説明

カッタアセンブリおよび高容量の水中シュレッダポンプ

【課題】カッタアセンブリおよび高容量の水中シュレッダポンプを実現する。
【解決手段】これらは、細断、粉砕、裁断、または切断によりポンプ作用を受けて送り込まれる液体中の固形物のサイズを縮小するためのものである。従来の設計に対する改善では、円形プレートカッタの対応する溝と嵌合する溝付き表面を有する切断ローブを使用する。その結果、追い出すべき液体中の固体物質をより効果的に、素早く裁断するさらに多くの切断表面が構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カッタアセンブリ(cutter assembly)および高容量の水中シュレッダポンプ(high volume submersible shredder pump)に関するものである。これらは、細断、裁断、切断、または粉砕によりポンプ作用を受けて送り込まれる液体中の固形物のサイズを縮小するためのものである。
【背景技術】
【0002】
廃棄品の小片などの固形物を含有する液体およびスラリをポンプ作用で送ることができる遠心力ポンプに大きな商業的関心が集まっている。これらのポンプは、液体混合物中の固形物を細断、裁断、切断、または粉砕する能力を有し、これによりポンプから出る産出物がより容易に廃棄されうる。
【0003】
裁断ポンプは、液体に含まれる固体または半固体物質のサイズ縮小を必要とする液体輸送用途において、そのような物質を切断または裁断するために、使用される。発明のポンプは、未処理下水、魚類サイレージ、食肉処理場の副産物、製紙工場の廃水、および類似の過酷な用途の排出物をポンプ作用で送る水中ポンプの吸い込み側に取り付けられているときに特に有用である改善された切断アセンブリを備える。
【0004】
これらの固体または半固体物質は、スラリが形成されるようにサイズを縮小され、固形物それ自体に比べて容易にポンプ作用で送られる。これらのポンプは、ポンプ室に接続された入口、およびポンプ室を貫通し入口内へ延在する従動軸を有する。この軸で、プレートカッタの近くで切断シリンダまたはディスクが回転し、これにより、ポンプの切断作用が引き起こされる。精密公差で連携動作する部品間の剪断作用をもたらす、粉砕ポンプの多くの他の変更形態および構成が知られている。
【0005】
このようなポンプの例は、先行する米国特許第3,650,081号、米国特許第3,961,758号、米国特許第4,108,386号、米国特許第4,378,093号、米国特許第4,454,993号、米国特許第4,640,666号、米国特許第4,697,746号、米国特許第4,842,479号、米国特許第5,016,825号、米国特許第5,044,566号、米国特許第5,256,032号、米国特許第6,010,086号、米国特許第6,190,121号において開示されている。
【0006】
米国特許第7,159,806号では、対向するプレートカッタに当接して回転可能なロータリカッタからなる粉砕ポンプ用の切断アセンブリを提示している。プレートカッタの刃先は、複数のV字スライス切歯を備えており、ポート内に吸い込まれる物質をつまんでV字スライスにそって切断を開始し、次いで切断した物質がポンプの渦巻き部を通り中に前進する架橋空間を形成する。ロータリカッタは、プレートカッタの刃先と連携して集められた物質を剪断するすくい角を持つ研いだ刃を有する。
【0007】
米国特許第7,159,806号の粉砕ポンプは、複数の螺旋状溝を備える内面壁カバーを有する。これらの螺旋状溝は、羽根車の羽根と壁との間に蓄積し始める固体破片を外へ排出するために羽根車の羽根と連動して作用する。米国特許第7,159,806号の羽根車の羽根は、螺旋状溝と合わさる表面上で平坦である。本発明は、円形プレートカッタの対応する溝と嵌合する溝付き表面を有する切断ローブを使用することによってこの従来の設計を改良する。その結果、追い出すべき液体中の固体物質をより効果的に、素早く裁断するさらに多くの切断表面が構成される。本発明の機構は、ポンプの吸い込みケーシングに取り付けられた静止穿孔円板と回転軸に留められたシュレッダとを備え、これら2つの部品の接合により、実際の裁断が実行される。液体は、静止プレート内の穴を通して自由に移動し、ポンプ作用で容易に押し出せる。静止プレート内の穴より大きい固形物は、シュレッダ機構の回転部分によって即座にサイズを縮小される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第3,650,081号
