説明

カスケード結合されたPFCおよび共振モードパワーコンバータ

カスケード結合されたPFCおよびLLCコンバータ(10,11)を制御する制御装置(14)であって、LLCコンバータの入力はPFCコンバータの出力(12,Vp)に結合され、スイッチング周波数の増大とともに低下する出力電圧を与える。この制御装置は、フィードバック信号(Fdbk)に依存して、LLCコンバータスイッチング周波数、したがってその出力電圧を制御するために、線形ランプを備えた鋸歯状波形(Lrmp)を生成する。制御装置はさらに、鋸歯状波形のそれぞれ異なるサイクル中にPFCコンバータのスイッチ(21)をオンオフするようにこれらの異なるサイクルにおいて2つのしきい値(Pmul,Vtp)と線形ランプとを比較することによって、PFCコンバータのために、LLCコンバータスイッチング周波数に等しい周波数またはその整数分の1である周波数を備えたPWM信号(P)を生成する。論理回路(211〜216)は、PFCコンバータスイッチ遷移がLLCコンバータのスイッチ遷移と同時に生じるのを妨げる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、カスケード結合されたPFC(力率補正)および共振モードパワーコンバータに関する。
【背景技術】
【0002】
背景
PFC用昇圧コンバータと、PFCコンバータの典型的に高出力の電圧よりも低い電圧を生成するための後続のPWM((pulse width modulation)パルス幅変調)バックコンバータとのカスケード結合を与え、これらを単一のクロック基準を用いて同期した態様で動作することが公知である。このようなカスケード結合されたコンバータは、たとえば「同期スイッチングカスケード接続されたオフラインPFC−PWM組合わせパワーコンバータコントローラ(Synchronous Switching Cascade Connected Off-Line PFC-PWM Combination Power Converter Controller)」と題されて1996年10月15日に発行されたホ
アン(Hwang)の米国特許番号第5,565,761号に記載され、また、「8ピンのP
FC−PWM組合わせ集積回路コンバータコントローラのための1ピンの誤り増幅器および切替えられたソフトスタート(One Pin Error Amplifier And Switched Soft-Start For An Eight Pin PFC-PWM Combination Integrated Circuit Converter Controller)」と題されて1998年8月25日に発行されたホアン(Hwang)らの米国特許番号第5,7
98,635号に記載される。
【0003】
カスケード結合されたPFCパワーコンバータおよびPWMパワーコンバータを含む別の構成は、「力率補正(PFC)の基礎(Power Factor Correction (PFC) Basics)」と題された、2004年8月19日のフェアチャイルドセミコンダクタ社のアプリケーションノート(Fairchild Semiconductor Application Note)42047、Rev.0.9.0から知られる。さまざまなPFC構成およびそれらの制御は、たとえば、2004年8月のオン・セミコンダクタ社の文書(ON Semiconductor document)HBD853/D、
Rev.2「力率補正(PFC)ハンドブック(Power Factor Correction (PFC) Handbook)」の「力率補正手法の概観(Overview of Power Factor Correction Approaches)」と題された第1章から知られる。
【0004】
上述のフェアチャイルド社およびオン・セミコンダクタ社の文書では、PFC制御装置には、PFCコンバータの入力電圧、入力電流および出力電圧を表わす信号が供給され、平均電流モード制御を用いてPWM制御信号を生成し、PFCコンバータに実質的に抵抗性の入力を与える。
【0005】
1999年6月の「産業電子工学のIEEEトランザクション(IEEE Transactions onIndustrial Electronics)」第46巻第3号613−619頁の、S.ベン−ヤーコブ
(S. Ben-Yaakov)らによる「抵抗性入力を有するPWM昇圧コンバータの動力学(The Dynamics of a PWM Boost Converter with Resistive Input)」では、間接的PFCコン
バータ制御スキームが記載され、そこでは、CCMで作動する昇圧コンバータの出力電圧と入力電流とが、しかし入力電圧ではなく、コンバータのオフタイムデューティーサイクルDoffを制御するために感知され、等価な抵抗性入力、すなわち1の力率を与える。この制御スキームでは、方程式Vin(av)=Doff.Vo(av)に従って作動すると、ここでVin(av)が平均入力電圧であってVo(av)が平均出力電圧であり、出力電圧誤差には平均入力電流を乗じられて電圧を生成し、これがPWMモジュレータによって調整されてDoffを生成する。この間接制御方法は、入力が整流された線間電圧に通常存在するスイッチングノイズにさほど影響されず、またこの電圧を直接モニタす
る必要がないという利点を有する。
【0006】
たとえば約200W以上などの比較的高いコンバータ電力については、インダクタ電流が0まで下がる前にPFCコンバータの一次スイッチがオンにされるような連続電流モード(CCM)においてPFCコンバータを動作して、比較的より小さなインダクタ電流振動およびピーク電流といった利点を与えることが望ましい。CCMで動作されるPFCパワーコンバータは通常は固定スイッチング周波数を有する。上述のPFC−PWMカスケード結合コンバータは、両方のコンバータについてスイッチング周波数を決定する発振器を用いる。
【0007】
「インターリーブされたスイッチングを有するPFC−PWMコントローラ(PFC-PWM Controller Having Interleaved Switvhing)」と題された2005年6月7日に発行さ
れたタユン・ヤン(Ta−yung Yang)の米国特許第6,903,536号は、インターリ
ーブされたスイッチングと、両方のコンバータのスイッチング周波数を決定する発振器とを備えたPFCコンバータおよびPWMコンバータの別のカスケード結合を開示する。この構成では、スイッチング周波数は軽負荷およびゼロ負荷条件下で減少し、その結果、このような条件下でパワーコンバータの電力消費が減じられる。
【0008】
電力消費を減じるこれらの軽負荷およびゼロ負荷条件とは別に、上述のカスケード結合PFC−PWMコンバータ構成は、カスケード結合された両方のコンバータに適用可能な固定スイッチング周波数で動作する。ホアン(Hwang)の米国特許番号第5,565,7
61号はその3列目37−40行において、PWMに関し、「入力電圧が変化するにつれて、スイッチが開閉される周波数を変更することによって、出力電圧VOUTを所望の一定のレベルに維持することができる」と述べているが、当業者には、これが誤りであり、この目的で変更されるのは周波数ではなくてデューティーサイクルであることが明らかである。
【0009】
典型的には、より低電力のPFCコンバータは、ちょうどインダクタ電流が0まで下がった時にコンバータの主要なスイッチがオンにされる、遷移モードとも呼ばれる臨界導通モードで動作する。この場合、スイッチング周波数は、発振器ではなくコンバータの動作条件によって決定されるので、可変である。これは、インダクタ電流が0まで下がる不連続導通モード(DCM)である。
【0010】
固定オフタイム(FOT)制御とも呼ばれ、2003年11月のSTマイクロエレクトロニクス社のアプリケーションノートAN1792「L6562を備える固定オフタイム制御されたPFCプレレギュレータの設計(Design Of Fixed-Off-Time-Controlled PFC Pre-Regulators With The L6562)」から公知の別の運転モードでは、発振器なしで、固
