説明

オーディオ装置

【課題】CDに収録された各楽曲に対し、適正に発売日情報を与えることを可能なオーディオ装置を提供すること。
【解決手段】ハードディスクドライブ1に、楽曲の情報がCDに書き込まれた目次情報に関連づけされて構築された第1データベース21と、第1データベース21に含まれない既存のCDの発売日情報が、第1データベース21の情報に関連付けされて構築された第2データベース22と、が構築されており、制御手段は、CD駆動時に、まず、CDの目次情報と第1データベース21の情報との対応付けを行い、次に、CDに収録された楽曲の1曲を選択し、この選択した曲について、第1データベース21に格納された情報と、第2データベース22に格納された、楽曲が収録されたCD発売日情報との対応付けした第3データベース23を構築する処理を、順次1曲ごとにCDに収録された全曲について行うようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多数の楽曲を保存するのに伴って、各楽曲に関する情報を格納したデータベースを作成するオーディオ装置に関し、特に、CD(Compact Discの略である)発売日情報を元にプレイリストを作成するオーディオ装置に用いるのに好適なものに関する。
【背景技術】
【0002】
近年の車載オーディオとして、ハードディスクやフラッシュメモリといった大容量の記憶媒体を有しており、CDなどの音源の楽曲データを、圧縮手段(例えば、MP3、WMA、AAC、ATRAC3などの手法)を用いてデータ圧縮し記憶媒体に保存することで、膨大な曲数の楽曲データが記憶できるものが知られている。
【0003】
そこで、このような大容量の記憶媒体に記憶された楽曲データを再生するのにあたり、全曲を順番に再生するのではなく、運転コースや走行時間あるいはユーザの嗜好などに応じて楽曲データを選択した集合体であるプレイリストをあらかじめ設定しておき、このプレイリストに従って楽曲データを再生するオーディオ装置が知られている。
【0004】
また、プレイリストの作成の手法も種々提案されており、その1つに、CDの発売日や発表年を基準としたプレイリストを作成する装置も知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
この従来技術は、CDが有しているTOC(Table of Contents)情報に基づいて、CDDB(Compact Disc Data Base)にアクセスし、楽曲情報を取得し、このCDの発売日や発表年を基準としたプレイリストを作成したり、各月にちなんだキーワードを基準としたプレイリストを作成したりすることができるようにしたものである。
したがって、利用者は、発表年が同じ楽曲を選択的に再生したり、所望の月にちなんだキーワードを含む楽曲を選択的に再生したりすることができる。すなわち、ユーザは、70年代ミュージック、80年代ミュージックなどのように、共通の年代の楽曲を好む傾向があり、上記従来技術では、このような年代別に分けたプレイリストを、自動的に作成することができる。
【特許文献1】特開2005−44391号公報参照
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願発明者は、ユーザの楽曲再生の嗜好の一つとして、季節に応じて楽曲を選択する傾向にあることに着目した。また、CDの発売も、冬に関係する楽曲を主体としたものを冬に発売したり、海や夏に関係する楽曲を夏に発売したりするように、季節に応じて発売されるケースがあることにも着目した。
【0007】
上述の従来技術では、上記のように年代別のプレイリストを作成する他にも、月別や季節別のプレイリストを作成することについても記載されている。
【0008】
しかしながら、上述の従来技術では、CDの目次情報(TOC情報)に基づいて、月別や季節別というような年間の時期に応じたプレイリストを作成した場合に、以下に述べる問題点があった。
すなわち、CDの目次情報に対応付けされたデータベース(CDDB)として、Gracenote社のデータベースがよく知られているが、このデータベースにはCD製作年しか含まれておらず、実際には、年代別のプレイリストの作成はできても、曲ごとに季節に応じた仕分けができなかった。このため、月別や季節別のプレイリストを作成する場合、従来技術に記載のように、タイトルなどのキーワード検索などが必要で、処理が複雑になっていた。