【特許文献2】米国特許第3,961,758号
【特許文献3】米国特許第4,108,386号
【特許文献4】米国特許第4,378,093号
【特許文献5】米国特許第4,454,993号
【特許文献6】米国特許第4,640,666号
【特許文献7】米国特許第4,697,746号
【特許文献8】米国特許第4,842,479号
【特許文献9】米国特許第5,016,825号
【特許文献10】米国特許第5,044,566号
【特許文献11】米国特許第5,256,032号
【特許文献12】米国特許第6,010,086号
【特許文献13】米国特許第6,190,121号
【特許文献14】米国特許第7,159,806号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、切断アセンブリを実現するものであり、これは、a)第1の回転方向および第2の回転方向に交互に回転可能な駆動軸と、b)前記駆動軸に回転可能に固定されたロータリカッタであって、ボアの中心軸を通るボアを有する円形ハブとボア内に駆動軸を固定するための手段とを備え、複数の切断ローブがあり、前記切断ローブのそれぞれは上面、上面に対向する下面、前縁部、および前縁部に対向する後縁部を有し、それぞれの切断ローブには、上面から下面へ貫通する開口を有し、切断ローブのそれぞれはそれぞれの切断ローブの前縁部と後縁部との間で等距離にされた中心線がハブの中心軸に実質的に垂直になるようにハブから外向きに延在し、切断ローブはそれぞれの切断ローブの前縁部から次の隣接する切断ローブの後縁部までの距離のそれぞれが実質的に等しくなるようにハブの外周にそって配置され、それぞれの切断ローブの上面はその前縁部からその開口まで、またその開口からその後縁部まで延在する凸状屈曲部を有し、それぞれの切断ローブの下面は複数の溝、および隣接する溝の間に隔壁を有し、それぞれの切断ローブの溝および隔壁はその前縁部からその後縁部まで、またはその前縁部からその開口まで、およびその開口からその後縁部までのいずれかに延在し、前記溝のそれぞれはハブの中心軸と同心である円の円弧の形状を有する、ロータリカッタと、c)静止渦巻き部の取り入れ開口部に取り付けるための、中心プレートボア、および複数の同心上の溝と隣接する溝間の隔壁とを有する表面を有する、円形プレートカッタであって、前記溝のそれぞれはハブの中心軸と同心である円の円弧の形状を有し、駆動軸はプレートボア内に回転するように取り付けられ、プレートカッタはその表面を貫通する複数の穴を有し、それぞれの切断ローブの下面からの溝および隔壁は円形プレートカッタからの対応する隔壁および溝と並列する、円形プレートカッタとを備える。
【0010】
本発明は、シュレッダポンプも構成し、これは、i)取り入れ開口部、および吐き出し開口部を有する静止渦巻き部と、ii)取り入れ開口部の前に取り付けられた切断アセンブリであって、a)第1の回転方向および第2の回転方向に交互に回転可能な駆動軸と、b)前記駆動軸に回転可能に固定されたロータリカッタであって、ボアの中心軸を通るボアを有する円形ハブとボア内に駆動軸を固定するための手段とを備え、複数の切断ローブがあり、前記切断ローブのそれぞれは上面、上面に対向する下面、前縁部、および前縁部に対向する後縁部を有し、それぞれの切断ローブには、上面から下面へ貫通する開口を有し、切断ローブのそれぞれはそれぞれの切断ローブの前縁部と後縁部との間で等距離にされた中心線がハブの中心軸に実質的に垂直になるようにハブから外向きに延在し、切断ローブはそれぞれの切断ローブの前縁部から次の隣接する切断ローブの後縁部までの距離のそれぞれが実質的に等しくなるようにハブの外周にそって配置され、それぞれの切断ローブの上面はその前縁部からその開口まで、またその開口からその後縁部まで延在する凸状屈曲部を有し、それぞれの切断ローブの下面は複数の溝、および隣接する溝の間に隔壁を有