説明

カットブロッコリー及びカットカリフラワーの包装体

【課題】 カットブロッコリー、カットカリフラワーについて、カットされた野菜の切り口(カット面)の褐変や黒変を防止でき、鮮度保持が可能な包装体を提供する。
【解決手段】 カットブロッコリー、カットカリフラワーの包装体において、包装体に用いられる包装袋の酸素透過速度および二酸化炭素透過速度が100gあたり100〜900cc/100g・day・atmであり、を包装袋に入れて包装袋の口を閉じた時から、48時間以内に包装体内の酸素濃度が0.05%以上3%未満、二酸化炭素濃度が10%以上20%未満であるカットブロッコリー及びカットカリフラワーの包装体である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カットブロッコリー単独、又はカットカリフラワー単独、又は両者の混合物の包装体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、青果物の鮮度保持を目的とし、青果物自身の呼吸により包装内のガス濃度を野菜の保存に適した雰囲気にするというMA(Modified Atmosphere)効果を有する青果物用鮮度保持資材が開発され枝豆、ブロッコリーやホウレンソウなど様々な青果物で実用化されている。カット野菜に関しても、MA包装の採用が進んでいるが、外食産業や中食産業において安全で美味しくさらに効率化を求める流れがあり、これまではカットの状態で流通していなかった野菜をカットしたり、あるいは外国でカットしたものを生のまま輸入するという動きがある。
【0003】
ブロッコリーの鮮度保持に関しては、特開平6−125698号公報の段落番号0007において、鮮度保持に適した条件として、酸素濃度3%以上、15%以下が望ましいと記載されている。しかし、カットブロッコリーやカットカリフラワーを酸素濃度3%以上の条件で保管すると、切り口が褐色や黒色に変色してしまい、商品性が損なわれており、変色の少ないカットブロッコリー、カットカリフラワーの包装体は、これまで開発されていなかった。
【特許文献1】特開平6−125698号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、カットブロッコリー、カットカリフラワーについて、通常のホール品ではカット面が存在しないことから問題にならなかったカットされた野菜の切り口(カット面)の褐変や黒変を防止でき、内容物の鮮度保持が可能な包装体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
カットブロッコリー及び/又はカットカリフラワーの包装体において、包装体に用いられる包装袋の酸素透過速度および二酸化炭素透過速度が前記カットブロッコリー及び/又はカットカリフラワー100gあたりそれぞれ100〜900cc/100g・day・atmであり、前記カットブロッコリー及び/又はカットカリフラワーを包装袋に入れて包装袋の口を閉じた時から48時間以内に、包装体内の酸素濃度が0.05%以上3%未満、二酸化炭素濃度が10%以上20%未満となり、前記包装袋を開封するまで前記包装体内の酸素濃度が0.05%以上3%未満、二酸化炭素濃度が10%以上20%未満であるカットブロッコリー及びカットカリフラワーの包装体である。
更に好ましい形態としては、包装袋は、傷、クラック、微細孔、切れ目の何れか1種以上の加工を施したものであり、カットブロッコリー及び/又はカットカリフラワーが、カット後に水で洗浄されたものであり、包装袋が、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸のいずれか、或いはこれらの中から2種以上を積層したものであり、包装体の保管温度が0〜15℃の範囲であるカットブロッコリー及びカットカリフラワーの包装体である。
【発明の効果】
【0006】
本発明の方法に従うと、カットブロッコリー、カットカリフラワーの黄化防止、異臭防止ができ、カットブロッコリー、カットカリフラワーの切り口(カット面)の褐変や黒変を防止でき、鮮度保持が可能な包装体を供給することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明は、カットブロッコリー、又はカットカリフラワー、又はカットブロッコリーとカットカリフラワーの混合物の包装体に関するものである。ブロッコリー及びカリフラワーの種類は特に限定されないが、例えば、ブロッコリーとしては、緑嶺、唐嶺、緑洋、グリーンコメット、ハイツ、シャスター、グリーンビューティー、カリフラワーとしては、スノークイン、さきがけ1号、野崎早生、増田早生、スノーキング、房州中生、増田中生、野崎晩生、増田晩生、雲仙2号がある。これらは、国産に限らずアメリカ産や中国産などの輸入品であっても良い。ブロッコリー及びカリフラワーのカットされた形状は、特に限定されないが、例えば、重量が5〜30g程度の房切りしたものである。また、カット方法も限定されない。