定オフタイム、したがって可変周波数を備えたスイッチング波形を用いる。このモードでは、入力整流AC線間電圧サイクル中に異なる位相においてDCMおよびCCM動作が交互に生じる。このモードは、オフタイムが瞬間線間電圧の関数とされない限り、歪みを許容限度内に維持するためにスイッチング周波数が非常に限定的である必要があり、より複雑で予測可能性が低い結果となる。
【0011】
リアクタンス成分のサイズを減じるために、コンバータスイッチング周波数は比較的大きいのが望ましい。しかしながら、スイッチング周波数の増大につれてスイッチング損失が増大するので、結果的に、使用可能なスイッチング周波数の実際的な上限となる。
【0012】
また、共振モードパワーコンバータを用いることにより、ゼロ電圧スイッチング(ZVS)および/またはゼロ電流スイッチング(ZCS)を利用して、コンバータのスイッチング損失を減じることも知られている。共振モードコンバータの例は、直列共振、並列共
振、直列並列共振またはLCC、およびLLCコンバータを含む。そのハーフブリッジコンバータ位相を用いる例は、2003年9月12日、ボー・ヤン(Bo Yang)によってヴ
ァージニア工科大学部(Faculty of the Virginia Polytechnic Institute and State University)に提出された研究報告における「分散した電力システムのフロントエンドDC/DCの電力変換のための位相調査(Topology Investigation for Front End DC/DC Power Conversion for Distributed Power System)」の「LLC共振コンバータ(LLC Resonant Converter)」と題される第4章に記載される。そのような共振モードコンバータの中では、この研究報告に説明された理由でLLCコンバータが好ましい。
【0013】
LLCパワーコンバータは、たとえば2002年8月20日に発行された「LLCコンバータは、含まれた差検出器の周波数調整制御信号の補正のための電流変動検出器を含む(LLC Converter Includes A Current Variation Detector For Correcting A FrequencyAdjusting Control Signal Of An Included Difference Detector)」と題されたブロム(Blom)らの米国特許番号第6,437,994号からも知られる。
【0014】
LLCコンバータは2つの共振周波数、すなわち直列共振周波数および並列共振周波数を有し、回路の利得が負であるこれらの共振周波数間の範囲で作動するように典型的に設計されており、周波数が増加するとコンバータの出力に転送されるエネルギが減少することを意味している。たとえばハーフブリッジ位相では、ハーフブリッジ電流は、この範囲における共振タンクの本来的な誘導性によりハーフブリッジ電圧に遅れ、その結果、LLCはZVSの利点を得るよう動作することができる。
【0015】
このようにLLCコンバータは可変周波数スイッチング波形を伴って動作し、これはハーフブリッジスイッチの同時伝導を回避するために無駄時間(dead time)を伴う、実質
的に方形の波形である。より大きい周波数はより軽い負荷に対応する。これは上述のタユン・ヤンが言及したPFC−PAM構成の逆である。比較的狭い範囲の周波数での動作のために特定のLLCコンバータが設計され得るが、異なる用途での使用のための、潜在的に異なる入力電圧の、さまざまなLLCコンバータが、広周波数帯域にわたって相当に異なる周波数範囲で動作することが求められるであろう。
【0016】
STマイクロエレクトロニクス社の2006年8月のアプリケーションノート(STMicroelectronics Application Notes)AN2321「参考設計:高機能で、ラップトップコンピュータ用のPFCを備えたL6599ベースのHB−LLCアダプタ(Reference design: high performance, L6599-based HB-LLC adapter with PFC for laptop computers)」および2006年9月のAN2393「参考設計:LCDテレビおよびフラットパネル用広範囲200WのL6599ベースのHB LLC共振コンバータ(Reference design: wide range 200W L6599-based HB LLC resonant converter for LCD TV & flat panels)」では、それぞれPFCコンバータにはL6563コントローラ(AN2321では遷移モードで、AN2393ではFOT制御を用いて)、およびLLCコンバータには別個のL6599共振コントローラを用いた、カスケード結合されたPFCパワーコンバータおよびハーフブリッジLLCパワーコンバータを開示する。またこれらの点においてSTマイクロエレクトロニクス社の2006年11月のデータシートL6563「高度な遷移モードPFCコントローラ(Advanced transition-mode PFC controller)」および2006年7月のL6599「高圧共振コントローラ(High-voltage resonant controller」にも参照が向けられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
これらの構成では、PFCコンバータのスイッチング周波数はLLCコンバータのスイッチング周波数から必然的に完全に独立しており、各周波数はそれぞれのパワーコンバー
タの動作特性に従って決定されている。
【0018】
したがって、そのような構成において、2つのカスケード結合されたパワーコンバータのエッジをスイッチングすることは互いに独立して起こり、したがって、コンバータの動作条件(たとえば、供給電圧および負荷電圧ならびに供給電流および負荷電流)に依存して、しばしば比較的任意かつ予測不能の態様で同時に生じる。その結果、ノイズおよび電磁妨害(EMI)が増加され、いずれの場合も予測不能になり得る。特に、これらの構成は、各コンバータに1つずつ、2つのスイッチング周波数と、これに対応して、未知の相互作用を伴うEMIの一因となる2つの高調波スペクトルを有する。
【0019】
カスケード結合されたパワーコンバータの向上した構成およびそのための向上した制御構成を与える必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0020】
発明の要約
この発明の1つの局面は、共振モードコンバータと、出力がその共振モードコンバータの入力に結合されたPFC(力率補正)コンバータとを制御する方法であって、共振モードコンバータの出力に依存して共振モードコンバータのスイッチング周波数を制御して、それによって共振モードコンバータの出力を制御するステップを含み、共振モードコンバータの出力はスイッチング周波数の変化とともに変化する。さらに、共振モードコンバータのスイッチング周波数と調和的に関連するスイッチング周波数を有する信号を用いてPFCコンバータを制御するステップを含む。
【0021】
共振モードコンバータが有利にLLCコンバータであり得る、この方法の好ましい実施例では、共振モードコンバータのスイッチング周波数を制御するステップは、スイッチング周波数が増大するにつれて共振モードコンバータの出力を減じる。
【0022】
好ましくは、PFCコンバータを制御するステップは、共振モードコンバータのスイッチング周波数に等しい周波数か、またはその整数分の1(たとえば1/2、1/3、など)である周波数を有するPWM(調整されたパルス幅)信号を用いてPFCコンバータを制御するステップを含む。これは、PFCスイッチング周波数が共振モードコンバータ周波数よりも大きくなることを回避する。これは、スイッチング周波数が大きい場合におけるPFCコンバータのスイッチング損失が比較的高いという観点から望ましくないからである。しかしながら、このことはコンバータの制御構成を複雑にする。
