説明

カシメ締結構造及びこのカシメ締結構造を有する燃焼装置

【課題】 一対の係止爪を拡開させて係止孔に圧接させるというカシメ締結構造において、その係止爪をより小さい圧入力であっても塑性変形し易くしてより強固に連結・固定し得るカシメ締結構造を提供すること、そして、かかるカシメ締結構造を用いて形成することにより歪み音発生を可及的に抑制して低騒音化を図り得る燃焼装置を提供する。
【解決手段】 一対の係止爪8,8間のスリット7の最奥端位置に円形状のカット部13を形成する。カット部13の直径Dを一対の係止爪8,8の左右方向幅Bの1/2以下で一方の板材11の板厚T1の2倍以上とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属製の2つの板材同士を互いに連結・固定するためのカシメ締結構造及びこのカシメ締結構造を有する燃焼装置に関し、特にがたつきのない強固な連結・固定を実現させ得る技術に係る。
【背景技術】
【0002】
従来、一方の板材の端縁から間にVの字状の隙間を挟んだ状態で突出する一対の爪を、他方の板材の係合孔に挿入して押し込むことにより、上記隙間内に屋根形突起部が入り込んで一対の爪を両側に開くように曲げることで、係合孔の孔縁に各爪を係合させるようにした固定構造が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
又、一方の板材の端縁から突出する突起を、他方の板材の係合孔に挿入して、カシメ作業を行うことにより、双方の板材を互いに連結・固定する構造も提案されている(例えば特許文献2参照)。このものでは、挿入後、突起の先端側に楔状のポンチを打ち込んで、突起を両側に開かせて挿入孔の孔縁に圧接させることでカシメるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭61−92427号公報
【特許文献2】特公平5−37733号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、カシメ締結は金属の塑性変形を利用して特に薄板に属する板材同士の連結・固定に用いられるものであるが、外部からの振動を受けたり、熱影響による膨張・収縮の繰り返しを受けたりすることで、カシメ締結部分が緩んでしまい、がたつきが生じるという不都合の発生が考えられる。
【0006】
例えば、燃焼熱により空気を暖めて外部に送り出すファンヒータにおいて、主としてその燃焼室を区画形成するための内部ハウジングが金属製の薄板からなる板材をカシメ締結により連結・固定することで形成されている。このようなファンヒータの場合、その輸送時の振動を受けたり、あるいは、使用に伴い燃焼時の熱による膨張・収縮の繰り返しの影響を受けたりして、上記の如くカシメ締結部分が緩んでしまうことが考えられる。そして、カシメ締結部分が緩んでしまうと、上記の燃焼時の熱による膨張・収縮に伴い、そのカシメ締結部分のがたつきに起因して歪み音が発生し、騒音発生の要因になってしまうおそれがある。
【0007】
その一方、カシメ締結部をより強固にするために、例えば楔状カシメ部材をより大きな力で突いて圧入させることで、一対の係止爪をより大きく塑性変形させることも考えられる。しかしながら、そのように突き代(圧入力)を増加させると、元々、全体が薄板の板材により構成されているため、係止爪以外の他の部位にも変形発生のおそれが生じ、これを防止する上で突き代を増加させるにも一定の上限があり、むやみに増加させることはできない。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、一対の係止爪を拡開させて係止孔に圧接させるというカシメ締結構造において、その係止爪をより小さい圧入力であっても塑性変形し易くしてより強固に連結・固定し得るカシメ締結構造を提供すること、そして、かかるカシメ締結構造を用いて形成することにより歪み音発生を可及的に抑制して低騒音化を図り得る燃焼装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、カシメ締結構造に係る発明では、2つの板材同士を互いに連結・固定するためのカシメ締結構造であって、一方の板材には他方の板材に向けて突出する板状の係止部が設けられ、他方の板材には上記係止部が内嵌し得る係止孔が設けられ、上記係止部はその突出方向に延びるスリットにより一対の係止爪に分割されており、上記係止孔に内嵌された後に上記スリット内への楔状カシメ部材の圧入に伴い上記一対の係止爪が上記挿入孔の孔縁に圧接するように拡開側に変形されることになるカシメ締結構造を対象にして、上記係止部に、上記各係止爪の付け根側であってスリットの最奥端位置に円形状のカット部を形成することとした(請求項1)。
