説明

カチオン性ポリマー、脂肪族アミドおよび抗酸素剤を含む、ケラチン繊維の処理用の酸化組成物

【課題】毛髪の化粧特性の改善を可能にし、長期間安定である、新規な酸化組成物を提供すること。
【解決手段】本発明は、化粧品として許容できる媒体中に、1種または複数のカチオン性ポリマー、1種または複数の脂肪族アミド、1種または複数の抗酸素剤、および1種または複数の酸化剤を含む、ケラチン繊維、特に毛髪などのヒトのケラチン繊維の処理用の組成物に関する。
本発明による組成物は、ケラチン繊維のカラーリング、脱色またはパーマネント変形のために使用できる。それは、使用可能な状態であり、ケラチン繊維を劣化させず、その化粧特性に影響を及ぼさずに、染色、脱色またはパーマネント変形において良好な特性を付与する組成物を提供する。
さらに、本発明による組成物は、特に高温、例えば45℃程度での貯蔵で、良好な安定性を長期間有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧品として許容できる媒体中に、1種または複数のカチオン性ポリマー、1種または複数の脂肪族アミド、1種または複数の抗酸素剤、および1種または複数の酸化剤を含む、ケラチン繊維、特に毛髪などのヒトのケラチン繊維の処理用の組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ケラチン繊維、特に毛髪などのヒトのケラチン繊維の染色、脱色およびパーマネント変形の領域では、化粧品中に酸化組成物が使用される。
【0003】
したがって、毛髪の酸化染色では、酸化組成物を、それ自体は無色の酸化染料(ベースおよびカップラー)と混合して、酸化縮合のプロセスにより着色およびカラーリング化合物を生成する。酸化組成物は、毛髪淡色化効果を伴う着色を得るために、特定の着色およびカラーリング直接染料と混合される、毛髪の直接染色でも使用される。ケラチン繊維の染色のために従来使用される酸化剤の中で、本発明者らは、過酸化水素または加水分解により過酸化水素を生成できる過酸化尿素などの化合物を挙げることができる。過ホウ酸塩および過硫酸塩などの過酸塩も使用できる。より具体的には、過酸化水素が好ましい。
【0004】
毛髪脱色では、脱色組成物は、1種または複数の酸化剤を含有する。これらの酸化剤の中で、従来最も使用されるものは、過酸化水素または過酸化尿素もしくは過ホウ酸塩、過炭酸塩および過硫酸塩などの過酸塩などの、加水分解により過酸化水素を生成できる化合物であり、過酸化水素および過硫酸塩が特に好ましい。
【0005】
これらの組成物は、アルカリ剤(アミンまたはアンモニア)を含有する水性組成物であることができ、使用時に過酸化水素の水性組成物で希釈される。
【0006】
これらの組成物は、アルカリ性化合物(アミンおよび/またはケイ酸アルカリ)、およびアンモニウムまたはアルカリ金属の過硫酸塩、過ホウ酸塩または過炭酸塩などの過酸化剤を含有する無水生成物から形成することもでき、使用時に過酸化水素の水性組成物で希釈される。
【0007】
毛髪のパーマネント変形では、第1に、好適な還元剤を含有する組成物を使用して、ケラチン(シスチン)のジスルフィド結合-S-S-を開裂し(還元段階)、次いで、このように処理された毛髪のすすぎ後、第2に、予め張力下(カーラー等)に置いた毛髪上に酸化組成物を適用することにより、ジスルフィド結合を再構築して(酸化段階、固定とも呼ばれる)、最終的に毛髪に所望の形態を付与する。したがって、この技法は、ウェービング、または毛髪の矯正のいずれかを実施可能にする。上記の化学処理により毛髪につけられた新しい形状は、ウォーターウェーブなどの一時的ウェービングの単純な従来技法とは対照的に、非常に持続性があり、水またはシャンプーによる洗浄の作用に特に耐える。
【0008】
固定段階の適用に必要な酸化組成物は、一般に、過酸化水素に基づいた組成物である。
【0009】
さらに、本発明者らは、化粧品分野で、毛髪のコンディショニングを改善しようと、すなわち、手触りの滑らかさおよび柔らかさの特性を特に改善しようと常に試みている。
【0010】
このためのカチオン性分子、例えば、繊維のコンディショニングを改善するためのカチオン性ポリマーまたはカチオン性界面活性剤の使用が知られている。
【0011】
しかし、過酸化水素に基づいた酸化組成物中にカチオン性ポリマーを含めることにより、これらの組成物は不安定となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】FR2505348
【特許文献2】FR2542997
【特許文献3】FR1492597
【特許文献4】US4131576
【特許文献5】US3589578
【特許文献6】US4031307
【特許文献7】FR2162025
【特許文献8】FR2280361
【特許文献9】FR2252840
【特許文献10】FR2368508
【特許文献11】FR1583363
【特許文献12】US3227615
【特許文献13】US2961347
【特許文献14】FR2320330
【特許文献15】FR2270846
【特許文献16】FR2316271
【特許文献17】FR2336434
【特許文献18】FR2413907
【特許文献19】US特許2273780
【特許文献20】US特許2375853
【特許文献21】US特許2388614
【特許文献22】US特許2454547
【特許文献23】US特許3206462
【特許文献24】US特許2261002
【特許文献25】US特許2271378
【特許文献26】US特許3874870
【特許文献27】US特許4001432
【特許文献28】US特許3929990
【特許文献29】US特許3966904
【特許文献30】US特許4005193
【特許文献31】US特許4025617
【特許文献32】US特許4025627
【特許文献33】US特許4025653
【特許文献34】US特許4026945
【特許文献35】US特許4027020
【特許文献36】EP-A-122324
【特許文献37】WO95/15144
【特許文献38】WO95/01772
【特許文献39】EP0714954
【特許文献40】FR2822696
【特許文献41】FR2825702
【特許文献42】FR2825625
【特許文献43】FR2822698
【特許文献44】FR2822693
【特許文献45】FR2822694
【特許文献46】FR2829926
【特許文献47】FR2807650
【特許文献48】WO02/078660
【特許文献49】WO02/100834
【特許文献50】WO02/100369
【特許文献51】FR2844269
【特許文献52】GB1026978
【特許文献53】GB1153196
【特許文献54】FR2801308
【特許文献55】DE2359399
【特許文献56】JP88-169571
【特許文献57】JP05-63124
【特許文献58】EP0770375
【特許文献59】WO96/15765
【特許文献60】FR-A2750048
【特許文献61】DE3843892
【特許文献62】DE4133957
【特許文献63】WO94/08969
【特許文献64】WO94/08970
【特許文献65】FR-A-2733749
【特許文献66】DE19543988
【特許文献67】FR2886136
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】TODD&BYERS「Volatile silicone fluids for cosmetics」、Cosmetics and Toiletries、第91巻、1976年1月、27〜32ページ
【非特許文献2】COLOUR INDEX INTERNATIONAL第3版
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、毛髪の化粧特性の改善を可能にし、長期間安定である、新規な酸化組成物を供給することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この目的は、化粧品として許容できる媒体中に、
- 1種または複数のカチオン性ポリマー、
- 1種または複数の脂肪族アミド、
- 1種または複数の抗酸素剤、および
- 1種または複数の酸化剤
を含む、ケラチン繊維、特に毛髪のなどのヒトのケラチン繊維の処理用の組成物に関する本発明により達成される。
【0016】