【0023】
より特定的には、線形のランプ(ramp)を生成するための制御信号に依存する定電流でキャパシタを充電することと、このランプの終わりにキャパシタを急速に放電することとを交互に行うことにより、LLCコンバータなどの共振モードコンバータのスイッチング周波数を決定し、それによって鋸歯状波形を生成し、そこから要求に応じて等しいオンタイムおよびオフタイムを備える方形の波形を導き出して、鋸歯状周波数の半分でLLCコンバータのスイッチを駆動することが便利である。鋸歯状波形をPFCコンバータのPWM制御に用いることにより、結果としてPFCコンバータスイッチング周波数がLLCコンバータスイッチング周波数の2倍となり、これは望ましくない。LLCコンバータの鋸歯状信号からPFCコンバータのより低い周波数で別のランプまたは鋸歯状信号を導き出すことは、ランプの精度およびその最大振幅という点で、ランプのエッジにおけるリンギングおよび他の望ましくない偏差を避けることにおいて、また必要な信号のスルーレート(slew rate)を扱うために広帯域増幅器を必要とすることにおいて、困難である。典型
的に所望されるように集積回路(IC)に制御構成を与えるためには、これらの障害は非常に重大になる。
【0024】
これらの障害は、下記に記載されるような発明の実施例において減じられるか、または回避される。
【0025】
この点で、共振モードコンバータのスイッチング周波数を制御するステップは、共振モードコンバータのスイッチング周波数の2倍の周波数で線形のランプを備えた鋸歯状波形を生成するステップを含むことができ、PFCコンバータを制御するステップは、鋸歯状波形の異なるサイクルにおいてPFCコンバータのスイッチング時間を制御するように線形ランプとの比較のための2つのしきい値を規定するステップを含むことができ、その結果、PFCコンバータのスイッチは、一方のしきい値を用いて鋸歯状波形の1サイクル中にオンにされ、他方のしきい値を用いて鋸歯状波形の続くサイクル中にオフにされる。
【0026】
このように、鋸歯状周波数の半分のスイッチング周波数、したがってLLCコンバータスイッチング周波数と等しい周波数でPFCコンバータが制御される1つの例において、PFCコンバータのスイッチは、一方のしきい値を用いて鋸歯状波形の1サイクル中にオンにされ、他方のしきい値を用いて鋸歯状波形の次のサイクル中にオフにされる。PFCコンバータスイッチング周波数がLLCコンバータスイッチング周波数の副高調波(たとえば半分)であるとき、同様の原理を用いることができる。
【0027】
好ましくは、2つのしきい値の和は、線形ランプの高さ、すなわち最大振幅と等しい。このように、2つのしきい値は、鋸歯状波形の振幅に関して互いに相補的である。
【0028】
好ましくは、この方法は、共振モードコンバータのスイッチング遷移と同時にPFCコンバータを制御する信号の遷移を回避するステップを含む。この目的のために、PFCコンバータのデューティーサイクル範囲は、LLCコンバータのスイッチ遷移が生じる鋸歯状波形の立下りエッジに対応して、0%から100%のデューティーサイクルタイムの範囲の禁止ゾーン(keep-out zone)によって制限することができる。
【0029】
この方法の特定の実施例では、PFCコンバータを制御するステップは、PWM(調整されたパルス幅)信号でPFCコンバータを制御するステップを含む。PWM信号は、リップル電圧を最小限にするために、共振モードコンバータのスイッチング周波数と等しい周波数、および、PFCコンバータの一次スイッチがオフにされると共振モードコンバータがPFCコンバータから電流を引出すような位相を有する。
【0030】
この発明の別の局面は、PFC(力率補正)パワーコンバータおよび共振モードコンバータのための制御構成を与え、制御構成は、制御されたスイッチング周波数で共振モードコンバータのスイッチを制御するように相補制御信号を与えるための共振モードコンバータの出力に依存する信号に応答してそれにより前記出力を制御する、第1の制御装置を含み、さらに、前記制御されたスイッチング周波数と調和的に関連するスイッチング周波数でPFCコンバータのスイッチを制御するように少なくとも1つのPFC制御信号を与えるための、第2の制御装置を含む。
【0031】
好ましくは、第2の制御装置は、前記制御されたスイッチング周波数に等しい周波数またはその整数分の1である周波数を有するPWM(調整されたパルス幅)信号としてPFC制御信号を生成するための回路を含む。
【0032】
前記回路は、PWM信号を生成するための共振モードコンバータの制御されたスイッチング周波数を表わす信号に好ましくは応答し、その結果、PFC制御信号の遷移は共振モードコンバータのスイッチング遷移と同時には生じない。
【0033】
この発明の実施例では、前記回路は2つのコンパレータを含み、2つのコンパレータは
それぞれが2つのしきい値のうち1つと前記制御されたスイッチング周波数の2倍の周波数における鋸歯状波形の線形ランプとを比較するためであり、さらに、鋸歯状波形の異なるサイクルにおいてPFCコンバータのスイッチをオンオフするようにそれぞれの遷移を備えたPWM信号を生成するための、コンパレータの出力に応答する論理関数を含む。好ましくは、2つのしきい値の和は、線形ランプの高さ、すなわち最大振幅に等しい。
【0034】
この発明はまた、PFCコンバータおよび共振モードコンバータを含むカスケード結合されたパワーコンバータ構成を含み、PFCコンバータの出力は共振モードコンバータの入力に結合され、上述の制御構成はこれらのコンバータを制御するよう配列される。好ましくは、共振モードコンバータはLLCコンバータを含む。
【0035】
この発明およびその局面は、添付図面を参照する例としての以下の説明からさらに理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】この発明の実施例によって、カスケード結合されたPFCパワーコンバータおよびLLCパワーコンバータならびにこれらのコンバータ用の制御構成を含む電源構成を概略的に示す図である。
【図2】図1の制御構成のPFCおよびLLC制御装置の1つの形の部分をブロック図で示す。
【図3】図2の制御装置の遅延タイマの1つの形を概略的に示す図である。
【図4】図2の制御装置のLLC出力段の1つの形の部分を示す図である。
【図5】図2の制御装置のエッジ制御装置の1つの形を示す図である。
【図6】図2の制御装置の動作において生じ得る信号の図および相対的なタイミングを示す図である。
【図7】制御装置の修正された形の動作において生じ得る信号の図および相対的なタイミングを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
詳細な説明
図1に示される電源構成はPFCパワーコンバータ10およびLLCパワーコンバータ11を含み、これらのコンバータは破線のボックス内に示される。コンバータ10および11はカスケード結合され、示されるように接地に接続される0ボルト(0V)の線13に対して線12上に生成されたPFCコンバータ10の正の出力電圧Vpは、LLCコンバータ11の入力電圧として接続されている。カスケード結合されたPFCコンバータ10およびLLCパワーコンバータおよび11は、線13に接続された接地接続Gndを有するPFCおよびLLC制御装置14によって、下記にさらに記載されるように制御される。
【0038】
電源構成の入力に供給されたAC電力は、ダイオードブリッジ15によって整流される。ダイオードブリッジ15の整流された正のAC出力は、線16を介してPFCコンバータ10の正の電圧入力に結合され、0Vの線13から電流感知抵抗器17を介してダイオードブリッジ15にリターンパスが与えられる。例として、線16は、AC電力の電圧に依存して約125Vから約360Vの範囲でピーク電圧を有することができ、線12の電圧Vpは約385Vであり得る。