【0010】
本発明の場合、スリットの最奥端位置に円形状のカット部が形成されているため、カット部が非形成の場合と比べ、カシメ部材の圧入による一対の係止爪の塑性変形として同じ圧入力ならばより大きい塑性変形を得られたり、又は、同じ塑性変形をより小さい圧入力で得られることになる。これにより、係止孔の孔縁に対する各係止爪の圧接の程度をより大きくすることができ、より強固なカシメ締結部を形成することが可能になる。
【0011】
上記のカシメ締結構造においては、上記カット部として、一対の係止爪の付け根位置の幅の1/2以下であって、一方の板材の板厚の少なくとも2倍の寸法の直径に設定することができる(請求項2)。このようにすることにより、たとえ、カット部の存在により各係止爪の付け根位置の左右方向幅が削減されることになったとしても、その各係止爪自体の強度を維持させ得ることになる。
【0012】
又、上記カット部として、上記一対の係止爪の間の中心位置を通る中心軸と、一方の板材の端縁と平行にその端縁位置から他方の板材の板厚に応じて設定される位置を通る線との交点を円の中心として形成することができる(請求項3)。このようにすることにより、各係止爪のカシメ締結対象である他方の板材の板厚の如何に応じて各係止爪の塑性変形の度合をより適切に大きくし得ることになる。
【0013】
そして、燃焼装置に係る発明では、燃焼室を区画構成するハウジングが、請求項1〜請求項3のいずれかに記載のカシメ締結構造を用いて形成されてなるようにした(請求項4)。この発明の場合、上記の如き強固なカシメ締結部の形成によって、燃焼室を区画構成するハウジングの連結・固定の程度をより強固なものとすることが可能となり、燃焼に伴う急激な温度上昇・低下の影響を受けたとしても、歪み音の発生度合を低減化させることができ、燃焼装置の使用に伴う低騒音化を図り得ることとなる。
【発明の効果】
【0014】
以上、説明したように、本発明のカシメ締結構造によれば、スリットの最奥端位置に円形状のカット部を形成しているため、カット部が非形成の場合と比べ、カシメ部材の圧入による一対の係止爪の塑性変形として同じ圧入力ならばより大きい塑性変形を得ることができたり、又は、同じ塑性変形をより小さい圧入力で得ることができるようになる。これにより、係止孔の孔縁に対する各係止爪の圧接の程度をより大きくすることができ、より強固なカシメ締結部を形成することができるようになる。
【0015】
特に、請求項2によれば、たとえ、カット部の存在により各係止爪の付け根位置の左右方向幅が削減されることになったとしても、その各係止爪自体の強度を維持させることができるようになる。
【0016】
又、請求項3によれば、各係止爪のカシメ締結対象である他方の板材の板厚の如何に応じて各係止爪の塑性変形の度合をより適切に大きくすることができるようになる。
【0017】
又、本発明の燃焼装置によれば、強固なカシメ締結部の形成によって、燃焼室を区画構成するハウジングの連結・固定の程度をより強固なものとすることができ、燃焼に伴う急激な温度上昇・低下の影響を受けたとしても、歪み音の発生度合を可及的に低減化させることができ、燃焼装置の使用に伴う低騒音化を図ることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明のカシメ締結構造の実施形態を用いて形成したファンヒータの内部ハウジングの外観を示す斜視図である。
【図2】図1の一部分の分解状態を拡大して示す部分拡大分解斜視図である。
【図3】1つのカシメ締結構造の詳細を示す拡大説明図である。
【図4】カシメ締結構造を形成する手順を示し、図4(a)は係止孔にこれから挿入する状態であり、図4(b)は係止孔に一対の係止爪を挿入した状態であり、図4(c)はカシメ用ポンチ部材を圧入してカシメ締結部を形成した状態である。
