段に一部分だけ再生させ、
当該再生中に前記選択手段により選択指示が入力された又は選択指示が入力されていない楽曲データのいずれか一方に該当する楽曲データに対して、前記編集情報入力手段により入力された編集情報にタグ情報を編集する制御手段、
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−259339(P2009−259339A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−107534(P2008−107534)
【出願日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【出願人】(000003595)株式会社ケンウッド (1,981)
【Fターム(参考)】