【0039】
図1に示されるPFCコンバータ10は、線16と線12との間で直列結合される入力インダクタ18およびダイオード19を含む従来型の昇圧コンバータと、インダクタ18とダイオード19との接合部および0Vの線13の間に結合される、典型的にはMOSFETによって構成される、制御されたスイッチ20と、線12と13との間に結合される
出力キャパシタ21とを含む。スイッチ20は制御装置14の出力Pによって開閉されるよう制御される。図1で接続されない制御装置14の別の出力Sは、PFCコンバータの他の形状において与えられ得る二次スイッチ(示されない)の(無駄時間を用いた)相補的制御に与えられる。
【0040】
線12と線13との間で直列接続される抵抗器22および23を含む分圧器は、PFCコンバータ10の出力電圧Vpに比例した電圧を制御装置14の電圧フィードバック入力Vfbに供給する。制御装置14内では、この電圧は、制御装置14の補償点Vcomに結合された出力を有する相互コンダクタンス増幅器に供給され、そこからキャパシタ24と、キャパシタ26と直列の抵抗器25とが、接地または0Vに接続される。電流感知抵抗器17とダイオードブリッジ15との接合部に生成され、PFCコンバータ10の入力電流に比例する、(接地または0Vに相対して)負の電圧は、直列抵抗器27および分路キャパシタ28によって構成される低域通過フィルタを介して、制御装置14の別の入力Visに結合される。
【0041】
制御装置14はPFCコンバータ10の入力電圧をモニタせず、入力電流および出力電圧Vpのみをモニタすることに注意される。制御装置14はPFCコンバータスイッチ20のオフタイムデューティーサイクルDoffを以下に従って制御する:
【0042】
【数1】

【0043】
ここでViは線16の入力電圧であり、Isは電流感知抵抗器17によって感知された入力電流であり、Reはその入力に反映されたPFCコンバータの等価負荷であって、広周波数範囲にわたって、電源構成に1に近い力率を与える。
【0044】
LLCコンバータ11は、コンバータ入力電圧線12および接合点30の間の一次スイッチ29と、接合点30およびコンバータの線32の間の二次スイッチ31とを含む、ハーフブリッジ位相を有する。典型的にはMOSFETを含むスイッチ29および31は、それぞれ制御装置14の出力AおよびBによって、同時に伝導されないように無駄時間を伴って、相補的な態様で制御される。線32は、LLCコンバータ11のリターンパスを与える電流感知抵抗器33を介して0Vの線13に結合され、かつ制御装置14の入力0vLに接続されて、そこにLLCコンバータ11の入力電流に比例した電圧を供給する。
【0045】
接合点30は、キャパシタ34および直列インダクタ35を介して、LLCコンバータ11の出力接合36に結合され、この接合部36は別のインダクタ37を介して線32に結合される。インダクタ35および37ならびにキャパシタ34が、コンバータ11のLLC構成要素を構成する。LLCコンバータ11の出力は変圧器38の二次巻線から得られ、それは接合部36と線32との間に接続される一次巻線を有する。図1では、変圧器38は「理想的な」変圧器として表わされ、インダクタ35および37とは別個である。実際には、インダクタ35および37のインダクタンスの一部またはすべては変圧器38の漏れインダクタンスおよび磁化インダクタンスによって構成され得るので、その結果、これらのインダクタおよび変圧器の機能が組合わせられる。
【0046】
変圧器38は、いかなる所望の数の二次巻線も有することができる。3つの二次巻線39、40および41が図1の例として示される。巻線39は、二次側接地に接続された中央タップと、全波整流器ダイオード42を介して出力43に接続される端部とを有する。出力43と二次側接地との間に平滑キャパシタ44が接続され、その結果、電源構成によって動力が供給される機器(示されない)に出力43がDC電圧出力を与える。出力43
と二次側接地との間に直列接続される抵抗器45および46を含む分圧器は、下記にさらに記載されるように、LLCコンバータ11に電圧フィードバックを与える。
【0047】
二次巻線40はダイオードブリッジ47に結合され、ダイオードブリッジ47の負の出力は一次側接地または0Vに接続され、正の出力は、この正の出力と0Vの線13との間に接続されるキャパシタ48によって平滑化されて、ブートストラップされた態様で制御装置14に動力を供給するためにこの制御装置の入力Vccに供給電圧を与える。この目的のために、PFCコンバータ10の出力線12と入力Vccとの間にも高インピーダンス抵抗器49が接続される。
【0048】
AC電力を図1の電源構成に接続する際、キャパシタ48を充電するためにインダクタ18、ダイオード19および抵抗器49を介して小さな電流が流れ、制御装置14の入力Vccの供給電圧が上昇する。たとえば約13Vのこのスタートアップ電圧に達すると、それが制御装置14によって検出され、制御装置14はこれに従ってLLCコンバータ11の駆動を始め、それによって二次巻線40およびダイオードブリッジ47を介して出力電圧を生成し、キャパシタ48の電荷を制御装置14の所望の動作電圧、たとえば約12Vに維持する。制御装置14の初期動作はキャパシタ48の電荷を減じるが、たとえば約8.5Vのシャットダウンしきい電圧より低くなるほど十分には減じない。
【0049】
図1では接続が示されない二次巻線41は、所望により高圧または低圧で他の所望のACおよび/またはDC出力を与えるために用いられ得る変圧器38の任意の数の他の二次巻線を代表する。二次巻線の機能は組合わせることができ、その結果、変圧器38が1つ以上の二次巻線を有し得ることが認識される。
【0050】
制御装置14の入力Vccの供給電圧は、コンバータ10および11のスイッチ20、29および31を駆動するために十分な高電圧を与えるよう、制御装置14によって用いられ得る。さらに、制御装置14はこの供給電圧を用いて調整された供給電圧を出力Vrefで生成する。この供給電圧はまた制御装置14内で用いられてそのほとんどの回路に動力を供給する。さらに、調整されない、および/または調整された供給電圧を使用して、制御装置14は、バンドギャップ電圧基準(示されない)に動力を供給し、制御装置の動作に用いられるさまざまなしきい電圧を導き出す。例として、調整された供給電圧は図1に示されるように3.3Vであると仮定され、下記で言及される他の電圧および電圧範囲は、この供給電圧のコンテキストで与えられる。
【0051】
制御装置14の出力Vrefと制御装置の入力Fmaxとの間に抵抗器50が接続され、抵抗器50が入力FmaxにLLCコンバータ11の所望の最大スイッチング周波数を決定する電流を供給する。制御装置14の出力Vrefと制御装置の入力Fdbkとの間に別の抵抗器51が接続され、抵抗器51が入力FdbkにLLCコンバータ11の所望の最小スイッチング周波数を決定する電流を供給する。電気的に分離する電圧から電流への(V−I)コンバータ52は、その出力において誤差電流を生成し、この誤差電流が、抵抗器50および51によって決定された範囲内でLLCコンバータ11の周波数をフィードバック制御するために、直列抵抗53およびダイオード54を介して制御装置14の入力Fdbkに供給される。このフィードバック誤差電流は、コンバータ52に供給される、DC出力43の電圧を表わす、抵抗器45と46との間の接合における電圧と、基準電圧(示されない)との差異に比例し、周波数が補償された態様で、たとえば上述のアプリケーションノートAN2321の図1に示される線に沿って生成することができる。
【0052】
制御装置14の入力Fdbkと出力Vrefとの間にキャパシタ56に直列の抵抗器55を備え、任意で図1に示されるように抵抗器55に並列のダイオード57を備えた付加的な回路は、負荷がないかまたは負荷が軽い状態で、スイッチング周波数がその最大から
通常動作値まで徐々に減じられる、LLCコンバータ11のソフトスタートを与える。
【0053】
