説明

カスケード接続されたエミッタフォロワバッファ段を有する電圧制御発振器

【課題】負荷条件の変化に対しても安定に動作するVCOを提供する。
【解決手段】第1のトランジスタ40aを含む第1のバッファ段と、第2のトランジスタ40bを含む第2のバッファ段とを備え、カスケード接続されたエミッタフォロワバッファ回路として配置されている。トランジスタ40aおよび40bは、VCOコア21を出力から隔離する共通のエミッタ/ソースフォロワ回路に設けられている。したがって結合バッファ段42の両方のバッファ段すなわちトランジスタ40aおよび40bは、同一の電流を分担する。また、これらバッファ段はVCOコア21にACカップリング、逆隔離は直列結合された2つの固有のベース/エミッタ接合キャパシタンスによって決定されるため、キャパシタンスが半分に減少し、これによって、トランジスタ40aおよび40bのサイズが等しければ、2倍の逆隔離が得られる。

【発明の詳細な説明】
【発明の背景】
【0001】
本発明は概略すると電圧制御発振器(VCO)に関するものであり、より具体的には、カスケード接続されたエミッタフォロワバッファ段を有するVCOに関するものである。
【0002】
VCOは一般的に狭帯域で動作させる必要がある。例えば産業、科学および医療(ISM)上の用途次第では、VCOが120MHz周波数ウィンドウの範囲内で動作しなければならないこともある。VCOは一般的に、VCOの出力周波数を制御するフィードバック機構を有する位相同期回路を(PLL)を用いて、入力信号に位相を同期させる。PLLはVCOを狭帯域に保つ。
【0003】
VCOは多様な用途に用いられる。VCOは例えば送信機に用いられ、送信機の動作周波数を制御する。高周波域の用途として、例えば24GHzVCOを車載用その他の近距離レーダ等に用いる場合、VCOと送信機の他の部分との隔離が問題となる。良好な隔離が保たれていないとVCOの周波数が変化し、負荷条件の変化によって、しばしば周波数プリングと呼ばれる状態になってしまう。負荷条件の変化は、例えばアンテナ近辺の環境変化による反射作用の変化など、環境条件の変化によって生じることもあり、VCOに接続され動作モードまたは動作状態を変更する他の回路によって生じることもある。例えばパルスレーダ送信機のスイッチをオンオフ切換することにより、VCOに生じる負荷インピーダンスが変化することもある。こうした負荷インピーダンスの変化(およびそれによる周波数の変化)は、数ナノ秒の間に、PLLによる矯正が不能なほどの速度で起こり得る。これはVCOの動作周波数に影響を及ぼし、VCOが所望または所要の周波数帯の外で動作してしまう原因になりかねず、その他検出困難な影響を回路性能に及ぼしかねない。
【0004】
送信機用のVCOを隔離するため、カスケード出力構造あるいは複数のバッファ段を用いることが知られている。例えば、複数のバッファ段を直列配置で加えてVCOを隔離してよい。これら直列配置で設けられたバッファ段によれば、各バッファ段がバイアス電流を必要とするため、必要な電流量が増大する。電流量の増大の結果、直流電流(DC)の消費量が増加するため、必要とされるDC電力量も増大する。電流量の増大はVCOの温度上昇をも招き、これにより、過酷な温度環境をもたらす用途では、VCOは、許容できない動作(例えばVCOが所要の周波数帯の外で動作する)をすることになりかねない。このように、VCOの隔離は上述の公知の方法で提供されるものの、系統の全体的な動作に悪影響が及ぶおそれがある。
【発明の概要】
【0005】
1つの実施形態では電圧制御発振器(VCO)用出力バッファを提供する。出力バッファは、第1のトランジスタを含む第1のバッファ段と、第2のトランジスタを含む第2のバッファ段とを備える。第1および第2のトランジスタは、カスケード接続されたエミッタフォロワバッファとして配置されている。
【0006】
他の実施形態では電圧制御発振器を提供する。同発振器は、出力バッファとプルダウン抵抗ネットワークとを含み、これらは、位相同期回路のチャージポンプからの信号がないときでも発振を開始可能な内部バイアス電圧を生成するよう、構成されている。
【0007】
さらに他の実施形態では電圧制御発振器(VCO)制御方法を提供する。本方法は、VCO用の出力バッファの第1段を出力バッファの第2段とともにカスケード構造にする工程を含む。本方法はさらに、出力バッファの第1段および第2段を用いてVCOの出力を隔離する工程を含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の様々な実施形態に基づいて構成された電圧制御発振器(VCO)を含む位相同期回路(PLL)のブロック図である。