【図5】他の実施形態を示す図3対応図である。
【図6】図5以外の他の実施形態を示し、図6(a)はその平面図であり、図6(b)は図6(a)のB−B線における断面説明図であり、図6(c)はカシメ締結部の外観斜視図である。
【図7】本発明のカシメ締結構造を適用して形成したファンヒータの内部ハウジングについて、強・弱の燃焼熱を加えた後にポストパージして消火した場合の歪み音について効果を確認した試験結果を示し、図7(a)はスリット奥端に円孔が非形成の場合の試験結果であり、図7(b)は実施形態におけるように円孔を形成した状態の試験結果である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
図1は、本発明の実施形態に係るカシメ締結構造を利用して形成した金属製(例えば溶融亜鉛メッキ鋼板製)の内部ハウジング1を示す。この内部ハウジング1は燃焼装置としての図示省略のファンヒータの主要部である燃焼室を構成するものであり、この内部ハウジング1の外面を覆うように合成樹脂製の外装ケース(図示省略)が被せられてファンヒータが形成される。
【0021】
上記内部ハウジング1は、両側の側板2,2と、これら一対の側板2,2間を接続する各種の板材3,4,5,6等とがカシメ締結により連結・固定されて一体化されてなるものである。上記の一対の側板2,2間には、後面を構成する後板材3、上面を構成する上板材4及び前面から下側に中間位置まで拡がった後に後方まで拡がる前板材5とによって燃焼室Nが区画形成され、加えて、ガイド板材6によってファンの配設空間F及びファンにより取り込まれて送り出される空気流をガイドする流路となるファンガイド空間が区画形成されることになる。これらの各種の板材3,4,5,6には、後板材3の例を図示する図2に示すようにスリット7により分割された一対の係止爪8,8からなる係止部9が各端縁から側板2の側に向けて突出形成され、これら一対の係止爪8,8が後述の如く拡開されて側板2に開けられた係止孔10の孔縁101,101(図1参照)に圧接されてカシメ締結部Kが形成されている。以上においては、各種の板材3,4,5,6が特許請求の範囲における「一方の板材」を構成し、各側板2が特許請求の範囲における「他方の板材」を構成することになる。
【0022】
次に、図3,図4を参照しつつ、カシメ締結部Kを形成するためのカシメ締結構造について詳細に説明する。以下の説明においては、上記の各種の板材3,4,5,6を総称して一方の板材11といい、各側板2を他方の板材12という。
【0023】
本カシメ締結構造の特徴は、スリット7の奥端位置に円形状のカット部13を形成した点にあり、このカット部13の形成により塑性変形の容易化を図り、より小さな圧入力によっても大きな塑性変形をもたらして係止孔10の孔縁101,101への圧接の度合を高めるようにしたものである。そして適用対象は金属製の薄板により構成された板材同士の連結・固定である。ここでいう薄板とは通常は板厚が1.0mm以下、分厚くても1.2mm以下の板材のことを指す。
【0024】
一方の板材11にはその端縁111から突出された係止部9がその突出方向(図3の右方向;以下「前方」という)に延びるスリット7によって一対の係止爪8,8に分割されている。このような係止部9は一方の板材11の一部が突出するように成形されたものであり、一対の係止爪8,8の板厚T1は一方の板材11のそれと同じとなる。一対の係止爪8,8は、上記スリット7によって左右方向(同図の上下方向)に分割されたものであり、前方側である先端側部位は一対の係止爪8,8の双方を併せて尖った形状になるようにテーパ外縁81,81とされ、一方の板材11の端縁111側である基端側部位は一対の係止爪8,8の双方で互いに平行となって上記突出方向に延びる直線状外縁82,82とされている。一方の板材11の端縁111の付け根位置まで延びる両側の直線状外縁82,82間の左右方向幅をBとする。上記スリット7は前方に向けてVの字状に開口し、逆の後方に向けて徐々に内幅が狭まるようになっている。
【0025】