し、それぞれの切断ローブの溝および隔壁はその前縁部からその後縁部まで、またはその前縁部からその開口まで、およびその開口からその後縁部までのいずれかに延在し、前記溝のそれぞれはハブの中心軸と同心である円の円弧の形状を有する、ロータリカッタと、c)静止渦巻き部の取り入れ開口部に取り付けられた、中心プレートボア、および複数の同心上の溝と隣接する溝間の隔壁とを有する表面を有する、円形プレートカッタであって、前記溝のそれぞれはハブの中心軸と同心である円の円弧の形状を有し、駆動軸はプレートボア内に回転するように取り付けられ、プレートカッタはその表面を貫通する複数の穴を有し、それぞれの切断ローブの下面からの溝および隔壁は円形プレートカッタからの対応する隔壁および溝と並列し、駆動軸は軸受によって渦巻き部の壁を通して回転するように取り付けられ、メカニカルシールによって封止される、円形プレートカッタとを備える切断アセンブリと、iii)駆動軸の周りに固定された渦巻き部内の羽根車と、iv)渦巻き部の外側部分に取り付けられ、渦巻き部の中で駆動軸を回転させるために駆動軸に固定された電気モータとを備える。
【0011】
本発明は、液体中の固形物を裁断する方法をさらに提供し、これは、I)ポンプとして、i)取り入れ開口部、および吐き出し開口部を有する静止渦巻き部と、 ii)取り入れ開口部の前に取り付けられた切断アセンブリであって、a)第1の回転方向および第2の回転方向に交互に回転可能な駆動軸と、b)前記駆動軸に回転可能に固定されたロータリカッタであって、ボアの中心軸を通るボアを有する円形ハブとボア内に駆動軸を固定するための手段とを備え、複数の切断ローブがあり、前記切断ローブのそれぞれは上面、上面に対向する下面、前縁部、および前縁部に対向する後縁部を有し、それぞれの切断ローブには、上面から下面へ貫通する開口を有し、切断ローブのそれぞれはそれぞれの切断ローブの前縁部と後縁部との間で等距離にされた中心線がハブの中心軸に実質的に垂直になるようにハブから外向きに延在し、切断ローブはそれぞれの切断ローブの前縁部から次の隣接する切断ローブの後縁部までの距離のそれぞれが実質的に等しくなるようにハブの外周にそって配置され、それぞれの切断ローブの上面はその前縁部からその開口まで、またその開口からその後縁部まで延在する凸状屈曲部を有し、それぞれの切断ローブの下面は複数の溝、および隣接する溝の間に隔壁を有し、それぞれの切断ローブの溝および隔壁はその前縁部からその後縁部まで、またはその前縁部からその開口まで、およびその開口からその後縁部までのいずれかに延在し、前記溝のそれぞれはハブの中心軸と同心である円の円弧の形状を有する、ロータリカッタと、c)静止渦巻き部の取り入れ開口部に取り付けられた、中心プレートボア、および複数の同心上の溝と隣接する溝間の隔壁とを有する表面を有する、円形プレートカッタであって、前記溝のそれぞれはハブの中心軸と同心である円の円弧の形状を有し、駆動軸はプレートボア内に回転するように取り付けられ、プレートカッタはその表面を貫通する複数の穴を有し、それぞれの切断ローブの下面からの溝および隔壁は円形プレートカッタからの対応する隔壁および溝と並列し、駆動軸は軸受によって渦巻き部の壁を通して回転するように取り付けられ、メカニカルシールによって封止される、円形プレートカッタとを備える切断アセンブリと、iii)駆動軸の周りに固定された渦巻き部内の羽根車と、iv)渦巻き部の外側部分に取り付けられ、渦巻き部の中で駆動軸を回転させるために駆動軸に固定された電気モータとを備えるシュレッダポンプを装備することと、II)電気モータで駆動軸を少なくとも1つの回転方向に回転させることと、III)液体、および任意選択の固形物を、切断アセンブリに通し、渦巻き部の中に送り込み、次いで、羽根車で液体および任意選択の固形物を推進して吐き出し開口部に通すこととを含む。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明によるシュレッダポンプを例示する断面図。
【図2】ロータリカッタの下面の斜視図。
【図3】互いに並列している円形プレートカッタおよびロータリカッタのアセンブリを示す図。
【図4a】ロータリカッタおよび円形プレートカッタの変更形態の嵌合溝および隔壁の断面図。