本発明のカットブロッコリー及びカットカリフラワーの包装体では、カットブロッコリー、カットカリフラワーの重量の半分を超えない範囲で他のカット野菜、例えば、カットニンジン、カットピーマンなどが混ざっていても良い。
【0008】
本発明は、カットブロッコリー、カットカリフラワーを包装袋に入れて保存する際、包装袋の酸素透過速度、二酸化炭素透過速度は、カットブロッコリー、カットカリフラワー100gあたりそれぞれ100〜900cc/100g・day・atmである。酸素透過速度、二酸化炭素透過速度が100cc/100g・day・atm未満であれば、内容物が劣化する可能性があり、900cc/100g・day・atmを越えると切り口が変色する可能性があるため、商品性が失われてしまう恐れがある。
【0009】
包装袋にカットブロッコリー、カットカリフラワーを入れて包装袋の口を閉じ、48時間以内に包装体内の酸素濃度が0.05%以上、3%未満、二酸化炭素濃度が10%以上、20%未満となることが鮮度保持の点から好ましい。より好ましくは、48時間以内に包装体内の酸素濃度が0.5%以上、3%未満に達することである。また、30時間以内に包装体内の酸素濃度が0.05%以上、3%未満に達することもより好ましい。また、包装体の酸素濃度及び二酸化炭素濃度が上記の範囲に達した後、包装袋を開封するまでの間、包装体内の酸素濃度が0.05%以上、3%未満、二酸化炭素濃度が10%以上、20%未満の範囲内で保持されることが好ましい。
【0010】
48時間以内に酸素濃度が0.05%以上、3%未満の範囲、二酸化炭素濃度が10%以上、20%未満の範囲内になると、包装体内でのエタノールやアセトアルデヒドの発生が抑えられ、異臭、水浮き(トロケ)が生じにくく、切り口の褐変や黒変を防ぐことができ、カットブロッコリー、カットカリフラワーの鮮度を良好に保つことができ、商品性を長く保つことができる。
【0011】
包装体内の酸素濃度及び二酸化炭素濃度が上記の範囲に達した後、包装袋を開封するまでの間、上記の酸素濃度及び二酸化炭素濃度に保つと、異臭、水浮き(トロケ)が生じにくく、切り口の変色発生防止に効果が大きく、鮮度を良好に保つことができる。
また、エタノールの発生に関しては、10ppmを超えると異臭が著しくなるので、10ppm未満、さらに好ましくは検出されない方が良い。
【0012】
本発明の包装体の保管温度は、0〜15℃の範囲であることが好ましい。0℃未満では、凍結の恐れがあり、15℃を超えると花蕾や切り口のトロケが発生しやすくなり、鮮度を保持することが難しくなる可能性がある。ただし、実際の流通においては、数時間程度常温で扱われる場合もあるが、この程度の範囲であれば、15℃を超えても品質への影響はほとんどないのでなんら問題はない。冷蔵設備の温度の振れを考慮すると、確実に凍結を防止するために2℃以上がより好ましい。また、高温側に関しても、保管期間が2日間以上の場合には12℃以下がより好ましい。
【0013】
カットブロッコリー、カットカリフラワーは、カット後に水で洗浄することが好ましい。洗浄によって、切り口に付着した微生物や切断時に破壊された細胞から染み出た細胞液などの付着物を洗い流すことによって、切り口の変色をより一層防止できる。この際、水分が多く付着したままで包装すると、濡れた部分から腐敗が発生しやすくなるので、水切りをすることが好ましい。
【0014】
包装体に用いられる包装袋は、合成樹脂フィルムが好ましく、合成樹脂フィルムとしては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート・アジペート、ポリ乳酸などが挙げられる。これらの内いずれかの素材を単独あるいは積層して用いればよい。また、これらは、延伸してあってもよく、防曇加工や印刷が施してあっても良い。
合成樹脂フィルムの厚みは、経済的に100μm以下が好ましく、強度的に10μm以上が好ましい。また、包装体内の二酸化炭素濃度が20%を超えてしまうような場合は、比較的炭酸ガス透過量が大きい低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレンなどの素材を用いることで二酸化炭素濃度を低下させられるので、状況に応じて素材を選択すると良い。
【0015】