また、CDには、いわゆるベストアルバムのように、過去に発表された楽曲を集めたCDが存在する。このようなCDでは、例えば、冬に発表された曲や夏に発表された曲などのように発売日が異なる楽曲が収録されている。そこで、仮に、データベースにCDの発売日情報が含まれているとしても、このようなCDでプレイリストを作成する場合、CDの目次情報に基づいてCDの発売日を取得すると、そのベストアルバムの発売日が取得され、つまり、各楽曲の実際の発売日と異なる発売日が取得され、適正なプレイリストを作成することができないおそれがあった。
【0009】
本発明は、上述の問題点に着目してなされたもので、CDに収録された各楽曲に対し、適正に発売日情報を与えることを可能とするオーディオ装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述の目的を達成するために本発明は、再生可能な楽曲データが保存されるとともに、この楽曲に関する情報が格納されたデータベースが構築された保存手段と、楽曲が収録されたCDを駆動し、このCDに収録された楽曲データ、ならびにこのCDの情報書込領域に書き込まれていた目次情報を読取可能なCD駆動手段と、このCD駆動手段で再生される前記CDの楽曲データを、前記保存手段に保存する処理を実行可能な制御手段と、を備えたオーディオ装置であって、前記保存手段が、前記データベースとして、あらかじめ、既存のCDに収録された楽曲の曲名や演奏者を含む情報が、前記CDに書き込まれた目次情報に関連づけされた第1のデータベースと、この第1のデータベースに含まれない情報であって少なくとも既存のCDの発売日情報が、前記第1のデータベースの情報に関連付けられた第2のデータベースと、を備え、前記制御手段は、前記CDの駆動時に、まず、このCDの目次情報と前記第1のデータベースの情報との対応付けを行い、次に、CDに収録された楽曲の1曲を選択し、次に、この選択した曲について、前記第1のデータベースに格納された情報と、前記第2のデータベースに格納された、前記楽曲が収録されたCDの発売日情報との対応付けした第3のデータベースを構築する処理を、順次1曲ごとに前記CDに収録された全曲について行うことを特徴とするオーディオ装置とした。
【0011】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のオーディオ装置において、前記制御手段が、前記第3のデータベースを構築した後、その楽曲情報のCD発売日に基づいて、時期に応じて分けられたグループに分類することを特徴とするオーディオ装置とした。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のオーディオ装置において、日付を計測する日付計測手段を備え、前記保存手段に保存された楽曲の再生時には、前記制御手段が、まず、日付計測手段からその時点の日付を読み込み、この日付に対応したグループを選択し、この選択したグループに含まれる楽曲を自動再生する自動再生制御を実行することを特徴とするオーディオ装置とした。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のオーディオ装置において、キャンセル操作手段を備え、前記制御手段が、キャンセル操作時には、前記自動再生制御を中止することを特徴とするオーディオ装置とした。
【発明の効果】
【0013】
本発明では、CDに収録された楽曲をHDDなどの保存手段に保存する場合、まず、制御手段は、第3のデータベースを構築する処理を実行する。
この場合、まず、CDの目次情報(TOC情報)に基づいて、第1のデータベース(CDDB)を参照し、目次情報に、各曲の曲名、アーティスト名などの対応付けを行う。なお、このような第1のデータベースとしては、例えば、Gracenote株式会社からインターネットを介して配信されるデータベースが知られており、アーティスト名や曲名や制作年度などの情報が含まれている。
【0014】
次に、CDに収録された曲の中の1曲を選択し、第1のデータベースで得られた曲名やアーティスト名などに基づいて、この第1のデータベースの関連データベースとしての第2のデータベースにより、CD発売日の対応付けを行う。この場合、CDの目次情報にCD発売日を対応付けするのではなく、第1のデータベースで得られた曲名を含む情報にCD発売日の対応付けを行うため、CD駆動手段で駆動されているCDの発売日ではなく、選択した楽曲が最初に収録されたCDの発売日情報が対応付けされる。この第2のデータベースも、インターネットを介して配信されるデータベースを用いることができ、第1のデータベースに含まれない情報、すなわち、少なくともCDの発売日に関する情報が含まれている。
