説明

カスケードメモリのための方法及び装置

メモリデバイスは、メモリセルと、当該メモリセルに動作可能に接続されたメモリコントローラと、を備える。複数のメモリデバイスのカスケード中の次のメモリデバイスをイネーブル化するためにカスケード回路が設けられている。このカスケード回路は、メモリコントローラに動作可能に接続されている。対応の方法も開示している。

【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本発明は、カスケードメモリのための方法及び装置に関するものであり、詳細には、複数のメモリデバイスをカスケード化するための方法及び装置に関連するが、それだけに限られるものではない。
【発明の背景】
【0002】
複数のメモリモジュールにアクセスする公知の方法及び装置を図1に示す。この図では、CSは、「チップ選択(Chip Select)」又は「チップイネーブル(Chip Enable)」を表す。如何なる指令が送信される前にも、又は、如何なる通信が開始される前にも、全ての不揮発メモリデバイスが、イネーブル(使用可能)化されなければならない。このイネーブル化は、どの時点においても一つのメモリデバイスだけがオンとなるよう、要求される。図1では、マイクロコントローラ104に動作可能に接続された三つの不揮発メモリデバイス101、102及び103が存在している。したがって、マイクロコントローラ104は、三つのメモリ101、102及び103を制御するために、三つのチップ選択ピン及び接続105、106及び107を備えなければならない。そして、マイクロコントローラ104を利用して、メモリデバイス101、102及び103のうちの何れか一つを任意の時点においてオンにして、適切なメモリにアクセスすることができる。如何なる時点においても、メモリデバイス101、102及び106のうちの二つ以上がオンになることはあり得ない。
【発明の概要】
【0003】
第1の好ましい態様によれば、
(a)メモリセルと、
(b)メモリセルに動作可能に接続されたメモリコントローラと、
(c)複数のメモリデバイスのカスケード中の次のメモリデバイスをイネーブル化するためのカスケード回路であって、メモリコントローラに動作可能に接続された当該カスケード回路と、
を備えるメモリデバイスが提供される。
【0004】
このカスケード回路は、チップ向け出力ピン(pin-out-to-chip)を制御するためのものとすることができる。このカスケード回路は、次のメモリデバイスをイネーブル化するためのものとすることもできる。
【0005】
このメモリデバイスは、メモリコントローラに動作可能に接続されたデバイスイネーブル入力を更に備えていてもよい。
【0006】
このメモリデバイスは、不揮発性固体メモリデバイスであってもよい。
【0007】
第2の好ましい態様によれば、直列に接続された複数のメモリデバイスのカスケードを動作させる方法が提供される。この方法は、
(a)マイクロコントローラが第1のメモリデバイスをイネーブル化するステップと、
(b)第1のメモリデバイスが、当該第1のメモリデバイスに直列に接続された第2のメモリデバイスをイネーブル化するステップと、
を含む。
【0008】
このマイクロコントローラは、複数のメモリデバイスをイネーブル化するための単一のチップ選択ピン及び接続を備えていてもよい。単一のチップ選択ピン及び接続は、第1のメモリデバイスのデバイスイネーブル入力に動作可能に接続されており、このデバイスイネーブル入力は、第1のメモリデバイスのメモリコントローラに動作可能に接続されていてもよい。第1のメモリデバイスは、第2のメモリデバイスのデバイスイネーブル入力で第2のメモリデバイスに動作可能に接続された単一のチップ向け出力ピン及び接続であってもよい。単一のチップ向け出力ピンは、メモリコントローラ及びチップ向け出力ピンに動作可能に接続されているカスケード回路によって制御し得る。このカスケード回路は、メモリコントローラからのデータに基づいて、第2のメモリデバイスをいつイネーブルにするかを決定することができる。次のメモリデバイスは、メモリデバイスがメモリセルへのデータの書込み又はメモリセルからのデータの読出しを終えたときのみ、イネーブル化され得る。
【0009】
本発明が完全に理解され、且つ容易に実際の実施に移されるよう、限定しない例によって、添付の例示の図面を参照して、本発明の好ましい実施形態のみを説明する。
【好ましい実施形態の詳細な説明】
【0010】
図2から図4に示す実施形態は、マイクロコントローラ204に使用されるピンの数を減少させて、マイクロコントローラ204が、チップ選択ピン及び接続205を一つしか有していないものの多段のメモリデバイス201、202及び203にアクセスできるようにする。メモリデバイス201、202及び203は、図1の従来技術のように並列ではなく、直列に接続される。
【0011】
本システムは、三つのメモリデバイス201、202及び203を制御するためにチップ選択用の一つの従来技術の接続205を必要とするものである。本システムは、メモリデバイス201、202及び203へのデータの書込みやプログラミング、又はメモリデバイス201、202及び203からのデータの読出しのために時間が必要とされる不揮発性固体メモリデバイスに適している。本システムはまた、各メモリデバイス201、202及び203がメモリコントローラ309に動作可能に接続された一つのみのデバイスイネーブル入力205を備えることを必要とする。メモリコントローラ309は、メモリセル308に動作可能に接続される。各メモリデバイス201、202、203はまた、メモリデバイス211をイネーブル化して、次のメモリデバイス202をイネーブル化することができるよう、内部チップ選択カスケード(「CSC」)コントローラ回路30及びチップ向け出力ピン206を備えている。このことには、マイクロコントローラ204が、1以上の任意の数のメモリデバイスを伴っていようとも、一つのみのチップ選択ピン及び接続205を必要とするだけであるという利点がある。また、全てのメモリデバイス201、202、203、...、20nは同じである。このことは、組立てを容易にし、在庫を減らす。CSS回路310は、メモリコントローラ309に動作可能に接続される。
【0012】