【図4b】ロータリカッタおよび円形プレートカッタの変更形態の嵌合溝および隔壁の断面図。
【図4c】ロータリカッタおよび円形プレートカッタの変更形態の嵌合溝および隔壁の断面図。
【図5】本発明にとって有用な双方向羽根車を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、本発明によるシュレッダポンプ10を例示している。これは電源コード4によって給電される電気モータ3が取り付けられている中央モータ室13を包含するハウジング1を備えることが図示されている。モータ3は、好ましくは、当技術分野でよく知られているように、頑丈で注油された耐熱モータである。モータ3は、上側および下側の玉軸受2を介してハウジング1に確実に取り付けられる。モータは、駆動軸14を回転し、次いで静止渦巻き部5内の詰め物のない双方向羽根車8を駆動する。好ましくは、電気モータ3は、コントローラ17に応答して第1の回転方向および第2の回転方向に交互に軸14を回転することができる双方向電気モータである。渦巻き部は、ボルト9などによってハウジング1に取り付けられる。渦巻き部5は、取り入れ開口部7、および吐き出し開口部11を有する。軸14は、モータ3からハウジング1の下側床面を通り、渦巻き部5の上壁を通り、さらに取り入れ開口部7を貫通する。モータ3は、軸14の周りに位置決めされたメカニカルシール6によって渦巻き部5から隔てられる。メカニカルシール6は、液体がモータ室内に入り込むのを防ぐ。そこで、駆動軸14は、軸受2の下側によって渦巻き部の上壁を通して回転するように取り付けられ、メカニカルシール6によって封止される。駆動軸14の端部に回転可能に固定されているのは、取り入れ開口部7の前に位置する切断アセンブリ12である。切断アセンブリ12は、ロータリカッタ16に取り付けられた駆動軸14の端部および以下で説明される静止円形プレートカッタ40を備える。
【0014】
図2は、駆動軸14に固定され駆動軸14によって回転可能に駆動されるロータリカッタ16の下面を特徴とする取り外された状態の斜視図である。ロータリカッタ16は、ボアの中心軸を通るボア20を有する円形ハブ18を備える。これは、キー溝22およびエンドキャップ50などのボア内に駆動軸を固定するための好適な器具を有し、これは図3に示されている。ハブ18から外向きに、複数の切断ローブ24が延在している。切断ローブ24のそれぞれは、上面26、上面に対向する下面28、前縁部30、および前縁部に対向する後縁部32を有する。それぞれの切断ローブには、上面26から、上面26を通り、下面28に至り、下面28を通って延在する開口34が貫通する。切断ローブ24のそれぞれは、それぞれの切断ローブ24の前縁部30と後縁部32との間の等距離にある中心線がハブ18の中心軸に実質的に垂直になるようにハブ18から外向きに延在する。切断ローブ24は、それぞれの切断ローブの前縁部30から次の隣接する切断ローブの後縁部32までの距離のそれぞれが実質的に等しくなるようにハブ18の外周にそって分配される。ローブ24は、回転時にロータリカッタ16が釣り合うようにハブ18の周りに実質的に等しい間隔で並べられることが最も好ましい。図3を見ると最もよくわかるように、それぞれの切断ローブ24の上面26は、その前縁部30からその開口34まで、またその開口34から後縁部32まで延在する凸状屈曲部を有する。図2に示されているように、それぞれの切断ローブ24の下面28は、複数の溝36、および隣接する溝36の間に隔壁38を有する。それぞれの切断ローブ24の溝36および隔壁38は、その前縁部30からその後縁部32まで、またはその前縁部30からその開口34まで、およびその開口34からその後縁部32までのいずれかに延在する。前記溝36のそれぞれは、ハブ18の中心軸と同心である円の円弧の形状を有する。図3に示されているように、切断アセンブリのさらに別の部分は、円形プレートカッタ40である。円形プレートカッタ40は、ネジ42などによって、渦巻き部5の取り入れ開口部7の前に取り付けられる。
【0015】