【0015】
このようにして、CDの楽曲の中から選択した1曲の楽曲に対してCD発売日を対応付けして第3のデータベースを作成する。
【0016】
さらに、選択した楽曲について第3のデータベースを作成したら、CDの他の楽曲を選択して、上述の処理を行って、次に選択した楽曲についてCD発売日を対応付けした第3のデータベースを作成する。
以上の処理を、CDに収録された全曲について、順次1曲ごとに行う。
【0017】
以上のように、本発明では、CDに収録された楽曲について、1曲ごとに、CD発売日の対応付けを行うとともに、このとき、CD発売日を、CDの目次情報ではなく、目次情報に対応付けした曲名などの情報に対応付けするようにしたため、ベストアルバムのように、CD発売日が異なる楽曲が複数収録されたCDから楽曲の録音を行う場合でも、1曲ごとにその曲の適正な発売日が対応付けされる。
したがって、第3のデータベースに基づいてプレイリストを作成する際に、誤ったCD発売日に基づいたプレイリストが作成されるのを防止して、適正なプレイリストを作成することが可能となる。
【0018】
加えて、1曲ごとに適正なCD発売日の対応付けが行われることから、季節や月別などの年間の時期に応じたプレイリストを、複雑なキーワード検索無しに作成することが可能となる。
【0019】
また、請求項2に記載の発明では、第3のデータベースに格納されたCD発売日に基づいて、時期(例えば、月や季節)に応じて分けられたグループに分類する。
この分類は、上記のように、CDの目次情報に基づくCD発売日ではなく、1曲ごとにその楽曲のCD発売日に基づいて行われるため、適正に分類することができる。
【0020】
請求項3に記載の発明では、保存手段に格納された楽曲の再生時には、日付計測手段から、その時点の日付を読み込み、この日付に対応するグループを選択し、このグループに含まれる楽曲を自動再生する。
このように、再生時には、その時点の時期に応じた楽曲の再生が実行され、しかも、このグループ分けは、上記のように楽曲のCD発売日に適正に対応しており、違和感無く時期に応じた自動再生が実行される。
【0021】
請求項4に記載の発明では、制御手段は、キャンセル操作手段が操作された時には、上記自動再生を中止する。
このように、自動再生を必要に応じてキャンセルできるため、使い勝手が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明のオーディオ装置の実施の形態を説明する。
この実施の形態のオーディオ装置は、再生可能な楽曲データが保存されるとともに、この楽曲に関する情報が格納されたデータベースが構築された保存手段(1)と、楽曲が収録されたCD(11)を駆動し、このCD(11)に収録された楽曲データ、ならびにこのCDの情報書込領域に書き込まれていた目次情報を読取可能なCD駆動手段(9)と、このCD駆動手段(9)で再生されるCD(11)の楽曲データを、前記保存手段(1)に保存する処理を実行可能な制御手段(5)と、を備えたオーディオ装置であって、前記保存手段(1)が、前記データベースとして、あらかじめ、既存のCDに収録された楽曲の曲名や演奏者を含む情報が、前記CDに書き込まれた目次情報に関連付けされた第1のデータベース(21)と、この第1のデータベース(21)に含まれない情報であって少なくとも既存のCDの発売日情報が、前記第1のデータベース(21)の情報に関連付けられた第2のデータベース(22)と、を備え、前記制御手段(5)は、前記CD(11)の駆動時に、まず、このCD(11)の目次情報と前記第1のデータベース(21)の情報との対応付けを行い、次に、CD(11)に収録された楽曲の1曲を選択し、次に、この選択した曲について、前記第1のデータベース(21)に格納された情報と、前記第2のデータベース(22)に格納された、前記楽曲が収録されたCDの発売日情報との対応付けした第3のデータベース(23)を構築する処理を、順次1曲ごとに前記CDに収録された全曲について行うことを特徴とするオーディオ装置である。
【実施例1】
【0023】
図1〜図4に基づいて本発明の最良の実施の形態として車両に搭載した実施例1のオーディオ装置Aについて説明する。
【0024】
まず、実施例1のオーディオ装置Aの構成を説明する。