本発明による組成物がケラチン繊維のカラーリングに使用される場合、ケラチン繊維の化粧特性に影響を及ぼすことなく、毛髪が受け得るシャンプー、光、汗およびパーマネント変形などの様々な攻撃的要因に対する良好な耐性と共に、低選択性の良好な染色特性、特に強力な有彩色カラーリングが得られる。
【0017】
本発明による組成物がケラチン繊維の脱色に使用される場合、該組成物は、その繊維を劣化させることもその繊維の化粧特性に影響を及ぼすこともなく、その繊維の良好な淡色化効果をもたらす。
【0018】
本発明による組成物がケラチン繊維のパーマネント変形に使用される場合、該組成物は、その繊維を劣化させることもその繊維の化粧特性に影響を及ぼすこともなく、その繊維の十分なパーマネント変形をもたらす。
【0019】
さらに、本発明による組成物は、特に高温、例えば、45℃程度での貯蔵で、長期間良好な安定性を有する。
【0020】
本発明は、この酸化組成物を用いるケラチン繊維の処理方法、特にケラチン繊維のカラーリング、脱色またはパーマネント変形の方法にも関する。
【0021】
本発明の別の目的は、ケラチン繊維の処理、特にケラチン繊維のカラーリング、脱色またはパーマネント変形のためのこの酸化組成物の使用である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、別段の定めのない限り、述べる範囲の境界は、本発明に含まれる。
【0023】
「カチオン性ポリマー」とは、カチオン性基および/またはカチオン性基へイオン化可能な基を含有する任意のポリマーを意味する。
【0024】
本発明者らは、カチオン性ポリマーの中で、より具体的には、ポリアミン、ポリアミノアミドおよび第4級ポリアンモニウム型のポリマーを挙げることができる。
【0025】
本発明の組成物で使用できるポリアミン、ポリアミノアミド、および第4級ポリアンモニウム型のポリマーは、フランス特許FR2505348およびFR2542997に特に記載されている。本発明者らは、これらのポリマーの中で、以下のものを挙げることができる。
(1)アクリル酸またはメタクリル酸のエステルまたはアミドに由来のホモポリマーまたはコポリマー。
(2)(a)フランス特許FR1492597に記載されている第4級アンモニウム基を有するセルロースエーテルの誘導体。
(b)水溶性第4級アンモニウムモノマーでグラフトされ、セルロースまたはセルロース誘導体のコポリマー、特に特許US4131576に特に記載されているもの、特にメタクリロイルエチル-トリメチルアンモニウム、メタクリルアミドプロピル-トリメチルアンモニウムまたはジメチルジアリルアンモニウムの塩でグラフトされたヒドロキシアルキルセルロース、例えばヒドロキシメチル、ヒドロキシエチルまたはヒドロキシプロピルセルロースのコポリマー(本発明者らは、例えば、ポリクオタニウム10(INCI名)を挙げることができる)
などのカチオン性セルロース誘導体。
(3)特許US3589578およびUS4031307により具体的に記載されている、カチオン性トリアルキルアンモニウム基を含有するグアーガムなどの他のカチオン性多糖類。
(4)酸素、硫黄、もしくは窒素原子により、または芳香族環もしくは複素環によって場合により中断されている、ピペラジニル基および直鎖または分岐鎖の2価のアルキレンまたはヒドロキシアルキレン基からなるポリマー、ならびにこれらのポリマーの酸化および/または4級化生成物。そのようなポリマーは、特にフランス特許FR2162025およびFR2280361に記載されている。
(5)フランス特許FR2252840およびFR2368508に特に記載されているものなどの、水溶性ポリアミノアミド。
(6)ポリアミノアミドの誘導体、例えば、アルキル基が1〜4個の炭素原子を有し、好ましくはメチル、エチル、またはプロピル基を表し、アルキレン基が1〜4個の炭素原子を有し、好ましくはエチレン基を表す、アジピン酸/ジアルキルアミノヒドロキシアルキルジアルキレン-トリアミンポリマー。そのようなポリマーは、フランス特許FR1583363に特に記載されている。
(7)2個の第1級アミン基および少なくとも1個の第2級アミン基を有するポリアルキレン-ポリアミンと、3〜8個の炭素原子を有するジグリコール酸および飽和脂肪族ジカルボン酸から選択されたジカルボン酸との反応により得られるポリマー。ポリアルキレン-ポリアミン対ジカルボン酸のモル比は、0.8:1と1.4:1の間であり、得られたポリアミノアミドは、0.5:1と1.8:1の間のエピクロロヒドリン対ポリアミノアミドの第2級アミン基のモル比で、エピクロロヒドリンと反応される。そのようなポリマーは、特許US3227615およびUS2961347に特に記載されている。
(8)ジメチルジアリル-アンモニウムクロリドのホモポリマーならびにジアリルジメチルアンモニウムクロリドおよびアクリルアミドのコポリマーなどの、アルキルジアリルアミンまたはジアルキルジアリルアンモニウムのシクロポリマー。
(9)例えば、フランス特許FR2320330、2270846、2316271、2336434および2413907ならびにUS特許2273780、2375853、2388614、2454547、3206462、2261002、2271378、3874870、4001432、3929990、3966904、4005193、4025617、4025627、4025653、4026945および4027020に記載されているものなどの、一般に1000と100000の間の数平均分子量を有する第4級ジアンモニウムポリマー。本発明者らは、例えば、CHIMEX社によりMEXOMERE POという参照名で販売されている塩化ヘキサジメスリン(INCI名)を挙げられる。
(10)特許出願EP-A-122324に特に記載されているものなどの第4級ポリアンモニウムポリマー。
(11)ビニルピロリドンおよびビニルイミダゾールの第4級のポリマー、例えば、Luviquat(登録商標)FC905、FC550およびFC370という商品名でBASF社により販売されている製品。
(12)CTFA辞書で「POLYETHYLENE GLYCOL(15)TALLOW POLYAMINE」という名で呼ばれている、HENKELにより販売されているPolyquart(登録商標)Hなどのポリアミン。
(13)SALCARE(登録商標)SC92、SALCARE(登録商標)SC95およびSALCARE(登録商標)SC96という商品名でALLIED COLLOIDS社により販売されているものなどの、メタクリロイルオキシアルキル(C1〜C4)トリアルキル(C1〜C4)アンモニウム塩の架橋ポリマー、ならびにそれらの混合物。
【0026】
本発明の範囲内で使用できる他のカチオン性ポリマーは、カチオン性タンパク質またはカチオン性タンパク質の加水分解物、ポリアルキレンイミン、特にポリエチレンイミン、ビニルピリジンまたはビニルピリジニウム単位を含有するポリマー、ポリアミンおよびエピクロロヒドリンの縮合物、第4級ポリウレイレンおよびキチン誘導体である。
【0027】
好ましくは、カチオン性ポリマーは、ポイント(8)および(9)で定義したポリマー、特に塩化ヘキサジメスリンおよびジメチルジアリルアンモニウムクロリドのホモポリマーまたはコポリマーから選択される。さらにより好ましくは、カチオン性ポリマー(1種または複数)は、塩化ヘキサジメスリンおよびポリジメチルジアリルアンモニウムクロリドから選択される。
【0028】
本発明の特定の実施形態によると、酸化組成物は、2種のカチオン性ポリマーを含む。
【0029】
本発明の特定の実施形態によると、カチオン性ポリマー(1種または複数)は、3meq./gを超える、好ましくは3.5と8.5meq./gの間のカチオン性電荷密度を有する。該電荷密度は、ケルダール法により、または該ポリマー構造からの計算値により、実験的に求めることができる。
【0030】
カチオン性ポリマー(1種または複数)は、一般に、本発明による組成物の総重量に対して0.01〜20wt.%、好ましくは0.1〜10wt.%を占める。
【0031】
本発明において、「脂肪族アミド」とは、少なくとも6個の炭素原子を有する炭化水素鎖をその構造に含むアミドを意味する。
【0032】
本発明の特定の実施形態によると、脂肪族アミド(1種または複数)は、以下の式(I)
【0033】
【化1】

【0034】
(式中、