円形プレートカッタ40は、軸14を受け入れるための中心プレートボア、および複数の同心上の溝44と隣接する溝44の間の隔壁46とを有する表面を有する。溝44のそれぞれは、ボア、さらにはロータリカッタ16のハブの中心軸と同心である円の円弧の形状を有する。駆動軸14は、円形プレートカッタボア内に回転するように取り付けられる。この実施形態では、プレートカッタ40は、その頂面からその底面へ完全に中を貫通する複数の穴48を有する。図3に円形穴として図示されているが、これらの穴は、任意の幾何学的形状、例えば、円形、三角形、矩形、多角形、星形、および同様の形状などの任意の形状のさまざまな穿孔のいずれかであるか、またはこれらは湾曲したスロット、傾斜したスロット、都合のよい長さおよび幅の放射状に配置構成されたスロット、またはこれらの組合せであるものとしてよい。一実施形態では、穴48は、その形状に関係なく、プレートカッタ40の頂面と底面との間に厚さに関してテーパーが付けられ、したがって、それぞれの穴に強化されたナイフのような刃が付けられる。切断ローブ24が軸14上に取り付けられる場合、それぞれの切断ローブ24の下面からの溝36および隔壁38は、円形プレートカッタ40からの対応する隔壁46および溝44と並列する。好ましくは、切断ローブ24は、円形プレートカッタ40から、金属スペーサによって数千分の1インチだけ離される。
【0016】
図3は、円形プレートカッタ40のアセンブリを示しており、ロータリカッタ16のローブ24は互いに並列している。軸14、およびロータリカッタ16は、好ましくは、シャチ継手、例えば、円形プレートカッタ40の各中心ボアを通してキー溝に入る軸14にそったキー、およびロータリカッタ16によって1つにまとめられ、最終的にエンドキャップ50およびソケットヘッドねじ15によって取り付けられる。ソケットヘッドねじ15がエンドキャップ50をロータリカッタ16に当接して保持し、好ましくは軸14内にまっすぐ通るようにする。図2および図3は、3つのローブを有するロータリカッタを示しているが、所望の数のローブ、例えば、2個から6個のローブ、好ましくは2個から4個のローブを使用することができる。
【0017】
それぞれの切断ローブ24の下面からの溝36および隔壁38、ならびに円形プレートカッタ40からの対応する隔壁46および溝44は、都合のよい形状を有するものとしてよい。一実施形態では、溝のそれぞれおよび隣接する溝の間の隔壁は、図4(a)に示されているように一般的に矩形の形状の断面を形成する。別の実施形態では、溝のそれぞれおよび隣接する溝の間の隔壁は、図4(b)に示されているように一般的にV字型または三角形の断面を形成する。さらに別の実施形態では、溝のそれぞれおよび隣接する溝の間の隔壁は、図4(c)に示されているように一般的に半円形の形状の断面を形成する。
【0018】
切断ローブ24の嵌合溝および隔壁ならびに円形プレートカッタ40は、液体中の固形物のサイズ縮小のためかなり広い裁断表面積を構成することによって従来技術に勝る改善をもたらす。それに加えて、前縁部および後縁部および中央開口をプレートカッタの表面を通る複数の穴と組み合わせて有するローブは、かなり多い切刃を備え、これにより固形物を減らす。
【0019】
遮られていない渦巻き部の入口開口部の相当面積である正味「流れ面積」を計算するために、回転しているカッタによって常時遮られている面積を推論する。したがって、正味「流れ面積」=静止円形プレートカッタ内の総穴面積−回転しているロータリカッタによって遮られている総面積である。回転しているカッタローブのローブのそれぞれにおいて開口を有する本明細書で説明されている実施形態では、2つの明確に異なる利点が得られる、つまり、回転しているカッタによって遮られている面積の縮小、延いては正味「流れ面積」が増大することと、接触端の数が増加することである。そこで、従来技術の1つのシュレッダポンプでは、1回転当たり108回の切断が主張されている。本発明のシュレッダポンプの使用例では、1回転当たり約1,827回の切断速度で固形物を十分に裁断することができる。
【0020】