この実施例1のオーディオ装置Aは、図1に示すように、保存手段としてのハードディスクドライブ1、ユーザインタフェース2、日付計測手段としての時計3、ディスプレイ装置4、制御手段としてのCPU(Central Processing Unit)5、アンプ6、スピーカ7、メモリ8、CD(Compact Discの略である)ドライブ(CD駆動手段)9、メディアスロット10を備えている。
【0025】
ハードディスクドライブ1は、情報の記録および読み出しを行う記憶装置であって、ユーザがCDドライブ9に差し込んだCD11に記録された楽曲データを圧縮、もしくは、データの移動という形で、保存可能に構成されている。
また、このハードディスクドライブ1の内部には、後述する第1のデータベース、第2のデータベース、第3のデータベースが構築されている。
【0026】
ユーザインタフェース2は、使用者とのインタフェースを果たす役割を持っており、本実施例1では、ディスプレイ装置4に与えられたタッチパネル機能で構成され、ユーザへの視覚情報の提示とユーザの選択とを実行可能としている。
タッチパネル機能としては、具体的には、再生ボタンや音量調節ボタンなどの一般的な操作ボタンが表示されるが、これらに加え、本実施例1では、後述する季節に別に分類されたグループを示す季節別のボタン並びにキャンセルボタンが表示される。
【0027】
時計3は、現在の時刻データを得るためのもので、年、月、日もカウントしている。
ディスプレイ装置4は、画像表示装置であって、液晶パネルが用いられている。
【0028】
CPU5は、メモリ8に記憶されたプログラムを実行して、各構成の作動を制御する装置である。
アンプ6およびスピーカ7は、楽曲の再生装置に相当する。
【0029】
CDドライブ9は、挿入されたCD11を駆動し、CD11に保存された楽曲データを再生することができる情報に変換する機能を有している。
【0030】
メディアスロット10は、SDメモリカードやメモリースティック、あるいはUSB(Universal Serial Bus)による接続が可能な携帯オーディオなどの外部記憶媒体13をオーディオ装置Aに着脱する部分である。
【0031】
次に、ハードディスクドライブ1が備えている第1データベース21、第2データベース22、第3データベース23について、図2に基づいて説明する。
【0032】
第1データベース21は、CD11が有しているTOC(Table of contents)情報に関連付けられて、CD11に関する情報が格納されたいわゆるCDDB(Compact Disc DataBase)と呼ばれるデータベースであって、具体的には、そのCD11の、CDタイトル名、CD11に収録された曲名、アーティスト名(演奏者)、製作年度などの情報が格納されており、具体的には、Gracenote株式会社がネット上で配信しているCDDBを用いているものとする。ちなみに、図2では、この第1データベース21に格納されている1曲分の情報を概念的に示している。
【0033】
なお、TOC情報は、録音したCDの最内周部分の情報書き込み領域に書き込まれた楽曲目次情報のことで、CDの総曲数、時間などが記録されている。
【0034】
第2データベース22は、第1データベース21のリレーショナルデータベース(関係データベース)として存在している。すなわち、第2データベース22には、第1データベース21に格納された情報に関連付けして、この第1データベース21が有していない情報が格納されており、この情報には、少なくとも、CD11の発売日が含まれている。具体的には、この第2データベース22は、ネット上でメタサービスとして配信されたCDDBが格納されている。なお、図2では、第1データベース21と同様に、この第2データベース22に格納された1曲分のデータを概念的に示している。
【0035】
上述のように、第1データベース21には、TOC情報に関連付けされた情報が格納されており、第2データベース22には、第1データベース21の情報に関連付けされた情報が格納されている。そして、第1データベース21および第2データベース22は、それぞれ、ネットワークを介して得られるデータベースであり、これらは、あらかじめハードディスクドライブ1内に構築されている。また、必要に応じて、図1に示すように、コンピュータネットワーク14に接続されたパーソナルコンピュータ12を用いて、最新のものを外部記憶媒体13にダウンロードし、これをメディアスロット10に接続して更新することができる。