包装体に合成樹脂フィルムを用いた場合、合成樹脂フィルム自体の酸素透過速度および二酸化炭素透過速度では、カットブロッコリー、カットカリフラワーの鮮度保持に必要な透過速度に及ばない場合がある。このような場合は、微細孔1個の開孔面積が0.05mm2以下である微細孔、未貫通及び/又は貫通のクラック、又は距離5mm以下の切り込みのいずれかをフィルムに加工して酸素透加速度を調節することが好ましい。開口面積が0.05mm2を超えたり、切り込みの距離が5mmを超えると1袋あたりのこれら加工数が少なくなり、包装体あたりの酸素透加速度及び二酸化炭素透過速度を調節する精度が悪くなる可能性がある。
【0016】
包装袋の透湿度は、2〜800g/m2・日(40℃、90%RH)であることが好ましい。カットブロッコリーやカットカリフラワーの萎れを防止するためには2〜50g/m2・日(40℃、90%RH)の包装袋が好ましく、逆に結露が気になる場合には、50〜800g/m2・日(40℃、90%RH)のフィルム、例えば東セロ製のポリ乳酸フィルム、パルグリーンLCなどに微細孔などの加工を施して用いれば良い。
【実施例】
【0017】
以下実施例で本発明を説明する。なお、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
《実施例1》
縦350mm、横300mmで厚さ25μmの延伸ポリプロピレンフィルム製袋にカット後水で洗浄したカットブロッコリー(平均約10g/個)を1000g入れて封をした。袋には、開口面積1.96×10-3mm2の微細孔22個をあけ、カットブロッコリー100g当たりの酸素透過速度及び二酸化炭素透過速度がそれぞれ200cc/100g・day・atmとなるようにしている。これを、5℃で7日間保管して、袋内ガス組成及びカットブロッコリーの品質を調査した結果を表1に示す。
《実施例2》
縦350mm、横300mmで厚さ25μmの延伸ポリプロピレンフィルム製袋にカット後水で洗浄したカットブロッコリー(平均約10g/個)を1000g入れて封をした。袋には、開口面積7.85×10-3mm2の微細孔11個をあけ、カットブロッコリー100g当たりの酸素透過速度及び二酸化炭素透過速度がそれぞれ400cc/100g・day・atmとなるようにしている。これを、10℃で5日間保管して、袋内ガス組成及びカットブロッコリーの品質を調査した結果を表1に示す。
《実施例3》
縦350mm、横300mmで厚さ25μmの延伸ポリプロピレンフィルム製袋にカット後水で洗浄したカットブロッコリー(平均約10g/個)を1000g入れて封をした。袋には、開口面積1.96×10-3mm2の微細孔66個をあけ、カットブロッコリー100g当たりの酸素透過速度及び二酸化炭素透過速度がそれぞれ610cc/100g・day・atmとなるようにしている。これを、12℃で4日間保管して、袋内ガス組成及びカットブロッコリーの品質を調査した結果を表1に示す。
《実施例4》
縦350mm、横300mmで厚さ25μmの延伸ポリプロピレンフィルム製袋にカット後水で洗浄していないカットブロッコリー(平均約10g/個)を1000g入れて封をした。袋には、長さ3mmの貫通した切り込み4個をいれて、カットブロッコリー100g当たりの酸素透過速度及び二酸化炭素透過速度がそれぞれ440cc/100g・day・atmとなるようにしている。これを、10℃で4日間保管して、袋内ガス組成及びカットブロッコリーの品質を調査した結果を表1に示す。
《実施例5》
縦350mm、横300mmで厚さ40μmの低密度ポリエチレンフィルム製袋にカット後水で洗浄したカットブロッコリー(平均約10g/個)を1000g入れて封をした。袋には、開口面積7.85×10-3mm2の微細孔10個をあけて、カットブロッコリー100g当たりの酸素透過速度及び二酸化炭素透過速度が400cc/100g・day・atmとなるようにしている。これを、10℃で5日間保管して、袋内ガス組成及びカットブロッコリーの品質を調査した結果を表1に示す。
【0018】
《実施例6》
縦350mm、横300mmで厚さ25μmの延伸ポリプロピレンフィルム製袋にカット後水で洗浄したカットカリフラワー(平均約10g/個)を1000g入れて封をした。袋には、開口面積1.96×10-3mm2の微細孔22個をあけて、カットブロッコリー100g当たりの酸素透過速度及び二酸化炭素透過速度がそれぞれ200cc/100g・day・atmとなるようにしている。これを、5℃で7日間保管して、袋内ガス組成及びカットカリフラワーの品質を調査した結果を表2に示す。
《実施例7》