開始(400)後、マイクロコントローラ204は、最初にメモリデバイス201を選択し、又はイネーブル化し(401)、メモリデバイス201のバッファへの書込みを始める(402)。イネーブル化を完了した後に、メモリデバイス201がデータをメモリセル308へ書き込み終えたとき、メモリデバイス201のCSC回路310はメモリデバイス202をイネーブル化する(403)。次に、マイクロコントローラ204は、メモリデバイス202のバッファへの書込みを始めることができる(404)。メモリデバイス202が、メモリデバイス202のメモリセル308へデータを書き込み終えたとき、メモリデバイス202のCSC回路310は、メモリデバイス203をイネーブル化し(405)、マイクロコントローラ204は、メモリデバイス205のメモリセル308へデータを書き込む(406)。このことは、任意の必要な又は望ましい数のメモリデバイスについて、すなわち2、3、4、5、6などn番目のメモリデバイスまで続くことができる(407)。
【0013】
各メモリデバイス201、202、203は、カスケードの順番で次のメモリデバイスをイネーブル化するCSC回路310を備えている。CSC回路310は、メモリデバイス201、202、203がメモリセル308への書込み又はメモリセル308からの読出しの過程にあるか否かを決定するために、フラッシュメモリコントローラ309に接続されており、したがって、メモリデバイスがメモリセル308への書込み又はメモリセル308からの読出しを終えたとき、次のメモリデバイスをイネーブルにすることができる。通常、一度に、一つのメモリデバイス201、202、203だけがイネーブル化される。
【0014】
上記の説明では本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明から逸脱することなく、設計又は構造の細部に多くの変更又は修正が加えられることがあることは、当業者によって理解されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】従来技術の多段デバイス不揮発メモリシステムを概略的に示す図である。
【図2】多段不揮発メモリシステムの好ましい実施形態を概略的に示す図である。
【図3】図2のメモリデバイスの一つを概略的に示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)メモリセルと、
(b)前記メモリセルに動作可能に接続されたメモリコントローラと、
(c)複数のメモリデバイスのカスケード中の次のメモリデバイスをイネーブル化するためのカスケード回路であって、前記メモリコントローラに動作可能に接続された該カスケード回路と、
を備えるメモリデバイス。
【請求項2】
前記カスケード回路が、チップ向け出力ピンを制御するためのものである、請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項3】
前記カスケード回路がまた、前記次のメモリデバイスをイネーブル化するためのものである、請求項2に記載のメモリデバイス。
【請求項4】
前記メモリデバイスが前記メモリセルへのデータの書込み又は前記メモリセルからのデータの読出しを終えたときのみ、前記次のメモリデバイスをイネーブル化することができる、請求項3に記載のメモリデバイス。
【請求項5】
前記メモリコントローラに動作可能に接続されたデバイスイネーブル入力を更に備える、請求項1〜4の何れか一項に記載のメモリデバイス。
【請求項6】
前記メモリデバイスが、不揮発性固体メモリデバイスである、請求項1〜5の何れか一項に記載のメモリデバイス。
【請求項7】
直列に接続された複数のメモリデバイスのカスケードを動作させる方法であって、
(a)マイクロコントローラが第1のメモリデバイスをイネーブル化するステップと、
(b)前記第1のメモリデバイスが、前記第1のメモリデバイスに直列に接続された第2のメモリデバイスをイネーブル化するステップと、
を含む方法。
【請求項8】
前記マイクロコントローラが、前記複数のメモリデバイスをイネーブル化するための単一のチップ選択ピン及び接続を有する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記単一のチップ選択ピン及び接続が、前記第1のメモリデバイスのデバイスイネーブル入力に動作可能に接続されており、該デバイスイネーブル入力が、前記第1のメモリデバイスのメモリコントローラに動作可能に接続されている、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1のメモリデバイスが、前記第2のメモリデバイスのデバイスイネーブル入力で前記第2のメモリデバイスに動作可能に接続された単一のチップ向け出力ピン及び接続を有する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記単一のチップ向け出力ピンが、前記メモリコントローラ及び前記チップ向け出力ピンに動作可能に接続されたカスケード回路によって制御される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記カスケード回路が、前記メモリコントローラからのデータに基づいて前記第2のメモリデバイスをいつイネーブル化するかを決定する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記メモリデバイスが前記メモリセルへのデータの書込み又は前記メモリセルからのデータの読出しを終えたときのみ、前記次のメモリデバイスをイネーブル化することができる、請求項12に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2009−528588(P2009−528588A)
【公表日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−556282(P2008−556282)
【出願日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際出願番号】PCT/SG2006/000235
【国際公開番号】WO2007/097712
【国際公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【出願人】(502158287)トレック・2000・インターナショナル・リミテッド (21)
【Fターム(参考)】