【0036】
図2に戻り、第3データベース23は、CPU5による後述するデータベース構築処理により構築されるデータベースであり、これを簡単に説明すると、CD11が有するTOC情報と第1データベース21との関連付けと、第1データベース21と第2データベース22との関連付けとを経て、CD11に収録された各楽曲に関する情報に、CD発売日情報を対応付けして構築されたものである。
【0037】
さらに、ハードディスクドライブ1には、季節ごとに分類したプレイリストである、春グループプレイリスト31、夏グループプレイリスト32、秋グループプレイリスト33、冬グループプレイリスト34が格納されている。
【0038】
次に、上述した第3データベース23の構築処理ならびにプレイリスト31〜34の分類処理の流れについて、図3のフローチャートに基づいて説明する。
【0039】
このフローチャートに示す処理は、CD11をCDドライブ9に差し込むことで開始される。
ステップS1〜S5の処理により、第3のデータベース23が構築される。
この構築処理において、まず、ステップS1では、CD11が有しているTOC情報を取得し、曲目リストを作成する。
【0040】
次のステップS2では、第1データベース21を参照し、CD11に収録されている各曲に、それぞれCDタイトル名、曲名、アーティスト名などの情報の対応付けを行う。
【0041】
次のステップS3では、ステップS2において対応付けを行った複数の楽曲から、まず、1曲目を選択する。なお、この1曲目とは、CD11に収録された楽曲の、再生順が1番目の曲のことである。
【0042】
次のステップS4では、選択された曲について、第2データベース22を参照してCD発売日の対応付けを行う。すなわち、ステップS2において、TOC情報に対応付けされた第1データベース(CDDB)21の情報に基づいて、その関連データベースである第2データベース22が有しているCD発売日の情報の関連付けを行う。
【0043】
このCD発売日の関連付けにおいて、CD11に対する関連付けではなく、楽曲に対して関連付けを行っているため、その楽曲が最初に収録されたCDの発売日が得られる。したがって、例えば、CD11が、ベストアルバムのように過去に発表された楽曲のみが収録されたCDであっても、楽曲に関連付けられるCD発売日は、このCD11の発売日ではなく、その楽曲が最初に収録されたCDの発売日が対応付けられる。
【0044】
次のステップS5では、CD発売日が対応付けされた情報に基づいて、第3データベース23を作成する。
以上の処理で、第3データベース23が構築される。
【0045】
次に、ステップS6〜S13の処理により、第3データベース23に格納された楽曲の各プレイリスト31,32,33,34への分類を行う。
【0046】
まず、ステップS6では、CD発売日が春であるか否か、具体的には、3,4,5月のいずれかであるか判定し、これに該当すれば、この楽曲の情報をステップS7に進み、春グループプレイリスト31へ分類する。
【0047】
また、ステップS6において、CD発売日が春でない場合には、ステップS8に進んで、発売日が夏であるか、具体的には、6,7,8月のいずれかであるか判定し、これに該当すれば、ステップS9に進んで、この楽曲の情報を夏グループプレイリスト32へ分類する。
【0048】
また、ステップS8において、CD発売日が夏でない場合には、ステップS10に進んで、発売日が秋であるか、具体的には、9,10,11月のいずれかであるか判定し、これに該当すれば、ステップS11に進んで、この楽曲の情報を秋グループプレイリスト33へ分類する。
【0049】
また、ステップS10において、CD発売日が秋でない場合には、ステップS12に進んで、この楽曲の情報を冬グループプレイリスト34へ分類する。
【0050】
そして、ステップS7,S9,S11,S12のいずれかの処理を行った後に、ステップS13に進んで、選択された楽曲を、ハードディスクドライブ1に収録する。
【0051】
次のステップS14では、CD11からハードディスクドライブ1への収録が全て終わったかどうか判定し、未収録の曲が存在する場合、ステップS15において、次の曲の選択を行った後、ステップS4に進んで、その楽曲について、上述のステップS4からの処理を繰り返し、一方、全ての楽曲の収録が終わっていれば、以上の処理を終了する。
【0052】
次に、図4に示す再生処理の流れについて説明する。