スリット7の奥端の円形状のカット部13は、その直径Dが、上記左右方向幅Bの1/2以下で、一方の板材11の板厚T1の最小でも2倍以上(好ましくは4倍以上、通常で3倍以上)の値になるように設定されている。上記スリット7は、このカット部13との関係において、先端側の開口幅がカット部13の直径Dとほぼ同寸法に設定され、奥端のカット部13側に向けてその内幅が徐々に狭まり、カット部13との境界位置においてはカット部13の直径Dのほぼ半分程度まで狭まるように設定されている。又、上記のカット部13は、スリット7の中心軸Xと、一対の係止爪8,8が係止孔10に挿入されて一方の板材11の端縁111が他方の板材12の内表面に突き当てられた状態での他方の板材12の外表面位置を通ることになる線Lとの交点に円の中心が位置するように設定されている。つまり、一対の係止爪8,8の基端(付け根)位置である一方の板材11の端縁111位置から、上記中心軸X上に他方の板材12の板厚T2分だけ前方側に移動させた点が、カット部13の円の中心になるように設定されている。
【0026】
カット部13の直径Dを上記左右方向幅Bの1/2以下に制限する理由は、カット部13の存在により各係止爪8の付け根位置の左右方向幅が削減されることになるため、その各係止爪8自体の強度を維持させるためである。仮に上記の左右方向幅Bの1/2よりも大きい値に設定すると、後述のカシメ用ポンチの圧入により過大な変形を来たし座屈するおそれがあるが生じることになるため、上記の如く1/2以下に設定することとした。又、カット部13の直径Dを一方の板材11の板厚T1の最小でも2倍以上(好ましくは4倍以上、通常で3倍以上)の値に設定する理由は、塑性変形のし易さは一方の板材11の板厚T1の如何に大きく左右されるため、その板厚T1を基準に定めたものであり、本来であればその板厚T1の4倍以上、つまり大きいほど塑性変形し易く好ましいが、塑性変形した後の形状維持性をも考慮すると、板厚T1の2〜4倍の範囲内で設定するようにすればよい。以上の如く形成することにより、後述の如く熱影響を受けても歪み音の発生が大幅に抑制されて低騒音化を図り得ることができるようになる。
【0027】
以上の各寸法他について例示すると、次のようになる。すなわち、各係止爪8の突出長さHが6mm、左右方向幅Bが7.5mm、板厚T1が0.5mm、カット部13の直径Dが2.0mm、板厚T2が0.6mmである。
【0028】
次に、カシメ締結部Kを形成する手順について図4を参照しつつ説明する。まず、係止部9が他方の板材12の係止孔10に相対向するように一方の板材11を配置した後(図4(a)参照)、前方に移動させて一対の係止爪8,8からなる係止部9を係止孔10から飛び出させるように係止孔10に内嵌させる(図4(b)参照)。これにより、一方の板材11の端縁111が他方の板材12の内表面に突き当たった状態とされる。次に、先端が楔状とされたカシメ用ポンチ(カシメ部材)14をスリット7の先端開口に相対向させ、スリット7内に押し込んで所定の力で圧入させる(図4(c)参照)。これにより、一対の係止爪8,8は左右にVの字状に拡開するように塑性変形し、各係止爪8の付け根の外縁が係止孔10の孔縁101に圧接されることになる。以上でカシメ締結部Kが完成することになる。
【0029】
以上の実施形態の場合、スリット7の最奥端位置に円形状のカット部13が形成されているため、カット部13が非形成の場合と比べ、カシメ用ポンチの圧入による一対の係止爪8,8の塑性変形として同じ圧入力ならばより大きい塑性変形を得ることができたり、又は、同じ塑性変形をより小さい圧入力で得ることができるようになる。これにより、係止孔10の孔縁101に対する各係止爪8の圧接の程度をより大きくすることができ、より強固なカシメ締結部Kを形成することができる。このように強固なカシメ締結部Kの形成によって、燃焼室を区画構成する内部ハウジング1の各種板材3,4,5,6と側板2,2との連結・固定をより強固なものとすることができ、燃焼に伴う急激な温度上昇・低下の影響を受けたとしても、歪み音の発生度合を低減化させることができ、燃焼装置であるファンヒータの使用に伴う低騒音化を図ることができる。
【0030】