【0009】
【図2】本発明の様々な実施形態に基づいて構成されたカスケード構造を有する電圧制御発振器(VCO)用出力バッファの概略ブロック図である。
【0010】
【図3】本発明の様々な実施形態に基づいて構成されたVCO用抵抗ネットワークの概略ブロック図である。
【0011】
【図4】本発明の様々な実施形態に基づいて構成されたVCO用温度補償バイアス回路の概略ブロック図である。
【0012】
【図5】本発明の様々な実施形態に基づいて構成されたVCOの概略ブロック図である。
【発明の詳細な説明】
【0013】
説明の簡略化のため、以下、本発明を様々な実施形態を用いて説明する。ただし当業者であれば、各実施形態の特徴および利点が多様な構成で得られることが理解される。したがって本文に記載の実施形態は例示にすぎず、本発明を限定するものではない。
【0014】
本文中で表記するように、単数形で表記され冠詞「a」「an」に続いて記載される構成要素または工程であっても、特に断らない限り、当該構成要素または工程が複数存在する場合を除外するものではない。また、本発明の「1つの実施形態」というときであっても、その実施形態について記載する特徴を他の実施形態が包含することを否定する意図ではない。さらに、特に断らない限り、特定の性質を有する1つまたは複数の要素を「備える」または「有する」実施形態は、そのような性質を有しない他の要素を含んでいてもよい。加えて、本文に記載の、様々な構成要件から成る回路または構成は改変してよく、例えば、ある構成要件を他の構成要件に置換したり、各構成要件の順番や相対的な位置を変更したりしてもよい。
【0015】
本発明の様々な実施形態によって、カスケード接続されたエミッタフォロワバッファ回路を有する電圧制御発振器(VCO)を提供する。VCOは抵抗ネットワーク(図3参照)も含み、これによってVCOは所定の条件下で自励発振する。温度に反比例する温度補償バイアス制御(図4参照)も当該VCOと併せて提供する。
【0016】
様々な実施形態において、図1に示すように、VCO20は位相同期回路(PLL)22の一部を構成可能である。PLL22はチャージポンプ24を含み、これへの入力は周波数位相比較器(PFD)26の出力に接続されている。PFD26への入力は分周器28の出力に接続されている。分周器28への入力はVCO20に接続されている。チャージポンプ24の出力からはループ30も設けられ、VCO20の制御入力となっている。
【0017】
本文では図1に示すPLL22に関連してVCO20を説明しているが、VCO20は、様々な構成要件を有する様々なPLLに設けてよいものであることに留意されたい。またVCO20は、様々な動作条件を有する様々な用途に使用可能である。例えばVCO20は、無線、通信、コンピュータその他の電子的な用途におけるPLLの一部として使用可能であり、安定した周波数を生成したり(例えば周波数シンセサイザ)、ノイズの多い通信回線からの信号を回復させたりする役割を果たす。PLL22は、例えば単一の集積回路チップとしてハードウェア内に実装可能であり、ソフトウェアとしても、ハードウェア・ソフトウェアの組み合わせとしても実装可能である。
【0018】
動作時には、出力32におけるVCO20の位相は、PLL22を用い、入力信号、例えばPFD26が受信する入力周波数信号(Fref)に基づいてロックされる。PLL22は実質的に、入力信号または基準信号の位相にロックされる信号を生成する電子制御システムである。PLL22は、入力信号の周波数および位相の両方に応答して、自動的にVCO20の周波数を増減させる。これは、VCO20の出力周波数が基準信号(分周比に対する回数)の周波数および位相の両方に一致するまで継続される(許容可能な差は含んでよい)。VCO20が周期的な出力信号を生成すること、チャージポンプ24がループ30からのフィードバックに基づいてVCO20に制御信号を送信することに留意されたい。例えば、仮に当初からVCO20の周波数が基準信号(分周比に対する回数)の周波数と等しく、VCO20のほうが位相が遅延している場合、チャージポンプ24の制御電圧は、PFD26が検知する周波数の変化に基づいて変化する。VCO20の周波数はこれに従って増大する(例えば発振速度が上昇する)。仮に位相が進めば制御電圧はさらに変化するが、この場合はVCO20の周波数を減少させることとなる(例えば発振速度が下降する)。
【0019】