図5は、本発明にとって有用な双方向羽根車8を示している。羽根車8は、図1に示されているように、渦巻き部5内に軸14を中心として回転するように取り付けられる。これは、複数の羽根52を備えるように図示されている。羽根の数は、所望の用途のために当業者によって容易に決定可能なものである。図5は、6枚の羽根を示している。それぞれの羽根52は、凸状表面を有する対向する湾曲面を有する。このような双方向羽根車は、軸が第1の回転方向または第2の回転方向のいずれかの方向に回転しているときに流体および液体中に埋め込まれた固形物を渦巻き部5の吐き出し開口部11の方へ推進することができる。
【0021】
一実施形態では、本発明のシュレッダポンプは、第1の回転方向および第2の回転方向に軸14の回転方向を交互に変えるためのコントローラ17をさらに備える。これは、コントローラが、過剰な固形物がプレートカッタ40の開口部内に詰まったことによって引き起こされる過負荷を感知し、ロータリカッタ16の回転を自動的に逆転するときに特に有用である。これにより、固形物の一部が取り除かれ、残っている固形物が切断ローブの新しい前縁部によって切断されるようにできる。この逆転する特徴は、ロータリカッタ16の周りに詰められた繊維状物質を解くのにも非常に有用である。このような逆方向コントローラは、当技術分野でよく知られている。
【0022】
使用時に、本発明は、液体中の固形物を裁断する方法をさらに提供し、この方法は上述のシュレッダポンプを備えることと、次いで、電気モータで駆動軸を少なくとも1つの回転方向に回転させることと、次いで、液体、および任意選択の固形物を、切断アセンブリに通し、渦巻き部の中に送り込み、次いで、羽根車で液体および任意選択の固形物を推進して吐き出し開口部に通すこととを含む。
【0023】
本発明は、具体的に示され、好ましい実施形態を参照しつつ説明されているが、当業者であれば本発明の精神および範囲から逸脱することなくさまざまな変更および修正が加えられることは容易に理解できるであろう。請求項は開示されている実施形態、上述の代替え形態、およびそのすべての等価物を対象とすると解釈されることが意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
切断アセンブリであって、
a)第1の回転方向および第2の回転方向に交互に回転可能な駆動軸と、
b)前記駆動軸に回転可能に固定されたロータリカッタであり、ボアの中心軸を通るボアを有する円形ハブと前記ボア内に前記駆動軸を固定するための手段とを備え、複数の切断ローブがあり、前記切断ローブのそれぞれは上面、前記上面に対向する下面、前縁部、および前記前縁部に対向する後縁部を有し、それぞれの切断ローブは、前記上面から前記下面へ貫通する開口を有し、前記切断ローブのそれぞれはそれぞれの切断ローブの前記前縁部と前記後縁部との間で等距離とされた中心線が前記ハブの前記中心軸に実質的に垂直になるように前記ハブから外向きに延在し、前記切断ローブはそれぞれの切断ローブの前記前縁部から次の隣接する切断ローブの前記後縁部までの距離のそれぞれが実質的に等しくなるように前記ハブの外周にそって配置され、それぞれの切断ローブの前記上面はその前縁部からその開口まで、またその開口からその後縁部まで延在する凸状屈曲部を有し、それぞれの切断ローブの前記下面は複数の溝、および隣接する溝の間に隔壁を有し、それぞれの切断ローブの前記溝および隔壁はその前縁部からその後縁部まで、またはその前縁部からその開口まで、およびその開口からその後縁部までのいずれかに延在し、前記溝のそれぞれは前記ハブの前記中心軸と同心である円の円弧の形状を有する、ロータリカッタと、
c)静止渦巻き部の取り入れ開口部に取り付けるための、中心プレートボア、および複数の同心上の溝と隣接する溝間の隔壁とを有する表面を有する、円形プレートカッタであって、前記溝のそれぞれは前記ハブの前記中心軸と同心である円の円弧の形状を有し、前記駆動軸は前記プレートボア内に回転するように取り付けられ、前記プレートカッタはその表面を貫通する複数の穴を有し、それぞれの切断ローブの前記下面からの前記溝および隔壁は前記円形プレートカッタからの対応する隔壁および溝と並列する、円形プレートカッタとを備える切断アセンブリ。
【請求項2】
前記溝および隣接する溝間の隔壁のそれぞれは、略V字形の形状の断面を形成する請求項1に記載の切断アセンブリ。
【請求項3】