・ Rは、OR5基、NR6R7基、カルボキシル基、スルホン酸基、カルボキサミド基CONR6R7、スルホンアミド基SO2NR6R7、ヘテロアリール、1個もしくは複数の(C1〜C4)アルキル、ヒドロキシ、C1〜C2アルコキシ、アミノ、(ジ)アルキル(C1〜C2)アミノ基で場合により置換されているアリールを含む群から選択された1個または複数の基で場合により置換されている飽和または不飽和、直鎖または分岐鎖のC8〜C30アルキル基であり、
・ R5、R6およびR7は、同一でも異なっていてもよく、
- 水素原子、
- ヒドロキシル、C1〜C2アルコキシ、カルボキサミドCONR8R9、スルホニルS02R8、または(C1〜C4)アルキル、ヒドロキシ、C1〜C2アルコキシ、アミノ、(ジ)アルキル(C1〜C2)アミノ基で場合により置換されているアリール基から選択された1個または複数の基で場合により置換されている直鎖または分岐鎖のC1〜C4アルキル基、(C1〜C4)アルキル、ヒドロキシ、C1〜C2アルコキシ、アミノ、(ジ)アルキル(C1〜C2)アミノ基で場合により置換されているアリール
を表し、
・ R6およびR7は、同一でも異なっていてもよく、カルボキサミド基CONR8R9、スルホニル基SO2R8も表すことができ、
・ R8およびR9は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、1個または複数のヒドロキシル、C1〜C2アルコキシ基で場合により置換されている直鎖または分岐鎖のC1〜C4アルキル基を表し、
・ n、mおよびpは、同一でも異なっていてもよく、m+p≧1となる0と10の範囲の整数である)
の化合物から選択される。
【0035】
好ましくは、Rは、C10〜C18アルキル基である。
【0036】
好ましくは、nは、0〜5の範囲の整数である。
【0037】
好ましくは、mは、0〜1の範囲の整数である。
【0038】
好ましくは、pは、1〜5の範囲の整数である。
【0039】
本発明者らは、式(I)の化合物の中で、PEG-4 RAPESEED AMIDEというINCI名で呼ばれている製品などの、菜種酸のエトキシル化アミドを挙げることができる。
【0040】
本発明の好ましい変形形態では、n=0である。
【0041】
脂肪族アミド(1種または複数)は、一般に、本発明による組成物の総重量に対して0.1〜20wt.%、好ましくは0.2〜10wt.%、より好ましくは0.5〜5wt.%を占める。
【0042】
本発明において、「抗酸素剤」とは、酸素と化学的に相互作用できる化合物を意味する。
【0043】
動力学的に、この化学的相互作用は、非常に早い。
【0044】
本発明による組成物中に存在する抗酸素剤(1種または複数)は、化粧品、特にヘアケアの分野で従来使用される抗酸化剤から選択される。
【0045】
本発明の特定の実施形態によると、抗酸素剤(1種または複数)は、ビタミンEおよびその誘導体、エリソルビン酸、アスコルビン酸、ヒドロキノンおよびアルキルヒドロキノンなどのその誘導体から選択される。好ましくは、ビタミンEの誘導体は、ビタミンEのエーテルまたはエステルから選択される。
【0046】
好ましい実施形態によると、抗酸素剤(1種または複数)は、ビタミンEおよびその誘導体から選択される。ビタミンEが特に好ましい。
【0047】
酸化剤(1種または複数)は、過酸化水素、過硫酸塩、過炭酸塩および過ホウ酸塩などの過酸塩、過酸化尿素、臭素酸アルカリ、ポリチオン酸塩から選択できる。過酸化水素が好ましい。
【0048】
酸化剤(1種または複数)は、一般に、本発明による組成物の総重量に対して0.1〜50wt.%、好ましくは1〜20wt.%を占める。
【0049】
本発明の特定の実施形態によると、酸化剤が過酸化水素である場合、酸化組成物は、過酸化水素を安定化する1種または複数の作用剤を含む。
【0050】
本発明者らは、過酸化水素を安定化する作用剤の例としては、特にピロリン酸四ナトリウムなどのアルカリまたはアルカリ土類金属のピロリン酸塩、アルカリまたはアルカリ土類金属のスズ酸塩、フェナセチンあるいは酸の塩および硫酸オキシキノリンなどのオキシキノリンの塩を挙げることができる。好ましくは、場合により1種または複数のピロリン酸塩と組み合わせて、1種または複数のスズ酸塩が使用される。
【0051】
過酸化水素を安定化する作用剤(1種または複数)は、一般に、酸化組成物の総重量に対して0.0001〜5wt.%、好ましくは0.01〜2wt.%を占める。
【0052】
本発明の特定の実施形態によると、該組成物は、特に非シリコーン処理(non-siliconized)鉱物油、植物油、動物油または合成油、あるいはシリコーン油であることができる1種または複数の油をさらに含む。好ましくは、該組成物は、非シリコーン処理鉱物油、植物油、動物油または合成油から選択された1種または複数の油を含む。
【0053】
本発明において、油とは、25℃および大気圧(水銀柱760mm)で液体であり、これらの条件で5%の濃度、好ましくは1%の濃度で水に不溶であり、少なくとも2個のシロキサン基を有するか、または少なくとも6個の炭素原子を有する少なくとも1個の炭化水素鎖を有する化合物を意味する。
【0054】
本発明者らは、本発明の組成物で使用するための非シリコーン処理油として、例えば、以下のものを挙げることができる。
- パーヒドロスクアレンなどの動物由来の炭化水素油。
- ヘプタン酸またはオクタン酸のトリグリセリドなどの、6〜30個の炭素原子を有する脂肪酸の液体トリグリセリド、あるいは例えば、ヒマワリ油、トウモロコシ油、ダイズ油、ウリ科植物油、ブドウ種子油、ゴマ油、ハシバミ油、キョウニン油、マカダミア油、アララ(arara)油、ヒマシ油、アボカド油、Stearineries Dubois社により販売されているものまたはMiglyol(登録商標)810、812および818という商品名でDynamit Nobel社により販売されているものなどのカプリル酸/カプリン酸のトリグリセリド、ホホバ油、シアバター油などの、植物由来の炭化水素油。
- ヘキサン、ドデカン、イソドデカンおよびイソヘキサデカンなどのC6〜C16低級アルカンなどの、鉱物または合成由来の、少なくとも6個の炭素原子を含有する直鎖または分岐鎖の炭化水素、パラフィン油などの、16個を上回る炭素原子を有する炭化水素、およびそれらの誘導体、ワセリン、ワセリン油、ポリデセン、Parleam(登録商標)などの水添ポリイソブテン。
- 部分的に炭化水素ベースのフッ素化油。フッ素化油として、本発明者らは、「FLUTEC(登録商標)PC1」および「FLUTEC(登録商標)PC3」という商品名でBNFL Fluorochemicals社により販売されているパーフルオロメチルシクロペンタンおよびパーフルオロ-1,3-ジメチルシクロヘキサン;パーフルオロ-1,2-ジメチルシクロブタン;「PF 5050(登録商標)」および「PF 5060(登録商標)」という商品名で3M Companyにより販売されているドデカフルオロペンタンおよびテトラデカフルオロヘキサンなどのパーフルオロアルカン、または「FORALKYL(登録商標)」という商品名でAtochem社により販売されているブロモパーフルオロオクチル;ノナフルオロメトキシブタンおよびノナフルオロエトキシイソブタン;「PF 5052(登録商標)」という商品名で3M Companyにより販売されている4-トリフルオロメチルパーフルオロモルホリンなどのパーフルオロモルホリンの誘導体も挙げることができる。
- 液体C7〜C30脂肪族アルコール、特にオレイン酸アルコールまたはイソステアリルアルコールなどの、不飽和および/または分岐鎖のC10〜C22脂肪族アルコール、酸および/またはトリグリセリド以外の脂肪族アルコールの液体エステル、特に酸および/またはアルコールが不飽和または分岐鎖であるもの、特に、ミリスチン酸イソプロピルが使用できる。
【0055】
シリコーン油は、3〜7個、好ましくは4〜5個のケイ素原子を有する環状ポリジアルキルシロキサンから選択できる。シリコーン油は、例えば、特にVOLATILE SILICONE(登録商標)7207という商品名でUNION CARBIDEにより販売されている、またはSILBIONE(登録商標)70045V2という商品名でRHODIAにより販売されているオクタメチルシクロテトラシロキサン、VOLATILE SILICONE(登録商標)7158という商品名でUNION CARBIDEにより販売されている、およびSILBIONE(登録商標)70045V5という商品名でRHODIAにより販売されているデカメチルシクロペンタシロキサン、ならびにそれらの混合物であることができる。
【0056】
本発明者らは、式
【0057】
【化2】

【0058】