この再生処理は、ユーザインタフェース2を介して、ユーザが再生を選択することで実行が開始される。
【0053】
そして、まず、ステップS21では、時計3からの入力に基づいて現在の日付情報を取得する。
【0054】
次のステップS22では、現在の日付が春であるか、具体的には、3,4,5月のいずれかであるか判定し、いずれかの月であればステップS23に進んで、春グループプレイリスト31を選択する。
【0055】
また、ステップS22において、3,4,5月のいずれでもない場合は、ステップS24に進んで、現在の日付が夏であるか、具体的には、6,7,8月のいずれかであるか判定し、そのいずれかであれば、ステップS25に進んで、夏グループプレイリスト32を選択する。
【0056】
また、ステップS24において、6,7,8月のいずれでもない場合は、ステップS26に進んで、現在の日付が秋であるか、具体的には、9,10,11月のいずれかであるか判定し、そのいずれかであれば、ステップS27に進んで、秋グループプレイリスト33を選択する。
【0057】
また、ステップS26において、9,10,11月のいずれでもない場合には、ステップS28に進んで、冬グループプレイリスト34を選択する。
【0058】
次のステップS29では、ディスプレイ装置4の操作パネルにおいてキャンセル操作が成されたか否か判定し、キャンセル操作が成されなかった場合には、ステップS30に進んで、各プレイリスト31〜34のうちで、ステップS23,25,27,28で選択されたものに格納された楽曲のランダム再生を行う自動再生処理を実行する。
【0059】
一方、ステップS29でキャンセル操作が成されていた場合には、ステップS31に進んで、手動操作に基づく再生を行う。この手動操作に基づく再生とは、ディスプレイ装置4に表示された操作パネルにより、例えば、1曲1曲を手動で選択して再生したり、各プレイリスト31〜34のうちで、手動により選択されたもののみを再生したり、手動で選択した年や月がCD発売日に相当するものを、第3データベース23に格納された情報に基づいて選択して再生したりすることなどがある。
【0060】
以上説明したように、実施例1では、CD11のTOC情報と第1データベース21との関連付けを行い、さらに、第1データベース21の楽曲情報と第2データベース22のCD発売日情報の関連付けを行い、CD11に収録された楽曲の1曲1曲に、CD発売日情報を関連付けした第3データベース23を構築するようにした。
【0061】
このため、CD11が、ベストアルバムのように、過去に発売された楽曲を収録したCDであっても、TOC情報にCD発売日を関連付けたもののように、このベストアルバムの発売日が関連付けられる不具合が生じることなく、楽曲ごとに、その楽曲が発表されたCDの発売日が適正に関連付けられた第3データベース23を構築することが可能となった。
したがって、この第3データベース23に基づいて分類された各プレイリスト31〜34では、その分類が的確になり、各プレイリスト31〜34を適正に作成することが可能となる。
【0062】
加えて、第3データベース23において、1曲ごとに適正なCD発売日の対応付けが行われることから、季節に応じた各プレイリスト31〜34を、キーワード検索などの複雑な検索を用いること無しに、正確かつ容易に作成することが可能となる。
【0063】
さらに、実施例1では、再生作動を選択するだけで、各プレイリスト31〜34のうちで、その時点の日付に応じた季節のプレイリストを選択し、この選択されたプレイリストに従って自動再生が実行される。
したがって、ユーザの楽曲再生の嗜好の一つである季節に応じた楽曲の再生を自動的に違和感なく実行することができる。
【0064】
また、この自動再生は、ユーザは、キャンセル操作を行うことで、中止可能であり、使い勝手に優れる。
【0065】
以上、図面を参照して、本発明の実施の形態の実施例1を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施例1に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
【0066】
すなわち、実施例1では、オーディオ装置として、車載のオーディオ装置を示したが、これに限定されず、携帯式のオーディオ装置にも適用することができる。
【0067】
また、実施例1では、保存手段としてハードディスクドライブ1を示したが、これ以外の記憶媒体を用いることもできる。