縦350mm、横300mmで厚さ25μmの延伸ポリプロピレンフィルム製袋にカット後水で洗浄したカットカリフラワー(平均約10g/個)を1000g入れて封をした。袋には、開口面積1.96×10-3mm2の微細孔44個をあけて、カットカリフラワー100g当たりの酸素透過速度及び二酸化炭素透過速度が400cc/100g・day・atmとなるようにしている。これを、10℃で5日間保管して、袋内ガス組成及びカットカリフラワーの品質を調査した結果を表2に示す。
《実施例8》
縦350mm、横300mmで厚さ25μmの延伸ポリプロピレンフィルム製袋にカット後水で洗浄したカットカリフラワー(平均約10g/個)を1000g入れて封をした。袋には、開口面積1.96×10-3mm2の微細孔66個をあけて、カットカリフラワー100g当たりの酸素透過速度及び二酸化炭素透過速度が610cc/100g・day・atmとなるようにしている。これを、12℃で4日間保管して、袋内ガス組成及びカットカリフラワーの品質を調査した結果を表2に示す。
《実施例9》
縦350mm、横300mmで厚さ25μmの延伸ポリプロピレンフィルム製袋にカット後水で洗浄していないカットカリフラワー(平均約10g/個)を1000g入れて封をした。袋には、長さ3mmの貫通した切り込み4個をいれて、カットカリフラワー100g当たりの酸素透過速度及び二酸化炭素透過速度が440cc/100g・day・atmとなるようにしている。これを、10℃で4日間保管して、袋内ガス組成及びカットカリフラワーの品質を調査した結果を表2に示す。
【0019】
《比較例1》
包装袋に微細孔を施していないこと以外は実施例1と同様にカットブロッコリーを包装した。これを、5℃で7日間保管して、袋内ガス組成及びカットブロッコリーの品質を調査した結果を表3に示す。
《比較例2》
包装袋に、開口面積1.96×10-3mm2の微細孔130個をあけてカットブロッコリー100g当たりの酸素透過速度及び二酸化炭素透過速度が1200cc/100g・day・atmとした以外は実施例1と同様にカットブロッコリーを包装した。これを、5℃で7日間保管して、袋内ガス組成及びカットブロッコリーの品質を調査した結果を表3に示す。
《比較例3》
包装袋に微細孔を施していないこと以外は実施例2と同様にカットブロッコリーを包装した。これを、10℃で5日間保管して、袋内ガス組成及びカットブロッコリーの品質を調査した結果を表3に示す。
《比較例4》
包装袋に、開口面積1.96×10-3mm2の微細孔180個をあけてカットブロッコリー100g当たりの酸素透過速度及び二酸化炭素透過速度が1660cc/100g・day・atmとした以外は実施例2と同様にカットブロッコリーを包装した。これを、10℃で5日間保管して、袋内ガス組成及びカットブロッコリーの品質を調査した結果を表3に示す。
《比較例5》
包装袋に、直径5mmの穴4個を開けた以外は、実施例2と同様にカットブロッコリーを包装した。これを、10℃で5日間保管して、袋内ガス組成及びカットブロッコリーの品質を調査した結果を表3に示す。
《比較例6》
包装袋に微細孔を施していないこと以外は実施例3と同様にカットブロッコリーを包装した。これを、12℃で4日間保管して、袋内ガス組成及びカットブロッコリーの品質を調査した結果を表3に示す。
《比較例7》
包装袋に、開口面積1.96×10-3mm2の微細孔110個をあけてカットブロッコリー100g当たりの酸素透過速度及び二酸化炭素透過速度が1010cc/100g・day・atmとした以外は実施例3と同様にカットブロッコリーを包装した。これを、12℃で4日間保管して、袋内ガス組成及びカットブロッコリーの品質を調査した結果を表3に示す。
【0020】
《比較例8》
包装袋に微細孔を施していないこと以外は実施例6と同様にカットカリフラワーを包装した。これを、5℃で7日間保管して、袋内ガス組成及びカットカリフラワーの品質を調査した結果を表4に示す。
《比較例9》
包装袋に、開口面積1.96×10-3mm2の微細孔130個をあけてカットカリフラワー100g当たりの酸素透過速度及び二酸化炭素透過速度が1200cc/100g・day・atmとした以外は実施例6と同様にカットカリフラワーを包装した。これを、5℃で7日間保管して、袋内ガス組成及びカットカリフラワーの品質を調査した結果を表4に示す。
《比較例10》
包装袋に微細孔を施していないこと以外は実施例7と同様にカットカリフラワーを包装した。これを、10℃で5日間保管して、袋内ガス組成及びカットカリフラワーの品質を調査した結果を表4に示す。
《比較例11》
包装袋に、開口面積1.96×10-3mm2の微細孔180個をあけてカットカリフラワー100g当たりの酸素透過速度及び二酸化炭素透過速度が1660cc/100g・day・atmとした以外は実施例7と同様にカットカリフラワーを包装した。これを、10℃で5日間保管して、袋内ガス組成及びカットカリフラワーの品質を調査した結果を表4に示す。