図2は、図1の電源制御構成のPFCおよびLLC制御装置14の1つの形の部分のブロック図を示す。これらの部分は、PFC制御装置60、LLC制御装置61、エッジ制御装置62、遅延タイマ63、PFC出力段64、およびLLC出力段65を含む。簡潔にするために、電圧調整、所望のしきい電圧の生成、所望の設定のプログラミング、およびテスト目的などのための、制御装置14の他の部分は示されない。
【0054】
図2に示されない接続部Gnd、VccおよびVrefを除いて、図2は、図1と同じ参照番号を用いて制御装置14の同じ外部接続部を示す。これらの参照番号もそれぞれの接続部での信号を指すために用いられる。図2はまた、下記にさらに記載されるように、動作中に制御装置のさまざまな部分内で生成され、その間で交換される、さまざまな信号を示す。図2に示されるブロックの機能および関連する信号は、簡潔に下記に記載される。
【0055】
PFC制御装置60にはPFC電流感知電圧力VisおよびPFCフィードバック電圧Vfbが供給され、さらに構成要素24から26が上述のように接続される補償点Vcomへの接続を有する。これらの構成要素は、PFC制御ループ帯域幅が約10〜20ヘルツのオーダで、典型的に0.5〜2.5VのVcom点の電圧について選択される。PFC制御装置60は、フィードバック値VisおよびVfbを、それぞれ過剰電流および過剰電圧しきい値と比較し、これらの比較によって決定されたPFCコンバータ10の過剰電流または過剰電圧条件に応じてPFC故障信号Pfltを生成し、この信号がエッジ制御装置62に供給される。PFC制御装置60はまた、フィードバック電圧Vfbと抑止しきい電圧とを比較し、この比較によって決定された不足電圧(under-voltage)条件(たとえばAC電圧低下または故障の場合)に応じて抑止信号Inhibを生成し、この信号がLLC制御装置61、エッジ制御装置62およびPFC出力段64に供給される。
【0056】
通常動作条件では、PFC制御装置60はフィードバック信号VisおよびVfbを処理して、エッジ制御装置62に供給される信号Pmulを生成し、この信号は、PFCコンバータ10がいかなる場合にも上記のDoffの方程式に従って所望の力率補正を与えるために必要な、オフタイムデューティーサイクルDoffに正比例する。このように、図1の線16のPFC入力電圧の各整流されたACサイクルの間中、オフタイムデューティーサイクルDoffは、信号Pmulによって表わさるように、PFC制御装置60によって変動されてAC供給に等価な実質的に抵抗型の負荷を示す。例として、信号Pmulは、0から100%のオフタイムデューティーサイクルを表わすために0から2.0Vの値を有することができる。
【0057】
PFC制御装置60は任意でランプ信号(ramp signal)Lrmpを用いることができ
、この信号は、下記に記載されるようにLLC制御装置61によって生成され、図2の点線によって示されるようにPFC制御装置60に供給されることができる。
【0058】
LLC制御装置61には信号Fdbkが供給され、それは上述のようにLLCコンバータの誤差電圧を表わす電流であって、LLC制御装置61はこれを用い、制御された周波数方形波形クロック信号Lclkを生成し、それがLLC出力段65およびエッジ制御装置62にも供給される。LLC制御装置61はまた鋸歯状信号またはランプ信号Lrmpを生成し、それがエッジ制御装置62に、また上述のように任意に、PFC制御装置60に、供給される。たとえばランプ信号Lrmpは0から2.0Vの振幅、およびクロック信号Lclkの周波数の2倍の周波数を有する。上記に表示されるように、LLCクロック信号Lclkの最小周波数は抵抗器51を介して入力Fdbkに供給される最小電流によって設定され、LLCクロック信号Lclkの最大周波数は、入力Fmaxを介してL
LC制御装置61における電流ミラー構成に電流を供給する抵抗器50によって設定される。たとえば、最大周波数は、特定の用途について、通常のLLC動作周波数の2倍または3倍の値に設定されてもよく、最小周波数はこの通常動作周波数よりも低い。通常動作周波数は典型的には狭い周波数範囲にあるが、LLCコンバータの任意の特定の用途については、広周波数帯域、たとえば約50kHzから約1MHzのオーダで選択されてもよい。
【0059】
LLC制御装置61はまた、遅延タイマ63のための信号DTiを生成し、この信号は、その入力Fmaxに供給された電流に依存して、LLC制御装置61の電流ミラー構成によって生成される電流である。遅延タイマ63は電流信号DTiに依存して無駄時間を決定し、その結果、無駄時間は広範囲のあり得るLLC周波数について調整される。
【0060】
さらに、LLC制御装置61には、抑止信号Inhibがアサートされると信号LrmpおよびLclkの生成を抑止するような、信号Inhibが供給される。LLC制御装置61には、入力0vLを介して、抵抗器33にわたって下がった、LLCコンバータ11の入力電流を表わす電圧がさらに供給され、LLC制御装置61はこれを少なくとも1つのしきい値と比較してLLCコンバータの可能な過負荷条件を決定し、これに応じて、LLC出力段65に供給されるLLC故障信号Lfltを生成する。LLC制御装置61にはPFCフィードバック電圧信号Vfbも供給され、LLC制御装置61はこれをしきい値と比較して、PFCコンバータ出力電圧Vpが選択されたレベル、たとえば360Vを超えるときに限って、LLCコンバータの始動を可能化する。LLC制御装置61におけるソフトスタート機能は、上に表示されるように図1の構成要素55から57に関連して動作し、LLCコンバータが可能化されると、また過負荷故障後に、ソフトスタートをもたらす。
【0061】
エッジ制御装置62はデューティーサイクル信号PmulをLLCランプ信号Lrmpと比較して、所望のデューティーサイクルを備えたPFC PWM信号Ppwmを生成し、この信号がPFC出力段64に供給されている。信号Ppwmは、同じくエッジ制御装置62に供給されるLLCクロック信号Lclkと、都合よく1:1または同じ周波数の関係で調和して関連する。エッジ制御装置62は、干渉を最小にするために信号Lclkのエッジとの一致を避けるようタイミングが計られたエッジまたは遷移部を備え、かつ電源構成の最高効率のための位相を備えた、信号Ppwmを生成する。この目的のために、エッジ制御装置62にはまた、LLC出力段65によって下記に記載されるように生成される信号Ldtrが供給され、それはLLC出力段の無駄時間中にハイである。エッジ制御装置62にはさらに信号PfltおよびInhibが供給され、そのいずれかに応じて、エッジ制御装置62が信号Ppwmを抑止する。
【0062】
遅延タイマ63は、PFC出力段64から供給されたPFC遅延時間リクエスト信号PdtrまたはLLC出力段65から供給されたLLC遅延時間リクエスト信号Ldtrに応答して、信号DTiによって上記に示されたように決定された遅延時間の後に、遅延時間完了信号DTdを生成し、信号DTdがこれらの出力段64および65の各々に供給される。遅延時間はそれによってLLCコンバータ11の通常動作周波数(およびここでは同一と仮定されるPFCコンバータ10のスイッチング周波数)に適するよう調整される。
【0063】
PFC出力段64は、信号Inhibによって抑止されない限り信号Ppwmに従ってPFCコンバータ10の一次スイッチ20を駆動するように出力Pを生成するためのレベルシフタとゲートドライバとを含み、相補的な態様で出力Sを駆動するために、PFCコンバータスイッチの望まれない同時伝導を回避する上述のような遅延タイマ63によってもたらされる無駄時間を伴う、同様の構成を備える。PFC出力段64は、異なる型のP
FCコンバータに必要な異なるスイッチング構成に適するよう、その出力信号PおよびSのさまざまな相対的タイミングを生成するために、より複雑な構成を含むことができる。
【0064】