の、UNION CARBIDE社により販売されているSILICONE VOLATILE(登録商標)FZ3109などの、ジメチルシロキサン/メチルアルキルシロキサン型のシクロコポリマーも挙げることができる。
【0059】
本発明者らは、オクタメチルシクロテトラシロキサンとテトラトリメチルシリルペンタエリスリトール(50/50)の混合物およびオクタメチルシクロテトラシロキサンとオキシ-1,1'-(ヘキサ-2,2,2',2',3,3'-トリメチルシリルオキシ)ビス-ネオペンタンの混合物などの、環状ポリジアルキルシロキサンとケイ素由来の有機化合物の混合物、
- 2〜9個のケイ素原子を有し、25℃で5.10-6m2/s以下の粘度を有する揮発性直鎖ポリジアルキルシロキサン、例えば、特に「SH200」という商品名でTORAY SILICONE社により販売されているデカメチルテトラシロキサンも挙げることができる。この種類に含まれるシリコーンは、Cosmetics and Toiletries、第91巻、1976年1月、27〜32ページで発表された論文、TODD&BYERS「Volatile silicone fluids for cosmetics」にも記載されている。
【0060】
不揮発性ポリジアルキルシロキサン、ポリジアルキルシロキサンのガムおよび樹脂、前述の有機官能基で変性されたポリオルガノシロキサン、ならびにそれらの混合物を使用することが好ましい。
【0061】
これらのシリコーンは、より具体的には、ポリジアルキルシロキサンから選択され、本発明者らは、主にトリメチルシリル末端基を有するポリジメチルシロキサンを特に挙げることができる。シリコーンの粘度は、標準ASTM445 Appendix Cに従って25℃で測定される。
【0062】
これらのポリジアルキルシロキサンの中で、以下の商品を、非包括的に挙げ得る。
- シリーズ47および70047のSILBIONE(登録商標)油またはRHODIAにより販売されている、例えば、油70047V500000などのMIRASIL(登録商標)油、
- RHODIA社により販売されているMIRASIL(登録商標)シリーズの油、
- 60000mm2/sの粘度を有するDC200などの、DOW CORNING社の200シリーズの油、
- GENERAL ELECTRICのVISCASIL(登録商標)油およびGENERAL ELECTRICのSFシリーズ(SF96、SF18)の特定の油。
【0063】
油(1種または複数)は、一般に、本発明による組成物の総重量に対して0〜60wt.%、好ましくは10〜60wt.%、さらにより好ましくは15〜55wt.%、最も好ましくは20〜50wt.%を占める。
【0064】
特定の実施形態によると、本発明による組成物は、該組成物の総重量の少なくとも10wt.%、好ましくは少なくとも15wt.%、さらにより好ましくは少なくとも20wt.%の、脂肪族アルコールとは異なる1種または複数の油を含む。
【0065】
特定の実施形態によると、本発明の組成物は、染料も過酸塩も含まない。
【0066】
本発明において、化粧品として許容できる媒体とは、ケラチン繊維、特に毛髪などのヒトのケラチン繊維に適合する媒体を意味する。
【0067】
本発明による組成物の化粧品として許容できる媒体は、一般に、水および/または1種もしくは複数の水溶性有機溶媒を含む。水溶性有機溶媒として、本発明者らは、例えば、エタノールおよびイソプロパノールなどのC1〜C4低級アルカノール;ベンジルアルコールまたはフェノキシエタノールなどの芳香族アルコール;エチレングリコール、プロピレングリコールのモノメチル、モノエチルおよびモノブチルエーテルまたはプロピレングリコール、ブチレングリコール、ジプロピレングリコールのモノメチルエーテルなどのそれらのエーテルならびにジエチレングリコールのモノエチルエーテルまたはモノブチルエーテルなどのジエチレングリコールのアルキルエーテル、またはグリセロールなどの、ポリオールまたはポリオールエーテル;ならびにそれらの混合物を挙げることができる。
【0068】
該溶媒は、好ましくは酸化組成物の総重量に対して約0.1と35wt.%の間、さらにより好ましくは約1と40wt.%の間の割合で存在する。
【0069】
本発明による組成物は、化粧品で従来使用される追加の化合物も含むことができる。これらの化合物は、増粘または安定化ポリマー、非シリコーンコンディショナーポリマー、シリコーン、キレート化剤、および香料から特に選択できる。
【0070】
当然ながら、当業者は、本発明による組成物に本質的に付随する有利な特性が、想定される追加(1つまたは複数)に影響されない、または実質的に影響されないように、このまたはこれらの任意選択の追加化合物(複数)を注意深く選択するであろう。
【0071】
本発明による組成物は、クリーム、ゲル、乳液、ローション、もしくはムースの形態、またはケラチン繊維、特に毛髪のなどのヒトのケラチン繊維の処理を実施するのに好適な任意の他の形態などの様々な形態であることができる。好ましくは、それはクリームまたは乳液の形態である。
【0072】
本発明による酸化組成物のpHは、一般に、1.5から4.5まで、好ましくは2から3.5まで変化する。それは、塩酸、酢酸、乳酸、ホウ酸、クエン酸およびリン酸などの酸性化剤またはアルカリ剤の存在下で酸性化剤を添加することにより調整できる。
【0073】
本発明の別の目的は、予め定義した酸化組成物のケラチン繊維上への適用を含むケラチン繊維の処理方法である。
【0074】
本発明による酸化組成物は、例えば、ケラチン繊維、特に毛髪のなどのヒトのケラチン繊維の染色方法で使用できる。
【0075】
本発明によるケラチン繊維の染色方法は、ケラチン繊維の染色に好適な支持体中に、1種もしくは複数の直接染料および/または1種もしくは複数の酸化染料および上で定義した酸化組成物を含む染色組成物を用いる。
【0076】
この方法によると、染色組成物を、ケラチン繊維上に適用し、中間すすぎを行いまたは行わず同時または順次適用される本発明による酸化組成物により、酸性、中性またはアルカリ性のpHで色を発色させる。
【0077】
本発明による染色方法の特に好ましい実施形態によると、染色組成物を、使用時に、本発明による酸化組成物と混合する。次いで、得られた混合物をケラチン繊維上に適用し、約3〜50分間、好ましくは約5〜30分間置いた後、すすぎ、シャンプーにより洗浄し、再度すすぎ、乾燥させる。
【0078】
直接染料(1種または複数)は、直接染色で従来使用される直接染料から選択できる。例として、これらの直接染料は、ベンゼンシリーズのニトロ染料、アゾ直接染料、メチン直接染料、キノン直接染料、アジン直接染料、トリアリールメタン直接染料、インドアミン直接染料、天然直接染料から選択される。これらの直接染料は、非イオン性、アニオン性またはカチオン性のものであることができる。
【0079】
ベンゼン直接染料の中で、本発明者らは、1,4-ジアミノ-2-ニトロベンゼン、1-アミノ-2-ニトロ-4-(β-ヒドロキシエチルアミノ)-ベンゼン、1-アミノ-2-ニトロ-4-ビス-(β-ヒドロキシエチル)-アミノベンゼン、1,4-ビス-(β-ヒドロキシエチルアミノ)-2-ニトロベンゼン、1-β-ヒドロキシエチルアミノ-2-ニトロ-4-ビス-(β-ヒドロキシエチルアミノ)-ベンゼン、1-β-ヒドロキシエチルアミノ-2-ニトロ-4-アミノベンゼン、1-β-ヒドロキシエチルアミノ-2-ニトロ-4-(エチル)(β-ヒドロキシエチル)-アミノベンゼン、1-アミノ-3-メチル-4-β-ヒドロキシエチルアミノ-6-ニトロベンゼン、1-アミノ-2-ニトロ-4-β-ヒドロキシエチルアミノ-5-クロロベンゼン、1,2-ジアミノ-4-ニトロベンゼン、1-アミノ-2-β-ヒドロキシエチルアミノ-5-ニトロベンゼン、1,2-ビス-(β-ヒドロキシエチルアミノ)-4-ニトロベンゼン、1-アミノ-2-[トリス-(ヒドロキシメチル)-メチルアミノ]-5-ニトロベンゼン、1-ヒドロキシ-2-アミノ-5-ニトロベンゼン、1-ヒドロキシ-2-アミノ-4-ニトロベンゼン、1-ヒドロキシ-3-ニトロ-4-アミノベンゼン、1-ヒドロキシ-2-アミノ-4,6-ジニトロベンゼン、1-β-ヒドロキシエチルオキシ-2-β-ヒドロキシエチルアミノ-5-ニトロベンゼン、1-メトキシ-2-β-ヒドロキシエチルアミノ-5-ニトロベンゼン、1-β-ヒドロキシエチルオキシ-3-メチルアミノ-4-ニトロベンゼン、1-β,γ-ジヒドロキシプロピルオキシ-3-メチルアミノ-4-ニトロベンゼン、1-β-ヒドロキシエチルアミノ-4-β,γ-ジヒドロキシプロピルオキシ-2-ニトロベンゼン、1-β,γ-ジヒドロキシプロピルアミノ-4-トリフルオロメチル-2-ニトロベンゼン、1-β-ヒドロキシエチルアミノ-4-トリフルオロメチル-2-ニトロベンゼン、1-β-ヒドロキシエチルアミノ-3-メチル-2-ニトロベンゼン、1-β-アミノエチルアミノ-5-メトキシ-2-ニトロベンゼン、1-ヒドロキシ-2-クロロ-6-エチルアミノ-4-ニトロベンゼン、1-ヒドロキシ-2-クロロ-6-アミノ-4-ニトロベンゼン、1-ヒドロキシ-6-[ビス-(β-ヒドロキシエチル)-アミノ]-3-ニトロベンゼン、1-β-ヒドロキシエチルアミノ-2-ニトロベンゼン、1-ヒドロキシ-4-β-ヒドロキシエチルアミノ-3-ニトロベンゼンを挙げることができる。