【0068】
また、実施例1では、楽曲情報により季節ごとのプレイリストを作成する例を示したが、この分類する時期は、季節に限らず、例えば、月ごとなどこれとは異なる範囲に分けることができるほか、季節の分類に加えて、クリスマスやバレンタインなど、特定の日にちに分類するようにしてもよく、さらに、この特定日を、ユーザが任意に設定可能として、自身の誕生日にちなんだ曲などに分類可能としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の実施の形態の実施例1のオーディオ装置Aの構成を示すブロック図である。
【図2】実施例1のオーディオ装置Aにおいて、保存手段としてのハードディスクドライブ1の各データベース21,22,23および各プレイリスト31,32,33,34の関係の概略を示す説明図である。
【図3】実施例1のオーディオ装置AにおけるCD駆動時における処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】実施例1のオーディオ装置Aにおける自動再生時の処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0070】
1 ハードディスクドライブ(保存手段)
3 時計(日付計測手段)
4 ディスプレイ装置(操作手段)
5 CPU(制御手段)
9 CDドライブ(CD駆動手段)
14 コンピュータネットワーク
21 第1データベース
22 第2データベース
23 第3データベース
31 春グループプレイリスト
32 夏グループプレイリスト
33 秋グループプレイリスト
34 冬グループプレイリスト
A オーディオ装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
再生可能な楽曲データが保存されるとともに、この楽曲に関する情報が格納されたデータベースが構築された保存手段と、
楽曲が収録されたCDを駆動し、このCDに収録された楽曲データ、ならびにこのCDの情報書込領域に書き込まれていた目次情報を読取可能なCD駆動手段と、
このCD駆動手段で再生される前記CDの楽曲データを、前記保存手段に保存する処理を実行可能な制御手段と、
を備えたオーディオ装置であって、
前記保存手段が、前記データベースとして、あらかじめ、既存のCDに収録された楽曲の曲名や演奏者を含む情報が、前記CDに書き込まれた目次情報に関連づけされた第1のデータベースと、この第1のデータベースに含まれない情報であって少なくとも既存のCDの発売日情報が、前記第1のデータベースの情報に関連付けられた第2のデータベースと、を備え、
前記制御手段は、前記CDの駆動時に、まず、このCDの目次情報と前記第1のデータベースの情報との対応付けを行い、次に、CDに収録された楽曲の1曲を選択し、次に、この選択した曲について、前記第1のデータベースに格納された情報と、前記第2のデータベースに格納された、前記楽曲が収録されたCDの発売日情報との対応付けした第3のデータベースを構築する処理を、順次1曲ごとに前記CDに収録された全曲について行うことを特徴とするオーディオ装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記第3のデータベースを構築した後、その楽曲情報のCD発売日に基づいて、時期に応じて分けられたグループに分類することを特徴とする請求項1に記載のオーディオ装置。
【請求項3】
日付を計測する日付計測手段を備え、
前記保存手段に保存された楽曲の再生時には、前記制御手段が、まず、日付計測手段からその時点の日付を読み込み、この日付に対応したグループを選択し、この選択したグループに含まれる楽曲を自動再生する自動再生制御を実行することを特徴とする請求項2に記載のオーディオ装置。
【請求項4】
キャンセル操作手段を備え、
前記制御手段が、キャンセル操作時には、前記自動再生制御を中止することを特徴とする請求項3に記載のオーディオ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−234785(P2008−234785A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−75299(P2007−75299)
【出願日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】