LLC出力段65もまた、LLCコンバータ11のスイッチ29および31をそれぞれ駆動するための出力信号AおよびBを、これらが信号Lfltによって抑止されない限り、信号Lclkの周波数において、かつスイッチ29および31の同時伝導を回避する上述のような遅延タイマ63によってもたらされる無駄時間を伴って生成するための、レベルシフタおよびゲートドライバを含む。
【0065】
PFC制御装置60およびLLC制御装置61の特定の形状は、上述した関連出願において例としてより極めて詳しく記載される。PFCおよびLLC制御装置14の他の部分の特定の形状は、例としてより極めて詳しく下記に記載される。
【0066】
図3は遅延タイマ63の特定の形状を示し、そこで電流DTiは電流ミラー171によってミラーリングされ、電流ミラー171は、プログラム可能なスイッチ172によって選択的に並列に接続される複数の出力を備えたPチャネルトランジスタによって構成され、キャパシタ173の充電のために較正された電流Diを生成する。スイッチ172は、特にキャパシタ173について、製造プロセス変動を補償するようにプログラムされる。
【0067】
Nチャネルトランジスタ174は、そのドレインソース経路がキャパシタ173に並列であり、ゲートはNORゲート175の出力に接続され、NORゲート175の入力には信号PdtrおよびLdtrが供給されて、その結果、キャパシタ173にわたる電圧は、信号PdtrおよびLdtrのうちの1つが要求された無駄時間の最初にハイになるまで、ゼロで保持される。次いで、キャパシタ173が充電され、コンパレータ176の非反転入力に供給されるその電圧は無駄時間の終わりにしきい値に達するまで直線的に上昇し、次にコンパレータ状態が変化して出力で高い値を生成し、これが信号DTdを構成する。コンパレータ176の反転入力には示されるような2.0Vのしきい電圧が供給される。高い値の信号Ldtrは、高い値の信号DTdに応じて、たとえば下記に記載されるようにLLC出力段65で終了される。高い値の信号PdtrはPFC出力段64で同様に終了される。信号PdtrおよびLdtrが両方とも同時にハイになり得ないことが観察される。
【0068】
図4は、信号Ldtrならびに信号GaおよびGbを生成するためのLLC出力段65の部分を示し、後者の信号はLLC出力段65の続く部分においてレベルシフトされ、バッファされて、ゲート駆動信号AおよびBをそれぞれ生成する。図4の回路はフリップフロップ180から184を含み、それぞれが論理1またはハイレベルが供給されたデータ入力D、従来の態様で示されるクロック入力、リセット入力R、および出力Qを有し、前記回路はさらに、インバータ185およびゲート187から191を有する。
【0069】
信号Lfltは、故障の場合には非同期にフリップフロップ180をリセットするためにインバータ185によって反転され、それによってフリップフロップ180のQ出力、ゲート188および190、フリップフロップ182および184のリセット入力を介して非同期に信号GaおよびGbをゼロにする。フリップフロップ180は、故障信号Lfltがない場合は、LLCクロック信号Lclkによって同期して設定される。
【0070】
信号Lclkの立ち上がりエッジは、それが論理1出力を生成するようにフリップフロップ181を設定し、ORゲート191を介してハイレベルの信号Ldtrを生成し、ゲート187をイネーブルする。上述のような無駄時間遅延の後にハイレベルの信号DTdを生成する遅延タイマ63に応じて、フリップフロップ181はゲート187を介してリセットされ、それによって、ハイレベルの信号Ldtrを終了し、ハイレベルのその出力
信号Gaを結果として生成するフリップフロップ182を設定する。フリップフロップ182は、信号Lclkの次の(立ち下がり)エッジで、ゲート188を介してリセットされてハイレベルの出力Gaを終了し、フリップフロップ183は、ゲート191を介して別のハイレベルの信号Ldtrを生成するよう設定される。ゲート189を介してフリップフロップ183をリセットする別の無駄時間の終わりにおいて、同様であるが相補的な態様で信号DTdを用いて信号Gbが生成され、それによってハイレベルの信号Ldtrを終了し、フリップフロップ184を設定して、それが、LLCクロック信号Lclkの次の(立ち上がり)エッジに至るまで、ハイレベルの信号Gbを生成する。信号GaおよびGbは、LLCコンバータ11の動作のために所望されるように、同一のハイレベルの期間を有する。なぜならば、これらは無駄時間について同じ遅延タイマ63を用いて、方形の波形クロック信号Lclkから導き出されるからである。
【0071】
図5は、エッジ制御装置62の特定の形状を示し、エッジ制御装置62は、パルスストレッチャ200と、それぞれが論理1またはハイレベルが供給されたデータ入力D、従来の態様で示されるクロック入力、リセット入力R、および出力Qを有するフリップフロップ201および202と、インバータ203と、差動増幅器204と、抵抗器205および206を含む回路と、コンパレータ207から209と、ゲート210から216とを含む。
【0072】
NORゲート213および216はクロス結合されて、ゲート216の出力で信号Ppwmを生成する出力ラッチを形成する。ORゲート210はこのラッチをリセットし、ハイレベルを有する信号InhibおよびPfltのいずれかに応じて、信号Ppwmを論理0またはローレベルにする。フリップフロップ202の出力でハイレベルのセットイネーブル信号SenによってイネーブルされるANDゲート212が出力ラッチを設定するための信号を与え、フリップフロップ201の出力でハイレベルのリセットイネーブル信号RenによってイネーブルされるANDゲート215が出力ラッチをリセットするための信号を与える。フリップフロップ201および202は、パルスストレッチャ200の出力で信号Lstrの立下りエッジによってクロックされる。これらの立下りエッジは、たとえば30nsのオーダの遅延だけ、信号Ldtrの立下りエッジに関連して遅延する。フリップフロップ202はハイレベルのLLCクロック信号Lclkによってリセットされ、フリップフロップ201はローレベルの信号Lclkによってインバータ203を介してリセットされる。
【0073】
LLCランプ信号Lrmpは、コンパレータ207から209の各々の反転入力に供給される。オフタイムデューティーサイクルDoffを表わすPFC制御装置60からの信号Pmulはコンパレータ207の非反転入力に供給され、増幅器204の反転入力には抵抗器205を介して供給される。抵抗器206を介して増幅器の反転入力に接続され、コンパレータ208の非反転入力に接続される、増幅器204の出力は、下記にさらに記載されるように、PFCコンバータ10のためのオンタイムデューティーサイクルを表わす電圧Vtpを生成する。電圧Hrmpは増幅器204の非反転入力に供給される。ランプ信号Lrmpの最大電圧2.0Vより僅かに低く、その正確な値はプログラミングによって選択することができる比較電圧Vrmxは、コンパレータ209の非反転入力に供給される。コンパレータ207および209の出力はNANDゲート211の入力に接続され、その出力はANDゲート212の入力に接続され、コンパレータ208および209の出力はNANDゲート214の入力に接続され、その出力はANDゲート215の入力に接続される。
【0074】
都合よくには、電圧HrmpはLLCランプ信号Lrmpの最大電圧の半分であるよう選択され、その結果、この場合、2.0VのランプでHrmpが1.0Vであるよう選択されて、抵抗器205および206は等しい抵抗を有する。結果として、電圧Vtp=V
rmp−Pmulであって、Vrmpは最大ランプ電圧であり、Vtpは上述のようにPFCコンバータのオンタイムデューティーサイクルを表わすか、または1−Doffである。
【0075】
下記の説明からエッジ制御回路の動作がさらに理解され、下記の説明はまた、コンバータ制御構成の動作において生じ得る信号の図および相対的なタイミングを(尺度通りではなく)示す図6にも言及する。図6は、上から下へ、信号Lclk、Ldtr、Ga、Gb、Lstr、Sen、Ren、LrmpおよびPpwmを示す。