前記溝および隣接する溝間の隔壁のそれぞれは、略矩形の形状の断面を形成する請求項1に記載の切断アセンブリ。
【請求項4】
前記溝および隣接する溝間の隔壁のそれぞれは、略半円形の形状の断面を形成する請求項1に記載の切断アセンブリ。
【請求項5】
前記ボア内に前記駆動軸を固定するための前記手段は、シャチ継手を備える請求項1に記載の切断アセンブリ。
【請求項6】
2個〜6個の切断ローブを備える請求項1に記載の切断アセンブリ。
【請求項7】
前記ロータリカッタおよび前記円形プレートカッタは、金属スペーサによって互いに分離される請求項1に記載の切断アセンブリ。
【請求項8】
前記プレートカッタ内の前記複数の穴は、幾何学的、多角形、星形、湾曲したスロット、傾斜したスロット、放射状に配置構成されたスロット、またはこれらの組合せである形状を有する請求項1に記載の切断アセンブリ。
【請求項9】
シュレッダポンプであって、
i)取り入れ開口部、および吐き出し開口部を有する静止渦巻き部と、
ii)前記取り入れ開口部の前に取り付けられた切断アセンブリであり、a)第1の回転方向および第2の回転方向に交互に回転可能な駆動軸と、b)前記駆動軸に回転可能に固定されたロータリカッタであって、ボアの中心軸を通るボアを有する円形ハブと前記ボア内に前記駆動軸を固定するための手段とを備え、複数の切断ローブがあり、前記切断ローブのそれぞれは上面、前記上面に対向する下面、前縁部、および前記前縁部に対向する後縁部を有し、それぞれの切断ローブには、前記上面から前記下面へ貫通する開口を有し、前記切断ローブのそれぞれはそれぞれの切断ローブの前記前縁部と前記後縁部との間で等距離にされた中心線が前記ハブの前記中心軸に実質的に垂直になるように前記ハブから外向きに延在し、前記切断ローブはそれぞれの切断ローブの前記前縁部から次の隣接する切断ローブの前記後縁部までの距離のそれぞれが実質的に等しくなるように前記ハブの外周にそって配置され、それぞれの切断ローブの前記上面はその前縁部からその開口まで、またその開口からその後縁部まで延在する凸状屈曲部を有し、それぞれの切断ローブの前記下面は複数の溝、および隣接する溝の間に隔壁を有し、それぞれの切断ローブの前記溝および隔壁はその前縁部からその後縁部まで、またはその前縁部からその開口まで、およびその開口からその後縁部までのいずれかに延在し、前記溝のそれぞれは前記ハブの前記中心軸と同心である円の円弧の形状を有する、ロータリカッタと、
c)前記静止渦巻き部の前記取り入れ開口部に取り付けられた、中心プレートボア、および複数の同心上の溝と隣接する溝間の隔壁とを有する表面を有する、円形プレートカッタであって、前記溝のそれぞれは前記ハブの前記中心軸と同心である円の円弧の形状を有し、前記駆動軸は前記プレートボア内に回転するように取り付けられ、前記プレートカッタはその表面を貫通する複数の穴を有し、それぞれの切断ローブの前記下面からの前記溝および隔壁は前記円形プレートカッタからの対応する隔壁および溝と並列し、前記駆動軸は軸受によって前記渦巻き部の壁を通して回転するように取り付けられ、メカニカルシールによって封止される、円形プレートカッタとを備える切断アセンブリと、
iii)前記駆動軸の周りに固定された渦巻き部内の羽根車と、
iv)前記渦巻き部の外側部分に取り付けられ、前記渦巻き部の中で前記駆動軸を回転させるために前記駆動軸に固定された電気モータとを備えるシュレッダポンプ。
【請求項10】
前記電気モータは、第1の回転方向および第2の回転方向に交互に軸を回転することができる双方向電気モータである請求項9に記載のシュレッダポンプ。
【請求項11】
第1の回転方向および第2の回転方向に前記軸の回転方向を交互に変えるためのコントローラをさらに備える請求項10に記載のシュレッダポンプ。
【請求項12】
前記羽根車は、前記軸が前記第1の回転方向および第2の回転方向のそれぞれの方向に回転しているときに吐き出し開口部の方向に前記渦巻き部内の液体を移動することができる双方向羽根車である請求項9に記載のシュレッダポンプ。
【請求項13】
前記溝および隣接する溝間の隔壁のそれぞれは、略V字形の形状の断面を形成する請求項9に記載のシュレッダポンプ。
【請求項14】