【0080】
アゾ直接染料の中で、本発明者らは、その内容が本発明の不可欠な部分を形成している特許出願WO95/15144、WO95/01772、EP0714954、FR2822696、FR2825702、FR2825625、FR2822698、FR2822693、FR2822694、FR2829926、FR2807650、WO02/078660、WO02/100834、WO02/100369およびFR2844269に記載されているカチオン性アゾ染料を挙げることができる。
【0081】
これらの化合物の中で、本発明者らは、1,3-ジメチル-2-[[4-(ジメチルアミノ)フェニル]アゾ]-1H-イミダゾリウムクロリド、1,3-ジメチル-2-[(4-アミノフェニル)アゾ]-1H-イミダゾリウムクロリド、1-メチル-4-[(メチルフェニルヒドラゾノ)メチル]-ピリジニウムメチルスルフェートを非常に特に挙げることができる。
【0082】
本発明者らは、アゾ直接染料の中で、COLOUR INDEX INTERNATIONAL第3版に記載されている以下の染料、ディスパースレッド17、アシッドエロー9、アシッドブラック1、ベーシックレッド22、ベーシックレッド76、ベーシックエロー57、ベーシックブラウン16、アシッドエロー36、アシッドオレンジ7、アシッドレッド33、アシッドレッド35、ベーシックブラウン17、アシッドエロー23、アシッドオレンジ24、ディスパースブラック9も挙げることができる。
【0083】
本発明者らは、1-(4'-アミノジフェニルアゾ)-2-メチル-4-ビス-(β-ヒドロキシエチル)アミノベンゼンおよび4-ヒドロキシ-3-(2-メトキシフェニルアゾ)-1-ナフタレンスルホン酸も挙げることができる。
【0084】
本発明者らは、キノン直接染料の中で、以下の染料、ディスパースレッド15、ソルベントバイオレット13、アシッドバイオレット43、ディスパースバイオレット1、ディスパースバイオレット4、ディスパースブルー1、ディスパースバイオレット8、ディスパースブルー3、ディスパースレッド11、アシッドブルー62、ディスパースブルー7、ベーシックブルー22、ディスパースバイオレット15、ベーシックブルー99、ならびに以下の化合物、1-N-メチルモルホリニウムプロピルアミノ-4-ヒドロキシアントラキノン、1-アミノプロピルアミノ-4-メチルアミノアントラキノン、1-アミノプロピルアミノアントラキノン、5-β-ヒドロキシエチル-1,4-ジアミノアントラキノン、2-アミノエチルアミノアントラキノン、1,4-ビス-(β,γ-ジヒドロキシプロピルアミノ)-アントラキノンを挙げることができる。
【0085】
本発明者らは、アジン染料の中で、以下の化合物、ベーシックブルー17、ベーシックレッド2を挙げることができる。
【0086】
本発明者らは、トリアリールメタン染料の中で、以下の化合物、ベーシックグリーン1、アシッドブルー9、ベーシックバイオレット3、ベーシックバイオレット14、ベーシックブルー7、アシッドバイオレット49、ベーシックブルー26、アシッドブルー7を挙げることができる。
【0087】
本発明者らは、インドアミン染料の中で、以下の化合物、2-β-ヒドロキシエチルアミノ-5-[ビス-(β-4'-ヒドロキシエチル)アミノ]アニリノ-1,4-ベンゾキノン、2-β-ヒドロキシエチルアミノ-5-(2'-メトキシ-4'-アミノ)アニリノ-1,4-ベンゾキノン、3-N(2'-クロロ-4'-ヒドロキシ)フェニル-アセチルアミノ-6-メトキシ-1,4-ベンゾキノンイミン、3-N(3'-クロロ-4'-メチルアミノ)フェニル-ウレイド-6-メチル-1,4-ベンゾキノンイミン、3-[4'-N-(エチル、カルバミルメチル)-アミノ]-フェニル-ウレイド-6-メチル-1,4-ベンゾキノンイミンを挙げることができる。
【0088】
本発明者らは、本発明によって使用できる天然直接染料の中で、ローソン(lawsone)、ユグロン、アリザリン、プルプリン、カルミン酸、ケルメス酸、プルプロガリン、プロトカテクアルデヒド、インディゴ、イサチン、クルクミン、スピヌロシン(spinulosin)、アピゲニジン(apigenidin)、オルセインを挙げることができる。これらの天然染料含有する抽出液または浸出液、特にヘンナに基づいたパップ剤または抽出液を使用することも可能である。
【0089】
直接染料(1種または複数)は、一般に、染色組成物中に、該組成物の総重量の約0.001と20wt.%の間、さらにより好ましくは約0.005と10wt.%の間の量で存在する。
【0090】
酸化染料(1種または複数)は、従来染色の領域で使用されている酸化ベースおよびカップラーから選択できる。
【0091】
本発明者らは、酸化ベースの例としては、パラ-フェニレンジアミン、二重塩基、パラ-アミノフェノール、オルソ-アミノフェノール、複素環式塩基およびそれらの付加塩を挙げることができる。
【0092】
本発明者らは、パラ-フェニレンジアミンの中で、例えば、パラ-フェニレンジアミン、パラ-トルエンジアミン、2-クロロ-パラ-フェニレンジアミン、2,3-ジメチルパラ-フェニレンジアミン、2,6-ジメチルパラ-フェニレンジアミン、2,6-ジエチルパラ-フェニレンジアミン、2,5-ジメチルパラ-フェニレンジアミン、N,N-ジメチルパラ-フェニレンジアミン、N,N-ジエチルパラ-フェニレンジアミン、N,N-ジプロピルパラフェニレンジアミン、4-アミノN,N-ジエチル3-メチルアニリン、N,N-ビス-(β-ヒドロキシエチル)パラ-フェニレンジアミン、4-N,N-ビス-(β-ヒドロキシエチル)アミノ-2-メチルアニリン、4-N,N-ビス-(β-ヒドロキシエチル)アミノ-2-クロロアニリン、2-β-ヒドロキシエチルパラ-フェニレンジアミン、2-フルオロパラ-フェニレンジアミン、2-イソプロピルパラ-フェニレンジアミン、N-(β-ヒドロキシプロピル)パラ-フェニレンジアミン、2-ヒドロキシメチルパラ-フェニレンジアミン、N,N-ジメチル3-メチルパラ-フェニレンジアミン、N,N-(エチル、β-ヒドロキシエチル)パラ-フェニレンジアミン、N-(β,γ-ジヒドロキシプロピル)パラ-フェニレンジアミン、N-(4'-アミノフェニル)パラ-フェニレンジアミン、N-フェニルパラ-フェニレンジアミン、2-β-ヒドロキシエチルオキシパラ-フェニレンジアミン、2-β-アセチルアミノエチルオキシパラ-フェニレンジアミン、N-(β-メトキシエチル)パラ-フェニレン-ジアミン、4-アミノフェニルピロリジン、2-チエニルパラ-フェニレンジアミン、2-βヒドロキシエチルアミノ-5-アミノトルエン、3-ヒドロキシ1-(4'-アミノフェニル)ピロリジンおよびそれらの酸付加塩を挙げることができる。
【0093】
上述のパラ-フェニレンジアミンの中で、パラ-フェニレンジアミン、パラ-トルエンジアミン、2-イソプロピルパラ-フェニレンジアミン、2-β-ヒドロキシエチルパラ-フェニレンジアミン、2-β-ヒドロキシエチルオキシパラ-フェニレンジアミン、2,6-ジメチルパラ-フェニレンジアミン、2,6-ジエチルパラ-フェニレンジアミン、2,3-ジメチルパラ-フェニレンジアミン、N,N-ビス-(β-ヒドロキシエチル)パラ-フェニレンジアミン、2-クロロパラ-フェニレンジアミン、2-β-アセチルアミノエチルオキシパラフェニレンジアミン、およびそれらの酸付加塩が特に好ましい。
【0094】
本発明者らは、二重塩基の中で、例として、ビス-フェニルアルキレンジアミンおよびビス-パラ-アミノフェノールを挙げることができる。
【0095】