他の実施形態として、例えば図3に一点鎖線で示すスリット7aの如く、スリット7aの内幅をカット部13の直径Dとほぼ同じ幅に設定するようにしてもよい。又、図5に示すように、他方の板材12の板厚T2の中心位置を通る線L1と中心軸Xとの交点を円の中心としてカット部13aを形成したり、あるいは、一方の板材11の端縁111位置を通る線L2と中心軸Xとの交点を円の中心としてカット部13bを形成したり、するようにしてもよい。さらに、図6(a)〜(c)に示すように他方の板材12の係止孔10の幅方向両側にそれぞれ支持部15として外表面側に湾曲して突出する部分を形成するようにしてもよい。この場合には、各係止爪8が内嵌されてカシメ用ポンチの圧入により塑性変形される間の各係止爪8の姿勢を上記各支持部15によって確実に保持することができ、より確実にカシメ締結部Kを形成することができるようになる。
【0031】
<歪み音測定試験例>
図7には上記の実施形態のカシメ締結部Kにより形成された内部ハウジング1と、カット部13が非形成の係止部を用いたカシメ締結部により形成された比較例としての内部ハウジングとを用いて、歪み音測定を実施した結果を示す。図7(a)が比較例を対象にした歪み音測定結果であり、図7(b)が本実施形態の内部ハウジング1を対象にした歪み音測定結果である。歪み音測定は、燃焼程度を変化させて所定時間持続させ、その間に発生した歪み音を測定したものである。すなわち、最大燃焼となる「強」に設定して5分間持続(測定モードP1)、最小燃焼となる「弱」に設定して5分間持続(測定モードP2)、再度、最大燃焼となる「強」に設定して5分間持続(測定モードP3)、燃焼を停止してファンのみ作動させるポストパージを2.5分間持続(測定モードP4)、そして、ファンも停止させて5分間持続(測定モードP5)の各設定測定モードにおける歪み音を測定した。
【0032】
図7(a)の比較例を見ると、ほぼ200℃程度まで昇温する最大燃焼の後の測定モードP2においてかなり大きな程度の歪み音(例えばピキピキ音やパキパキ音)が5〜6回にわたり発生しているのに対し、本実施形態の図7(b)においては測定モードP1〜P3の燃焼使用状態では殆ど発生していない。従って、より強固なカシメ締結部Kによって歪み音の発生を抑えて燃焼装置の低騒音化を実現させ得ることが分かる。
【符号の説明】
【0033】
1 内部ハウジング(燃焼装置)
7 スリット
8 係止爪
9 係止部
10 係止孔
101 孔縁
11 一方の板材
12 他方の板材
13,13a,13b カット部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの板材同士を互いに連結・固定するためのカシメ締結構造であって、一方の板材には他方の板材に向けて突出する板状の係止部が設けられ、他方の板材には上記係止部が内嵌し得る係止孔が設けられ、上記係止部はその突出方向に延びるスリットにより一対の係止爪に分割されており、上記係止孔に内嵌された後に上記スリット内への楔状カシメ部材の圧入に伴い上記一対の係止爪が上記挿入孔の孔縁に圧接するように拡開側に変形されることになるカシメ締結構造において、
上記係止部には、上記各係止爪の付け根側であってスリットの最奥端位置に円形状のカット部が形成されている
ことを特徴とするカシメ締結構造。
【請求項2】
請求項1に記載のカシメ締結構造であって、
上記カット部は、一対の係止爪の付け根位置の幅の1/2以下であって、一方の板材の板厚の少なくとも2倍の寸法の直径に設定されている、カシメ締結構造。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のカシメ締結構造であって、
上記カット部は、上記一対の係止爪の間の中心位置を通る中心軸と、一方の板材の端縁と平行にその端縁位置から他方の板材の板厚に応じて設定される位置を通る線との交点を円の中心として形成されている、カシメ締結構造。
【請求項4】
燃焼室を区画構成するハウジングが、請求項1〜請求項3のいずれかに記載のカシメ締結構造を用いて形成されてなる燃焼装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−247299(P2011−247299A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−118458(P2010−118458)
【出願日】平成22年5月24日(2010.5.24)
【出願人】(000004709)株式会社ノーリツ (1,293)
【Fターム(参考)】