前記溝および隣接する溝間の隔壁のそれぞれは、略矩形の形状の断面を形成する請求項9に記載のシュレッダポンプ。
【請求項15】
前記溝および隣接する溝間の隔壁のそれぞれは、略半円形の形状の断面を形成する請求項9に記載のシュレッダポンプ。
【請求項16】
前記ボア内に前記駆動軸を固定するための前記器具は、シャチ継手を備える請求項9に記載のシュレッダポンプ。
【請求項17】
2個〜6個の切断ローブを備える請求項9に記載のシュレッダポンプ。
【請求項18】
前記ロータリカッタおよび前記円形プレートカッタは、金属スペーサによって互いに分離される請求項9に記載のシュレッダポンプ。
【請求項19】
前記プレートカッタ内の前記複数の穴は、幾何学的、多角形、星形、湾曲したスロット、傾斜したスロット、放射状に配置構成されたスロット、またはこれらの組合せである形状を有する請求項9に記載のシュレッダポンプ。
【請求項20】
液体中の固形物を裁断する方法であって、
I)ポンプとして、
i)取り入れ開口部、および吐き出し開口部を有する静止渦巻き部と、
ii)前記取り入れ開口部の前に取り付けられた切断アセンブリであり、a)第1の回転方向および第2の回転方向に交互に回転可能な駆動軸と、b)前記駆動軸に回転可能に固定されたロータリカッタであって、ボアの中心軸を通るボアを有する円形ハブと前記ボア内に前記駆動軸を固定するための手段とを備え、複数の切断ローブがあり、前記切断ローブのそれぞれは上面、前記上面に対向する下面、前縁部、および前記前縁部に対向する後縁部を有し、それぞれの切断ローブには、前記上面から前記下面へ貫通する開口を有し、前記切断ローブのそれぞれはそれぞれの切断ローブの前記前縁部と前記後縁部との間で等距離にされた中心線が前記ハブの前記中心軸に実質的に垂直になるように前記ハブから外向きに延在し、前記切断ローブはそれぞれの切断ローブの前記前縁部から次の隣接する切断ローブの前記後縁部までの距離のそれぞれが実質的に等しくなるように前記ハブの外周にそって配置され、それぞれの切断ローブの前記上面はその前縁部からその開口まで、またその開口からその後縁部まで延在する凸状屈曲部を有し、それぞれの切断ローブの前記下面は複数の溝、および隣接する溝の間に隔壁を有し、それぞれの切断ローブの前記溝および隔壁はその前縁部からその後縁部まで、またはその前縁部からその開口まで、およびその開口からその後縁部までのいずれかに延在し、前記溝のそれぞれは前記ハブの前記中心軸と同心である円の円弧の形状を有する、ロータリカッタと、
c)静止渦巻き部の前記取り入れ開口部に取り付けられた、前記中心プレートボア、および複数の同心上の溝と隣接する溝間の隔壁とを有する表面を有する、プレートカッタであって、前記溝のそれぞれは前記ハブの前記中心軸と同心である円の円弧の形状を有し、前記駆動軸は前記プレートボア内に回転するように取り付けられ、前記プレートカッタはその表面を貫通する複数の穴を有し、それぞれの切断ローブの前記下面からの前記溝および隔壁は前記円形プレートカッタからの対応する隔壁および溝と並列し、前記駆動軸は軸受によって前記渦巻き部の壁を通して回転するように取り付けられ、メカニカルシールによって封止される、円形プレートカッタとを備える切断アセンブリと、
iii)前記駆動軸の周りに固定された前記渦巻き部内の羽根車と、
iv)前記渦巻き部の外側部分に取り付けられ、前記渦巻き部の中で前記駆動軸を回転させるために前記駆動軸に固定された電気モータとを備えるシュレッダポンプを装備することと、
II)前記電気モータで前記駆動軸を少なくとも1つの回転方向に回転させることと、
III)液体、および任意選択の固形物を、前記切断アセンブリに通し、前記渦巻き部の中に送り込み、次いで、前記羽根車で前記液体および前記任意選択の固形物を推進して前記吐き出し開口部に通すこととを含む方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−92148(P2013−92148A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−234422(P2012−234422)
【出願日】平成24年10月24日(2012.10.24)
【出願人】(512275008)
【Fターム(参考)】