本発明者らは、ビス-フェニルアルキレンジアミンの中で、例として、N,N'-ビス-(β-ヒドロキシエチル)N,N'-ビス-(4'-アミノフェニル)1,3-ジアミノプロパノール、N,N'-ビス-(β-ヒドロキシエチル)N,N'-ビス-(4'-アミノフェニル)エチレンジアミン、N,N'-ビス-(4-アミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N'-ビス-(β-ヒドロキシエチル)N,N'-ビス-(4-アミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N'-ビス-(4-メチル-アミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N'-ビス-(エチル)N,N'-ビス-(4'-アミノ、3'-メチルフェニル)エチレンジアミン、1,8-ビス-(2,5-ジアミノフェノキシ)-3,6-ジオキサオクタン、およびそれらの酸付加塩を挙げることができる。
【0096】
本発明者らは、パラ-アミノフェノールの中で、例えば、パラ-アミノフェノール、4-アミノ-3-メチルフェノール、4-アミノ-3-フルオロフェノール、4-アミノ-3-ヒドロキシメチルフェノール、4-アミノ-2-メチルフェノール、4-アミノ-2-ヒドロキシメチルフェノール、4-アミノ-2-メトキシメチルフェノール、4-アミノ-2-アミノメチルフェノール、4-アミノ-2-(β-ヒドロキシエチルアミノメチル)フェノール、4-アミノ-2-フルオロフェノール、およびそれらの酸付加塩を挙げることができる。
【0097】
本発明者らは、オルソ-アミノフェノールの中で、例えば、2-アミノフェノール、2-アミノ-5-メチルフェノール、2-アミノ-6-メチルフェノール、5-アセトアミド-2-アミノフェノール、およびそれらの酸付加塩を挙げることができる。
【0098】
本発明者らは、複素環式ベースの中で、例えば、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体およびピラゾール誘導体を挙げることができる。
【0099】
本発明者らは、ピリジン誘導体の中で、2,5-ジアミノピリジン、2-(4-メトキシフェニル)アミノ-3-アミノピリジン、2,3-ジアミノ-6-メトキシピリジン、2-(β-メトキシエチル)アミノ-3-アミノ-6-メトキシピリジン、3,4-ジアミノピリジン、およびそれらの酸付加塩などの、例えば特許GB1026978およびGB1153196に記載されている化合物を挙げることができる。
【0100】
本発明で使用できる他のピリジン酸化ベースは、例えば特許出願FR2801308に記載されている、酸化ベース3-アミノピラゾロ-[1,5-a]-ピリジンまたはそれらの付加塩である。本発明者らは、例として、ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イルアミン; 2-アセチルアミノピラゾロ-[1,5-a]ピリジン-3-イルアミン; 2-モルホリン-4-イル-ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イルアミン; 3-アミノ-ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-2-カルボン酸; 2-メトキシ-ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イルアミノ; (3-アミノ-ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イル)-メタノール; 2-(3-アミノ-ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-エタノール; 2-(3-アミノ-ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イル)-エタノール; (3-アミノ-ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-2-イル)-メタノール; 3,6-ジアミノ-ピラゾロ[1,5-a]ピリジン; 3,4-ジアミノ-ピラゾロ[1,5-a]ピリジン; ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3,7-ジアミン; 7-モルホリン-4-イル-ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イルアミン; ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3,5-ジアミン; 5-モルホリン-4-イル-ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イルアミン; 2-[(3-アミノ-ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-(2-ヒドロキシエチル)-アミノ]-エタノール; 2-[(3-アミノ-ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イル)-(2-ヒドロキシエチル)-アミノ]-エタノール; 3-アミノ-ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-オール; 3-アミノ-ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-4-オール; 3-アミノ-ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-6-オール; 3-アミノ-ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-7-オール;ならびにそれらの酸付加塩または塩基付加塩を挙げることができる。
【0101】
本発明者らは、ピリミジン誘導体の中で、以下のものを挙げられる。2,4,5,6-テトラ-アミノピリミジン、4-ヒドロキシ2,5,6-トリアミノピリミジン、2-ヒドロキシ4,5,6-トリアミノピリミジン、2,4-ジヒドロキシ5,6-ジアミノピリミジン、2,5,6-トリアミノピリミジンなどの、例えば特許DE2359399、JP88-169571、JP05-63124、EP0770375または特許出願WO96/15765に記載されている化合物、および特許出願FR-A-2750048で挙げられているものなどのピラゾロ-ピリミジン誘導体を挙げることができ、その中で、本発明者らは、ピラゾロ-[1,5-a]-ピリミジン-3,7-ジアミン; 2,5-ジメチルピラゾロ-[1,5-a]-ピリミジン-3,7-ジアミン; ピラゾロ-[1,5-a]-ピリミジン-3,5-ジアミン; 2,7-ジメチルピラゾロ-[1,5-a]-ピリミジン-3,5-ジアミン; 3-アミノピラゾロ-[1,5-a]-ピリミジン-7-オール; 3-アミノピラゾロ-[1、5-a]-ピリミジン-5-オール; 2-(3-アミノピラゾロ-[1,5-a]-ピリミジン-7-イルアミノ)-エタノール、2-(7-アミノピラゾロ-[1,5-a]-ピリミジン-3-イルアミノ)-エタノール、2-[(3-アミノ-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)-(2-ヒドロキシ-エチル)-アミノ]-エタノール、2-[(7-アミノ-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イル)-(2-ヒドロキシ-エチル)-アミノ]-エタノール、5,6-ジメチルピラゾロ-[1,5-a]-ピリミジン-3,7-ジアミン、2,6-ジメチルピラゾロ-[1,5-a]-ピリミジン-3,7-ジアミン、2,5,N7,N7-テトラメチルピラゾロ-[1,5-a]-ピリミジン-3,7-ジアミン、3-アミノ-5-メチル-7-イミダゾリルプロピルアミノピラゾロ-[1,5-a]-ピリミジンおよびそれらの酸付加塩、および互変異性平衡がある場合、それらの互変異性型を挙げることができる。
【0102】