《比較例12》
包装袋に、直径5mmの穴4個を開けた以外は、実施例7と同様にカットカリフラワーを包装した。これを、10℃で5日間保管して、袋内ガス組成及びカットカリフラワーの品質を調査した結果を表4に示す。
《比較例13》
包装袋に微細孔を施していないこと以外は実施例8と同様にカットカリフラワーを包装した。これを、12℃で4日間保管して、袋内ガス組成及びカットカリフラワーの品質を調査した結果を表4に示す。
《比較例14》
包装袋に、開口面積1.96×10-3mm2の微細孔180個をあけてカットカリフラワー100g当たりの酸素透過速度及び二酸化炭素透過速度が1660cc/100g・day・atmとした以外は実施例8と同様にカットカリフラワーを包装した。これを、12℃で4日間保管して、袋内ガス組成及びカットカリフラワーの品質を調査した結果を表4に示す。
【0021】
《比較例15》
縦200mm、横200mmで厚さ25μmの延伸ポリプロピレンフィルム製袋にホールのブロッコリー(約200g/個)を1個入れた。袋には、開口面積5.02×10-3mm2の微細孔18個をあけ、ブロッコリー100g当たりの酸素透過速度及び二酸化炭素透過速度がそれぞれ420cc/100g・day・atmとなるようにした。これを、5℃で7日間保管して、袋内ガス組成及びブロッコリーの品質を調査した結果を表5に示す。
《比較例16》
縦200mm、横200mmで厚さ25μmの延伸ポリプロピレンフィルム製袋にホールのカリフラワー(約200g/個)を1個入れた。袋には、開口面積5.02×10-3mm2の微細孔18個をあけ、カリフラワー100g当たりの酸素透過速度及び二酸化炭素透過速度がそれぞれ420cc/100g・day・atmとなるようにした。これを、5℃で7日間保管して、袋内ガス組成及びカリフラワーの品質を調査した結果を表5に示す。
【0022】
品質の調査結果を下記の表にて示す。なお、下記の表内の○、□、△、×は次の内容を示している。
○良好
□ やや劣化
△ 明らかな劣化(商品性無し)
× 著しい劣化(食べられない)
【表1】

【0023】
【表2】

【0024】
【表3】

【0025】
【表4】

【0026】
【表5】

【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明は、カットブロッコリー、カットカリフラワーの鮮度保持用の包装に用いることができ、ブロッコリー、カリフラワーの切り口の変色がなく、鮮度の良好なカットブロッコリー、カットカリフラワーを提供することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カットブロッコリー及び/又はカットカリフラワーの包装体において、前記包装体に用いられる包装袋の酸素透過速度および二酸化炭素透過速度が前記カットブロッコリー及び/又はカットカリフラワー100gあたりそれぞれ100〜900cc/100g・day・atmであり、前記カットブロッコリー及び/又はカットカリフラワーを前記包装袋に入れて前記包装袋の口を閉じた時から48時間以内に、前記包装体内の酸素濃度が0.05%以上3%未満、二酸化炭素濃度が10%以上20%未満となり、前記包装袋を開封するまで前記包装体内の酸素濃度が0.05%以上3%未満、二酸化炭素濃度が10%以上20%未満であることを特徴とするカットブロッコリー及びカットカリフラワーの包装体。
【請求項2】
包装袋に、傷、クラック、微細孔、切れ目の何れか1種以上の加工を施した請求項1記載のカットブロッコリー及びカットカリフラワーの包装体。
【請求項3】
カットブロッコリー及び/又はカットカリフラワーが、カット後に水で洗浄されたものである請求項1又は2記載のカットブロッコリー及びカットカリフラワーの包装体。
【請求項4】
包装袋が、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸のいずれか、或いはこれらの中から2種以上を積層したものである請求項1、2又は3記載のカットブロッコリー及びカットカリフラワーの包装体。
【請求項5】
包装体の保管温度が0〜15℃の範囲である請求項1、2、3又は4記載のカットブロッコリー及びカットカリフラワーの包装体。

【公開番号】特開2006−27640(P2006−27640A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−206768(P2004−206768)
【出願日】平成16年7月14日(2004.7.14)
【出願人】(000002141)住友ベークライト株式会社 (2,927)
【Fターム(参考)】