VCO20は複数のトランジスタ40aおよび40bを含み、これらは、(VCO20の一部の概要をより詳細に図示する)図2に示すようにカスケード構造で設けられていて、結合バッファ段42を構成する。とりわけ、トランジスタ40aおよび40bは並列な構成で接続され、VCOコア21に接続される並列なバッファ段を形成している。例えば2つのトランジスタ40aおよび40bは並列に接続され、第1のトランジスタ40aが第1のバッファ段を構成し、第1のバッファ段は第2のバッファ段を構成する第2のトランジスタ40bに並列に接続される。このカスケード構造には他のトランジスタ40aおよび40bを追加してよく、それによって他のバッファ段42を追加してもよいことに留意されたい。
【0020】
トランジスタ40aおよび40bは、例えばNPN構造のバイポーラ・ジャンクション・トランジスタ(BJT)としてよい。かかる構造によれば、第1のトランジスタ40aのベース44はコンデンサ25を介してVCOコア21の出力に接続され、第1のトランジスタ40aのコレクタ46は電源(例えば、Vccと表記され一般的に呼称される5ボルト電源としてよい)に接続される。第1のトランジスタ40aのエミッタ48は第2のトランジスタ40bのコレクタ50に接続されている。第2のトランジスタ40bのベース52は第2のトランジスタ40bのコレクタ50に接続されている。第2のトランジスタ40bのエミッタ54は電流源56を介して接地されている。出力は第2のトランジスタ40bのエミッタ54に現れる。このように例示した実施形態では、トランジスタ40aおよび40bは、VCOコア21を出力から隔離する共通のエミッタ/ソースフォロワ回路に設けられている。したがって、結合バッファ段42の両方のバッファ段すなわちトランジスタ40aおよび40bは、同一の電流を分担する。また、これらバッファ段はVCOコア21にACカップリングされている。従来のエミッタフォロワ回路では、逆隔離は、(各)トランジスタに固有のベース/エミッタ接合キャパシタンスによって決定される。本発明の様々な実施形態のカスケード構造では、逆隔離は直列結合された2つの固有のベース/エミッタ接合キャパシタンスによって決定される。したがって本実施形態の構成によれば、キャパシタンスが半分に減少し、これによって、トランジスタ40aおよび40bのサイズが等しければ、2倍の逆隔離が得られる。このカスケード構造における出力電圧の変動は、従来のエミッタフォロワのそれに等しく、バッファ段を通じた損失は最小化される。それと同時に、2つのトランジスタ40aおよび40bは一般的なバイアス電流を用いる。したがって、本実施形態の構成によれば、消費するDC電力は従来のエミッタフォロワのそれと等しい一方、逆隔離は改善される。
【0021】
様々な実施形態において、VCOコア21は図3に示すようにバラクタバイアスネットワーク60を含む。同図では差動回路の半分しか図示していないことに留意されたい。バラクタバイアスネットワーク60はバラクタダイオード64を含み、これは実質的にはダイオードであるが可変のキャパシタンスを有し、その値はバラクタダイオード64の端子に印加される電圧の関数である。この電圧は例えば、以下に詳細に説明する絶対温度相補的(CTAT)Vダイオード電圧である。様々な実施形態におけるバラクタバイアスネットワーク60はプルダウン抵抗ネットワーク66を含み、これは第1の抵抗68と、第2の抵抗70と、第3の抵抗72とを有する。この抵抗ネットワーク66では、第1および第2の抵抗68および70が分圧回路を形成し、第3の抵抗72の一端が第1および第2の抵抗68および70の間に接続されている。第3の抵抗72の他端はPLL22からの制御電圧(Vtune)に接続されていて、これは例えばチャージポンプ24からの制御電圧である。第1および第2の抵抗68および70は、Vcc(例えば5ボルト電源)とグランド(GND)との間に接続されている。
【0022】
バラクタダイオード64に印加される電圧は可変であることに留意されたい。様々な実施形態において、バラクタダイオード64に印加される電圧は、以下に詳述するように、温度変化に反比例する。
【0023】