【0076】
図6に示されるように、信号Lclkはコンバータ10および11の一般的スイッチング周波数である、方形の波形(ハイおよびローの持続時間が等しい)を有する。信号Ldtrの狭いパルスはLLCコンバータの無駄時間に対応し、その間は、そうでなければ相補的な信号GaおよびGbは両方ともローであり、これらの信号は図4を参照して上述されるように生成されている。信号Lstrは、信号Ldtrのパルスと一致するがパルスストレッチャ200に起因して遅延した立下りエッジを備えるパルスを有する。その結果、信号SenおよびRenの立上がりエッジが信号GaおよびGbのスイッチング時間の後に生じる。
【0077】
図6において、明瞭にするよう他の信号より大きな縦寸法を備えて示されるLLCランプ信号Lrmpは、信号Lclkの周波数の2倍の周波数において0Vから2.0Vまで変動する振幅を有する。信号Lrmpと交差する水平の破線は、信号Pmulの例としての値と、上述のように2.0Vの最大ランプ電圧から信号Pmulの電圧を引いた電圧に等しい結果的な電圧Vtpの値と、2.0Vの最大ランプ電圧よりも僅かに低く、1.9V以上のオーダであり得る、しきい電圧Vrmxの例としての値とを表示する。
【0078】
図6に示されるように、信号Pmulは30%のオフタイムデューティーサイクルを表わし、電圧Vtpは結果的に70%のオンタイムデューティーサイクルを表わす。信号Pmulは、0Vから2.0Vまでのランプ電圧の実質的に全範囲にわたって変動することができ、結果的に電圧Vtpの逆の変動は2.0Vから0Vまでである。このように、電圧Vtpは信号のPmulの電圧よりも大きくても、等しくても、または小さくてもよい。
【0079】
エッジ制御装置62の出力ラッチ(ゲート213および216)が設定され、セットイネーブル信号SenがハイであってLLCランプ信号Lrmpが信号電圧Pmulよりも高くなるか、または低い場合は電圧Vrmxよりも高くなると、出力信号Ppwmの立上りエッジを生成する。したがって、この立上りエッジは、両矢印220によって図6に示される期間内に生じる。出力ラッチがリセットされ、リセットイネーブル信号RenがハイであってLLCランプ信号Lrmpが電圧Vtpよりも、または、それがより少ない場合、電圧Vrmxよりも高くなると、信号Ppwmの立下りエッジを生成する。したがって、この立下りエッジが、両矢印221によって図6に示される期間内に生じる。矢印220および221によって示された期間は、信号GaおよびGbによって示されるように、LLCコンバータ11用のスイッチング時間において、およびその直前直後の短期間または禁止ゾーンを排除し、その結果、PFCコンバータ10のスイッチング時間は、LLCコンバータの周波数にかかわらず、LLCコンバータ11のスイッチング時間と同時には生じることができない。禁止ゾーンはPFCコンバータ10のデューティーサイクル範囲を僅かに減じるにすぎない。
【0080】
図6に示されるように、信号Lrmpは電圧PmulおよびVtpと交差して、LLCランプ信号Lrmpの立下り信号エッジから等距離の、すなわちこれを中心とする時間において、信号Ppwmの遷移部またはエッジを生成する。2.0Vの最大ランプ電圧の3
0%および70%である、電圧PmulおよびVtpについて示される例としての値に従うと、信号Ppwmのオンタイムデューティーサイクルは、図6に示された信号Lclkの期間の70%、オフタイムデューティーサイクルは30%である。
【0081】
図6に示されるように、セットイネーブル信号Senは、LLCクロック信号Lclkがローであって、これもローの信号Gaによって制御されるLLCコンバータ11の一次スイッチ29がオフである期間に、ハイである。したがって、PFCコンバータ(一次)スイッチ20のスイッチオンタイムデューティーサイクルDonは、信号Lclkの立上りエッジを中心とし、この直後に(無駄時間遅延後に)LLCコンバータの一次スイッチ29がオンにされる。反対に、PFCコンバータ(一次)スイッチ20のオフタイムデューティーサイクルDoffは、信号Lclkの立下りエッジとLLCコンバータの一次スイッチ29のターンオフ時間とを中心とする。信号Ppwmのこの位相整合(phase alignment)は、各クロックサイクルにおいて、PFCコンバータ(一次)スイッチ20がデ
ィスエーブルされるかオフにされると、すなわちインダクタ18が電流をこのキャパシタ21にソースすると、LLCコンバータ11がPFCコンバータ10の出力キャパシタ21から電流を引出すことを確実にする。これは、LLCコンバータ11のリップル電圧を減じる。PFCコンバータ10およびLLCコンバータ11のスイッチング間の反対の(180°異なる)位相関係を代替的に利用してもよいが、PFC出力電圧Vpのリップルが比較的大きいため、さほど有利ではない。
【0082】
上述のように電圧Vtpが生成され、LLCランプ信号Lrmpと比較されるが、代わりに電圧Pmulが、信号Lrmpを置換し、LLCクロック信号Lclkの逆の位相の間に正および負のランプを有する、三角波形と比較され得ることが認識される。しかしながら、CMOS ICにこのような三角波形を十分な精度で生成することは困難である。
【0083】
さらに、上述のように信号Ppwmが信号Lclkと同じ周波数で生成され、その結果、PFCコンバータ10がLLCコンバータ11と同じスイッチング周波数で作動するが、こうである必要はなく、コンバータ10および11のスイッチング周波数間に他の任意の所望の高調波関係を与えることができる。たとえば、図7は、PFCコンバータスイッチング周波数がLLCコンバータ周波数の半分である制御構成の動作を示す信号を示す。
【0084】
図7は、上から下へ、LLCコンバータクロック信号Lclk、信号Lclkの、周波数の半分の周波数における、立上りエッジに遷移部を備えたクロック信号Lclk/2、比較しきい電圧Vt1およびVt2を備えた、信号Lclkの周波数の2倍の周波数を有するLLCランプ信号Lrmp、および、信号Lclkの周波数の半分の周波数においてPFCコンバータのPWM信号を表わす信号PaおよびPbを示す。
【0085】
信号電圧Pmulがランプ信号Lrmpの最大振幅の半分未満であって、50%未満のオフタイムデューティーサイクルを表わす場合、しきい電圧Vt1は電圧Pmulの2倍に設定され、しきい電圧Vt2は、ランプの最大振幅からしきい電圧Vt1を引いた電圧に設定される。この場合、クロック信号Lclkがハイで周波数の半分のクロック信号Lclk/2がローである間にランプ電圧Lrmpがしきい電圧Vt1と交差するとPWM信号の立上りエッジが生成されるが、クロック信号Lclkがローで周波数の半分のクロック信号Lclk/2がハイである間にランプ電圧Lrmpがしきい電圧Vt2と交差するとPWM信号の立下りエッジが生成され、図7の信号Paの形でPWM信号を生成する。このように、50%未満のオフタイムデューティーサイクルについては、PWM信号の立上りおよび立下りエッジは、信号Paによって示されるように、周波数の半分のクロック信号Lclk/2のサイクルのそれぞれ第1および第4クォーターの期間において生じる。
【0086】
反対に、信号電圧Pmulがランプ信号Lrmpの最大振幅の半分より大きく、50%を越えるオフタイムデューティーサイクルを表わす場合、しきい電圧Vt1は、電圧Pmulの2倍からランプの最大振幅を引いた電圧に設定され、しきい電圧Vt2は、ランプの最大振幅からしきい電圧Vt1を引いた電圧に再び設定される。この場合、信号LclkおよびLclk/2が両方ともローの間にランプ電圧Lrmpがしきい電圧Vt1と交差するとPWM信号の立上りエッジが生成され、信号LclkおよびLclk/2が両方ともハイの間にランプ電圧Lrmpがしきい電圧Vt2と交差するとPWM信号の立下りエッジが生成され、図7の信号Pbの形でPWM信号を生成する。このように、50%を超えるオフタイムデューティーサイクルについては、PWM信号の立上りおよび立下りエッジは、信号Pbによって示されるように、周波数の半分のクロック信号Lclk/2のサイクルのそれぞれ第2および第3クォーターの期間において生じる。