本発明者らは、ピラゾール誘導体の中で、4,5-ジアミノ1-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ1-(β-ヒドロキシエチル)ピラゾール、3,4-ジアミノピラゾール、4,5-ジアミノ1-(4'-クロロベンジル)ピラゾール、4,5-ジアミノ1,3-ジメチルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-メチル1-フェニルピラゾール、4,5-ジアミノ1-メチル3-フェニルピラゾール、4-アミノ1,3-ジメチル5-ヒドラジノピラゾール、1-ベンジル4,5-ジアミノ-3-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-tert-ブチル1-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ1-tert-ブチル3-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ1-(β-ヒドロキシエチル)3-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ1-エチル3-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ1-エチル3-(4'-メトキシフェニル)ピラゾール、4,5-ジアミノ1-エチル3-ヒドロキシメチルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-ヒドロキシメチル1-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-ヒドロキシメチル1-イソプロピルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-メチル1-イソプロピルピラゾール、4-アミノ-5-(2'-アミノエチル)アミノ1,3-ジメチルピラゾール、3,4,5-トリアミノピラゾール、1-メチル3,4,5-トリアミノピラゾール、3,5-ジアミノ1-メチル4-メチルアミノピラゾール、3,5-ジアミノ4-(β-ヒドロキシエチル)アミノ1-メチルピラゾールなどの、特許DE3843892、DE4133957および特許出願WO94/08969、WO94/08970、FR-A-2733749およびDE19543988に記載されている化合物およびそれらの酸付加塩を挙げることができる。
【0103】
本発明者らは、ピラゾール誘導体として、ジアミノ-N,N-ジヒドロピラゾピラゾロンおよび特に以下の化合物およびそれらの付加塩などの、出願FR2886136に記載されているものも挙げることができる。
【0104】
これらの化合物の中で、好ましいものは、以下の通りである。2,3-ジアミノ-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オン、2-アミノ-3-エチルアミノ-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オン、2-アミノ-3-イソプロピルアミノ-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オン、2-アミノ-3-(ピロリジン-1-イル)-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オン、4,5-ジアミノ-1,2-ジメチル-1,2-ジヒドロ-ピラゾール-3-オン、4,5-ジアミノ-1,2-ジエチル-1,2-ジヒドロ-ピラゾール-3-オン、4,5-ジアミノ-1,2-ジ-(2-ヒドロキシエチル)-1,2-ジヒドロ-ピラゾール-3-オン、2-アミノ-3-(2-ヒドロキシエチル)アミノ-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オン、2-アミノ-3-ジメチルアミノ-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オン、2,3-ジアミノ-5,6,7,8-テトラヒドロ-1H,6H-ピリダジノ[1,2-a]ピラゾール-1-オン、4-アミノ-1,2-ジエチル-5-(ピロリジン-1-イル)-1,2-ジヒドロピラゾール-3-オン、4-アミノ-5-(3-ジメチルアミノ-ピロリジン-1-イル)-1,2-ジエチル-1,2-ジヒドロ-ピラゾール-3-オン、2,3-ジアミノ-6-ヒドロキシ-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オン。
【0105】
好ましくは4,5-ジアミノ1-(β-ヒドロキシエチル)ピラゾール、2,3-ジアミノ-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オンおよびそれらの付加塩が、複素環式ベースとして使用されよう。
【0106】
酸化ベース(1種または複数)は、一般に、染色組成物中に、該組成物の総重量の約0.001と10wt.%の間、好ましくは約0.005と6wt.%の間の量で存在する。
【0107】
本発明者らは、カップラーの例としてはメタ-フェニレンジアミン、メタ-アミノフェノール、メタ-ジフェノール、ナフタレンカップラー、複素環式カップラーおよびそれらの付加塩を挙げることができる。
【0108】
本発明者らは、特に2-メチル5-アミノフェノール、5-N-(β-ヒドロキシエチル)アミノ-2-メチルフェノール、6-クロロ-2-メチル-5-アミノフェノール、3-アミノフェノール、1,3-ジヒドロキシベンゼン、1,3-ジヒドロキシ2-メチルベンゼン、4-クロロ1,3-ジヒドロキシベンゼン、2,4-ジアミノ1-(β-ヒドロキシエチルオキシ)ベンゼン、2-アミノ4-(β-ヒドロキシエチルアミノ)1-メトキシベンゼン、1,3-ジアミノベンゼン、1,3-ビス-(2,4-ジアミノフェノキシ)プロパン、3-ウレイドアニリン、3-ウレイド1-ジメチルアミノベンゼン、セサモール、1-β-ヒドロキシエチルアミノ-3,4-メチレンジオキシベンゼン、α-ナフトール、2-メチル-1-ナフトール、6-ヒドロキシインドール、4-ヒドロキシインドール、4-ヒドロキシN-メチルインドール、2-アミノ-3-ヒドロキシピリジン、6-ヒドロキシベンゾモルホリン3,5-ジアミノ-2,6-ジメトキシピリジン、1-N-(β-ヒドロキシエチル)アミノ-3,4-メチレンジオキシベンゼン、2,6-ビス-(β-ヒドロキシエチルアミノ)トルエンおよびそれらの酸付加塩を挙げることができる。
【0109】
カップラー(1種または複数)は、一般に、染色組成物中に、該組成物の総重量の約0.001と10wt.%の間、好ましくは約0.005と6wt.%の間の量で存在する。
【0110】
一般に、本発明の範囲内で使用できる酸化ベースおよびカップラーの付加塩は、特に塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、トシル酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、リン酸塩および酢酸塩などの酸付加塩ならびに水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、アミンまたはアルカノールアミンなどの塩基付加塩から選択される。
【0111】
本発明による酸化組成物は、ケラチン繊維、特に毛髪などのヒトのケラチン繊維の脱色方法でも使用できる。
【0112】
本発明による脱色方法は、好ましくは即時混合後にアルカリ性媒体中に過酸化水素を含む脱色組成物の、ケラチン繊維上への適用の段階を含む。従来、本発明による脱色方法の第2段階は、ケラチン繊維のすすぎの段階である。
【0113】
ケラチン繊維上に適用される脱色組成物は、本発明による酸化組成物と好ましくは1種または複数のアルカリ剤を含有する水性または無水組成物を混合することにより得ることができる。無水組成物は、粉状またはペーストの形態であることができ、どちらの場合も、好ましくは1種または複数の過酸化塩、特に1種または複数の過硫酸塩を含有する。ペーストの形態の無水組成物は、1種または複数の不活性有機液体をさらに含有する。
【0114】
本発明の別の目的は、上で定義した酸化組成物を使用した、ケラチン繊維、特に毛髪などのヒトのケラチン繊維のパーマネント変形の方法である。
【0115】
この方法によると、還元組成物を処理されるケラチン繊維上に適用し、ケラチン繊維を、還元組成物の適用の前、間または後に機械的張力下に置き、場合により、該繊維をすすぎ、本発明の酸化組成物を、場合によりすすがれた繊維上に適用し、次いで、場合により、該繊維を再度すすぐ。
【0116】
この方法の第1段階は、毛髪上に還元組成物を適用することからなる。適用は、一房ずつ(lock by lock)、または全体的に実施される。
【0117】