動作時には、バラクタバイアスネットワーク60(図2に示すVCOコア21の一部を形成)の抵抗ネットワーク66によって、チャージポンプ24から信号を受信しなくてもVCO20がデッドロック状態に陥らないようにしている。とりわけ、バラクタダイオード64にかかる逆バイアスが減少すると、バラクタダイオード64の品質因子は減少する。例えばバラクタダイオード64にわずかな逆バイアス(例えば0.5ボルトを下回る逆バイアス電圧)しかかかっていないなどの動作条件下では、VCO20が適切な発振を開始できないこともある。かかる場合、PLL22が適切な電圧を供給してVCO20を始動させない限り、VCO20は通常、デッドロック状態に陥ってしまう。本発明の様々な実施形態では、かかる場合、チャージポンプ24がVCO20に何ら信号を送らなくなると(例えば図3のVtuneが流動的)、バラクタダイオード64にバイアスがかかって例えば内部電圧が2ボルトに達し、VCO20の発振を開始させる。電圧は、抵抗ネットワーク66の抵抗68、70および72の抵抗値によって決定される。その後、一旦VCO20の発振が開始され、発振の結果PFD26がVCO20からRF信号を受信すると、PLL22は通常の動作を開始する。PLL22は実質的に、抵抗ネットワーク66を有するバラクタバイアスネットワーク60によって生成される内部電圧に基づいて動作を開始する。するとバラクタダイオード64には、チャージポンプ24からの電圧および抵抗ネットワーク66の抵抗比に応じて、適切な電圧のバイアスがかかる。このようにして自動始動すなわち自動発振動作が行われる。
【0024】
本発明の様々な実施形態によれば、図4に示すように温度補償バイアス回路80も提供され、これもVCOコア21の一部を構成する(図2参照)。図4には差動回路の半分のみ示していることに留意されたい。とりわけ、補償されたバイアス電圧82(例えば絶対温度相補的(CTAT)Vダイオード電圧)として示す制御電圧がバラクタダイオード64に印加され、補償されたバイアス電圧84(CTAT Vcore)として示す他の制御電圧がトランジスタ86(例えばヘテロ接合バイポーラトランジスタ(HBT)トランジスタ)に印加される。トランジスタ86は図5に示すようにVCOコア21のコアトランジスタである。複数のコンデンサ88も含めてACカップリングが形成されている。動作時、半導体PN接続の組み込みポテンシャルとして生成されるCTAT電圧は、以下に述べるように温度に反比例する。トランジスタ86のエミッタ92は電流源94を介してグランドにも接続され、トランジスタ86のコレクタ93はインダクタ62に接続されている。
【0025】
動作時、温度が上昇すると、トランジスタ86およびバラクタダイオード64の接合キャパシタンスは、それらデバイスのPN接続の組み込みポテンシャル(φ)が低下するために増大し、次の式で表される。
【数1】

ここでCは接合キャパシタンス、NはおよびNはp型半導体およびn型半導体のドーピング濃度、φはp領域およびn領域にわたる組み込みポテンシャル、Vreverse−biasはpn接続に印加される逆バイアス、εsは表面ポテンシャル、qは電荷である。
【0026】
この効果を補償するため、CTATバイアス回路80を用いて、トランジスタ86のベース90とバラクタダイオード64のアノード91とにバイアスをかける。補償は温度に反比例する。例えば、温度が上昇するとCTAT電圧は所定の値(例えば経験的分析および/または回路シミュレーションに基づく値)に基づいて減少する。このように、トランジスタ86およびバラクタダイオード64の各バイアス電圧が調節され、温度に対する周波数変化を決定する接合キャパシタンスの変化を最小化する。
【0027】
したがってVCO20は図5のように構成される。図示するように、VCO20全体の概略構成は、VCOコア21と、結合バッファ段42(図2にも図示)と、抵抗ネットワーク66(図3にも図示)と、温度補償バイアス回路80(図4にも図示)とを有する。VCO20は例えば単一のチップ(例えば集積回路チップ)に設けてよく、差動回路として設計してよい。図5が差動回路の両半分を示していることに留意されたい。VCO20は複数の出力バッファを含み、それらはカスケード接続されたエミッタフォロワ回路を有し、エミッタフォロワ回路は、並列接続されVCOコア21に接続された各トランジスタにからなる結合バッファ段42を構成する。この出力バッファ回路によれば、DC電力の必要量を増大することなく隔離を改善することができる。VCOコア21はプルダウン抵抗ネットワーク66も含み、これは、チャージポンプ24から何ら信号を受信しなくてもPLL22がデッドロック状態に陥らないことを確実にする。したがって、VCO20の自動始動が確保される。加えて、温度に反比例する補償がバラクタダイオード64およびトランジスタ86の両方に提供され、温度変化に対する補償が改善される。
【0028】
様々な実施形態について様々な変形が考えられることに留意されたい。例えば様々な構成要件の数量、位置関係および動作パラメータを具体的な用途、使用方法等に応じて変更してよい。変形は例えば、所望または所要の様々な動作特性に応じて行ってよい。
【0029】