【0087】
図7の信号のタイミングでは、上述されたものと同様の態様で、0%および100%近くでPWMデューティーサイクルにおいて禁止ゾーンが与えられ得る。PFCコンバータスイッチとLLCコンバータスイッチとのすべての同時スイッチングを防ぐために、この場合禁止ゾーンもまた50%のデューティーサイクル点に近い必要がある。これは同様の態様で実現することができる。
【0088】
LLCパワーコンバータ10およびPFCパワーコンバータ11のスイッチング周波数の他の断片的または調和的関係に、同様の原理を適用できることが理解され得る。特に、これによってLLCコンバータよりも低い周波数でPFCコンバータが動作することができるようになり、損失を減じることができる。
【産業上の利用可能性】
【0089】
上記の説明はハーフブリッジ位相を用いるLLCコンバータに関連するが、この発明はまた、同様の態様で、他の共振モードコンバータおよび他のパワーコンバータ位相、たとえばフルブリッジ位相にも適用することができる。この発明はまた、同様の態様で、示されないが、たとえばPFCおよびLLCコンバータに付加的に与えられ得る他のパワーコンバータのスイッチングの制御にも適用することができる。たとえば、電源構成によって動力が供給される機器のスタンバイおよび/または動作電力のために所望され得る付加的な供給電圧を与えるために所望されるであろう、1つ以上のフライバックまたは他のPWMコンバータにも適用することができる。
【0090】
電源構成および制御装置の特定の形状が例として上述されるが、請求項に規定されるこの発明の範囲を逸脱することなく、多数の修正、変更および適合がなされ得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
共振モードコンバータ(11)と、出力(12,Vp)が共振モードコンバータの入力に結合されたPFC(力率補正)コンバータ(10)とを制御する方法であって、
共振モードコンバータの出力(43)に依存して共振モードコンバータのスイッチング周波数(Lclk)を制御して、それによって共振モードコンバータの出力を制御するステップを含み、共振モードコンバータの出力は、スイッチング周波数の変化とともに変化し、さらに
共振モードコンバータのスイッチング周波数と調和的に関連するスイッチング周波数を有する信号(P)を用いてPFCコンバータを制御するステップを含むことを特徴とする、方法。
【請求項2】
PFCコンバータを制御するステップは、共振モードコンバータのスイッチング周波数に等しい周波数か、またはその整数分の1である周波数を備えたPWM(調整されたパルス幅)信号(Ppwm)を用いてPFCコンバータを制御するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
共振モードコンバータのスイッチング周波数を制御するステップは、共振モードコンバータのスイッチング周波数の2倍の周波数で線形ランプを備えた鋸歯状波形(Lrmp)を生成するステップを含み、PFCコンバータを制御するステップは、鋸歯状波形の異なるサイクルにおいてPFCコンバータのスイッチング時間を制御するように線形ランプとの比較のための2つのしきい値(Pmul,Vtp)を規定するステップを含み、その結果、PFCコンバータのスイッチ(20)は、一方のしきい値を用いて鋸歯状波形の1サイクル中にオンにされ、他方のしきい値を用いて鋸歯状波形の続くサイクル中にオフにされる、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
2つのしきい値の和は線形ランプの高さに等しい、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
共振モードコンバータのスイッチング遷移と同時のPFCコンバータを制御する信号の遷移を回避するステップを含む、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
共振モードコンバータのスイッチング周波数を制御するステップは、スイッチング周波数が増大するにつれて共振モードコンバータの出力を減じる、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
PFCコンバータを制御するステップは、共振モードコンバータのスイッチング周波数に等しい周波数と、PFCコンバータの一次スイッチがオフにされると共振モードコンバータがPFCコンバータから電流を引出すような位相とを有するPWM(調整されたパルス幅)信号を用いてPFCコンバータを制御するステップを含む、請求項1、3、4のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
PFC(力率補正)パワーコンバータ(10)および共振モードコンバータ(11)のための制御構成であって、
制御されたスイッチング周波数(Lclk)で共振モードコンバータのスイッチ(29,31)を制御するように相補制御信号(A,B)を与えるための共振モードコンバータの出力(43)に依存する信号(Fdbk)に応答してそれにより前記出力を制御する第1の制御装置(61,65)と、
前記制御されたスイッチング周波数と調和的に関連するスイッチング周波数でPFCコンバータのスイッチ(20)を制御するように少なくとも1つのPFC制御信号(P)を与えるための第2の制御装置(60,62,64)とを含む、制御構成。
【請求項9】
第2の制御装置は、前記制御されたスイッチング周波数に等しい周波数またはその整数分の1である周波数を有するPWM(調整されたパルス幅)信号としてPFC制御信号を生成するための回路(62)を含む、請求項8に記載の制御構成。
【請求項10】
前記回路は、PWM信号を生成するための共振モードコンバータの制御されたスイッチング周波数を表わす信号(Lrmp)に応答し、その結果、PFC制御信号の遷移は共振モードコンバータのスイッチング遷移と同時には生じない、請求項9に記載の制御構成。
【請求項11】
前記回路は2つのコンパレータ(207,208)を含み、コンパレータはそれぞれ、2つのしきい値(Pmul,Vtp)のうち1つと前記制御されたスイッチング周波数の2倍の周波数における鋸歯状波形(Lrmp)の線形ランプとを比較するためであり、さらに、鋸歯状波形の異なるサイクルにおいてPFCコンバータのスイッチをオンオフするようにそれぞれの遷移を備えたPWM信号を生成するための、コンパレータの出力に応答する論理関数(211〜216)を含む、請求項10に記載の制御構成。
【請求項12】
2つのしきい値の和は線形ランプの高さに等しい、請求項11に記載の制御構成。
【請求項13】
PFCコンバータおよび共振モードコンバータを含むカスケード結合されたパワーコンバータ構成であって、PFCコンバータの出力は共振モードコンバータの入力に結合され、請求項8〜12のいずれかに記載の制御構成はコンバータを制御するよう配列される、パワーコンバータ構成。
【請求項14】
共振モードコンバータはLLCコンバータを含む、請求項13に記載のパワーコンバータ構成。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2010−517495(P2010−517495A)
【公表日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−545779(P2009−545779)
【出願日】平成20年1月22日(2008.1.22)
【国際出願番号】PCT/CA2008/000111
【国際公開番号】WO2008/089541
【国際公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【出願人】(501315784)パワー・インテグレーションズ・インコーポレーテッド (125)
【Fターム(参考)】