還元組成物は、チオグリコール酸、システイン、システアミン、チオグリコール酸グリセロール、チオ乳酸、またはチオ乳酸もしくはチオグリコール酸の塩から特に選択できる少なくとも1種の還元剤を含む。
【0118】
毛髪の所望の最終形態(例えばカール)に相当する形態で毛髪を張力下に置く通常の段階は、適切であり、それ自体が毛髪を張力下に維持すると知られている任意の手段、特に機械的手段、例えば、ローラー、カーラー、コームなどによる適用であることができる。
【0119】
毛髪は、外的な補助具を使用せずに、単に指を用いて仕上げることもできる。
【0120】
任意選択のすすぎの次の段階へ進む前に、通常、毛髪に適切に作用する時間を還元剤に与えるために、その上に還元組成物を適用した毛髪を、何分間か、一般に、5分間と1時間の間、好ましくは10と30分間の間、置いたままにすべきである。この待機段階は、好ましくは35℃〜45℃の温度で、好ましくはキャップで毛髪を保護しながら実施される。
【0121】
第2の任意選択のすすぎの段階では、還元組成物が含浸された毛髪を、水性組成物で注意深くすすぐ。
【0122】
次いで、第3段階では、毛髪につけられた新しい形状を固定するために、本発明の酸化組成物を、このようにすすがれた毛髪上に適用する。
【0123】
次いで、還元組成物の適用の場合と同様に、その上に酸化組成物が適用された毛髪を、通常、静止段階または待機段階に置き、その段階は、何分間か、一般に、3と30分間の間、好ましくは5と15分間の間続く。
【0124】
毛髪の張力が外的手段により維持されていた場合、後者(ローラー、カーラーなど)は、固定段階の前または後に毛髪から取り外すことができる。
【0125】
最終的に、任意選択の段階でもある本発明による方法の最後の段階で、酸化組成物が含浸された毛髪を、一般に水で注意深くすすぐ。
【0126】
本発明は、ケラチン繊維、特に毛髪などのヒトのケラチン繊維の処理のための、上で定義した酸化組成物の使用にも関する。
【0127】
本発明は、ケラチン繊維、特に毛髪などのヒトのケラチン繊維の染色のための、上で定義した酸化組成物の使用に特に関する。
【0128】
本発明は、ケラチン繊維、特に毛髪などのヒトのケラチン繊維の脱色のための、上で定義した酸化組成物の使用にも関する。
【0129】
本発明は、ケラチン繊維、特に毛髪などのヒトのケラチン繊維のパーマネント変形のための、上で定義した酸化組成物の使用にも関する。
【0130】
以下の実施例は本発明を例示するが、包括的なものでは全くない。
【実施例】
【0131】
以下の組成物を調製する。
【0132】
【表1】

【0133】
組成物A、BおよびCは、45℃で2カ月後でさえ安定である。
【0134】
0.25gのMEXOMERE POおよび0.5gのMERQUAT100を0.75gのMERQUAT100またはMEXOMERE P0で代替した場合、同様の結果が得られる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧品として許容できる媒体中に、
1種または複数のカチオン性ポリマー、
1種または複数の脂肪族アミド、
1種または複数の抗酸素剤、および
1種または複数の酸化剤
を含む、ケラチン繊維の処理用の組成物であって、
この組成物のpHが1.5と4.5の間である組成物。
【請求項2】
化粧品として許容できる媒体中に、
1種または複数のカチオン性ポリマー、
1種または複数の脂肪族アミド、
ビタミンE、そのエーテルまたはそのエステルから選択される1種または複数の抗酸素剤、ならびに
1種または複数の酸化剤
を含む、ケラチン繊維の処理用の組成物であって、
この組成物のpHがアルカリ性である組成物。
【請求項3】
カチオン性ポリマー(1種または複数)が、ポリアミン、ポリアミノアミドおよび第4級ポリアンモニウム型のポリマーから選択されることを特徴とする、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
カチオン性ポリマー(1種または複数)が、塩化ヘキサジメスリンおよびジメチルジアリルアンモニウムクロリドのホモポリマーまたはコポリマーから選択されることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の組成物。
【請求項5】
脂肪族アミド(1種または複数)が、以下の式(I)
【化1】

(式中、
Rは、OR5基、NR6R7基、カルボキシル基、スルホン酸基、カルボキサミド基CONR6R7、スルホンアミド基SO2NR6R7、ヘテロアリール、1個もしくは複数の(C1〜C4)アルキル、ヒドロキシ、C1〜C2アルコキシ、アミノ、(ジ)アルキル(C1〜C2)アミノ基で場合により置換されているアリールを含む群から選択された1個または複数の基で場合により置換されている飽和または不飽和、直鎖または分岐鎖のC8〜C30アルキル基であり、
R5、R6およびR7は、同一でも異なっていてもよく、
水素原子、
ヒドロキシ、C1〜C2アルコキシ、カルボキサミドCONR8R9、スルホニルS02R8、(C1〜C4)アルキル、ヒドロキシ、C1〜C2アルコキシ、アミノ、(ジ)アルキル(C1〜C2)アミノ基で場合により置換されているアリール基から選択された1個または複数の基で場合により置換されている直鎖または分岐鎖のC1〜C4アルキル基、(C1〜C4)アルキル、ヒドロキシ、C1〜C2アルコキシ、アミノ、(ジ)アルキル(C1〜C2)アミノ基で場合により置換されているアリール基
を表し、
R6およびR7は、同一でも異なっていてもよく、カルボキサミド基CONR8R9、スルホニル基SO2R8も表すことができ、
R8およびR9は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、1個または複数のヒドロキシル、C1〜C2アルコキシ基で場合により置換されている直鎖または分岐鎖のC1〜C4アルキル基を表し、
n、mおよびpは、同一でも異なっていてもよく、m+p≧1となる0と10の間の整数である)
の化合物から選択されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
RがC10〜C18アルキル基から選択され、nが0〜5の範囲の整数であり、mが0〜1の範囲の整数であり、pが1〜5の範囲の整数であることを特徴とする、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
nがOと等しいことを特徴とする、請求項5および6のいずれかに記載の組成物。
【請求項8】
脂肪族アミドが菜種酸のエトキシル化アミドであることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
抗酸素剤(1種または複数)が、ビタミンE、そのエーテルまたはそのエステルから選択されることを特徴とする、請求項1および3から8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
酸化剤(1種または複数)が、過酸化水素、過酸塩、過酸化尿素、臭素酸アルカリ、ポリチオン酸塩から選択されることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
酸化剤が過酸化水素であることを特徴とする、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
組成物の総重量に対して少なくとも10wt.%の1種または複数の油をさらに含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
油(1種または複数)が、非シリコーン処理鉱物油、植物油、動物油または合成油から選択されることを特徴とする、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか一項に記載の酸化組成物のケラチン繊維上への適用を含む、ケラチン繊維の処理方法。
【請求項15】
請求項1から13のいずれか一項に記載の、ケラチン繊維の処理のための酸化組成物の使用。

【公開番号】特開2010−143913(P2010−143913A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−288202(P2009−288202)
【出願日】平成21年12月18日(2009.12.18)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】