このように、本文は例示的であり、制限的なものではないことが理解される。例えば上述の各実施形態(および/またはそれらの各側面)は、互いに組み合わせて使用してよい。また、個別の状況や材料が本発明の思想に適合するよう、本発明の技術的範囲を逸脱することなく、多くの改変を施してよい。本文に記載の様々な構成要件の寸法、材質および姿勢、ならびに、様々な構成要件の数量および位置は、所定の実施形態のパラメータを定め、限定的な意味を有さず、単に例示する実施形態を決定するものである。本文を当業者が参照すれば、特許請求の範囲の思想および範囲内で、他の多くの実施形態および変形例が考えられることは明らかである。
【0030】
本発明の様々な実施形態の範囲は、このように、特許請求の範囲の記載を参照し、かかる特許請求の範囲と均等な範囲を十分に考慮して決定されるべきである。特許請求の範囲の用語「含む」および「〜において」は、通常の英語における各用語「備える」および「そこにおいて」に相当する。また、特許請求の範囲では、「第1の」「第2の」「第3の」等の用語は単なるラベルとして用いられていて、それらが付された対象に数量的な条件を課すものではない。さらに、特許請求の範囲における記載は、ミーンズ・プラス・ファンクションの形式で記載されていず、かかる請求項の記載が用語「〜する手段」とともに明らかに構造のない機能の説明だけを記載したものでない限り、米国特許法第112条第6段落に基づいて解釈されることを意図したものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のトランジスタを含む第1のバッファ段、および、第2のトランジスタを含む第2のバッファ段を備え、第1のトランジスタのベースは電圧制御発振器(Voltage Controlled Oscillator)の出力に接続されていて、第1のトランジスタのエミッタが第2のトランジスタのコレクタに接続されたエミッタフォロワバッファ回路が構成されている電圧制御発振器用出力バッファと、
位相同期回路のチャージポンプからの信号が得られない場合に発振を開始可能な内部バイアスを生成するよう構成されたプルダウン抵抗ネットワークと、
を備えることを特徴とする電圧制御発振器。
【請求項2】
請求項1に記載の電圧制御発振器において、前記プルダウン抵抗ネットワークは、少なくとも3つの抵抗を有し、該抵抗のうち2つは分圧回路として構成されることを特徴とする電圧制御発振器。
【請求項3】
請求項1に記載の電圧制御発振器において、前記内部バイアス電圧は約2ボルトであることを特徴とする電圧制御発振器。
【請求項4】
請求項1に記載の電圧制御発振器において、バラクタダイオードを有するLC共振回路をさらに備え、前記内部バイアス電圧が該バラクタダイオードに印加されることを特徴とする電圧制御発振器。
【請求項5】
請求項4に記載の電圧制御発振器において、前記LC共振回路は、温度補償バイアス電圧を前記バラクタダイオードのアノードに印加する温度補償バイアス源をさらに有することを特徴とする電圧制御発振器。
【請求項6】
請求項4または5に記載の電圧制御発振器において、トランジスタと、該トランジスタのベースに温度補償バイアス電圧を印加する温度補償バイアス源とをさらに備えることを特徴とする電圧制御発振器。
【請求項7】
請求項5に記載の電圧制御発振器において、前記温度補償バイアス源は、温度変化に反比例することを特徴とする電圧制御発振器。
【請求項8】
電圧制御発振器の出力バッファの第1段を構成する第1のトランジスタのベースを電圧制御発振器の出力に接続する工程と、
第1のトランジスタのエミッタを出力バッファの第2段を構成する第2のトランジスタのコレクタに接続する工程と、
前記出力バッファの第1段および第2段を用いて電圧制御発振器の出力を隔離する工程と、
を備えることを特徴とする電圧制御発振器(Voltage Controlled Oscillator)用制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−31215(P2013−31215A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−209824(P2012−209824)
【出願日】平成24年9月24日(2012.9.24)
【分割の表示】特願2010−530112(P2010−530112)の分割
【原出願日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【出願人】(598122843)オートリブ エー・エス・ピー・インク (15)
【復代理人】
【識別番号】110000349
【氏名又は名称】特許業務法人 アクア特許事務所
【Fターム(参考)】